JPH11228726A - 改質ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートおよびその成形体 - Google Patents

改質ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートおよびその成形体

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JPH11228726A
JPH11228726A JP10031108A JP3110898A JPH11228726A JP H11228726 A JPH11228726 A JP H11228726A JP 10031108 A JP10031108 A JP 10031108A JP 3110898 A JP3110898 A JP 3110898A JP H11228726 A JPH11228726 A JP H11228726A
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JP
Japan
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polypropylene resin
modified polypropylene
foamed sheet
resin composition
resin
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Pending
Application number
JP10031108A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Okura
徹雄 大倉
Osamu Miyama
治 三山
Haruo Tomita
春生 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP10031108A priority Critical patent/JPH11228726A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】外観美麗で、独立気泡率が高く、各種成形体な
どに好適に成形しうる発泡シートを提供する。 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体
とラジカル重合開始剤とを溶融混練して得た改質ポリプ
ロピレン系樹脂に発泡剤を添加して、溶融状態で低圧領
域に円筒型に押出発泡し、切り開いて発泡シートとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改質ポリプロピレン系
樹脂組成物からなる発泡シート、それを加熱成形して得
られる成形体、および前記発泡シートの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、ポリプロピレン系樹
脂、イソプレン単量体、ラジカル重合開始剤を溶融混練
して得られる改質ポリプロピレン系樹脂組成物からな
る、外観美麗で独立気泡率が高く、各種成形体などに好
適に成形しうる発泡シート、それを加熱成形して得られ
る成形体、および前記発泡シートの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる発泡シートは、一
般に軽量で、断熱性や外部からの応力の緩衝性が良好で
あり、真空成形などの加熱成形により成形体を得ること
が可能であることから、ポリスチレン系樹脂やポリエチ
レン系樹脂を中心に、緩衝材や食品容器、断熱材、自動
車用部材などの用途で幅広く利用されている。しかしな
がら、ポリプロピレン系樹脂は、溶融時の粘度および抗
張力が低いため、発泡時に気泡壁の強度が充分に保持さ
れず、外観の優れた、独立気泡率が高い発泡シートをう
ることが困難であった。また、ポリプロピレン系樹脂の
発泡シートを真空成形などの加熱成形に供する場合、良
好な成形体をえることが困難であった。ポリプロピレン
系樹脂組成物からなる発泡シートを製造する手法とし
て、従来、ポリプロピレン系樹脂に架橋剤と架橋助剤お
よび熱分解型発泡剤を添加して成形し、加熱により架橋
および発泡を行う方法(特公昭45−40420)、ポ
リプロピレン系樹脂に架橋助剤と分解型発泡剤を添加し
て成形し、放射線架橋の後に加熱発泡を行う方法(特公
昭42−26953)、また近年ではシリル基を有する
ポリプロピレン系樹脂に熱分解型発泡剤を添加して成形
し、水架橋の後に加熱発泡を行う方法(特開平9−13
2662)などの架橋発泡法が行われてきた。しかしな
がら、架橋によりPPに発泡性を付与する方法は、架橋
行程を必要とするため連続的な発泡シートの製造が困難
であり、架橋度の制御が困難であるため均一美麗な発泡
シートの製造が困難であり、さらに溶融時の流れ性が著
しく低下するためにリサイクルが困難であるなどの問題
点がある。一方、無架橋のポリプロピレンを用いて発泡
シートを製造する手法として、例えば、特定の分子量並
びに平衡コンプライアンスを有するポリプロピレン系樹
脂を用いる方法(特公表平5−506875)、など数
件が近年提案されている。これらは詳細な説明および実
施例によると、ハイモント社から高溶融強度樹脂として
市販されている、ポリプロピレン系樹脂に放射線を照射
することにより長鎖分岐を導入せしめた樹脂を使用して
いる。しかしながら、この方法によりポリプロピレン系
樹脂を改質する場合、放射線を利用するために、用いる
装置が大規模で、そして、その装置の構造が複雑なもの
になるということが避けられない。また、放射線照射の
工程において、プロピレン系樹脂の分解およびゲル化を
防ぎ、安定して製品を製造するためには、放射線の照射
量および雰囲気ガスの酸素濃度を厳密に制御する必要が
ある。また、このようにして製造条件を厳密に制御する
必要性があるために、目的とする改質ポリプロピレン系
樹脂組成物の物性にバリエーションをもたせることが容
易なものでなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、独立
気泡率が高く、加熱成形性に優れる改質ポリプロピレン
系樹脂組成物からなる発泡シートおよびその製造方法を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリプロピレン系樹脂
とイソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練
してえられる改質ポリプロピレン系樹脂を発泡シートの
製造に用いると、得られる発泡シートが、ポリプロピレ
ン系樹脂本来の特徴を損なうことなく、外観美麗で独立
気泡率が高く、加熱成形性に優れることをようやく見い
だし、本発明を完成するにいたった。すなわち、本発明
は、ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカ
ル重合開始剤とを溶融混練してえられる改質ポリプロピ
レン系樹脂からなる発泡シートに関する。また本発明
は、前記改質ポリプロピレン系樹脂と発泡剤からなる該
混合物を溶融状態で低圧領域に押出発泡させることを特
徴とする改質ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡
シートの製造方法に関する。また、本発明は、前記改質
ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートを加熱
成形して得られる成形体に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の改質ポリプロピレン系樹
脂は、ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジ
カル重合開始剤とを溶融混練してえられる樹脂からな
り、発泡性が著しく改良されているものである。本発明
で用いられる改質ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピ
レン系樹脂(以下、このポリプロピレン系樹脂のことを
「原料ポリプロピレン系樹脂」ということもある)とイ
ソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを樹脂が溶融す
る温度のもとで混練することにより得られる。
【0006】前記原料ポリプロピレン系樹脂としては、
プロピレンの単独重合体、プロピレンとほかの単量体と
のブロック共重合体またはプロピレンとほかの単量体と
のランダム共重合体などの結晶性の重合体があげられ、
剛性が高く、安価であるという点からは前記ポリプロピ
レン単独重合体が好ましく、剛性および耐衝撃性がとも
に高いという点からは前記プロピレンとほかの単量体と
のブロック共重合体であることが好ましい。前記原料ポ
リプロピレン系樹脂がプロピレンとほかの単量体とのブ
ロック共重合体またはプロピレンとほかの単量体とのラ
ンダム共重合体である場合、ポリプロピレン系樹脂の特
徴である高結晶性、高い剛性および良好な耐薬品性を保
持する点から、含有されるプロピレン単量体成分が全体
の75重量%以上であることが好ましく、全体の90重
量%以上であることがさらに好ましい。
【0007】前記原料ポリプロピレン系樹脂において、
プロピレンと共重合しうるほかの単量体としては、エチ
レン、α−オレフィン、環状オレフィン、ジエン系単量
体およびビニル単量体よりなる単量体の群から選ばれた
1種または2種以上の単量体があげられる。これらの単
量体のうち、エチレンまたはブテン−1が安価である点
から好ましい。
【0008】前記原料ポリプロピレン系樹脂の分子量
(重量平均分子量)は工業的に入手しやすいという点か
ら、5万〜200万の範囲内にあることが好ましく、安
価であるという点から、10万〜100万の範囲内にあ
ることがさらに好ましい。前記原料ポリプロピレン系樹
脂には、必要に応じて、ほかの樹脂またはゴムを本発明
の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。前記ほか
の樹脂またはゴムとしては、たとえばポリエチレン;ポ
リブテン−1、ポリイソブテン、ポリペンテン−1、ポ
リメチルペンテン−1などのポリα−オレフィン;プロ
ピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン
共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、プロピレン
含有量が75重量%未満のプロピレン/ブテン−1共重
合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフ
ィン共重合体;プロピレン含有量が75重量%未満のエ
チレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−
オレフィン/ジエン系単量体共重合体;エチレン/酢酸
ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチ
レン/メタクリル酸共重合体、エチレン/アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、
エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/
無水マレイン酸共重合体、 エチレン/アクリル酸金属
塩共重合体、エチレン/メタクリル酸金属塩共重合体、
エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体などのエチ
レン/ビニル単量体共重合体;ポリブタジエン、ポリイ
ソプレンなどのポリジエン系共重合体;スチレン/ブタ
ジエン/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体
/ジエン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合体;ア
クリロニトリル/ブタジエン/スチレングラフト共重合
体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレングラフ
ト共重合体などのビニル単量体/ジエン系単量体/ビニ
ル単量体グラフト共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体;
塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル/
酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重
合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体などのビ
ニル系共重合体などがあげられる。
【0009】原料ポリプロピレン系樹脂に対するこれら
ほかの樹脂またはゴムの添加量は、この樹脂の種類また
はゴムの種類により異なり、前述のように本発明の効果
を損なわない範囲内にあればよいものであるが、通常、
25重量%程度以下であることが好ましい。本発明の改
質ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂とイ
ソプレン単量体とこのイソプレン単量体に共重合可能な
ほかのビニル単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練
することにより製造されてもよい。
【0010】前記イソプレン単量体に、共重合可能なほ
かのビニル単量体としては、たとえば塩化ビニル;塩化
ビニリデン;スチレン;アクリロニトリル;メタクリロ
ニトリル;アクリルアミド;メタクリルアミド;酢酸ビ
ニル;アクリル酸;メタクリル酸;マレイン酸;無水マ
レイン酸;アクリル酸金属塩;メタクリル酸金属塩;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジルなど
のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ステア
リル、メタクリル酸グリシジルなどのメタクリル酸エス
テルなどがあげられる。
【0011】イソプレン単量体とこのイソプレン単量体
に共重合可能なほかのビニル単量体とを併用する場合、
イソプレン単量体に共重合可能なほかのビニル単量体の
添加量が、イソプレン単量体100重量部に対して、1
00重量部以下であることが好ましく、平均して75重
量部以下であることがさらに好ましい。イソプレン単量
体に共重合可能なほかのビニル単量体の添加量が前記の
範囲を超えると、得られる改質ポリプロピレン系樹脂の
粘度が著しく低下し、発泡性が低下する場合がある。
【0012】前記溶融混練されるイソプレン単量体の添
加量は、原料ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
て、0.1〜20重量部であることが好ましく、1〜1
0重量部であることがさらに好ましい。前記イソプレン
単量体の量が前記の範囲より少ない場合、改質ポリプロ
ピレン系樹脂の発泡性が低い場合があり、一方前記の範
囲を超える場合は、ポリプロピレン系樹脂の特徴である
耐熱性や剛性などを損なう場合がある。
【0013】前記ラジカル重合開始剤としては、一般に
過酸化物またはアゾ化合物などがあげられる。前記ラジ
カル重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パー
オキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキル
パーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシ
ジカーボネート、パーオキシエステルなどの有機過酸化
物の1種または2種以上があげられる。これらのうち、
とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、そのよう
なラジカル重合開始剤としては、たとえば1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−
ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−
ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイ
ド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキ
サイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウ
レート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−
ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエス
テルなどの1種または2種以上があげられる。
【0014】前記ラジカル重合開始剤の添加量が、改質
ポリプロピレン系樹脂の発泡性が良好で、かつ経済的で
あるという点から、原料ポリプロピレン系樹脂100重
量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内にあること
が好ましく、0.2〜5重量部の範囲内にあることがさ
らに好ましい。さらに、前記原料ポリプロピレン系樹脂
には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加
工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、
金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連
鎖移動剤、造核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔
料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の
効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
【0015】これらの原料ポリプロピレン系樹脂、イソ
プレン単量体、ラジカル重合開始剤およびそのほか添加
される材料の混合や溶融混練の順序および方法はとくに
制限されるものではなく、たとえば原料ポリプロピレン
系樹脂、イソプレン単量体、ラジカル重合開始剤および
必要に応じて添加されるそのほかの添加材料を混合した
のち溶融混練してもよいし、原料ポリプロピレン系樹
脂、ラジカル重合開始剤および必要に応じて添加される
そのほかの添加材料を溶融混練した後にイソプレン単量
体を溶融混練してもよいし、前記手法により改質ポリプ
ロピレン系樹脂を得た後に、必要に応じて添加される添
加剤や他の樹脂と溶融混練しても良いし、さらに原料ポ
リプロピレンの一部を改質してマスターバッチとした後
に残余の原料ポリプロピレン系樹脂と溶融混練しても良
い。
【0016】溶融混練時の加熱温度は、樹脂の種類など
により異なるが、通常、130〜400℃であること
が、原料ポリプロピレン系樹脂が充分に溶融し、かつ熱
分解せず、充分な発泡性をうることができるという点で
好ましい。また溶融混練の時間(ラジカル重合開始剤お
よびイソプレン単量体を混合してからの時間)は、一般
に30秒間〜60分間である。また、前記の溶融混練の
装置としては、コニーダー、バンバリーミキサー、ブラ
ベンダー、単軸押出機、2軸押出機などの混練機、2軸
表面更新機、2軸多円板装置などの横型攪拌機またはダ
ブルヘリカルリボン攪拌機などの縦型攪拌機など高分子
材料を適宜の温度に加熱しえ、適宜の剪断応力を与えな
がら混練しうる装置があげられる。これらのうち、とく
に単軸または2軸押出機が生産性の点から好ましい。ま
た、各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶
融混練を複数回繰返してもよい。
【0017】前述のようにして、本発明における改質ポ
リプロピレン系樹脂組成物を製造することができる。ま
た、本発明における改質ポリプロピレン系樹脂組成物か
らなる発泡シートは、例えば、溶融させた状態の改質ポ
リプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を圧入したのち、押
出機内で発泡最適温度に調節し、環状ダイまたはスリッ
トダイから押し出すことにより製造することができる。
【0018】前記発泡剤としてはたとえばプロパン、ブ
タン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化
水素類;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ンなどの脂環式炭化水素類;クロロジフルオロメタン、
ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、トリクロロフ
ルオロメタン、ジクロロメタン、ジクロロフルオロメタ
ン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメ
タン、クロロメタン、クロロエタン、ジクロロトリフル
オロエタン、ジクロロフルオロエタン、クロロジフルオ
ロエタン、ジクロロペンタフルオロエタン、テトラフル
オロエタン、ジフルオロエタン、ペンタフルオロエタ
ン、トリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタ
ン、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロジフ
ルオロエタン、クロロペンタフルオロエタン、パーフル
オロシクロブタンなどのハロゲン化炭化水素類;二酸化
炭素、チッ素、空気などの無機ガス;水などの1種また
は2種以上があげられる。
【0019】前記の発泡剤の添加量(混練量)は発泡剤
の種類および目標発泡倍率により異なるが、改質ポリプ
ロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜
10重量部の範囲内にあることが好ましい。また、発泡
シートの気泡径を適宜の大きさにコントロールするため
に、必要に応じて、重炭酸ソーダ−クエン酸またはタル
クなどの発泡核剤を併用してもよい。必要に応じて用い
られる該発泡核剤の添加量は、通常、改質ポリプロピレ
ン系樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜1重
量部であることが好ましい。また、本発明における改質
ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートは、所
望の幅を得る目的または所望の気泡構造を得る目的で、
例えば、押出発泡した後にマンドレルへの引き取り、空
気の吹き付けなどにより、延伸してもよい。本発明にお
ける改質ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シー
トの密度や独立気泡率は、用途により適宜選択できる
が、密度が0.04〜0.5g/cm2、独立気泡率が
70%以上であることが、緩衝性に優れ、軽量でかつ剛
性を損なわないことから好ましい。また、本発明におけ
る改質ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シート
の厚さは、0.1〜10mmであり、より好ましくは1
〜5mmである。また、本発明における改質ポリプロピ
レン系樹脂組成物からなる発泡シートは、プラグ成形や
真空成形、圧空成形などの加熱成形に優れることから、
厚みムラの少ない、外観美麗な成形体を得ることができ
る。加熱成形の例としては、プラグ成形、マッチド・モ
ールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグア
シスト成形、プラグアシス・トリバースドロー成形、エ
アスリップ成形、スナップバック成形、リバースドロー
成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッ
ジ成形、リッジ成形などの方法があげられる。前記改質
ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートの加熱
成形性は、例えば、クランプした発泡シートを350℃
に設定したオーブン中に入れて25秒間予備加熱した
後、38℃に調節した金型を用いてプラグ成形により開
口部外径100mm、底部外径60mm、高さ40mm
のカップ状の成形体を作製することにより評価すること
ができる。すなわち、二次成形性に優れる発泡シートか
ら得られる成形体は外観が良好だが、二次成形性の悪い
発泡シートから得られる成形体は表面に凹凸やスジが多
く、場合により偏肉が激しく使用に耐えないものとな
る。また、前記加熱成形は、発泡シートを予備加熱した
後に成形するものであるが、予備加熱の際に発泡シート
の二次発泡などにより、密度や厚み、独立気泡率が変化
する場合がある。また、本発明の改質ポリプロピレン系
樹脂組成物からなる発泡シートは、表面性や剛性、加熱
成形性などを改良する目的で、前記発泡シート表面に、
ポリプロピレン系樹脂またはほかの樹脂からなる非発泡
層を、片面または両面に形成してもよい。前記非発泡層
を形成する方法は、特に限定されるものではなく、発泡
シートを作製した後に、別途作製した非発泡シートを加
熱または接着剤を用いてラミネートして形成してもよい
し、発泡シート上に直接Tダイから非発泡シートを押し
出してラミネートして形成してもよく、また発泡シート
を加熱ロールなどで挟むことにより表面付近の気泡をつ
ぶすことにより形成してもよい。
【0020】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。 1)発泡シートの密度の測定 JIS−K6767に準じ測定した。 2)発泡シートの独立気泡率の測定 ASTM D−2856に記載の方法に準じエアピクノ
メータにより測定した。 3)発泡シートの外観評価 目視により以下の基準で評価した。
【0021】 ○:押出方向に平行のしわ(コルゲート)やケバが見ら
れない。 ×:押出方向に平行のしわ(コルゲート)やケバが見ら
れる。 (実施例1)プロピレン単独重合体(230℃でのメル
トフローインデックス0.5g/10分)100重量
部、ラジカル重合開始剤としてα,α’−ビス(t−ブ
チルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(1分間
半減期温度175℃)1.0重量部をリボンブレンダー
で攪拌混合した配合物を計量フィーダで(株)日本製鋼
所製、二軸押出機(TEX44XCT−38)に供給
し、液添ポンプを用いて押出機途中からイソプレンを
2.5重量部供給し、前記二軸押出機中で溶融混練し、
溶融押出することにより、改質ポリプロピレン系樹脂組
成物のペレットを得た。前記二軸押出機は、同方向二軸
タイプであり、スクリュー径が44mmφであり、最大ス
クリュー有効長(L/D)が38であった。この二軸押
出機のシリンダー部の設定温度を、イソプレン単量体圧
入までは180℃、イソプレン圧入以降は200℃と
し、スクリュー回転速度を150rpmに設定した。前
記改質ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部、ブレ
ンドオイル0.05重量部、気泡核形成剤として重曹−
クエン酸0.1重量部を、リボンブレンダーで撹拌混合
した配合物を40−50mmφタンデム型押出機に供給
し、230℃に設定した第1段押出機(40mmφ)中
にて溶融させたのち、発泡剤としてイソブタンを前記改
質ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対し3重
量部圧入混合し、160℃に設定した第2段押出機(5
0mmφ)中で冷却し、サーキュラーダイ(54mm
φ)より大気圧下に吐出し、直径150mmのマンドレ
ルに引き取つつ内部に0.15m3/分で空気を吹き付
けて延伸・冷却し円筒型発泡体を得、これをカッターで
切り開くことにより470mm幅の発泡シートを得た。
この発泡シートを評価したところ、密度0.188g/
cm3、独立気泡率87%、外観評価は○であった。
【0022】また、この発泡シートをクランプし、発泡
シートを350℃に設定したオーブン中に入れて25秒
間予備加熱した後、38℃に調節した金型を用いてプラ
グ成形により開口部外径100mm、底部外径60m
m、高さ40mmのカップ状の成形体を作製し、得られ
る成形体の外観から以下の基準に従って加熱成形性を評
価した。
【0023】 〇:成形体表面に凹凸やスジが見られない。 ×:成形体表面に凹凸やスジが見られる。 その結果、この発泡シートの加熱成形性は○だった。 (実施例2)実施例1のプロピレン単独重合体の代わり
に、メルトフローインデックスが6g/10分であり、
エチレン含有量が3重量%のエチレンプロピレンランダ
ム共重合体を用い、発泡シート製造時の第1段押出機の
設定温度を200℃、第2段押出機の設定温度を140
℃とし、加熱成形性評価の際の予備加熱時間を15秒と
したほかは実施例1と同様にして改質ポリプロピレン系
樹脂発泡シートを得た。その結果を表2に示す。 (実施例3)実施例1のプロピレン単独重合体の代わり
に、メルトフローインデックスが0.5g/10分であ
り、エチレン含有量が3重量%のエチレンプロピレンラ
ンダム共重合体を用い、ラジカル開始剤を1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン(1分間半減期温度147℃)0.5部に
変更し、発泡シート製造時の第1段押出機の設定温度を
200℃、第2段押出機の設定温度を140℃とし、加
熱成形性評価の際の予備加熱時間を15秒としたほか
は、実施例1と同様にして改質ポリプロピレン系樹脂発
泡シートを得た。その結果を表2に示す。 (比較例1)実施例1の改質ポリプロピレン系樹脂の代
わりに、メルトフローインデックスが0.5g/10分
のプロピレン単独重合体を用いたほかは、実施例1と同
様にして発泡シートを得、評価した。その結果を表2に
示す。 (比較例2)実施例1の改質ポリプロピレン系樹脂の代
わりに、メルトフローインデックスが6g/10分のエ
チレン含有量が3重量%のエチレンプロピレンランダム
共重合体を用い、発泡シート製造時の第1段押出機の設
定温度を200℃、第2段押出機の設定温度を140℃
とし、加熱成形性評価の際の予備加熱時間を15秒とし
たほかは、実施例1と同様にして発泡シートを得、評価
した。その結果を表2に示す。表1に実施例と比較例に
用いた原料ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体、
ラジカル開始剤を記載した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例における改質ポリプロピレン系樹脂
からなる発泡シートは、独立気泡率が高く、外観美麗
で、加熱成形性に優れるのに対し、比較例1に示した未
変性のポリプロピレン系樹脂からなる発泡シートは、独
立気泡率が低く、外観が悪く、加熱成形性に劣ることが
判る。
【0027】
【発明の効果】本発明の改質ポリプロピレン系樹脂から
なる発泡シートは、独立気泡率が高く、外観美麗で、加
熱成形に供しても良好な成形体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 C08K 5:14 C08L 9:00 23:10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量
    体、ラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポ
    リプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シート。
  2. 【請求項2】前記改質ポリプロピレン系樹脂組成物と発
    泡剤からなる該混合物を溶融状態で低圧領域に押出発泡
    させることを特徴とする改質ポリプロピレン系樹脂組成
    物からなる発泡シートの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の発泡シートを加熱成形して
    得られる成形体。
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