JP7258179B2 - 樹脂発泡板の製造方法 - Google Patents

樹脂発泡板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7258179B2
JP7258179B2 JP2021556105A JP2021556105A JP7258179B2 JP 7258179 B2 JP7258179 B2 JP 7258179B2 JP 2021556105 A JP2021556105 A JP 2021556105A JP 2021556105 A JP2021556105 A JP 2021556105A JP 7258179 B2 JP7258179 B2 JP 7258179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
foam board
resin foam
inert gas
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021556105A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021095727A1 (ja
JPWO2021095727A5 (ja
Inventor
圭 水谷
敏晴 後藤
敦 遊佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Ltd
Original Assignee
Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maxell Ltd filed Critical Maxell Ltd
Publication of JPWO2021095727A1 publication Critical patent/JPWO2021095727A1/ja
Publication of JPWO2021095727A5 publication Critical patent/JPWO2021095727A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7258179B2 publication Critical patent/JP7258179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/03Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
    • B29C48/09Articles with cross-sections having partially or fully enclosed cavities, e.g. pipes or channels
    • B29C48/11Articles with cross-sections having partially or fully enclosed cavities, e.g. pipes or channels comprising two or more partially or fully enclosed cavities, e.g. honeycomb-shaped
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J9/00Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
    • C08J9/04Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof using blowing gases generated by a previously added blowing agent
    • C08J9/12Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof using blowing gases generated by a previously added blowing agent by a physical blowing agent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

本開示は、樹脂発泡板の製造方法に関する。
特開2000-313023号公報(特許文献1)は、発泡体シートの製造方法を開示している。発泡体シートの製造方法において、発泡体シートは、熱分解型化学発泡剤を用いて発泡性シートを加熱発泡させることにより製造されている。
樹脂材料を発泡させる発泡剤には、熱分解型化学発泡剤を含む化学発泡剤と物理発泡剤とがある。熱分解型化学発泡剤を含む化学発泡剤は、樹脂材料を発泡させやすいが、物理発泡剤に比べ毒性が強いものが多く、環境汚染の原因になる。また、毒性が強い化学発泡剤は、発泡後に除去するコスト負担が大きい。一方で、物理発泡剤のうちフロンや炭化水素等も、樹脂材料に対する溶解度が高く発泡させやすいが、オゾン層の破壊等、環境への負荷が大きい。そのため、環境への負荷が小さい窒素や二酸化炭素等の不活性ガスの物理発泡剤を用いることが求められている。
特開2000-313023号公報
しかしながら、不活性ガスの物理発泡剤は、樹脂材料に対する溶解度が低いため発泡させにくく、発泡体シートの軽量化を容易に図ることができない。また、不活性ガスの物理発泡剤は、発泡により形成される気泡の大きさが均一にならず、気泡の大きさのバラツキによって樹脂発泡板の強度を保持できないという問題があった。気泡の大きさのバラツキによる強度の低下は、大きな気泡に応力が集中し、そこが起点となって破壊や座屈といった現象が起きることに起因するものと推察される。
そこで、本開示は、不活性ガスの物理発泡剤を用いながら、容易に軽量化を図り、気泡の大きさを効率的に略均一化させ、強度を向上させることができる樹脂発泡板の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は次のような解決手段を講じた。すなわち、本開示に係る樹脂発泡板の製造方法は、異形押出成形に用いられる押出機にエンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックの少なくともいずれか一方の樹脂を入れる工程を含んでよい。樹脂を加熱して溶融し、溶融樹脂を生成する工程を含んでよい。溶融樹脂に不活性ガスの物理発泡剤を注入して混合する工程を含んでよい。不活性ガスを混合した溶融樹脂をダイスから押出して発泡成形する工程を含んでよい。ダイスは、不活性ガスを混合した溶融樹脂を、押出し方向に沿って互いに略平行に延びる2つ以上の孔を有する板状に成形してよい。
本開示に係る樹脂発泡板の製造方法によれば、不活性ガスの物理発泡剤を用いながら、容易に軽量化を図り、気泡の大きさを効率的に略均一化させ、強度を向上させることができる樹脂発泡板を製造することができる。
図1は、樹脂発泡板の製造方法を示すフローである。 図2は、図1に示す樹脂発泡板の製造方法に用いる押出成形機の概略図である。 図3は、図2に示すダイスの隔壁の配列を示す平面視の概略図である。 図4は、図3に示すダイスのC-C’断面図である。 図5は、図3に示すダイスのD-D’断面図である。 図6は、図3に示すダイスのE-E’断面図である。 図7は、図2に示す発泡樹脂材料のA-A’断面図である。 図8は、図2に示す発泡樹脂材料のB-B’断面図である。 図9は、図1に示す樹脂発泡板の製造方法によって製造された樹脂発泡板の構造を示す外観斜視図である。
実施の形態に係る樹脂発泡板の製造方法は、異形押出成形に用いられる押出機にエンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックの少なくともいずれか一方の樹脂を入れる工程を含んでよい。押出機に入れた樹脂を加熱して溶融し、溶融樹脂を生成する工程を含んでよい。溶融樹脂に不活性ガスの物理発泡剤を注入して混合する工程を含んでよい。不活性ガスを混合した溶融樹脂をダイスから押出して発泡成形する工程を含んでよい。ダイスは、不活性ガスを混合した溶融樹脂を、押出し方向に沿って互いに略平行に延びる2つ以上の孔を有する板状に成形してよい。
これにより、不活性ガスの物理発泡剤を用いながら、容易に軽量化を図り、気泡の大きさを効率的に略均一化さることで強度を向上させることができる樹脂発泡板を製造することができる。
不活性ガスの物理発泡剤は、窒素、二酸化炭素、空気、アルゴン及びヘリウムからなる群から選ばれる1つ又は2つ以上であってよい。不活性ガスの物理発泡剤は、発泡時に水を生成しない。そのため、加水分解による樹脂発泡板の劣化を防止することができる。また、窒素及び二酸化炭素を用いることにより、環境への負荷を軽減することができる。
不活性ガスの物理発泡剤を注入する前に、樹脂発泡板のうち2つ以上の孔を除く発泡樹脂部分の発泡倍率が1.2~4倍となるように、注入される不活性ガスの物理発泡剤の圧力を調整する工程を含んでよい。これにより、発泡樹脂部分の発泡倍率を1.2~4倍という低倍率で発泡させることができる。
以下、本開示に係る樹脂発泡板の製造方法について、図1~9を用いて具体的に説明する。まず、図1に示すように、樹脂発泡板の製造方法は、異形押出成形に用いられる押出機にエンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックの少なくともいずれか一方の樹脂を入れる工程(S1)と、樹脂を加熱して溶融し、溶融樹脂を生成する工程(S2)と、溶融樹脂に不活性ガスの物理発泡剤を注入して混合する工程(S3)と、不活性ガスを混合した溶融樹脂をダイスから押出して発泡成形する工程(S4)とを含む。
エンジニアリングプラスチックは、耐熱温度が100℃以上、強度が500kgf/cm未満、曲げ弾性率が24000kg/cm2未満のプラスチックである。エンジニアリングプラスチックは、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)などである。
スーパーエンジニアリングプラスチックは、耐熱温度が150℃以上であり、高い耐熱性を有するプラスチックである。スーパーエンジニアリングプラスチックは、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、フッ素樹脂及び液晶ポリマー(LCP)などである。
樹脂発泡板の製造方法について、ここではエンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックのうち、エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネート樹脂(PC)を用いて説明する。S1において、図2に示すように、押出成形機1のホッパー2にポリカーボネート樹脂のペレットPを入れる。ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂と他の樹脂及び不活性粒子の少なくともいずれか一方とのコンパウンド樹脂、或いは、共重合ポリカーボネート樹脂でもよい。他の樹脂は、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂(PET樹脂、PBT樹脂、PEN樹脂、PCT樹脂)、PPS樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビリニデン樹脂、ポリラクチド樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート樹脂、ポリカブロラクトン樹脂及びヒドロキシ酪酸-ヒドロキシヘキサン酸コポリマーである。他の樹脂は、単独でもよく2種類以上の併用でもよい。ポリカーボネート樹脂は、樹脂発泡板の強度を向上させる観点から、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上とするのがよい。同様の観点から、エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックの合計は、ホッパー2に入れられる樹脂材料に対して少なくとも50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上とするのがよい。不活性粒子は、タルク、クレイ、シリカ、ガラスファイバー、炭素繊維、セルロース、炭酸カルシウム及び酸化チタン等である。不活性粒子は、単独でもよく2種類以上の併用でもよい。不活性粒子は、軽量化の観点から40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下とするのがよい。
また、ホッパー2に入れる樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂とともに、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂(PET樹脂、PBT樹脂、PEN樹脂、PCT樹脂等)、フッ素樹脂、ABS樹脂及びAS樹脂等を加えてブレンドしてもよい。その際、ポリカーボネート樹脂は、樹脂発泡板の強度を向上させる観点から、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上とするのがよい。同様の観点から、エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックの合計は、ホッパー2に入れられる樹脂材料に対して少なくとも50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上とするのがよい。
一方、ポリカーボネート樹脂は、発泡倍率が乏しいため発泡しにくい。また、ポリカーボネート樹脂は、比較的高価である。そのため、ポリカーボネート樹脂は、100重量%以下、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下とするのがよい。同様に、エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックは、比較的高価であるため、100重量%以下、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下とするのがよい。
また、ポリカーボネート樹脂としては、主鎖にカーボネート結合を有するものであれば特に限定されず、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族-脂肪族ポリカーボネート等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂は、例えば、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換する方法、ジヒドロキシ化合物とホスゲンとをアルカリ触媒存在下に界面重縮合させる方法で得られるものである。ジヒドロキシ化合物としては、分子内にヒドロキシ基を2つ有する化合物であればよく、ビスフェノールA、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3、5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)ブタン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール等の脂肪族ジヒドロキシ化合物などが挙げられる。これらのジヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物以外にも、モノヒドロキシ化合物、トリヒドロキシ化合物等に由来する構造単位を含有していてもよい。
ペレットPは、ホッパー2に入れられたのち、導入口2aを介して押出機3に入る。押出機3は、シリンダ3aと、シリンダ3aに収容されたスクリュー3bとを備える。ペレットPは、スクリュー3bの回転によって、押出方向(図示の左方向)に送られる。なお、押出機3は、ペレットPを押出方向に送ることができれば、上述の構成に限定されるものではない。
S2において、ペレットPは、図示しないヒーターなどの加熱装置等によって加熱されながら、押出方向に送られる。ペレットPは、加熱により溶融する。これにより、溶融樹脂Mが生成される。なお、加熱装置の温度、シリンダ3aの径、スクリュー3bの径及びスクリュー3bの回転速度等は、ペレットPの樹脂材料及びペレットPの投入量等に応じて、溶融樹脂Mに不活性ガスGの物理発泡剤を注入する工程(S3)までにペレットPを溶融できるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
S3において、溶融樹脂Mに不活性ガスGの物理発泡剤を注入して混合する。不活性ガスGは、ボンベ4からガス収容器5の注入口5aを介して、溶融樹脂Mに注入される。ガス収容器5は、押出機3内に注入される不活性ガスGの注入量及び不活性ガスGの注入速度等を調整する。不活性ガスGの物理発泡剤の注入量及び注入速度は、後述する物理発泡剤の圧力によって決めることができる。溶融樹脂Mと不活性ガスGとは、スクリュー3bの回転により混合されながら、押出方向へと送られる。不活性ガスGとは広義に非可燃性ガスを差す。不活性ガスGの物理発泡剤は、窒素、二酸化炭素、空気、アルゴン及びヘリウムからなる群から選ばれる1つである。特に、環境への負荷が小さい窒素、二酸化炭素が好ましい。不活性ガスGは、単独でも2種以上の併用でもよい。なお、溶融樹脂Mに不活性ガスGを供給できれば、不活性ガスGの供給源はボンベ4に限定されるものではない。また、押出成形機1のボンベ4とガス収容器5との間において、不活性ガスGの流路となる管には、減圧弁、流量計、定量ポンプ及びバッファータンク等の機器が設置されている。これらの機器の図示及び具体的な説明は、省略する。
S3において、さらに、押出機3内に注入される物理発泡剤の圧力は調整される。物理発泡剤の圧力は、後述する樹脂発泡板10の2つ以上の孔F1を除く発泡樹脂部分の発泡倍率が1.2~4倍となるように調整される。物理発泡剤の圧力は、図2に示す圧力計7によって確認することができる。発泡倍率が低い場合、樹脂発泡板10の強度は高くなるが、耐熱性及び軽量化の効果は低下する。一方、発泡倍率が高い場合、樹脂発泡板10の強度は低下するが耐熱性及び軽量性は向上する。そのため、樹脂発泡板10の強度、耐熱性及び軽量性のバランスを考慮し、発泡倍率が1.2倍以上、好ましくは1.4倍以上、より好ましくは1.6倍以上とするのがよく、4倍以下、好ましくは3倍以下、より好ましくは2.5倍以下となるように、物理発泡剤の圧力が調整されるのがよい。この物理発泡剤の圧力は、好ましくは1MPa以上、より好ましくは2MPa以上とするのがよく、好ましくは15MPa以下、より好ましくは10MPa以下、さらにより好ましくは8MPa以下とするのがよい。物理発泡剤の圧力が低すぎると溶融樹脂Mに浸透しにくく、高すぎると装置負荷が大きくなるためである。
ここで、S2~S3における押出機3とペレットP(溶融樹脂M)の流れについて、図2を参照してより詳しく説明する。なお、この流れに沿って図2の右側を上流といい、左側を下流という。押出機3に入れられたペレットPは、その直後にシリンダ3aの最上流において加熱して溶融される。その後、下流に進むにつれてスクリュー3bの軸の径が徐々に大きくなり、溶融樹脂Mは、圧縮される。そして、この圧縮箇所よりも下流で溶融樹脂Mの流速が調整されたのち、シリンダ3a内に不活性ガスGの物理発泡剤が注入される。この物理発泡剤が注入される箇所におけるスクリュー3bの軸の径は、溶融樹脂Mが圧縮された箇所よりも小さい。これにより、シリンダ3a内の溶融樹脂Mは、飢餓状態となる。飢餓状態とは、シリンダ3a内に溶融樹脂Mが充満しない状態をいう。飢餓状態では、シリンダ3a内に溶融樹脂Mとともに空間を有する。このような飢餓状態下のシリンダ3a内に不活性ガスGの物理発泡剤が注入されると、物理発泡剤と溶融樹脂Mとの接触が促進され、より多く物理発泡剤が溶融樹脂Mに溶解する。これにより、不活性ガスGの物理発泡剤の溶融樹脂Mへの溶解が促進される。その結果、低圧発泡であっても低い発泡倍率を維持しながら十分に物理発泡剤を拡散させて発泡させることができ、樹脂発泡板10の発泡樹脂部分が1.2~4倍の低い発泡倍率となるように溶融樹脂Mを発泡させることができる。なお、物理発泡剤を注入する前に溶融樹脂Mの流速を調整したが、流速の調整段階における溶融樹脂Mにも物理発泡剤が拡散されるため、これによっても物理発泡剤の溶融樹脂Mへの溶解が促進されると考えられる。
不活性ガスGが混合された溶融樹脂(以下、発泡樹脂材Fと称す。)は、押出機3から出た後、マニホールドを介してダイス6に送られる。
S4において、発泡樹脂材Fは、ダイス6から押出されることによって発泡成形される。ダイス6は、発泡樹脂材Fを押出方向に沿って互いに略平行に延びる2つ以上の孔F1を有する板状に成形する断面形状を有している。ダイス6の開口面には、発泡樹脂材Fの押出方向から視て、図7に示す2つ以上の孔F1に対応する断面形状及び2つ以上の孔F1に対応する位置に、2つ以上の孔F1を形成するための隔壁が配列されている。
図3~6に示すように、ダイス6は、2つ以上の孔F1を形成するための2つ以上の隔壁61を内部に備えている。なお、図3~6は、図示による説明を容易にすべく、隔壁61の数を8つとしたが、これに限定されるものではなく、2つ以上の孔F1の配列に応じて適宜変更することができる。図3に示すように、2つ以上の隔壁61は、一列に配置されており、図4~6に示すように、2つ以上の隔壁61は、一列に配置された隔壁61が上下2段となるように配置されている。各々の隔壁61は、発泡樹脂材Fを導入する押出機3側(図3に示す上側)からダイス6の開口面側(図3に示す下側)に向かって徐々に厚くなるテーパ状である。各々の隔壁61は、ダイス6の開口側表面においても、図6に示す四角形状の断面の相似形である。そのため、発泡樹脂材Fが押出方向に向かって流れる流路62は、徐々に狭くなる。このように、ダイス6を形成したことにより、流路62を流れる発泡樹脂材Fへの圧力を維持することができる。なお、各々の隔壁61は、テーパ状ではなく、互いに対向する側面が平行となるように配列してもよいが、流路62を流れる発泡樹脂材Fへの圧力が低下するため気泡が比較的大きくなりやすい。そのため、より小さな気泡を形成するためには、各々の隔壁61は、テーパ状であるのがよい。また、上述のように内部に2つ以上の隔壁を備えたダイス6であってもよいし、隔壁61をアダプタとして、隔壁61を備えないダイス6に装着するようにしてもよい。隔壁61をアダプタとする場合、アダプタの温度を制御できる温調装置を備えるのが好ましい。温調装置は、ヒーター又は冷却装置である。これにより、成形後の樹脂発泡板10の表面性や寸法を容易に制御することができる。また、2つ以上の隔壁61の配列は、2つ以上の孔F1の配列に応じて適宜変更可能である。また、各々の隔壁61の断面形状は、各々の孔F1の断面形状に応じて適宜変更可能である。
図2及び図7に示すように、板状の発泡樹脂材Fは、ダイス6の開口から押出された直後から僅かに厚くなり、ダイス6の開口面に配列された各々の隔壁によって2つ以上の孔F1が形成されている。図7に示すように、2つ以上の孔F1は、厚み方向(図示の上下方向)に上下2段となるように配列されている。上段に配列された各々の孔F1は、下段に配列された各々の孔F1と対向するように位置付けられている。板状の発泡樹脂材Fの側面と孔F1との間の幅t1は、互いに隣接する孔F1同士の各々の間隔幅t2よりも大きい。すなわち、板状の発泡樹脂材Fの断面において、孔F1よりも左右方向外側の発泡樹脂材Fの厚みは、比較的厚い。同様に、上段の孔F1よりも上方外側の発泡樹脂材Fの厚みは、比較的厚い。下段の孔F1よりも下方外側の発泡樹脂材Fの厚みは、比較的厚い。これにより、板状の発泡樹脂材Fの端部においても発泡性を維持することができる。また、板状の発泡樹脂材Fは、上述のダイス6の隔壁によって細分化される。これにより、発泡樹脂材Fを薄肉化できるため圧力を保持させやすく、発泡性を維持することができる。
図8に示すように、板状の発泡樹脂材Fは、図7に示す押出し直後の状態から押出方向に送られると圧力が低下し、発泡する。図8に示す板状の発泡樹脂材Fの厚みは、発泡によって図7に示す板状の発泡樹脂材Fの厚みの1.05~3倍となる。発泡のより形成された気泡は、2つ以上の孔F1を形成したことにより、略均一の気泡径となる。すなわち、孔F1が形成されていない板状の発泡樹脂材では、厚みの中間層の粘度が厚みの外表層に比べて低くなり気泡が合一化して気泡径が大きくなり、一方で、外表層の温度が中間層に比べて低下しやすく発泡しにくい。そのため、孔F1が形成されていない板状の発泡樹脂材の気泡の気泡径は、外表層と中間層との間でバラツキが生じる。一方で、板状の発泡樹脂材Fは、2つ以上の孔F1を形成したことにより、粘度が比較的低い中間層が形成されないため、外表層と略同じ比較的小さい気泡径を有する気泡が略均一に形成される。これにより、板状の発泡樹脂材Fは、略均一の比較的小さい気泡径を有する気泡が形成される。また、発泡により、各々の孔F1の大きさは、図7に示す孔F1の大きさよりも小さくなる。
なお、孔F1は、略四角形状の断面を有する。孔F1の断面形状は、略四角形に限られず、円形、楕円形又は多角形であってもよい。また、2つ以上の孔F1は、上下2段となるように配列されているが、1段であってもよく、或いは、千鳥状に配列されてもよい。すなわち、2つ以上の孔F1の配列位置、形状及びサイズは、特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
このように形成された板状の発泡樹脂材Fは、図示しない冷却装置によって冷却され、図示しない成形ローラによって成形され、その後、切断装置によって所定のサイズに切断される。これにより、図9に示す樹脂発泡板10を製造することができる。
図9に示すように、樹脂発泡板10は、樹脂発泡板10の主面に沿って平行方向に延びる2つ以上の孔F1を有している。各々の孔F1は、樹脂発泡板10の一方の側面から、一方の側面に対向する他方の側面まで貫通するように開口形成されている。
樹脂発泡板10は、上述の通り、比較的小さい気泡を形成すればよい。そのため、発泡しにくい不活性ガスGの物理発泡剤を用いても十分な大きさの気泡を形成することができる。すなわち、発泡しにくい不活性ガスGの物理発泡剤を敢えて用いたことにより、効率的に気泡の大きさを略均一化でき、比較的強度が強いエンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックを用いた樹脂発泡板10の強度を向上させることができる。また、不活性ガスGの物理発泡剤を用いたことにより、環境への負荷を軽減することができる。また、エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックのうち、発泡倍率に乏しく発泡しにくい非晶性樹脂を用いた場合であっても十分な大きさの気泡を形成することができる。すなわち、比較的強度が高いが発泡しにくい非晶性樹脂を敢えて用いたことにより、効率的に気泡の大きさを比較的小さくして略均一化でき、樹脂発泡板10の強度を向上させることができる。
樹脂発泡板10は、気泡が比較的小さいが、2つ以上の孔F1を有している。そのため、樹脂発泡板10は、気泡の形成による軽量性を保持することができる。
また、不活性ガスGの物理発泡剤は、発泡時に水を生成しない。そのため、加水分解による樹脂発泡板10の劣化を防止することができる。
このように、樹脂発泡板10の製造方法によれば、不活性ガスGの物理発泡剤を用いながら、容易に軽量化を図り、気泡の大きさを効率的に略均一化させ、強度を向上させることができる樹脂発泡板10を製造することができる。
なお、本開示においてポリフェニレンサルファイドとは、繰り返し単位の80モル%(好ましくは90モル%以上)が[化1]で示される構成単位からなる重合体をいう。
Figure 0007258179000001
かかる成分が20モル%未満ではポリマーの結晶性、軟化点等が低くなり、得られるフィルムの耐熱性、寸法安定性および機械的特性などを損なう。繰り返し単位の20モル%未満(好ましくは10モル%未満)であれば、共重合可能なスルフィド結合を含有する単位が含まれていても差し支えない。該重合体の共重合の仕方はランダム、ブロックを問わない。
本開示において、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物とは、上記ポリフェニレンサルファイド( 好ましくはポリ-p-フェニレンサルファイド)を50重量%以上含む樹脂組成物をいう。樹脂組成物中の残りの50重量%未満は、ポリフェニレンサルファイド以外のポリマーおよび/または充填剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤等の添加剤であってもかまわない。ポリフェニレンサルファイドは、ポリフェニレンサルファイドと他の樹脂及び不活性粒子の少なくともいずれか一方とのコンパウンド樹脂、或いは、共重合ポリフェニレンサルファイドでもよい。他の樹脂の説明及び含有量は、上述のポリカーボネート樹脂(PC)を用いた説明の他の樹脂と同様である。また、本開示のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の溶融粘度は温度300℃、せん断速度200sec-1のもとで100~50000ポイズ、さらには500~12000ポイズの範囲が製膜性の面で好ましい。
以上、実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
(実施例)
実施例1~5の試験片及び比較例1~3の試験片を作成し、各々の試験片の気泡のバラツキを評価するとともに、各々の試験片の比重、発泡倍率及びの曲げ強度を測定した。試験結果を下記の表1に示す。各々の試験片の形状及び試験条件の詳細は、後述する。なお、表1中、PCはポリカーボネート樹脂であり、PTFEはポリテトラフルオロエチレン樹脂であり、ABSはABS樹脂であり、PPSはポリフェニレンサルファイドであり、PBTはポリブチレンテレフタレートである。
Figure 0007258179000002
実施例1~5の試験片並びに比較例1~3の試験片は、表1に示す各々の樹脂材料を用いて各々の発泡方式(発泡剤)により作製した。5つの孔F1を有する実施例1~5の試験片及び5つの孔F1を有する比較例2及び3の試験片は、上述の製造方法に則し、押出発泡成形により作製した。各々の試験片は、板状であり、20mmの幅及び200mmの長さを有する。各々の試験片の厚みは、上述の表1に示す通りである。5つの孔F1は、各々の試験片の長さ方向に主面に沿って略平行に延び、各々同じように各々の試験片の幅方向に亘って配列されている。また、各々の孔F1は、同じ大きさの四角形の断面形状を有する。孔を有しない比較例1の試験片は、上述の製造方法においてダイスの開口面に上述の隔壁61を設けず、押出発泡成形により作製した。
(気泡径の測定)
上述の気泡のバラツキは、各々の試験片において、厚みの45~50%の範囲に形成された気泡のメジアン径D1と、厚みの0~5%の範囲に形成された気泡のメジアン径D2を、以下の方法で測定することにより評価した。まず、各々の試験片の重心を通るように、試験片を厚みに沿う方向(図8を参照。)に切断する。なお、試験片が柔軟である場合等、試験片の切断時に切断面の気泡が潰れる場合は、試験片を液体窒素で冷却してから切断する。厚みの45~50%の範囲において、試験片の幅方向の中心線から両端部に向かって10mmずつ計20mmの幅を持つ長方形の範囲を決定する。なお、試験片の幅寸法が20mm未満である場合は、試験片の幅を長方形の範囲の幅とする。測定は、光学顕微鏡を用いて行う。この長方形の範囲に含まれる気泡のうち、気泡径が大きいものから30個の気泡を選定する。このように選定された気泡の気泡径rは、各々の気泡の重心から円を広げていき、気泡の壁面に接したときの円の直径r1と、気泡の壁面に接しなくなるまで大きくなった円の直径r2との平均{r=(r1+r2)/2}によって求める。このように求められた各々の気泡の気泡径rからメジアン径D1が測定される。一方、メジアン径D2は、厚みの表面側から0~5%の範囲において、上述のメジアン径D1と同様に測定される。なお、厚みの表面側とは、主面の両側のうち、いずれか一方であってもよく両方であってもよい。測定したメジアン径D1及びメジアン径D2から比率D2/D1を算出し、0.8以上1.2未満を「A」、0.5以上0.8未満及び1.2以上1.6未満を「B」、0.2以上0.5未満及び1.6以上2.0未満を「C」とし、0.2未満及び2.0以上を「D」として、気泡のバラツキを評価した。なお、厚みの表面側とは、主面の両側のうち、いずれか一方であってもよく両方であってもよい。したがって、比率D2/D1は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上とするのがよく、好ましくは1.6未満、より好ましくは1.2未満とするのがよい。
その結果、孔F1を有する実施例2、3及び5の試験片において、気泡のバラツキを「B」と評価することができ、比較的良好に気泡の大きさを略均一化できていることが分かった。特に、実施例1及び実施例4のように発泡方式を物理発泡とし、かつ、樹脂材料をポリカーボネート樹脂又はポリフェニレンサルファイドとした場合、すなわち、樹脂材料を一つとした場合には、気泡のバラツキを「A」と評価することができ、より効率的に気泡の大きさを略均一化できていることが分かった。実施例1~3では、発泡させにくい物理発泡剤を用いて、発泡させにくいポリカーボネート樹脂を発泡させたことにより、試験片の厚みの外表層と同じ比較的小さい気泡が試験片の厚みの中間層にも効率的に形成されたものと考えられる。比較例2の試験片において、気泡のバラツキは、「C」評価となった。また、比較例2の試験片は、化学発泡であるため物理発泡よりも全体として比較的大きな気泡が形成されているものと考えられる。一方、比較例1の試験片は、孔F1が形成されていないため、上述の通り、気泡の大きさが均一化されず、気泡のバラツキの評価は「D」となった。また、比較例3の試験片も気泡のバラツキの評価は「D」となった。
(比重の測定)
見かけの比重(g/mm3)は、水中置換式密度比較測定により、アルファミラージュ株式会社製の「MDS-300」を用いて測定した。試験は、孔F1内に水が入らないように、孔F1の開口を閉じる低密度ポリエチレン(LPDE)フィルムを試験片の側面に貼付して行った。各々の試験片に貼付する低密度ポリエチレン(LPDE)フィルムは、同じサイズ及び同じ比重である。表1に示すように、各々の主となる樹脂材料(樹脂1)がポリカーボネート樹脂である実施例1~3の試験片並びに比較例1及び2の試験片を比較すると、孔F1を設けた実施例1~3の試験片及び比較例2の試験片は、孔F1を有していない比較例1の試験片よりも比重が小さくなった。一方、各々の種となる樹脂材料(樹脂1)がポリフェニレンサルファイドである実施例4及び5の試験片並びに比較例3の試験片を比較すると、各々の試験片は孔F1を有するため比重に差はなかった。すなわち、孔F1を設ければ比重は小さくなるものと推察される。このように、孔F1を設けることで、試験片が比較的軽くなり、軽量化を図ることができることが分かった。
(発泡倍率)
発泡倍率は、実施例の試験片及び比較例試験片の各々の樹脂材料自体の比重をAとし、発泡成形後の各々の試験片の孔F1を除く発泡樹脂部分の比重をBとした場合に、{比重A/比重B}によって換算した。なお、比重Bは、上述の水中置換式密度比較試験において、各試験片の孔F1の開口を閉じずに測定した。
(曲げ強度試験)
曲げ強度は、各々の試験片の寸法を上述の通りとし、エーアンドディー製の「テンシロンRTF2410」を用いた3点曲げ試験によって測定した(JIS K6911参考)。曲げ強度試験において、支点間距離は100mmであり、ヘッド速度は3mm/minであり、測定環境温度は25℃(±2℃)であり、測定環境湿度は50%RH(±5%RH)である。具体的に、曲げ強度試験は、互いに略平行に延びる5つの孔F1に対して試験片の主面側から視て直交する方向に、加圧くさびで試験片を加圧することにより行った。加圧くさびは、「JIS K6911」に準拠し、先端に5±1mmの丸みを持った金属製のものを使用した。なお、樹脂材料ごとに異なる特性を考慮し、主となる樹脂材料(樹脂1)がポリカーボネート樹脂である実施例1~3の試験片並びに比較例1及び2の間で曲げ強度を比較した。また、主となる樹脂材料(樹脂1)がポリフェニレンサルファイドである実施例4及び5の試験片並びに比較例3の試験片の間で曲げ強度を比較した。
表1に示すように、実施例1の試験片は、比較例1の試験片よりも曲げ強度を向上させることができた。実施例1の試験片は、5つの孔F1を設けたことにより、また、物理発泡剤によって樹脂発泡させたため、気泡の大きさが比較的小さく、且つ、気泡の大きさが均一化したため、比較例1の試験片よりも曲げ強度が向上したものと考えられる。また、実施例2の試験片及び実施例3の試験片は、樹脂材料としてポリカーボネート樹脂とポリカーボネート樹脂以外の樹脂を含有しているため、実施例1の試験片に比べるとやや気泡のバラツキが生じた。そのため、実施例2の試験片及び実施例3の試験片は、実施例1の試験片よりも曲げ強度がやや劣るものの、比較例1の試験片と比べると曲げ強度は大きく向上した。一方、比較例2の試験片は、5つの孔F1を有するものの、化学発泡剤を用いて樹脂発泡しているため、曲げ強度が大きく低下した。上述の通り、比較例2の試験片は、化学発泡であるため物理発泡よりも全体として比較的大きな気泡が形成されており、また、各実施例の試験片に比べて気泡のバラツキがあるためと考えられる。さらに、比較例2の試験片の曲げ強度低下は、化学発泡によって樹脂が加水分解して分子量が低下したことも影響しているものと考えられる。
また、表1に示すように、実施例4及び5の試験片並びに比較例3の試験片を比較すると、実施例4及び5の試験片は、比較例3の試験片に比べて曲げ強度を向上させることができた。これは、比較例3の試験片の気泡にバラツキがあるためであり、また、化学発泡によって樹脂が加水分解して分子量が低下したことも影響しているものと考えられる。また、実施例5の試験片の曲げ強度が実施例4の試験片よりも大きくなったのは、実施例5の試験片がポリフェニレンサルファイドよりも比較的大きい強度を有するポリブチレンテレフタレートを含むためと考えられる。
なお、実施例の各々で用いた樹脂材料のうち、ポリカーボネート樹脂は非晶性樹脂である。エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックのうち、他の非晶性樹脂を用いても上記の試験と同程度の結果が得られるものと考えられる。また、ポリフェニレンサルファイドは結晶性樹脂である。エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックのうち、他の結晶性樹脂を用いても上記の試験と同程度の結果が得られるものと考えられる。
このように、樹脂発泡板10の製造方法によれば、不活性ガスGの物理発泡剤を用いながらも、2つ以上の孔F1を設けたことにより、軽量化を図ることができるとともに、気泡のバラツキを抑制して気泡径を比較的小さい気泡径で均一化し、強度の強い樹脂発泡板10を製造できることが分かった。
1 押出成形機、2 ホッパー、2a 導入口、3 押出機、3a シリンダ、3b スクリュー、4 ボンベ、5 ガス収容器、5a 注入口、6 ダイス、7 圧力計、61 隔壁、62 流路、10 樹脂発泡板、P ペレット、G 不活性ガス、F 発泡樹脂材、F1 孔

Claims (9)

  1. 異形押出成形に用いられる押出機にエンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックの少なくともいずれか一方の樹脂を入れる工程と、
    前記樹脂を加熱して溶融し、溶融樹脂を生成する工程と、
    前記溶融樹脂に不活性ガスの物理発泡剤を注入して混合する工程と、
    前記不活性ガスを混合した溶融樹脂をダイスから押出して発泡成形する工程とを含み、
    前記ダイスは、前記不活性ガスを混合した溶融樹脂を、押出し方向に沿って互いに平行に延びる2つ以上の孔を有する板状に成形する、樹脂発泡板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の樹脂発泡板の製造方法において、
    前記不活性ガスの物理発泡剤は、窒素、二酸化炭素、空気、アルゴン及びヘリウムからなる群から選ばれる1つ又は2つ以上である、樹脂発泡板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂発泡板の製造方法において、
    前記不活性ガスの物理発泡剤を注入する前に、前記樹脂発泡板のうち2つ以上の孔を除く発泡樹脂部分の発泡倍率が1.2~4倍となるように、注入される前記不活性ガスの物理発泡剤の圧力を調整する工程を含む、樹脂発泡板の製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂発泡板の製造方法において、
    前記溶融樹脂に不活性ガスの物理発泡剤を注入する前に、前記溶融樹脂が飢餓状態となる工程を含む、樹脂発泡板の製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂発泡板の製造方法において、
    前記溶融樹脂に不活性ガスの物理発泡剤を注入する前に、前記溶融樹脂の流速を調整する工程を含む、樹脂発泡板の製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂発泡板の製造方法において、
    前記溶融樹脂に注入される前記不活性ガスの物理発泡剤の圧力は、1~15MPaに調整される工程を含む、樹脂発泡板の製造方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂発泡板の製造方法において、
    前記ダイスは、2つ以上の孔を形成するための2つ以上の隔壁を含む、樹脂発泡板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の樹脂発泡板の製造方法において、
    前記隔壁は、前記樹脂を入れる押出機側から前記ダイスの開口面側に向かって徐々に厚くなるテーパ状である、樹脂発泡板の製造方法。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂発泡板の製造方法において、
    前記樹脂は、50重量%以上のポリカーボネート樹脂を含む、樹脂発泡板の製造方法。
JP2021556105A 2019-11-11 2020-11-10 樹脂発泡板の製造方法 Active JP7258179B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019203840 2019-11-11
JP2019203840 2019-11-11
PCT/JP2020/041912 WO2021095727A1 (ja) 2019-11-11 2020-11-10 樹脂発泡板の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2021095727A1 JPWO2021095727A1 (ja) 2021-05-20
JPWO2021095727A5 JPWO2021095727A5 (ja) 2022-06-20
JP7258179B2 true JP7258179B2 (ja) 2023-04-14

Family

ID=75912645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021556105A Active JP7258179B2 (ja) 2019-11-11 2020-11-10 樹脂発泡板の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7258179B2 (ja)
WO (1) WO2021095727A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20240012495A (ko) * 2022-03-31 2024-01-29 맥셀 주식회사 공압출 시트

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000263624A (ja) 1999-03-18 2000-09-26 Mitsubishi Kagaku Form Plastic Kk 押出し発泡複合体の製造方法及び発泡複合体
JP2008127872A (ja) 2006-11-21 2008-06-05 Asahi Fiber Glass Co Ltd 発泡断熱ボードおよびその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0957811A (ja) * 1995-08-29 1997-03-04 Gunze Kobunshi Kogyo Kk マトリックス状構造部材およびマトリックス状の内部構造部材を備えた構造体並びにマトリックス状構造部材の製法
JPH10272670A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Beishin Kogyo Kk 発泡合成樹脂成形品の発泡促進方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000263624A (ja) 1999-03-18 2000-09-26 Mitsubishi Kagaku Form Plastic Kk 押出し発泡複合体の製造方法及び発泡複合体
JP2008127872A (ja) 2006-11-21 2008-06-05 Asahi Fiber Glass Co Ltd 発泡断熱ボードおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2021095727A1 (ja) 2021-05-20
WO2021095727A1 (ja) 2021-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5123021B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法及びポリプロピレン系樹脂発泡体
JP7258179B2 (ja) 樹脂発泡板の製造方法
Park et al. Extruded open-celled LDPE-based foams using non-homogeneous melt structure
JPWO2008038639A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物発泡シート及びその製造方法
JP5517842B2 (ja) ポリカーボネート樹脂押出発泡体の製造方法及びポリカーボネート樹脂押出発泡体
JPWO2019167815A1 (ja) 二軸延伸フィルム
JP4773870B2 (ja) ポリ乳酸系樹脂発泡成形体の製造方法
WO2011161885A1 (ja) ポリカーボネート樹脂発泡成形体の製造方法
Liu et al. Extrusion foaming of poly (lactic acid)/soy protein concentrate blends
JP2001105557A (ja) ポリカーボネート樹脂発泡体/ポリカーボネート樹脂多層体
WO2011084277A3 (en) Machinable thermally insulating styrene - acrylonitrile copolymer foam
JP5755934B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂積層発泡体の製造方法、及びポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
TW201920460A (zh) 熱塑性聚酯彈性體樹脂組成物及其發泡成形體
JP2020164686A (ja) 発泡シート及び発泡容器
JP6131367B2 (ja) 熱成形用ポリカーボネート系樹脂発泡シート、及び、樹脂成形品の製造方法
US20230090331A1 (en) Lightweight plate and lightweight panel including lightweight plate
JP4928920B2 (ja) 型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法
EP2692510A1 (en) Polycarbonate Resin Foamed Blow-Molded Article and Process for Producing Same
WO2024014391A1 (ja) 共押出シート
WO2023190634A1 (ja) 共押出シート
JP5456421B2 (ja) 押出発泡ボード
JP2023152908A (ja) ケース
WO2024014392A1 (ja) 共押出シート
JP7224977B2 (ja) ポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法
WO2024203640A1 (ja) 延伸フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220411

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7258179

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150