JP2016049671A - 不燃性積層ボードの製造方法及び不燃性積層ボード - Google Patents

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【課題】より意匠性が高められた不燃性積層ボードの製造方法、及び、該製造方法により製造される不燃性積層ボードを提供する。
【解決手段】不燃性積層ボードの製造方法を、草木材の小片に接着剤をコーティングし加圧成形することにより形成された、難燃剤を含浸させていない草木片ボードを、不燃性基板の少なくとも一方の表面に貼着する工程S1と、貼着された草木片ボードを厚さが0.2mm〜0.4mmの草木片層となるまで研削することにより、全体として不燃性を示す不燃性積層ボードとする工程S2とを具備する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、不燃性積層ボードの製造方法、及び、該製造方法により製造される不燃性積層ボードに関するものである。
建築物を一定の耐火構造とするために、建材として建築基準法に定める「不燃材料」が使用される。内壁材、天井材等の内装材として使用される場合など、不燃材料に意匠性が求められる場合もあり、そのような不燃材料としては、石膏ボードやケイ酸カルシウムボードなどの不燃性の基材の表面に、天然木をごく薄くスライスした薄単板(「突板」と称されることもある)を積層した不燃性積層ボードが周知である(例えば、特許文献1参照)。薄単板により、天然木の木目が表れた化粧層が形成される。また、この化粧層は可燃性であるが、ごく薄いために火炎によって極めて短時間で焼失する。そのため、基材の有する不燃性が損なわれることなく発揮される。
しかしながら、天然木を薄くスライスすると、ほぼ同一の木目を有する薄単板が多数形成される。そのため、これらの薄単板を化粧層とする建材を並べて建築物を構築すると、同一模様の繰り返しとなり、天然木を利用していながら人工的な印象を与え、また、単調で面白みに欠ける印象を与える傾向があった。
特公平7−76485号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、より意匠性が高められた不燃性積層ボードの製造方法、及び、該製造方法により製造される不燃性積層ボードの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる不燃性積層ボードの製造方法は、「草木材の小片に接着剤をコーティングし加圧成形することにより形成された、難燃剤を含浸させていない草木片ボードを、不燃性基板の少なくとも一方の表面に貼着し、貼着された前記草木片ボードを厚さが0.2mm〜0.4mmの草木片層となるまで研削することにより、全体として不燃性を示す積層ボードとする」ものである。
「不燃性基板」及び「全体として不燃性を示す積層ボード」における「不燃性」は、建築基準法第2条第9号及び同法施行令第108条の2第1号乃至第3号の規定する不燃性能及びその技術的基準に適合し、それを国土交通大臣によって認定されていることを指している。「不燃性基板」としては、火山性ガラス質複層板、石膏板、ケイ酸カルシウム板、繊維強化セメント板、ロックウール板、ガラスウール板、鉄鋼板等を基材とする不燃性基板を、使用することができる。
「草木材の小片」としては、木材のストランド・チップ・フレーク・ウエファー(JIS A5908)、木材のファイバ(繊維)(JIS A5905参照)、木材の表皮(樹皮)の破砕片・粉砕片、イグサ・葦・麻など植物の茎の切断片・破砕片・粉砕片、茶葉、茶葉から飲用茶を抽出した後の茶殻、を例示することができる。
本発明者らは、不燃性積層ボードの意匠性を高めるために、化粧層として草木材の小片をボード化した草木片ボードを用いるという手段を採用した。草木片ボードでは、草木材の小片の形状、大きさ、向きが一律ではなく外観に多様性を有するため、厚さ方向に木目が一様である木材を薄くスライスした薄単板が人工的で単調な印象を与えるのとは異なり、草木材の天然の美しさが活かされた意匠性の高い化粧層とすることができると考えたためである。
ところが、草木片ボードを化粧層とするために、薄くスライスしようとしたところ、草木材の小片が刃体の抵抗となって加工しにくく、不燃性の基準を満たすことができる薄さにスライスすると、草木材の小片が剥がれて剥離痕だらけの板材になってしまうという問題があった。一方、均一な厚さとなるように加工すると、草木片ボードを可能な限り薄くスライスしてもある程度の厚さを有するため、そのまま化粧層とした場合は、基材として不燃性基板を使用したとしても、可燃性の厚い化粧層が燃焼し続けることにより、積層ボード全体としては不燃性の基準を満たさない。
そこで、本発明者らは、不燃性を実現すべく種々の検討を行った結果、当業者の常識に反し、スライスではなく研削によって草木片ボードを薄層化することを想到した。すなわち、不燃性基板に厚さ数mm〜十数mmの草木片ボードを積層した後で、研削によって厚さが0.2mm〜0.4mmの草木片層とすることにより、全体として不燃性を示す積層ボードが得られることを見出し、本発明に至ったものである。従前より、研削加工は、表面を平滑にする目的で行われるものであった。本発明者らの想到した手段を知見した後では、研削による薄層化は研削による平滑化の延長上にあると考えるかもしれないが、それは「後知恵」である。本発明では、初期厚さの10分の1以下にまで研削するという、木製の板材や積層ボードの技術分野の当業者がこれまで想到しなかった手段を採用したことにより、不燃性と高い意匠性とを兼ね備えた不燃性積層ボードを製造することができる。
ここで、草木片層の厚さは、0.2mmよりも小さいと研削する際に草木材の小片の剥離により意匠性が低下するおそれがある。一方、草木片層の厚さが0.4mmより大きいと、後述するように不燃材料の基準を満たさなくなる。更に、草木片層は厚さを0.25mm〜0.30mmとすれば、より意匠性が高く、不燃性能もより高いため、好適である。
加えて、当業者の常識としては、化粧層に難燃剤を含浸させた方が不燃性能がより高まると考えるところ、検討の結果、詳細は後述するように、草木片層となる草木片ボードには難燃剤を含浸させない方が、不燃性能が高いことが見出された。
本発明にかかる不燃性積層ボードの製造方法は、上記構成において、「前記草木片ボードは、無配向性ストランドボードである」ものとすることができる。
従前より「ストランドボード」と称されているのは、配向性ストランドボード(Oriented Strand Board、以下「OSB」と称する)である。OSBは、幅が13mm〜19mm、長さが70mm〜130mm、厚さが0.6mm〜0.7mmの木材のストランドを直交するように配向させたものであり、機械的強度が高いことから、一般的に構造材、下地材、あるいは積層ボードの芯材として使用されている。これに対し、本構成では、「無配向性ストランドボード」(Random Strand Board、以下「RSB」と称する)を、草木片ボードとして使用する。RSBは、OSBよりサイズの小さいストランドに接着剤をコーティングし、配向させることなく集積した上で加圧成形したものであり、ストランドの幅及び長さは20mm〜40mm、厚さは0.3mm〜0.4mmである。
本構成では、「草木材の小片」としてチップやファイバよりサイズの大きいストランドを使用しているストランドボードを、草木片ボードとして使用している。そのため、草木材の小片の形状、大きさ、向きが一律ではないことにより発揮される草木片層の外観の多様性がより顕著であり、積層ボードの意匠性がより高められている。また、サイズの大きいストランドを使用しているものの、RSBはOSBほどストランドのサイズが大きくないため、OSBを草木片ボードとして使用した場合に比べて、繊細で落ち着いた印象を与える積層ボードを提供することができる利点がある。
加えて、RSBはOSBに比べてストランドが小さく且つ薄いため、研削により草木片層を形成する際に、ストランドが剥離しにくく、より容易に研削によって薄層化することができる。また、RSBは、ストランドが小さく薄いことによりボード全体で密度を一定にすることができる。密度が一定であることにより、研削する力に対して研削される量が一定となるため研削加工がし易い。更に、OSBはストランドが配向している層をストランドの方向を直交させながら3層以上積層させる構成であるため、ボードはある程度の厚さ(12mm程度)以上となるのに対し、RSBはストランドを無配向に積層する構成であるため、3mm程度の厚さのものを製造することができる。従って、初期厚さを薄くできるRSBは、研削により草木片ボードを薄層化する本発明の製造方法に適している。
次に、本発明にかかる不燃性積層ボードは、「草木材の小片が接着剤で接合された、厚さが0.2mm〜0.4mmで難燃剤を含有しない草木片層が、不燃性基板の少なくとも一方の表面に積層されており、全体として不燃性を示す」ものである。
本発明の不燃性積層ボードは、上記の製造方法により製造されるものである。不燃性基板に積層した草木片ボードを研削により薄層化するという斬新な製造方法により、本来的に薄くし難い草木片層を0.2mm〜0.4mmという極く薄い厚さで有する新規な構成の積層ボードを、初めて提供することが可能となったものである。
以上のように、本発明の効果として、より意匠性が高められた不燃性積層ボードの製造方法、及び、該製造方法により製造される不燃性積層ボードを、提供することができる。
本発明の一実施形態である不燃性積層ボードの製造方法の工程図である。 図1の不燃性積層ボードの製造方法により製造された不燃性積層ボードの断面図である。
以下、本発明の一実施形態である不燃性積層ボード1の製造方法(以下、単に「製造方法」と称する場合がある。)、及び、該製造方法により製造される不燃性積層ボード1について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施形態の製造方法は、草木材の小片に接着剤をコーティングし加圧成形することにより形成された、難燃剤を含浸させていない草木片ボード10を、不燃性基板20の一方の表面に貼着する工程S1と、貼着された草木片ボード10を厚さが0.2mm〜0.4mmの草木片層11となるまで研削することにより、全体として不燃性を示す不燃性積層ボード1とする工程S2とを具備している。
草木片ボード10は、草木材を小片に加工する工程P1と、草木材の小片に接着剤をコーティングする工程P2と、接着剤がコーティングされた草木材の小片を積層し、加圧して板状に成形する工程P3と、加圧成形された板材を所定のサイズに裁断する工程P4と、を具備する製造方法によって製造することができる。
以下、各工程を具体的に説明する。草木材を小片に加工する工程P1は、草木材に切削、切断、破砕、粉砕、解繊等の加工を施すことにより小片とする工程である。例えば、木材を切削することによりストランドやウエファーとし、木材を破砕または粉砕することによりチップやフレークとし、蒸煮された木材のチップを解繊することによりファイバとする。また、木材の表皮を破砕・粉砕することにより小片とする。これら草木材としての木材には、ヒノキ、スギ、マツ、ヒバ等の針葉樹、ナラ、カンバ、ブナ、ケヤキ等の広葉樹を使用することができる。間伐材や小径木など、建材等として利用されにくい木材を使用することにより、資源を有効に活用することができる。
草木材が植物の茎である場合は、茎を切断、破砕、または粉砕する。植物の茎としては、畳の製造工程で排出されたイグサの端材や畳の製造に使用できない未成熟な短いイグサ、湖沼の水質浄化に利用され有機物の吸収後に刈り取られた葦(ヨシ)、麻の茎から繊維質を取った後のオガラなど、廃材を有効に活用することができる。
なお、草木材が茶葉や茶殻など、そのまま草木材の小片として使用可能な大きさである場合は、工程P1を省くことができる。茶葉としては、紅茶、緑茶、ウーロン茶など飲料用茶の製造工程で、原料としての茶葉から取り除かれた葉・茎・繊維、粉末化した葉を使用可能であり、茶殻としては飲料用茶の製造工程で茶を抽出した後に大量に排出されるものを使用可能である。
また、草木材の小片が生木を切削したストランドである場合や茶殻である場合など、水分含有率が所定以上の場合は、次の工程P2の前に草木材の小片を乾燥させる乾燥工程を設けることができる。
工程P2では、草木材の小片一つ一つに接着剤をコーティングする。コーティングする接着剤としては、ゴム系ラテックス形接着剤、フェノール樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤を例示することができる。工程P3では、接着剤がコーティングされた草木材の小片を圧縮し、板材に成形する。
工程P4では、加圧成形された板材を、裁断機を用いて所定のサイズに裁断する。ここでは、不燃性基板のサイズに合わせて裁断する。以上の工程P1〜P4により、難燃処理がなされていない草木片ボード10が製造される。
工程S1では、不燃性基板20の一方の表面に接着剤を塗布し、草木片ボード10を接着する。不燃性基板20としては、不燃材料として国土交通大臣の認定を受けたものを使用する。また、接着剤としては、水性高分子イソシアネート系接着剤、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤、酢酸ビニル樹脂系溶剤形接着剤、ビニル共重合樹脂系接着剤、ゴム系ラテックス形接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、レゾルシノール樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤を例示することができる。
工程S2では、不燃性基板20に貼着された状態の草木片ボード10の表面を研削することにより、厚さが0.2mm〜0.4mmとなるまで薄層化し、草木片層11とする。ここで、草木片層11の厚さが0.2mmより薄い場合は、草木材の小片が剥離し下地である不燃性基板20が露出して意匠性が低下するおそれがある。従って、草木片層11の厚さの下限は0.2mmとする。以上の工程S1〜S2により、不燃性基板20にごく薄い草木片層11が積層された不燃性積層ボード1を製造することができる。
草木片ボード10としてRSBを使用した不燃性積層ボード1を製造した。まず、木材を、幅及び長さがそれぞれ20mm〜40mmで、厚さが0.3mm〜0.4mmのストランドに切削した。ストランドの原料木材である草木材としては、ヒノキを使用した。ストランド乾燥させた後、回転するドラム内でストランドを転動させながら接着剤をスプレーし、ストランドの表面に接着剤をコーティングした。接着剤がコーティングされたストランドをランダムに集積した上で、加熱圧縮機を使用して加熱しながら加圧し、厚さ約3mmの板材に成形しRSBを得た。このRSBを、不燃性基板20のサイズに合わせて裁断した後、接着剤により不燃性基板20の片面に貼着した。
不燃性基板20としては、火山性ガラス質板21の表裏面に繊維層22が積層された厚さ5mm〜9mmの基材と、基材の片面に貼着されたアルミニウム箔層23とを備える、積層構造の基板(大建工業株式会社製、ダイライトFAL)を使用した。ここで、火山性ガラス質板21はシラス、白土等の火山性ガラス質堆積物と水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機質系充填材が結合剤で結合された層であり、繊維層22はロックウール、ガラスウール等の繊維が無機質系充填材と結合剤で結合された層であり、アルミニウム箔層23はアルミニウム箔の両面に薄葉紙が貼着された層である。
不燃性基板20のアルミニウム箔層23側の面に貼着されたRSBを、ワイドベルトサンダを使用して厚さが0.2mm〜0.4mmとなるまで研削し薄層化した。これにより、不燃性基板20のアルミニウム箔層23の上に草木片層11が積層された構成の不燃性積層ボード1が製造された(図2参照)。
以下、本実施形態の不燃性積層ボードにおいて、草木片層11を難燃剤を含有しない構成とし、草木片層11の厚さを0.4mm以下とする根拠について説明する。
上記の実施例と同一の製造方法により、不燃性基板20に積層された難燃剤を含有しない草木片層11の厚さを、0.25mm〜0.50mmの範囲で異ならせた試料E1〜E5を作製した。
ここで、当業者の常識としては、草木片ボードに難燃剤を含浸させる難燃処理を施し、草木片層を難燃剤を含有する構成とすることにより、積層ボードの不燃性能がより高まると期待される。そこで、試料E1〜E5に使用したRSBと同一のRSBに、ポリリン酸アンモニウムを主成分とする難燃剤を含浸させる難燃処理を施した上で、試料E1〜E5と同一の不燃性基板20に貼着し、研削により薄層化することにより、試料E6を作製した。試料E6における草木片層11の厚さは、0.40mm以下である0.30mmとした。なお、不燃性基板20の厚さは試料E1〜E6の何れにおいても6mmとし、試料のサイズは99mm±1mm×99mm±1mmとした。
試料E1〜E6について、ISO5660に準拠した発熱性試験を行った。試験は、コーンカロリーメータを使用し、各試料の草木片層11を有する面に輻射電気ヒータで50kW/mの輻射熱を照射し、点火プラグにより着火してから20分間の発熱量及び発熱速度を測定することによって行った。
発熱性試験の結果から、不燃性は以下の3つの基準により判定される。試験における測定結果を、不燃性の判定結果とあわせて表1に示す。
(1)試験時間中の総発熱量が、8MJ/m以下であること
(2)試験時間内において、最高発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないこと
(3)試験後、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと
Figure 2016049671
表1に示すように、草木片層11の厚さが大きいほど、総発熱量も発熱速度も増加している。試料E1〜E4では、総発熱量がそれぞれ、4.69,5.00,6.27,6.64MJ/mと、何れも基準値である8MJ/m以下であり、条件(1)を満たした。最大発熱速度については、試料E1及びE2では166.21,185.95kW/mと、200kW/mを超えることがなかった。また、試料E3及びE4では最大発熱速度が204.61,228.56kW/mと200kW/mを僅かに超過したが、超過継続時間がそれぞれ1.0秒、及び6.4秒と10秒を下回った。従って、試料E1〜E4の何れも条件(2)を満たすものであった。また、試料E1〜E4の草木片層11は何れも試験時間内に全て焼失するが、下地である不燃性基板20には裏面まで貫通する亀裂や穴は生じておらず、条件(3)を満たすものであった。よって、試料E1〜E4は何れも不燃性の判定基準に適合するものであった。
これに対して、草木片層11の厚さが0.5mmである試料E5は、総発熱量が16.10MJ/m、最大発熱速度200kW/m超過時間が12.8秒と基準値を大きく上回り、条件(1)及び条件(2)を満たさなかった。
また、草木片層11に難燃剤を含有させた試料E6では、予測に反し、不燃性の判定基準に適合しなかった。より詳細には、最大発熱速度が56.42kW/mと試料E1〜E5と比較して小さいものの、総発熱量が9.70MJ/mと、基準値以上となった。従って、試料E6は条件(1)を満たさなかった。これは、難燃剤を含浸させることによって草木片層11の燃焼が抑制され発熱速度が抑えられるが、小さな発熱が持続するためと考えられる。また、試料E6では発熱が長時間続くことにより、不燃性基板20のアルミニウム箔層23に部分的な剥離などの損傷が見られた。そのため、アルミニウム箔層23に期待されるガスの放散防止作用や放熱作用が損なわれると考えられた。なお、試料E6は、試験時間を10分として上記の3条件を満たすことが求められる「準不燃性」の判定基準に適合するものである。
以上の結果から、試料E1〜E4で不燃性の基準を満たすことが確認された。従って、草木片層11の厚さが少なくとも0.40mm以下であれば、全体として不燃性を示す積層ボードが得られる。また、試料E6の結果から、全体として不燃性を示すためには、草木片層11は厚さが0.40mm以下であるだけでなく、従前からの常識に反し難燃剤を含有していないことが必要であることが判明した。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施例では草木片ボードとしてRSBを使用したが、OSB、パーティクルボード、中密度繊維ボード(Medium Density Fiberboard、以下「MDF」と称する)等の草木片ボードを使用することができ、草木材の小片の大きさにより化粧層の外観を種々とすることができる。具体的には、OSBを使用した場合は、RSBよりもストランドが荒いため強い印象を与える化粧層とすることができ、パーティクルボードやMDFを使用した場合は、RSBのストランドよりも草木材の小片が細かいため控えめな印象を与える化粧層とすることができる。また、草木材としてイグサ、葦、オガラ、茶葉、茶殻等を使用した草木片ボードから草木片層を形成することにより、意匠性が高いだけではなく自然の爽やかな香りを有する化粧層を備える不燃性積層ボードとすることができる。
1 不燃性積層ボード
10 草木片ボード
11 草木片層
20 不燃性基板

Claims (3)

  1. 草木材の小片に接着剤をコーティングし加圧成形することにより形成された、難燃剤を含浸させていない草木片ボードを、不燃性基板の少なくとも一方の表面に貼着し、貼着された前記草木片ボードを厚さが0.2mm〜0.4mmの草木片層となるまで研削することにより、全体として不燃性を示す積層ボードとする
    ことを特徴とする不燃性積層ボードの製造方法。
  2. 前記草木片ボードは、無配向性ストランドボードである
    ことを特徴とする請求項1に記載の不燃性積層ボードの製造方法。
  3. 草木材の小片が接着剤で接合された、厚さが0.2mm〜0.4mmで難燃剤を含有しない草木片層が、不燃性基板の少なくとも一方の表面に積層されており、全体として不燃性を示す
    ことを特徴とする不燃性積層ボード。
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