JPH11269326A - 木質樹脂組成物 - Google Patents

木質樹脂組成物

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JPH11269326A
JPH11269326A JP9226598A JP9226598A JPH11269326A JP H11269326 A JPH11269326 A JP H11269326A JP 9226598 A JP9226598 A JP 9226598A JP 9226598 A JP9226598 A JP 9226598A JP H11269326 A JPH11269326 A JP H11269326A
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resin
weight
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woody
resin composition
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JP9226598A
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Koji Akeboshi
浩二 明星
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ECO POLYMER KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品表面の木質感(光沢、外観、触感)が
著しく改善され、かつ高い機械的強度を併せ持つ成形品
を安価に供給するところの木質樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)架橋発泡ポリプロピレン樹脂20
〜80重量部及び(B)セルロース系粉粒体80〜20
重量部の合計100重量部に対して、(C)官能基含有
ポリプロピレン1〜20重量部並びに(D)スチレン系
樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタクリル
酸メチル樹脂及びポリカーボネート樹脂から成る群から
選ばれる1種又はそれ以上の樹脂1〜30重量部を含む
木質樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質様の表面を持
つ成形品を提供するところの木質樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境意識の高まりと共に自動車部
品のリサイクルが提唱されている。こうした流れの中
で、リサイクルが比較的容易なポリプロピレンは、各種
素材に替って自動車部品への利用が拡大してきている。
従来、熱硬化性の発泡ポリウレタンが用いられていたイ
ンストルメントパネル用の表皮クッション材としても、
電子線で部分架橋した発泡ポリプロピレンが使用されて
来ている。しかし、再生利用のために、該ポリプロピレ
ンから表皮材である塩化ビニルを完全に分離して、分別
するためには相当のコストを要する。また、該ポリプロ
ピレンは架橋部分を持っており、かつその中に化学発泡
剤が残留していることから、射出成形時の流動性が悪
く、かつ発泡して表面にガスの抜け跡ができるという欠
点を有している。従って、該ポリプロピレンをインスト
ルメントパネル用の表皮クッション材として再生利用す
ることは困難であった。
【0003】一方、木材資源の有効利用という観点か
ら、オガ粉等の木粉及び間伐材の再利用が近年急速に脚
光を浴びてきている。
【0004】近年、これらの有効利用を図るべく、木粉
等のセルロース系粉粒体とポリプロピレン樹脂等のポリ
オレフィン系樹脂を混合、混練して木質様の表面を持つ
樹脂成形品を製造する試みが行われつつある。該樹脂成
形品を得るに際して、単純な混合によっては十分に高い
機械的強度が得られない。そこで、従来は、十分に高い
機械的強度を得るために、ポリプロピレン樹脂と木粉の
混合物に、無水マレイン酸変性ポリプロピレンやグリシ
ジルメタクリレート変性ポリプロピレンを少量添加して
いた。
【0005】しかし、該樹脂組成物を押出して得られた
成形品は、木粉を相当量例えば50%程度配合しても、
表面光沢が高く、目視及び触感での成形品表面の木質感
が殆どないという欠点があった。このような表面性を改
善するために、成形品の表面をサンドブラストやワイヤ
ーブラシで荒らすという方法が考えられるが、ただ単に
つやが消えるだけで、目視での木質感(柾目、板目など
の模様)を得るには程遠かった。また、成形品の表面に
導管状のエンボスをかける方法も考えられるが、エンボ
スされた以外の表面の光沢感及び触感は、やはり木質感
とは程遠いものであった。更に、これらの工程の追加
は、コスト高を招くという問題をも生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形品表面
の木質感(光沢、外観、触感)が著しく改善され、かつ
高い機械的強度を併せ持つ成形品を安価に供給するとこ
ろの木質樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく種々の検討を行った。その結果、スチレン系
樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタクリル
酸メチル樹脂及びポリカーボネート樹脂の群から成る1
種又はそれ以上の樹脂を下記所定量で配合すれば、予期
されざることに架橋発泡ポリプロピレン樹脂、セルロー
ス系粉粒体及び官能基含有ポリプロピレンと組合わされ
て、上記の課題を全て解決し得ることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)(A)架橋発泡ポ
リプロピレン樹脂 20〜80重量部及び(B)セルロ
ース系粉粒体 80〜20重量部の合計100重量部に
対して、(C)官能基含有ポリプロピレン 1〜20重
量部並びに(D)スチレン系樹脂、ポリフェニレンエー
テル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂及びポリカー
ボネート樹脂から成る群から選ばれる1種又はそれ以上
の樹脂 1〜30重量部を含む木質樹脂組成物である。
【0009】本発明によれば、架橋発泡ポリプロピレン
樹脂と木粉等のセルロース系粉粒体とを混合した成形品
表面のプラスチック様の艶を消すことができるばかりで
なく、表面に柾目状の模様をも得られ、更には触感にお
ける木質感が向上し、全体として木材に非常に近似した
成形品を得ることができる。更に、サンドブラストやエ
ンボスロールが不要のため、生産コストをも大幅に削減
し得る。好ましくはタルクを更に配合することにより成
形品表面の触感を著しく木材に近ずけることができ、ま
た更に、所定値以下のメルトインデックスを持つポリプ
ロピレンを配合することにより、樹脂組成物の成形性を
著しく向上せしめることができる。
【0010】従来、例えば、インストルメントパネル用
の表皮クッション材等として使用された該ポリプロピレ
ン樹脂の再生利用に当っては、表皮材である塩化ビニル
を完全に分離する必要があったことからコスト高となり
リサイクルが困難であった。しかし、本発明を用いれ
ば、塩化ビニルの多少の混入は成形品の強度低下やデラ
ミネーションを引起こさない。従って、塩化ビニルの完
全な分離は不要であり、該架橋発泡ポリプロピレン樹脂
の再利用に極めて有利である。
【0011】好ましい態様として、(2)(D)スチレ
ン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタク
リル酸メチル樹脂及びポリカーボネート樹脂から成る群
から選ばれる1種又はそれ以上の樹脂を1〜20重量部
含む上記(1)記載の木質樹脂組成物、(3)(D)ス
チレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメ
タクリル酸メチル樹脂及びポリカーボネート樹脂から成
る群から選ばれる1種又はそれ以上の樹脂を3〜10重
量部含む上記(1)記載の木質樹脂組成物、(4)
(A)架橋発泡ポリプロピレン樹脂を30〜70重量部
含み、かつ(B)セルロース系粉粒体を70〜30重量
部含むところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記
載の木質樹脂組成物、(5)(C)官能基含有ポリプロ
ピレンを、(A)及び(B)の合計100重量部に対し
て3〜10重量部含むところの上記(1)〜(4)のい
ずれか一つに記載の木質樹脂組成物、(6)(A)及び
(B)の合計100重量部に対して、更に(E)タルク
を1〜10重量部含む上記(1)〜(5)のいずれか一
つに記載の木質樹脂組成物、(7)(A)及び(B)の
合計100重量部に対して、更に(E)タルクを3〜5
重量部含む上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の
木質樹脂組成物、(8)(A)及び(B)の合計100
重量部に対して、更に(F)メルトインデックス(M
I、230℃、2.16kgf)が10.0g/10分
以下のポリプロピレン樹脂を1〜20重量部含む上記
(1)〜(7)のいずれか一つに記載の木質樹脂組成
物、(9)(A)及び(B)の合計100重量部に対し
て、更に(F)メルトインデックス(MI、230℃、
2.16kgf)が10.0g/10分以下のポリプロ
ピレン樹脂を5〜10重量部含む上記(1)〜(7)の
いずれか一つに記載の木質樹脂組成物、(10)(A)
架橋発泡ポリプロピレン樹脂を溶融して減容した後に他
の成分と混練するところの上記(1)〜(9)のいずれ
か一つに記載の木質樹脂組成物の製造法を挙げることが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において使用する(A)架
橋発泡ポリプロピレン樹脂は公知である。例えばポリプ
ロピレンに電子線を照射して発泡、架橋させた電子線架
橋高発泡ポリプロピレン等を使用でき、市販品としては
ソフトロンSPシリーズ(商標、積水化学工業株式会社
製)等が挙げられる。本発明においては、この未使用品
を使用することもできるが、好ましくは、例えば、イン
ストルメントパネル、ドアートリム、シートバック、リ
アーコーターパネル、天井等の自動車用各種内装材、空
調暖房配管等の各種断熱材等に使用した後の廃棄物を使
用することができる。これにより架橋発泡ポリプロピレ
ン樹脂の再利用が可能となるため好ましい。
【0013】(B)セルロース系粉粒体は特に制限はな
く、例えばオガ粉、パルプ粉等を使用し得る。好ましく
は製材工程で発生する松、杉、ひのき、ツガ等のオガ粉
が用いられる。
【0014】(C)官能基含有ポリプロピレンは、好ま
しくはエポキシ基、カルボキシル基、酸無水物、水酸
基、及び含窒素塩基から成る群から選ばれる少なくとも
1種の官能基を有する。例えば、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエー
テル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシド
等でグラフト変成したもの、あるいはこのようなグラフ
ト変性の際に末端ヒドロキシル化ポリブタジエン等の液
状ゴムを添加したものを用いることができる。更に、ポ
リプロピレンをベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパ
ーオキシド、ジクミルパーオキシド、t‐ブチルヒドロ
パーオキシド等の有機過酸化物で処理してカルボキシル
基を形成させたり、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸等の不飽和有機酸、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和有機酸の
無水物、アクリル酸メチル、マレイン酸モノメチル等の
不飽和有機酸のエステル、アクリル酸アミド、フマル酸
モノアミド等の不飽和有機酸のアミド、イタコン酸イミ
ド等の不飽和有機酸のイミド等の不飽和カルボン酸をグ
ラフト重合させることにより得られる。この官能基含有
ポリプロピレンは、単独で用いてもよいし、二種以上を
組合わせて用いてもよい。
【0015】本発明において(D)として用いるスチレ
ン系樹脂は、例えばスチレン、α‐メチルスチレン等の
単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと共重
合可能な不飽和単量体との共重合体が挙げられる。好ま
しくは、一般用ポリスチレン、耐衝撃用ポリスチレン、
耐熱ポリスチレン(α‐メチルスチレン重合体)、アク
リロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS
)、アクリロニトリル‐スチレン共重合体(AS)、ア
クリロニトリル‐塩素化ポリエチレン‐スチレン共重合
体(ACS )、アクリロニトリル‐エチレンプロピレンゴ
ム‐スチレン共重合体(AES )、アクリルゴム‐アクリ
ロニトリル‐スチレン共重合体(AAS )等が挙げられ
る。
【0016】(D)ポリフェニレンエーテル(PPE)
系樹脂としては公知のものを使用することができる。例
えば、PPEと上記スチレン系樹脂とのブレンド、又は
下記に述べるような、PPEにスチレン系化合物がグラ
フトした共重合体若しくはPPE単独重合体等を使用す
ることができる。このうちPPEとスチレン系樹脂との
ブレンドが好ましい。この際、PPEに対するスチレン
系樹脂の混合比率は、PPEの優れた特性を損なわない
範囲であれば特に制限はない。
【0017】ポリフェニレンエーテルとは、例えば一般
式:
【0018】
【化1】 (式中Q1 、Q2 、Q3 及びQ4 は夫々独立して、水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基及びハ
ロゲン原子とフェニル環との間に少くとも2個の炭素原
子を有するハロアルキル基又はハロアルコキシ基で第3
級α‐炭素を含まないものから選ばれた一価置換基を表
し、qは重合度を表わす整数である)で示される重合体
の総称であって、上記一般式で示される重合体の一種単
独であっても、二種以上が組合わされた共重合体であっ
てもよい。
【0019】PPEの製造法に特に制限はなく、例え
ば、米国特許第3,306,874 号明細書並びに米国特許第3,
257,357 号明細書及び第3,257,358 号明細書に記載のご
とき手順に従ってフェノール類の反応によって製造する
ことができる。これらフェノール類には、2,6-ジメチル
フェノール、2,6-ジエチルフェノール、2,6-ジブチルフ
ェノール、2,6-ジラウリルフェノール、2,6-ジプロピル
フェノール、2,6-ジフェニルフェノール、2-メチル-6-
エチルフェノール、2-メチル-6- シクロヘキシルフェノ
ール、2-メチル-6- トリルフェノール、2-メチル-6- メ
トキシフェノール、2-メチル-6- ブチルフェノール、2,
6-ジメトキシフェノール、2,3,6-トリメチルフェノー
ル、2,3,5,6-テトラメチルフェノール及び2,6-ジエトキ
シフェノールが包含されるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの各々は単独に反応させて対応するホ
モポリマーとしてもよいし、別のフェノールと反応させ
て上記式に包含される異なる単位を有する対応するコポ
リマーとしてもよい。
【0020】好ましい具体例ではQ1 及びQ2 が炭素原
子数1〜4のアルキル基であり、Q3 及びQ4 が水素原
子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基である。例え
ば、ポリ(2,6‐ジメチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テ
ル、ポリ(2,6‐ジエチル‐1,4‐フェニレン)エ―テ
ル、ポリ(2‐メチル‐6‐エチル‐1,4 ‐フェニレ
ン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐プロピル‐1,4
‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジプロピル‐1,4
‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐エチル‐6‐プロ
ピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル等が挙げられる。ま
たPPE共重合体としては、上記ポリフェニレンエ―テ
ル繰返し単位中にアルキル三置換フェノ―ル、例えば
2,3,6‐トリメチルフェノ―ルを一部含有する共重合体
を挙げることができる。また、これらのPPEに、スチ
レン系化合物がグラフトした共重合体であってもよい。
スチレン系化合物グラフト化ポリフェニレンエ―テルと
しては上記PPEにスチレン系化合物として、例えばス
チレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、クロル
スチレンなどをグラフト重合して得られる共重合体であ
る。
【0021】(D)ポリメタクリル酸メチル樹脂は特に
制限はなく、公知のものを使用することができる。例え
ば、メタクリル酸メチル単独重合体又はメタクリル酸メ
チルを主成分とする各種の共重合体を使用することがで
きる。
【0022】(D)ポリカーボネート系樹脂も公知のも
のが使用でき、通常、下記式
【0023】
【化2】 (ここで、R及びR´は夫々独立して、ハロゲン原子、
一価の炭化水素基又は炭化水素オキシ基であり、Wは二
価の炭化水素基、−S−、−S−S−、−O−、−S
(=O)−、−(O=)S(=O)−、又は−C(=
O)−であり、n及びn´は夫々独立して0〜4の整数
であり、bは0又は1である。)で示されるジフェノー
ルから誘導されるジフェノール成分と、カーボネート成
分とから成る。上記式において、R及びR´がハロゲン
原子の場合には、例えば塩素原子又は臭素原子等が挙げ
られる。一価の炭化水素基の場合には、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルカ
リール基等が挙げられる。また炭化水素オキシ基の場合
の炭化水素基は前記した炭化水素基を挙げることができ
る。
【0024】また、Wが二価の炭化水素基の場合には、
アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、
又はシクロアルキリデン基等である。
【0025】ジフェノールの具体例としては、例えばジ
フェノール;2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(いわゆるビスフェノールA);2,2-ビス(3,5-ジブ
ロモ-4- ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2-ビス(3,
5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1-ビス
(3,5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン;1,4-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)シクロドデカン;1,1-ビス(3,5-ジ
メチル-4- ヒドロキシフェニル)シクロドデカン;4,4-
ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4-チオジフェノー
ル;4,4-ジヒドロキシ-3,3- ジクロロジフェニルエーテ
ル;及び4,4-ジヒドロキシ-2,5- ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル等が挙げられる。その他に米国特許明細書第
2,999,835 号、第3,028,365 号、第3,334,154 号及び第
4,131,575 号に記載されているジフェノールが使用でき
る。このようなポリカーボネートは、例えばホスゲンを
使用する公知の界面重合法、溶融重合法(エステル交換
法)等によって製造できる。
【0026】本発明の樹脂組成物において、成分(A)
架橋発泡ポリプロピレン樹脂と成分(B)セルロース系
粉粒体との配合比は、(A)20〜80重量部に対して
(B)80〜20重量部、好ましくは(A)30〜70
重量部に対して、(B)70〜30重量部である。成分
(A)が上記下限未満で(B)が上記上限を越えるとペ
レットへの造粒が困難となり、成分(A)が上記上限を
超え(B)が上記下限未満では、成形品に木質感が得ら
れない。
【0027】成分(C)官能基含有ポリプロピレンの配
合量は、成分(A)と(B)の合計100重量部に対し
て、下限が1重量部、好ましくは3重量部であり、上限
が20重量部、好ましくは10重量部である。上記下限
未満では、十分な相溶性が得られず、かつ機械的強度も
低い。上記上限を超えても、効果の増大はなくコスト高
を招く。
【0028】成分(D)スチレン系樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂及びポ
リカーボネート樹脂から成る群から選ばれる1種又はそ
れ以上の樹脂の配合量は、成分(A)と(B)の合計1
00重量部に対して、下限が1重量部、好ましくは3重
量部、特に好ましくは5重量部であり、上限が30重量
部、好ましくは20重量部、特に好ましくは10重量部
である。上記下限未満では、成形品表面の光沢を取り除
くことができず、木質感が向上しない。上記上限を超え
ては、相溶性が低下し、機械的強度が低下する。
【0029】本発明においては、更に成分(E)タルク
を配合することが好ましい。これにより成形品表面の触
感を著しく木材に近ずけることができる。成分(E)タ
ルクの配合量は、成分(A)と(B)の合計100重量
部に対して、下限が好ましくは1重量部、特に好ましく
は3重量部であり、上限が好ましくは10重量部、特に
好ましくは5重量部である。上記下限未満では、成形品
表面の触感を改善する効果が殆どなく、上記上限を超え
ても、効果の増大はなくむしろ木質感を損なう。
【0030】また、本発明においては、更に成分(F)
メルトインデックス(MI、230℃、2.16kg
f)が10.0g/10分以下のポリプロピレン樹脂を
配合することが好ましい。これにより樹脂組成物の成形
性を著しく向上せしめることができる。メルトインデッ
クスが10.0g/10分を超えては、成形性を向上せ
しめることができない。ポリプロピレン樹脂としては、
アタクチック、シンジオタクチック若しくはアイソタク
チックポリプロピレン、又はプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体若しくはランダム共重合体等を挙げること
ができる。成分(F)の配合量は、成分(A)と(B)
の合計100重量部に対して、下限が好ましくは1重量
部、特に好ましくは5重量部であり、上限が好ましくは
20重量部、特に好ましくは10重量部である。上記下
限未満では、成形性を改善する効果が殆どなく、上記上
限を超えては、成形品表面の木質感を損なう。
【0031】また、本発明の樹脂組成物においては、上
記の成分以外に当業者に公知の各種の添加剤、例えば酸
化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料、
可塑剤、離形剤、ガラス繊維、金属繊維、金属フレー
ク、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤、充填材、補強材
を添加することができる。
【0032】本発明の木質樹脂組成物を製造するに際し
ては、上記の各成分の形態(懸濁液、有機溶媒中の溶
液、ラテックス、パウダー、ペレット、細片状態等)及
びその配合順序に通常制限はなく、従来から公知の方法
を使用することができる。全成分を一括混合して混練し
てもよく、あるいは予め任意の成分を混合し混練した
後、残りの成分を添加して混練することもできる。例え
ば、各成分をペレット、パウダー、細片状態などで、タ
ーンブルミキサーやヘンシェルミキサーで代表される高
速ミキサーで分散混合した後、一軸又は多軸の押出機、
バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適
宜選択される。
【0033】好ましくは、(A)架橋発泡ポリプロピレ
ン樹脂を予め溶融して減容した後、他の成分と混合して
混練される。架橋発泡ポリプロピレン樹脂は通常発泡状
態にあるため、みかけ比重が0.02〜0.05程度と
非常に小さく嵩高い。従って、そのままの状態で他の成
分と混練すると良好な分散が得られ難い。減容方法に特
に制限はなく、例えばヘンシェルミキサー又はペレット
ミル等が用いられる。ここで減容の程度は、各成分の良
好な分散が得られれば特に制限はないが、通常、減容に
要する時間との兼ね合いから、成分(A)のみかけ比重
を0.1以上とすることが好ましい。
【0034】本発明の木質樹脂組成物は、建材、自動車
部品若しくは家電等の化粧材、構造部材等に使用され
る。
【0035】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0036】
【実施例】
【0037】
【実施例1〜13及び比較例1〜7】成分 実施例及び比較例において使用した各成分は下記の通り
である。 (A)架橋発泡ポリプロピレン樹脂(PPF):ソフト
ロンSP 3003、商標、積水化学工業株式会社製 (B)セルロース系粉粒体:製材工程で発生した米松の
オガ粉 (C)官能基含有ポリプロピレン:無水マレイン酸変性
ポリプロピレン(変性PP)(ノーブレンMPE33
1、商標、住友化学株式会社製) (D)スチレン系樹脂: ポリスチレン(PS)(デンカスチロール HRM‐
2、商標、電気化学工業株式会社製) ABS(テクノ ABS400、商標、テクノポリマー
株式会社製) (D)ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE):ノリ
ルSE90、商標、日本ジーイープラスチックス株式会
社製(熱変形温度90℃) (D)ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA):アク
リペットVH、商標、三菱レーヨン株式会社製 (D)ポリカーボネート樹脂(PC):パンライト K
‐1285 帝人化成株式会社製 (F)ポリプロピレン樹脂:J−450H(MI:3.
2g/10分)、商標、出光石油化学株式会社製 (Fの比較成分)ポリプロピレン樹脂:J−3050H
(MI:35g/10分)、商標、出光石油化学株式会
社製混練及び成形 まず、成分(A)架橋発泡ポリプロピレン(みかけ比重
0.033)をペレットミル(株式会社御池鉄工所製)
を用いて、200℃にて溶融して減容し、みかけ比重
0.3のペレットを得た。次いで、各成分を表1又は2
記載の量(重量部)で株式会社カワタ製スーパーミキサ
ーZ‐1SPにより、樹脂の溶融状態において高速攪拌
することにより混合した。次いで、該混合物を株式会社
カワタ製クーリングミキサーSMNC100に移して更
に混合しつつ室温に冷却して、粉状混合物を得た。この
粉状混合物を二軸押出機(TEM‐SS48型、商標、
東芝機械株式会社製)を用いて、溶融混練、押出してペ
レットを得た。得たペレットを単軸押出機(FS65、
商標、池貝株式会社製)で押出成形し、幅75mm×厚
み8mmの矩形断面を持った成形品を作成した。
【0038】試験 <表面光沢>60度鏡面の光沢度にて評価した(JIS
Z 8741に準拠)。 <外観>目視により評価した。表1及び2の各記号は下
記の内容を示す。
【0039】◎:全体として艶が消え、むらも全くな
く、かつ木目状の模様にも優れる。
【0040】○:ほぼ全体として艶が消え、木目状の模
様も良好である。
【0041】△:部分的に艶のむらが認められ、木目が
はっきりしない。
【0042】×:全体に艶が高く、木目も見えず、プラ
スチックのように見える。 <触感>手による触感で評価した。表1及び2の各記号
は下記の内容を示す。
【0043】◎:全面がざらざらとした木のような手触
り感が優れる。
【0044】○:ほぼ全面がざらざらとした木のような
手触り感があり良好である。
【0045】△:部分的につるつるとしたプラスチック
のような手触り部分がある。
【0046】×:全面がつるつるでプラスチックの手触
り感である。 <引張強度>ASTM D638に準拠して測定した。 <成形性>押出成形時の形状安定性(成形品の表面又は
エッジ部分に割れが生ずるか否か、均一な形状で押出を
継続し得るか否か等)、又はサージング等を評価した。
表1及び2の各記号は下記の内容を示す。
【0047】◎:サージングが全くなく、形状安定性も
著しく優れる。
【0048】○:多少のサージングがあるが安定生産で
き、形状安定性に優れる。
【0049】△:一応の形状で押出を継続できるが、部
分的に割れ等が発生する。
【0050】×:サージングが激しく、形状安定性も全
くない。
【0051】結果 以上の結果を表1及び2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】 *1:該組成物は押出成形性が悪く光沢度測定のための
試料を調製することができなかった。また、射出成形も
できず、引張強度は測定できなかった。 *2:該組成物は押出成形性が悪く光沢度測定のための
試料を調製することができなかった。
【0054】実施例1〜3は、成分(D)PSの配合量
を本発明の範囲内で変化させた樹脂組成物である。成形
物の性状はいずれも良好であった。実施例4〜7は、成
分(D)を夫々ABS、PPE、PMMA、PCとした
ものである。いずれもPSを用いたもの(実施例1)と
同程度の良好な成形物性状を示した。実施例8及び9
は、本発明の範囲内で、成分(A)及び(B)の配合量
を変えたものである。いずれも光沢度が多少増加するも
のの本発明の効果を十分に達成し得るものであった。実
施例10は、実施例1の配合に更に(E)タルクを配合
したものである。成形物の外観及び触感が著しく木材に
近いものとなった。実施例11及び12は、実施例1の
配合に更に(F)MIが3.2g/10分のPPを本発
明の範囲内で配合したものである。押出成形性が著しく
向上した。実施例12では、その反面、成形品表面の触
感が多少悪化したが、本発明の効果に影響を与える程で
はなかった。実施例13は、成分(E)及び(F)の両
者を本発明の範囲で配合したものである。成形品の外観
及び触感は木材に著しく近くなり、かつ押出成形性も非
常に良好であった。
【0055】比較例1は、成分(D)を配合しなかった
樹脂組成物の結果である。該組成物は成形性が良くな
く、かつ成形品の光沢度が高く、かつ外観及び触感も良
くなかった。比較例2は、成分(D)PSを本発明の範
囲を超えて多量に配合したものである。引張強度が著し
く低下し、かつ成形品の触感及び押出成形性も余り良好
ではなく、実用性のないものとなった。比較例3及び4
は、成分(A)及び(B)の配合量を本発明の範囲外に
したものである。比較例3は、成形性が著しく悪かっ
た。また、外観及び触感も良くなかった。比較例4は、
光沢度が非常に高く、外観及び触感が著しく悪く、かつ
引張強度も低いばかりでなく、押出成形性も良好ではな
かった。比較例5は、(F)MIが3.2g/10分の
PPを本発明の範囲を超えて配合したものである。成形
品の外観及び触感が著しく損なわれた。引張強度も著し
く低かった。比較例6は、成分(F)に代えてMIが3
5g/10分と非常に高いPPを配合したものである。
押出し成形性が著しく悪くなり、また成形品の外観及び
触感も悪かった。比較例7は、(E)タルクを本発明の
範囲を超えて配合したものである。成形品の触感が悪化
し、また引張強度も低下した。
【0056】
【発明の効果】本発明は、成形品表面の木質感(光沢、
外観、触感)が著しく改善され、かつ高い機械的強度を
併せ持つ成形品を安価に供給するところの木質樹脂組成
物を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 25:04 71:12 33:12 69:00)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)架橋発泡ポリプロピレン樹脂 20
    〜80重量部及び(B)セルロース系粉粒体 80〜2
    0重量部の合計100重量部に対して、(C)官能基含
    有ポリプロピレン 1〜20重量部並びに(D)スチレ
    ン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタク
    リル酸メチル樹脂及びポリカーボネート樹脂から成る群
    から選ばれる1種又はそれ以上の樹脂 1〜30重量部
    を含む木質樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (D)スチレン系樹脂、ポリフェニレン
    エーテル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂及びポリ
    カーボネート樹脂から成る群から選ばれる1種又はそれ
    以上の樹脂を1〜20重量部含む請求項1記載の木質樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)及び(B)の合計100重量部に
    対して、更に(E)タルクを1〜10重量部含む請求項
    1又は2記載の木質樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)及び(B)の合計100重量部に
    対して、更に(F)メルトインデックス(230℃、
    2.16kgf)が10.0g/10分以下のポリプロ
    ピレン樹脂を1〜20重量部含む請求項1〜3のいずれ
    か一つに記載の木質樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)架橋発泡ポリプロピレン樹脂を溶
    融して減容した後に他の成分と混練するところの請求項
    1〜4のいずれか一つに記載の木質樹脂組成物の製造
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181511A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Toyo Science Co Ltd 成形加工用の紙含有樹脂組成物
JP2002138176A (ja) * 2000-11-01 2002-05-14 Grand Polymer Co Ltd 合成木材用異型押出成形体およびその製造方法
WO2003070824A1 (en) * 2002-02-21 2003-08-28 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Woody synthetic resin compositions

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