JPH10204226A - 木粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
木粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物Info
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- JPH10204226A JPH10204226A JP597897A JP597897A JPH10204226A JP H10204226 A JPH10204226 A JP H10204226A JP 597897 A JP597897 A JP 597897A JP 597897 A JP597897 A JP 597897A JP H10204226 A JPH10204226 A JP H10204226A
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Abstract
有ポリオレフィン系樹脂組成物の提供。 【解決手段】 曲げ弾性率が2000〜10000kg
f/cm2のポリオレフィン系樹脂と、この樹脂100
重量部あたり平均粒径が200〜1000μmの木粉3
5〜250重量部含有する木粉含有ポリオレフィン系樹
脂組成物。
Description
リオレフィン系樹脂組成物に関する。中でも、建築物の
内装用の床材、壁材や家具の部材等に好適なポリオレフ
ィン系樹脂組成物及びこれに基づく成形品に関するもの
である。
の代替として用いられる合成樹脂としては、塩化ビニル
系樹脂が成形品の製造・加工が容易でかつ難燃性にも優
れ、また価格の面でも安価であるため広く用いられてい
る。しかし、上記の塩化ビニル系樹脂を用いた成形品
は、使用後の廃棄物を焼却処分するためには、耐酸性の
ある焼却炉を使用する等の処置が必要であり、分別や処
理に手間と費用とがかかるという問題があった。
ビニル系樹脂をポリオレフィン系樹脂に代替する、とい
う検討がなされているが、上記のような建材用や家具用
の部材としては、依然不十分な性能のものであった。例
えば、特開平6−322187号公報にはポリオレフィ
ン系樹脂としてポリプロピレンと高密度ポリエチレンと
の混合物を用い、これに特定量の木粉を混合して成形し
てなる木粉充填樹脂成形板が開示されている。しかしな
がら、ここで得られた成形板は、剛性は高いが、耐衝撃
性が著しく劣ることや、寸法安定性、接着性等の面で
も、決して満足できる性能のものとは言い難かった。
部材や家具用部材に用いられる物性・寸法安定性・接着
性に優れ、かつ使用後の廃棄物の処理が容易な木粉含有
ポリオレフィン系樹脂組成物、及びこれを用いた成形品
の提供。
性率が2000〜10000kgf/cm2のポリオレ
フィン系樹脂、及び該樹脂100重量部あたり、平均粒
径が200〜1000μmの木粉を35〜250重量部
含有する木粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物、特にポ
リオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である上記
の木粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物及びこれらの組
成物を0.5〜15mmの厚さのシート状に成形した木
粉含有樹脂成形品、に存する。
本発明の組成物に用いるポリオレフィン系樹脂は曲げ弾
性率が2000〜10000kgf/cm2のものであ
る。この曲げ弾性率は、JIS K−7203に従って
測定された値を用いるものとする。
では成形品の剛性が不十分で、特に建材用の部材用途で
は、使用に耐えない場合が多くなる。一方、曲げ弾性率
が10000kgf/cm2を超えて大きくなると、成
形品の衝撃強度が低下する傾向が顕著となり、好ましく
ない。曲げ弾性率は、3000〜8000kgf/cm
2の範囲にあるのがより好ましい。
リエチレン、ポリプロピレン等の単独重合体(ホモポリ
マー)や、エチレンやプロピレンを主成分とする共重合
体(コポリマー)、あるいは上記単独重合体と他の重合
体との混合物(ポリマーブレンド)等が例示できるが、
中でも、プロピレンを主体とする重合体であるポリプロ
ピレン系樹脂が好ましい。
リプロピレンの他に、プロピレンとエチレン又は他のα
−オレフィンとのランダム共重合体又はブロック共重合
体、あるいはポリオレフィン系の共重合体を幹ポリマー
としたプロピレンのグラフト重合体等が例示できる。こ
のプロピレンと共重合可能なα−オレフィンとしては、
炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン
等が挙げられ、その一種または二種以上の混合物が用い
られる。このα−オレフィンの混合割合はプロピレンに
対して5〜40重量%とするのが好ましい。
合体の幹ポリマー用のポリオレフィン系共重合体として
は、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブテンゴ
ム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等が例示でき
る。また、上記単独重合体と混合してポリマーブレンド
を与えることのできる重合体としては、例えば、スチレ
ン−ブタジエンゴム系やスチレン−イソプレンゴム系等
のスチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。この
スチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加されたもの
が好ましい。
系樹脂と該樹脂100重量部あたり35〜250重量部
の木粉とからなっている。木粉としては平均粒径が20
0〜1000μmのもの、好ましくは300〜800μ
mのものを使用する。木粉の平均粒径が1000μmを
越える場合には、押出成形時に木粉の摩擦抵抗による発
熱が大きくなり、木粉の分解によるガスの発生に伴う発
泡や、着色が起こったりするので好ましくない。また、
平均粒径が200μm未満の微細な木粉は、粉砕に手間
を要する上、組成物を製造する際の混合時に粉立ちが起
きやすくなり、周辺を汚染する恐れがあるのであまり好
ましくない。
測定した各分画毎の重量の積算値が全体の50%となる
点の粒径として表したものである。また、木粉としては
平均粒径が上記の特定の範囲内にあり、かつ全体の70
重量%以上、好ましくは80重量%以上の木粉が該範囲
内にあるものが好適である。
脂100重量部に対して35重量部未満では、成形品の
寸法安定性が低下し、また木質部との接着に水系接着剤
を用いた場合に、接着強度が不十分となりやすいので好
ましくない。一方、木粉の添加量が250重量部を超え
て多くなると、成形品の表面の平滑性が不足して外観の
良くないものとなったり、機械的強度が著しく低下する
ので好ましくない。
ィン系樹脂100重量部あたり、50〜200重量部で
ある。木粉中に含まれる水分は、木粉が著しく吸湿して
いない限り、特に問題とはならないが、例えば10重量
%を超えるような含水率のものでは、成形時の発泡が激
しくなり、成形上の問題が出やすくなる。このような場
合は、例えばオーブンやホッパードライヤー等により予
め水分を低くしてから使用したり、樹脂との混合に先立
って、使用する混合機内で木粉だけを加熱しながら攪拌
して乾燥処理をしてからポリオレフィン系樹脂を添加す
る、等の方法を用いればよい。
ましい。本発明に使用する木粉の原料となる木材の樹種
は特に限定されないが、マツ、モミ、ツガ等の針葉樹や
ポプラ等の広葉樹から選べばよい。これらの木粉は、鋸
屑(ソーダスト)としての切削粉等を、乾式又は湿式粉
砕または篩粉により平均粒径200〜1000μmの粉
末としたものを用いるのがよい。
成物には、上記の成分以外に本発明の目的を損なわない
範囲で、安定剤、無機フィラー、滑剤、界面活性剤、粘
着防止剤、顔料、抗菌剤等を添加してもよい。この木粉
含有樹脂組成物は、例えばポリオレフィン系共重合体の
ペレットと所定量の上記特定の木粉とをバンバリーミキ
サーで混練することにより得ることができる。
加熱ロールやカレンダーロールを用いてシート状に成形
することができる。あるいは、ホットカット装置を備え
た二軸押出混練機を用いて、上記樹脂と木粉とを混合・
ペレット化しTダイ付の押出成形機にて成形を行っても
よい。成形温度は150〜200℃の範囲が好ましく、
木粉の熱による着色を防ぐためには160〜180℃の
範囲であるのがより好ましい。
0.5〜15mmの範囲にあるのが好ましい。厚さが
0.5mm未満では、成形中のシート破断が起こりやす
く、一方15mmを超えるような厚さの場合は、成形速
度が低下し、シートの生産性が著しく低下したり、二次
加工の際の加工性も悪化する傾向となる。より好ましい
シートの厚みは1〜5mmである。
含有ポリオレフィン系樹脂成形品は、例えばそのままで
内装用の壁装材として使用しても、又は突き板や突き板
化粧合板等の木質系材料と接着剤層を介して積層した上
で使用してもよい。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例により限定されるものではない。 <ポリオレフィン系(共)重合体の曲げ弾性率の評価>
JIS K−7203に従って測定した。 <シートの評価> (1)成形性:試験用シートを下記実施例に示す通り、
押出機により作成した際に、成形のしやすさを評価し
た。評価基準は次の通り。
(厚さ2mm)を作成し、これをを23℃の恒温室中
で、厚さ15mmの合板を台にして、長さ50mm、胴
部直径2.75mmの釘をシートの中央部に打ち込んだ
時の、シートの割れの発生状況を目視にて評価した。評
価基準は以下の通り。
ことが出来た △・・・釘穴部分に割れを生じた。 ×・・・釘の打ち込み時にシートが割れた。 (3)接着強度: 2mmの厚さの合板に下記の組成の
接着剤を塗布し、シートを貼り合わせた後、温度120
℃、圧力5kgf/cm2にて1分間プレス機により積
層して試料を作成した。この試料を5cmに切り出し、
試料面及び合板面と引張試験用の治具とをエポキシ系接
着剤にて接着し、引張速度10mm/分にて接着強度を
測定した。
FY4)80重量部、スチレン系ブロック共重合体(日
本合成ゴム(株)製ダイナロン1320P)20重量
部、及び表に示す粒径・量の木粉を、バンバリー・ミキ
サーにて混練した上、ロールでシートを作成し、ペレタ
イザーでペレットを作成した。得られたペレットを、三
菱重工製65mmφTダイ成形機により、温度195
℃、シート厚み2mm、引き取り速度0.5m/分の条
件でシート化した。このシートについて、成形性、釘打
ちによる耐割れ性及び接着強度を測定した。
じ組成の樹脂混合物を同条件にてシート化し、用いた樹
脂の曲げ弾性率を測定した。結果を表にまとめて示す。 <実施例2>樹脂混合物の組成比を表に記す通りに変え
たこと以外は上記実施例1と同様にしてシートを作成
し、評価を行った。結果は表に示す。 <比較例1>ポリオレフィン系樹脂として、三菱化学
(株)製FY4を単独で用いたこと以外は実施例1と同
様にしてシートの作成、評価を行った。結果を表に示
す。 <比較例2、3>木粉の粒径(比較例2)又は使用量
(比較例3)を表に示す通りに変更したこと以外は実施
例1と同様にしてシートの作成・評価を行った。結果は
それぞれ表に示す。
フィン系樹脂に、特定の平均粒径の木粉を特定量含有す
る木粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物は、シート等へ
の成形性が良好で、かつ接着性及び耐衝撃強度に優れて
いる。また、廃棄物としての処理も容易であるので、内
装用の建材として特に好適である。
Claims (3)
- 【請求項1】 曲げ弾性率が2000〜10000kg
f/cm2のポリオレフィン系樹脂、及び該樹脂100
重量部あたり、平均粒径が200〜1000μmの木粉
を35〜250重量部含有する木粉含有ポリオレフィン
系樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン
系樹脂である請求項1に記載の木粉含有ポリオレフィン
系樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の組成物を0.5
〜15mmの厚さのシート状に成形した木粉含有樹脂成
形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00597897A JP3605977B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 木粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00597897A JP3605977B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 木粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10204226A true JPH10204226A (ja) | 1998-08-04 |
JP3605977B2 JP3605977B2 (ja) | 2004-12-22 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00597897A Expired - Fee Related JP3605977B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 木粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3605977B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007039544A (ja) * | 2005-08-03 | 2007-02-15 | Nagase & Co Ltd | 木質樹脂組成物およびその製造方法 |
JP2009113375A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Toshiba Corp | バイオプラスチック及びバイオプラスチック成形品 |
JP2013505150A (ja) * | 2009-09-24 | 2013-02-14 | エルジー・ハウシス・リミテッド | 収縮性を有する合成木材板材 |
-
1997
- 1997-01-17 JP JP00597897A patent/JP3605977B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009113375A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Toshiba Corp | バイオプラスチック及びバイオプラスチック成形品 |
JP2013505150A (ja) * | 2009-09-24 | 2013-02-14 | エルジー・ハウシス・リミテッド | 収縮性を有する合成木材板材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3605977B2 (ja) | 2004-12-22 |
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