JPWO2003070824A1 - 木質合成樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
(A)熱可塑性樹脂5〜95重量部、(C)植物性セルロース5〜95重量部、及び(A)+(C)100重量部に対して、粘度平均分子量が120万以上の(B)超高分子量ポリマー0.1〜10重量部からなり、かつ、(A)熱可塑性樹脂が(J)ポリオレフィン系樹脂組成物からなる木質合成樹脂組成物により、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性が天然木材と同等であり、強度・剛性に優れ、表面荒れが無く外観が良好な木質合成樹脂成形体を安定して成形することができる。
Description
技術分野
本発明は、木質合成樹脂組成物及び木質合成樹脂成形体に関する。
背景技術
従来から木粉含有合成樹脂成形体の開発は種々行われ、塩化ビニル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂と木粉からなる組成物から得た多くの成形体が知られている。ポリオレフィン系樹脂と木粉からなる組成物についても、例えば特開昭55−131031号公報、特開昭57−115437号公報、特開昭62−39642号公報、特開2000−316352号公報、特開昭57−185351号公報、特開平11−269316号公報、特開平11−43562号公報、特開平9−286880号公報、特開2000−38467号公報、特開2000−271909号公報、及び特開2002−11816号公報等に開示されている。
しかし、これらの開示技術では、樹脂組成物から成形体に押出成形加工する際の生産性、得られた成形体の材料強度、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性、および、成形品の表面外観を同時に満足させるものではなく、建築用部材、日曜大工部品、テラス、バルコニーなどの合成木材としての用途に広く展開されるには至っていない。
本発明は、上記従来の問題に鑑み、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性が天然木材と同等であり、強度・剛性に優れ、表面荒れが無く外観が良好であり、好ましくは更に耐水性に優れ、建築用部材、日曜大工部品、テラス、バルコニーなどの用途に好適な木質合成樹脂成形体を安定して成形することができる木質合成樹脂組成物及び、該木質合成樹脂組成物を成形してなる木質合成樹脂成形体を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明の木質合成樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂5〜95重量部、(C)植物性セルロース5〜95重量部、及び(A)+(C)100重量部に対して、粘度平均分子量が120万以上の(B)超高分子量ポリマー0.1〜10重量部からなり、かつ、(A)熱可塑性樹脂が(J)ポリオレフィン系樹脂組成物よりなることを特徴とする。
また、本発明の木質合成樹脂成形体は、上記木質合成樹脂組成物を成形加工してなることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明について具体的に説明する。
[木質合成樹脂組成物]
<(A)熱可塑性樹脂>
(A)熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、重量平均分子量5万〜50万のものが好ましい。なかでも、二次加工性の点で(J)ポリオレフィン系樹脂組成物が好ましく、(J)ポリオレフィン系樹脂組成物の中でも(D)ポリエチレン系樹脂、または(E)ポリオレフィン系樹脂と(F)スチレン系樹脂の混合物が好ましい。更には、二次加工性と強度・剛性のバランスの点で(E)ポリオレフィン系樹脂と(F)スチレン系樹脂の混合物の方がより好ましい。
(F)スチレン系樹脂との混合物として用いる(E)ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、(D)ポリエチレン系樹脂などが使用でき、ポリエチレン系樹脂が二次加工性の点で特に好ましい。
(D)ポリエチレン系樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、最近開発されている種々のメタロセン触媒などの新触媒を用いて重合したエチレン系重合体、及びそれらの混合物などが使用できる。これらのうちでも、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンは、比較的低温で押出加工できるため、木質合成樹脂組成物を成形加工する際に起こり得る植物性セルロースの分解を抑制できるため好ましく使用することができる。また、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンは二次加工性の点で好ましい。更に、高密度ポリエチレンは、成形加工して得られる木質合成樹脂成形体の剛性、耐磨耗性が優れる点で極めて好ましく使用できる。また、各種ポリエチレン系樹脂製品のリサイクルによって得られたポリエチレン系樹脂もコスト・性能バランスの良い材料として使用できる。
また、優れた機械的強度と良好な木質感を得るためには、(D)ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスが、好ましくは0.01〜5.0、最も好ましくは0.05〜3.0の範囲にあるのがよい。尚、この場合のメルトインデックスとは、ASTM D1238に規定されているものであり、その測定温度が190℃、荷重は2160gが時のものである。
メルトインデックスが前出の範囲より低い場合は成形性の点で、高い場合は機械的強度の点、及び成形時の形状安定性の点で劣る可能性がある。ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスを好ましい範囲にするために、分子量の異なるポリエチレン系樹脂をブレンドする方法も用いることができる。
本発明の(F)スチレン系樹脂とは、一般式(a)
(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級アルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数である。)で表される芳香族ビニル系単量体単位50重量%以上から構成される単独重合体または共重合可能な他のビニル系単量体またはゴム質重合体との共重合体である。
これら単独重合体の芳香族ビニル系単量体として、具体例には、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。また、芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル単量体としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類、無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、またゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあるいは部分水添共役ジエン系ゴムあるいは共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。
(F)スチレン系樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂などが使用でき、中でもポリスチレン系樹脂が強度・剛性の点で好ましい。
更に、ポリスチレン系樹脂は、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性を付与する上で有効な発泡成形に好適であり好ましく使用できる。
これらのポリスチレン系樹脂のなかでもスチレンを単独重合して得られるポリスチレン、及び、共役ジエンとスチレンの共重合体である耐衝撃性ポリスチレンは、比較的低温で押出加工できるため、木質合成樹脂組成物を成形加工する際に起こり得る植物性セルロースの分解を抑制できるため好ましく使用することができる。
更に、これらのうちでも、ポリスチレンが、剛性が高く更に好ましい。
また、各種ポリスチレン系樹脂製品のリサイクルによって得られたポリスチレン系樹脂もコスト・性能バランスの良い材料として使用できる。
本発明の(A)熱可塑性樹脂の含有量は、(A)熱可塑性樹脂と(C)植物性セルロースの合計(A)+(C)100重量部に対して、5〜95重量部、好ましくは10〜70重量部、更に好ましくは15〜50重量部である。熱可塑性樹脂が5重量部未満では、木質感が損なわれ、剛性が劣る、95重量部を超えると、加工性に問題が生ずる。
(A)熱可塑性樹脂が(E)ポリオレフィン系樹脂と(F)スチレン系樹脂の混合物である場合、その混合物は(E)ポリオレフィン系樹脂5〜99.9重量%と(E)スチレン系樹脂0.1〜95重量%の混合物であることが好ましく、(E)ポリオレフィン系樹脂5〜95重量%と(F)スチレン系樹脂5〜95重量%の混合物であることが、より好ましい。更に(E)ポリオレフィン系樹脂10〜90重量%と(F)スチレン系樹脂10〜90重量%であることが極めて好ましく、(E)ポリオレフィン系樹脂20〜40重量%と(F)スチレン系樹脂60〜80重量%であることが最も好ましい。
<(B)超高分子量ポリマー>
超高分子量ポリマーを添加すると押出成形加工時の生産性が向上するとともに、表面が平滑で外観のよい木質合成樹脂成形体が得られる。
超高分子量ポリマーは、粘度法で測定される粘度平均分子量が120万以上であり、好ましくは150万〜1500万、より好ましくは400万〜1000万の範囲にある。粘度平均分子量が低すぎる場合には押出成形加工時の生産性の向上効果が少なく、分子量が大きすぎる場合には押出成形加工時の分散性が悪く、外観に問題を生ずる可能性がある。
超高分子量ポリマーとしては、粘度平均分子量が120万以上のポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、メタクリル酸アルキル,アクリル酸アルキル共重合体、ポリ4フッ化エチレン等が挙げられ、本発明では、押出成形加工時の生産性と成形品外観の点で、超高分子量ポリエチレンが好ましく使用できる。
超高分子量ポリマーの含有量は、(A)熱可塑性樹脂と(C)植物性セルロースの合計(A)+(C)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、更には0.3〜8重量部が好ましい。最も好ましくは、0.5〜6重量部である。超高分子量ポリマーが0.1重量部未満では、成形体表面の平滑性がなくなり、かつ生産性が著しく劣り、10重量部を超えると、成形品の剛性、耐衝撃性に問題を生ずる可能性がある。
本発明において、(A)熱可塑性樹脂が、(E)ポリオレフィン系樹脂と(F)スチレン系樹脂の混合物の場合には、(B)超高分子量ポリマーと(F)スチレン系樹脂の重量比率(B)/(F)が0.001から0.8であることが極めて好ましい。更には、(B)/(F)が0.01から0.5であることが最も好ましい。
ただし、この場合、超高分子量ポリマーの含有量は、0.1〜10重量部の範囲にあることが前提となる。
<(C)植物性セルロース>
植物性セルロースとしてはいかなるものであってもよく、例えば木粉、パルプ、バカス、ケナフ、おが屑、木質繊維、籾殻、破砕チップ材、果実殻粉、古紙、竹の粉末、ビールの絞り粕、コーヒーの絞り粕等が挙げられ、これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることもできる。植物性セルロースは目的とする用途によって適宜選択することができるが、機械的強度及び二次加工性の点で木粉が好ましい。
植物性セルロースは、おが屑、廃木材等を必要であれば乾式又は湿式粉砕または篩い分けにより粒径が0.1mm〜10mmの粉粒としたものを用いるのが良い。植物性セルロースの粒径が上記範囲より小さい場合はその取扱いにおいて粉立ちなどが起き易く、また粉砕や篩い分けに手間がかかりコスト高になる可能性がある。また、粒径が上記範囲より大きい場合には、得られた成形体の機械的強度が不充分になる可能性がある。
植物性セルロースの形状は、粒子状だけでなく、扁平な形状、異型形状、及びそれらの混合物でも良い。
植物性セルロースは押出成形加工前に単独でまたは、本発明の他の組成物と混合した状態で、脱水・乾燥処理をすることが好ましい。
植物性セルロースを乾燥する手段として、ホッパードライヤー、パドルドライヤーなどの粉体用乾燥機を用いることができる。
また、他の組成物と混合した状態で乾燥する手段としては、ヘンシェルミキサー、シューラー、リボンブレンダー、パドルドライヤーなどを用いて、常圧、または、減圧の条件で乾燥することができる。
押し出し成形前に、植物性セルロースを他の組成物と混合して乾燥する場合、組成物の凝集を抑制することが好ましい。
植物性セルロースを乾燥する手段として、押出成形加工中に押出機のシリンダーベント口などから、常圧、または、減圧の条件で脱揮することにより、脱水・乾燥処理をすることが更に好ましい。
また、植物性セルロースとして活性植物性セルロースを用いると、成形体の耐水性を向上することができ、好ましい。
活性植物性セルロースとは、植物性セルロースと、後述する(G)変性剤を、加熱反応することにより得られる変性された植物性セルロースである。この時、植物性セルロースと反応する変性剤の量は、0.1重量%〜10重量%が好ましく、0.5重量%〜5重量%がより好ましい。変性剤が10重量%を越えると、未反応の変性剤が残存して押出成形中に揮発する可能性があり、重量%未満では、成形体の耐水性が不十分になる可能性がある。
活性植物性セルロースは、例えば、植物性セルロースと変性剤を、各種混合機中加熱混合することにより、高効率に反応させることにより製造することができる。各種混合機とは、一般の各種粉体混合機が使用可能であるが、特にヘンシェルミキサー、シューラー、リボンブレンダー、パドルドライヤー等の高効率混合機が好ましい。さらに、植物性セルロースと変性剤の接触効率を高めるために、変性剤を霧状で反応系に添加することが望ましいが、ガス状、液状、固体状態で添加させることも可能である。
反応の雰囲気は、常圧下、減圧下、加圧下のいずれの場合も可能であるが、液体状の水の不存在下で行うことが望ましく、反応中に発生する水分は、反応系外に除去するような条件(脱水条件)で行うことが好ましい。
植物性セルロースを前記の方法で乾燥した後に反応することが更に好ましい。
乾燥と反応を同一の混合機中で行うことが特に好ましい。 反応の反応温度域は、室温以上、植物性セルロースの分解温度以下の範囲であるが、通常、100〜200℃の範囲が好ましい。また、反応の反応時間域は、通常、1分〜2時間の範囲にあるが、5〜30分の範囲が一般的である。また、反応中に変性剤が重合することを避けるために、反応雰囲気を適当に選択するか、変性剤中に重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、t−ブチルカテコール等の一般的な重合禁止剤が使用可能であり、使用量は変性剤の重量に対して0〜1重量%、特に0.02〜0.5重量%の範囲が推奨される。
植物性セルロースの含有量は、(A)熱可塑性樹脂と(C)植物性セルロースの合計(A)+(C)100重量部に対して、5〜95重量部、好ましくは30〜90重量部、更に好ましくは、50〜85重量部である。植物性セルロースが5重量部未満では良好な木質感が得られず、95重量部を超えると成形性及び機械的強度が低下する。
<(G)変性剤>
本発明の(G)変性剤として、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、好ましくは炭素−炭素二重結合、及び、少なくとも1個の酸化アシル基、イミノ基、イミド基、またはグリシジル基、好ましくは、酸化アシル基、イミド基またはグリシジル基を有する少なくとも1種の官能化化合物を、好ましく用いることができる。
(G)変性剤としては、無水マレイン酸、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタアクリレートが好ましく、特に無水マレイン酸が好適である。
変性剤を用いると、成形体に耐水性を付与する点で好ましい。
(G)変性剤の含有量は、(C)植物性セルロース100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、更には0.3〜8重量部が好ましい。最も好ましくは0.5〜6重量部である。
変性剤が上記範囲より多いと、成形体の剛性が低下するとか、未反応の官能化化合物が加工中に揮発するなどの問題が起こる可能性があり、少ないと、耐水性が不充分となる可能性がある。
<(H)変性ポリオレフィン系樹脂>
本発明では、(G)変性剤の代替として(H)変性ポリオレフィン系樹脂を使用することができる。
(H)変性ポリオレフィン系樹脂は、少なくとも1種の、前出の(G)変性剤で変性されたポリオレフィン系樹脂である。
(G)変性剤を使用した場合と同様、用いると成形体に耐水性を付与する点で好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂の具体的な製法としては、少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、少なくとも1種の(G)変性剤0.1〜10重量部よりなる組成物を押出機などの加熱溶融混練機を用いて、約140℃〜約340℃の温度で加熱溶融混練して得ることができる。
変性ポリオレフィン系樹脂製法として、溶融混練を行うときに、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、ラジカル開始剤0.01〜2重量部を添加することが好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂の原料としてのポリオレフィン系樹脂は、例えば(A)熱可塑性樹脂で説明したのと同様のものを用いることができる。
変性オレフィン系樹脂の含有量は(C)植物性セルロース100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、更には0.3〜8重量部が好ましい。最も好ましくは、0.5〜6重量部である。
<(I)発泡剤>
発泡剤としては、分解温度が120℃〜180℃の発泡剤が気泡の均質性に優れ、かつ、押出成形時に於いて植物性セルロースの分解温度以下の温度範囲で発泡し、成形体の二次加工性、及び、物性が安定するため、好適に用いられる。
この様な発泡剤としては、分解により不活性ガスを発生する化合物、例えば熱分解型の有機系及び/又は無機系発泡剤が、生産性に優れるため、好適に用いられる。熱分解型有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミドなどのアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミドなどのヒドラジン誘導体等、主に窒素ガスを発生する発泡剤が、熱分解型無機系発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等、主に炭酸ガスを発生する発泡剤が、気泡の均質性と生産性のバランスに優れるため、好適に用いられ、単独または2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらのうちでも、重炭酸ナトリウムが、気泡の均質性、生産性のいずれにも優れ、特に好ましい。
更に、発泡剤として炭酸ガス、または、窒素ガスそのものを用いることが極めて好ましい。この場合、発泡剤は、押出成形中に押出機にサイドフィードして導入することが好ましい。
発泡剤の含有量は、前記木質合成樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。
発泡剤が0.1重量部未満では、発泡の効果が低く、二次加工性の点で劣り、10重量部を超えると、発泡倍率が高すぎ、機械的強度が低下すると共に二次加工性も劣る。
<その他の成分>
本発明の組成物には、充填材を添加してもよく、充填材としてはタルク、炭酸カルシウムなどの粒子状無機充填材、ガラス繊維などの無機繊維状充填材、ポリエステル繊維などの有機繊維状充填材などを用いることができる。充填材の配合により、植物性セルロースの分散性、成形体表面状態の変化などの効果も期待できる。しかし、充填材の配合量が多すぎると成形性及び機械的強度が低下して好ましくない。
更に、前記各成分の他に必要に応じて、着色剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤などの各種添加剤を加えることができる。
<組成物の調製>
組成物の調製は、まず前処理として、(A)〜(C)成分、好ましくは(G)または(H)成分を加え、及び他の必要な成分をヘンシェルミキサーなどを用いて加熱、混合して水分を除去する。特に水分量の多い(C)植物性セルロースを使用する場合、この前処理を実施することが好ましい。
続いて、好ましくは(I)成分を加えて、押出機、バンバリーミキサー、ロール、射出成形機、その他各種成形機を用いて固形化する方法で行うことができる。
尚、前出の前処理に於いて、ヘンシェルミキサーに入れた内容物が高粘度融体状態となるまで加熱すると、ヘンシェルミキサーがトルクオーバーを生じ、それ以上攪拌ができない状態となる場合がある。従ってヘンシェルミキサーの設定温度は、90℃以上、より好ましくは120℃以上であり、上限は170℃以下、より好ましくは140℃以下である。
[木質合成樹脂成形体]
本発明の木質合成樹脂成形体は、上記組成物を成形加工してなる。成形方法としては、押出成形、射出成形、プレス成形等の従来公知の各種成形方法を用いることができるが、押出成形が発泡倍率の精度の良いコントロールのために好ましい。また、粉末状で混合された本発明の組成物を直接押出成形することによって成形することもできる。金型としては特に限定されないが、断熱金型、好ましくはフッ素樹脂被覆金型を用いると、成形品の表面外観をより向上させることができ、好ましい。
本発明の木質合成樹脂成形体では、発泡倍率を1.0〜2.0の範囲、好ましくは1.1〜1.5の範囲にコントロールすることが好ましい。発泡倍率が低すぎると二次加工性の点で劣る可能性があり、発泡倍率が高すぎると機械的強度が低下すると共に二次加工性も劣る可能性がある。発泡倍率のコントロールは、添加する発泡剤の種類及び量、成形加工時の温度、金型、成形速度などにより可能であり、いずれの方法を用いても良い。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。尚、実施例中における「部」は、「重量部」を表す。
<原料>
実施例で用いた原料は以下の通りである。
尚、使用した高密度ポリエチレンのメルトインデックスは、ASTM D1238に基づき、測定温度が190℃、荷重が2160gにて測定された値である。
また、使用した超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量は、粘度法で測定された平均分子量である。具体的には、DIN 53 728 sheet4に従い、デカヒドロナフタレンを用いて粘度数を測定し、更に以下の等式を用いて計算された平均分子量である。
マーチンの等式
log η = log [η]+K・[η]・c
η : 粘度数
[η]: 極限粘度(dl/g)
K : 0.139(g)
c : 0.03(g/dl)
マーゴリースの等式
M = 5.37・104[η]1.49
M : 粘度平均分子量
(A)熱可塑性樹脂
高密度ポリエチレンa(HDPEa)
旭化成(株)製、サンテック(登録商標)HD B871
メルトインデックス:0.35g/10min.
高密度ポリエチレンb(HDPEb)
旭化成(株)製、サンテック(登録商標)HD J340
メルトインデックス:7.0g/10min.
ポリスチレン(PS)
エー・アンド・エム スチレン(株)製、680
ポリプロピレン(PP)
サンアロマー(株)製、サンアロマー(登録商標)PS201A
AS樹脂(AS)
旭化成(株)製、スタイラック(登録商標)AS 789A
ABS樹脂(ABS)
旭化成(株)製、スタイラック(登録商標)ABS 121耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)
エー・アンド・エム スチレン(株)製、H9152
(B)超高分子量ポリマー
超高分子量ポリエチレンa(UHMWPEa)
旭化成(株)製、サンファイン(登録商標)UH−950
粘度平均分子量: 450万
超高分子量ポリエチレンb(UHMWPEb)
TICONA GmbH 製、GUR(登録商標)4113
粘度平均分子量: 320万
超高分子量ポリエチレンc(UHMWPEc)
TICONA GmbH 製、GUR(登録商標)4150
粘度平均分子量: 730万
超高分子量ポリエチレンd(UHMWPEd)
TICONA GmbH 製、GHR(登録商標)8110
粘度平均分子量: 49万
(C)植物性セルロース
木粉a
J.RETTENMAIER & SOHNE GmbH & Co製、LIGNOCEL(登録商標) S 150TR
木粉b
J.RETTENMAIER & SOHNE GmbH & Co製、LIGNOCEL(登録商標) P SUPER
活性木粉
木粉a60kgと後述の変性剤c3kgをヘンシェルミキサーに入れて高速撹拌し、剪断発熱で内温を180℃まで上昇させて反応させた。その後、室温まで冷却し、活性木粉を得た。
(G)変性剤
変性剤a
三菱化学(株)製、無水マレイン酸
(H)変性ポリオレフィン樹脂
変性POa
UNIROYAL CHEMICAL社製、ポリボンド3200
変性POb
三洋化成工業(株)製、ユーメックス1010
(I)発泡剤
発泡剤a
炭酸水素ナトリウム系発泡剤、永和化成工業(株)製、セルボン(登録商標)SC−P
分解温度:150℃
発泡剤b
複合化学発泡剤、永和化成工業(株)製、エクセラー(登録商標)S#10
分解温度:165℃
発泡剤c
複合化学発泡剤、永和化成工業(株)製、発泡剤KS
分解温度:158℃
<評価方法>
また、実施例における評価方法は以下の通りである。
(1)曲げ弾性率
ISO178に準じて行った。
(2)Izod衝撃強さ
ASTM D256に準じ、ノッチ無し試験片で評価を行った。
(3)吸水率
曲げ試験弾性率測定に使用した試験片と同形状の試験片を、80℃のオーブンに24時間入れて乾燥させた後、重量を測定した(この値をXとする)。続いて、同試験片を80℃、95%RHの恒温恒湿槽に24時間入れ吸水させた後、重量を測定した(この値をYとする)。上記測定値を用いて下記を計算し、吸水率とした。
吸水率(%)=(Y−X)/X×100
(4)発泡倍率
曲げ試験弾性率測定に使用した試験片と同形状の試験片を利用し、ASTM D792に基づき比重(この値をZとする)を測定した。続いて押出し成形品を押出し方向で5cmの長さに切断し、その体積、及び重量を測定した(それらの値を、それぞれV、Wとする)。そして以下の式より導き出される値を、本実施例の発泡倍率とした。
(発泡倍率)=V×Z/W
(5)不良品(ササクレ)発生頻度(個/100m)
後述の実施例に記載する方法にて得られた樹脂ペレットに、必要に応じて(I)成分を混合し、押出し成形用原料とした。PCM65型二軸押出機(池貝鉄鋼社製)に38mm×89mmの断面形状を有する異形押出金型を取り付け、加工温度175℃にて、前出の押出し成形用原料を用い、押出成形した。そして押出し機の設定条件を変え、不良品発生頻度が低く安定し、かつ問題なく成形できる、最高の生産速度条件を探した。そしてその条件に於ける100m当たりのササクレの発生個数を、不良品発生頻度とした。
(6)最高生産速度(m/時)
前項記載の条件、即ち不良品発生頻度が低く安定し、かつ問題なく成形できる、最高の生産速度条件での生産速度を、最高生産速度とした。
(7)二次加工性
成形体の二次加工性を以下の基準で評価した。
○:ノコギリで簡単に切断可能、釘打ちで固定可能、ネジ止め問題なし。
×:ノコギリでの切断困難、釘打ち・ネジ止めで割れ発生。
<実施例1>
1)樹脂ペレット作成
前処理として、(A)成分として高密度ポリエチレンa(HDPEa)40部、(B)成分として超高分子量ポリエチレンa(UHMWPEa)5部、(C)成分として木粉a55部を、130℃に設定した500Lヘンシェルミキサー(三井鉱山製)へ投入し、攪拌しながら水分を除去した。
得られた混合粉末を175℃に設定された同方向回転二軸押出機(東芝機械社製、30mmφ、L/D=31.5)により溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレタイズした。
2)試験片作成と評価
得られた樹脂ペレットを射出成形(東芝機械社製、成形温度190℃、金型温度60℃)し、ASTM規格、及びISO規格準拠物性試験サンプルを作成した。
そして前述の曲げ弾性率、Izod衝撃強さ、吸水率をそれぞれ評価した。評価結果を表3に示す。
3)成形体作成
得られた樹脂ペレット100部と(I)成分として発泡剤a1部を混合して原料とし、前述の方法にて不良品(ササクレ)発生頻度、及び最高生産速度を評価した。尚、使用した異形押出し金型は、内面にフッ素樹脂コーティングを施した金型を使用した。その評価結果を、表3に示す。
<実施例2〜17、21、23〜26、比較例1〜4>
(A)〜(C)成分、及び(I)成分を表1、及び表2に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして射出成形による試験片、及び押出し成形による成形体を得、評価した。その評価結果を、表3に示す。
<実施例18〜20、22>
前処理工程にて(A)〜(C)成分に、(G)または(H)成分を加えた事以外、実施例1と同様に処理を行った。そして前処理以降の作業も実施例1と同様にして試験片及び成形体を得、評価を行った。
尚、使用した(A)〜(C)成分,(G)〜(I)成分の組成は、表1に示す通りである。
評価結果を表3に示す。
<実施例27>
成形体作成時にフッ素樹脂コーティングを施していない金型を用いた事以外、実施例20と同様にして射出成形による試験片、及び押出し成形による成形体を得、評価した。その評価結果を、表3に示す。
<比較例5>
押出し成形時に、フッ素樹脂コーティングを施していない金型を用いた事以外、比較例2と同様にして射出成形による試験片、及び押出し成形による成形体を得、評価した。その評価結果を、表3に示す。
<実施例28>
樹脂ペレット作成時に前処理を行わなかった事以外、実施例20と同様にして射出成形による試験片、及び押出し成形による成形体を得、評価した。その評価結果を、表3に示す。
産業上の利用可能性
以上説明のように、本発明の樹脂組成物は成形性に優れ、また、本発明の樹脂組成物を成形加工した成形体は、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性が天然木材と同等であり、強度・剛性に優れ、表面荒れが無く外観が良好であり、建築用部材、日曜大工部品、テラス、バルコニーなどの用途に好適に使用し得る。
また、(C)植物性セルロースが活性植物性セルロースである、或いは(G)変性剤を含有する本発明の樹脂組成物を成形加工した成形体は、更に耐水性に優れる。
更に、本発明の樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂、(C)植物性セルロースとして再生材料を用いることも可能であり、リサイクル性にも優れる。
本発明は、木質合成樹脂組成物及び木質合成樹脂成形体に関する。
背景技術
従来から木粉含有合成樹脂成形体の開発は種々行われ、塩化ビニル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂と木粉からなる組成物から得た多くの成形体が知られている。ポリオレフィン系樹脂と木粉からなる組成物についても、例えば特開昭55−131031号公報、特開昭57−115437号公報、特開昭62−39642号公報、特開2000−316352号公報、特開昭57−185351号公報、特開平11−269316号公報、特開平11−43562号公報、特開平9−286880号公報、特開2000−38467号公報、特開2000−271909号公報、及び特開2002−11816号公報等に開示されている。
しかし、これらの開示技術では、樹脂組成物から成形体に押出成形加工する際の生産性、得られた成形体の材料強度、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性、および、成形品の表面外観を同時に満足させるものではなく、建築用部材、日曜大工部品、テラス、バルコニーなどの合成木材としての用途に広く展開されるには至っていない。
本発明は、上記従来の問題に鑑み、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性が天然木材と同等であり、強度・剛性に優れ、表面荒れが無く外観が良好であり、好ましくは更に耐水性に優れ、建築用部材、日曜大工部品、テラス、バルコニーなどの用途に好適な木質合成樹脂成形体を安定して成形することができる木質合成樹脂組成物及び、該木質合成樹脂組成物を成形してなる木質合成樹脂成形体を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明の木質合成樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂5〜95重量部、(C)植物性セルロース5〜95重量部、及び(A)+(C)100重量部に対して、粘度平均分子量が120万以上の(B)超高分子量ポリマー0.1〜10重量部からなり、かつ、(A)熱可塑性樹脂が(J)ポリオレフィン系樹脂組成物よりなることを特徴とする。
また、本発明の木質合成樹脂成形体は、上記木質合成樹脂組成物を成形加工してなることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明について具体的に説明する。
[木質合成樹脂組成物]
<(A)熱可塑性樹脂>
(A)熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、重量平均分子量5万〜50万のものが好ましい。なかでも、二次加工性の点で(J)ポリオレフィン系樹脂組成物が好ましく、(J)ポリオレフィン系樹脂組成物の中でも(D)ポリエチレン系樹脂、または(E)ポリオレフィン系樹脂と(F)スチレン系樹脂の混合物が好ましい。更には、二次加工性と強度・剛性のバランスの点で(E)ポリオレフィン系樹脂と(F)スチレン系樹脂の混合物の方がより好ましい。
(F)スチレン系樹脂との混合物として用いる(E)ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、(D)ポリエチレン系樹脂などが使用でき、ポリエチレン系樹脂が二次加工性の点で特に好ましい。
(D)ポリエチレン系樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、最近開発されている種々のメタロセン触媒などの新触媒を用いて重合したエチレン系重合体、及びそれらの混合物などが使用できる。これらのうちでも、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンは、比較的低温で押出加工できるため、木質合成樹脂組成物を成形加工する際に起こり得る植物性セルロースの分解を抑制できるため好ましく使用することができる。また、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンは二次加工性の点で好ましい。更に、高密度ポリエチレンは、成形加工して得られる木質合成樹脂成形体の剛性、耐磨耗性が優れる点で極めて好ましく使用できる。また、各種ポリエチレン系樹脂製品のリサイクルによって得られたポリエチレン系樹脂もコスト・性能バランスの良い材料として使用できる。
また、優れた機械的強度と良好な木質感を得るためには、(D)ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスが、好ましくは0.01〜5.0、最も好ましくは0.05〜3.0の範囲にあるのがよい。尚、この場合のメルトインデックスとは、ASTM D1238に規定されているものであり、その測定温度が190℃、荷重は2160gが時のものである。
メルトインデックスが前出の範囲より低い場合は成形性の点で、高い場合は機械的強度の点、及び成形時の形状安定性の点で劣る可能性がある。ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスを好ましい範囲にするために、分子量の異なるポリエチレン系樹脂をブレンドする方法も用いることができる。
本発明の(F)スチレン系樹脂とは、一般式(a)
(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級アルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数である。)で表される芳香族ビニル系単量体単位50重量%以上から構成される単独重合体または共重合可能な他のビニル系単量体またはゴム質重合体との共重合体である。
これら単独重合体の芳香族ビニル系単量体として、具体例には、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。また、芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル単量体としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類、無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、またゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあるいは部分水添共役ジエン系ゴムあるいは共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。
(F)スチレン系樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂などが使用でき、中でもポリスチレン系樹脂が強度・剛性の点で好ましい。
更に、ポリスチレン系樹脂は、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性を付与する上で有効な発泡成形に好適であり好ましく使用できる。
これらのポリスチレン系樹脂のなかでもスチレンを単独重合して得られるポリスチレン、及び、共役ジエンとスチレンの共重合体である耐衝撃性ポリスチレンは、比較的低温で押出加工できるため、木質合成樹脂組成物を成形加工する際に起こり得る植物性セルロースの分解を抑制できるため好ましく使用することができる。
更に、これらのうちでも、ポリスチレンが、剛性が高く更に好ましい。
また、各種ポリスチレン系樹脂製品のリサイクルによって得られたポリスチレン系樹脂もコスト・性能バランスの良い材料として使用できる。
本発明の(A)熱可塑性樹脂の含有量は、(A)熱可塑性樹脂と(C)植物性セルロースの合計(A)+(C)100重量部に対して、5〜95重量部、好ましくは10〜70重量部、更に好ましくは15〜50重量部である。熱可塑性樹脂が5重量部未満では、木質感が損なわれ、剛性が劣る、95重量部を超えると、加工性に問題が生ずる。
(A)熱可塑性樹脂が(E)ポリオレフィン系樹脂と(F)スチレン系樹脂の混合物である場合、その混合物は(E)ポリオレフィン系樹脂5〜99.9重量%と(E)スチレン系樹脂0.1〜95重量%の混合物であることが好ましく、(E)ポリオレフィン系樹脂5〜95重量%と(F)スチレン系樹脂5〜95重量%の混合物であることが、より好ましい。更に(E)ポリオレフィン系樹脂10〜90重量%と(F)スチレン系樹脂10〜90重量%であることが極めて好ましく、(E)ポリオレフィン系樹脂20〜40重量%と(F)スチレン系樹脂60〜80重量%であることが最も好ましい。
<(B)超高分子量ポリマー>
超高分子量ポリマーを添加すると押出成形加工時の生産性が向上するとともに、表面が平滑で外観のよい木質合成樹脂成形体が得られる。
超高分子量ポリマーは、粘度法で測定される粘度平均分子量が120万以上であり、好ましくは150万〜1500万、より好ましくは400万〜1000万の範囲にある。粘度平均分子量が低すぎる場合には押出成形加工時の生産性の向上効果が少なく、分子量が大きすぎる場合には押出成形加工時の分散性が悪く、外観に問題を生ずる可能性がある。
超高分子量ポリマーとしては、粘度平均分子量が120万以上のポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、メタクリル酸アルキル,アクリル酸アルキル共重合体、ポリ4フッ化エチレン等が挙げられ、本発明では、押出成形加工時の生産性と成形品外観の点で、超高分子量ポリエチレンが好ましく使用できる。
超高分子量ポリマーの含有量は、(A)熱可塑性樹脂と(C)植物性セルロースの合計(A)+(C)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、更には0.3〜8重量部が好ましい。最も好ましくは、0.5〜6重量部である。超高分子量ポリマーが0.1重量部未満では、成形体表面の平滑性がなくなり、かつ生産性が著しく劣り、10重量部を超えると、成形品の剛性、耐衝撃性に問題を生ずる可能性がある。
本発明において、(A)熱可塑性樹脂が、(E)ポリオレフィン系樹脂と(F)スチレン系樹脂の混合物の場合には、(B)超高分子量ポリマーと(F)スチレン系樹脂の重量比率(B)/(F)が0.001から0.8であることが極めて好ましい。更には、(B)/(F)が0.01から0.5であることが最も好ましい。
ただし、この場合、超高分子量ポリマーの含有量は、0.1〜10重量部の範囲にあることが前提となる。
<(C)植物性セルロース>
植物性セルロースとしてはいかなるものであってもよく、例えば木粉、パルプ、バカス、ケナフ、おが屑、木質繊維、籾殻、破砕チップ材、果実殻粉、古紙、竹の粉末、ビールの絞り粕、コーヒーの絞り粕等が挙げられ、これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることもできる。植物性セルロースは目的とする用途によって適宜選択することができるが、機械的強度及び二次加工性の点で木粉が好ましい。
植物性セルロースは、おが屑、廃木材等を必要であれば乾式又は湿式粉砕または篩い分けにより粒径が0.1mm〜10mmの粉粒としたものを用いるのが良い。植物性セルロースの粒径が上記範囲より小さい場合はその取扱いにおいて粉立ちなどが起き易く、また粉砕や篩い分けに手間がかかりコスト高になる可能性がある。また、粒径が上記範囲より大きい場合には、得られた成形体の機械的強度が不充分になる可能性がある。
植物性セルロースの形状は、粒子状だけでなく、扁平な形状、異型形状、及びそれらの混合物でも良い。
植物性セルロースは押出成形加工前に単独でまたは、本発明の他の組成物と混合した状態で、脱水・乾燥処理をすることが好ましい。
植物性セルロースを乾燥する手段として、ホッパードライヤー、パドルドライヤーなどの粉体用乾燥機を用いることができる。
また、他の組成物と混合した状態で乾燥する手段としては、ヘンシェルミキサー、シューラー、リボンブレンダー、パドルドライヤーなどを用いて、常圧、または、減圧の条件で乾燥することができる。
押し出し成形前に、植物性セルロースを他の組成物と混合して乾燥する場合、組成物の凝集を抑制することが好ましい。
植物性セルロースを乾燥する手段として、押出成形加工中に押出機のシリンダーベント口などから、常圧、または、減圧の条件で脱揮することにより、脱水・乾燥処理をすることが更に好ましい。
また、植物性セルロースとして活性植物性セルロースを用いると、成形体の耐水性を向上することができ、好ましい。
活性植物性セルロースとは、植物性セルロースと、後述する(G)変性剤を、加熱反応することにより得られる変性された植物性セルロースである。この時、植物性セルロースと反応する変性剤の量は、0.1重量%〜10重量%が好ましく、0.5重量%〜5重量%がより好ましい。変性剤が10重量%を越えると、未反応の変性剤が残存して押出成形中に揮発する可能性があり、重量%未満では、成形体の耐水性が不十分になる可能性がある。
活性植物性セルロースは、例えば、植物性セルロースと変性剤を、各種混合機中加熱混合することにより、高効率に反応させることにより製造することができる。各種混合機とは、一般の各種粉体混合機が使用可能であるが、特にヘンシェルミキサー、シューラー、リボンブレンダー、パドルドライヤー等の高効率混合機が好ましい。さらに、植物性セルロースと変性剤の接触効率を高めるために、変性剤を霧状で反応系に添加することが望ましいが、ガス状、液状、固体状態で添加させることも可能である。
反応の雰囲気は、常圧下、減圧下、加圧下のいずれの場合も可能であるが、液体状の水の不存在下で行うことが望ましく、反応中に発生する水分は、反応系外に除去するような条件(脱水条件)で行うことが好ましい。
植物性セルロースを前記の方法で乾燥した後に反応することが更に好ましい。
乾燥と反応を同一の混合機中で行うことが特に好ましい。 反応の反応温度域は、室温以上、植物性セルロースの分解温度以下の範囲であるが、通常、100〜200℃の範囲が好ましい。また、反応の反応時間域は、通常、1分〜2時間の範囲にあるが、5〜30分の範囲が一般的である。また、反応中に変性剤が重合することを避けるために、反応雰囲気を適当に選択するか、変性剤中に重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、t−ブチルカテコール等の一般的な重合禁止剤が使用可能であり、使用量は変性剤の重量に対して0〜1重量%、特に0.02〜0.5重量%の範囲が推奨される。
植物性セルロースの含有量は、(A)熱可塑性樹脂と(C)植物性セルロースの合計(A)+(C)100重量部に対して、5〜95重量部、好ましくは30〜90重量部、更に好ましくは、50〜85重量部である。植物性セルロースが5重量部未満では良好な木質感が得られず、95重量部を超えると成形性及び機械的強度が低下する。
<(G)変性剤>
本発明の(G)変性剤として、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、好ましくは炭素−炭素二重結合、及び、少なくとも1個の酸化アシル基、イミノ基、イミド基、またはグリシジル基、好ましくは、酸化アシル基、イミド基またはグリシジル基を有する少なくとも1種の官能化化合物を、好ましく用いることができる。
(G)変性剤としては、無水マレイン酸、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタアクリレートが好ましく、特に無水マレイン酸が好適である。
変性剤を用いると、成形体に耐水性を付与する点で好ましい。
(G)変性剤の含有量は、(C)植物性セルロース100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、更には0.3〜8重量部が好ましい。最も好ましくは0.5〜6重量部である。
変性剤が上記範囲より多いと、成形体の剛性が低下するとか、未反応の官能化化合物が加工中に揮発するなどの問題が起こる可能性があり、少ないと、耐水性が不充分となる可能性がある。
<(H)変性ポリオレフィン系樹脂>
本発明では、(G)変性剤の代替として(H)変性ポリオレフィン系樹脂を使用することができる。
(H)変性ポリオレフィン系樹脂は、少なくとも1種の、前出の(G)変性剤で変性されたポリオレフィン系樹脂である。
(G)変性剤を使用した場合と同様、用いると成形体に耐水性を付与する点で好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂の具体的な製法としては、少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、少なくとも1種の(G)変性剤0.1〜10重量部よりなる組成物を押出機などの加熱溶融混練機を用いて、約140℃〜約340℃の温度で加熱溶融混練して得ることができる。
変性ポリオレフィン系樹脂製法として、溶融混練を行うときに、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、ラジカル開始剤0.01〜2重量部を添加することが好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂の原料としてのポリオレフィン系樹脂は、例えば(A)熱可塑性樹脂で説明したのと同様のものを用いることができる。
変性オレフィン系樹脂の含有量は(C)植物性セルロース100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、更には0.3〜8重量部が好ましい。最も好ましくは、0.5〜6重量部である。
<(I)発泡剤>
発泡剤としては、分解温度が120℃〜180℃の発泡剤が気泡の均質性に優れ、かつ、押出成形時に於いて植物性セルロースの分解温度以下の温度範囲で発泡し、成形体の二次加工性、及び、物性が安定するため、好適に用いられる。
この様な発泡剤としては、分解により不活性ガスを発生する化合物、例えば熱分解型の有機系及び/又は無機系発泡剤が、生産性に優れるため、好適に用いられる。熱分解型有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミドなどのアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミドなどのヒドラジン誘導体等、主に窒素ガスを発生する発泡剤が、熱分解型無機系発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等、主に炭酸ガスを発生する発泡剤が、気泡の均質性と生産性のバランスに優れるため、好適に用いられ、単独または2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらのうちでも、重炭酸ナトリウムが、気泡の均質性、生産性のいずれにも優れ、特に好ましい。
更に、発泡剤として炭酸ガス、または、窒素ガスそのものを用いることが極めて好ましい。この場合、発泡剤は、押出成形中に押出機にサイドフィードして導入することが好ましい。
発泡剤の含有量は、前記木質合成樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。
発泡剤が0.1重量部未満では、発泡の効果が低く、二次加工性の点で劣り、10重量部を超えると、発泡倍率が高すぎ、機械的強度が低下すると共に二次加工性も劣る。
<その他の成分>
本発明の組成物には、充填材を添加してもよく、充填材としてはタルク、炭酸カルシウムなどの粒子状無機充填材、ガラス繊維などの無機繊維状充填材、ポリエステル繊維などの有機繊維状充填材などを用いることができる。充填材の配合により、植物性セルロースの分散性、成形体表面状態の変化などの効果も期待できる。しかし、充填材の配合量が多すぎると成形性及び機械的強度が低下して好ましくない。
更に、前記各成分の他に必要に応じて、着色剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤などの各種添加剤を加えることができる。
<組成物の調製>
組成物の調製は、まず前処理として、(A)〜(C)成分、好ましくは(G)または(H)成分を加え、及び他の必要な成分をヘンシェルミキサーなどを用いて加熱、混合して水分を除去する。特に水分量の多い(C)植物性セルロースを使用する場合、この前処理を実施することが好ましい。
続いて、好ましくは(I)成分を加えて、押出機、バンバリーミキサー、ロール、射出成形機、その他各種成形機を用いて固形化する方法で行うことができる。
尚、前出の前処理に於いて、ヘンシェルミキサーに入れた内容物が高粘度融体状態となるまで加熱すると、ヘンシェルミキサーがトルクオーバーを生じ、それ以上攪拌ができない状態となる場合がある。従ってヘンシェルミキサーの設定温度は、90℃以上、より好ましくは120℃以上であり、上限は170℃以下、より好ましくは140℃以下である。
[木質合成樹脂成形体]
本発明の木質合成樹脂成形体は、上記組成物を成形加工してなる。成形方法としては、押出成形、射出成形、プレス成形等の従来公知の各種成形方法を用いることができるが、押出成形が発泡倍率の精度の良いコントロールのために好ましい。また、粉末状で混合された本発明の組成物を直接押出成形することによって成形することもできる。金型としては特に限定されないが、断熱金型、好ましくはフッ素樹脂被覆金型を用いると、成形品の表面外観をより向上させることができ、好ましい。
本発明の木質合成樹脂成形体では、発泡倍率を1.0〜2.0の範囲、好ましくは1.1〜1.5の範囲にコントロールすることが好ましい。発泡倍率が低すぎると二次加工性の点で劣る可能性があり、発泡倍率が高すぎると機械的強度が低下すると共に二次加工性も劣る可能性がある。発泡倍率のコントロールは、添加する発泡剤の種類及び量、成形加工時の温度、金型、成形速度などにより可能であり、いずれの方法を用いても良い。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。尚、実施例中における「部」は、「重量部」を表す。
<原料>
実施例で用いた原料は以下の通りである。
尚、使用した高密度ポリエチレンのメルトインデックスは、ASTM D1238に基づき、測定温度が190℃、荷重が2160gにて測定された値である。
また、使用した超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量は、粘度法で測定された平均分子量である。具体的には、DIN 53 728 sheet4に従い、デカヒドロナフタレンを用いて粘度数を測定し、更に以下の等式を用いて計算された平均分子量である。
マーチンの等式
log η = log [η]+K・[η]・c
η : 粘度数
[η]: 極限粘度(dl/g)
K : 0.139(g)
c : 0.03(g/dl)
マーゴリースの等式
M = 5.37・104[η]1.49
M : 粘度平均分子量
(A)熱可塑性樹脂
高密度ポリエチレンa(HDPEa)
旭化成(株)製、サンテック(登録商標)HD B871
メルトインデックス:0.35g/10min.
高密度ポリエチレンb(HDPEb)
旭化成(株)製、サンテック(登録商標)HD J340
メルトインデックス:7.0g/10min.
ポリスチレン(PS)
エー・アンド・エム スチレン(株)製、680
ポリプロピレン(PP)
サンアロマー(株)製、サンアロマー(登録商標)PS201A
AS樹脂(AS)
旭化成(株)製、スタイラック(登録商標)AS 789A
ABS樹脂(ABS)
旭化成(株)製、スタイラック(登録商標)ABS 121耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)
エー・アンド・エム スチレン(株)製、H9152
(B)超高分子量ポリマー
超高分子量ポリエチレンa(UHMWPEa)
旭化成(株)製、サンファイン(登録商標)UH−950
粘度平均分子量: 450万
超高分子量ポリエチレンb(UHMWPEb)
TICONA GmbH 製、GUR(登録商標)4113
粘度平均分子量: 320万
超高分子量ポリエチレンc(UHMWPEc)
TICONA GmbH 製、GUR(登録商標)4150
粘度平均分子量: 730万
超高分子量ポリエチレンd(UHMWPEd)
TICONA GmbH 製、GHR(登録商標)8110
粘度平均分子量: 49万
(C)植物性セルロース
木粉a
J.RETTENMAIER & SOHNE GmbH & Co製、LIGNOCEL(登録商標) S 150TR
木粉b
J.RETTENMAIER & SOHNE GmbH & Co製、LIGNOCEL(登録商標) P SUPER
活性木粉
木粉a60kgと後述の変性剤c3kgをヘンシェルミキサーに入れて高速撹拌し、剪断発熱で内温を180℃まで上昇させて反応させた。その後、室温まで冷却し、活性木粉を得た。
(G)変性剤
変性剤a
三菱化学(株)製、無水マレイン酸
(H)変性ポリオレフィン樹脂
変性POa
UNIROYAL CHEMICAL社製、ポリボンド3200
変性POb
三洋化成工業(株)製、ユーメックス1010
(I)発泡剤
発泡剤a
炭酸水素ナトリウム系発泡剤、永和化成工業(株)製、セルボン(登録商標)SC−P
分解温度:150℃
発泡剤b
複合化学発泡剤、永和化成工業(株)製、エクセラー(登録商標)S#10
分解温度:165℃
発泡剤c
複合化学発泡剤、永和化成工業(株)製、発泡剤KS
分解温度:158℃
<評価方法>
また、実施例における評価方法は以下の通りである。
(1)曲げ弾性率
ISO178に準じて行った。
(2)Izod衝撃強さ
ASTM D256に準じ、ノッチ無し試験片で評価を行った。
(3)吸水率
曲げ試験弾性率測定に使用した試験片と同形状の試験片を、80℃のオーブンに24時間入れて乾燥させた後、重量を測定した(この値をXとする)。続いて、同試験片を80℃、95%RHの恒温恒湿槽に24時間入れ吸水させた後、重量を測定した(この値をYとする)。上記測定値を用いて下記を計算し、吸水率とした。
吸水率(%)=(Y−X)/X×100
(4)発泡倍率
曲げ試験弾性率測定に使用した試験片と同形状の試験片を利用し、ASTM D792に基づき比重(この値をZとする)を測定した。続いて押出し成形品を押出し方向で5cmの長さに切断し、その体積、及び重量を測定した(それらの値を、それぞれV、Wとする)。そして以下の式より導き出される値を、本実施例の発泡倍率とした。
(発泡倍率)=V×Z/W
(5)不良品(ササクレ)発生頻度(個/100m)
後述の実施例に記載する方法にて得られた樹脂ペレットに、必要に応じて(I)成分を混合し、押出し成形用原料とした。PCM65型二軸押出機(池貝鉄鋼社製)に38mm×89mmの断面形状を有する異形押出金型を取り付け、加工温度175℃にて、前出の押出し成形用原料を用い、押出成形した。そして押出し機の設定条件を変え、不良品発生頻度が低く安定し、かつ問題なく成形できる、最高の生産速度条件を探した。そしてその条件に於ける100m当たりのササクレの発生個数を、不良品発生頻度とした。
(6)最高生産速度(m/時)
前項記載の条件、即ち不良品発生頻度が低く安定し、かつ問題なく成形できる、最高の生産速度条件での生産速度を、最高生産速度とした。
(7)二次加工性
成形体の二次加工性を以下の基準で評価した。
○:ノコギリで簡単に切断可能、釘打ちで固定可能、ネジ止め問題なし。
×:ノコギリでの切断困難、釘打ち・ネジ止めで割れ発生。
<実施例1>
1)樹脂ペレット作成
前処理として、(A)成分として高密度ポリエチレンa(HDPEa)40部、(B)成分として超高分子量ポリエチレンa(UHMWPEa)5部、(C)成分として木粉a55部を、130℃に設定した500Lヘンシェルミキサー(三井鉱山製)へ投入し、攪拌しながら水分を除去した。
得られた混合粉末を175℃に設定された同方向回転二軸押出機(東芝機械社製、30mmφ、L/D=31.5)により溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレタイズした。
2)試験片作成と評価
得られた樹脂ペレットを射出成形(東芝機械社製、成形温度190℃、金型温度60℃)し、ASTM規格、及びISO規格準拠物性試験サンプルを作成した。
そして前述の曲げ弾性率、Izod衝撃強さ、吸水率をそれぞれ評価した。評価結果を表3に示す。
3)成形体作成
得られた樹脂ペレット100部と(I)成分として発泡剤a1部を混合して原料とし、前述の方法にて不良品(ササクレ)発生頻度、及び最高生産速度を評価した。尚、使用した異形押出し金型は、内面にフッ素樹脂コーティングを施した金型を使用した。その評価結果を、表3に示す。
<実施例2〜17、21、23〜26、比較例1〜4>
(A)〜(C)成分、及び(I)成分を表1、及び表2に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして射出成形による試験片、及び押出し成形による成形体を得、評価した。その評価結果を、表3に示す。
<実施例18〜20、22>
前処理工程にて(A)〜(C)成分に、(G)または(H)成分を加えた事以外、実施例1と同様に処理を行った。そして前処理以降の作業も実施例1と同様にして試験片及び成形体を得、評価を行った。
尚、使用した(A)〜(C)成分,(G)〜(I)成分の組成は、表1に示す通りである。
評価結果を表3に示す。
<実施例27>
成形体作成時にフッ素樹脂コーティングを施していない金型を用いた事以外、実施例20と同様にして射出成形による試験片、及び押出し成形による成形体を得、評価した。その評価結果を、表3に示す。
<比較例5>
押出し成形時に、フッ素樹脂コーティングを施していない金型を用いた事以外、比較例2と同様にして射出成形による試験片、及び押出し成形による成形体を得、評価した。その評価結果を、表3に示す。
<実施例28>
樹脂ペレット作成時に前処理を行わなかった事以外、実施例20と同様にして射出成形による試験片、及び押出し成形による成形体を得、評価した。その評価結果を、表3に示す。
産業上の利用可能性
以上説明のように、本発明の樹脂組成物は成形性に優れ、また、本発明の樹脂組成物を成形加工した成形体は、釘打ち・鋸引き・ネジ止めなどの二次加工性が天然木材と同等であり、強度・剛性に優れ、表面荒れが無く外観が良好であり、建築用部材、日曜大工部品、テラス、バルコニーなどの用途に好適に使用し得る。
また、(C)植物性セルロースが活性植物性セルロースである、或いは(G)変性剤を含有する本発明の樹脂組成物を成形加工した成形体は、更に耐水性に優れる。
更に、本発明の樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂、(C)植物性セルロースとして再生材料を用いることも可能であり、リサイクル性にも優れる。
Claims (20)
- (A)熱可塑性樹脂5〜95重量部、(C)植物性セルロース5〜95重量部、及び(A)+(C)100重量部に対して、粘度平均分子量が120万以上の(B)超高分子量ポリマー0.1〜10重量部からなり、かつ、(A)熱可塑性樹脂が(J)ポリオレフィン系樹脂組成物よりなることを特徴とする木質合成樹脂組成物。
- 前記(J)ポリオレフィン系樹脂組成物が、(D)ポリエチレン系樹脂よりなることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記(J)ポリオレフィン系樹脂組成物が、(E)ポリオレフィン系樹脂5〜99.9重量%と(F)スチレン系樹脂0.1〜95重量%の混合物よりなることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記(J)ポリオレフィン系樹脂組成物が、(E)ポリオレフィン系樹脂5〜95重量%と(F)スチレン系樹脂5〜95重量%の混合物であり、かつ、(B)超高分子量ポリマーと(F)スチレン系樹脂の重量比率(B)/(F)が0.001から0.8であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記(E)ポリオレフィン系樹脂が、(D)ポリエチレン系樹脂であることを特徴とする請求の範囲第3項、または第4項のいずれかに記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記(D)ポリエチレン系樹脂が、高密度ポリエチレンであることを特徴とする請求の範囲第2項または第5項のいずれかに記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記(F)スチレン系樹脂がポリスチレン系樹脂であることを特徴とする請求の範囲第3項〜第6項のいずれかに記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記(B)超高分子量ポリマーが、超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の木質合成樹脂組成物。
- 更に、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び少なくとも1個の酸化アシル基、イミノ基、イミド基、またはグリシジル基を有する少なくとも1種の(G)変性剤で変性された(H)変性ポリオレフィン系樹脂を、(C)植物性セルロース100重量部に対して0.1〜10重量部含有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記(C)植物性セルロースが、植物性セルロース100重量部と、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び少なくとも1個の酸化アシル基、イミノ基、イミド基、またはグリシジル基を有する少なくとも1種の(G)変性剤及び/または少なくとも1種の前記(G)変性剤で変性された(H)変性ポリオレフィン樹脂の少なくとも1種0.1〜10重量部とをあらかじめ加熱反応させることにより得られる活性植物性セルロースであることを特徴とする請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の木質合成樹脂組成物。
- 更に、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び少なくとも1個の酸化アシル基、イミノ基、イミド基、またはグリシジル基を有する少なくとも1種の(G)変性剤を(C)植物性セルロース100重量部に対して0.1〜10重量部含有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記(G)変性剤が、無水マレイン酸、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタアクリレートであることを特徴とする請求の範囲第9項、第10項または第11項に記載の木質合成樹脂組成物。
- 前記請求の範囲第1項〜第12項記載の木質合成樹脂組成物および、木質合成樹脂組成物100重量部に対して(I)発泡剤0.1〜10重量部よりなる組成物を押出成形することを特徴とする木質合成樹脂発泡成形法。
- 前記(I)発泡剤が、分解温度120℃〜180℃の発泡剤であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の木質合成樹脂発泡成形法。
- 前記(I)発泡剤が、分解により不活性ガスを発生する化合物であることを特徴とする請求の範囲第13項または第14項のいずれかに記載の木質合成樹脂発泡成形法。
- 前記(I)発泡剤が、重炭酸ナトリウムであることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の木質合成樹脂発泡成形法。
- 前記(I)発泡剤が、窒素または二酸化炭素であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の木質合成樹脂発泡成形法。
- 断熱金型を用いて成形加工してなることを特徴とする請求の範囲第13項〜第17項のいずれかに記載の木質合成樹脂発泡成形法。
- 前記断熱金型が、フッ素樹脂被覆金型であることを特徴とする請求の範囲第18項に記載の木質合成樹脂発泡成形法。
- 請求の範囲第13項〜第19項のいずれかに記載の木質合成樹脂発泡成形法により成形加工してなる、かつ、発泡倍率が1.0〜2.0であることを特徴とする木質合成樹脂発泡成形体。
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