JP2018104496A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりも、JIS K7198Aに準じて測定されるガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で含むポリエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明で解決しようとする課題は、上記の問題点を解決し、透明性、耐熱性、及び、延伸加工性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供することにある。また透明性、加熱時の耐収縮性に優れたポリエステル系二軸延伸フィルムを提供することにある。
[2] 単一のガラス転移温度を有する[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3] 本樹脂組成物を加熱速度10℃/分で示差走査熱量計(DSC)を用いて、結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し、10℃/分で降温した際、結晶融解温度と降温結晶化温度の差は40℃以上80℃以下である[2]または[3]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル系二軸延伸フィルム。
[5] ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、ポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で、260℃以上350℃以下で溶融混練してなるポリエステル樹脂組成物の製造方法。
本発明の実施形態の一例に係るポリエステル樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」と称することがある)は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりもガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で含むポリエステル樹脂組成物である。
また、インライン工程またはアウトライン工程にて熱処理を施すことによって、結晶化を促し耐熱性を向上する方法が知られているが、最終的に到達する結晶化度には限界があり、熱処理という工程が加わるため生産性が低下するという問題もある。
本発明においては、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂よりもガラス転移温度が高い非晶性樹脂であるポリアリレート樹脂がポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂と相溶性を示す事を見出し、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂とポリアリレート樹脂を含む樹脂組成物が、優れた透明性、耐熱性、延伸加工性を示すことを見出したものである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は極めて耐熱性に優れる為、この樹脂組成物から得られるポリエステル系二軸延伸フィルムは透明性や加熱時の耐収縮性に優れ、耐熱性や光学特性が必要な用途にも好適に使用できる。
本樹脂組成物は、単一のガラス転移温度を有する事が好ましい。単一のガラス転移温度を有するとは、歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分の条件にて動的粘弾性の温度分散測定(JIS K7198A法の動的粘弾性測定)を行った際、本樹脂組成物は損失正接(tanδ)の主分散のピークが1つだけ存在することを意味する。樹脂組成物のガラス転移温度が単一であれば、樹脂組成物に含まれる樹脂は相溶しており、透明性を有したポリエステル樹脂組成物となる。
相溶系とは、混合する2種類以上の樹脂が分子レベルで完全に混ざり合う系を意味する。この際、分子レベルで混ざり合っている非晶領域は単一の相と見なす事ができ、ミクロブラウン運動も単一の温度で生じる。従って、相溶系の場合、ガラス転移温度が単一であり、主分散のピークも単一となる。また、その温度は、ブレンド比率に応じて、ブレンドするそれぞれの樹脂の間の範囲に値をとる。
一方、非相溶系の場合、混合する2種類以上の樹脂が混ざり合っておらず、二相系(あるいはそれ以上)として存在する。従って、ガラス転移温度を示す主分散のピークは、ブレンドするそれぞれの樹脂と同じ位置に2つ以上存在する事になる。非相溶の場合、それぞれの樹脂の屈折率が極めて近い値になければマトリックスとドメインの界面で光が散乱し、樹脂組成物の透明性が損なわれる。また、引張や曲げ等の外力を加えた際に界面で剥離が生じ、機械物性の低下や白化を招く。さらに、延伸フィルムの製造の際、延伸時に界面剥離が生じ、破断や白化の原因となる。
本発明においては、本樹脂組成物を構成する樹脂が相溶しているため、本樹脂組成物及び該組成物を用いて得られる成形品は優れた透明性を有する。
ガラス転移温度は、JIS K7198Aに準じて、動的粘弾性の温度分散測定を用いて歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分にて測定される損失正接(tanδ)の主分散のピークで評価される。
本樹脂組成物の結晶融解熱量ΔHmは25J/g以上50J/g以下である事が好ましく、26J/g以上或いは45J/g以下である事がより好ましく、27J/g以上或いは40J/g以下である事が更に好ましい。ΔHmが25J/g以上であれば、本樹脂組成物は十分な結晶性を有しており、得られる二軸延伸フィルムの加熱時の耐収縮性に優れる。一方、ΔHmが50J/g以下であれば、本樹脂組成物の結晶性は延伸成形性にも適したものとなる。
本樹脂組成物の結晶融解熱量ΔHmは、JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて加熱速度10℃/分で測定するものである。
本樹脂組成物の結晶化速度を好ましいものとするための目安として、本樹脂組成物を加熱速度10℃/分で示差走査熱量計(DSC)を用いて、結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し、10℃/分で降温した際の結晶化ピークの温度を降温結晶化温度としたときの、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が使用される。結晶融解温度と降温結晶化温度の差は、40℃以上80℃以下であることが好ましく、45℃以上或いは75℃以下であることが好ましく、50℃以上或いは70℃以下であることが更に好ましい。結晶融解温度と降温結晶化温度の差が40℃以上であれば、本樹脂組成物の結晶化が速すぎず、二軸延伸フィルムの製造工程におけるキャスティングロールでの急冷過程の際、十分に結晶性が低い非晶シートが得られ、その後の延伸過程でも急激に結晶化が促進されることがないため、破断等のトラブルが生じにくく、延伸性に優れる。一方、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が80℃以下であれば、結晶化速度は遅すぎないため、延伸後の熱処理過程において結晶化を完了させ、耐熱性に優れる二軸延伸フィルムを得る事ができる。
他の樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、及び、フッ素系樹脂等が挙げられる。
ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする樹脂である。特に、本発明で用いるポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含む樹脂である。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)の結晶融解温度Tm(A)は、JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて加熱速度10℃/分で測定する事ができる。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHm(A)は、JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて加熱速度10℃/分で測定する事ができる。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)のガラス転移温度Tg(A)は、JIS K7198Aに準じて、動的粘弾性の温度分散測定を用いて歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分にて測定される損失正接(tanδ)の主分散のピークで評価する事ができる。
本樹脂組成物は、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりもJIS K7198Aに準じて測定されるガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を含む。
ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂は、芳香族ジカルボン酸と二価フェノールとの重縮合物である。
そのテレフタル酸成分とイソフタル酸成分の混合比は、テレフタル酸/イソフタル酸=99/1〜1/99モル%である事が好ましく、90/10〜10/90モル%である事がより好ましく、80/20〜20/80モル%である事が更に好ましく、70/30〜30/70モル%である事が特に好ましく、60/40〜40/60モル%である事がとりわけ好ましい。ジカルボン酸成分(b−1)としてテレフタル酸とイソフタル酸をかかる範囲で含む事により、ポリアリレート樹脂(B)は耐熱性と溶融成形性に優れる。
ポリアリレート樹脂(B)のガラス転移温度は150℃以上350℃以下であるのが好ましく、160℃以上或いは340℃以下であるのがより好ましく、170℃以上或いは330℃以下であるのが更に好ましく、180℃以上或いは320℃以下であるのが特に好ましく、190℃以上或いは300℃以下であるのがとりわけ好ましい。ポリアリレート樹脂(B)のガラス転移温度が上記を満たすことで、ガラス転移温度を向上し溶融成形性にも優れた本樹脂組成物が得られる。
ポリアリレート樹脂(B)とポリカーボネート樹脂をブレンドする場合、その混合比率はポリアリレート樹脂(B)/ポリカーボネート樹脂=99/1〜50/50質量%であるのが好ましく、98/2=60/40質量%であるのがより好ましく、97/3〜70/30質量%であるのが更に好ましく、96/5〜80/20質量%であるのが特に好ましい。ポリアリレート樹脂(B)とポリカーボネート樹脂の混合比率がかかる範囲であれば、ポリアリレート樹脂(B)の耐熱性を維持したまま溶融成形性を向上する事ができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法(以下、「本樹脂組成物の製造方法」と称する)について説明するが、以下の説明は、本樹脂組成物を製造する方法の一例であり、本樹脂組成物はかかる製造方法により製造される本樹脂組成物に限定されるものではない。
更に、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)とポリアリレート樹脂(B)とを均一に混合するために、同方向二軸押出機を用いて溶融混練するのが好ましい。
混練温度は、用いる全ての樹脂のガラス転移温度以上であり、かつ結晶性樹脂に対しては、その樹脂の結晶融解温度以上である事が必要である。使用する樹脂のガラス転移温度や結晶融解温度に対して、なるべく混練温度が高い方が、樹脂の一部のエステル交換反応が生じやすく、相溶性が向上しやすいものの、必要以上に混練温度が高くなると樹脂の分解が起こる為好ましくない。この事から、混練温度は260℃以上350℃以下であり、270℃以上340℃以下が好ましく、280℃以上330℃以下がより好ましく、290℃以上320℃以下が特に好ましい。混練温度がかかる範囲であれば、樹脂の分解を生じる事なく、相溶性や溶融成形性を向上させる事ができる。
以下に、本樹脂組成物からなるポリエステル系二軸延伸フィルム(以下「本フィルム」と称することがある)について記載する。上記の本樹脂組成物を一般の成形法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等によって成形して二軸延伸フィルムを作製する事ができる。それぞれの成形方法において、装置および加工条件は特に限定されない。
本フィルムは例えば、以下の方法により製造する事が好ましい。
なお、本発明におけるヘーズの値は、以下の式で計算する事ができる。
[ヘーズ]=([拡散透過率]/[全光線透過率])×100
粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティー計測制御株式会社製)を用い、JIS K7244(1999年)に準じて、歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分で動的粘弾性の温度分散測定を用い、損失正接(tanδ)の主分散のピーク温度を測定した。ピークが単一であり、かつそのピーク温度が110℃以上、300℃以下のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。
得られたキャストフィルムについて、Diamond DSC(パーキンエルマージャパン社製)を用いて、JIS K7121(2012年)に準じて、加熱速度10℃/分で昇温過程における結晶融解温度及び結晶融解エンタルピーを測定した。結晶融解エンタルピーが25J/g以上、50J/g以下のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温した後、10℃/分で降温した際の結晶化ピークの温度を測定し、結晶融解温度との差から結晶化速度を評価した。結晶融解温度と降温結晶化温度の差が40℃以上、80℃以下のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。
キャストフィルムについて、二軸延伸を行った際、問題なく延伸できたものを合格(○)、破断が起こったものを不合格(×)とした。
熱処理オーブンベーキング試験装置(株式会社大栄科学製作所製)を用いて二軸延伸フィルムを200℃で30分間加熱し、加熱後の収縮率を測定した。収縮率が2%以下であるものを合格(○)、2%を超えるものを不合格(×)とした。
ヘーズメーターNDH−5000(日本電色工業社製)を用いて、JIS K7136(2000年)に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。
[ヘーズ]=([拡散透過率]/[全光線透過率])×100
ヘーズが5%以下であるものを合格(○)、5%を超えるものを不合格(×)とした。
(A)−1:SKYPURA0502
(SKケミカル社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、ジオール成分:1,4−シクロヘキサンジメタノール=100モル%、Tm(A)=286℃、ΔHm(A)=42J/g、Tg(A)=104℃)
(B)−1:Uポリマー U−100
(ユニチカ社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50モル%、ビスフェノール成分:ビスフェノールA=100モル%、Tg(B)=210℃)
(ユニチカ社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50モル%、ビスフェノール成分:ビスフェノールA/ビスフェノールTMC=60/40モル%、Tg(B)=244℃)
(ユニチカ社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50モル%、ビスフェノール成分:ビスフェノールTMC=100モル%、Tg(B)=286℃)
(ユニチカ社製、Uポリマー T−200/ポリカーボネート樹脂=90/10質量%の混合物、Tg(B)=272℃)
ペレット状の(A)−1を100質量部に対して、ペレット状の(B)−1を25質量部の割合で添加し、ドライブレンドした後、300℃に設定したΦ25mm二軸押出機にて溶融混練し、Tダイ内からフィルムとして押出し、20℃のキャストロールに密着急冷し、厚み450μmのキャストフィルムを得た。このキャストフィルムについて、結晶融解温度、結晶融解熱量、降温結晶化温度、ガラス転移温度の評価を行った。
続いて、得られたキャストフィルムを縦延伸機に通し、125℃で縦方向(MD)に3倍延伸を行った。続いて、得られた縦延伸フィルムを横延伸機(テンター)に通し、予熱温度125℃、延伸温度130℃、熱固定温度260℃で横方向(TD)に3倍延伸を行った。得られた二軸延伸フィルムについて、加熱収縮率及びヘーズの測定を行った。結果を表1に示す。
(B)−1の代わりに(B)−2を使用し、成形温度を320℃、縦延伸温度を132℃、予熱温度を132℃、横延伸温度を142℃とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(B)−1の代わりに(B)−3を使用し、成形温度を330℃、縦延伸温度を140℃、予熱温度を140℃、横延伸温度を150℃とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(B)−1の代わりに(B)−4を使用し、成形温度を330℃、縦延伸温度を138℃、予熱温度を138℃、横延伸温度を148℃とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1を100質量部に対して、(B)−1を10質量部の割合で添加し、縦延伸温度を114℃、予熱温度を114℃、横延伸温度を124℃とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1を100質量部に対して(B)−1を40質量部の割合で添加し、縦延伸温度を134℃、予熱温度を134℃、横延伸温度を144℃とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1を単体で使用し、縦延伸温度を104℃、予熱温度を104℃、横延伸温度を114℃とした以外は実施例1と同様にサンプルの作製を行ったところ、横延伸過程において破断が起こった。評価結果を表1に示す。
縦方向(MD)に2.5倍、横方向(TD)に2.5倍で延伸を行った以外は比較例1と同様にサンプルの作成を行ったところ、問題なく二軸延伸フィルムが得られた。評価結果を表1に示す。
(A)−1を100質量部に対して(B)−1を100質量部の割合で添加し、縦延伸温度を157℃、予熱温度を157℃、横延伸温度を167℃とした以外は実施例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対するポリアリレート樹脂(B)の配合割合を10質量部としている。実施例1と比較してポリアリレート樹脂(B)の配合割合が少ないためガラス転移温度の向上効果が小さく耐熱性が若干低下しているものの、優れた透明性、延伸加工性を示す樹脂組成物が得られている。
実施例6では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対するポリアリレート樹脂(B)の配合割合を40質量部としている。実施例1と比較してポリアリレート樹脂(B)の配合割合が多いため樹脂組成物の結晶性が低下しており、耐熱性が若干低下しているものの、優れた透明性、延伸加工性を示す樹脂組成物が得られている。
比較例1、2では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)を単体で使用している。この樹脂組成物は、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が小さいことより、結晶性が高く、結晶化速度が大きい樹脂組成物であることがわかる。比較例1においては、キャスティングロールでの急冷過程において結晶性が高いシートが得られるため、実施例と等倍率での延伸をした時、破断を起こしてしまったと考えられる。一方、比較例2においては、実施例や比較例1よりも延伸倍率を下げているため延伸は可能であるものの、ポリアリレート樹脂を含まないため樹脂組成物のガラス転移温度が低く、得られる二軸延伸フィルムの加熱収縮率は大きくなっている。すなわち、耐熱性が低下している。
比較例3では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対するポリアリレート樹脂(B)の配合割合を100質量部としている。この樹脂組成物は、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が大きいこと、及び、結晶融解熱量が小さいことより、結晶化速度が小さく、結晶化度が低い樹脂組成物であることがわかる。当該樹脂組成物を用いた二軸延伸フィルムは、製造時の熱固定の際に十分な結晶化が起こらず、また、起こったとしても絶対的な結晶化度が低いため、加熱収縮率が大きい、すなわち耐熱性が低くなったと考えられる。
Claims (5)
- ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりも、JIS K7198Aに準じて測定されるガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で含むポリエステル樹脂組成物。
- 単一のガラス転移温度を有する請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 本樹脂組成物を加熱速度10℃/分で示差走査熱量計(DSC)を用いて、結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し、10℃/分で降温した際、結晶融解温度と降温結晶化温度の差は40℃以上80℃以下である請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル系二軸延伸フィルム。
- ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、ポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で、260℃以上350℃以下で溶融混練してなるポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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