JPH10120823A - 成形体 - Google Patents

成形体

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JPH10120823A
JPH10120823A JP29585096A JP29585096A JPH10120823A JP H10120823 A JPH10120823 A JP H10120823A JP 29585096 A JP29585096 A JP 29585096A JP 29585096 A JP29585096 A JP 29585096A JP H10120823 A JPH10120823 A JP H10120823A
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JP
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group
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aromatic vinyl
polymer
modified styrene
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JP29585096A
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English (en)
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Toshie Sofue
利江 祖父江
Hidemi Hishikawa
英海 菱川
Masaaki Motai
政明 馬渡
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Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低線膨張に優れ、木質感があり、各種幅広い
用途に使用可能な成形体を提供すること。 【解決手段】 (A)官能基含有重合体1〜94重量
%、(B)ゴム変性スチレン系樹脂1〜94重量%、お
よび(C)セルロース系物質5〜80重量%〔ただし、
(A)+(B)+(C)=100重量%〕を主成分とす
る組成物を溶融混合してなる成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料強度および低
線膨張に優れ、木質感があり、各種幅広い用途に使用可
能な成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建材分野、車両分野、サニタリー
分野などの様々な分野で、美観、高級感が要求され、天
然木材に近い色調および質感の成形体への要求が高くな
っている。このような天然木材に近い風合いを得るため
に、従来、樹脂成形品に木質の模様が施されたシートを
貼ったり、表面を塗装したり、樹脂自体に顔料の分散不
良を利用することで、木目模様を付けるなどの方法が採
られている。しかしながら、このような手段では、天然
木材の風合いを得るまでには至らず、100%樹脂であ
るため、充分な木質感が得られていない。一方、木粉、
紙などのセルロース系物質は、製材工場、木材工場、パ
ルプ製造工場などから、副生物、廃棄物として、大量に
発生し、豊富に供給されるので、様々な利用法が考えら
れている。その利用法の一つとして、セルロース系物質
を熱可塑性樹脂に配合することが挙げられる。このセル
ロース系物質は、一般に他の樹脂用充填剤に比べて安価
であり、また熱可塑性樹脂に配合することにより、低線
膨張率、木質感などの効果が期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、低線膨張に優れ、木
質感があり、各種幅広い用途に使用可能な成形体を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、
オキサゾリン基、マレイミド基、エステル基、アミド
基、アミノ基およびエーテル基の群から選ばれた少なく
とも1種の官能基を有する不飽和化合物(以下「官能基
含有不飽和化合物」ともいう)、またはこれと必要に応
じて共重合可能な他のビニル系単量体とからなる官能基
含有重合体1〜94重量%、(B)ゴム質重合体(a)
の存在下に、芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化
合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニ
ル系単量体からなる単量体成分を共重合してなるゴム変
性スチレン系樹脂、あるいは芳香族ビニル化合物または
芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合物と共重合
可能な他のビニル系単量体を(共)重合してなる重合体
と上記ゴム変性スチレン系樹脂を配合してなる混合系ゴ
ム変性スチレン系樹脂(以下「(B)ゴム変性スチレン
系樹脂」ともいう)1〜94重量%、ならびに(C)セ
ルロース系物質5〜80重量%〔ただし、(A)+
(B)+(C)=100重量%〕を主成分とする組成物
を溶融混合してなる成形体を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分に使用される
ヒドロキシル基含有不飽和化合物としては、ヒドロキシ
スチレン、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロ
キシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテ
ン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどが挙げられる。また、カルボキシル基、酸無水物
基含有重合体のカルボキシル基、酸無水物基を、ポリオ
ール成分でエステル化しヒドロキシル基化したものを、
また酸無水物基含有重合体と一般式 NH2 −R−OH (式中、Rは、炭素数2〜30の炭化水素基を示す。)
と反応させて得られるものも使用することができる。
【0006】カルボキシル基含有不飽和化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸などが挙げられる。酸無水物基含有不
飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。エポキシ基含
有不飽和化合物としては、グリシジルメタクリレート、
アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。オキサゾ
リン基含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン
などが挙げられる。マレイミド基含有不飽和化合物とし
ては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチル
マレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ドなどの、α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物
が挙げられる。
【0007】エステル基含有不飽和化合物としては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアク
リレート、ブチルアクリレート、アミノアクリレート、
ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなど
のアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、アミノメタクリレート、ヘキシルメタクリ
レート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデ
シルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フ
ェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどの
メタクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0008】アミド基含有不飽和化合物としては、アク
リルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。アミ
ノ基含有不飽和化合物としては、アクリルアミン、メタ
クリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエーテル、
メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレンなどが挙
げられる。エーテル基含有不飽和化合物としては、下記
の一般式で表されるものが用いられる。 CH2 =CH−COO−(CH2 O)n−OH (式中、nは、1〜10の整数を示す。) これら官能基含有不飽和化合物は、1種単独で、あるい
は2種以上を併用することができる。官能基含有不飽和
化合物の好ましい官能基は、(C)セルロース系物質と
の親和性の面から、ヒドロキシル基、カルボキシル基、
酸無水物基、エポキシ基である。
【0009】また、(A)成分に必要に応じて用いられ
る共重合可能な他のビニル系単量体としては、スチレ
ン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレ
ン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビ
ニルピリジン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、
ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチ
レン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフ
タレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物が挙げ
られ、特にスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニ
トリルが好ましい。これらの共重合可能な他のビニル系
単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用するこ
とができる。
【0010】なお、本発明の(A)成分には、ゴム質重
合体の存在下に、官能基含有不飽和化合物または官能基
含有不飽和化合物と共重合可能な他のビニル系単量体を
共重合したものも含まれる。ここで、ゴム質重合体に
は、後記したものがすべて含まれる。本発明の(A)成
分を得るには、通常のよく知られた重合法でよく、例え
ば乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合が用いられ
る。
【0011】(A)成分を構成する単量体成分の組み合
わせとして好ましいものは、スチレン/メタクリル酸
メチル共重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド
共重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド/無水
マレイン酸共重合体、スチレン/アクリロニトリル/
ヒドロキシル基含有不飽和化合物共重合体、スチレン
/アクリロニトリル/不飽和酸共重合体、スチレン/
アクリロニトリル/エポキシ基含有共重合体、スチレ
ン/アクリロニトリル/オキサゾリン基含有不飽和化合
物共重合体である。
【0012】上記他のビニル系単量体の量は、単量体成
分中、60重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5
0重量%以下である。なお、上記α,β−不飽和ジカル
ボン酸のイミド化合物において、上記芳香族ビニル化合
物と上記不飽和酸無水物との共重合体を、後イミド化
(完全または部分)したものも、本発明の(A)成分を
構成する単量体成分に含まれる。
【0013】本発明の(A)官能基含有重合体の使用量
は、1〜94重量%、好ましくは2〜80重量%、さら
に好ましくは5〜70重量%である。1重量%未満で
は、材料強度が劣り、一方、94重量%を超えると、線
膨張係数が大きくなり、木質感が得られなくなる。
【0014】次に、本発明の(B)成分に用いるゴム質
重合体(a)としては、例えばポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体
(スチレン含量5〜60重量%が好ましい)、スチレン
−イソプレン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン
共重合体、エチレン−α−オレフィン系共重合体、エチ
レン−α−オレフィン−ポリエン共重合体、シリコーン
系ゴム、アクリルゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素
添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加
ブタジエン系共重合体、エチレン系アイオノマーなどが
挙げられる。
【0015】また、上記スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体に
は、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロ
ック型の構造を有するものなどが含まれる。さらに、上
記水素添加ブタジエン系重合体は、上記ブロック共重合
体の水素添加物のほかに、スチレンブロックとスチレン
−ブタジエンランダム共重合体のブロック体の水素添加
物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結合含有量が2
0重量%以下のブロックと1,2−ビニル結合含有量が
20重量%を超えるポリブタジエンブロックからなる重
合体の水素添加物などが含まれる。
【0016】また、エチレン−α−オレフィン系共重合
体におけるエチレンとα−オレフィンの重量比は、95
/5/〜5/95、好ましくは95/5〜20/80、
さらに好ましくは92/8〜60/40である。エチレ
ン−α−オレフィン系共重合体のムーニー粘度(ML
1+4 、100℃)は、耐衝撃性の面から、5〜200、
好ましくは5〜100、さらに好ましくは5〜50であ
る。ここで使用されるα−オレフィンは、炭素数3〜2
0の不飽和炭化水素化合物であり、具体例としては、プ
ロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、
ヘプテン−1、4−メチルブテン−1、4−メチルペン
テン−1などが挙げられる。また、エチレン−α−オレ
フィン−ポリエン共重合体の不飽和基は、ヨウ素価に換
算して4〜40の範囲が好ましい。用いられるジエンの
種類は、アルケニルノルボルネン類、環状ジエン類、脂
肪族ジエン類であり、好ましくは5−エチリデン−2−
ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。以上のゴ
ム質重合体(a)は、1種単独でまたは2種以上で使用
される。
【0017】また、(B)成分において、単量体成分を
構成する芳香族ビニル化合物としては、上記したものが
すべて含まれる。特に、スチレン、α−メチルスチレン
が好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種単独
で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いる
こともできる。ここで使用される芳香族ビニル化合物と
共重合可能な他のビニル系単量体としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合
物が挙げられ、これらは、1種単独で使用することも、
あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0018】なお、(B)ゴム変性スチレン系樹脂とし
ては、ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化
合物または芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合
物と共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成
分を共重合してなるゴム変性スチレン系樹脂でも、ある
いは芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物およ
び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量
体を(共)重合してなる重合体と上記ゴム変性スチレン
系樹脂を配合してなる混合系ゴム変性スチレン系樹脂で
あってもよい。
【0019】上記(B)ゴム変性スチレン系樹脂中のゴ
ム質重合体(a)の割合は、好ましくは3〜80重量
%、さらに好ましくは5〜60重量%である。また、好
ましいグラフト率は、10〜200重量%である。さら
に、(B)ゴム変性スチレン系樹脂のメチルエチルケト
ン可溶部の固有粘度(メチルエチルケトンを溶媒とし、
30℃で測定)は、好ましくは0.2〜0.8dl/
g、さらに好ましくは0.3〜0.7dl/gである。
【0020】本発明の(B)ゴム変性スチレン系樹脂
は、公知の重合法である、乳化重合、懸濁重合、塊状重
合、溶液重合などで得ることができる。特に好ましく
は、乳化重合、溶液重合である。本発明の(B)ゴム変
性スチレン系樹脂の使用量は、1〜94重量%、好まし
くは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜80重量
%である。1重量%未満では、材料強度に劣り、一方、
94重量%を超えると、線膨張係数が大きくなり、木質
感が得られない。
【0021】次に、(C)セルロース系物質としては、
木粉、紙、パルプ、モミガラ、バガスなどの植物性物
質、またはこれらの粉砕品が挙げられる。(C)セルロ
ース系物質の形状としては、粉末や繊維状など、すべて
の形状が含まれる。このうち、木粉としては、種々の種
類が限定せずに使用でき、例えばエゾマツ、トドマツ、
カラマツなどのマツ類、ツガ、サクラ、スギ、ナラ、ヒ
ノキ、シナノキ、ブナ、ラワン、モミなどが挙げられ
る。これらの原木を裁断し、製材する際に発生するノコ
くずやオガクズおよび木材の細片などを破砕したものが
使用される。また、例えば竹草などの粉末および紙、パ
ルプ、もみがらなどの粉末も含まれる。さらに、これら
セルロース系物質の脱リグニン品も使用することができ
る。(C)セルロース系物質は、粉砕品で使用すること
が好ましく、特に好ましくは50メッシュパス分以下の
粉末にしたものである。本発明の組成物中の(C)セル
ロース系物質の使用量は、5〜80重量%、好ましくは
7〜70重量%、さらに好ましくは7〜60重量%であ
る。その使用量が5重量%未満では、線膨張係数が大き
く、木質感が無くなり、一方、80重量%を超えると、
材料強度が劣る。
【0022】本発明には、公知の加工助剤を配合するこ
とができる。加工助剤としては、芳香族ビニル化合物、
または芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合物と
共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分を
(共)重合して得られるポリスチレン換算の重量平均分
子量が100万以上のスチレン系樹脂、数平均分子量
(ASTM D1457−56T)が50万以上のポリ
テトラフルオロエチレン、ポリスチレン換算の重量平均
分子量が50万以上の(メタ)アクリル酸エステル系重
合体などが挙げられ、これらは、1種単独で使用するこ
とも、あるいは2種以上を混合して用いることもでき
る。その配合量は、(A)〜(C)成分の合計量100
重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.1
〜15重量部、さらに好ましくは0.2〜10重量部で
ある。
【0023】また、本発明には、公知のカップリング
剤、無機充填剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、難燃助
剤、酸化防止剤、耐候(光)剤、可塑剤、シリコーンオ
イル、ミネラルオイル、および他の各種伸展油、界面活
性剤、着色剤(顔料、染料など)、滑剤、金属粉、帯電
防止剤などの添加剤を配合することができる。
【0024】ここで、無機充填剤としては、ガラスビー
ズ、ワラストナイト、ガラスのミルドファイバー、ロッ
クフィラー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリ
ン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィ
スカー、ガラスバルーン、セラミックバルーンなどが挙
げられ、これらは、1種単独で使用することも、あるい
は2種以上を混合して用いることもできる。好ましく
は、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、チタン酸カリ
ウムウィスカーである。無機充填剤は、本発明の(C)
セルロース系分子量と併用することで、さらに高い効果
が得られる。無機充填剤の使用量は、(A)〜(C)成
分の合計量100重量部に対し、1〜100重量部、好
ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜60重
量部である。その使用量が100重量部を超えると、材
料強度が劣る。
【0025】また、可塑剤としては、配合する樹脂のガ
ラス転移温度を下げる効果のある化合物すべてが含まれ
るが、特にエーテル系、エステル系、アルコール系が好
ましい。さらに、滑剤としては、少なくとも1種の官能
基を有する平均分子量300〜10,000の化合物ま
たは重合体がすべて含まれる。
【0026】本発明の成形体は、各種押し出し機、バン
バリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用い、各成分
を混練りすることによって得られたペレットを、下記各
種成形法で成形される。好ましい製造方法は、押し出し
機を用いる方法である。また、各成分を混練りするに際
しては、各成分を一括混練りしてもよく、多段添加方式
で混練りしてもよい。
【0027】本発明の成形体は、射出成形、シート押し
出し、真空成形、異形成形、発泡成形、インジェクショ
ンプレス、ガスアシスト成形、プレス成形、ブロー成形
などの成形法によって成形することができる。特に、本
発明は、発泡成形に優れる。ここで使用される発泡剤お
よび発泡方法については、公知の方法で行うことができ
る。発泡剤としては、物理発泡剤または化学発泡剤が使
用できる。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、チッ
素ガスなどの無機系、ブタン、ペンタン、ヘキサン、フ
ロンなどの有機系が使用できる。また、化学発泡剤とし
ては、重炭酸ナトリウム+酸、重炭酸塩、炭酸塩などの
無機系があり、また有機系としては、イソシアネート化
合物、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド
化合物、アジド化合物、ニトロソ化合物、トリアゾール
化合物などが挙げられる。
【0028】上記成形法によって得られる本発明の各種
成形体は、その優れた性質を利用して、雨樋、玄関化粧
カバー、床下換気口などの住宅外装部品、インテリアド
アユニット、クロゼット折戸ユニット、幅木、畳寄せ、
回り縁、造作材、敷居すべり、窓額縁、階段手すり、手
すり、床材、壁板、天井板、窓やドアなどの枠材、アル
ミサッシの化粧枠、化粧用フィルム、扉取っ手、障子の
桟、欄間、柱などの住宅内装材、化粧シート、化粧板、
落とし込み、引き出し、机、流し台回りの前面扉、棚
板、側板、ベットバンパー、ベットサイドキャビネッ
ト、家具、テーブル、椅子、各種ケース、仏壇、照明器
具パーツ、額縁などの家具用部材として、各種ハウジン
グ、オーディオ関連のヘッドホン、スピーカー部材など
のOA・家電分野、ドアトリム、ボディーサイドトリ
ム、フロアコンソール、インストルメンタルパネルなど
の内装部材、外装部材などの車両・船舶分野、浴室のタ
オルバー、ハンドバー、洗面台の前面扉、側板、洗濯機
防水バン、トイレ内の手すり、便座などのサニタリー分
野、パチンコ台の台枠、外枠、台枠ベース、パチンコ内
装の島部材などの玩具・スポーツ用品分野、鉛筆、ボー
ルペン、定規、筆箱などの文具分野、そのほか碗皿類、
箸、スプーン、盆、トレー、重箱、まな板、ボタン、ス
イッチ、各種板材の雑貨などの幅広い分野に使用するこ
とができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、実施例中、部および%は特に断らない限り重
量基準である。また、実施例中の各種評価は、次のよう
にして測定した値である。
【0030】材料強度、線膨張係数、木質感 押し出し成形で幅木を成形し、試験片とした。材料強度
は、得られた試験片を用い、ASTM D790に準じ
て曲げ試験を行い、曲げ破断エネルギーを測定した。線
膨張係数は、20〜40℃の範囲の線膨張係数を測定し
た。木質感は、目視で下記基準で評価した。 ○;木質感あり ×;木質感なし。
【0031】参考例 実施例に用いた各成分は、下記のとおりである。官能基含有重合体(A)−1〜3の調製 本発明の(A)成分を構成する単量体成分を重合し、官
能基含有重合体を得た。これらの重合体の構成を表1に
示す。
【0032】
【表1】
【0033】ゴム質重合体(a)−1〜4の調製 本発明のゴム変性スチレン系樹脂に用いられゴム質重合
体(a)を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】ゴム変性スチレン系樹脂B−1〜4、スチ
レン系樹脂(b)−1の調製 上記ゴム質重合体(a)−1〜4の存在下または非存在
下に、単量体成分を重合し、スチレン系樹脂をそれぞれ
得た。これらの樹脂の組成を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】なお、表3中、*印は、固形分換算であ
る。また、樹脂B−1,B−4は、乳化重合で得た。樹
脂B−2,B−3,(b)−1は、溶液重合で得た。
【0038】セルロース系物質C−1〜2の調製 C−1(木粉);マツ/ツガ=50/50(重量比)の
割合で混合した粉砕品で、100メッシュパスしたもの
を用いた。 C−2(セルロースファイバー);PPC用紙を粉砕
し、繊維状にしたものを使用した。
【0039】その他の成分 D−1(滑剤);ステアリン酸ステアリルを用いた。 D−2(発泡剤);アゾジカルボンアミドを用いた。 D−3(加工助剤);三菱レイヨン(株)製、メタブレ
ンP531を用いた。 D−4(無機充填剤);日本タルク(株)製、ミクロエ
ースK1を使用した。
【0040】実施例1〜10、比較例1〜4 上記各成分を、水分率0.1%以下までそれぞれ乾燥
し、表4〜6の配合処方で混合し、押し出し機を使用し
て180〜200℃で溶融混練りし、ペレット化した。
得られたペレットを、押し出し成形により平板を成形
し、材料強度および線膨張係数評価用試験片をとし、上
記評価方法で評価した。結果を表4〜6に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】表4〜5から明らかなように、本発明によ
って得られる実施例1〜10は、すべて材料強度および
低線膨張に優れている。これに対し、表6から明らかな
ように、比較例1は、本発明の(A)成分の使用量が本
発明の範囲外で少ない例であり、材料強度が劣る。比較
例2は、本発明の(A)成分の使用量が本発明の範囲外
で多く、(C)成分の使用量が本発明の範囲外で少ない
例であり、線膨張係数が劣り、木質感が得られない。比
較例3は、本発明の(B)成分の使用量が本発明の範囲
外で少ない例であり、材料強度が劣る。比較例4は、本
発明の(B)成分の使用量が本発明の範囲外で多く、
(C)成分の使用量が本発明の範囲外で少ない例であ
り、線膨張係数が劣り、木質感が得られない。比較例5
は、本発明の(C)成分の使用量が本発明の範囲外で多
い例であり、材料強度が劣る。
【0045】
【発明の効果】本発明の成形体は、木質感があり、材料
強度に優れた低線膨張材料であり、広範囲の用途、例え
ばOA・家電分野、車両・船舶分野、家具・建材などの
住宅関連分野、サニタリー分野、玩具・スポーツ用品分
野、そのほか雑貨などの幅広い分野に使用することがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ヒドロキシル基、カルボキシル
    基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、マレイ
    ミド基、エステル基、アミド基、アミノ基およびエーテ
    ル基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する
    不飽和化合物、またはこれと必要に応じて共重合可能な
    他のビニル系単量体とからなる官能基含有重合体1〜9
    4重量%、(B)ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香
    族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物および芳香族
    ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量体からな
    る単量体成分を共重合してなるゴム変性スチレン系樹
    脂、あるいは芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化
    合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニ
    ル系単量体を(共)重合してなる重合体と上記ゴム変性
    スチレン系樹脂を配合してなる混合系ゴム変性スチレン
    系樹脂1〜94重量%、ならびに(C)セルロース系物
    質5〜80重量%〔ただし、(A)+(B)+(C)=
    100重量%〕を主成分とする組成物を溶融混合してな
    る成形体。
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