JPWO2019167815A1 - 二軸延伸フィルム - Google Patents
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Abstract
ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)100質量部に対して、該ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)よりもガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下含む樹脂組成物からなる、結晶融解エンタルピーが20J/g以上80J/g以下である二軸延伸フィルム。
Description
本出願は、2018年3月2日に出願された日本国特許出願2018−037857に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
中でも、酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールをそれぞれ主成分とするポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)は、融点が290℃と高く、結晶化速度も早いので、耐熱性が必要とされる射出成形用途として広く使用されており、二軸延伸フィルム用途としても各種検討がなされている。
これらの用途においては、使用時の温度が高温になるため、80〜200℃×数分〜数日間という過酷な耐熱試験にも耐える必要がある。
例えば、特許文献1には、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートからなる二軸配向ポリエステルフィルムであって、特定の延伸比及び延伸温度で延伸又は配向され、続いて260℃以上の温度において寸法を保持しながらヒートセットされた、耐熱性に優れたフィルムが開示されている。
また、特許文献3において、二軸延伸フィルムとしての検討はなされていない。
そこで、本発明は、透明性、耐熱性、耐湿熱性及び延伸加工性に優れたポリエステル系二軸延伸フィルムを提供することを目的とする。
[2] 好ましい一態様に係る二軸延伸フィルムは、結晶融解エンタルピーが25J/g以上80J/g以下である。
[3] 好ましい一態様に係る二軸延伸フィルムは、結晶融解温度が250℃以上350℃以下である。
[4] 好ましい一態様に係る二軸延伸フィルムは、前記二軸延伸フィルムを構成する樹脂組成物を加熱速度10℃/分で結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し10℃/分で降温したとき、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が40℃以上80℃以下である。
[5] 好ましい一態様に係る二軸延伸フィルムは、前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の結晶融解エンタルピーが35J/g以上70℃J/g以下である。
[6] 好ましい一態様に係る二軸延伸フィルムは、前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の結晶融解温度が260℃以上340℃以下である。
本発明の実施形態の一例に係る二軸延伸フィルム(以下、「本二軸延伸フィルム」と称することがある)は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)を含み、該ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)100質量部に対して、該ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)よりもガラス転移温度が高いポリアリレート(B)を1質量部以上50質量部以下含み、結晶融解エンタルピーが20J/g以上80J/g以下である。
しかし、この方法では、結晶核剤を添加することにより結晶化度が向上し、それに伴って耐熱性も向上するものの、一般に結晶化速度も向上する為、延伸加工性が悪化するという問題がある。
これは、射出成型品や無延伸の押出成形品の場合は、結晶核剤が種となって球晶結晶を成長させるのに対し、延伸フィルムにおける結晶は主として配向結晶であり、両者は結晶の成長様式及び形態が異なるためである。
なお、この結晶形態の違いにより、通常、前者は不透明な成形品となり、後者(延伸フィルム)は透明な成形品が得られる。
本発明は、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートよりもガラス転移温度が高い非晶性樹脂であるポリアリレートが、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートと相溶性を示すことを見出し、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートとポリアリレート樹脂を含む二軸延伸フィルムが、優れた透明性、耐熱性、耐湿熱性、延伸加工性を示すことを見出し、成されたものである。
本二軸延伸フィルムは、耐熱性や光学特性が必要な用途にも好適に使用できる。
言い換えると、ポリアリレート(B)の含有割合は、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上45質量部以下、3質量部以上50質量部以下及び3質量部以上45質量部以下のいずれかであることがより好ましく、1質量部以上40質量部以下、3質量部以上40質量部以下、5質量部以上50質量部以下、5質量部以上45質量部以下及び5質量部以上40質量部以下のいずれかであることが更に好ましく、1質量部以上35質量部以下、3質量部以上35質量部以下、5質量部以上35質量部以下、10質量部以上50質量部以下、10質量部以上45質量部以下、10質量部以上40質量部以下及び10質量部以上35質量部以下のいずれかであることが最も好ましい。
ポリアリレート(B)の割合が、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)100質量部に対して1質量部以上であれば、結晶化温度を遅くすることができるためフィルムを延伸する際の延伸加工性が向上する。
一方、ポリアリレート(B)の割合が、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)100質量部に対して50質量部以下であれば、本二軸延伸フィルムの結晶性を維持され、ひいては得られる本二軸延伸フィルムの加熱時の耐収縮性が十分なものとなる。
一実施形態に係る本二軸延伸フィルムの結晶融解エンタルピー(ΔHm)は、20J/g以上80J/g以下である。
一実施形態に係る本二軸延伸フィルムの結晶融解エンタルピー(ΔHm)は、中でも25J/g以上80J/g以下が好ましく、中でも26J/g以上或いは75J/g以下がより好ましく、中でも27J/g以上或いは70J/g以下が更に好ましい。
言い換えると、本二軸延伸フィルムの結晶融解エンタルピー(ΔHm)は、25J/g以上80J/g以下であることが好ましく、25J/g以上75J/以下、26J/g以上80J/g以下及び26J/g以上75J/g以下のいずれかであることがより好ましく、25J/g以上70J/以下、26J/g以上70J/g以下、27J/g以上80以下J/g、27J/g以上75J/g以下及び27J/g以上70J/g以下のいずれかであることが更に好ましい。
前記ΔHmが20J/g以上であれば、本二軸延伸フィルムは十分な結晶性を有しており、得られる二軸延伸フィルムの加熱時の耐湿熱性に優れる。
一方、前記ΔHmが80J/g以下であれば、本二軸延伸フィルムの結晶性は二次加工性にも適したものとなる。
また、その他にも、結晶核剤の添加などによりフィルムのΔHmを調整することができる。
さらに、本二軸延伸フィルムの製造において、溶融状態からの冷却温度、延伸倍率、延伸温度、延伸後の熱処理条件を調整することで、本二軸延伸フィルムの結晶融解エンタルピー(ΔHm)を、最適化することができる。
本二軸延伸フィルムの結晶融解温度(Tm)は、250℃以上350℃以下であることが好ましく、中でも255℃以上340℃以下であることがより好ましく、中でも260℃以上330℃以下であることがさらに好ましく、中でも265℃以上320℃以下であることがとりわけ好ましく、中でも270℃以上310℃以下であることが最も好ましい。
本二軸延伸フィルムの結晶融解温度(Tm)が係る範囲であれば、本二軸延伸フィルムは耐熱性と溶融成形性のバランスに優れる。
また、上記ΔHmと同じく、本二軸延伸フィルムの製造において、溶融状態からの冷却温度、延伸倍率、延伸温度、延伸後の熱処理条件を調整することで、本二軸延伸フィルムの結晶融解温度(Tm)を、最適化することができる。
なお、本二軸延伸フィルムが2つ以上の結晶融解温度(Tm)を有する場合は、少なくとも1つの結晶融解温度(Tm)が前記範囲内であればよい。
また、本二軸延伸フィルムが2つ以上の結晶融解温度(Tm)を有する場合の結晶融解エンタルピー(ΔHm)は、各々の結晶融解エンタルピーの合計値とする。
本二軸延伸フィルムの結晶化状態を好ましいものとするための目安として、二軸延伸フィルムを構成する樹脂組成物を加熱速度10℃/分で示差走査熱量計(DSC)を用いて、結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し、10℃/分で降温した際の結晶化ピークの温度を降温結晶化温度としたときの、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が使用される。
結晶融解温度と降温結晶化温度の差は、40℃以上80℃以下であることが好ましく、中でも45℃以上或いは75℃以下であることが好ましく、中でも50℃以上或いは70℃以下であることが更に好ましい。
結晶融解温度と降温結晶化温度の差が40℃以上であれば、樹脂組成物の結晶化が速すぎず、二軸延伸フィルムの製造工程におけるキャスティングロールでの急冷過程の際、十分に結晶性が低い非晶シートが得られ、その後の延伸過程でも急激に結晶化が促進されることがないため、破断等のトラブルが生じにくく、延伸性に優れる。
一方、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が80℃以下であれば、結晶化速度は遅すぎないため、延伸後の熱処理過程において結晶化を完了させ、耐熱性に優れる二軸延伸フィルムを得ることができる。
当該他の樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)以外のポリエステル系樹脂(ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂(アラミド系樹脂を含む)、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、及び、フッ素系樹脂等が挙げられる。
前記添加剤としては、成形加工性、生産性及びフィルムの諸物性を改良・調整する目的で添加される、耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料や染料などの着色剤、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤などの添加剤が挙げられる。
ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートである。中でも、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸を、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノールを、それぞれ主成分とする重合体であるのが好ましい。特に、本発明で用いるポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含む重合体であることが好ましい。
また、「X〜Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
中でもジカルボン酸成分(a−1)のうち、テレフタル酸が92モル%以上であることがより好ましく、94モル%以上であることがさらに好ましく、96モル%以上であることが特に好ましく、98モル%以上であることがとりわけ好ましく、ジカルボン酸成分(a−1)の全て(100モル%)がテレフタル酸であることが最も好ましい。
ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸が90モル%以上を占めることにより、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)のガラス転移温度、融点及び結晶性が向上し、ひいては本二軸延伸フィルムの耐熱性が向上する。
具体的には、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも成形性の観点から、イソフタル酸、2,5−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸が好ましい。
ジオール成分(a−2)のうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールが92モル%以上であることがより好ましく、94モル%以上であることがさらに好ましく、96モル%以上であることが特に好ましく、98モル%以上であることがとりわけ好ましく、ジオール成分(a−2)の全て(100モル%)が1,4−シクロヘキサンジメタノールであることが最も好ましい。
ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノールが90モル%以上を占めることにより、ポリアリレート(B)との相溶性が向上し、更には、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の融点及び結晶性が向上し、ひいては本二軸延伸フィルムの耐熱性が向上する。
具体的には、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキノン、ビスフェノール、スピログリコール、2,2,4,4,−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール、イソソルバイド等が挙げられる。これらの中でも成形性の観点からエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
言い換えると、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の結晶融解エンタルピー(ΔHm(A))は、35J/g以上70J/g以下であることが好ましく、35J/g以上65J/g以下、36J/g以上70J/g以下及び36/g以上65J/g以下であることがより好ましい。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)のΔHm(A)が係る範囲であれば、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)は耐熱性、耐湿熱性、溶融成形性及び延伸加工性にも優れる適度な結晶性を有する。
言い換えると、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の結晶融解温度(Tm(A))は、280℃以上310℃以下であることが好ましく、260℃以上340℃以下、280℃以上340℃以下及び260℃以上310℃以下のいずれかであることがより好ましく、270℃以上310℃以下、260℃以上330℃以下、270℃以上330℃以下及び280℃以上330℃以下のいずれかであることが更に好ましい。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の結晶融解温度(Tm(A))が係る範囲であれば、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)は耐熱性と溶融成形性のバランスに優れる。
言い換えると、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)のガラス転移温度(Tg(A))は、60℃以上150℃以下であることが好ましく、60℃以上120℃以下、70℃以上150℃以下及び70℃以上120℃以下のいずれかであることが更に好ましい。
前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)のガラス転移温度(Tg(A))が、係る範囲にあれば、耐熱性と溶融成形性のバランスに優れる。
本発明ではポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)よりTgの高いポリアリレート(B)を混合することで、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)単体よりもガラス転移温度の高い樹脂組成物が得られ、耐熱性、耐湿熱性に優れた二軸延伸フィルムが得られる。
なお、異なる樹脂を混合して樹脂組成物とする場合、相溶性が悪い樹脂の組合せであれば、一般に相分離したモルフォロジーが形成される。
このような場合は、通常、各成分に帰属するTgが独立して存在する樹脂組成物となるため、Tgを高める効果は期待できない。
本発明では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)とポリアリレート(B)という特定の組合せであれば、両者の相溶性が高く、またエステル交換反応も生じる(詳細は後述する)ため、均一な樹脂組成物とすることが可能であることを見出した。
その結果、樹脂組成物のTgは実質的に1つとなるため、これを高めることが可能となった。
結晶化度の高いポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)を用いることで、延伸時に結晶化が促進され、結晶融解温度と結晶融解エンタルピーが向上し、耐熱性及び耐湿熱性に優れた二軸延伸フィルムが得られる。
一方、延伸時の結晶化が顕著に起こる場合、延伸時に結晶部分からの破断が起きやすくなるという問題を有する。
そこで、本発明においては、通常非晶性であるポリアリレート(B)が、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)自体の結晶性を緩和し、延伸時の破断を抑え加工時のハンドリング性を向上させている。
さらに、本発明においては、混合する樹脂同士の相溶性が重要である。
つまり、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)とポリアリレート(B)は前述の通り相溶性を有するため、二軸延伸フィルムは透明性を有する。
本二軸延伸フィルムは、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)よりもJIS K7198Aに準じて測定されるガラス転移温度が高いポリアリレート(B)を含む。
ポリアリレート(B)は、ジカルボン酸成分(b−1)と二価フェノール成分(b−2)との重縮合物である。
ポリアリレート(B)のガラス転移温度は、前記ジカルボン酸成分(b−1)及び二価フェノール成分(b−2)を適宜選択することで調整することができ、とりわけ、二価フェノール成分を適宜選択することが好ましい。
そのテレフタル酸成分とイソフタル酸成分の混合比(モル%)は、テレフタル酸/イソフタル酸=99/1〜1/99が好ましく、90/10〜10/90がより好ましく、80/20〜20/80が更に好ましく、70/30〜30/70が特に好ましく、60/40〜40/60がとりわけ好ましい。ジカルボン酸成分(b−1)としてテレフタル酸とイソフタル酸の混合比が上記範囲であることで、ポリアリレート(B)は耐熱性と溶融成形性に優れる。
具体的には、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。ポリアリレート樹脂(B)の耐熱性を損なわないよう、テレフタル酸とイソフタル酸以外の酸成分の共重合比率は10モル%未満であることが好ましい。
一般に、ビスフェノールA成分を含むことで溶融成形性(流動性)に優れたポリアリレートとなる。
一方、ビスフェノールTMC成分を含むことで、ガラス転移温度が向上し耐熱性に優れるポリアリレート(B)となる。
溶融成形性と耐熱性のバランスを取りたい場合には、ビスフェノールA成分とビスフェノールTMC成分のいずれも用いる。
この場合、ビスフェノールA成分とビスフェノールTMC成分の割合(モル%)は、ビスフェノールA/ビスフェノールTMC=99/1〜1/99が好ましく、90/10〜10/90がより好ましく、80/20〜20/80が更に好ましく、70/30〜30/70が特に好ましく、60/40〜40/60がとりわけ好ましい。ビスフェノールA成分とビスフェノールTMC成分の割合を係る範囲にすることにより、耐熱性と溶融成形性のバランスに優れるポリアリレート(B)となる。
具体的には、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールAF(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)、ビスフェノールB(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノールBP(ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン)、ビスフェノールC(2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールE(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールG(2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン)、ビスフェノールM(1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン)、ビスフェノールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールP(1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン)、ビスフェノールPH(5,5‘−(1−メチルエチリデン)−ビス[1,1’−(ビスフェニル)−2−オール]プロパン)、ビスフェノールZ(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン)等が挙げられる。
ポリアリレート(B)の耐熱性を損なわないよう、上記化合物の共重合比率は10モル%未満であることが好ましい。
また、前記ポリアリレート(B)のガラス転移温度と前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)とのガラス転移温度の差は、60℃以上であるのが好ましく、70℃以上であるのがより好ましく、80℃以上であるのが更に好ましく、90℃以上であるのが特に好ましく、100℃以上であるのが最も好ましい。
さらに、ポリアリレート(B)のガラス転移温度は、150℃以上350℃以下であるのが好ましく、中でも160℃以上或いは340℃以下であるのがより好ましく、中でも170℃以上或いは330℃以下であるのが更に好ましく、中でも180℃以上或いは320℃以下であるのが特に好ましく、中でも190℃以上或いは300℃以下であるのが最も好ましい。
言い換えると、ポリアリレート(B)のガラス転移温度は、150℃以上350℃以下であるのが好ましく、150℃以上340℃以下、160℃以上350℃以下及び160℃以上340℃以下のいずれかであるのがより好ましく、150℃以上330℃以下、160℃以上330℃以下、170℃以上350℃以下、170℃以上340℃以下及び170℃以上330℃以下のいずれかであるのが更に好ましく、150℃以上320℃以下、160℃以上320℃以下、170℃以上320℃以下、180℃以上350℃以下、180℃以上340℃以下、180℃以上330℃以下及び180℃以上320℃以下のいずれかであるのが特に好ましく、150℃以上300℃以下、160℃以上300℃以下、170℃以上300℃以下、180℃以上300℃以下、190℃以上350℃以下、190℃以上340℃以下、190℃以上330℃以下、190℃以上320℃以下及び190℃以上300℃以下のいずれかであることが最も好ましい。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)とポリアリレート(B)のガラス転移温度の差が上記を満たすことで、本二軸延伸フィルムのガラス転移温度が向上し、溶融成形性にも優れた本二軸延伸フィルムが得られる。
ポリアリレート(B)とポリカーボネートは相溶するため、ポリアリレート(B)に対してポリカーボネートを混合することで、透明性や機械特性を維持したままポリアリレート(B)のガラス転移温度を下げることができ、結果として溶融成形性を向上させることができる。
ポリアリレート(B)とポリカーボネートを混合する場合、その混合比率(質量%)はポリアリレート(B)/ポリカーボネート=99/1〜50/50が好ましく、98/2〜60/40がより好ましく、97/3〜70/30が更に好ましく、96/4〜80/20が特に好ましい。
ポリアリレート(B)とポリカーボネートの混合比率が係る範囲であれば、ポリアリレート(B)の耐熱性を維持したまま溶融成形性を向上することができる。
なお、ポリアリレート(B)とポリカーボネートとの混合とは、これら2成分を予め混合したものを原料として用いることが好ましい。但し、この方法のみには限定されず、ポリカーボネートを前記「他の樹脂」として選択し、独立した原料として用いることで上記構成としてもよい。
本発明の二軸延伸フィルムの製造方法について説明する。但し、以下の説明は本二軸延伸フィルムを製造する方法の一例であり、本二軸延伸フィルムは係る製造方法により製造される二軸延伸フィルムに限定されるものではない。
この樹脂組成物は、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)とポリアリレート(B)のそれぞれ一部がエステル交換反応をして、両重合体間の界面張力が大幅に低下するため相溶し、透明性、耐熱性に優れたポリエステル樹脂組成物になると考えられる。
したがって、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)は、該ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の一部又は全部がエステル交換反応して得られるエステル交換体も包含し、ポリアリレート(B)は、ポリアリレートの一部又は全部がエステル交換して得られるエステル交換体も包含する。
エステル交換の程度(反応率)は、混合温度、せん断速度、滞留時間等の溶融混合条件によって調整することが可能であり、それにより本二軸延伸フィルムの結晶融解エンタルピー(ΔHm)を調整することもできる。
混練温度は、用いる全ての樹脂のガラス転移温度以上であり、かつ、結晶性樹脂に対しては、その結晶融解温度以上であることが必要である。使用する樹脂のガラス転移温度や結晶融解温度に対して、なるべく混練温度が高い方が、樹脂の一部のエステル交換反応が生じやすく、相溶性が向上しやすいものの、必要以上に混練温度が高くなると樹脂の分解が起こるため好ましくない。このことから、混練温度は260℃以上350℃以下であり、中でも270℃以上或いは340℃以下が好ましく、中でも280℃以上或いは330℃以下がより好ましく、中でも290℃以上或いは320℃以下が特に好ましい。
混練温度が係る範囲であれば、樹脂の分解を生じることなく、相溶性や溶融成形性を向上させることができる。
樹脂組成物は、一度冷却固化してペレット状などの形状にした後、これを再び加熱溶融して成形に供してもよいし、溶融状態で得られた樹脂組成物をそのまま成形してもよい。
本発明において二軸延伸とは、少なくとも異なる2方向に延伸されていれば足りるが、直交する2方向に延伸することが好ましい。
本二軸延伸フィルムは、例えば以下の方法により製造することが好ましい。
この未延伸フィルムの製造は、例えば上記原料を押出機により溶融し、フラットダイ、又は環状ダイから押出した後、急冷することによりフラット状又は環状(円筒状)の未延伸フィルムとする押出法を採用することができる。
この際、場合によって、複数の押出機を使用した積層構成としてもよい。
また、テンター式同時二軸延伸やチューブラー式同時二軸延伸方法の場合は、例えばTg〜Tg+50℃の温度範囲において、縦横同時に各軸方向に1.1〜5.0倍に延伸することにより製造できる。
熱固定をすることにより、常温における寸法安定性を付与できる。
この場合の処理温度は、好ましくは前記樹脂組成物の結晶融解温度をTmとして、Tm−1℃〜50℃の範囲を選択するのが好ましい。
熱固定温度が上記範囲内にあれば、熱固定が十分に行われ、延伸時の応力が緩和され、十分な耐熱性や機械特性が得られ、破断やフィルム表面の白化などのトラブルがない優れたフィルムが得られる。
また、フィルムの収縮に追従した弛緩が行われる為、フィルムの弛み、テンター内でのバタツキがなく、フィルムの破断もない。
本二軸延伸フィルムの引張強度維持率が係る範囲にあれば、フィルムとして使用するのに十分な耐湿熱性を有する。
本二軸延伸フィルムの引張強度維持率は、フィルムを構成する樹脂材料として、上記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)及びポリアリレート(B)という、結晶性の異なる2つの樹脂を用いることで上記範囲内に調整することができる。
また、上記ΔHmと同じく、本二軸延伸フィルムの製造において、溶融状態からの冷却温度、延伸倍率、延伸温度、延伸後の熱処理条件を調整することで、本二軸延伸フィルムの引張強度維持率を最適化することができる。
本二軸延伸フィルムのヘーズの値が係る範囲にあれば、フィルムとして使用するのに十分な透明性を有する。
なお、本発明におけるヘーズの値は、以下の式で計算できる。
[ヘーズ]=([拡散透過率]/[全光線透過率])×100
二軸延伸フィルムについて、Diamond DSC(パーキンエルマージャパン社製)を用いて、JIS K7121(2012年)に準じて、加熱速度10℃/分で昇温過程における結晶融解温度及び結晶融解エンタルピー(結晶融解熱量)を測定した。
二軸延伸フィルムとする前のキャストフィルムについて、Diamond DSC(パーキンエルマージャパン社製)を用いて、JIS K7121(2012年)に準じて、加熱速度10℃/分で350℃まで昇温し、1分間保持した後、冷却速度10℃/分で350℃から−50℃までの降温過程における結晶化温度を測定した。
キャストフィルムについて、二軸延伸を行った際、破断せずに延伸できたものを合格(○)、破断が起こったものを不合格(×)とした。
プレッシャークッカー試験(120℃、100%RH(相対湿度)、1気圧)を0時間、24時間、48時間又は72時間行い、試験後の各フィルムについて、次のように引張試験を実施して、MD及びTDの引張強度維持率を測定した。
JIS K7127:1999に準じた方法により測定した。測定装置は、引張試験機(株式会社島津製作所製 引張試験機AG‐1kNXplus)を用いた。試験片は、ポリエステル系二軸延伸フィルムから測定方向の長さ100mm、幅15mmの長方形に切り出したものを用いた。試験片の長さ方向の両端部をチャック間距離40mmでチャックし、クロスヘッドスピード200mm/分で引っ張り、破断点における応力を引張強度として5回測定し、その平均値を求めた。上記引張試験はフィルムのMDの引張強度及び、TDの引張強度を実施した。
ヘーズメーターNDH−5000(日本電色工業社製)を用いて、JIS K7136(2000年)に基づいて、全光線透過率及び拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。
[ヘーズ]=([拡散透過率]/[全光線透過率])×100
(A)−1:SKYPURA0502HC
(SKケミカル社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、ジオール成分:1,4−シクロヘキサンジメタノール=100モル%、Tm=293℃、ΔHm=48J/g、Tg=94℃)
(SKケミカル社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、ジオール成分:1,4−シクロヘキサンジメタノール=100モル%、Tm=286℃、ΔHm=42J/g、Tg=96℃)
(SKケミカル社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=91.8モル%、イソフタル酸=8.2モル%、ジオール成分:1,4−シクロヘキサンジメタノール=100モル%、Tm=274℃、ΔHm=32J/g、Tg=95℃)
(B)−1:Uポリマー(登録商標) U−100
(ユニチカ社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50モル%、ビスフェノール成分:ビスフェノールA=100モル%、Tg(B)=210℃)
ペレット状の(A)−1:70質量部に対して、ペレット状の(B)−1を30質量部の割合で添加し、ドライブレンドした後、310℃に設定した同方向二軸押出機(東芝機械株式会社製、バレル内径40mm、スクリューの有効長Lと外径Dの比L/D=32)に投入し、得られたストランドを水槽で冷却固化し、ペレタイザーでカットし、ペレットを作製した。
作製したペレットを、単軸押出機(三菱重工業株式会社製)を用いて、310℃で溶融混練後、ギャップ1.0mm、310℃のTダイより押出した溶融樹脂シートを115℃のキャストロールで引き取り、冷却固化し、厚み約500μmの膜状物を得た。
続いて、得られたキャストフィルムを縦延伸機に通し、125℃で縦方向(MD)に3倍延伸を行った。
続いて、得られた縦延伸フィルムを横延伸機(テンター)に通し、予熱温度130℃、延伸温度130℃、熱固定温度260℃で横方向(TD)に3.5倍延伸を行い、その後テンター内にてフィルムの弛緩処理を10%行った。
得られた二軸延伸フィルムについて、上記(1)〜(6)の評価を行った。
結果を表1に示す。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)に関して、(A)−1の代わりに(A)−2を使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)に関して、(A)−1の代わりに(A)−3を使用した以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1と同様にしてキャストフィルムを得た後、縦方向(MD)に3.0倍延伸を行い、一軸延伸フィルムを得た。当該一軸延伸フィルムについて、上記(1)〜(6)の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、得られた延伸フィルムについて、DSCにより結晶融解温度及び結晶融解エンタルピーを測定したところ、285(℃)、33(J/g)の数値を読みとることができたが、同時に融解ピークよりも低温で結晶化によるピークが確認できた。これは、縦延伸のみでは十分に結晶化が完了しておらず、DSC測定中の昇温によって結晶化が進行したことに起因するピークである。つまり、比較例1で得られた一軸延伸フィルムのDSC測定によって得られる前記結晶融解温度及び結晶融解エンタルピーは、該一軸延伸フィルム自体の物性を反映したものではない。そのため、表1には示さなかった。
ペレット状の(A)−2単体を300℃に設定したΦ25mm二軸押出機にて溶融混練し、Tダイ内からフィルムとして押出し、20℃のキャストロールに密着急冷し、厚み450μmのキャストフィルムを得た。得られたキャストフィルムを縦延伸温度104℃、予熱温度104℃、横延伸温度114℃とし、延伸フィルムを作製しようとしたところ、横延伸過程において破断が起こった。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして得られたキャストフィルムについて評価した結果を表1に示す。
なお、得られたキャストフィルムについて、DSCにより結晶融解温度及び結晶融解エンタルピーを測定したところ、285(℃)、29(J/g)の数値を読みとることができたが、同時に融解ピークよりも低温で結晶化によるピークが確認できた。これは、延伸をしない場合はフィルムの結晶化が起こらないため、DSC測定中の昇温によって結晶化が進行したことに起因するピークである。つまり、比較例3で得られたキャストフィルムのDSC測定によって得られる結晶融解温度及び結晶融解エンタルピーは、該キャストフィルム自体の物性を反映したものではない。そのため、表1には示さなかった。
また、実施例3は、実施例1、2と比較すると、同条件で延伸したのにもかかわらず、耐湿熱性が若干劣っていた。これは、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートの結晶融解エンタルピーが低く(32J/g)、結晶性が低いことが原因と考えている。
一軸方向の延伸のみ行った比較例1は、湿熱試験後のフィルムは収縮が顕著であるため、引張試験は不可能であった。
以上のことから、比較例1で得られる延伸フィルムは耐熱性、耐湿熱性に劣るといえる。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)を単体で使用した比較例2では、延伸をした時、破断を生じた。ここで用いた樹脂は、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が小さいので、結晶性が高く結晶化速度が大きい。
したがって、キャスティングロールでの急冷過程において結晶性が高いシートが得られるため、破断したものと考えられる。
延伸を行っていない比較例3では、湿熱試験後の引張強度維持率は著しく低く、耐湿熱性に劣っていた。
Claims (6)
- ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)100質量部に対して、該ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(A)よりもガラス転移温度が高いポリアリレート(B)を1質量部以上50質量部以下含み、結晶融解エンタルピーが20J/g以上80J/g以下である二軸延伸フィルム。
- 結晶融解エンタルピーが25J/g以上80J/g以下である請求項1に記載の二軸延伸フィルム。
- 結晶融解温度が250℃以上350℃以下である請求項1又は2に記載の二軸延伸フィルム。
- 前記二軸延伸フィルムを構成する樹脂組成物を加熱速度10℃/分で結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し10℃/分で降温したとき、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が40℃以上80℃以下である請求項1〜3の何れかに記載の二軸延伸フィルム。
- 前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の結晶融解エンタルピーが35J/g以上70℃J/g以下である請求項1〜4の何れかに記載の二軸延伸フィルム。
- 前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(A)の結晶融解温度が260℃以上340℃以下である請求項1〜5の何れかに記載の二軸延伸フィルム。
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