JP2011074095A - 樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の樹脂組成物はポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、シクロオレフィン系樹脂(C)からなり、各成分の質量比率が下記式(I)、(II)を満足することを特徴とする。
(A)/(B)=40/60〜100/0 (I)
(C)/[(A)+(B)+(C)]=3/100〜25/100 (II)
【選択図】なし
Description
(1)ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、シクロオレフィン系樹脂(C)からなり、各成分の質量比率が下記式(I)、(II)を満足することを特徴とする樹脂組成物。
(A)/(B)=40/60〜100/0 (I)
(C)/[(A)+(B)+(C)]=3/100〜25/100 (II)
(2)シクロオレフィン系樹脂(C)が、脂環族系の環状炭化水素化合物の重合体であるか、または脂環族系の環状炭化水素化合物とα-オレフィンとの付加共重合体であり、前記シクロオレフィン系樹脂(C)中における脂環族系の環状炭化水素化合物とα-オレフィンの質量比が50/50〜100/0であることを特徴とする(1)の樹脂組成物。
(3)(1)又は(2)いずれかの樹脂組成物からなる成形体。
本発明の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂(A)にシクロオレフィン系樹脂(C)を配合することにより、あるいはポリアリレート樹脂(A)およびポリカーボネート樹脂(B)に対してシクロオレフィン系樹脂(C)を配合することにより得られる。
本発明において、ポリカーボネート樹脂(B)についての前述のインヘレント粘度は、0.3〜0.7であることが好ましく、さらに好ましくは0.35〜0.65である。ポリカーボネート樹脂(B)のインヘレント粘度が0.3未満となると得られる樹脂組成物の機械的特性、耐熱性が劣る場合があり、逆に0.7を超えると溶融粘度が高くなるため溶融加工時の変色や、流動性の低下が起こる場合がある。
(C)/[(A)+(B)+(C)]=3/100〜25/100 (II)
上記式はポリアリレート樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)とシクロオレフィン系樹脂(C)の配合量全体を100質量部とした時のシクロオレフィン系樹脂(C)の配合割合を表している。ただし、本発明においては、ポリカーボネート樹脂(B)を含まない場合もある。本発明においては、[(A)+(B)+(C)]を100質量部として、シクロオレフィン系樹脂(C)が3〜25質量部であることが必要であり、5〜20質量部であることが好ましい。シクロオレフィン系樹脂(C)の配合割合が3質量部未満では、本願樹脂組成物の流動性改善効果にもとづく成形性の向上がほとんど見られず、逆に25質量部を超えると、外観や機械物性が悪化するため好ましくない。
(1) インヘレント粘度(dl/g):ISO1628−1に基づき、ウベローデ型粘度管を使用し、1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒とし、溶媒100mlに対し試料1gを添加し(すなわち、濃度1g/dl)、温度25℃において測定した。
本発明においては、荷重たわみ温度が160℃以上であって、かつ、ベース樹脂組成物との荷重たわみ温度の差が5℃以内であるものを実用に耐えうるものであるとした。
本発明においては、シャルピー衝撃値が10kJ/m2以上であるものを実用に耐えうるものであるとした。
○:ささくれ状となっておらず、破断面が滑らかであった。
×:破断面にささくれが見られた。
○:班模様が生じておらず、均一であった。
×:班模様が生じていた。
バーフロー流動長向上度(%)={[(A)+(B)+(C)]からなる樹脂組成物のバーフロー流動長}/{ベース樹脂組成物のバーフロー流動長}×100
本発明においては、バーフロー流動長向上度が150%以上であるものを実用に耐えうるものとした。
(9)吸水率(%):ISO 62に基づき、23℃の水中にて、24時間経過後での吸水率を測定した。
・ポリアリレート樹脂(A)
(A−1):ユニチカ社製 商品名「Lパウダー」
ビスフェノールA、テレフタル酸、イソフタル酸からなり、インヘレント粘度が0.54である。
(A−2):ユニチカ社製 商品名「Dパウダー」
ビスフェノールA、テレフタル酸、イソフタル酸からなり、インヘレント粘度が0.72である。
住友ダウ社製 商品名「カリバー200−3」
インヘレント粘度が0.64であるポリカーボネート樹脂である。
・シクロオレフィン系樹脂(C)
(C−1):ポリプラスチックス社製、商品名「TOPAS 6017」
ガラス転移点が180℃であり、エチレンとノルボルネンからなり、構造中にノルボルネンが質量比で83%含まれるシクロオレフィン系樹脂である。
ガラス転移点が160℃であり、エチレンとノルボルネンからなり、構造中にノルボルネンが質量比で79%含まれるシクロオレフィン系樹脂である。
ガラス転移点が136℃であり、エチレンとノルボルネンからなり、構造中にノルボルネンが質量比で76%含まれるシクロオレフィン系樹脂である。
ガラス転移点が80℃であり、エチレンとノルボルネンからなり、構造中にノルボルネンが質量比で65%含まれるシクロオレフィン系樹脂である。
融点が135℃、密度0.964g/cm3の高密度ポリエチレンである。
(C−6): 三井化学社製、商品名「TPX R31」
融点が233℃のポリメチルペンテンである。
ポリアリレート樹脂(A)90質量部、シクロオレフィン系樹脂(C)10質量部を、総仕込み量3kgをドライブレンド混合した後、ロスインウェイト式連続定量供給装置(クボタ社製、商品名「CE−W−1」)を用いて、ベント部を一か所有するスクリュー径26mmの二軸押し出し機(東芝機械社製、商品名「TEM26SS」)の主供給口に供給した。そして、押出機のバレル温度を320℃、ベント減圧度を−0.099MPa(ゲージ圧)、吐出量20kg/h、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ダイスからストランド状に引き取った樹脂組成物を温浴槽にて冷却固化し、ペレタイザでカッティングした後、120℃で熱風乾燥することにより樹脂組成物のペレットを得た。
ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)及びシクロオレフィン系樹脂(C)の種類と配合割合を表1、表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得、評価を実施した。評価結果を表1、表2に示す。
比較例5および比較例6は、ポリアリレート樹脂(A)/ポリカーボネート樹脂(B)の比率が30/70であり、ポリアリレート樹脂(A)の配合量が少ないため、荷重たわみ温度が160℃を下回り、耐熱性に劣るものとなった。
比較例8は、シクロオレフィン系樹脂(C)の配合量が多すぎるため、成形性(流動性)、耐熱性、曲げ特性、外観には問題がないが、シャルピー衝撃値が低く、耐衝撃性に劣るものとなった。
Claims (3)
- ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、シクロオレフィン系樹脂(C)からなり、各成分の質量比率が下記式(I)、(II)を満足することを特徴とする樹脂組成物。
(A)/(B)=40/60〜100/0 (I)
(C)/[(A)+(B)+(C)]=3/100〜25/100 (II) - シクロオレフィン系樹脂(C)が、脂環族系の環状炭化水素化合物の重合体であるか、または脂環族系の環状炭化水素化合物とα-オレフィンとの付加共重合体であり、前記シクロオレフィン系樹脂(C)中における脂環族系の環状炭化水素化合物とα-オレフィンの質量比が50/50〜100/0であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 請求項1または2いずれか記載の樹脂組成物からなる成形体。
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