JP2005162819A - ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 - Google Patents

ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】
廃棄されたポリカーボネート樹脂を有効に使用し得るポリカーボネート系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
(a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有することを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物であり、(a)ポリカーボネート樹脂として、回収したポリカーボネート樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリカーボネート系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、廃棄されたポリカーボネート樹脂を有効に使用し得るポリカーボネート系樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート(以下、PCと略すことがある。)樹脂は、耐熱性、耐衝撃性などに優れていることから種々の用途に用いられているが、成形加工温度が高く、流動性が悪いこと、衝撃強度の厚み依存性が大きいことなどの欠点を有している。
そこで、PC樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(以下、ABSと略すことがある。)系樹脂をブレンドし、これらの問題点を解決しようとする試みがなされている。
一般に、ポリカーボネート樹脂は、透明性、易成形性、耐熱性、耐衝撃性に非常に優れたエンジニアリングプラスチックとして幅広く使用されており、特に上記の性能を活かして、ヘッドランプレンズ、テールランプレンズ、サイドカバーレンズおよびグレージング材料といった自動車用途に多く用いられている、これらの中でも、ヘッドランプレンズについては、自動車の燃費向上のための軽量化、デザインの多様性などから、好適に使用されている。
このような用途で市場に出回った後、ある程度の耐久期間が過ぎると新製品との代替などに伴って、ポリカーボネート組成物成形品は、通常、廃棄されていた。
また、成形時などに発生するスプルー、ランナーなどの成形端材やリサイクル可能な成形不良品などは、一部はいわゆる工場内リサイクルとして処理されていたものの、大部分は、破棄処分されていた。
廃棄物処理の点から、廃棄されていたポリカーボネート成形品は、再使用すれば、資源の有効利用の観点より、その効果は大きい。特に、ポリカーボネートはヘッドランプなどの自動車用途に使用され、市場規模の点から、その量が多く、廃ヘッドランプからポリカーボネートを回収しリサイクルできれば、その価値は非常に高まる。
また、環境保護に対する意識・要求が高まるなか、国内においてもリサイクルに関する規制・法律が制定されてきている。特にテレビに対しては家電リサイクル法・グリーン購入法・資源有効利用促進法などメーカーに対する要求が日増しに高くなってきている。さらに、樹脂材料メーカーの責任も大きくなってきている。
このため、本発明は、従来廃棄されていたヘッドランプなどの自動車用途に使用されていたポリカーボネート樹脂を有効利用し、かつ、従来のポリカーボネート系樹脂組成物と同等以上の成形加工性、耐衝撃性、寸法精度および難燃性などの物性を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、このような回収ポリカーボネート樹脂の再利用について検討したところ、ABS樹脂としてポリカーボネート系アロイ樹脂組成物とすれば、従来のポリカーボネ
ート系樹脂組成物と少なくとも同等の物性を有する組成物および成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係るポリカーボネート樹脂組成物は、
(a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有することを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物であり、
(a)ポリカーボネート樹脂として、回収したポリカーボネート樹脂を含むことを特徴としている。
回収したポリカーボネート樹脂が、市場で製品もしくは製品の一部として一定期間使用されたあるいはそのすべての生産工程から発生するいわゆる不良品、返却品の(a)ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
回収したポリカーボネート樹脂が、自動車ヘッドランプ、押出しシート、フィルム、コンパクトディスク、医療用機器、半導体実装品から回収されたものからなる群から選択される少なくとも一種の回収材であることをが好ましい。
回収したポリカーボネート樹脂が、自動車ヘッドランプから回収されたものであることが好ましい。
(a)ポリカーボネート樹脂中に含まれる、回収したポリカーボネート樹脂の割合が、0.5〜100重量%の範囲にあることが好ましい。
上記ポリカーボネート系樹脂組成物が、さらにゴム状物質、繊維状フィラー、非繊維状フィラー、オレフィン系ポリマー、脂環式飽和炭化水素樹脂、高級脂肪酸エステル、テルペン類、ワックス類、石油炭化水素類、芳香族炭化水素系石油樹脂、ポリオキシアルキレン、フッ素系樹脂、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有していてもよい。
本発明に係る成形体は、前記ポリカーボネート系樹脂組成物からなる。
上記成形体が、家電、OA機器、電子電気部品、建材、日用品、玩具、ゲーム機器、雑貨類、自動車部品、パイプ類、通信機器、情報管理伝達部品からなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明によれば、従来、廃棄され、埋め立てや焼却処分されていた、ヘッドランプなどの自動車用途に使用されてきた使用済みポリカーボネートを、再使用できるので、資源の有効利用の観点より、その効果は大きい。また、本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、バージン材を使用して製造したものと同等以上の物性(アイゾッド衝撃強度、熱変形温度、難燃性、成形加工性バランスを有している。
以下、本発明に係るポリカーボネート系樹脂組成物について、具体的に説明する。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、回収物を含む(a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有することを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物である。
以下、各項目に分けて本発明を説明する。
[成分(a):ポリカーボネート樹脂]
本発明で用いられる成分(a)のポリカーボネート樹脂は、公知のホスゲン法または溶融法により製造されるものであり(例えば、特開昭63−15763号公報および特開平2−124934号公報参照)公知のポリカーボネートが使用可能である。また、成分(a)として、共重合ポリカーボネートを用いることもできる。成分(a)は、上記のポリカーボネートを組み合わせて用いることもできる。さらに、用いるポリカーボネートの末端は、公知のいずれの末端封止剤で封止されてもよい。成分(a)として、脂肪族、芳香族および脂肪芳香族ポリカーボネートを用いることができるが、好ましくは芳香族ポリカーボネートが使用される。
本発明の成分(a)として使用できる共重合ポリカーボネートは、下記式(I)および下記式(II)で示される構成単位を有するものを挙げることができる。
Figure 2005162819
(上記式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または一価の炭化水素基であり、Bは −(R−)C(−R')− [ここで、RおよびR'はそれぞれ独立して水素原子または1価の炭化水素基である。]、−C(=R")−[ここでR"は2価の炭化水素基である。]、−O−、−S−、−SO−または−SO2−であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基もしくはそのハロゲン化物またはハロゲン原子であり、p、qおよびrは、それぞれ独立して0〜4の整数である。)まず、上記式(I)で示される構成単位は、ジフェノール成分およびカーボネート成分よりなる。ジフェノール成分を導入するために使用できるジフェノールを下記式(III)に示す。
Figure 2005162819
(上記式中、R1、R2、B、pおよびqは、上記と同義である。)
本発明において使用されるジフェノールとしては、例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆる、ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロ
キシ-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類;4,4'-ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフ
ィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシ
ジアリールスルホキシド類;4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'- ジヒドロキ
シ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類などが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの化合物を1種または2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのうちでは、特に、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンの使用が好ましい。
また、カーボネート成分を導入するための前駆物質としては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどの炭酸ジエステル、およびホスゲンなどのハロゲン化カルボニル化合物などが挙げられる。また、これらの化合物を1種または2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの中では、特に、ジフェニルカーボネートの使用が好ましい。
次に、上記式(II)で示される構造単位は、ジフェノール成分、レゾルシンおよび/または置換レゾルシン成分並びにカーボネート成分よりなる。ジフェノール成分の導入については、上記と同様のジフェノールを使用できる。またカーボネート成分としては、上記の炭酸ジエステルまたはホスゲンを使用できる。さらに、レゾルシンおよび/または置換レゾルシン成分を導入するためには、下記式(IV):
Figure 2005162819
(ここで、R3およびrは上記と同義である。)
で示される化合物を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。このような化合物としては、例えば、レゾルシン、および3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロピルレゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テトラブロモレゾルシンなどの置換レゾルシンなどが挙げられる。これらのうち、特に、レゾルシンの使用が好ましい。
共重合ポリカーボネートは、式(I)および式(II)で示される上記の2種の構成単位を次の割合で有している。すなわち、式(II)で示される構成単位の量が、式(I)および式(II)の合計量の2〜90モル%、好ましくは2〜40モル%である。式(II)の構成単位量が2モル%より少ないとガラス転移温度(Tg)の低下が不十分であるので、流動性の改良効果がみられない。また、90モル%より多いと従来のポリカーボネートと同等の優れた物性、例えば、機械的強度、耐熱性などが得られない。
共重合ポリカーボネートの重量平均分子量は、通常10,000〜100,000、好ましくは18,000〜40,000である。ここでいう重量平均分子量とは、ポリカーボネート用に補正されたポ
リスチレンを用いて、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定されたものである。(また、メチレンクロリド中、25℃で測定した固有粘度が、0.35〜0.65 dl/g であるものが好ましい。)共重合ポリカーボネートは、公知のポリカーボネートの製造方法、例えば、ホスゲンを用いる界面重合法、溶融重合法などによって製造できる。特に溶融重合法は毒性物質であるホスゲンや塩化メチレンなどを用いないので、環境衛生上、好ましい。
溶融重合反応の際の温度、圧力などの条件は任意であり、公知の慣用の条件を用いることができる。具体的には、好ましくは 80〜250 ℃、より好ましくは 100〜230 ℃、特に
好ましくは 120〜190 ℃の温度で、好ましくは0〜5時間、より好ましくは0〜4時間、特に好ましくは0〜3時間、常圧下で、ジフェノールおよび上記式(IV)で示される化合物と炭酸ジエステルとを反応させる。次いで、反応系を減圧にしながら反応温度を高めて反応を行い、最終的には5mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下の減圧下、 240〜320 ℃の温度で、ジフェノールおよび上記式(IV)で示される化合物と、炭酸ジエステルとの反応を行うことが好ましい。
上記のような重縮合反応は、連続式で行ってもよく、バッチ式で行ってもよい。また、上記反応を行う際に使用する反応装置は、槽型であっても、管型であっても、また、塔型であってもよい。また、この溶融重合法によれば、得られる共重合ポリカーボネートにおける構造単位(II)が(I)および(II)の合計の90モル%を超えるような割合で、すなわちレゾルシンおよび/または置換レゾルシンを、ジフェノール100モルに対して、90モルを超えるような量で使用しても、他の方法、例えば、界面重合法などに比べて、色相、耐水性、耐熱性の優れた共重合ポリカーボネートが得られる。
また、共重合ポリカーボネートは、その末端がフェノールであっても十分な耐衝撃強度を有するが、p-tert-ブチルフェノール、イソノニルフェノール、イソオクチルフェノー
ル、m-またはp-クミルフェノール(好ましくは、p-クミルフェノール)、クロマニル化合物、例えば、クロマンのような、より嵩高い末端基を導入すると、より低温衝撃性の優れた共重合ポリカーボネートを得ることができる。
成分(a)がポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネートの2種以上を含む場合には、各ポリカーボネートの配合比率は任意である。
[成分(b):アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂]
本発明で用いられる成分(b)のABS系樹脂とは、(1)ゴム質重合体、(2)芳香族ビニル単量体成分および(3)シアン化ビニル単量体成分を含む共重合体である。
本発明で使用される(1)ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合
体などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン−ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−メチルメタクリレート、エチレン−ブチルアクリレートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体などのエチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマー、ブチレン−イソプレン共重合体などが挙げられ、これらを1種または2種以上で使用する。好ましいゴム質重合体は、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマーおよびジエン系ゴムであり、特に好ましくは、ポリブタジエンおよびスチレン−ブタジエン共重合体であり、このスチレン−ブタジエン共重合体中のスチレン含有率は、50重量%以下であることが好ましい。
(2)芳香族ビニル単量体成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o-,m-もしくは p-メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p-tert-ブチルスチレ
ン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、これらを1種または2種以上使用する。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。
(3)シアン化ビニル単量体成分としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを挙げることができ、これらを1種または2種以上使用する。本発明における成分(b)のABS系樹脂には、上記の成分(1)、(2)および(3)の他に、これらの成分と共重合可能な単量体(4)を本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。そのような共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸無水物類;マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-o-クロロフェニルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類などを挙げることができ、これらの単量体は、1種または2種以上で使用される。
成分(b)のABS系樹脂において、各成分(1)、(2)および(3)の組成比は特に制限はなく、用途に応じて各成分が配合される。また、ABS系樹脂としては、(1)ゴム質重合体の存在下にその他の成分がグラフト共重合したグラフト共重合体、または、このグラフト共重合体と、(2)芳香族ビニル単量体および(3)シアン化ビニル単量体との共重合生成物とのブレンドなどが好ましく、さらに好ましくは、ABS樹脂、AES樹脂であり、特に好ましくは、ABS樹脂である。
成分(b)のABS系樹脂の製造法に関しては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合など通常公知の方法が用いられる。また、別々に共重合した樹脂をブレンドすることによって成分(b)のABS系樹脂を得ることも可能である。
[アロイ樹脂]
本発明で用いられる(a)PC樹脂および上記(b)ABS系樹脂からなるアロイ樹脂は、通常、PC樹脂を30〜90重量%、好ましくは50〜90重量%、ABS系樹脂を10〜70重量%、好ましくは10〜50重量%含有するアロイ樹脂である。
本発明では、このうちPC樹脂として、市場で製品もしくは製品の一部として一定期間使用された(a)ポリカーボネート樹脂が使用される。
回収ポリカーボネートとしては、たとえば、テレビ、ビデオテープ、ビデオカメラなどの家電製品、複写機などのOA機器、トレイなどのほかに、ヘッドランプレンズ、テールランプレンズ、サイドカバーレンズおよびグレージング材料といった自動車用成形品、さらに、コンパクトディスク、MD、DVDディスクなどの記録媒体などから回収されたものが挙げられる。
具体的には、回収したポリカーボネート樹脂が、自動車ヘッドランプ、押出しシート、フィルム、コンパクトディスク、医療用機器、半導体実装品から回収されたものからなる群から選択される少なくとも一種の回収材が、市場規模およびリサイクルという点で好適である。
特に回収したポリカーボネート樹脂が、自動車ヘッドランプから回収されたものがより好適である。
回収されたポリカーボネートは、廃成形体から回収された回収樹脂の他に、樹脂の製造過程で生成した規格外樹脂(たとえば、銘柄変更や運転初期等によって生成する規格外品)、成形時に発生した屑、スプール、成形規格外品、耐用年数を過ぎた成形品などでもよい。
このような廃樹脂成形体には、耐熱、耐候安定剤、離型剤、無機有機充填剤、難燃剤、粘度調整剤などの一般に公知の添加剤を含んでいてもよく、また触媒などが含まれていてもよい。さらには、また表面がメッキされているもの、ハードコートなどの塗装されているものであってもよい。
用途によっては、これらを除去せずそのまま含有した廃樹脂を使用しても良い。
たとえば、ポリカーボネート成形品の表面に、厚さ1μm〜50μmの範囲のハードコートが付与された自動車ヘッドランプレンズを再生する場合、粉砕物の形状で、15mmメッシュ以下の大きさであれば、得られる樹脂組成物および成形品の物性に大きな影響を及ぼすことはない。
このような廃樹脂成形体は、粉砕され、スクリーンメッシュを通すことにより、廃樹脂に含まれる異物を取り除くことが好ましい。スクリーンメッシュを通すプロセスとしては、廃プラスチックスの粉砕選別工程や再ペレット化の押し出し溶融混練時が挙げられる。このプロセスのうち、どちらか一方行うだけでもよいし、より異物の除去が必要な場合は2つのプロセスで共にスクリーンメッシュを通しても良い。メッシュの目開き径は、必要度により異なるがJIS規格による10メッシュ以上が良い。また、廃樹脂成形体の粉砕物は、そのまま組成物調製用に使用できるが、粉砕品の形状によっては、押し出しの際にフィーダー工程で問題が生じたり、押し出し自体が不安定になる等、生産性に影響を及ぼすことがある。このため、長手方向で30mm以下まで粉砕しておくことが望ましい。
また、必要に応じて、リモネンなどの可溶性溶媒を用いても、樹脂分を抽出してもよい。
また廃樹脂成形体は一般的に埃や油等の環境物質が付着していることがあるので、エアー吹きによる乾式洗浄法、水や有機溶剤、界面活性剤を使用する湿式洗浄法で表面を洗浄していてもよい。
廃樹脂成形体には用途や回収ルートによって金属破片が含まれることがある。金属破片はコンタミとしてリサイクル材としての特性を損なうだけでなく、成形時に使用される押
し出し機にも大きなダメージを与えることがある。このため、公知の金属検知器で金属不純物を排除しておいてもよい。
(a)ポリカーボネート樹脂中に含まれる、回収したポリカーボネート樹脂の割合が、0.5〜100重量%(100%の場合は回収したポリカーボネートのみ)、さらには、
1.0〜99.5重量%の範囲にあることが望ましい。
このような範囲にあれば、資源の有効利用が図れる。なお、残りは未使用のポリカーボネートバージン材が使用される。
[ポリカーボネート系樹脂組成物の製造]
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物を製造するための方法に、特に制限はなく、公知の方法が使用可能であり、通常、溶融混合法が好適に採用される。少量の溶剤の使用も可能であるが、一般に必要はない。装置としては、特に押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダーなどを例として挙げることができる。これらの装置を回分的または連続的に運転することができる。また、成分の混合順序は特に限定されない。
例えば、押出機などで溶融混練する場合、各成分をすべて配合して混練してもよいし、一つの押出機において複数のフィード口を設け、シリンダーに沿って1種以上の各成分を順次フィードしてもよい。溶融混練により得られた樹脂組成物は、そのまま直ちに本発明による成形体の製造に使用してもよく、あるいは冷却固化してペレット、粉末などの形態にした後、必要に応じて添加剤を添加し、再度溶融してもよい。
添加剤としては、具体的に、使用目的に応じて一般的にポリカーボネートに添加される添加剤を広く挙げることができ、難燃剤、耐熱安定剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤などを挙げられる。
たとえば、本発明で用いられる難燃剤としては、リン系、シリコーン系または金属塩系難燃剤などが挙げられる。
リン系難燃剤としては、公知のリン酸エステル化合物を使用することができ、例えば、下記式(c-1)で表されるリン酸エステル化合物が好適に使用できる。
Figure 2005162819
(上記式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、独立して炭素数1から6のアルキル基を表し、m1
、m2、m3、m4は、独立して0から3の整数を表す。n2は、0から3の整数を示し、
Zは芳香環を含む基を表す。)
このリン酸エステル化合物の具体例としては、トリフェニルフォスフェート、トリスノニルフェニルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェート)、レゾ
ルシノールビス[ジ(2,6-ジメチルフェニル)フォスフェート]、2,2-ビス{4-[ビス(フェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン、2,2-ビス{4-[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパンなどが挙げられるがこれらに制限されない。
さらに、上記以外のリン系難燃剤としては、例えば、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、ジイソプロピルフェニルフォスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤、ジフェニル−4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモベンジルフォスフォネート、ジメチル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルフォスフォネート、ジフェニル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルフォスフォネート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリス(クロロプロピル)フォスフェート、ビス(2、3−ジブロモプロピル)−2、3−ジクロロプロピルフォスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)フォスフェートおよびビス(クロロプロピル)モノオクチルフォスフェート、ハイドロキノニルジフェニルフォスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルフォスフェート、テトラフェニルレゾルシノールジフォスフェート、テトラクレジルビスフェノールAジフォスフェート、トリス(ノニルフェニル)フォスフェートなどの含ハロゲンリン酸(またはフォスホン酸)エステル系難燃剤;ポリリン酸塩;赤リンなどを使用することもできる。
シリコーン系難燃剤としては、以下に示す4つのシロキサン単位(M単位、D単位、T単位、Q単位)の少なくともいずれかが重合してなるポリマーが使用される。
Figure 2005162819
上記のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などのアルキル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基などのアルケニル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基などのアリール基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換した基、例えば、クロロメチル基、3,3,3‐トリフルオロプロ
ピル基、シアノメチル基、γ-アミノプロピル基、N-(β-アミノエチル)−γ-アミノプロピル基などが例示され、合成と入手のしやすさ、安全性の観点で、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。
特に、Rとしてアリール基(フェニル基)を含有していると、難燃効果を向上させることができる。また、Rとしてアルコキシ基を含んでいてもよく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく用いられる。このようなシリコーン系難燃剤の重
量平均分子量は、300〜6000、好ましくは300〜4000、さらに好ましくは300〜2500の範囲にあることが望ましい。アルコキシ基含有オルガノシロキサンは、実質的にシラノール基(SiOH)を含んでいないことが望ましい。
金属塩系難燃剤としては、下記式(V)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩が使用される。
(CnF2n+1−SO3)m−M (V)
(式中、nは1〜10の整数を示し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示し、mはMの価数と同じ整数を示す。)で表される塩を意味する。
パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。このようなパーフルオロアルカンスルホン酸の具体例としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロメチルブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸などが挙げられ、特に炭素数[式(V)中のnの数]が1〜8のものが好ましい。
また、上記式(V)においてMで示されるアルカリ金属またはアルカリ土類金の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなど(以上アルカリ金属)や、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど(以上アルカリ土類金属)が挙げられ、特にカリウムが好ましい。上記の難燃剤は、2種以上組み合わせて使用してもよい。
このようにして製造されたポリカーボネート組成物は、必要に応じてペレタイズされ、各用途に用いられる。
[成形体]
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、従来のポリカーボネート系樹脂組成物に対して適用されてきた成形法が、特に制限なく適用可能である。成形法としては、射出成形、押出成形、真空・圧空成形などの公知の成形法が採用できる。
このような本発明に係るポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形体は、家電、OA機器、電気電子部品、建材、日用品、玩具、ゲーム機器、雑貨類、自動車部品、パイプ類、通信機器、情報管理伝達部品からなる群から選択される1種以上の成形体として、特に好適である。家電、OA機器、電気電子部品としては、テレビハウジング、テレビシャーシー、デフレションヨーク、他のテレビ部品、ACアダプター、電源ボックス、エアコン部品、オーディオ部品、照明カバー、モニターハウジング、モニターシャーシー、ノート型PCハウジング、ノート型PCバッテリー、液晶プロジェクターハウジング、PDAハウジング、アンテナカバー、プリンターハウジング、プリンターシャーシー、トナーカートリッジ、インクタンク、給紙用トレイ、スキャナーハウジング、スキャナーフレーム、携帯電話ハウジング、携帯電話バッテリーなどが挙げられる。
建材、日用品、玩具、ゲーム機器、雑貨類としては、浴槽部材、シャワーヘッド、ポンプハウジング、空気清浄機部品、サイジング、台所用品、パイプ類、雨樋、遮音壁、窓枠、サッシ、信号機部品、パチンコ部品、おもちゃ類、TVゲーム機器、スポーツ用品、公園遊具、釣具、パイプ類、食品容器、化粧品容器、機械カバーなどが挙げられる。
情報通信機器、通信部材類としては、ターミナルアダプター、ルーター、モデム、ケーブルガイド、デジタルカメラ周辺部品、フラッシュメモリーカード部品などが挙げられる
。また、自動車部品としては、インストルメントパネル、センタークラスター、メータークラスター、グローブボックス、エアバッグ、デフロスターガーニッシュ、エアーダクト、ヒーターコントロール、ステアリングコラムカバー、ニーボルスター、エアーデフロスター、ドアトリム、サンシェード、リアパーセルシェルフ、ピラーカバー、ピラーインパクトアブソーバー、ボンネットエアースコープ、ラジエターグリル、ヘッドランプ部品、シグナルランプ部品、フォグランプ部品、バンパー、ヘッドランプフィニッシャー、ライセンスプレートフィニッシャー、フェンダー、ドアハンドル、ドアミラー、ドアパネル、リアクオーターパネル、リアコンビネーションランプ部品、テールゲートパネル、ラゲッジルームトリム、ホイールカバー、サイドリアカバー、センターキャップ、スポイラー、リアフィニッシャーなどが挙げられる。
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
本発明の実施例および比較例には、各成分として、以下のものを使用した
成分(A):PC/ABSアロイ樹脂
成分(a):ポリカーボネート樹脂として、ビスフェノールAとホスゲンとからホスゲン法にて製造された、日本ジーイープラスチックス(株)社製のポリカーボネート1(極限粘度:0.56、極限粘度は、オストワールド粘度計を用い塩化メチレンを溶媒として25℃で測定された値)とポリカーボネート2(極限粘度:0.41、極限粘度は20℃で測定された値)との25:75の割合の混合物を用いた。
成分(b):アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂として、日本A&L社製のABS樹脂(商標:SANTAC AT07)を使用した。
成分(B):難燃剤
難燃剤として、大八化学工業(株)社製のビスフェノールAビスフォスフェート(商標:CR741)を使用した。
成分(C):回収ポリカーボネート樹脂
ポリカーボネート樹脂製である自動車用ヘッドランプレンズカバーを回収し、粉砕機を用いて5〜5mm程度の大きさまで粉砕した。常温の水で洗浄した後、エアー乾燥を行った。その後、金属検知器を通し、混入している金属の除去を行って各実施例に用いた。
成分(D):安定剤
旭電化社製のトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(商標:ADK
STAB 2112)と、オクタデシル−3(3',5’−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキ
シルフェニル)プロピオネート(商標:ADK STAB A0−50)とを1:1の割合で混合したものを使用した。
成分(E):ドリップ防止剤として上海/サンケミカル(株)社製のポリテトラフルオロエチレン(商標:PTEF FR301B)を使用した。
成分(F):離型剤として、日本油脂社製(株)のPentaerythritol tetrastearate (商
標:ユニスターF538) を使用した。
実施例1〜5、比較例1〜3
表1に示す量の各成分を、二軸押出混練機(スクリュー径50mm)を用いて、バレル設定温度260℃にて溶融混練し、ペレット(3mm×3mm)を作成した。得られたペ
レットから射出成形により各種試験片を作成し、以下の評価を行った。
アイゾッド衝撃強度:ASTM D256に従い、厚み3.2mm、ノッチ付で行った。
熱変形温度:ASTM D648に従い、18.6Kg/cm2荷重で測定を行った。
メルトフローインデックス:ASTM D1238に従い測定を行った。測定はシリンダー温度260℃、2.16kg荷重にて行った。
難燃性:アンダーライターズラボラトリーズインコーポレーションの“材料分類のための燃焼試験”(UL94)に示される試験方法に従って測定した。厚み1.6mmの試験片を用いて5回測定を行った。1個の試験片について、10秒の接炎の後に燃焼時間を計測するという操作を2回繰り返した。難燃性の結果をUL94に規定されている方法で、V−0,V−1,V−2,HBに分類した。
結果を表1にあわせて示す。
Figure 2005162819
上記表より、自動車用ヘッドランプを回収したポリカーボネート樹脂を使用しても、バ
ージン材のポリカーボネート樹脂を使用したものと比べて特性的に何ら変わるところがないアロイ樹脂組成物を得ることができる。

Claims (8)

  1. (a)ポリカーボネート樹脂と(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂とからなるアロイ樹脂を含有することを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物であり、(a)ポリカーボネート樹脂として、回収したポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物。
  2. 回収したポリカーボネート樹脂が、市場で製品もしくは製品の一部として一定期間使用された回収品、あるいはそのすべての生産工程から発生するいわゆる不良品、返却品のポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
  3. 回収したポリカーボネート樹脂が、自動車ヘッドランプ、押出しシート、フィルム、コンパクトディスク、医療用機器、半導体実装品から回収されたものからなる群から選択される少なくとも一種の回収材であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
  4. 回収したポリカーボネート樹脂が、自動車ヘッドランプから回収されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
  5. (a)ポリカーボネート樹脂中に含まれる、回収したポリカーボネート樹脂の割合が、0.5〜100重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポ
    リカーボネート系樹脂組成物。
  6. 上記ポリカーボネート系樹脂組成物が、さらに難燃剤、ゴム状物質、繊維状フィラー、非繊維状フィラー、オレフィン系ポリマー、脂環式飽和炭化水素樹脂、高級脂肪酸エステル、テルペン類、ワックス類、石油炭化水素類、芳香族炭化水素系石油樹脂、ポリオキシアルキレン、フッ素系樹脂、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形体。
  8. 上記成形体が、家電、OA機器、電子電気部品、建材、日用品、玩具、ゲーム機器、雑貨類、自動車部品、パイプ類、通信機器、情報管理伝達部品からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の成形体。
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