JP2013505150A - 収縮性を有する合成木材板材 - Google Patents

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Abstract

本発明は、合成木材基盤のタッカー施工用板材であって、合成樹脂及び50重量%以上の木粉を含み、板材の厚さは2mmないし10mmであり、温度60℃及び湿度90%RHの条件において24時間経過時点で、板材の長手方向を基準に0.1ないし3%の収縮率を示すタッカー施工用板材を提供する。

Description

本発明は、合成木材基盤のタッカー施工用板材に係り、さらに詳細には、合成樹脂及び50重量%以上の木粉を含むものであって、板材の厚さは2ないし10mmであり、温度60℃及び湿度90%RHの条件で24時間経過時点で板材の長手方向を基準に0.1ないし3%の収縮率を示すタッカー施工用板材に関する。
合成木材(Wood Plastic Composite)は、木粉または木繊維などの天然素材と合成樹脂とを混合して成形した複合素材であって、天然木材に比べて優れた耐久性を有し、プラスチックからは得られない優れた天然質感及び加工性をもって木材を代替して使用することができる内・外装材であって、北米及び日本において年間20%以上の市場成長率を示しており、韓国内でも市場がますます成長している。
具体的には、合成木材は、顆粒またはペレット(Pellet)状の木粉と合成樹脂とを所定の倍率で混合し、製品の用途によって各種の添加剤をさらに混合して、押出または射出などの工程によって板材状の製品に製造される。
図1は、従来の一般的な押出成形方法を概略的に示す図であり、図2は、図1による押出成形方法において使用される押出ダイ及び真空冷却装置(calibration unit)の部分模式図を示す。
図1及び図2に示すように、押出成形は、押出物の進行方向によって押出機10、押出ダイ20、真空冷却装置30、引取機40及びカッター50を順に経る工程からなる。
具体的には、撹拌機11によって混合された押出原料を可塑化させて、押出機10を介して溶融した状態で押出したことによる押出物は、所定の形状を形成するために、ノズル21に沿って、外部加熱手段22が装着された押出ダイ20を通過し、これにより押出ダイ20から高温の状態で押出物が吐出される。このとき、高温の状態でダイから押出された形状のプロファイルを冷却して形状を固化させるために、真空冷却装置30を通過させ、さらに引取機40を経てカッター50によって所望の長さに切断することによって押出成形物を製造することができる。
このように製造された合成木材は、デッキ、フェンス及びサイディング(siding)などの外装材として主に使用され、例えば、サイディングを施工する場合、主にタッカー施工が行われる。タッカー施工とは、壁面に板材を直結施工(釘やアンカーなどを利用して直接締結)するか、角材及び形鋼を利用して壁面に1次施工を行った後、板材を角材及び形鋼に釘などを利用して2次直結施工するか、またはクリップ副資材などを利用して間接締結する方式である。
しかし、このように製造された合成木材は樹脂複合体であって、合成樹脂及び木粉を使用するにもかかわらず、気候、温度または湿度などの外部の要因によって板材が膨脹する場合、反り現象及び捻れなどが発生する恐れがあり、タッカー施工によって板材間の結合を行っても、板材の反り現象を抑制することに限界がある。
したがって、外装材として使用される合成木材板材が膨脹せず、タッカー施工によって外装材として施工された状態でも長期間にかけて安定した構造物を形成することができる技術に対する必要性が高い実情にある。
韓国特許出願第2005−115637号明細書
本発明は、前記のような従来技術の問題点と過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
本発明の発明者らは、鋭意研究と多様な実験を繰り返した結果、タッカー施工用板材を特定の条件で予め収縮性を有するように形成する場合、外部の要因に対しても板材の形状が維持され、これにより結果的に、タッカー加工が行われた状態でも所望のレベルで長期間にかけて安定した構造物を形成することができることを確認し、本発明を完成するに至った。
このような目的を達成するための本発明によるタッカー施工用板材は、合成木材基盤のタッカー施工用板材であって、合成樹脂及び50重量%以上の木粉を含み、板材の厚さは2ないし10mmであり、温度60℃及び湿度90%RHの条件において24時間経過時点で、板材の長手方向を基準に0.1ないし3%の収縮率を示す。
すなわち、本発明によるタッカー施工用板材は、前記のような特定の条件の収縮率を示す板材から製造することによって、外部環境によって板材が膨脹する条件でも、収縮率の補償によって結果的に反り現象(warpage)を効果的に防止することができ、タッカー施工後にも長期間にかけて所望のレベルで安定した構造物を形成することができる。
前記木粉は、天然原木またはリサイクル木などを顆粒、ペレットなどの形状に小さく粉砕した木粉を所定の長さに切断した短繊維などをすべて含む概念であり、前記木粉の含量を好ましくは総重量を基準に50ないし85重量%として使用することができる。ただし、木粉の含量があまりにも少ない場合には、合成樹脂の含量があまりにも多くなって、天然原木に相応する外観または質感を提供し難い。逆に、木粉の含量があまりにも多い場合には、合成樹脂の含量の減少による木粉相互間の結合力の低下によって所望の程度の強度及び耐久性を提供し難いため好ましくない。
前記板材の厚さは、板材の形状、タッカー施工性、収縮率などを総合的に考慮して決定され、前記で定義したように、2ないし10mmであることが好ましく、さらに好ましくは、3ないし8mmである。
本発明による板材は、多様な方式で製造することができ、例えば、押出成形工程によって製造して、前記押出成形工程において伸ばすことによって前記収縮率を与えることができる。すなわち、押出によって生成される押出物を長手方向に伸ばすことによって、前記押出物を構成する合成樹脂が部分的に結晶化するため、これを冷却などによって適当な内部応力状態で固化させれば、所望の収縮率を有する板材を形成することができる。
前記板材の収縮率は、前記で定義したように、板材の長手方向を基準に0.1ないし3%であり、収縮率が小さすぎる場合には、収縮による効果を発揮し難く、これとは逆に、収縮率が大きすぎる場合には、過度な収縮によって所望の板材の形状を維持し難いため好ましくない。したがって、このような問題点を発生させなければ、収縮率が前記範囲を越え得るということは言うまでもない。さらに好ましい収縮率は0.2ないし1%である。
一実施例において、前記収縮率を板材の寸法変化率より大きくすることができる。ここで、寸法変化率とは、板材が膨脹などによって板材本来の寸法から大きくなった増分を意味する。したがって、気候、温度または湿度などの外部の要因によって板材が膨脹しても、押出成形工程の際に板材に与えられた収縮率より小さいため、前記板材の反り現象を防止することができ、板材を所望の形状に維持することができる。
場合によって、前記収縮率を前記板材の厚さの範囲内で厚さに反比例するように設定することができる。すなわち、板材の厚さが厚いほど収縮率を小さくすることによって、相対的に薄く、かつ大きい収縮率を有する板材に比べて、同じ外部環境下において全体的な収縮サイズを一定にすることができる。前記板材は、ソリッドタイプの構造に形成することができ、好ましくは1.0g/cm以下の密度、さらに好ましくは、0.5g/cm以上、1.0g/cm以下の密度を有することができる。
一実施例において、前記板材は、微細発泡型構造に形成することができる。このような微細発泡型構造は、好ましくは、本出願人の特許文献1に開示されているように、微細発泡体のスキン部分の気孔がコア部分の気孔より微細な構造に形成されていることから、スキン部分の密度が稠密であり、無発泡シートと類似した機械的物性を有するものであり得る。前記出願の内容は参照として本発明に組み込まれる。
従来の押出冷却システムの概路図である。 図1の押出冷却システムの押出ダイ及び真空冷却装置の断面模式図である。 本発明の一実施例によるタッカー施工用板材を使用したサイディングの平面写真である。 収縮率が与えられた板材の平面写真と収縮率が与えられていない板材の平面写真である。 実施例2のタッカー施工用板材に関連して2日経過後の板材の平面写真と反り部分の拡大写真である。 実施例2のタッカー施工用板材に関連して150日経過後の板材の平面写真と反り部分の拡大写真である。 比較例1のタッカー施工用板材に関連して2日経過後の板材の平面写真と反り部分の拡大写真である。 比較例1のタッカー施工用板材に関連して150日経過後の板材の平面写真と反り部分の拡大写真である。 本発明によるタッカー施工用板材を使用したタッカー施工の例を示す部分模式図である。 従来のタッカー施工用板材を使用したタッカー施工の例を示す部分模式図である。
以下、本発明の実施例による図面を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
図3は、本発明の一実施例によるタッカー施工が施されたサイディングの平面写真を示す。
図3に示すように、サイディング100は、複数の板材110、120、130、140、150を部分重畳方式によって所定部位に固定することによって製造される。
第1板材110の下部は、第2板材120の上部を所定の幅Wで覆い、第2板材120の下部は、第3板材の上部を前記と同じ幅Wで覆い、その他の板材130、140、150も同じ方法で順次に積層されている。それぞれの板材110、120、130、140、150の上部は、コンクリート用のタッカー(図示せず)を利用して締結されている。
以下、本発明による実施例などを参照して発明の内容を詳細に説明するが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
図1の押出装置で、押出機10にポリエチレン34重量%、針葉樹の木粉53重量%、及びタルク10重量%と、残りの含量でその他の添加剤を添加した後、溶融押出し、かつ伸ばして厚さ6mm、長さ3mの複数のタッカー施工用板材を製造した。前記板材は、温度60℃及び湿度90%RHの条件において、24時間経過時点で長手方向を基準に約0.2%の収縮率を示す。
実施例1において押出物の伸張条件を異ならせて、同一条件で長手方向を基準に0.8%の収縮率を示す複数のタッカー施工用板材を製造した。
実施例1において押出物の伸張条件を異ならせて、同一条件で長手方向を基準に1%の収縮率を示す複数のタッカー施工用板材を製造した。
(比較例1)
実施例1で押出物の伸張条件を異ならせて、同一条件で長手方向を基準に0.3%の膨脹率を示す複数のタッカー施工用板材を製造した。
(実験例1)
前記実施例1及び比較例1の押出物を6mm(T)、210mm(W)のサイズに切断して製造された板材で恒温恒湿実験を行い、その結果を下記表1に示す。恒温恒湿実験は、所定の長さが測定された板材を温度60℃及び湿度90%RHの条件で24時間経過させた後、変化した長さを測定して長さ変化率を計算する方法で行った。
また、実施例2と比較例1とにおいてそれぞれ製造されたタッカー施工用板材を、それぞれタッカー施工を行った後、温度60℃及び湿度90%RHの条件に露出させた。図4は、実施例2によるタッカー施工用板材200を撮影した写真と比較例1によるタッカー施工用板材300を撮影した写真を示す。
図4に示すように、実施例2のタッカー施工用板材200は反らないが、比較例1のタッカー施工用板材300は、タッカー施工によって固定された板材の中央部位が膨脹によって反る現象が見られた。
(実験例2)
前記実施例2及び比較例1のタッカー施工用板材をそれぞれ使用して、図3に示すような形状にサイディングを製造した。
すなわち、前記タッカー施工用板材を6mm(T)、210mm(W)のサイズに切断し、長さが30mmであるコンクリート用タッカーで板材の上端のみをタッカー施工してサイディングを製造した。前記のような方法で製造されたサイディングを対象として施工の反りの高さを測定する実験を行い、その結果を下記表2に示す。前記実験は、常温で2日、150日経過後、反りの高さの発生如何を確認し、そのサイズを測定した。
前記表2に示すように、本発明による実施例2のタッカー施工用板材を使用したサイディングは、膨脹による反り現象が経過時間に関係なく2mmと相対的に少ない。一方、比較例1のタッカー施工用板材を使用したサイディングは、2日経過後には7mm、150日経過後には16mmの反り現象が確認された。したがって、比較例1のタッカー施工用サイディングは、経時的に反りのサイズが大きくなることが分かる。
図5Aは、収縮率が与えられたサイディングを2日経過後に側面から撮影した写真と、反り部分が拡大した写真とを示している。図5Bは、収縮率が与えられたサイディングを150日経過後に側面から撮影した写真と、反り部分を拡大した写真とを示している。
図5A及び図5Bに示すように、収縮率が与えられたサイディングは、経過時間に関係なく膨脹による反りの高さが2mmに固定されていることを確認することができる。
図6Aは、収縮率が与えられていないサイディングを2日経過後に側面から撮影した写真と、反り部分が拡大した写真とを示し、図6Bは、収縮率が与えられていないサイディングを150日経過後に側面から撮影した写真と、反り部分を拡大した写真とを示している。
図6A及び図6Bに示すように、収縮率が与えられていないサイディングは、経時的な膨脹によって、反り現象が外観上明確に確認された。
以上を総合すれば、本発明によるタッカー施工用板材は、板材の長手方向に収縮性を示すため、タッカー施工を行うとき、図7に示すように、下部の木材角管に対してタッカー釘などを使用することにより、板材を簡単に施工することができる。
一方、従来技術のタッカー施工用板材は、板材の長手方向に膨脹性を示すため、タッカー施工を行うとき、図8に示すように、複数の下部の金属角管を設置した状態で固定クリップのような別途の部材を使用して溶接方式によって板材を施工するべきである。
本発明が属する分野で通常の知識を有する者なら、前記内容に基づいて本発明の範囲内で多様な応用及び変形を行うことが可能であろう。
前述のように、本発明による合成木材基盤のタッカー施工用板材は、特定の条件の収縮率を示す板材から形成されているため、外部要因によって板材が膨脹しても、全体的に安定した板材の形状を維持し、この結果的として、外装材として使用される場合、タッカー加工が行われた状態でも、所望のレベルで長期間にわたって構造物の安全性を大きく向上させることができる。
10 押出機
11 撹拌機
20 押出ダイ
21 ノズル
22 外部加熱手段
30 真空冷却装置
40 引取機
50 カッター
100 サイディング
110、120、130、140、150 板材
200、300 タッカー施工用板材

Claims (10)

  1. 合成木材基盤のタッカー施工用板材であって、合成樹脂及び50ないし85重量%の木粉を含み、板材の厚さは2mmないし10mmであり、温度60℃及び湿度90%RHの条件において、24時間経過時点で板材の長手方向を基準に0.1ないし3%の収縮率を示すことを特徴とするタッカー施工用板材。
  2. 前記板材の厚さは3ないし8mmであることを特徴とする請求項1に記載のタッカー施工用板材。
  3. 前記板材は、押出成形工程によって製造され、前記押出成形工程によって伸ばして前記収縮率を与えることを特徴とする請求項1に記載のタッカー施工用板材。
  4. 前記板材の収縮率は0.2ないし1%であることを特徴とする請求項1に記載のタッカー施工用板材。
  5. 前記収縮率は、前記板材の厚さの範囲内において厚さに反比例するように設定することを特徴とする請求項1に記載のタッカー施工用板材。
  6. 前記板材は、1.0g/cm以下の密度を有するソリッドタイプの構造に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッカー施工用板材。
  7. 前記板材は微細発泡型構造に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッカー施工用板材。
  8. 合成木材基盤のタッカー施工用板材であって、合成樹脂及び50ないし85重量%の木粉を含み、板材の厚さは2mmないし10mmであり、温度60℃及び湿度90%RHの条件において、24時間経過時点で板材の長手方向を基準に0.1ないし3%の収縮率を示すことを特徴とする合成木材板材。
  9. 前記板材は、押出成形工程によって製造され、前記押出成形工程によって伸ばして前記収縮率を与えることを特徴とする請求項8に記載の合成木材板材。
  10. 前記板材の厚さは3ないし8mmであることを特徴とする請求項9に記載の合成木材板材。
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