JPH10265614A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JPH10265614A
JPH10265614A JP9090025A JP9002597A JPH10265614A JP H10265614 A JPH10265614 A JP H10265614A JP 9090025 A JP9090025 A JP 9090025A JP 9002597 A JP9002597 A JP 9002597A JP H10265614 A JPH10265614 A JP H10265614A
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JP
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weight
acid
polymer
styrene
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JP9090025A
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English (en)
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Hidemi Hishikawa
英海 菱川
Toshie Sofue
利江 祖父江
Tetsuo Toyoshima
哲郎 豊島
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Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース系物質を含有し、線膨張率、材料
強度および成形品表面外観に優れた熱可塑性樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 (A)スチレン系樹脂20〜97重量%
と、(B)セルロース系物質80〜3重量%〔ただし、
(A)+(B)=100重量%〕と、(C)少なくとも
1種の官能基を有する重量平均分子量300〜10,0
00の、化合物および/または重合体を上記(A)〜
(B)成分の合計量100重量部に対し0.1〜20重
量部とを、ロール形混練り機を用い、120〜220℃
で溶融混練りする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線膨張率、材料強
度、および成形品表面外観に優れた熱可塑性樹脂組成物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂、HIPS、AS樹脂、ポリ
スチレンなどのスチレン系樹脂は、機械的性質、物理的
性質、電気的性質、成形加工性、成形品表面外観などに
優れることから、建材分野、OA家電分野、自動車分
野、サニタリー分野などの幅広い分野に使用されてい
る。しかしながら、スチレン系樹脂は、一般的に線膨張
率が劣ることから、使用用途によっては、制約を受ける
場合がある。スチレン系樹脂の線膨張率を下げる方法と
して、木粉、モミガラ、セルロース繊維などのセルロー
ス系物質を配合することが考えられるが、一般の加熱溶
融混練り機である押し出し機を用いて、配合・溶融混練
りした場合、得られる組成物の性能が劣る、物性のバラ
ツキが大きい、色調の変化が大きいなどの実用に供しえ
ない問題がある。そこで、せん断力の小さい溶融混練り
押し出し機を用いることにより、物性バランスに優れる
材料を製造することが知られているが、セルロース系物
質を高含有にできない問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、セルロース系物質を
含有し、線膨張率、材料強度および成形品表面外観に優
れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)スチレ
ン系樹脂20〜97重量%と、(B)セルロース系物質
80〜3重量%〔ただし、(A)+(B)=100重量
%〕と、(C)少なくとも1種の官能基を有する重量平
均分子量300〜10,000の、化合物および/また
は重合体を上記(A)〜(B)成分の合計量100重量
部に対し0.1〜20重量部とを、ロール形混練り機を
用い、120〜220℃で溶融混練りすることを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の(A)スチレン系樹脂と
は、 ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物、また
は芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合物と共重
合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分を重合
して得られるゴム強化スチレン系重合体、 芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物およ
び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量
体からなる単量体成分を重合して得られるスチレン系重
合体、あるいは 上記ゴム強化スチレン系重合体とスチレン系重合
体との混合物、などが挙げられ、これらは他の重合体と
併用することもできる。
【0006】ここで使用されるゴム質重合体としては、
例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含有量5〜6
0重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン
−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オレフィ
ン−ポリエン共重合体、シリコーンゴム、アクリルゴ
ム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、
エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。
【0007】なお、上記スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体に
は、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロ
ック型の構造を有するものなどが含まれる。また、上記
水素化ブタジエン系重合体には、上記ブロック共重合体
の水素化物のほかに、スチレンブロックとスチレン−ブ
タジエンランダム共重合体のブロック体の水素化物、ポ
リブタジエン中の1,2−ビニル結合含量が20重量%
以下のブロックと1,2−ビニル結合含量が20重量%
を超えるポリブタジエンブロックからなる重合体の水素
化物などが挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種
単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用
いることもできる。
【0008】なお、(A)スチレン系樹脂としては、耐
衝撃性の面から、上記ゴム質重合体の存在下に得られる
ゴム強化スチレン系重合体、またはゴム質重合体の存在
下に得られるゴム強化スチレン系重合体とゴム質重合体
の非存在下に芳香族ビニル化合物(および共重合可能な
他のビニル系単量体)を(共)重合して得られるスチレ
ン系重合体との混合物を使用することが好ましい。
【0009】ここで、(A)スチレン系樹脂中のゴム質
重合体の割合は、ゴム質重合体および単量体成分の合計
量に対し、好ましくは5〜80重量%、さらに好ましく
は20〜60重量%であり、5重量%未満では、衝撃強
度が低下し好ましくなく、一方80重量%を超えると、
成形加工性、弾性率、熱変形温度が低下し好ましくな
い。また、本発明の組成物中のゴム質重合体の含有量
は、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは5〜
15重量%である。
【0010】なお、本発明の上記(A)スチレン系樹脂
は、ゴム強化スチレン系重合体の場合、上記ゴム質重合
体のラテックス中で単量体成分を乳化重合することによ
って製造することが好ましい。この場合、ゴム質重合体
のラテックスは、ゴム粒子の平均粒子径が好ましくは
0.05〜30μm、さらに好ましくは0.1〜10μ
mの範囲のものが用いられる。この範囲の平均粒子径を
有するラテックスを使用した場合、高い物性バランスを
実現することが可能となる。
【0011】一方、(A)スチレン系樹脂に用いられる
単量体成分を構成する芳香族ビニル化合物としては、ス
チレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェ
ニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルス
チレン、N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレ
ン、ビニルピリジン、ビニルキシレン、モノクロロスチ
レン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロ
モスチレン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニ
ルナフタレンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチ
ルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物
は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混
合して用いることもできる。芳香族ビニル化合物の使用
量は、単量体成分中に、好ましくは20〜100重量
%、さらに好ましくは30〜90重量%、特に好ましく
は40〜80重量%である。20重量%未満では、充分
な成形加工性が得られない。
【0012】また、他のビニル系単量体としては、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビ
ニル化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミ
ノアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデ
シルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルア
クリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、アミノメタクリレート、ヘ
キシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタ
クリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタク
リレートなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸
無水物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの
不飽和酸;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチル
マレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;
グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル
などのエポキシ基含有不飽和化合物;アクリルアミド、
メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;アク
リルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸
アミノエーテル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノ
スチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロ
キシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シ
ス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒド
ロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1
−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシスチレン
などの水酸基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンな
どのオキサゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられ
る。これらの他のビニル系単量体は、1種単独で使用す
ることも、あるいは2種以上を混合して用いることもで
きる。
【0013】なお、芳香族ビニル化合物とα,β−不飽
和ジカルボン酸のイミド化合物との(グラフト)重合体
において、上記芳香族ビニル化合物と上記不飽和酸無水
物との共重合体を、後イミド化(完全または部分)した
ものも、本発明の(ゴム強化)スチレン系樹脂に含まれ
る。これらの他のビニル系単量体の使用量は、単量体成
分中に、好ましくは80〜0重量%、さらに好ましくは
70〜10重量%、特に好ましくは60〜20重量%で
ある。
【0014】本発明の目的を達成するうえで、強度をさ
らに改善するため、(A)スチレン系樹脂として、ゴム
強化官能基含有スチレン系重合体などの官能基含有重合
体の少なくとも1種を混合したものが好ましい。ここ
で、官能基含有重合体とは、官能基含有不飽和化合物を
共重合させたゴム強化スチレン系重合体である。上記官
能基含有不飽和化合物としては、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、不飽和酸無水物、不飽和酸、
α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物、エポキシ
基含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸アミド、アミノ
基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、オキサ
ゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられ、好ましくは
(メタ)アクリル酸エステル、不飽和酸無水物、不飽和
酸、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化
合物、さらに好ましくは不飽和酸無水物、不飽和酸、水
酸基含有不飽和化合物であり、特に好ましくは水酸基含
有不飽和化合物である。上記官能基含有不飽和化合物の
使用量は、本発明の(A)スチレン系樹脂中に、0.0
1〜20重量%の範囲が好ましい。
【0015】本発明の(A)スチレン系樹脂は、ゴム質
重合体の存在下または非存在下に、上記単量体成分を、
通常の乳化重合、溶液重合、バルク重合、あるいは懸濁
重合などにより製造することができる。好ましくは、乳
化重合である。ここで、乳化重合には、常法に従い、重
合開始剤、連鎖移動剤(分子量調節剤)、乳化剤、水な
どが用いられる。なお、以上の単量体成分は、反応系に
一括または連続的に添加することができる。なお、
(A)スチレン系樹脂は、(ゴム質重合体)および単量
体成分100重量部に対し、重合水80〜150重量
部、好ましくは80〜130重量部を用い、重合温度1
0〜120℃、好ましくは30〜110℃の条件下で乳
化重合することが望ましい。
【0016】(A)スチレン系樹脂のグラフト率は、好
ましくは5〜300重量%、さらに好ましくは10〜1
50重量%である。グラフト率が5重量%未満では、ゴ
ム成分の添加効果が充分発揮されず、充分な衝撃強さが
得られない。一方、300重量%を超えると、成形加工
性が低下する。ここで、グラフト率(重量%)は、スチ
レン系樹脂1g中のゴム成分重量をx、メチルエチルケ
トン不溶分重量をyとすると、次式により求められた値
である。 グラフト率(重量%)=〔(y−x)/x〕×100
【0017】また、(A)スチレン系樹脂の極限粘度
〔η〕(メチルエチルケトン可溶分、30℃で測定)
は、好ましくは0.15〜2.0dl/g、さらに好ま
しくは0.3〜1.0dl/gである。この極限粘度
〔η〕が0.15dl/g未満であると、剛性と耐衝撃
性との高い物性のバランスが得られず、一方2.0dl
/gを超えると、成形加工性が低下する。
【0018】本発明の(A)スチレン系樹脂には、上記
したように、他の重合体を、(A)成分の好ましくは8
0重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下、特に
好ましくは30重量%以下の割合で配合したものも、本
発明の(A)成分に含まれる。この他の重合体として
は、(ゴム強化)スチレン系重合体以外の公知の重合体
であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール
共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン12、ナイロン46などのポリア
ミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、PPS樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリア
リレート、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスルホン、ポリ
フェニレンエーテル、POM、ポリウレタンなどの熱可
塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、
ポリウレタンアルキド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂な
どの熱硬化性樹脂などが挙げられ、これらは、1種単独
で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いる
こともできる。
【0019】本発明の組成物中の(A)スチレン系樹脂
の使用量は、20〜97重量%、好ましくは30〜70
重量%、さらに好ましくは40〜60重量%〔ただし、
(A)+(B)=100重量%〕である。20重量%未
満では、材料強度が劣り、一方97重量%を超えると、
木質感が得られず、また線膨張率が劣る。
【0020】次に、(B)セルロース系物質としては、
木粉、紙、パルプ、モミガラ、バガスなどの植物性物
質、またはこれらの粉砕品が挙げられる。(B)セルロ
ース系物質の形状としては、粉末や繊維状など、すべて
の形状が含まれる。このうち、木粉としては、種々の種
類が限定せずに使用でき、例えばエゾマツ、トドマツ、
カラマツなどのマツ類、ツガ、サクラ、スギ、ナラ、ヒ
ノキ、シナノキ、ブナ、ラワン、モミなどが挙げられ
る。これらの原木を裁断し、製材する際に発生するノコ
くずやオガクズおよび木材の細片などを破砕したものが
使用される。また、例えば竹草などの粉砕物、粉末およ
び紙、パルプ、もみがらなどのバガス、セルロース繊維
も含まれる。さらに、これらセルロース系物質の脱リグ
ニン品も使用することができる。(B)セルロース系物
質は、粉砕品で使用することが好ましく、より好ましく
は10メッシュパス以下、さらに好ましくは60メッシ
ュパス以下の粉末にしたものである。これらの(B)セ
ルロース系物質は、1種単独で使用することも、あるい
は2種以上を混合して用いることもできる。本発明の組
成物中の(B)セルロース系物質の使用量は、80〜3
重量%、好ましくは70〜30重量%、さらに好ましく
は60〜40重量%である。その使用量が80重量%を
超えると、成形品表面外観、材料強度が劣り、一方3重
量%未満では、材料強度、線膨張率が劣る。
【0021】次に、(C)成分は、少なくとも1種の官
能基を有する重量平均分子量300〜10,000の、
化合物および/または重合体である。上記官能基として
は、カルボキシル基もしくはその金属塩、ヒドロキシル
基、オキサゾリン基、酸無水物基、エステル基、アミノ
基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基、ウレタ
ン基、ユリア基などが挙げられる。これらの(C)成分
としては、例えば長鎖のアルキル基と上記官能基とを含
有する化合物;エチレン、プロピレンなどのα−オレフ
ィンと上記官能基含有不飽和化合物との共重合体;エチ
レン共重合体、プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体、ジメチルポリシロキサンなどのシリコー
ン含有重合体などの重合体に、上記官能基含有不飽和化
合物を付加した付加物;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体などを酸化し、カル
ボキシル基などを付加した付加物などが挙げられる。こ
こで、カルボキシル基の塩としては、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニ
ウム、亜鉛、バリウム、カドミウム、マンガン、コバル
ト、鉛、スズなどの金属塩が挙げられる。これら(C)
成分中の官能基数は、1分子中または1モル中に、0.
01〜30の範囲が好ましい。
【0022】これら(C)成分中の官能基として好まし
いものは、カルボキシル基もしくはその2価の金属塩、
ヒドロキシル基、エステル基、エポキシ基およびアミド
基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を1分子中
に1個または2個以上有するものであり、さらに好まし
くはカルボキシル基もしくはその2価の金属塩、ヒドロ
キシル基、アミド基を有するものであり、特に好ましく
はヒドロキシル基、カルボキシル基、アミド基を有する
ものである。(C)成分の分子量または重量平均分子量
は、300〜10,000、好ましくは400〜8,0
00、さらに好ましくは500〜5,000である。3
00未満では、材料強度が劣り、一方10,000を超
えると、溶融混練り時に本発明の熱可塑性樹脂組成物が
ヤケてしまう。
【0023】本発明の(C)成分の使用量は、上記
(A)〜(B)成分の合計量100重量部に対し、0.
1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、さらに好
ましくは2〜10重量部である。0.1重量部未満で
は、溶融混練り時に本発明の熱可塑性樹脂組成物がヤケ
てしまい、一方20重量部を超えると、材料強度が劣
る。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記
(A)〜(C)成分を、ロール形混練り機で溶融混練り
して得られる。好適な例を挙げると、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、ロールミル、テーパーロール、インター
ナルミキサー、コンティニュアスニーダーなどが挙げら
れ、さらに好ましくはバンバリーミキサー、ニーダーで
あり、特に好ましくはバンバリーミキサーである。本発
明の(A)〜(C)成分、および必要に応じて添加され
る他の成分は、一括添加して混練りしてもよく、または
それぞれ任意に分割して混練りしてもよい。また、本発
明の熱可塑性樹脂組成物の混練り温度は、120〜22
0℃、好ましくは140〜210℃、さらに好ましくは
160〜200℃である。混練り温度が上記温度範囲外
であると、線膨張率、材料強度および成形品表面外観が
劣る。
【0025】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
材料強度、溶融混練り性、成形加工性、さらに表面外観
を良好にするために、各種添加剤を配合することができ
る。上記各種添加剤としては、(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体、AS系重合体、ポリテトラフルオロエチ
レン系重合体、可塑剤などが挙げられる。
【0026】このうち、(メタ)アクリル酸エステル系
重合体としては、例えば上述したアクリル酸エステル、
メタクリル酸エステルを主たる単量体成分とし、必要に
応じて共重合成分として、上述したシアン化ビニル化合
物、芳香族ビニル化合物などの共重合可能なビニル系単
量体を共重合した(共)重合体である。この(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体を構成する単量体成分は、好
ましくはメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチ
レンが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル系
重合体中の(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、好
ましくは10〜100重量%、さらに好ましくは20〜
100重量%、特に好ましくは30〜99重量%であ
る。(メタ)アクリル酸エステルが10重量%未満で
は、木粉との親和性が低下し、成形品表面外観が劣り好
ましくない。
【0027】(メタ)アクリル酸エステル系重合体のポ
リスチレン換算の重量平均分子量は、5×105 〜1×
108 であり、好ましくは7×105 〜8×106 、さ
らに好ましくは1×106 〜6×106 である。重量平
均分子量が5×105 未満では、成形品表面外観、材料
強度および線膨張率が劣り、一方1×108 を超える
と、流動性が低下する。なお、上記(メタ)アクリル酸
系重合体は、公知の重合法である乳化重合、懸濁重合、
塊状重合、溶液重合などで得ることができる。特に好ま
しくは、乳化重合、溶液重合で得られたものである。上
記(メタ)アクリル酸系重合体の使用量は、(A)〜
(B)成分の合計量100重量部に対し、好ましくは1
〜10重量部、さらに好ましくは2〜5重量部である。
【0028】また、本発明に用いることのできる上記A
S系重合体は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1
00万以上の重合体である。上記AS系重合体には、本
発明の(A)成分で使用されるものを用いることができ
る。上記AS系重合体の使用量は、(A)〜(B)成分
の合計量100重量部に対し、好ましくは1〜10重量
部、さらに好ましくは2〜5重量部である。
【0029】さらに、本発明に用いることのできるポリ
テトラフルオロエチレン系重合体は、テトラフルオロエ
チレン単独重合体のほか、フッ化ビニリデン、ヘキサフ
ルオロプロピレンなどを共重合したものであってもよ
い。好ましくは、テトラフルオロエチレン単独重合体で
ある。ポリテトラフルオロエチレンの数平均分子量(A
STM D1457−56Tで測定)は、50万以上で
あり、好ましくは100万〜1億である。数平均分子量
が50万未満では、成形品表面外観および材料強度が劣
る。なお、数平均分子量が1億を超えると、成形性が劣
る場合がある。上記ポリテトラフルオロエチレン系重合
体の使用量は、(A)〜(B)成分の合計量100重量
部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5
重量部である。
【0030】さらに、本発明に用いることのできる可塑
剤は、エステル系、アルコール系およびエーテル系の群
から選ばれた少なくとも1種の可塑剤である。このう
ち、エステル系の可塑剤は、分子中にエステル基を持
ち、配合する樹脂のガラス転移温度を下げる効果のある
化合物がすべて含まれる。上記エステル系の可塑剤は、
カルボン酸系化合物とアルコールとのエステル化反応に
よって合成されるもの、ジカルボン酸化合物とグリコー
ルを重縮合し、カルボン酸または1価のアルコールなど
の封鎖剤で末端を封止して得られるものなどが挙げられ
る。
【0031】ここで使用されるカルボン酸系化合物とし
ては、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、無水トリメリット酸、トリメシン酸、無水ピロメ
リット酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、クエン
酸、オレイン酸、リシノール酸、ステアリン酸、スルホ
ン酸、リン酸などが挙げられ、特に無水フタル酸、無水
トリメリット酸、マレイン酸、リン酸が好ましい。これ
らのカルボン酸系化合物は、1種単独で使用すること
も、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
上記エステル系可塑剤で使用されるアルコールとして
は、メタノール、エタノール、n−ブタノール、i−ブ
タノール、2−エチルヘキサノール、イソデカノール、
フェノール、o,m,p−クレゾールなどが挙げられ、
特にn−ブタノール、2−エチルヘキサノール、フェノ
ールが好ましい。
【0032】カルボン酸系化合物とアルコールとのエス
テル化反応によって合成されるエステル系可塑剤の具体
例としては、ジエチルフタレート、ジ−(2−エチルヘ
キシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチ
ル・フタリル・ブチルグリコレート、ジ−(2−エチル
ヘキシル)アジペート、ジ−n−ブチル−マレート、ト
リ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、n−ブチル
−ステアレート、トリフェニルホスフェートなどが挙げ
られる。特に、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレー
ト、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ
フェニルホスフェートが好ましい。
【0033】ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、
セバシン酸、アジピン酸などが挙げられ、特にアジピン
酸が好ましい。上記グリコールとしては、1,2−プロ
ピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサジオ
ールなどが挙げられ、特に1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオールが好ましい。封鎖剤として
の、カルボン酸としてはラウリン酸、ペラルゴン酸、カ
プロン酸、カプリル酸、オレイン酸などが、また1価の
アルコールとしてはブタノール、2−エチルヘキサノー
ル、ラウリルアルコールなどがそれぞれ好ましい。ジカ
ルボン酸化合物とグリコールとの重縮合によって得られ
る可塑剤は、分子量10,000以下のものが好まし
く、分子量が10,000を超えると、樹脂との相溶性
が悪くなり好ましくない。上記エステル系可塑剤は、1
種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して
用いることもできる。
【0034】上記アルコール系の可塑剤としては、分子
中に1つ以上の水酸基を持ち、配合する樹脂のガラス転
移温度を下げる効果のある化合物がすべて含まれ、例え
ばステアリルアルコール、ココナットアルコール、セチ
ルアルコール、メリシルアルコールなどの高級アルコー
ルが挙げられ、これらは、少なくとも1種以上で使用さ
れ、特にステアリルアルコールが好ましい。
【0035】上記エーテル系の可塑剤としては、分子中
に1つ以上のエーテル基を持ち、配合する樹脂のガラス
転移温度を下げる効果のある化合物がすべて含まれ、ア
ルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、アミンにエチ
レンオキシドを付加したものなども含まれる具体的に
は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレン
アルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸
エステルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル類、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポ
リエチレングリコールジステアレート、ポリエチレング
リコールモノステアレートなどのポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポ
リオキシエチレンオクタデシルアミンなどのポリオキシ
エチレンアルキルアミンなどが挙げられ、特にポリオキ
シエチレンフェニルエーテルが好ましい。上記エーテル
系可塑剤は、1種単独で使用することも、あるいは2種
以上を混合して用いることもできる。以上の可塑剤は、
1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合し
て用いることもできる。なお、ウエルド強度からエーテ
ル系可塑剤が好ましく、組成物の色調からアルコール系
が好ましい。上記可塑剤の使用量は、(A)〜(B)成
分の合計量100重量部に対し、好ましくは1〜10重
量部、さらに好ましくは2〜5重量部である。
【0036】なお、本発明の組成物には、ガラス繊維、
ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラス繊維のミルドフ
ァイバー、中空ガラス、炭素繊維、炭素繊維のミルドフ
ァイバー、タルク、マイカ、金属繊維、ワラストナイ
ト、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、酸化亜鉛ウィスカー、酸化マグネシウム、チタン酸
カリウムウィスカー、ロックフィラー、ガラスバルー
ン、セラミックバルーン、炭酸カルシウム、セラミック
ス、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエローな
どの顔料、金属光沢を有する金属粒子・金属粉などの充
填材を、1種単独で使用することも、あるいは2種以上
を混合して用いることもできる。これらの充填材のう
ち、ガラス繊維、炭素繊維の形状としては、6〜60μ
mの繊維径と30μm以上の繊維長を有するものが好ま
しい。これらの充填材は、本発明の組成物100重量部
に対し、通常、1〜200重量部の範囲で用いられる。
【0037】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
公知のカップリング剤、、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、
難燃助剤、酸化防止剤、耐候(耐光)剤、シリコーンオ
イル、ミネラルオイル、および他の各種伸展油、着色剤
(顔料、染料など)、帯電防止剤、本発明の(C)成分
以外の滑剤などの添加剤を配合することができる。
【0038】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成
形、シート押し出し成形、真空成形、異形押し出し成
形、発泡成形、インジェクションプレス、ガスアシスト
成形、プレス成形、ブロー成形などの成形法によって成
形することができる。なお、上記異形押し出し成形で
は、上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体、AS系
重合体、可塑剤を添加することで、さらに成形加工性を
良好にすることができる。また特に、本発明の組成物
は、発泡成形に優れる。ここで使用される発泡剤および
発泡方法については、公知の方法で行うことができる。
発泡剤としては、物理発泡剤または化学発泡剤が使用で
きる。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、チッ素ガ
スなどの無機系、ブタン、ペンタン、ヘキサン、フロン
などの有機系が使用できる。また、化学発泡剤として
は、重炭酸ナトリウム+酸、重炭酸塩、炭酸塩などの無
機系があり、また有機系としては、イソシアネート化合
物、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化
合物、アジド化合物、ニトロソ化合物、トリアゾール化
合物などが挙げられる。特に好ましい発泡剤は、アゾジ
カルボンアミドである。
【0039】上記本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて
得られる各種成形品は、その優れた性質を利用して、雨
樋、玄関化粧カバー、床下換気口などの住宅外装部品、
インテリアドアユニット、クロゼット折戸ユニット、幅
木、畳寄せ、回り縁、造作材、敷居、窓額縁、階段手す
り、手すり、床材、壁板、天井板、窓やドアなどの枠
材、アルミサッシの化粧枠、化粧用フィルム、扉取っ
手、障子の桟、欄間、柱などの住宅内装材、化粧シー
ト、化粧板、落とし込み、引き出し、机、流し台回りの
前面扉、棚板、側板、ベットバンパー、ベットサイドキ
ャビネット、家具、テーブル、椅子、各種ケース、仏
壇、照明器具パーツ、額縁などの家具用部材として、各
種ハウジング、オーディオ関連のヘッドホン、スピーカ
ー部材などのOA・家電分野、ドアトリム、ボディーサ
イドトリム、フロアコンソール、インストルメンタルパ
ネルなどの内装部材、外装部材などの車両・船舶分野、
浴室のタオルバー、ハンドバー、洗面台の前面扉、側
板、洗濯機防水板、トイレ内の手すり、便座などのサニ
タリー分野、パチンコ台の台枠、外枠、台枠ベース、パ
チンコ内装の島部材などの玩具・スポーツ用品分野、鉛
筆、ボールペン、定規、筆箱などの文具分野、ピアノ、
オルガン、タンバリン、カスタネットなどの楽器分野、
そのほか碗皿類、箸、スプーン、盆、トレー、重箱、ま
な板、ボタン、スイッチ、各種板材の雑貨などの幅広い
分野に使用することができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。なお、実施例中、部および
%は特に断らない限り重量基準である。また、実施例中
の各種評価は、次のようにして測定した値である。
【0041】重量平均分子量 試料を、メチルエチルケトンを溶媒として、メチルエチ
ルケトン可溶部を分離後、乾燥し、これをテトラヒドロ
フランに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により、ポリスチレン換算として求め
た。線膨張率 20〜40℃の範囲の線膨張係数を測定した。材料強度、 得られた試験片を用いて、ASTM D790に準じて
曲げ試験を行い、曲げ破壊エネルギーを測定した。単位
は、kg・mmである。成形品表面外観(木質感 ) 押し出し成形で平板を成形し、試験片とした。得られた
試験片の表面外観を目視判定した。 ○;滑らかな表面で木質感がある。 ×;凹凸が多く荒れており、木質感がない。
【0042】実施例および比較例に用いた各成分は、下
記のとおりである。(A)スチレン系樹脂の調製 ゴム質重合体(a)−1〜(a)−5の調製;本発明の
(A)成分である(ゴム強化)スチレン系樹脂に用いら
れるゴム質重合体として、表1のものを用いた。 熱可塑性樹脂A−1〜A−10の調製;上記ゴム質重合
体(a)−1〜(a)−5の存在下、または非存在下
に、単量体成分を重合した樹脂をそれぞれ得た。これら
の樹脂の構成を表2に示す。なお、A−1、A−2、A
−6、A−7、A−9、A−10は乳化重合で、A−
3、A−4、A−5、A−8は溶液重合で得た。
【0043】(B)セルロース系物質の調製 B−1(木粉);マツ/ツガ=50/50(重量比)の
割合で混合した粉砕品で、100メッシュパスしたもの
を用いた。 B−2(木粉);ツガ粉砕品で、60メッシュパスした
ものを用いた。 B−3(セルロースファイバー);PPC用紙を粉砕
し、繊維状にしたものを使用した。
【0044】(C)成分の調製 C−1;平均分子量と酸価より、平均分子がエチレン3
0モル(炭素数60)、酸価からメタクリル酸2モルか
らなる、エチレン−メタクリル酸共重合体(重量平均分
子量=2,000)を用いた。 C−2;平均分子がエチレン60モル(炭素数12
0)、メタクリル酸2モルからなる、エチレン−メタク
リル酸共重合体(重量平均分子量=4,000)を用い
た。 C−3;モンタン酸エステル化合物(重量平均分子量=
3,000)を用いた。 C−4;モンタン酸エステル化合物とモンタン酸カルシ
ウム塩との混合物(重量平均分子量=3,300)を用
いた。 C−5;グリセリンのステアリン酸モノグリセライド
(重量平均分子量=4,500)を用いた。 C−6;エチレンビスステアリルアマイド(分子量=5
76)を用いた。 C−7;平均分子がエチレン600モル(炭素数1,2
00)と、メタクリル酸2モルとからなる、エチレン−
メタクリル酸共重合体(重量平均分子量=17,96
0)を用いた。 C−8;エポキシ基含有ポリジメチルシロキサン(重量
平均分子量=200)を用いた。
【0045】その他の成分 D−1〔(メタ)アクリル酸系重合体〕;三菱レイヨン
(株)製、メタブレンP530Aを用いた。 D−2〔(メタ)アクリル酸系重合体〕;三菱レイヨン
(株)製、メタブレンP531を用いた。 D−3(AS系重合体);ゼネラルエレクトリック社
製、BLENDIX B869(重量平均分子量=60
0万)を用いた。 D−4(AS系重合体);アクリロニトリル/スチレン
(重量比)=75/25比で乳化重合した重合体(重量
平均分子量=300万)を使用した。
【0046】D−5(ポリテトラフルオロエチレン系重
合体);数平均分子量8,000万のポリテトラフルオ
ロエチレンを用いた。 D−6(ポリテトラフルオロエチレン系重合体);数平
均分子量250万のポリテトラフルオロエチレンを用い
た。
【0047】D−7(可塑剤);エーテル系の可塑剤と
して、花王(株)製、エマルゲン903を用いた。 D−8(可塑剤);アルコール系の可塑剤として、花王
(株)製、カルコール8098を用いた。 D−9(充填材);タルクを用いた。 D−10(発泡剤);アゾジカルボンアミドを用いた。
【0048】混練り機および混練り条件 E−1;(株)神戸製鋼所製、バンバリーミキサー、M
IXTON BB MIXERを用い混練りした。 E−2;(株)森山製作所製、ニーダー、DS3−10
MWB−EHを用い混練りした。 E−3;中谷(株)製、NVC−50(単軸押し出し
機)を用い、混練りした。 E−4;東芝機械(株)製、PCM−50(同方向二軸
押し出し機)を用い、混練りした。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】*)ラテックスは、固形分換算である。 実施例1〜24、比較例1〜10 実施例の組成物の調製は、上記各成分を、水分率0.1
%以下までそれぞれ乾燥し、表3〜4の配合処方で混合
し、160〜190℃の範囲に温度設定したバンバリー
ミキサーもしくはニーダーで溶融混練りしたのち、ペレ
ット化した。得られたペレットを、水分量0.1%以下
まで乾燥し、押し出し成形により、成形品表面外観、曲
げ破壊エネルギー測定用試験片を作製し、上記評価方法
で評価した。結果を表3〜4に示す。一方、比較例の組
成物の調製は、上記実施例の組成物の調製方法と同様に
し、溶融混練り機として、単軸押し出し機、あるいは二
軸押し出し機を用い、ペレットを得て、上記方法で試験
片を得た。結果を表5に示す。
【0052】表3〜4から明らかなように、実施例1〜
24は、いずれも線膨張率、材料強度、表面外観(木質
感)に優れている。これに対し、表5から明らかなよう
に、比較例1は、(B)セルロース系物質が本発明の範
囲外で少ない場合であり、線膨張率が劣る。比較例2
は、(B)セルロース系物質が本発明の範囲外で多い場
合であり、木質感および材料強度が劣る。比較例3は、
(C)成分が本発明の範囲外で少ない例であり、線膨張
率、材料強度、木質感が劣る。比較例4は、(C)成分
が本発明の範囲を超えて多い例であり、線膨張率、材料
強度、木質感が劣る。比較例5〜6は、本発明の製造方
法とは異なる製造方法であり、線膨張率、材料強度、木
質感が劣る。比較例7は、溶融混練り温度が本発明の下
限値を下回る例であり、線膨張率、材料強度、木質感が
劣る。比較例8は、溶融混練り温度が本発明の上限値を
上回る例であり、線膨張率、材料強度、木質感が劣る。
比較例9は、(C)成分の重量平均分子量が本発明の範
囲外で小さい例であり、線膨張率、材料強度、木質感が
劣る。比較例10は、(C)成分の重量平均分子量が本
発明の範囲外で大きい例であり、線膨張率、材料強度、
木質感が劣る。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【発明の効果】本発明により得られる熱可塑性樹脂組成
物は、線膨張率、成形品表面外観および材料強度に優れ
たものであり、広範囲の用途、例えばOA・家電機器分
野、電気・電子分野、通信機器分野、サニタリー分野、
車両・船舶分野、家具・建材などの住宅関連分野、雑貨
分野などのパーツ、ハウジング、シャーシなどに使用す
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系樹脂20〜97重量%
    と、(B)セルロース系物質80〜3重量%〔ただし、
    (A)+(B)=100重量%〕と、(C)少なくとも
    1種の官能基を有する重量平均分子量300〜10,0
    00の、化合物および/または重合体を上記(A)〜
    (B)成分の合計量100重量部に対し0.1〜20重
    量部とを、ロール形混練り機を用い、120〜220℃
    で溶融混練りすることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法。
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