JP2023039720A - 木質複合材及び床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度で寸法安定性や表面性に優れ、製造の容易な木質ボードAを用いた床材のための複合材Cが得られるようにする。【解決手段】木質複合材Cは、木質ボードAと厚さ2.7mm以上の中密度繊維板B(MDF)とが接合一体化されている。木質ボードAは、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、木質小薄片1,1,…は、厚さtが0.20~0.50mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法d1(長さ)が40mm以下、繊維方向と直交方向に沿った繊維直交方向寸法d2(幅)が40mm以下の1種類のみを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、木質複合材、それを用いた床材に関するものである。
既存の木質ボードとしてラワン合板等の南洋材合板はよく知られており、広く利用されている。しかし、近年、南洋材合板は、原料の枯渇や環境破壊防止の点で入手自体が難しくなってきており、他の木質ボードによる置き換えが図られている。
国産の針葉樹を原料とした合板は、原料枯渇の点では問題がないが、その表面性が十分ではないことから、強度に特化した用途に限られている。
OSBやPB(パーティクルボード)、MDFも原料面では問題ない。しかし、OSBは強度が高いものの、その表面性が十分ではない。PBは価格が安いが、寸法安定性や強度が十分ではない。MDFは表面性がよいものの、寸法安定性が十分ではない。そして、OSBやPB、MDFは南洋材合板と比較して密度が大きい難がある。
このように、原料の安定性に加え、強度、重量、表面性、さらに寸法安定性といった複数の要素を満足する木質ボードが存在していないのが現状である。
この種の木質ボードの例として、従来、特許文献1~特許文献4に示されているものが提案されている。特許文献1及び特許文献2に示されている木質ボードは、多数の木材薄片を集成した芯層と、その少なくとも一方の面に積層され、多数の木材薄片を集成した表面層とを備えたものである。特許文献1の木質ボードでは、芯層の木材薄片の厚さの絶対値を0.50~1.50mmとし、表面層の木材薄片の厚さの絶対値を0.08~0.60mmとすることが提案されている。
他方、特許文献3に示される技術では、合板、OSB、集成材等の表面に繊維マットを圧着接合し、この繊維マットを圧縮して高密度化した繊維層を作製することで、基材の表面の凹みを埋め固めるようにしている。
また、特許文献4に示される床用化粧材では、MDF等の木質基材の裏面に透湿度7g/m・24時間以下の防湿フィルムを積層した構造とすることで、表側に透湿性の低い化粧シートを貼っても、寸法変化の大きさに起因する反りや曳き曲がりを抑制するようにしている。
特開平7-47514号公報 特開平7-76004号公報 特開2019-31104号公報 特開2019-107894号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に示される木質ボードは、その木質ボードを構成する木質薄片の厚さや大きさを表面層と芯層とで異ならせており、そのため、製造時には2種類の薄片を用意する必要があり、製造や管理に手間がかかるのは避けられない。また、前記特許文献に記載された木質薄片を用いた木質ボードでは表面に凹凸が生じ、例えば床用基材として使用できる表面平滑性を確保できるものではない。
また、特許文献3の木質ボードは、基材を2次加工するために手間がかかるだけでなく、基材と繊維層との2重構造となるために、ボードの厚さを小さくすることに限度がある。また、吸湿による寸法変化を抑制することはできない。
さらに、特許文献4の化粧材では、基材の2次加工であるために手間がかかるだけでなく、防湿フィルムの幅によって使用できる基材の幅も規制されることとなる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、多数の木質薄片を積層する構造の木質ボードに改良技術を施すことにより、1種類の大きさの薄片のみを用いて、高強度で寸法安定性や表面性に優れ、製造の容易な木質ボードに加え、その木質ボードを用いた床材のための複合材が得られるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、木質薄片の厚さを含む大きさを微小な範囲に限定し、その多数の木質薄片を集合状態で積層して木質ボードとするようにした。
具体的には、第1の発明は、木質ボードと2.7mm以上の厚さを有する中密度繊維板(MDF)とが接合一体化された木質複合材が対象である。この木質複合材における上記木質ボードは、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、その木質小薄片は、厚さが0.20~0.50mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法が40mm以下、繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法が40mm以下であることを特徴としている。
この第1の発明では、木質複合材は木質ボードとMDFとが接合一体化されたものであり、そのうちの木質ボードは、厚さ0.20~0.50mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法40mm以下、繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法40mm以下の多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化により構成されている。木質小薄片の厚さ、長さ及び幅はいずれも平均値である。
このように木質ボードは、1種類の大きさの木質小薄片のみで構成され、その小薄片は厚さが極めて薄く、0.20~0.50mmという狭い範囲内に収まっているので、多数の小薄片は厚さのばらつきが小さくて均一な厚さに揃ったものになる。また、小薄片の長さ及び幅も一定範囲内にあるので、木質ボードは大きさが一定範囲内に揃った小薄片が集合して均質なものとなる。そのため、木質ボードの強度が高くなるだけでなく、吸放湿による反りが発生し難くなり、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性が得られる。また、多数の小薄片が均一な大きさに揃っているので、通常のOSBのように木質ボードの表面に大きな凹凸は生じず、木質ボードは表面性に優れたものとなる。また、均一な大きさの多数の小薄片を集合させて積層するので、その製造も容易となる。
そして、このような木質ボードにMDFが接着一体化されて木質複合材となるので、木質ボードにMDFを接着するだけでよく、その複合材を容易に製造することができる。
第2の発明は、第1の発明の木質複合材において、木質ボードの木質小薄片は、繊維方向寸法が20mm以下、繊維直交方向寸法が5mm以下の細長形状であることを特徴とする。このことで、木質ボードの寸法安定性及び表面性がさらに向上する。
また、第3の発明は床材に係り、この床材は、第1又は第2の発明の木質複合材からなり、その中密度繊維板(MDF)が表側になるように施工されることを特徴とする。
この第3の発明では、床材は、高強度で寸法安定性や表面性に優れた製造の容易な木質ボードにMDFが接着されたものであり、そのMDFが表側になるように施工されるので、木質ボードを用いた床材を容易に製造することができる。
以上説明したように、本発明によると、厚さ2.7mm以上のMDFと接着一体化されて木質複合材となる木質ボードを、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなるものとし、木質小薄片の厚さを0.20~0.50mm、繊維方向寸法及び繊維直交方向寸法を40mm以下としたことにより、多数の小薄片はばらつきの小さい均一な大きさに揃ったものになり、木質ボードの強度を高くすることができるとともに、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性及び表面性が得られ、木質ボードの製造も容易となり、よって木質複合材を容易に製造することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る木質複合材の断面図である。 図2は、木質ボードの断面図である。 図3は、木質ボードの要部拡大断面図である。 図4は、木質小薄片を概略的に示す拡大斜視図である。 図5は、木質ボードの製造工程を示す図である。 図6は、木質小薄片の集合体であるマットから木質ボードを熱圧する状態を示す拡大断面図である。 図7は、木質ボードの特性を他の材料のボードと比較して示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1は本発明の実施形態に係る木質複合材Cを示す。この木質複合材Cは、例えば室内に床材として施工されるものである。
木質複合材Cは、基材としての木質ボードAと、その木質ボードAの表面に積層されて接着により一体化された木質材料の中密度繊維板B(MDF)とからなる。そのうち、中密度繊維板Bは例えば2.7mm以上のものが用いられる。
上記基材としての木質ボードAは、例えば厚さ9~10mm、密度400~550kg/mのものが用いられている。本発明の特徴は上記基材としての木質ボードAにあり、木質ボードAは、既存の台板用合板の代替材として用いられる。この木質ボードAについて詳細に説明する。
図2は木質ボードAを示している。木質ボードAは、図3に拡大して示すように、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、多数の木質小薄片1,1,…は1種類の厚さを有する。
木質小薄片1について説明すると、図4に拡大して示すように、木質小薄片1の厚さtは0.20~0.50mmである。この薄い厚さtの木質小薄片1,1,…により木質ボードAの特性が決定づけられている。上記木質小薄片1の厚さは平均値である。
また、木質小薄片1は、導管や仮導管等による繊維1a,1a,…を有し、その繊維1aに沿った方向の繊維方向寸法d1が、繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法d2よりも長い細長形状(短冊形状)である。繊維方向寸法d1を長さとし、繊維直交方向寸法d2を幅とすると、長さd1は40mm以下、好ましくは35mm以下、より好ましくは30mm以下、より一層好ましくは25mm以下、さらに好ましくは10~20mmである。また、幅d2は40mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは0.5~5mmである。木質小薄片1の長さd1及び幅d2はいずれも平均値とする。
換言すれば、本発明に係る木質小薄片1,1,…は、通常一般のOSBのエレメントとして使用されるストランド(本発明では切削片ともいう)とは異なり、そのストランド(切削片)が例えば繊維方向に沿う長さが長いものでは150~250mm、幅が15~25mm、厚さが例えば一般的には0.6~2mm程度であるのに対し、それよりも大きさの小さい小薄片である。しかも、本実施形態に係る木質小薄片1は、後述するように、図示しないが、原木から切削されたままの木質薄片(切削後木質薄片ともいう)が破砕されてそれよりも小さくなったものであり、その切削後の木質薄片とは異なるものを定義する意味で、その切削後の木質薄片に対して「木質小薄片」という。
木質小薄片1,1,…に用いられる樹種は特に限定されず、例えば南洋樹や広葉樹を用いてもよいし、それ以外の樹種を用いてもよい。例えばスギ、ヒノキ、ベイマツ等のファー材、アカシア、アスペン、ポプラ、パイン系(ハードパイン、ソフトパイン、ラジアータパイン等)、バーチ、ゴム(ゴムの木)等があるが、これらの樹種に限定されず、さらに様々な樹種を用いることができる。様々な樹種としては、トドマツ、カラマツ、エゾマツ、サワラ、ヒバ、カヤ、栂、槙、種々の松、桐、楓、樺(白樺)、椎、ブナ、樫、樅、櫟、楢、楠、ケヤキ等の国産材、米ヒノキ、米ヒバ、米杉、米樅、スプルース、米栂、レッドウッド等の北米材、アガチス、ターミナリア、ラワン、メランチ、ジュンコン、カメレレ、カランパヤン、アンベロイ、メリナ、チーク、アピトン、センゴンラウト等の南洋材、バルサ、セドロ、マホガニー、リグナムバイタ、アカシアマンギューム、地中海松、竹、コウリャン、カメレレのような他の外材等があり、どのような材料でも使用可能である。
木質小薄片1の物性に関し、その密度は好ましくは250kg/m以上、より好ましくは300kg/m以上であり、また好ましくは800kg/m以下、より好ましくは500kg/m以下、さらに好ましくは400kg/m以下である。密度が250kg/m未満であると、同密度・同強度の木質ボードAを形成するために必要なマットの厚さが大きくなるとともに、プレス成形工程での熱圧プレス処理に係るプレス圧を高める必要がある。
また、木質小薄片1の含水率は、2~20%程度であることが好ましく、2~8%であることがより好ましい。含水率が2%未満の場合、プレス成形工程での熱圧プレス処理において軟化に時間がかかってプレス時間が長くなり、強度が下がる虞れがある。
また、木質小薄片1の含水率が20%を超えると、同熱圧プレス処理において加熱・圧縮に時間がかかるためであり、さらには接着剤の硬化が阻害されて強度が下がる虞れがある。
上記木質ボードA内において、多数の木質小薄片1,1,…は、その繊維1a,1a,…に沿った方向である繊維方向(長さ方向)が基準方向に配向されていてもよいが、この繊維方向の配向性は必須ではなく、繊維方向がランダムに配向されていてもよい。尚、繊維方向(長さ方向)が基準方向に配向されているとは、木質ボードA内において、全ての木質小薄片1,1,…の繊維1a,1a,…が正確に同一方向を向いていること、換言すると、配向された木質小薄片1,1,…の繊維方向が互いに平行になっていることを限定しない。一部の木質小薄片1,1,…として、繊維方向が基準方向に対してある程度(例えば20°程度)傾いている木質小薄片1,1,…が含まれていてもよい。
次に、上記木質小薄片1の製造方法と、その木質小薄片1から木質ボードAを製造する方法と、その木質ボードAから木質複合材Cを製造する方法とについて図5により説明する。木質小薄片1の製造方法は、木質薄片製造工程P1及び木質小薄片製造工程P2を有し、木質ボードAの製造方法は、さらにその後の接着剤塗布工程P3、マットフォーミング工程P4及び熱圧工程P5を有し、木質複合材Cの製造方法は、それらに加えて木質繊維板接合工程P6(中密度繊維板接合工程)を有する。
(木質薄片製造工程P1)
材料となる丸太や間伐材等の原木を必要な場合には短くカットして樹皮を除去した後、外刃型や内刃型の切削装置(ストランダー)により切削して多数の木質薄片(切削後木質薄片)を形成する。建築現場等で発生する端材や廃材、廃パレット材から形成することもできる。切削装置は一般的なものが用いられる。切削装置に原木を送り込む速度により木質薄片の厚さを調整する。この切削により形成された木質薄片(切削後木質薄片)は、実施形態の木質ボードAを構成する木質小薄片1とは異なり、それよりも大きさの大きいものである。
このとき、各木質薄片の表裏面に繊維が直線状に表れるように切削し、その切削厚さが木質小薄片1の厚さtとなるように切削する。以降の工程では、基本的に木質小薄片1の厚さtが切削後木質薄片の厚さから変わらず、この切削後木質薄片の厚さがそのまま木質小薄片1の厚さtとなるからである。
(木質小薄片製造工程P2)
次いで、上記切削後の木質薄片(切削後木質薄片)をハンマーや刃物(ナイフフレーカー)、ハンマーミル、ピンミル、カッターミル、ジェットミル等の一般的な粉砕機を用いて粉砕し、切削直後の大きさよりも小さくして、木質ボードAを構成する木質小薄片1,1,…を形成する。このとき、切削後木質薄片を繊維方向(長さ方向)に沿って割れるように幅方向に粉砕すると、細長形状の木質小薄片1,1,…を作ることができる。つまり、切削後木質薄片に繊維方向に直交する繊維直交方向に沿って力(衝撃)を加えると、割れ難くなるが、繊維方向に平行に沿って力を加えると、簡単に割れるようになる。切削後木質薄片がカールしていても、その粉砕により平面状に分割される。尚、切削後木質薄片に加える力の方向は上記の繊維方向に平行な方向に限定されない。切削後木質薄片に対してランダムな方向に力を加えると、通常、切削後木質薄片は力の弱い部分から割れていく(力の弱い方向に割れ易い)。切削後木質薄片の各繊維がつながる力(繊維直交方向の力)は繊維方向の力よりも圧倒的に弱いため、上記の一般的な粉砕機で木質薄片をランダムな方向に粉砕すれば(力を加えると)、切削後木質薄片が繊維方向に沿って割れて繊維直交方向に短くなり、細長形状の木質小薄片1,1,…が得られる。
また、切削後木質薄片に木材の節があったとしても、その節は他の部分よりも脆いので、粉砕により節が粉状になり、後の選別工程で除去される。
このように切削する工程のみの1段階ではなく、その後に破砕する工程を加えて2段階の工程を経由させることで、必要な大きさで節部分のない高強度の木質小薄片1,1,…を容易に製造することができる。
上記粉砕工程で得られた木質小薄片1,1,…を篩等に通過させて木質小薄片1,1,…を選別(分級)する。このことで、多数の木質小薄片1,1,…は細かくて大きさや形状が均質に揃ったものになる。以上によって木質小薄片1が製造される。
(接着剤塗布工程P3)
上記木質小薄片製造工程P2において、選別により細かくて大きさや形状が均質に揃った多数の木質小薄片1,1,…が得られると、その後、接着剤塗布工程P3を行い、それら木質小薄片1,1,…を接着剤塗布装置に搬入して接着剤を塗布する。接着剤としては、例えばイソシアネート系の接着剤を用いることができ、その他、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂やメラミン樹脂等のアミン系接着剤、天然系接着剤を用いてもよい。また、接着剤と共に、一般に使用される撥水剤を併用してもよい。
(マットフォーミング工程P4)
次に、図6左側に示すように、上記接着剤の塗布された多数の木質小薄片1,1,…を繊維方向に配向して又は配向せずに、厚さ方向に集合させた状態で所定厚さ(高さ)まで積層する(積み重ねる)ことで、木質小薄片1,1,…のマットA1を形成する。例えば厚さ9mmの木質ボードAを形成する場合には、マットA1の厚さ(高さ)は90mm程度の厚さになる。
(熱圧工程P5)
このマットA1を熱圧プレス装置に搬入して熱盤間にセットし、熱圧プレス装置によりマットA1を所定の圧力及び温度で熱圧プレス処理して圧縮し、かつ接着剤の硬化により一体に成形する。このことで、図2に示す木質ボードAが形成される。
このとき、図6に示すように、上記例示した90mm程度の厚さのマットA1は例えば9mmの木質ボードAに圧縮され、厚さが1/10まで圧縮される。熱圧プレス処理に係るプレス温度は、特に限定されないが、例えば100~180℃である。熱圧プレス処理に係るプレス圧は、例えば2~4N/mmであり、プレス時間は例えば1.5~3分間である(例えば厚さ1mm当たり10~20秒)。尚、プレス時間は、木質ボードAの厚さによって変動するものであり、1分未満で終了する場合もあれば、3分よりも長い時間を要する場合もある。また、熱圧プレス装置による熱圧プレス処理の前に、加熱装置による予備加熱処理を行ってもよい。
また、木質小薄片1,1,…は、節部分が除去されており、ばらつきがなくて細かい範囲内の大きさのものに保たれているので、マットA1全体で均質になり、このことによって木質ボード1の強度のばらつきがなくなる。つまり、大きなストランド(切削片)を用いるストランドボードでは、例えば節部分を含む不均一なマットにより部分的(スポット的)に薄くて低強度部分が生じ、強度のばらつきがでるが、それがなくなる。しかも、木質小薄片1,1,…も薄い方がマットA1の均質性が高くなり、木質ボード1の強度が出易くなる。一般に大きなストランド(切削片)を用いるストランドボードは強度を大きくできるのに対し、本発明ではストランド(切削片)よりも薄い木質薄片(切削後木質薄片)を粉砕によりさらに小さくした木質小薄片1によって木質ボードAの均質性と強度とを兼ねている。
さらに、木質小薄片1,1,…は小さくて均一な大きさであり、マットA1において、木質小薄片1,1,…の間に隙間が均一的に形成されているので、仮にマットA1の木質小薄片1,1,…に比較的多量に水分が含まれた状態のままで熱圧しても、その水分の蒸発によって生成された蒸気はスムースにマットA1から抜け出るようになる。そのため、木質ボードAに対する加圧を停止したときのパンクは生じ難くなる。
このような工程を経て、密度が400~550kg/mでありかつ曲げヤングが1.5~4.0GPaの木質ボードAが成形される。
(木質繊維板接合工程P6)
上記木質ボードAを平衡含水率まで養生させてから表裏面をサンダーにより研削し、最終厚さを調整する。この厚さ調整した上記木質ボードAの表面に中密度繊維板B(MDF)を積層して接着により一体化することで、木質複合材Cが得られる。その接着剤としては、例えば熱圧法を用いる場合、例えばメラミン系、ユリア系、フェノール系、ユリアメラミン系、酢酸ビニル系又は水性ビニルウレタン系等が好適に用いられる。冷圧法を用いる場合では、例えば変性酢酸ビニル系又は水性ビニルウレタン系等の接着剤が好適に用いられる。ロールプレス法では、例えばホットメルト接着剤又はPUR(poly urethanereactive)ホットメルト接着剤等が好適に用いられる。
したがって、上記実施形態の木質ボードA及び木質複合材Cについては以下の作用効果を奏することができる。
木質複合材Cは木質ボードAと中密度繊維板B(MDF)とが接合一体化されたものであり、そのうちの木質ボードAは、厚さtが0.20~0.50mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法d1(長さ)が40mm以下、繊維方向と直交方向に沿った繊維直交方向寸法d2(幅)が40mm以下の多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化により構成されている。
すなわち、木質ボードAは、1種類の木質小薄片1,1,…のみで構成され、その木質小薄片1,1,…の厚さtが極めて薄く、0.20~0.50mmという狭い範囲内に収まっているので、多数の木質小薄片1,1,…は厚さtのばらつきが小さくて均一な厚さtに揃ったものになる。また、木質小薄片1,1,…の繊維方向寸法d1(長さ)及び繊維直交方向寸法d2(幅)も一定範囲内にあるので、木質ボードAは大きさが一定範囲内に揃った木質小薄片1,1,…が集合して均質なものとなる。そのため、木質ボードAの強度が高くなるだけでなく、吸放湿による反りが発生し難く、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性が得られる。また、多数の木質小薄片1,1,…が均一な大きさに揃っているので、通常のOSBのように木質ボードAの表面に大きな凹凸が生じることはなく、木質ボードAは表面性に優れたものとなる。また、均一な大きさの多数の木質小薄片1,1,…を集合させて積層するので、その製造も容易となる。
特に、上記木質ボードAにおける木質小薄片1,1,…の繊維方向寸法d1が20mm以下、繊維直交方向寸法d2が5mm以下の細長形状であると、木質ボードAの寸法安定性及び表面性がさらに向上する。
図7は、本発明に係る木質ボードAの特性を他の材料のボードと比較して例示したものであり、木質ボードAは、曲げヤング、吸放湿時の長さ変化率、平滑性がラワン合板程度に大きく、ラワン合板に比べ寸法安定性での異方性や表面性における色調・色均質性が優れている。また、木質ボードAは、OSBに比べ、曲げヤングが縦横に均一であり、寸法安定性での異方性や表面性における平滑性、色調・色均質性が良好である。
そして、このような木質ボードAに中密度繊維板B(MDF)が接着一体化されて木質複合材Cとなるので、木質ボードAに中密度繊維板Bを接着するだけで木質複合材Cを容易に製造することができる。
この木質複合材Cは、高強度で寸法安定性や表面性に優れた製造の容易な木質ボードAに中密度繊維板B(MDF)が接着され、その中密度繊維板Bが表側になるように床材として施工される。このことで、木質ボードAを用いた床材を容易に製造することができる。
本発明は、均一な大きさに揃った木質小薄片で構成され、強度が高くて南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性及び表面性を持つ木質ボードが得られ、木質ボードとMDFとを接着した木質複合材を容易に製造できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
A 木質ボード
A1 マット
B 中密度繊維板(MDF)
C 木質複合材
P1 木質薄片製造工程
P2 木質小薄片製造工程
P3 接着剤塗布工程
P4 マットフォーミング工程
P5 熱圧工程
P6 木質繊維板接合工程
1 木質小薄片
1a 繊維
t 厚さ
d1 繊維方向寸法(長さ)
d2 繊維直交方向寸法(幅)
具体的には、第1の発明は、木質ボードと2.7mm以上の厚さを有する中密度繊維板(MDF)とが接合一体化された木質複合材が対象である。この木質複合材における上記木質ボードは、繊維方向に沿った表裏面を有する細長形状の多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、その木質小薄片は、上記表裏面間の厚さが0.20mm以上0.50mm以下上記繊維方向に沿った長さが40mm以下、上記繊維方向と直交する方向に沿った15mm以下であることを特徴としている。
この第1の発明では、木質複合材は木質ボードとMDFとが接合一体化されたものであり、そのうちの木質ボードは、表裏面間の厚さが0.20mm以上0.50mm以下、繊維方向に沿った長さが40mm以下、繊維方向と直交する方向に沿った15mm以下である細長形状の多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化により構成されている。木質小薄片の厚さ、長さ及び幅はいずれも平均値である。
第2の発明は、第1の発明の木質複合材において、木質ボードの木質小薄片は、長さが20mm以下、が5mm以下の細長形状であることを特徴とする。このことで、木質ボードの寸法安定性及び表面性がさらに向上する。

Claims (3)

  1. 木質ボードと2.7mm以上の厚さを有する中密度繊維板とが接合一体化された木質複合材であって、
    上記木質ボードは、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、
    上記木質小薄片は、厚さが0.20~0.50mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法が40mm以下、繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法が40mm以下であることを特徴とする木質複合材。
  2. 請求項1の木質複合材において、
    木質ボードの木質小薄片は、繊維方向寸法が20mm以下、繊維直交方向寸法が5mm以下の細長形状であることを特徴とする木質複合材。
  3. 請求項1又は2の木質複合材からなり、中密度繊維板が表側になるように施工されることを特徴とする床材。
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