JP2012214702A - 樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形時の流動性に劣るポリアリレート樹脂が含有されていても、流動性の向上により成形性が改善され、ポリアリレート樹脂が本来有する耐熱性および機械的特性を損なうことなく、さらに視認性が向上された樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有し、各成分の質量比率が下記の条件(I)および下記式(II)を同時に満足することを特徴とする。
(A)と(B)とからなる樹脂組成物において、(A)の質量比率が30質量%以上である。 (I)
(C)/[(A)+(B)+(C)]=5/100〜30/100 (II)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリレート樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体を含有する樹脂組成物に関するものである。または、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびアクリロニトリル−スチレン共重合体を含有する樹脂組成物に関するものである。
ビスフェノール類と芳香族カルボン酸とからなるポリアリレート樹脂は、エンジニアリングプラスチックとして広く知られている。ポリアリレート樹脂は耐熱性、機械的特性、透明性に優れるため、ポリアリレート樹脂からなる成形体は電気・電子、自動車、機械等の分野において、幅広く使用されている。しかし、ポリアリレート樹脂は溶融粘度が高いため成形時の流動性が悪く、成形性が必ずしも良いとは言えないという問題点を有していた。
ポリアリレート樹脂の機械的特性および耐熱性を維持したまま成形性を向上させる試みとして、特許文献1および特許文献2では、ポリアリレート樹脂に対してポリカーボネート樹脂を配合してなる樹脂組成物が開示されている。該樹脂組成物は、機械的特性および外観に優れ、耐熱性の低下も少ないうえ、さらにポリアリレート樹脂の成形性が改善されている。
しかしながら、近年では自動車、電気製品において軽量化、小型化が図られているため、自動車や電気製品を構成する部品において、小型化が図られている。このように部品の小型化が図られた場合、該部品においては、薄肉の成形体が強く求められている。ひいては、このような薄肉の成形体を得るための樹脂組成物において、非常に良好な成形性が強く求められている。ところが、特許文献1および特許文献2に記載されたポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とからなる樹脂組成物においては、成形時の流動性に劣るため、要求される成形性を満たし切れない場合がある。
さらに、特許文献1および特許文献2に記載された樹脂組成物に対して、その流動性を改善するために流動性改質剤を用いると、視認性が損なわれたり、滞留安定性が損なわれたりするという問題がある。
上記のような現状から、ポリアリレート樹脂の良好な機械的特性、耐熱性を維持しつつ、成形性(流動性)が十分に改善され、従来の流動性改質剤を含有させた場合に見られた視認性欠如などの不具合のない樹脂組成物が強く望まれている。
特公昭50−027061号公報 特開昭58−083050号公報
従って、本発明の目的は、成形時の流動性に劣るポリアリレート樹脂が含有されていても、流動性の向上により成形性が改善され、ポリアリレート樹脂が本来有する耐熱性および機械的特性を損なうことなく、さらに視認性が向上された樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリレート樹脂(A)およびアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を含有する樹脂組成物、またはポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)およびアクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有する樹脂組成物は、耐熱性および耐衝撃性などの機械的特性を維持しつつ、視認性が向上され、さらに流動性(成形性)に顕著に優れるものであることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は次の通りである。
(1)ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有し、各成分の質量比率が下記の条件(I)および下記式(II)を同時に満足することを特徴とする樹脂組成物。
(A)と(B)とからなる樹脂組成物において、(A)の質量比率が30質量%以上である。 (I)
(C)/[(A)+(B)+(C)]=5/100〜30/100 (II)
(2)ポリアリレート樹脂(A)およびアクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有し、各成分の質量比率が下記式(III)を満足することを特徴とする樹脂組成物。
(C)/[(A)+(C)]=5/100〜30/100 (III)
(3)アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)の共重合比率が、モル比で、アクリロニトリル/スチレン=15/85〜35/65の範囲であることを特徴とする(1)または(2)の樹脂組成物。
(4)ポリカーボネート樹脂(B)のインヘレント粘度が0.3〜0.7dl/gであることを特徴とする(1)または(3)の樹脂組成物。
(5)アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)のインヘレント粘度が、0.4〜1.0dl/gであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの樹脂組成物。
(6)さらに、導電性物質を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの樹脂組成物。
(7)(1)〜(6)のいずれかの樹脂組成物を含むことを特徴とする成形体。
本発明によれば、アクリロニトリル−スチレン共重合体を含有させることにより、ポリアリレート樹脂が有している耐熱性、機械的特性および滞留安定性を、実使用に必要とされる程度に維持しつつ、流動性(成形性)を向上させることが可能である。
さらに、本発明によれば、成形体が肉薄化した際の流動長の低下も少なく、視認性が向上されているため、非常に有用である。
加えて、本発明の樹脂組成物が、ポリアリレート樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体に加えて、ポリカーボネート樹脂を含有する場合には、ポリアリレート樹脂の機械的特性を向上させ、成形性をより向上させることが可能である。
また、本発明の樹脂組成物が、導電性物質を含有する場合には、流動性を向上させつつ、電磁破シールド性を向上させることが可能である。
以下、本発明について説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂(A)にアクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有するものであるか、あるいはポリアリレート樹脂(A)およびポリカーボネート樹脂(B)に対してアクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有するものである。
本発明において、ポリアリレート樹脂(A)とは、芳香族ジカルボン酸残基と、ビスフェノール類残基とから構成されているポリエステルである。ポリアリレート樹脂(A)は、溶融重合、界面重合など公知慣用の方法により製造することができる。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げられる。
上記のなかでも、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が好ましく、溶融加工性および機械的特性の点から、両者を混合して用いることが特に好ましい。
テレフタル酸とイソフタル酸のモル比率(テレフタル酸/イソフタル酸)は、100/0〜0/100の範囲の任意である。なかでも、溶融加工性、機械的特性、重合性及び得られるポリアリレート樹脂の耐変色性の観点から、好ましくは70/30〜30/70、より好ましくは60/40〜40/60である。
上記テレフタル酸とイソフタル酸のモル比率の中でも、光(特に、紫外線)に対する耐変色性を向上させるためには、イソフタル酸をテレフタル酸よりも過剰に用いる方が好ましい。また、耐熱性を向上させるためには、テレフタル酸をイソフタル酸よりも過剰に用いることが好ましい。
ビスフェノール類としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)-3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン(PPPBP)等が挙げられる。これらのビスフェノール類は単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。
上記の中でも、コストパフォーマンスおよび重合性の観点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用することが好ましい。また、耐熱性の観点から、ビスフェノールTMC、PPPBPを用いることが好ましい。
上記ポリアリレート樹脂(A)のインヘレント粘度は、0.3〜1.0dl/gの範囲であることが好ましく、0.35〜0.7dl/gであることがより好ましく、0.38〜0.6dl/gであることがさらに好ましく、0.40〜0.55dl/gであることが特に好ましい。
ポリアリレート樹脂(A)のインヘレント粘度が0.3dl/g未満であると、得られる樹脂組成物の分子量が低くなるため、機械的特性および耐熱性に劣る場合がある。逆に1.0dl/gを超えると、溶融粘度が高くなるため溶融加工時の変色や、流動性の低下が起こる場合がある。なお、本発明において、インヘレント粘度とは、1,1,2,2−テトラクロロエタン100mlに試料1.0gを溶解することにより温度25℃の溶液を調製し、該溶液を用いて測定された値である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂(B)とは、ビスフェノール類残基とカーボネート残基で構成された樹脂である。ポリカーボネート樹脂(B)は、上記のポリアリレート樹脂(A)と類似のビスフェノール類残基を有するため、ポリアリレート樹脂(A)と良好な相溶性を示す。さらに、ポリアリレート樹脂(A)に配合されると、ポリアリレート樹脂(A)の成形性、耐熱性および耐衝撃性を向上させるという利点がある。なお、本発明においては、ポリカーボネート樹脂(B)が含有されていなくても、所望の効果を達成することができる場合がある。
ビスフェノール類としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジチオジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。
ビスフェノール類としては、その他にも、米国特許第2,999,835号明細書、米国特許第3,028,365号明細書、米国特許第3,334,154号明細書、米国特許第4,131,575号明細に記載されているジフェノールなどが使用できる。これらは単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。
これらのビスフェノール類の中でも、コストパフォーマンスの観点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用することが好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを単独で使用することが最も好ましい。
カーボネート残基を導入するための成分としては、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
本発明において、ポリカーボネート樹脂(B)についての前述のインヘレント粘度は、0.3〜0.7dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.35〜0.65dl/gである。ポリカーボネート樹脂(B)のインヘレント粘度が0.3dl/g未満であると、得られる樹脂組成物の機械的特性および耐熱性に劣る場合がある。一方0.7dl/gを超えると、溶融粘度が高くなるため溶融加工時の変色や、流動性の低下が起こる場合がある。
本発明の樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂(B)が含有される場合の、ポリアリレート樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の含有比率は、得られる樹脂組成物の耐熱性および機械的特性の観点から、質量比で、下記条件(I)の関係を満足することが必要である。
(A)と(B)とからなる樹脂組成物において、(A)の質量比率が30質量%以上である。 (I)
さらに、ポリカーボネート樹脂(B)が含有される場合において、(A)/(B)は、質量比で、40/60〜90/10であることが好ましい。前記質量比においてポリアリレート樹脂(A)の比率が30質量%未満であると、十分な耐熱性や機械的特性が得られない場合がある。
本発明においては、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を用いることにより、ポリアリレート樹脂の良好な耐熱性や機械的特性を維持したまま、流動性を顕著に向上させる効果が発現する。つまり、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)は、流動性改質剤としての役割を担う。
さらに、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を用いると、成形体が肉薄化した際の流動長低下も少なく、吸水、あるいは成形時の滞留劣化等の使用上の不具合のない樹脂組成物が得られるという利点がある。加えて、得られる樹脂組成物の視認性が顕著に向上するという利点がある。
ここで、流動性改質剤であるメチルメタクリレート−スチレン共重合体を、ポリアリレート樹脂の流動性改質剤として用いた場合でも、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有する樹脂組成物と類似の効果が得られると考えられる。しかしながら、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を用いると、より流動性向上効果が高い樹脂組成物が得られる。加えて、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を用いた場合には、メチルメタクリレート−スチレン共重合体を用いた場合よりも、射出成形時におけるバリの抑制効果が高く、成形性の改善効果がさらに高められた樹脂組成物を得ることができるという効果が奏される。
本発明に用いられるアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)は、アクリロニトリル単位およびスチレン単位からなる共重合体である。アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)は公知の重合法で得ることができる。例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などにより得ることができる。
アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の重量平均分子量は、特に制限されないが、機械的特性と成形性のバランスの観点から、30000〜250000であることが好ましく、50000〜200000であることがより好ましい。
本発明に用いられるアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の示差走査熱量測定法(DSC法)で測定されるガラス転移温度は、得られる樹脂組成物の耐熱性と流動性とのバランスの観点から、75〜110℃であることが好ましく、80〜100℃であることがより好ましい。アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)のガラス転移温度が75℃未満であると、得られる樹脂組成物の耐熱性が低下する場合がある。一方、110℃を超えると樹脂組成物の流動性が低下することがある。
アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)のインヘレント粘度は、0.4〜1.0dl/gであることが好ましく、より好ましくは、0.45〜0.9dl/gであり、さらに好ましくは0.45〜0.8dl/gである。アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)のインヘレント粘度が0.4dl/g未満であると、得られる樹脂組成物において、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)とポリアリレート樹脂との溶融粘度差が大きくなりすぎるため、成形時の外観が悪化する場合がある。一方、1.0dl/gを超えると、得られる樹脂組成物を成形体としたときに、十分な流動性向上効果が得られない場合がある。
本発明に用いられるアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)は、市販品も好適に使用することができる。例えば、UMG ABS社製の「UMG AXSレジンシリーズ」(商品名)などを用いることができる。
上記アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の構造中におけるアクリロニトリルとスチレンの共重合比率は、モル比で、アクリロニトリル/スチレン=15/85〜35/65の範囲内であることが好ましく、18/82〜32/68の範囲内であることがより好ましく、20/80〜30/70の範囲内であることがさらに好ましい。アクリロニトリルのモル比が35質量%を超えると、得られる樹脂組成物において、十分な成形時の滞留安定性や成形性が得られない場合がある。一方、スチレンのモル比が85質量%を超えると、得られる樹脂組成物を成形体としたときに、高温熱処理時に剥離などの外観上の不具合が生じる場合がある。
本発明において、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)と、ポリアリレート樹脂(A)、及びポリカーボネート樹脂(B)との質量比率は、下記式(II)の関係にあることが必要である。
(C)/[(A)+(B)+(C)]=5/100〜30/100 (II)
上記式(II)は、ポリアリレート樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)とアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)との含有量全体を100質量部とした時の、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の含有割合を表している。
ただし、本発明においては、ポリカーボネート樹脂(B)を含まない場合もある。ポリカーボネート樹脂(B)を含まない場合において、ポリアリレート樹脂(A)とアクリロニトリル−スチレン共重合体(C)との質量比率は、下記式(III)の関係にあることが必要である。
(C)/[(A)+(C)]=5/100〜30/100 (III)
本発明においては、[(A)+(B)+(C)]を100質量部として、あるいは、[(A)+(C)]を100質量部として、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)が5〜30質量部であることが必要であり、6〜28質量部であることが好ましく、成形性の観点から、7.5〜25質量部であることがさらに好ましい。アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の含有割合が5質量部未満では、得られる樹脂組成物の、流動性改善効果にもとづく成形性の向上がほとんど見られない。また、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の含有量が多いほど、得られる樹脂組成物から成形体を製造する際に、成形体が肉薄化した際の流動長低下も少なくなる。しかしながら、含有量が30質量部を超えると、耐熱性や機械的特性が悪化する。
なお、[(A)+(B)+(C)]100質量部に対して、あるいは、[(A)+(C)]を100質量部に対して、25質量部以上のアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を用いる場合には、樹脂組成物の機械物性および耐熱性を損なわないために、ポリアリレート樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の配合比率が、質量比で(A)/(B)=30/70〜90/10であることが好ましく、30/70〜80/20であることがより好ましい。
25質量部以上のアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を用いる場合において、ポリアリレート樹脂(A)の比率が30質量%未満であると、十分な耐熱性を得られにくい傾向がある。一方、90質量%を超えると、十分な機械的特性を得ることが難しくなる傾向がある。
上記のような場合において、ポリアリレート樹脂(A)の比率が90質量%を超えると十分な機械的特性を得ることが難しくなる。その理由は明確ではないが、以下のようなものであると推察される。つまり、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を25質量部以上用いる場合は、特に、樹脂組成物の流動性が顕著に良くなる傾向にある。その反面、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)は、ポリアリレート樹脂(A)に比べ相対的に溶融粘度が低いため、樹脂組成物の溶融粘度は低下する方向であり、溶融混練時に十分に剪断力をかけて混合することが難しくなり、樹脂組成物の均一混合性が不十分となる。その結果、ポリアリレート樹脂およびポリカーボネート樹脂の良好な機械的特性が、得られる樹脂組成物に十分に反映されない可能性が考えられる。
なお、本発明においては、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)のインヘレント粘度、および樹脂組成物中におけるアクリロニトリル−スチレン共重合体(C)の含有量を、上記の範囲に同時に規定することにより、得られる樹脂組成物の溶融粘度特性を高めることができるという効果が奏される。つまり、両者を同時に規定することにより、樹脂組成物を溶融し流動させる時の流動性を向上させることができる。一方で、金型内で溶融した樹脂組成物が充填完了した際に、すばやく流動を停止させることができる。その結果、樹脂組成物を射出成形に付する際に金型隙間から樹脂組成物がはみ出すのを抑制することができ、バリの発生に伴う成形体の品質低下を防止することができる。
上記バリの発生を抑制することができる理由は明確ではないが、以下の現象に基づくものと推察される。すなわち、本発明の樹脂組成物は、溶融粘度特性として、特に、射出成形時の剪断速度に対する溶融樹脂の溶融粘度変化が、極めて応答性がよいという特性を有する。つまり、射出成形時の剪断速度に対する溶融樹脂の溶融粘度変化の反応性がよいという特性を有する。すなわち、本発明の樹脂組成物を射出した直後においては、溶融樹脂に与えられた剪断速度が速いため、応答良く溶融樹脂が流動する。一方、溶融樹脂の金型内への充填完了時には、溶融樹脂に与えられた剪断速度が遅いため、応答良く溶融樹脂の流動が停止する。その結果、金型隙間からの樹脂組成物のはみ出し(バリ)を効率よく抑制できる。
一般的に、成形体に発生するバリは、品位の低下のみならず、複数の成形体を組み立てる際の部品の嵌合を阻害するものである。そのため、必要に応じ、発生したバリを、ナイフを用いて切り落とす必要が生じる。しかしながら、本発明の樹脂組成物は、バリの発生そのものを効率よく抑制できるため、そのような工程の手間をかける必要がなく、ハンドリング性が向上する。なお、本発明における溶融粘度特性(射出成形時の剪断速度に対する溶融樹脂の溶融粘度変化の応答性)は、チクソトロピー性(攪拌時間に対して、経時的に粘度が変位する性質)とは異なるものであり、時間に依存せず溶融粘度特性が変化する現象である。
さらに、本発明の樹脂組成物は、上記のような溶融粘度特性を発現するものであるため、以下のモルフォロジーを有するものと推察する。すなわち、ポリアリレート樹脂(A)やポリカーボネート樹脂(B)が有する溶融粘度に比べ、本発明で用いるアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の溶融粘度は相対的に小さい。そのため、樹脂組成物とされた場合、該樹脂組成物中で、ポリアリレート樹脂(A)およびポリカーボネート樹脂(B)が島構造を形成し、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)成分が海島連続層または海成分となるネットワーク状の海島構造を形成する。その結果、金型と溶融樹脂との間のずり応力を、効率よく低減することができ、溶融粘度特性に優れたものとなる。
また、剪断力が与えられた場合、ポリアリレート樹脂(A)およびポリカーボネート樹脂(B)の溶融時の剪断速度に比べ、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の溶融時の剪断速度は、急激に変化し、その結果、流動性が向上する傾向がある。そのため、前記金型と溶融樹脂との間のずり応力低減の効果に加え、樹脂組成物の流動性向上効果を高めることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記のような溶融粘度特性を有するため、厚肉成形体を容易に成形できるばかりでなく、薄肉成形体においても流動性を確保することができる。しかもポリアリレート樹脂(A)およびポリカーボネート樹脂(B)の耐熱性を生かして、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)のガラス転移温度を超えるような高温金型成形が可能であるため、樹脂組成物中のアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の固化が遅く、ゲートシールはしにくい。その結果、保圧を十分に効かせてヒケを低減することができる。しかも、型転写を高めつつ、成形体に蒸着加工を施すことができる。
本発明の樹脂組成物は前述の通り、非常に高い流動性を示すものである。しかしながら、ポリアリレート樹脂(A)およびポリカーボネート樹脂(B)からなる樹脂組成物と、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)との溶融粘度の差が極端に大きいため、必要以上に流動性が高まることがある。このような流動性の極めて高い樹脂組成物を用いて射出成形を行う場合、得られる成形体のゲート付近に表面荒れが生じることがある。そのような表面荒れの解消方法としては、比較的低粘度なポリアリレート樹脂またはポリカーボネート樹脂を選択すること、比較的高粘度のアクリロニトリル−スチレン共重合体を選択すること、またはアクリロニトリル−スチレン共重合体の配合量を増やしすぎないようにすることなどの方法がある。
本発明の樹脂組成物は、さらに、導電性物質(導電性を有する物質)を含有するものであってもよい。導電性物質を含有することにより、流動性を確保しつつ、電磁波シールド性を付与することができるという効果が奏される。また、得られる樹脂組成物の強度を向上させることができる。電磁波シールド性が向上された樹脂組成物は、電気自動車や電気部品などを構成する成形体において好適に用いられる。
導電性物質としては、黒鉛粒子、カーボンブラック、炭素繊維、硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末などが挙げられる。なかでも、本発明の特徴である視認性を生かしながら、流動性を確保し、しかも電磁波シールド性を付与するためには、硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末を用いることが好ましい。硫酸バリウムは、屈折率が約1.64程度と低いものであり、樹脂組成物とした際の視認性を得やすい。一方、電磁波シールド性を付与する樹脂組成物成形体として視認性が要求されない用途においては、特に黒鉛粒子、カーボンブラック、炭素繊維を用いることもできる。黒鉛粒子、カーボンブラック、炭素繊維は樹脂組成物に含有する際、少量であっても樹脂組成物を黒色に着色してしまい視認性の確保は難しいが、樹脂組成物の流動性を損ねることがないため、流動性を確保しつつ、電磁波シールド性付与が可能となる。
黒鉛粒子は、特に制限されず、人造黒鉛でも天然黒鉛でもよい。具体的には、天然の鱗状黒鉛や球状黒鉛、塊状黒鉛、膨張黒鉛、キッシュ黒鉛などが挙げられる。中でも、強度、剛性、耐衝撃性が優れる点から、球状黒鉛が好ましい。黒鉛粒子は、一種単独で用いられてもよいし、二種以上を組み合わせて用いられてもよい。
球状黒鉛としては、市販品も好適に用いることができ、その具体例としては、日本黒鉛工業社製の球状化黒鉛などが挙げられる。本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、球状黒鉛、塊状黒鉛および鱗片状黒鉛を併用してもよい。
黒鉛粒子の平均粒子径(メジアン径)は、10〜200μmが好ましく、15〜100μmであることがより好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。黒鉛粒子の平均粒子径が10μm未満であると、電磁波シールド性に劣る場合がある。一方、平均粒子径が200μmを超えると、強度や耐衝撃性が劣る傾向があり、加えて、得られる成形体の外観を損なう場合もある。
導電性物質として黒鉛粒子を用いる場合、樹脂組成物における黒鉛粒子の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して、10〜80質量部であることが好ましく、15〜70質量部であることがより好ましく、20〜60質量部であることがさらに好ましい。10質量部未満であると、電磁波シールド性を付与することが難しくなる場合がある。一方、80質量部を超えると、混練が困難となり、黒鉛粒子を均一分散させた樹脂組成物を得ることが難しくなる場合がある。
炭素繊維は、特に制限されず、高強度、高導電率を有するポリアクリロニトリル系(PAN系)やピッチ系炭素繊維が挙げられる。中でも、得られる成形体の強度や剛性に対する補強効果が高い点で、PAN系が好適に用いられる。
炭素繊維の繊維長は、0.1〜7mmであることが好ましく、0.5〜6mmであることがより好ましい。繊維長が0.1mm未満であると、補強効果および電磁波シールド性の付与が十分でない場合がある。一方、7mmを超えると、得られる樹脂組成物を成形する際の成形性に悪影響を及ぼすことがある。
また、炭素繊維の繊維径は、5〜13μmであることが好ましく、6〜10μmであることがより好ましい。繊維径が5μm未満であると、成形体の強度が十分に向上しない場合がある。一方、13μmを超えると、補強効果および電磁波シールド性の付与が十分でない場合がある。
導電性物質として炭素繊維を用いる場合、樹脂組成物における炭素繊維の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましく、15〜45質量部であることがより好ましく、20〜40質量部であることがさらに好ましい。炭素繊維の含有量が10質量部未満であると、得られる成形体への強度、剛性、耐衝撃性および電磁波シールド性の付与が十分でない場合がある。一方、50質量部を超えると混練が困難となり、樹脂組成物が得られたとしても、成形体の強度が低下するばかりか、耐衝撃性、外観に劣る場合がある。
硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末はの平均粒子径は、0.01〜2.0μmであることが好ましく、0.1〜0.4μmであることがより好ましい。該粉末の平均粒子径が0.01〜2.0μmであることで、視認性確保をしやすくなる。さらに、該粉末において表面にコーティングされる酸化錫と酸化アンチモンの膜厚は、1〜30nmが好ましく、5.0〜12.0nmであることがより好ましい。
導電性物質として、硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末を用いる場合、樹脂組成物における、硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、10〜90質量部であることがより好ましく、20〜80質量部であることがさらに好ましい。硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末の含有量が5質量部未満であると、電磁波シールド性の付与が十分でない場合がある。一方、100質量部を超えると、視認性の確保が難しくなる場合がある。
本発明においては、導電性物質として、炭素繊維および黒鉛粒子を用いる場合、前述の炭素繊維の含有量および黒鉛粒子の含有量が、各々、上記範囲を満たすとともに、炭素繊維と黒鉛粒子の含有量の合計が、特定の範囲であることがより好ましい。すなわち、炭素繊維と黒鉛粒子の含有量の合計が、樹脂組成物100質量部に対して30〜100質量部であることが好ましく、35〜90質量部であることがより好ましく、40〜80質量部であることがさらに好ましい。炭素繊維と黒鉛粒子の合計量が30質量部未満であると、強度、剛性、耐衝撃性、電磁波シールド性の付与が十分でない場合がある、一方、100質量部を超えると、混練が困難となるため、炭素繊維と黒鉛粒子を均一分散させた樹脂組成物を容易に得ることができず、生産性に乏しくなる。
本発明の樹脂組成物は、導電性物質に加え、有機滑剤が含有されていてもよい。有機滑剤を含有することで、導電性物質を樹脂組成物に混合する場合において、樹脂組成物中への均一な分散を向上し、操業性を改善することができる。加えて、得られる樹脂組成物の流動性を損なうことなく、電磁波シールド性を付与することが可能となる。
有機滑剤としては、エチレンビスステアリルアミドなどの脂肪酸アミド、エルカ酸アミドなどのアルキレンビス脂肪酸アミドが挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、前記ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)、導電性物質、有機滑剤の他に、熱や光に対する安定性の観点から、例えばホスファイト系化合物、フェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ビンダードアミン系化合物、イオウ化合物あるいはこれらの混合物などが含有されていてもよい。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記以外の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、顔料、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、滑剤、有機系充填剤、無機系充填剤などが含有されていてもよい。
本発明において、ポリアリレート樹脂(A)およびアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を含有する樹脂組成物を得る方法、あるいは、ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)およびアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を含有する樹脂組成物を得る方法は特に限定されるものではなく、各成分が均一に分散されている状態になればよい。
具体的には、例えば、各々の成分をタンブラーやヘンシェルミキサーを用いて均一にドライブレンドした後、溶融混練押出して溶融混練物を得る。次いで、得られた溶融混練物を、冷却、カッティング、乾燥工程に付して、ペレット化するなどの方法が挙げられる。
溶融混練に際しては、単軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダー等の一般的な混練機を使用することが出来る。なかでも、分散性向上の観点から、二軸押出機を使用することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、任意の方法で各種の成形体に成形されることができる。その成形方法は特に制限されず、射出成型法、押出成形法、圧縮成形法、ブロー成型法などが適用できる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
以下に、実施例、比較例で実施した評価方法について述べる。
なお、本明細書において、「ベース樹脂組成物」とは、[(A)+(B)+(C)]からなる樹脂組成物において、(A)/(B)の含有比率が同一で、かつ(C)を含まない樹脂組成物を示す。なお、ベース樹脂組成物としては、(B)の含有量が0質量部の場合も含まれる。例えば、実施例1、2に対しては、比較例1、2が、それぞれベース樹脂組成物に該当する。
(1)インヘレント粘度(dl/g)
ISO1628−1に従って測定した。つまり、ウベローデ型粘度管を使用し、1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒とし、該溶媒100mlに対し試料1gを添加し(すなわち、濃度を1g/dlとし)、温度25℃において測定した。
(2)バーフロー流動長(mm)
実施例および比較例で得られたペレット状の樹脂組成物を、120℃にて12時間以上熱風乾燥した。その後、射出成型機(FANUC社製、商品名「S2000i−100B」)にて、シリンダ温度を320℃、金型温度を120℃に設定し、射出圧力120MPa、射出時間4秒、設定射出速度100mm/秒で成形した際の試験片の流動長を測定し、バーフロー流動長とした。これは、流動性の指標となるものである。金型としては、2mmの厚みの試験片での測定の場合、厚み2mmt、幅20mm、長さ980mmのバーフロー試験金型を用いた。また、1mmの厚みの試験片での測定の場合、厚み1mmt、幅20mm、長さ330mmのバーフロー試験金型を用いた。
(3)荷重たわみ温度(℃)
ISO75−1に従って、厚み4mmの試験片を用いて、荷重1.8MPaで荷重たわみ温度を測定した。また、荷重たわみ温度測定前には、成形体の内部歪を除く目的で、アニール処理を施した。アニール処理は、140℃にて、熱風乾燥機内にて3時間静置することによりおこなった。
本発明においては、荷重たわみ温度が150℃以上であり、かつ、ベース樹脂組成物の荷重たわみ温度との差が25℃以内であるものを実用に耐えうるものとした。
(4)曲げ弾性率(GPa)
ISO178に従って、厚み4mmの試験片を用い、曲げ試験を行って、曲げ弾性率を求めた。
(5)引張破断伸度(%)
ISO527−1に従って、厚み4mmの試験片を用い、引張試験を行って引張破断伸度を求めた。
本発明においては、引張破断伸度が10%以上であるものを実用に耐えうるものとした。
(6)シャルピー衝撃値(J/m)
ISO−179−1eAに従って、厚み4mmのノッチ付きの試験片を用いてシャルピー衝撃値を測定した。
本発明においては、シャルピー衝撃値が5kJ/m以上であることが好ましく、7kJ/m以上であることがより好ましく、10kJ/m以上であることがより好ましい。なお5kJ/m以上であれば実用に耐えうるものとした。
(7)全光線透過率(%)
射出成形機(東芝機械社製、「EC100N型」)を用い、厚さ2mmのプレート(成形体)を成形した。該プレートに対し、ISO13468−1に従って、濁度計(日本電色工業社製、「NDH2000型」)を用い、光源Dを65とし、視野角を2°とした条件下で、全光線透過率を測定した。
本発明においては全光線透過率が30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。なお、全光線透過率が30%以上であれば視認性を有すると判断した。
(8)吸水率(%)
厚みが3mmtであるプレートを試験片として使用し、ISO62に従って、23℃の水中にて、24時間経過後での吸水率を測定した。
(9)アニール時成形体外観評価
(7)で成形したプレート(成形体)を試験片として使用した。下記のそれぞれの温度に制御された熱風乾燥機中に成形体を2時間静置することによりアニール処理をおこない、処理後の成形体の外観を目視で確認した。アニール処理をおこなう温度は、130℃、140℃、150℃とした。成形体の歪み、亀裂、破断、剥離を生じたものを異常ありとし、以下の評価基準で判断した。
非常に良い:150℃で処理した場合に、成形体の歪み、亀裂、破断、剥離のいずれもが確認されなかった。
良い:150℃で処理した場合に、成形体の歪み、亀裂、破断、剥離の少なくともいずれか一つが確認されたが、140℃で処理した場合に、成形体の歪み、亀裂、破断、剥離のいずれもが確認されなかった。
普通:140℃試験で処理した場合に、成形体の歪み、亀裂、破断、剥離の少なくともいずれか一つが確認されたが、130℃処理した場合に、成形体の歪み、亀裂、破断、剥離のいずれもが確認されなかった。
悪い:130℃試験で処理した場合に、成形体の歪み、亀裂、破断、剥離の少なくともいずれか一つが確認された。
(10)バリ評価
実施例、比較例で得た樹脂組成物をプレート状の成形体とするに際し、成形体の表面に以下のような処理をおこなった。つまり、8000番の鏡面加工を施した厚み2mmのプレートを得るための金型を用い、ヒケが生じないよう十分に保圧をかけて成形体を得た。そして、得られた成形体の末端に生じるバリの大きさ(単位:μm)を、光学顕微鏡にて計測した。
本発明においては、バリ性能の評価は同等の流動性を有する例での比較が好ましい。つまり、バーフロー流動長の値が近似している実施例とベース樹脂組成物に相当する比較例とにおいて、バリの大きさを対比することにより、バリ性能評価をおこなった。
また、アクリロニトリル−スチレン共重合体の流動性向上効果が非常に高いため、本実施例中には、ベース樹脂組成物に相当する比較例中に同等の流動性を有する比較例がない場合が考えられる。その場合、ベース樹脂組成物に相当する比較例中最も流動性の良い例(比較例9)と比較し、比較例9よりもバリの長さが低減されていればバリの低減効果が十分あるものと判断した。本発明においては、例えば、バリの長さが150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
(11)蒸着適性評価
上記の(10)バリ評価方法に基づく方法にて得られたプレート状の成形体に対し、アルミニウムを蒸着した。得られたアルミニウム蒸着済みのプレートの表面を目視で確認し、ゲート付近に表面異常が生じているかどうかを確認した。評価は下記の基準で行った。
良い:良好な鏡面を有している。
普通:ゲート近辺にのみフローマークが生じるが、成形体の大部分では鏡面の異常がない。
悪い:ゲート付近にフローマークが生じており、加えて、成形体全体において、曇り、シルバーなどの何らかの鏡面異常が生じ、十分でない。
(12)滞留安定性試験
(12)−1. インヘレント粘度保持率(%)
まず、成形前のペレット状の樹脂組成物のインヘレント粘度を測定した。次いで、ペレット状の樹脂組成物を、120℃にて8時間以上熱風乾燥した。その後、射出成型機(FANUC製、商品名「S2000i−100B」)に厚み2mm、幅20mmのバーフロー試験金型を取り付けた。金型温度を110℃、シリンダ温度を340℃に設定し、上述のペレット状の樹脂組成物を用いて、射出圧力120MPa、射出時間4秒で、射出成形を実施した。成形は数ショット繰り返し、流動長が安定した段階における成形体を得た。次いで、得られた成形体のインヘレント粘度を測定した。下記式によりインヘレント粘度保持率を算出し、得られた値をもとに樹脂組成物の滞留安定性を評価した。
インヘレント粘度保持率(滞留安定性)=[(成形体のインヘレント粘度)/(成形前ペレットのインヘレント粘度)]×100
本発明においては、インヘレント粘度保持率(滞留安定性)は、得られる成形体の機械物性及び外観の観点から、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がより好ましい。
(12)−2. 成形時外観(シルバーの発生)
上述の(12)−1.に記載の手法にて成形体を得、該成形体の外観を目視で確認した。以下の基準で評価した。
良い:成形体表面にシルバーが発生しない。
悪い:成形体表面にシルバーが発生する。
(12)−3.成形時外観(黄色味)
上述の(12)−1.に記載の手法にて成形体を得、該成形体の外観を目視で確認した。以下の基準で評価した。
良い:成形を10ショット繰り返した場合であっても、成形体の色目が変化しない。
普通:成形を10ショット繰り返した場合に、成形体の色目が黄色味に変化し、やや着色する。
悪い:成形を10ショット繰り返した場合に、成形体の色目が著しく変化し、黄色味が増す。
(13)バーフロー流動長向上率(%)
上述の(2)に記載の測定方法に従ってバーフロー流動長を測定し、下記式によりバーフロー流動長向上度を算出した。これはアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を含有させることによるバーフロー流動長の変化度合いを示す値である。
バーフロー流動長向上率(%)={(得られる樹脂組成物のバーフロー流動長)/(ベース樹脂組成物のバーフロー流動長)}×100
本発明においては、厚み2mmtで測定した際のバーフロー向上度が200%以上であることが好ましく、230%以上であることがより好ましい。また厚み1mmtで測定した際のバーフロー流動長向上度が250%以上であることが好ましく、300%以上であることがより好ましい。本発明では2mmtで測定した際に200%以上、1mmtで測定した際に250%以上であるものを実用に耐えうるものとした。
(14)肉薄時バーフロー流動長保持率(%):上記(2)の測定方法に従って、バーフロー流動長を測定し、下記式により肉薄時バーフロー流動長低下度を算出した。これはアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を含有させることによる成形時の厚み依存性の
変化を示すものである。
肉薄時バーフロー流動長低下度(%)=[(1mmtバーフロー流動長)/(2mmtバーフロー流動長)]×100
肉薄時バーフロー流動長保持率は、数値が大きいほど好ましく、肉薄時の流動性低下が少ないことを示す。
(15)流動性改良化率
(14)の肉薄時バーフロー流動長保持率において、下記式により求められる値を流動性改良化率とした。
流動性改良化率(%)={(得られる樹脂組成物の肉薄時バーフロー流動長保持率}−{ベース樹脂組成物の肉薄時バーフロー流動長保持率)}×100
流動性改良化率は、数値が大きいほど流動性改質剤による、流動性改良効果が高いことを示し、5%以上であることが好ましく、8%以上であることがより好ましい。
(16)引張破断伸度保持率(%)
上述の(5)に記載の測定方法に従って引張破断伸度を測定し、下記式により引張破断伸度保持率を算出した。これはアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を含有させることによる引張破断伸度の変化度合いを示す値である。
引張破断伸度保持率(%)={(得られる樹脂組成物の引張破断伸度)/(ベース樹脂組成物の引張破断伸度)}×100
本発明においては、引張破断伸度保持率が50%以上であるものを実用に耐えうるものと判断した。65%以上保持することが好ましく、80%以上保持することがより好ましい。
(17)シャルピー衝撃値保持率(%)
上述の(6)に記載の測定方法に従ってシャルピー衝撃値を測定し、下記式によりシャルピー衝撃値保持率を算出した。これはアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)を含有させることによるシャルピー衝撃値の変化度合いを示す値である。
シャルピー衝撃値保持率(%)={(得られる樹脂組成物のシャルピー衝撃値)/(ベース樹脂組成物のシャルピー衝撃値)}×100
本発明においては、シャルピー衝撃値保持率が20%以上であるものを実用に耐えうるものと判断した。30%以上であることが好ましく、40%以上保持することがより好ましい。
(18)総合評価
耐熱性(荷重たわみ温度)、機械的特性(引張破断伸度またはシャルピー衝撃値)、光学特性(全光線透過率)、流動性改良化率がバランス良く優れているものを○、一つでも劣っている特性を有するものを×と判断した。
なお、本発明の樹脂組成物においては、引張破断伸度保持率、シャルピー衝撃値保持率のいずれもが優れていることは好ましいが、いずれか一方でも優れている場合であっても、機械的特性が優れていると判断した。
上述の評価方法(1)〜(18)は、本発明の樹脂組成物が課題とする視認性、流動性、および各種の機械的特性の向上に関する評価である。
(19)電磁波シールド性
日本国における一般社団法人KEC関西電子工業振興センターにより定められた、KEC法に従って、電磁破シールド性を評価した。すなわち、一般社団法人KEC関西電子工業振興センターにより開発された電磁波シールド効果測定装置を用い、試験片がシールド材として存在する場合の空間の電界強度、および試験片のない場合の空間の電界強度を測定した。その測定結果を用い、以下の式で電界シールド性を求めた。
(電界シールド性)(dB)=20log10(E/E
ここで、E、Eは、以下のものを示す。
(v/m):試験片が存在しない場合の空間の電界強度
(v/m):試験片が存在する場合の空間の電界強度
なお、試験片は幅150mm、長さ100mm、厚み2mmの成形体とした。
電界シールド性は得られた数値が大きいほど優れていることを示す。本発明において、電界シールド性は、周波数1GHzにおいて、25dB以上であることが好ましく、30dB以上がより好ましく、35dB以上が特に好ましい。25dB以上であると実用に耐えうる電磁波遮蔽効果を奏するものとする。
上述の評価方法(19)は、前記樹脂組成物に対し、添加剤として導電性物質を混合し、電磁波シールド性を付与した場合の評価である。
実施例、比較例で使用した原材料について、以下に述べる。
・ポリアリレート樹脂(A)
・(A−1)
ビスフェノールA、テレフタル酸、イソフタル酸からなり、インヘレント粘度が0.54dl/gのポリアリレート樹脂である。
・ポリカーボネート樹脂(B)
・(B−1)
住友ダウ社製 商品名「カリバー200−3」
インヘレント粘度が0.645dl/gのポリカーボネート樹脂である。
・(B−2)
住友ダウ社製 商品名「カリバー200−30」
インヘレント粘度が0.435dl/gのポリカーボネート樹脂である。
・アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)
・(C−1)
UMG ABS社製、商品名「UMG AXSレジン S202N」
アクリロニトリルとスチレンの共重合比率が、モル比で、アクリロニトリル/スチレン=27/73であり、インヘレント粘度が0.668dl/gであり、重量平均分子量が105,000のアクリロニトリル−スチレン共重合体である。
・(C−2)
UMG ABS社製、商品名「UMG AXSレジン S101N」
アクリロニトリルとスチレンの共重合比率が、モル比で、アクリロニトリル/スチレン=22/78であり、インヘレント粘度が0.454dl/gであり、重量平均分子量が60,000のアクリロニトリル−スチレン共重合体である。
・(C−3)
UMG ABS社製、商品名「UMG AXSレジン S402N」
アクリロニトリルとスチレンの共重合比率が、モル比で、アクリロニトリル/スチレン=40/60であり、インヘレント粘度が0.588dl/gであり、重量平均分子量が110,000のアクリロニトリル−スチレン共重合体である。
・(C−4)
UMG ABS社製、商品名「UMG AXSレジン S100N」
アクリロニトリルとスチレンの共重合比率が、モル比で、アクリロニトリル/スチレン=22/78であり、インヘレント粘度が0.763dl/gであり、重量平均分子量が140,000のアクリロニトリル−スチレン共重合体である。
・(C−5)
UMG ABS社製、商品名「UMG AXSレジン S103N」
アクリロニトリルとスチレンの共重合比率が、モル比で、アクリロニトリル/スチレン=20/80であり、インヘレント粘度が0.895dl/gであり、重量平均分子量が184,000のアクリロニトリル−スチレン共重合体である。
・アクリロニトリル−スチレン共重合体以外の流動性改質剤(D)
・(D−1)
ポリスチレン樹脂
東洋スチレン社製、商品名「トーヨースチロールGP G210C」
・(D−2)
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂
テクノポリマー社製、商品名「テクノABS 130」
・(D−3)
メチルメタクリレート−スチレン樹脂
電気化学工業社製、商品名「アクリスター KT−80」
メチルメタクリレートとスチレンの共重合比率が、モル比で、メチルメタクリレート/スチレン=90/10であるメチルメタクリレート−スチレン樹脂である。
・(D−4)
シクロオレフィン系樹脂
ポリプラスチックス社製、商品名「TOPAS 6015」
ガラス転移点が160℃であり、エチレンとノルボルネンからなり、構造中にノルボルネンが質量比で79%含まれるシクロオレフィン系樹脂である。
・(D−5)
ポリアミド6
相対粘度2.5、アミノ末端基濃度62mol/ton、融点220℃、重合時の末端封鎖剤が添加されていないポリアミド6である。
・(D−6)
ポリアミド66
ソルーシアジャパン社製、商品名「50BWFS」
相対粘度2.68、アミノ末端基濃度35mol/ton、融点260℃のポリアミド66である。
なお、本発明において、相対粘度は以下のようにして求めることができる。すなわち、溶媒としてフェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン=60/40(質量比)の混合液を用い、温度25℃、濃度1g/dlの条件で求めることができる。
さらに、本発明において、末端に存在するアミノ基の濃度は以下のようにして求めることができる。すなわち、試料をm−クレゾールに溶解し、p−トルエンスルホン酸で常法により滴定することにより求められる。
・流動性改質剤以外の添加剤
・(E−1)
球状黒鉛
日本黒鉛工業社製、商品名「CGB50」、平均粒径:50μmである球状黒鉛である。
・(E−2)
カーボンブラック
三菱化学社製、商品名「♯3050B」
・(E−3)
炭素繊維
東邦テナックス社製、商品名「HTA−C6−UAL1」
・(E−4)
三井金属鉱業社製、商品名「バストランTypeIV」、硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末である。
・(E−5)
ガラス繊維
日東紡社製、商品名「CSG3PA−830」
・(E−6)
フェノール系酸化防止剤
BASF社製、商品名「IRGANOX1010」
・(E−7)
離型剤
コグニスジャパン社製、商品名「VPG891」
実施例1
ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、アクリロニトリル樹脂(C)を、表1に記載された含有割合で、総仕込み量3kgとしてドライブレンドした。その後、ロスインウェイト式連続定量供給装置(クボタ社製、商品名「CE−W−1」)を用いて、ベント部を一か所有するスクリュー径26mmの二軸押出機(東芝機械社製、商品名「TEM26SS」)の主供給口に供給した。そして、押出機において、バレル温度を320℃、ベント減圧度を−0.099MPa(ゲージ圧)に設定し、吐出量20kg/h、スクリュー回転数300rpmで溶融混練した。次いで、ダイスからストランド状に引き取った樹脂組成物を温浴槽にて冷却固化し、ペレタイザでカッティングした。そして、120℃で熱風乾燥することによりペレット状の樹脂組成物を得た。なお、実施例1においては、ポリカーボネート樹脂(B)は含有されていない。
得られたペレット状の樹脂組成物を用い、上記した評価方法に基づいて、評価を実施した。評価結果を表1に記載した。
なお、すべての実施例および比較例10〜18において、バーフロー流動長向上率、流動性改良化率、引張破断伸度保持率、シャルピー衝撃値保持率などの算出時には、ベース樹脂として、比較例1〜8で得られた樹脂組成物(P−1)〜(P−8)の各特性の値を用いた。
Figure 2012214702
実施例2〜18
表1に示す組成とした他は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得、評価を実施した。評価結果を表1に示す。
比較例1〜18
表2に示す組成とした他は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得、評価を実施した。評価結果を表2に示す。
Figure 2012214702
実施例19〜22および比較例19〜22
ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、アクリロニトリル樹脂(C)、添加剤として球状黒鉛、カーボンブラック、硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末のいずれかを、表3に示す配合に従いドライブレンドした。その後、実施例1と同様の操作を行って溶融混練を行った。溶融混練の途中、サイドフィーダーにより、炭素繊維、ガラス繊維を供給し、表3に示す組成とした。得られたペレット状の樹脂組成物を用い、上記した評価方法に基づいて、評価を実施した。評価結果を表3に記載した。
Figure 2012214702
実施例1〜6、8、12、13、15、および17にて得られた樹脂組成物は、表1から明らかなように、耐熱性、機械物性、成形時の厚み依存性、成形時の滞留安定性、吸水特性に優れるものであった。加えて、視認性を有しており、バリの発生が低減されていた。さらに、バーフロー流動長および流動性改良化率のいずれにおいても優れており、つまり、成形性(流動性)に優れるものであった。
実施例7にて得られた樹脂組成物においては、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の配合量が、本発明の特に好ましい範囲から外れていた。そのため、流動性向上効果に改善の余地を残すものであったが、十分に実使用に耐えうるものであった。
実施例9、14にて得られた樹脂組成物においては、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の配合量が、本発明の特に好ましい範囲から外れていた。そのため、シャルピー衝撃値に改善の余地を残すものであったが、十分に実使用に耐えうるものであった。
実施例10、11にて得られた樹脂組成物においてはアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の配合量が、本発明の特に好ましい範囲から外れており、ポリカーボネート配合比も特に好ましい範囲から外れていた。そのため、シャルピー衝撃値、引張破断伸度保持率に改善の余地を残すものであったが、十分に実使用に耐えうるものであった。
実施例16にて得られた樹脂組成物においては、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)におけるアクリロニトリルとスチレンの共重合比率が、本発明の特に好ましい範囲から外れていた。そのため、滞留安定性に改善の余地を残すものであったが、十分に実使用に耐えうるものであった。
実施例18にて得られた樹脂組成物においては、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)のインヘレント粘度が、本発明の好ましい範囲から外れていた。そのため、流動性向上効果に改善の余地を残し、バリも比較的発生しやすいものであったが、十分実使用に耐えうるものであった。
実施例19〜22にて得られた樹脂組成物は、導電性物質を含有するものであった。そのため、流動性を確保しつつ、電磁波シールド性などの特性が向上された樹脂組成物を得ることができた。
中でも、実施例22にて得られた樹脂組成物は、導電性物質として、硫酸バリウムの表面に酸化錫と酸化アンチモンをコーティングした粉末を含有するものであったため、視認性をも有するものであった。
比較例1〜9にて得られた樹脂組成物においては、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)が配合されていなかった。そのため、バーフロー流動長が低い値となり、つまり成形性(流動性)に劣るものとなった。
比較例10にて得られた樹脂組成物においては、ポリアリレート樹脂(A)の配合量が過少であった。そのため、荷重たわみ温度が150℃未満となり、耐熱性に劣るものとなった。
比較例11にて得られた樹脂組成物においては、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の配合量が過少であった。そのため、バーフロー流動長向上率および流動性改良化率が低いものとなった。つまり、十分な成形性(流動性)が発現しないものとなった。
比較例12にて得られた樹脂組成物においては、アクリロニトリル-スチレン共重合体(C)の配合量が過多であった。そのため、成形性(流動性)、曲げ特性、外観には問題がないが、耐熱性に劣るものとなった。加えて、シャルピー衝撃値およびシャルピー衝撃値保持率が低い値となり、つまり機械的特性に劣るものとなった。またバリが比較的発生しやすいものであった。
比較例13にて得られた樹脂組成物においては、スチレンのみからなる流動性改質剤を用いた。そのため、アニール処理時に剥離が生じてしまい、実使用に適さないものであった。
比較例14にて得られた樹脂組成物においては、流動性改質剤として、ゴム成分であるブタジエンを含むアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂を用いた。そのため、インヘレント粘度保持率が低く、成形時の外観も悪化していた。つまり、滞留安定性が不十分なものであった。加えて、全光線透過率が低くなり、視認性においても劣っていた。
比較例15にて得られた樹脂組成物においては、流動性改質剤として、メチルメタクリレート-スチレン共重合体が用いられていた。そのため、全体的なバランスは優れているが、流動性の向上効果に劣るものであった。
比較例16にて得られた樹脂組成物においては、流動性改質剤としてシクロオレフィン系樹脂が用いられていた。そのため、全光線透過率が低下し、視認性に劣るものであった。加えて、バーフロー流動長(1mmt)および流動性改良化率が低い値となり、つまり成形性(流動性)が低下していた。さらに、引張破断伸度および引張破断伸度保持率が低い値となり、つまり機械的特性に劣るものであった。
比較例17および比較例18にて得られた樹脂組成物においては、流動性改質剤としてポリアミド樹脂が用いられていた。そのため全光線透過率が低下し、視認性に劣るものとなった。加えて、滞留安定性および成形時の外観変化に劣るものであった。
比較例19〜22にて得られた樹脂組成物においては、いずれも、流動改質剤としてのアクリロニトリル-スチレン共重合体(C)が用いられなかった。そのため、実施例19〜22に比べ成形性(流動性)に劣るものであった。加えて、電磁波シールド性においても、やや劣るものであった。

Claims (7)

  1. ポリアリレート樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有し、各成分の質量比率が下記の条件(I)および下記式(II)を同時に満足することを特徴とする樹脂組成物。
    (A)と(B)とからなる樹脂組成物において、(A)の質量比率が30質量%以上である。 (I)
    (C)/[(A)+(B)+(C)]=5/100〜30/100 (II)
  2. ポリアリレート樹脂(A)およびアクリロニトリル−スチレン共重合体(C)を含有し、各成分の質量比率が下記式(III)を満足することを特徴とする樹脂組成物。
    (C)/[(A)+(C)]=5/100〜30/100 (III)
  3. アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)の共重合比率が、モル比で、アクリロニトリル/スチレン=15/85〜35/65の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. ポリカーボネート樹脂(B)のインヘレント粘度が0.3〜0.7dl/gであることを特徴とする請求項1または3に記載の樹脂組成物。
  5. アクリロニトリル−スチレン共重合体(C)のインヘレント粘度が、0.4〜1.0dl/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. さらに、導電性物質を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする成形体。
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