JP2002038679A - 階段用踏み板 - Google Patents

階段用踏み板

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JP2002038679A
JP2002038679A JP2000226041A JP2000226041A JP2002038679A JP 2002038679 A JP2002038679 A JP 2002038679A JP 2000226041 A JP2000226041 A JP 2000226041A JP 2000226041 A JP2000226041 A JP 2000226041A JP 2002038679 A JP2002038679 A JP 2002038679A
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long fiber
fiber
long fibers
fiberboard
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JP2000226041A
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Akira Sugawara
亮 菅原
Yuzo Okudaira
有三 奥平
Kazuaki Umeoka
一哲 梅岡
Kenji Onishi
兼司 大西
Hideyuki Ando
秀行 安藤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な強度、耐傷性を有すると共に強度の異
方性が小さく、しかも温度変化や湿度変化による長さ変
化が小さくて、反りや突き上げなどの変形や、表面仕上
げ材の発生を抑制することができる階段用踏み板を提供
する。 【解決手段】 接着剤を分散させた長繊維2の集合体か
らなる長繊維マットを熱圧成形して作製される繊維板4
と、繊維板4の少なくとも一表面に接着される表面仕上
げ材5からなる階段用踏み板に関する。長繊維マットと
して、ケナフ靭皮部、油ヤシ、ココヤシのうち少なくと
も一つから得られる長さ100〜4000mmの長繊維
2を同一方向に配向させたものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蹴込み板や側板な
どと組み合わせることによって階段を構成する部材とし
て用いられる階段用踏み板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木質系の階段用踏み板としては、集成材
や、集成材の表面に突き板や化粧シート等の表面仕上げ
材を接着したものが従来では主流であった。しかしなが
ら、このような集成材から形成される階段用踏み板は、
表面硬度が十分でなく、階段用踏み板の表面に集中荷重
が負荷されると、表面に傷が付いたり凹んだりしてしま
うという欠点があった。また、階段の方向転換部の回り
踏み板として用いる場合、階段用踏み板は長方形ではな
く三角形の形状となるが、集成材は方向によって強度が
大きく異なるため、強度の弱い方向に対しては補強材で
支える必要がある。
【0003】そこで近年では、比較的高い表面硬度を有
して集中荷重に対して強いMDF(中質繊維板)を表面
補強材として、強度の異方性の小さい合板等の基板材料
に接着し、さらにMDFの表面に突き板等の表面仕上げ
材を接着して作製した階段用踏み板が提供されており、
耐傷性を有する階段用踏み板として急激に普及しつつあ
る。
【0004】しかしながら、このような耐傷性を有する
階段用踏み板に用いられるMDFは、一般に曲げや衝撃
等の荷重に対する強度が小さく、階段用踏み板としての
強度を確保するためには合板等の基板材料の厚みを厚く
する必要があるという問題があった。またMDFは室内
の温度変化や湿度変化による長さ変化が一般的に合板よ
りも大きいため、MDFを合板に接着した階段用踏み板
は、反りや突き上げなどの変形や、表面仕上げ材のクラ
ックなどの異常が発生するおそれがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
階段用踏み板においては、使用時に不具合を生じたり、
施工時や取り扱い時に制約を受けたりする場合があると
いう問題を有するものであった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、十分な強度、耐傷性を有すると共に強度の異方性
が小さく、しかも温度変化や湿度変化による長さ変化が
小さくて、反りや突き上げなどの変形や、表面仕上げ材
の発生を抑制することができる階段用踏み板を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
階段用踏み板は、接着剤を分散させた長繊維の集合体か
らなる長繊維マットを熱圧成形して作製される繊維板
と、繊維板の少なくとも一表面に接着される表面仕上げ
材を具備して形成される階段用踏み板において、長繊維
マットとして、ケナフ靭皮部、油ヤシ、ココヤシのうち
少なくとも一つから得られる長さ100〜4000mm
の長繊維を同一方向に配向させたものを用いて成ること
を特徴とするものである。
【0008】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、複数枚の長繊維マットを、各々の長繊維の配向方向
をずらして積層して作製した繊維板を用いて成ることを
特徴とするものである。
【0009】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、長繊維マットとして、長繊維を編み込んで形成
したもの、長繊維を織り込んで形成したもの、長繊維を
絡み合わせて形成したものから選択されるものを用いて
成ることを特徴とするものである。
【0010】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、長繊維マットとして、ケナフ芯部を
粉砕して得られるパーティクルを長繊維の集合体に混合
したものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0011】また請求項5の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、二層の長繊維マットの間にケナフ芯
部を粉砕して得られるパーティクルを挟み込んで積層し
て作製した繊維板を用いて成ることを特徴とするもので
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0013】図1は本発明に係る階段用踏み板Aの一例
を示すものであり、繊維板4の表面に木質の突き板や化
粧シートなどの表面仕上げ材5を接着して積層すること
によって作製してある。この繊維板4は、ケナフ靭皮
部、油ヤシ、ココヤシなどから得られる長繊維2に接着
剤1を分散させた集合体から図2のような長繊維マット
3を作製し、この長繊維マット3を熱圧成形することに
よって得られたものであり、またこの長繊維マット3に
おいて長繊維2は繊維方向が略同一方向になるように配
向させてある。
【0014】長繊維マット3において用いる接着剤1の
種類や、長繊維2に接着剤1を分散させる方法は、特に
限定されるものではないが、接着剤1としては、例え
ば、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹
脂、レゾルシノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン
系樹脂、フルフラール系樹脂、イソシアネート系樹脂の
ように加熱硬化する熱硬化性樹脂を挙げることができ
る。
【0015】また長繊維マット3を熱圧成形して繊維板
4を作製する際の、プレス方法としては、バッチ式の平
板プレスと連続プレスなどがあるが、特に限定されるも
のではない。またプレス温度、プレス時間、プレス圧
力、長繊維2に対する接着剤1の添加比率などは、用い
る接着剤1の種類、長繊維マット3の厚み等に応じて適
宜に設定されるものである。
【0016】ここで、ケナフ靭皮部、油ヤシ、ココヤシ
から得られる長繊維2は、針葉樹から得られる針葉樹繊
維や、広葉樹から得られる広葉樹繊維に比べて、おおよ
そ2〜14倍の高い引張り強度を有している。そしてこ
の長繊維2を配向させた長繊維マット3から作製される
繊維板4は、長繊維2自体の高い引張強度を有効に活用
して、強度、表面硬度が高く、温度変化や湿度変化によ
る長さ変化などに対して優れた性能を有する階段用踏み
板の材料として用いることができるものである。以下、
これらの性能について説明する。
【0017】まず繊維板4の強度について説明する。図
3は、長繊維2を略同一方向に配向させた長繊維マット
3を熱圧成形して得られる、長繊維2が矢印方向に配向
した繊維板4を示すものであり、このように長繊維2が
配向した繊維板4においては、曲げ荷重に対する剛性、
つまり曲げ変形に対する力学的強度を長繊維2の引張強
度で制御することができる。すなわち、図4に示すよう
に曲げ荷重Wが作用すると、この荷重Wは両矢印で示す
方向で長繊維2を引っ張る力として作用するが、長繊維
2は繊維方向の引張強度が特に優れているので、長繊維
2の引張強度で制御することができるのである。従っ
て、長繊維2を一定の方向に揃えて配向させることによ
って、繊維方向における長繊維2の優れた引張強度を活
かすことが可能になり、MDFなどの他の一般的な材料
に比べて高い強度を階段用踏み板に容易に与えることが
できるものである。また繊維板4の強度は、長繊維2自
体の強度のみならず、長繊維2同士の絡み合いや長繊維
2間の接着部分の強度によっても決定されるが、長繊維
2は繊維長が長くしかも配向しているため絡み合いが繊
維板4の内部で多数存在し、この作用により繊維板4の
強度をさらに高めることできると共に、長繊維2一本当
りの接着剤1の付着部分が多く、この作用によっても繊
維板4の強度をさらに高めることができるものである。
【0018】次に、繊維板4の表面硬度について説明す
る。集中荷重によって階段用踏み板が傷ついたり凹んだ
りする原因としては、階段用踏み板の表面部分を構成す
る材料自体の強度が弱いことや、その材料の空隙構造に
ばらつきがあって局所的に硬度が低下することが挙げら
れる。これに対して本発明の繊維板4は、その材料とし
て強度が非常に高いケナフ靭皮部、油ヤシ、ココヤシか
ら得られる長繊維2を使用し、さらにこれらの長繊維2
を配向させることによって繊維板4の内部構造が均一に
形成されるようにしてある。このため、繊維板4のどの
部分においても集中荷重に対抗できる高い硬度を付与す
ることができるものである。
【0019】次に、温度変化や湿度変化による長さ変化
について説明する。温度変化や湿度変化によって長さ変
化が生じる原因は、温度変化や湿度変化に伴って階段用
踏み板の構成材料の内部及び空隙部分で水分の吸着又は
脱離が起こり、この部分において膨潤又は収縮が起こる
ことによる。これに対して、ケナフ靭皮部、油ヤシ、コ
コヤシから得られる長繊維2は、繊維方向の結晶性が非
常に高く、水分の浸入があっても繊維の長さが殆ど変わ
らないため、このような長繊維2が配向して形成されて
いる繊維板4は配向方向の長さ変化を非常に小さくする
ことができるものである。また前述のように、配向した
長繊維2により形成された繊維板4の内部には、長繊維
2の絡み合いが多数存在するので、この絡み合いの作用
により配向方向と直交する方向においても長さ変化を小
さくすることができるものであり、さらに長繊維2一本
当りの接着剤1の付着部分が多いので、この付着の作用
によっても配向方向と直交する方向における長さ変化を
小さくすることができるものである。従って、上記のよ
うな長繊維2から形成した繊維板4で階段用踏み板を作
製することによって、長繊維2の配向方向及び配向方向
と直交する方向のいずれの方向においても、温度変化や
湿度変化による長さ変化が小さく、反りや突き上げなど
の変形、及び表面仕上げ材5のクラックなどの異常の発
生を極力抑制することができる階段用踏み板を得ること
ができるものである。
【0020】ここで、本発明では、ケナフ靭皮部、油ヤ
シ、ココヤシなどから得られる長繊維2として、繊維長
が100〜4000mmのものを用いるようにしてあ
る。このように繊維長が100mm以上の長繊維2を用
いることによって、繊維板4の内部で長繊維2の絡み合
いを多数存在させるようにすることができると共に、長
繊維2一本当りの接着剤1の付着部分を多くすることが
でき、さらに長繊維2同士の継ぎ目部分を少なくするこ
とができるものであり、前述したような、長繊維2自体
の高い引張強度をより効果的に活用して強度や表面硬度
が高く、また温度変化や湿度変化による長さ変化が小さ
い性能を有する階段用踏み板を得ることができるもので
ある。また繊維長が4000mmを超えるものは入手が
困難であるので、長繊維2の繊維長は実質的に4000
mmが上限になる。
【0021】そして、本発明で用いる長繊維2の原料で
あるケナフは、主に中国、東南アジアなどで栽培されて
いる麻類の一年草であり、水中に浸漬することによって
ケナフの靭皮部から長繊維2を容易に得ることができ
る。また油ヤシやココヤシは、主にマレーシア、インド
ネシア、フィリピン等で栽培されており、ヤシ油の搾油
に利用されている果実以外の空果房と呼ばれる果実や、
油ヤシの葉柄部などはその殆どが長繊維で形成されてい
る。これらの空果房や葉柄部にハンマーミル等の物理的
な剪断処理を施すことによって、長繊維2を容易に得る
ことができる。
【0022】これらのケナフ、油ヤシ、ココヤシの繊維
は殆ど利用されておらず、廃棄物となっているのが現状
であり、これらの繊維を利用することで、廃棄物を削減
することができ、同時に木材資源の節約も可能になる。
従って、これらのケナフ、油ヤシ、ココヤシから得られ
る長繊維2を利用して作製した繊維板4を階段用踏み板
に使用することによって、強度や表面硬度が高く、温度
変化や湿度変化による長さ変化が小さいという優れた性
能を階段用踏み板に付与することができると同時に、木
材資源の節約によって地球温暖化防止にもつながるもの
である。
【0023】ここで、繊維板4の密度は、特に限定され
るものではないが、0.4g/cm 3以上に設定するの
が好ましく、さらに0.5g/cm3以上に設定するの
が好ましい。繊維板4の密度が0.4g/cm3未満で
あると、繊維板4の内部に多数の空隙が存在することに
なり、長繊維2同士の接着部分や長繊維2同士の絡み合
い部分が減少することになって、長繊維2が本来有して
いる強度を十分に発揮させることが困難になり、繊維板
4の曲げ剛性が低下するおそれがある。繊維板4の密度
の上限は特に設定されないが、実用的には1.2g/c
3が上限である。繊維板4の密度がこれより高いもの
を得ようとすると高圧縮する必要があるため、繊維が破
損し易くなり、力学的強度の向上が小さくなる。
【0024】次に本発明の実施の形態の他例を説明す
る。図5はその一例を示すものであり、長繊維2を略同
一方向に配向させた長繊維マット3を複数枚用い、この
複数枚の長繊維マット3を、各々の長繊維2の配向方向
をずらして重ね、これを加熱加圧して積層することによ
って、繊維板4を作製するようにしてある。このように
長繊維2の配向方向をずらして重ねた複数枚の長繊維マ
ット3から繊維板4を作製することによって、長繊維2
が配向している各方向の強度が極めて高くなり、曲げ剛
性が高くかつ異方性の少ない繊維板4を得ることができ
るものである。従って、このように作製された繊維板4
を用いて階段用踏み板を形成することによって、前述の
長繊維2自体による高い引張強度の異方性をより低減す
ることができ、強度、表面硬度、温度変化や湿度変化に
よる長さ変化などについての優れた性能を維持しなが
ら、異方性をさらに低減させた階段用踏み板を得ること
ができるものである。特に、階段の方向転換部の回り踏
み板として施工するにあたって、強度の異方性がないの
で、強度の弱い方向に対して補強材で支えるような必要
がなくなるものである。
【0025】尚、図5の実施の形態では、長繊維マット
3を7枚用い、長繊維2の配向方向(両矢印で配向方向
示す)を30°ずつずらして配向方向を均一化した7層
構造を示したが、勿論これに限定されるものではなく、
直交させるだけでも異方性を低減することができる。た
だ、繊維板4の反りを考慮した場合、繊維板4の厚み方
向の中心を境にしてその上下の長繊維マット3の配向方
向が対称になるようにするのがよく、また長繊維マット
3の積層数は奇数にするのがより好ましい。
【0026】また、長繊維マット3としては、長繊維2
を編み込んで形成した長繊維マット3、長繊維2を織り
込んで形成した長繊維マット3、あるいは長繊維マット
3にニードルパンチ加工等を行なって、長繊維2同士を
絡み合わせたものを用いることができる。図6は長繊維
2を織り込んで形成した長繊維マット3から作製した繊
維板4を示すものである。長繊維マット3としてこれら
のものを用いることによって、長繊維2同士の絡み合い
が補強されると同時に、長繊維2同士の接着部分の強度
が高まり、長繊維マット3の取扱い性が良好になるもの
であり、また長繊維2の引張強度をさらに活かして繊維
板4の曲げ剛性をさらに高めることができると共に、繊
維板4の面内で長繊維2を縦横方向など複数方向に配向
させることが可能になって繊維板4の長さ変化をより抑
えることができるものである。従って、これらのような
長繊維マット3から作製した繊維板4で階段用踏み板を
形成することによって、前述の長繊維2自体による高い
引張強度をさらに高めると共に異方性を低減することが
でき、強度、表面硬度、温度変化や湿度変化による長さ
変化などについての優れた性能を高く得ながら、異方性
が小さい階段用踏み板を得ることができるものである。
【0027】ここで、上記の長繊維マット3において、
長繊維2の編み込みや織り込みの方法は特に限定される
ものではないが、例えば、長繊維2を一方向に配向させ
るように揃え、この長繊維2を集めて束にした後に糸状
に紡ぎ、この糸を縦糸と横糸として織り込んだ(あるい
は編み込んだ)長繊維2の集合体を適宜積層して、長繊
維マット3を作製することができる。そしてこの長繊維
マット3を熱圧成形することによって、長繊維2が織り
込まれた(あるいは編み込まれた)繊維板4を得ること
ができるものである。また長繊維2を一定方向に配向し
て集合させた長繊維マット3にニードルパンチによって
パンチング処理を施すことによって、長繊維2同士をよ
り絡み合わせた長繊維マット3にすることができる。そ
してこの方法で作製した長繊維マット3を熱圧成形する
ことによって、長繊維2同士の絡み合いが多い繊維板4
を得ることができるものである。
【0028】図7の実施の形態では、長繊維マット3と
して、ケナフ芯部を粉砕して得られるパーティクル6
を、長繊維2の一定方向に配向した集合体に混合し、接
着剤1を分散してマット化したものを用いるようにして
いる。パーティクル6は通常、厚さ5mm程度以下、幅
1〜10mm程度、長さ5〜20mm程度の大きさであ
り、ケナフ芯部を粉砕することによって容易に得ること
ができる。このパーティクル6は、ケナフの靭皮部から
得られる長繊維2と同様に、他の木質材料よりも比較的
強度が高いという特徴を有しており、加えて、内部に均
一で微細な空隙を有しているため、非常に軽量であると
いう特徴を併せ持っている。従って、ケナフから得られ
るパーティクル6と長繊維2から作製された長繊維マッ
ト3を成形して得られた繊維板4を用いることによっ
て、前述の階段用踏み板としての十分な強度、表面硬
度、及び温度変化や湿度変化による長さ変化などについ
ての優れた性能をより高く活用できると共に、ケナフか
ら得られるパーティクル6の効果によって全体の密度を
低減させることができ、強度と軽量性を兼ね備えた取扱
い性の良い階段用踏み板を得ることができるものであ
る。
【0029】上記の長繊維マット3における、パーティ
クル6の大きさや、使用量、あるいは使用する接着剤1
の量を適宜選定し、さらには熱圧成形時の成形条件を適
宜選定することによって、繊維板4の密度や厚さを容易
に制御することができるものであり、必要とする階段用
踏み板の密度や厚みを容易かつ安定して得ることができ
るものである。
【0030】尚、上記のように長繊維2とパーティクル
6を組み合わせて形成される階段用踏み板にあって、長
繊維2の質量比率は5〜50%の範囲が好ましく、10
〜40%の範囲がより好ましい。長繊維2の質量比率が
この範囲内にあると、良好な力学的強度特性を容易に得
ることができるものである。
【0031】図8は他の実施の形態を示すものであり、
図8(a)のように、二層の長繊維マット3の間に、ケ
ナフ芯部を粉砕して得られるパーティクル6に接着剤1
を分散させたマット9をサンドイッチ状に挟み込んで用
いるようにしてある。そして、これを一体に熱圧成形す
ることによって繊維板4を作製することができるもので
あり、さらに繊維板4の表面に表面仕上げ材5を接着す
ることによって、図8(b)のような階段用踏み板Aを
形成するようにしてある。図8(b)にみられるよう
に、繊維板4は長繊維2の長繊維マット3からなる長繊
維層10の上下両面にパーティクル6のマット9からな
るパーティクル層11を積層した構造に形成されてい
る。図8(b)に示すようなサンドイッチ構造を有する
階段用踏み板Aにおける力学的強度は、内部層であるパ
ーティクル層11よりも、表面層である引張強度が強い
長繊維層10の力学的強度に依存する傾向があり、また
長繊維層10とパーティクル層11とが明確な界面を持
たずに接着されていることで強い強度が確保できるもの
であり、さらに厚さ方向について略対称な構造となって
おり、階段用踏み板Aの反りや突き上げ等の厚さ方向の
変形を抑制することができるものである。従って、前述
した階段用踏み板としての高い強度及び表面硬度を表面
層の長繊維層10で維持しながら、特に温度変化や湿度
変化による階段用踏み板の長さ変化などに対する優れた
性能をより効果的に活用できると共に、長繊維2と低密
度のパーティクル6を組み合わせても高い強度や耐傷性
を有し、かつ反りや突き上げ等の変形をさらに低減させ
た階段用踏み板を設計することが可能になるものであ
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0033】(実施例1)長繊維2として長さ1000
〜2000mmのケナフ長繊維を用い、図2のように長
繊維2を一方向に配向させると共にフェノール系接着剤
1を15質量%で均一に添加分散して、長繊維マット3
を作製した。次にこの長繊維マット3を熱板間に配置し
た後、熱板間に36mmのディスタンスバーを挟んで、
温度165℃、圧力2.5MPa、時間36分の条件で
熱圧成形することによって、密度750kg/m3、厚
さ36mmの繊維板4を作製した。そして、この繊維板
4の表面に厚さ0.3mmの突き板からなる表面仕上げ
材5を接着することによって、図1のような厚さ36.
3mmの階段用踏み板Aを得た。
【0034】(実施例2)長繊維2として長さ1000
〜2000mmのケナフ長繊維を用い、図2のように長
繊維2を一方向に配向させると共にフェノール系接着剤
1を15質量%で均一に添加分散して、長繊維マット3
を作製した。次に長繊維マット3を7枚用い、図5のよ
うに各長繊維マット3を長繊維2の配向方向を30°ず
つずらして7層重ね、これを実施例1と同じ条件で熱圧
成形することによって、密度750kg/m3、厚さ3
6mmの7層構造の繊維板4を作製した。そして、この
繊維板4の表面に実施例1と同様に表面仕上げ材5を接
着して階段用踏み板Aを得た。
【0035】(実施例3)長繊維2として長さ約100
0mmのケナフ長繊維を用い、長繊維2を一方向に配向
させると共に長繊維2を集めて束にし、これ糸状に紡
ぎ、この糸を縦糸と横糸として織り込み、さらにフェノ
ール系接着剤1を15質量%で均一に添加分散して、図
6のような長繊維マット3を作製した。次にこの長繊維
マット3を実施例1と同じ条件で熱圧成形することによ
って、密度750kg/m3、厚さ36mmの繊維板4
を作製した。そして、この繊維板4の表面に実施例1と
同様に表面仕上げ材5を接着して階段用踏み板Aを得
た。
【0036】(実施例4)長繊維2として長さ約100
0〜2000mmのケナフ長繊維を用い、図7のように
長繊維2を一方向に配向させると共にその間隙に平均厚
さ0.5mm、平均幅4mm、平均長さ8mmのケナフ
パーティクル6を分散させ、さらにフェノール系接着剤
1を15質量%で均一に添加分散して、長繊維マット3
を作製した。ここで、ケナフ長繊維2とケナフパーティ
クル6の質量比は40:60とした。次にこの長繊維マ
ット3を実施例1と同じ条件で熱圧成形することによっ
て、密度600kg/m3、厚さ36mmの繊維板4を
作製した。そして、この繊維板4の表面に実施例1と同
様に表面仕上げ材5を接着して階段用踏み板Aを得た。
【0037】(実施例5)長繊維2として長さ約100
0〜2000mmのケナフ長繊維を用い、図2のように
長繊維2を一方向に配向させると共にフェノール系接着
剤1を15質量%で均一に添加分散して、2枚の長繊維
マット3を作製した。次に平均厚さ0.5mm、平均幅
4mm、平均長さ8mmのケナフパーティクル6にフェ
ノール系接着剤1を15質量%で均一に添加分散して作
製したパーティクルマット9を2枚の長繊維マット3の
間に図8のようにサンドイッチし、これを実施例1と同
じ条件で熱圧成形することによって、密度650kg/
3、厚さ36mmの繊維板4を作製した。ここで、ケ
ナフ長繊維2とケナフパーティクル6の質量比は30:
70とした。そして、この繊維板4の表面に厚み0.3
mmの突き板からなる表面仕上げ材5を接着して、図8
(b)のような厚さ36.3mmの階段用踏み板Aを得
た。
【0038】(比較例1)図9に示すように、厚さ28
mmのラワン合板13の表裏両面に、密度750kg/
3、厚さ4mmのMDF14を接着し、さらに表面側
のMDF14の表面に厚さ0.3mmの突き板を接着す
ることによって、厚さ36.3mmの階段用踏み板Aを
得た。
【0039】上記の実施例1〜5及び比較例1で得た階
段用踏み板Aにおける性能評価の結果を表1に示す。表
1において、階段用踏み板としての強度を示す指標とし
て、等価曲げヤング率(階段踏み板全体を均質な構造と
仮定したときの曲げヤング率)を掲示し、また表面硬度
を示す指標として、硬球圧縮へこみ量(直径10mmの
硬球により階段用踏み板表面に300Nの荷重を負荷し
たときのへこみ量)を掲示し、さらに長さ変化を示す指
標として、JAS(特殊合板)で規定される寒熱B試験
を行なった後の長さ変化率を掲示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1にみられるように、いずれの実施例の
ものも、比較例のものよりも優れた性能を示すことがわ
かる。
【0042】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る階
段用踏み板は、接着剤を分散させた長繊維の集合体から
なる長繊維マットを熱圧成形して作製される繊維板と、
繊維板の少なくとも一表面に接着される表面仕上げ材を
具備して形成される階段用踏み板において、長繊維マッ
トとして、ケナフ靭皮部、油ヤシ、ココヤシのうち少な
くとも一つから得られる長さ100〜4000mmの長
繊維を同一方向に配向させたものを用いるようにしたの
で、この長繊維は針葉樹から得られる針葉樹繊維や広葉
樹から得られる広葉樹繊維よりも高い引張強度を有する
ものであって、この繊維自体の高い引張強度を有効に活
用して高い曲げ剛性を有する階段踏み板を得ることがで
きるものであり、しかも長繊維は、繊維同士の絡み合い
や繊維一本当りの接着部分が多く存在し、強度をより高
めた階段踏み板を得ることができるものである。また長
繊維は配向していることによって、繊維板を内部の空隙
の大きさ及びばらつきが小さい緻密な構造に形成するこ
とができ、どの部分においても集中荷重に対して高い硬
度を付与して耐傷付き性の高い階段踏み板を得ることが
できるものである。さらに上記の長繊維は繊維方向の結
晶性が高く、水分の浸入があっても繊維の長さは殆ど変
わらず、長繊維の配向方向の長さ変化を小さくすること
ができると共に、長繊維は絡み合いが多く接着部分も多
く存在し、繊維板の配向方向と直交する方向においても
長さ変化を小さくすることができ、配向方向及び配向方
向と直交する方向のいずれの方向においても異方性な
く、温度変化や湿度変化に対する長さ変化が小さく、反
りや突き上げ等の変形及び表面仕上げ材のクラックなど
の異常発生を抑えた階段用踏み板を得ることができるも
のである。さらに、長さ100〜4000mmの長繊維
を配向した長繊維マットから作製される繊維板は、繊維
同士の絡み合いが多数存在すると共に繊維一本当りの接
着部分が多く存在し、また長繊維同士の継ぎ目部分を少
なくすることができ、繊維自体の高い引張強度をより効
果的に活用して、強度、表面硬度、温度変化や湿度変化
による長さ変化などに対してさらに優れた性能を有する
階段用踏み板を得ることができるものである。
【0043】また請求項2の発明は、複数枚の長繊維マ
ットを、各々の長繊維の配向方向をずらして積層して作
製した繊維板を用いるようにしたので、長繊維が配向し
ている複数の各方向での強度が高くなり、強度や寸法変
化などの異方性の小さい階段用踏み板を得ることができ
るものである。
【0044】また請求項3の発明は、長繊維マットとし
て、長繊維を編み込んで形成したもの、長繊維を織り込
んで形成したもの、長繊維を絡み合わせて形成したもの
から選択されるものを用いるようにしたので、長繊維マ
ットは長繊維の絡み合いが多く長繊維同士の接着部分の
強度が高く、繊維マットの取り扱い性が優れると共に、
繊維素材の引張強度を活かして上記の性能がさらに優れ
た階段用踏み板を得ることができるものである。
【0045】また請求項4の発明は、長繊維マットとし
て、ケナフ芯部を粉砕して得られるパーティクルを長繊
維の集合体に混合したものを用いるようにしたので、軽
量で強度の高いケナフパーティクルによって、十分な強
度、表面硬度を確保したうえで全体の密度を低減した階
段用踏み板を得ることができるものである。
【0046】また請求項5の発明は、二層の長繊維マッ
トの間にケナフ芯部を粉砕して得られるパーティクルを
挟み込んで積層して作製した繊維板を用いるようにした
ので、階段用踏み板としての高い強度及び表面硬度を表
面側の長繊維の層で維持しながら、長繊維に低密度のパ
ーティクルを組み合わせて階段用踏み板を軽量化するこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】同上の繊維マットの構成を示す概略図である。
【図3】同上の繊維板の斜視図である。
【図4】同上の繊維板の曲げ剛性を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態の他の一例を示す分解斜視
図である。
【図6】本発明の実施の形態のさらに他の一例における
繊維板の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態のさらに他の一例における
長繊維マットの概略図である。
【図8】本発明の実施の形態のさらに他の一例を示すも
のであり、(a)は長繊維マットの概略図、(b)は階
段用踏み板の斜視図である。
【図9】比較例1における階段用踏み板の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 接着剤 2 長繊維 3 長繊維マット 4 繊維板 5 表面仕上げ材 6 パーティクル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅岡 一哲 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 大西 兼司 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 安藤 秀行 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 2E101 DD17 DD25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤を分散させた長繊維の集合体から
    なる長繊維マットを熱圧成形して作製される繊維板と、
    繊維板の少なくとも一表面に接着される表面仕上げ材と
    を具備して形成される階段用踏み板において、長繊維マ
    ットとして、ケナフ靭皮部、油ヤシ、ココヤシのうち少
    なくとも一つから得られる長さ100〜4000mmの
    長繊維を同一方向に配向させたものを用いて成ることを
    特徴とする階段用踏み板。
  2. 【請求項2】 複数枚の長繊維マットを、各々の長繊維
    の配向方向をずらして積層して作製した繊維板を用いて
    成ることを特徴とする請求項1に記載の階段用踏み板。
  3. 【請求項3】 長繊維マットとして、長繊維を編み込ん
    で形成したもの、長繊維を織り込んで形成したもの、長
    繊維を絡み合わせて形成したものから選択されるものを
    用いて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の階
    段用踏み板。
  4. 【請求項4】 長繊維マットとして、ケナフ芯部を粉砕
    して得られるパーティクルを長繊維の集合体に混合した
    ものを用いて成ることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の階段用踏み板。
  5. 【請求項5】 二層の長繊維マットの間にケナフ芯部を
    粉砕して得られるパーティクルを挟み込んで積層して作
    製した繊維板を用いて成ることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の階段用踏み板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010001704A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Panasonic Electric Works Co Ltd 化粧板材
JP7430289B2 (ja) 2019-08-22 2024-02-09 永大産業株式会社 繊維ボード

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