JP2008127872A - 発泡断熱ボードおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた緩衝性と施工性を有し、部材間へ施工した後の隙間の発生が少なく、最終製品形態としてマテリアルリサイクル可能なストランド集束型部材間挿入発泡断熱ボードを提供する。
【解決手段】ストランド配列が厚み方向と幅方向に対して垂直になるように格子状に集束するよう設計されたマルチストランドダイを使用して発泡させ、発泡直後に隣接するストランドを即座に熱融着させて集束させ、優れた緩衝性と施工性を有し、部材間へ施工したとき部材との間に隙間の発生が少ないストランド集束型部材間挿入発泡断熱ボードを得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、緩衝性に優れたストランド集束型発泡断熱ボード、特に建材用発泡断熱ボードおよびその製造方法に関する。
発泡断熱ボードは、断熱建材用途として、オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂からなる発泡ボードが用いられ、建築物の床や壁および屋根の内部に施工され、軽量で優れた断熱性能を呈することから市場で広く受け入れられている。
これら建材用途の発泡体は、いわゆる充填工法により根太等の部材間に充填施工される。この充填工法では、施工後に断熱材と根太間に隙間ができないためにも、充填作業を容易にするためにも、緩衝性および柔軟性を有する断熱材が望まれている。
このように部材間に充填施工される発泡断熱ボード(以下、部材間挿入発泡断熱ボードという)の施工性を改善するための手法として、発泡体の幅方向の両端部に傾斜をつける方法が知られている。この方法は、特許文献1に開示されている通り、外周端面の少くとも1つの端面を、発泡断熱ボードの一方の面から他方の面に向かって内方または外方へ傾斜させることにより、部材間に発泡断熱ボードを容易に挿入し充填させるものである。
しかしながら、外周端面に傾斜をつけても、発泡ボードが硬質であった場合、欠けたり割れたりする外に、施工後に部材と発泡断熱ボードとの間に隙間が生じ、断熱性能が部分的に低下してしまう問題があった。
また、部材間挿入発泡断熱ボードの施工性の改善および施工後の隙間を減らすための代表的な手法として、発泡断熱ボードにスリット加工を施す方法が知られている。すなわち、特許文献2に開示されている通り、発泡断熱ボードにスリット加工を施して溝を設けると、発泡断熱ボードの緩衝性を部分的に著しく改善させることができる。
しかしながら、発泡ボードの幅方向の両端部近くにスリット加工を施すと、スリットの溝が深い場合には曲げ強度が低下し、スリット部が割れたり裂けたりしてしまう問題があった。さらに、強度低下を抑えるためにスリットの溝を浅くした場合は、部材間挿入発泡断熱ボードに必要とされる充分な緩衝性が得られなくなるおそれがあった。また、厚みの大きな発泡ボードなどのように填め込み性の悪い発泡ボードの施工性を改善するために、スリットを幅広に形成した場合、発泡ボードのスリットが施工後に充分に狭まらずに隙間が生じ、部分的に断熱性能が低下してしまう問題があった。
さらに、スリットを設けた場合、例えば建材用途のように雨天時に屋外で使用すると、スリット部に雨水が溜まってしまい、この水が抜けきらない状態で施工すると、湿気の原因となり木材を腐食させてしまうといった問題があった。
また、特許文献3には、押出機と、先端に取り付けられたマルチストランドダイとを有する発泡装置を用い、マルチストランドダイの内部に閉鎖部を複数点在させて押出発泡成形することで、発泡体内部に中空部を設ける方法が開示されている。この手法を応用し、例えば発泡体端部の内部に連続的に複数の中空部を設けると、前記のスリット加工した場合と比べて端部の曲げ破断強度は改善できるが、部材間挿入発泡断熱ボードに必要とされる充分な緩衝性を付与することができないという問題があった。また、施工後に、発泡体内部に複数の中空部が残ってしまうために、部分的に断熱性能が低下してしまう問題があった。
さらに、雨天時屋外で使用すると、前記したスリットを設けた場合と同様に、発泡体内部の中空部に雨水が溜まってしまい、この水が抜けきらない状態で施工すると、湿気の原因となり木材を腐食させてしまうといった問題があった。
特開平9−11343号公報 特開 2003−138667号公報 特許 第2620968号 明細書
本発明の目的は、従来の部材間挿入発泡断熱ボードと比較して、優れた緩衝性と施工性を有し、部材間へ施工した後の隙間が少ないストランド集束型の部材間挿入発泡断熱ボード、およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成すべく部材間挿入発泡断熱ボードについて鋭意研究開発を進めたところ、ストランド集束型発泡体のストランド配列を厚み方向と幅方向に対して垂直にして集束することにより、従来にない優れた緩衝性と施工性を有する発泡断熱ボードが得られることを見出し、本発明に到達したものである。
本発明の要旨は次のとおりである。
(1)ストランド状に押出された発泡樹脂が、厚み方向と幅方向に垂直に格子状に配列して集束されていることを特徴とする発泡断熱ボード。
(2)前記発泡樹脂がポリプロピレン系樹脂を50重量%以上含むポリオレフィン系樹脂である上記(1)に記載の発泡断熱ボード。
(3)前記発泡樹脂が直鎖状のポリプロピレン系樹脂のみからなる上記(1)または(2)に記載の発泡断熱ボード。
(4)ストランド断面の最大長が4〜10mmである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の発泡断熱ボード。
(5)密度が15〜40kg/mで、厚みが20〜100mmである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の発泡断熱ボード。
(6)前記発泡樹脂の平均セル径が200μm以下であり、セル径分布係数が30%以下である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の発泡断熱ボード。
(7)ストランド状に押出された発泡樹脂が、厚み方向と幅方向に垂直に格子状に配列して集束されており、前記格子状に配列されたストランド状の発泡樹脂の間に隙間部が形成されている上記(1)〜(6)のいずれかに記載の発泡断熱ボード。
(8)前記隙間部が発泡断熱ボード断面積に対し2〜5%である上記(7)に記載の発泡断熱ボード。
(9)複数のダイホールを有するダイスにより、ストランド状に発泡樹脂を押出して集束させる発泡断熱ボードの製造方法であって、前記ダイスのダイホールが厚み方向と幅方向に垂直に配列された格子状であることを特徴とする発泡断熱ボードの製造方法。
(10)前記ダイスのダイホールの間隔が3〜9mmである上記(9)に記載の発泡断熱ボードの製造方法。
(11)ストランド状に発泡樹脂を押出して集束させる複数のダイホールを有する発泡断熱ボード用ダイスであって、前記ダイスのダイホールが厚み方向と幅方向に垂直に配列された格子状であることを特徴とする発泡断熱ボード用ダイス。
(12)前記ダイホールの間隔が3〜9mmである上記(11)に記載の発泡断熱ボード用ダイス。
(13)前記ダイホールの出口側がテーパー状になっている上記(12)に記載の発泡断熱ボード用ダイス。
本発明におけるストランド集束型部材間挿入発泡断熱ボードは、ストランド状に押出された発泡樹脂が厚み方向と幅方向に垂直に格子状に配列して束ねられているので、従来の発泡断熱ボードと比較して、スリット加工をしたり、幅方向の両端部を穴抜きしなくても優れた緩衝性と施工性を有し、かつ部材間へ施工した後の隙間が少なく断熱性が優れている。
さらに、少なくとも50重量%以上の直鎖状ポリプロピレン樹脂を含む無架橋のポリオレフィン系樹脂組成物、もしくは直鎖状のポリプロピレン系樹脂のみからなるストランド集束型部材間挿入発泡断熱ボードであるのでリサイクルが可能である。
本発明において発泡樹脂は特に限定されず、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS系樹脂等が挙げられる。以下、ポリオレフィン系樹脂を発泡樹脂として用いた好ましい一例について説明する。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂としてはポリプロピレン系樹脂を含むもので、該ポリプロピレン系樹脂は、230℃における溶融張力が5〜30gであることが好ましく、より好ましくは6.5〜20gであり、最も好ましくは7.5〜10gである。前記溶融張力が5g未満であると発泡時にセルの破泡が生じやすく、また30gを超えると発泡時に充分なセルの成長が行われ難くなるので好ましくない。
さらに、前記ポリプロピレン系樹脂は、230℃におけるメルトフローレート(MFR)と、230℃における溶融張力(MT)との関係が、下記式(I)を満たすものを主成分とすることが好ましい。なお、前記MTはキャピログラフ1C(東洋精機社製)を用い、長さが8mm、直径が2.095mmのオリフィスを使用して、押出速度10mm/分、引取り速度3.1m/分によって求めた値である。
Log(MT)>−1.33log(MFR)+1.2 (I)
230℃における溶融張力が5〜30gである前記ポリプロピレン系樹脂において、前記MFRが上記式(I)を満たさない場合、溶融張力の増大に対し、樹脂の溶融流動性が乏しくなりすぎて、押出時に非常に樹脂圧力が上昇する等の不都合が生じたり、発泡時にセル膜の充分な伸びが得られず高倍率の発泡体を得ることが難しくなるので好ましくない。
前記ポリプロピレン系樹脂に他のポリプロピレン系樹脂をブレンドすることも可能である。例えばプロピレンの単独重合体、プロピレンと該プロピレンと共重合可能なプロピレン以外のα−オレフィンとのプロピレンを主体とする共重合体、ポリプロピレン系樹脂と例えばポリエチレン系樹脂のようなポリプロピレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂との混合物等が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記ポリプロピレン系樹脂のなかでも、押出発泡性や、得られる発泡体の性能が優れることから、比較的分子量の大きなプロピレン単独を用いた重合体や、プロピレンとエチレンとのプロピレンを主体とする共重合体や、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合樹脂が好ましく用いられる。
上記エチレンと共重合可能なエチレン以外のα−オレフィンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。これらのエチレン以外のα−オレフィンは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用して用いられてもよい。また、上記ポリプロピレンと共重合可能なプロピレン以外のα−オレフィンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。これらのプロピレン以外のα−オレフィンは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用して用いられてもよい。
ポリプロピレン系樹脂としてポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合樹脂を用いる場合、特に限定されるものではないが、混合樹脂中におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、40〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは60〜100重量%である。上記混合樹脂中におけるポリプロピレン系樹脂の含有量が40重量%未満であると、得られる発泡体の機械的強度や耐熱性が不充分となることがある。
前記ポリプロピレン系樹脂は直鎖状であることを必須とする。直鎖状とは、ポリプロピレン系樹脂を構成しているプロピレン系ポリマー(プロピレン系重合体)の分子鎖一つ一つが、プロピレン系ポリマー(プロピレン重合体)の構成単位であるプロピレン単量体およびそれと共重合可能なα−オレフィン単量体が相互に一つずつ1本の紐状に重合したものの集合体であることをいい、化学架橋や、電子線架橋等の方法を利用した架橋構造や、長鎖分岐等のグラフト構造を有していないため、製造や品質の管理が比較的容易で、リサイクル時に施される再ペレット化等の工程で受ける再三の熱履歴に対しても、その分子構造の劣化が生じにくいため好適に採用される。
前記ポリプロピレン系樹脂を発泡樹脂として使用する場合は、少なくとも超臨界状態の二酸化炭素を含む発泡剤を用い、ポリプロピレン系樹脂組成物100重量に、超臨界状態の二酸化炭素を発泡剤として4〜20重量部用いることが好ましく、5〜15重量部であることがより好ましい。前記値が4質量部未満であると発泡倍率の低下が生じ易く、20重量部を超えると過剰な二酸化炭素による大きな空隙(ボイド)が発泡体中に生じ易く好ましくない。
前記ポリオレフィン系樹脂組成物は、230℃における溶融張力が5〜30gであるポリプロピレン系樹脂を主成分としている。上記ポリオレフィン系樹脂組成物において、ポリプロピレン系樹脂の含有量は50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上である。ポリプロピレン系樹脂の含有量が50重量%未満では、得られる発泡体の機械的強度や耐熱性が不充分となるおそれがある。しかし、上記ポリオレフィン系樹脂組成物には、上記必須成分以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、フェノール系、リン系、アミン系、硫黄系等の酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、リン系、窒素系、ハロゲン系、アンチモン系等の難燃剤、滑剤、金属害防止剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤、セル造核剤、結晶核剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されてもよい。
セル造核剤としては、特に限定されるものではないが、タルク、炭酸カルシュウム、クレー、カオリン、雲母、酸化マグネシュウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、ケッチェンブラック、ガラス、石英、シリカ、アルミナ、ノバキュライト、水和アルミナ、鉄、酸化鉄、二酸化珪素、微粒子バルーン、酸化チタン等が挙げられる。これらのセル造核剤は併用してもよい。なお、本発明におけるセルとは、発泡体を構成する気泡をいう。
上記セル造核剤の粒子径は、少なくともマルチストランドダイのダイホール径よりも微細な粒子を使用する必要がある。粒子径が大きすぎると、ダイホールにつまりが生じて製品の外観や品質が著しく損なわれたり、押出機内部の樹脂圧力が異常に上昇し成形装置にかかる負荷が大きくなるため好ましくない。
上記結晶核剤としては、特に限定されるものではないが、一般的にロジン系の結晶核剤や、ソルビトール系の結晶核剤、燐酸エステル塩系の結晶核剤が挙げられる。ロジン系の結晶核剤としては、ロジン系の樹脂であればよく、特に限定されるものではないが、例えば新日本理化社製ジベンジリデンソルビトール(DBS)等が挙げられる。燐酸エステル塩系の結晶核剤としても、特に限定されるものではないが、例えば旭電化工業社製NA−11等が挙げられる。これらの結晶核剤は単独または複数を併用して用いてもよい。
本発明の発泡断熱ボード(以下、発泡ボードとする)の製造方法の具体例としては、押出機と、先端に取付けられたダイス(ダイプレート)とを有する発泡装置を用い、230℃における溶融張力が5〜30gである直鎖状のポリプロピレン系樹脂と、少なくとも超臨界状態の二酸化炭素を含む発泡剤とを混合させ、160〜250℃で溶融押出しする。そして、ダイス開口部直近の樹脂圧力(圧力損失)7〜20MPaで大気下に放出し発泡させる。
溶融押出し温度が160℃未満であると、超臨界二酸化炭素の樹脂中への溶解および拡散が劣り、250℃を超えるとポリプロピレン系樹脂の熱による分子鎖切断等の劣化が生じ始めるので好ましくない。
また、前記圧力損失が7MPa未満であると、直鎖状のポリプロピレン系樹脂組成物中に溶解している超臨界状態の二酸化炭素が押出機内部、およびダイス内部で気化しやすくなり、発泡が装置内部で生じ、セルの合泡、過剰な成長、発泡倍率の低下、著しい外観性の低下が生じるおそれがある。圧力損失が20MPaを超えると、発泡におけるセル形成時に、大きなせん断力がセルにかかりやすくなり、セルの破泡、セル構造の不均一化が生じるので好ましくない。このようなセル構造の不完全さは、断熱建材用発泡ボードとしての、充分な熱性能を呈するためには大きな障害となる。前記圧力損失は8〜15MPaであることがより好ましい。
押出吐出量は押出機の仕様にもよるが、1〜1000kg/hrであることが好ましい。具体的には、スクリュー径の比較的小さいラボタイプにおいては、概ね1〜50kg/hrが好ましく、スクリュー径の比較的大きい実生産機タイプにおいては、20〜1000kg/hrが好ましい。押出吐出量が大きすぎたり小さすぎたりすると、ダイス部位において発泡に適した圧力損失を保つことが難しくなり、充分な倍率の発泡体を得ることができなくなったり、セルが破泡してしまったりするおそれがある。
使用する押出機については、スクリュー径が40〜80(mm)、スクリューのL/D(長さ/径)=15〜40の2本のスクリューを直列に組み合わせることを基本として構成されるタンデム型の押出機が好ましい。タンデム型を使用することにより、ダイス部位の樹脂圧力損失条件と吐出量とを独立して、発泡に適するように各スクリューの回転数で制御できるので発泡体の製造方法に適している。
本発明のストランド集束型発泡ボードの製造方法の具体例としては、例えば、シリンダーバレルの途中に超臨界二酸化炭素供給機からの二酸化炭素供給ラインを備えた押出成形機を用いて、上記発泡性ポリプロピレン系樹脂組成物を所定温度に加熱し均一に溶融混練した後、所定量の超臨界状態の二酸化炭素を上記供給ラインから供給し、ダイホールから押し出して圧力を開放させ発泡させた直後にストランド同士を熱融着させて集束し、ボード状になるように押出成形することにより発泡体を作製する。
使用するダイスについてはその形状は問わないが、一つあたりのダイホールの圧力損失が7〜20MPaになるようにダイホールの数、形状、厚みが設計されたものであることが好ましい。このような条件を満たさない、不適切なダイスを選択すると、充分な断熱性能を呈する発泡ボードが得られなくなるおそれがある。
また、樹脂中に二酸化炭素を超臨界状態で溶解するのに必要な樹脂圧力を維持するため、および発泡後の成形体の外観性、形状の整えやすさの観点から、ダイホールは、直径が0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.3〜1.0mmがより好ましい。ダイホールの長さは0.1〜10mmであることが好ましく、ダイホールはダイス前面上に複数個備えられていることが好ましい。前記直径が0.1mm未満であると、発泡体を構成するストランドの直径が小さすぎ、引き取り時にちぎれやすくなり好ましくない。また、2.0mmを超えると、ストランドの直径が大きくなりすぎて発泡に適した樹脂圧力を維持することが困難になるため、一定のセル密度を持った微細セルを形成するのに必要なせん断速度が得られず、さらに平滑性を有するボード状に仕上げるための後成形が実施困難となるので好ましくない。
さらに、使用するダイスは、発泡に適した樹脂圧力を維持するためにダイストランドの長さを調整する必要があるが、押出機の吐出量、ダイホールの直径、ダイホールの数とのバランスを考慮しなければならない。ダイストランドの長さは短くした方が、減圧速度が大きくできるため好ましい。
マルチストランドダイの隣接する2つのダイホール(ダイストランド)の間隔、すなわちダイホールの中心間距離(ピッチ)は、ダイホールの直径に適合させて決められる。この中心間距離としては、3〜9mmであることが好ましく、より好ましくは4.5〜7.5mmである。中心間距離が3mmよりも小さいと、発泡後のストランド同士が密に詰まるが、ストランド同士が接着して形成される界面が増えるために、発泡体の柔軟性が損なわれるおそれがある。一方、隣接する2つのダイホールの中心間距離が9mmを超えると、発泡後にストランド同士が集束される時に隙間部が大きくなってしまい、断熱性能が低下したり、外観が悪くなったり、屋外で使用して雨に濡れてしまった場合に隙間部に雨が浸透して木材を腐食させてしまう可能性が生じるため好ましくない。なお、ダイホールの中心間距離は、通常ダイスの厚み方向と幅方向において同一であるが、厚み方向と幅方向とで変えることもできる。
また、ダイホールの形状は直線状でも構わないが、直線状のダイホールで急激に圧力を開放させて発泡させると、樹脂中の二酸化炭素が一気に放散する。そのため、発泡直後の発泡倍率は非常に大きくなるが、超臨界二酸化炭素の蒸発潜熱による樹脂の冷却効果が充分に発揮されなくなり、結果として、発泡体内部の圧力が外気圧付近まで一気に低下してしまうために、熱収縮して外観の優れた発泡体が得られなくなるおそれがある。
発泡後の樹脂の硬化のタイミングを調整するためには、押出機の出口側のダイホールの形状を図1のようにテーパー状にすることが好ましい。テーパーの長さL2の目安としては、ダイホールの長さL1の2〜6倍程度であることが好ましい。押出機の入口側のダイホールの形状は、必ずしもテーパー状でなくてもよいが、図2に示すようにダイホール入口側の形状も対称的にテーパー状にしておいた方が、ダイプレートのダイホールが異物により詰まりを生じた場合、ダイプレートの反対側から詰まった異物を押出して排除できるためにより好ましい。
本発明のストランド集束型ポリプロピレン系発泡ボードは、前記製造方法により発泡倍率を10倍以上とすることが可能である。発泡倍率が10倍未満であると、充分な断熱性能を発現するには、発泡ボードを厚くする必要があるために、発泡ボードの重量および原材料費コストが大きくなりすぎて好ましくない。
また、本発明の発泡ボードは、前記製造方法により平均セル径を200μm以下、より好ましくは100μm以下にすることが可能となり、またセル径分布係数を30%以下、より好ましくは20%以下にすることが可能となる。前記平均セル径が200μmを超え、かつ前記セル径分布係数が30%を超えると、建材として用いた場合に特に断熱性能が劣り好ましくない。ここで、セル径分布係数は、発泡ボードを試験小片に裁断し、その断面積を例えば(株)島津製作所製SEMスーパースキャン220を用いて50倍の倍率で観察し、およそ10から20個のセルのセル径の平均値、およびセル径の標準偏差を算出し、それらの値を元に、次の算式により求めた値である。また、セル径とは発泡体を形成する気泡(セル)の最大径をいう。
(セル径分布係数)=(セル径の標準偏差)/(セル径の平均値)×100(%)
本発明の発泡ボードは、JIS−A1412に準拠して測定される熱伝導率が、20〜45mW/mKとなり、好適な緩衝性と断熱性を有する断熱建材用発泡ボードを得ることができる。
さらに、本発明で使用するダイス(マルチストランドダイ)は、ダイホールが厚み方向と幅方向に垂直に格子状に配列されることを特徴とする。マルチストランドダイのダイホール4が、図4に示すように密に配列された従来のダイプレート3では、ダイホール4が厚み方向と幅方向に対して45度の角度でハニカム状にしかも密に配列されているため、発泡直後にストランド同士が接することでできる界面の割合が増加する。図6(B)は図4のダイホール4が密に配列されたダイプレート3で製造された発泡ボードの部分拡大断面図である。図示するように発泡ボードは亀甲状の断面を有するストランド7がハニカム状に集束され、ストランド7がほぼ全周で隣接のストランドと接しており、ストランド同士が接する界面の割合が大きくなっている。このストランド同士が接する界面部分の密度はストランド内部の密度と比べて非常に大きいために、部材間挿入発泡断熱ボードに要求される施工性を満たすのに充分な柔軟性が損なわれてしまう。
本発明のダイプレート1は、図3に示すようにダイホール2が厚み方向と幅方向に垂直に格子状に配列されている。このようなダイプレート1で発泡ボードを製造すると、ストランド同士が接することで形成される高密度の界面部分を少なくすることができる。これを図6(A)に従って説明する。図6(A)は図3のダイプレート1で製造された発泡ボードの部分拡大断面図である。図示のように該発泡ボードでは、厚み方向と幅方向に垂直に格子状に配列されたストランド3の間に隙間部6が形成される。この隙間部6は周囲をストランド3で囲まれた空間でストランド同士が接していない。そのため、ストランド同士が接することで形成される高密度の界面部分の割合は、(B)の従来の発泡ボードに比べて小さくなり、発泡ボードに優れた柔軟性を付与することが可能となる。さらに、このような柔軟性によって発泡ボードの幅方向の曲げ強度が著しく減少するために、施工時に発泡ボードを容易に曲げることができ、部材間に填め込みやすくなる。
本発明の発泡ボードにおいて、上記隙間部6の割合としては2〜5%程度が好ましい。隙間部6の割合が2%未満では、ストランド同士が接することで形成される高密度の界面部分の割合が大きくなるため所望の柔軟性が得られなくなるおそれがあり、5%より大きいと、柔軟性は充分に得られても断熱性が低下するので好ましくない。
図8は、本発明の典型的な発泡断熱ボードの断面顕微鏡写真を例示したものである。この写真において暗黒部が周囲をストランドで囲まれて形成された隙間部を示し、所定の大きさを以って格子状に配置されている。従来の発泡断熱ボードにはこのような隙間部が実質的に形成されず、本発明の発泡断熱ボードと顕著な差異を有している。
前記マルチストランドダイを通し発泡させて得られるストランド集束型発泡ボードは、マルチストランドダイから押し出された発泡ストランドを厚み方向と幅方向において互いに密着された状態で集束し形成される。この発泡ボードにおいて互いに密着しあった発泡ストランド断面の最大長は4〜10mmであることが好ましい。ここで、発泡ストランド断面の最大長は、1本のストランドの断面の最大長を測定した値で、発泡ボードの断面の最外部を除いた内部中央の10本分のストランドについてランダムに最大長を測定し平均した値とする。発泡ストランド断面の最大長が4mmより狭いと、発泡ボードを形成するストランドが密着することでできる界面が増えて緩衝性が不足するため好ましくない。一方、発泡ストランド断面の最大長が10mmよりも広いと緩衝性は著しく改善されるが、セルが肥大化したり、ストランド間の隙間部が大きくなって断熱性能が低下してしまうため好ましくない。
本発明の発泡ボードの密度は15〜40kg/mであることが好ましい。発泡ボードの密度が15kg/m未満の場合、発泡体そのものの柔軟性が著しく改善されるため、ストランドを集束する際の配列に関係なく優れた施工性を有するが、空隙部の割合が大きくなるため、断熱性能が低下するおそれがある。一方、発泡ボードの密度が40kg/mより大きい場合、ストランド自体の柔軟性が損なわれるために、充分な施工性が得られなくなる。
本発明の発泡ボードの厚みは20〜100mmであることが好ましい。発泡ボードの厚みが20mm未満になると、部材間に填め込んだ時に、発泡ボードが撓んだり、充分な断熱性を付与できなくなるため好ましくない。一方、発泡ボードの厚みが100mm超になると、発泡ボードの密度を小さくしても充分な緩衝性が得られなくなり、発泡ボードを撓ませて施工することが困難になるため、施工性が著しく悪化し好ましくない。
さらに、本発明の発泡ボードは必要ならば建材用発泡ボードとして商品形態を整えるために、形状の調整、サイズの調整を、裁断機や挟み込みコンベアー等を用いて行ってもよい。
また、必要ならば発泡ボードの片面、または両面に例えばアルミシートや不織布、皮革、ガラスクロス、ラミフィルム等のシート状やフィルム状のものを面材として貼り合せ、強度の改善や、耐熱性、難燃性などの様々な性能を付与してもよい。
但し、面材を貼り合せる場合、発泡ボードの曲げ強度が格段に高くなるために、発泡ボードを撓ませて部材間に施工することが困難になるおそれがあるので、発泡ボードの幅寸法を部材間の幅に対してあまり大きくしないようにすることが好ましい。また、表面に面材を貼り合せた発泡ボードに対しても、端部を斜めにトリムカットしたり、スリットを設けたり、これら両方を施したりすることにより施工性を改善できる。
本発明をさらに詳しく説明するために、以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
230℃におけるMFRが3.3(g/10分)であり、230℃における溶融張力が7.6gであるポリプロピレン樹脂を、一段目に超臨界二酸化炭素供給機(カワタ社製CO2−3)からの二酸化炭素供給ラインが装着され、二段目先端に厚み方向と幅方向に対して垂直にダイホールを格子状に配列させた(図3参照)、ダイホール間距離が3mm、ダイホール直径が0.6mmであるマルチストランドダイが装着されたタンデム型単軸押出機(カワタ社製KGT−50−65)に供給し、二酸化炭素供給量を0.8kg/時間に設定して、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して7重量部含有するように押出量を押出機の一段目のスクリュー回転数で調整し、ダイス内部の樹脂圧力が9.2MPaになるように押出機の二段目のスクリュー回転数で調整し、押出発泡することによりストランド集束型ポリプロピレン断熱建材用発泡ボードを得た。
(実施例2)
230℃におけるMFRが3.3(g/10分)であり、230℃における溶融張力が7.6gであるポリプロピレン樹脂を、一段目に超臨界二酸化炭素供給機(カワタ社製CO2−3)からの二酸化炭素供給ラインが装着され、二段目先端に厚み方向と幅方向に対して垂直にダイホールを格子状に配列させた(図3参照)、ダイホール間距離が5mm、ダイホール直径が0.6mmであるマルチストランドダイが装着されたタンデム型単軸押出機(カワタ社製KGT−50−65)に供給し、二酸化炭素供給量を0.8kg/時間に設定して、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して7重量部含有するように押出量を押出機の一段目のスクリュー回転数で調整し、ダイス内部の樹脂圧力が9.5MPaになるように押出機の二段目のスクリュー回転数で調整し、押出発泡することによりストランド集束型ポリプロピレン断熱建材用発泡ボードを得た。
(実施例3)
230℃におけるMFRが3.3(g/10分)であり、230℃における溶融張力が7.6gであるポリプロピレン樹脂を、一段目に超臨界二酸化炭素供給機(カワタ社製CO2−3)からの二酸化炭素供給ラインが装着され、二段目先端に厚み方向と幅方向に対して垂直にダイホールを格子状に配列させた(図3参照)、ダイホール間距離が8mm、ダイホール直径が0.6mmであるマルチストランドダイが装着されたタンデム型単軸押出機(カワタ社製KGT−50−65)に供給し、二酸化炭素供給量を0.8kg/時間に設定して、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して7重量部含有するように押出量を押出機の一段目のスクリュー回転数で調整し、ダイス内部の樹脂圧力が9.7MPaになるように押出機の二段目のスクリュー回転数で調整し、押出発泡することによりストランド集束型ポリプロピレン断熱建材用発泡ボードを得た。
(実施例4)
230℃におけるMFRが3.3(g/10分)であり、230℃における溶融張力が7.6gであるポリプロピレン樹脂を、一段目に超臨界二酸化炭素供給機(カワタ社製CO2−3)からの二酸化炭素供給ラインが装着され、二段目先端に厚み方向と幅方向に対して垂直にダイホールを格子状に配列させた(図3参照)、ダイホール間距離が2mm、ダイホール直径が0.6mmであるマルチストランドダイが装着されたタンデム型単軸押出機(カワタ社製KGT−50−65)に供給し、二酸化炭素供給量を0.8kg/時間に設定して、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して7重量部含有するように押出量を押出機の一段目のスクリュー回転数で調整し、ダイス内部の樹脂圧力が9.1MPaになるように押出機の二段目のスクリュー回転数で調整し、押出発泡することによりストランド集束型ポリプロピレン断熱建材用発泡ボードを得た。
(実施例5)
230℃におけるMFRが3.3(g/10分)であり、230℃における溶融張力が7.6gであるポリプロピレン樹脂を、一段目に超臨界二酸化炭素供給機(カワタ社製CO2−3)からの二酸化炭素供給ラインが装着され、二段目先端に厚み方向と幅方向に対して垂直にダイホールを格子状に配列させた(図3参照)、ダイホール間距離が10mm、ダイホール直径が0.6mmであるマルチストランドダイが装着されたタンデム型単軸押出機(カワタ社製KGT−50−65)に供給し、二酸化炭素供給量を0.8kg/時間に設定して、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して7重量部含有するように押出量を押出機の一段目のスクリュー回転数で調整し、ダイス内部の樹脂圧力が9.8MPaになるように押出機の二段目のスクリュー回転数で調整し、押出発泡することによりストランド集束型ポリプロピレン断熱建材用発泡ボードを得た。
(比較例1)
230℃におけるMFRが3.3(g/10分)であり、230℃における溶融張力が7.6gであるポリプロピレン樹脂を、一段目に超臨界二酸化炭素供給機(カワタ社製CO2−3)からの二酸化炭素供給ラインが装着され、二段目先端に厚み方向と幅方向に対して45度の角度でハニカム状にダイホールを配向させた(図4参照)、ダイホール間距離が5mm、ダイホール直径が0.6mmであるマルチストランドダイが装着されたタンデム型単軸押出機(カワタ社製KGT−50−65)に供給し、二酸化炭素供給量を0.8kg/時間に設定して、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して7重量部含有するように押出量を押出機の一段目のスクリュー回転数で調整し、ダイス内部の樹脂圧力が9.3MPaになるように押出機の二段目のスクリュー回転数で調整し、押出発泡することによりストランド集束型ポリプロピレン断熱建材用発泡ボードを得た。
(比較例2)
230℃におけるMFRが3.3(g/10分)であり、230℃における溶融張力が7.6gであるポリプロピレン樹脂を、一段目に超臨界二酸化炭素供給機(カワタ社製CO2−3)からの二酸化炭素供給ラインが装着され、二段目先端に厚み方向と幅方向に対して45度の角度でハニカム状にダイホールを配向させた、ダイホール間距離が5mm、ダイホール直径が0.6mmであるマルチストランドダイであり、かつ、図5に示すようにダイ両端の幅方向10列分が、閉鎖したダイスを点在させて6個のダイホールから樹脂が押し出されるように設定されたマルチストランドダイが装着されたタンデム型単軸押出機(カワタ社製KGT−50−65)に供給し、二酸化炭素供給量を0.8kg/時間に設定して、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して7重量部含有するように押出量を押出機の一段目のスクリュー回転数で調整し、ダイス内部の樹脂圧力が9.6MPaになるように押出機の二段目のスクリュー回転数で調整し、押出発泡することによりストランド集束型ポリプロピレン断熱建材用発泡ボードを得た。
(比較例3)
連続押出し法により製造された、市販のポリスチレン発泡体である、「スタイロエース」(ダウ化工社製)を使用した。
(比較例4)
型物ビーズ成形法により製造された、市販のポリスチレン発泡体である、「フクフォーム」(フクビ社製)を裁断して、平滑なボードとして使用した。
(比較例5)
型物ビーズ成形法により製造された、市販のポリスチレン発泡体にスリット加工が施されている「フクフォーム」(フクビ社製)を使用した。
実施例1〜5、および比較例1〜2で得られたポリプロピレン系樹脂発泡体、並びに比較例3〜5のポリスチレン発泡体の物性((1)密度、(2)圧縮強度(柔軟性評価指標として)、(3)熱伝導率、(4)発泡ボードを部材間に収めたときの熱伝導率)を以下の方法で評価した。
(1)密度:
発泡体を20×20×2.5(cm)の試験小片に裁断し、その重量(kg)と各辺の長さ(m)を正確に計測して発泡体密度を次式で算出した。
(発泡体密度kg/m)=(発泡体重量kg)/(発泡体体積m
(2)圧縮強度:
JIS K−6767(ポリエチレンフォーム試験方法)に準拠して、発泡体の7.5%圧縮硬さ(kgf/cm)を測定した。
(3)熱伝導率:
JIS A−1412に準拠して、発泡体を20×20×2(cm)の試験小片に裁断し、英弘精機社製の熱伝導率測定装置HC−074を用いて、上面の温度設定を5℃、下面の温度設定を35℃とし、平均温度20℃の条件で熱伝導率を測定した。
また、本装置における熱伝導率を測定するための検出器は、20×20(cm)の発泡体の中央部の7.5×7.5(cm)に位置させた。
(4)発泡ボードを部材間に収めたときの熱伝導率:
図7に示す木枠に、発泡体を隙間が極力できないように挿入した状態で、英弘精機社製の熱伝導率測定装置HC−074を用いて、上面の温度設定を5℃、下面の温度設定を35℃とし、平均温度20℃の条件で熱伝導率を測定した。
上記発泡体は、寸法を建築規格である根太間の幅263(mm)に対して規格された製品の幅(mm)の割合をもとに、木枠の幅に対して発泡体の幅が同じ割合になるように裁断したものを用いた。
実施例1〜5および比較例1〜2の発泡体は、木枠の開口部の寸法と同じ寸法である、厚み25(mm)、幅40(mm)、長さ120(mm)に裁断して使用した。
このとき、ストランド集束型発泡ボードの両端に中空部が点在する比較例2のサンプル、およびビーズ法ポリスチレンにスリット加工を施した比較例5のサンプルは、上記中空部およびスリット部が検出器にかかるようにカットし測定を行った。
木枠に使用した木材は、一般的に根太に使用される断面寸法40×45(mm)の木材を適当な長さに裁断、釘止めして、厚み45mmの図7に示した木枠として使用した。
表1に、使用した樹脂、押出条件、および得られた発泡体の物性等を纏めて示す。
なお、表1において、雨水に濡れた時の水の抜けやすさ、填め込み性、および施工の際の折れ・欠けは、各実施例および各比較例の発泡体を床の断熱材として施工し、それに基づいて評価した。評価は、〇:優れる、△:普通、×:劣る、で行った。
また、吸水試験後もとの重量に戻るまでの時間は、次の方法で得られた値である。
(a)吸水試験はJIS A9511の吸水量試験A法に従って行う。具体的には10×10×2.5cmの試験片を3個切り出し、23℃±3℃の水中に水面下50mmの深さに10秒間浸漬させ、次に試験片を水中から取り出して傾斜角30度の目開き3mmの金網上に30秒間静置し、それぞれの基準重量m(g)を電子天秤で測定する。次いで、同試験片を再度水面下50mmの深さに24時間浸漬させ、表面に付着した水分をガーゼにてふき取った後1時間静置した後に、最終吸水後の重量m(g)を測定する。吸水量Waを、次の式によって求め、3個の平均値で表す。Aは試験片の表面積(cm)である。
Wa=(m−m)/A×100(g/100cm
(b)次いで、最終吸水後の重量を測定した後の試験片を、再度傾斜角30度の目開き3mmの金網上に静置して10分おきに重量測定を行い、試験片が完全に乾燥して水中浸漬後の重量mから初期重量mに戻るまでに必要な時間、すなわち水中浸漬後にもとの重量に戻るまでの時間を測定し、3個の平均値を算出する。この時間が短いほど水がぬけやすいことを示す。
Figure 2008127872
本発明の発泡断熱ボードは、優れた緩衝性と施工性を有し、かつ部材間へ施工した後の隙間が少なく断熱性が優れているので、特に建材用発泡断熱ボードとして好適である。
本発明の好ましいダイホールの断面形状を示す説明図。 本発明の他の好ましいダイホールの断面形状を示す説明図。 本発明の好ましいダイプレート(格子状のダイホール配列)の正面図。 従来のダイプレート(ハニカム状のダイホール配列)の正面図。 従来のダイプレート(ハニカム状のダイホール配列の一部を閉鎖)の正面図。 (A)は本発明に係わる発泡ボードの部分断面拡大図、(B)は従来の発泡ボードの部分断面拡大図。 熱伝導率測定用木枠の斜視図。 本発明の典型的な発泡断熱ボードの断面顕微鏡写真。
符号の説明
1,3:ダイプレート、 2,4:ダイホール
5,7:ストランド、 6:隙間部

Claims (13)

  1. ストランド状に押出された発泡樹脂が、厚み方向と幅方向に垂直に格子状に配列して集束されていることを特徴とする発泡断熱ボード。
  2. 前記発泡樹脂がポリプロピレン系樹脂を50重量%以上含むポリオレフィン系樹脂である請求項1に記載の発泡断熱ボード。
  3. 前記発泡樹脂が直鎖状のポリプロピレン系樹脂のみからなる請求項1または2に記載の発泡断熱ボード。
  4. ストランド断面の最大長が4〜10mmである請求項1〜3のいずれかに記載の発泡断熱ボード。
  5. 密度が15〜40kg/mで、厚みが20〜100mmである請求項1〜4のいずれかに記載の発泡断熱ボード。
  6. 前記発泡樹脂の平均セル径が200μm以下であり、セル径分布係数が30%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の発泡断熱ボード。
  7. ストランド状に押出された発泡樹脂が、厚み方向と幅方向に垂直に格子状に配列して集束されており、前記格子状に配列されたストランド状の発泡樹脂の間に隙間部が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の発泡断熱ボード。
  8. 前記隙間部が発泡断熱ボード断面積に対し2〜5%である請求項7に記載の発泡断熱ボード。
  9. 複数のダイホールを有するダイスにより、ストランド状に発泡樹脂を押出して集束させる発泡断熱ボードの製造方法であって、前記ダイスのダイホールが厚み方向と幅方向に垂直に配列された格子状であることを特徴とする発泡断熱ボードの製造方法。
  10. 前記ダイスのダイホールの間隔が3〜9mmである請求項9に記載の発泡断熱ボードの製造方法。
  11. ストランド状に発泡樹脂を押出して集束させる複数のダイホールを有する発泡断熱ボード用ダイスであって、前記ダイスのダイホールが厚み方向と幅方向に垂直に配列された格子状であることを特徴とする発泡断熱ボード用ダイス。
  12. 前記ダイホールの間隔が3〜9mmである請求項11に記載の発泡断熱ボード用ダイス。
  13. 前記ダイホールの出口側がテーパー状になっている請求項12に記載の発泡断熱ボード用ダイス。
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