JP6392657B2 - 発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡粒子及び発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子及び発泡成形体に関する。
汎用されている発泡成形体として、熱可塑性樹脂であるポリスチレン系樹脂製の発泡成形体がある。この発泡成形体は、ポリスチレン系樹脂が、高い発泡倍率で発泡できるため、軽量、高剛性等の良好な特性を有している。また、ポリスチレン系樹脂製の発泡成形体は、緩衝特性、回復性、柔軟性等の特性が劣るため、そのような特性を改善するために、その他の熱可塑性樹脂であるポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂製の発泡成形体も汎用されている。
近年、技術の発展に伴って、あらゆる素材で軽量性が求められている。そのため、高い軽量性の発泡成形体の用途が広がってきている。例えば、軽量化を目的に自動車の内装材のような自動車部材としての使用量が増えている。特に、電気自動車では、その重量の大小が走行距離の長短に大きく影響するため、部材の軽量化が特に求められている。このような用途の広がりに伴い、発泡成形体に高い耐熱性が求められることが増えている。特に、自動車部材では、高い耐熱性が求められる。ここで、ポリプロピレン系樹脂は耐熱性が比較的高いことで知られているため、自動車部材として、バンパー、ツールボックス、床材、サンバイザー等にポリプロピレン系樹脂製の発泡成形体が多用されている。
ところで、ポリスチレン系樹脂及びオレフィン系樹脂よりも一般的に耐熱性が高い樹脂として、ポリカーボネート系樹脂が知られている。これは、日本以外の国でも、また乾燥地帯や熱帯地帯等の過酷な気候の場所でも利用可能な樹脂である。ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性に優れているだけでなく、耐水性、電気特性、機械的強度、耐老化性及び耐薬品性にも優れていることが知られている。そのため、ポリカーボネート系樹脂の発泡成形体は、建造物の内装材としてよく用いられている。
しかしながら、ポリカーボネート系樹脂は、押出発泡法により形成されたシート及びボード等の表面が平滑でかつ単純な構造体の形態で用いられることが多い。複雑な構造体の形態を得るにはシートやボードを異形成形することが考えられる。しかし、ポリカーボネート系樹脂は、硬度や耐熱性が高いため、異形成形が困難である。そのため、自動車部材のような複雑な形状を有する部材には使用が困難であった。
異形成形を可能にする方法として、発泡粒子を金型内で発泡及び融着させる型内発泡成型法が知られている。この方法は、所望の形状に対応する空間を有する金型を用意し、その空間内に発泡粒子を充填し、加熱により発泡粒子を発泡及び融着させることで、複雑な形状を有する発泡成形体を得ることができる。ポリカーボネート系樹脂からなる発泡粒子から型内発泡成型法により発泡成形体を得る方法が、例えば、特許文献1(特開平6−100724号公報)及び特許文献2(特開平11−287277号公報)に提案されている。
特開平6−100724号公報 特開平11−287277号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、発泡成形体を得る際の発泡粒子の発泡力が小さく外観良好な発泡成形体が得られ難いという課題があった。
本発明の発明者等は、上記課題を鑑み、中心部に未発泡領域(未発泡の樹脂層)が存在する発泡粒子が、高い発泡力を有すること、そのような発泡粒子を使用すれば、外観良好な粒間の目立たない発泡成形体を提供可能であることを意外にも見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子であり、前記発泡粒子がその長径に直交する断面において、中心部に未発泡領域を備え、前記未発泡領域が、前記発泡粒子の断面の長径に対して1〜50%の割合の長径を有することを特徴とする発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする複数の発泡粒子の集合体から構成される発泡成形体であり、前記発泡粒子が、その断面において、中心部に未発泡領域を備え、前記未発泡領域が、前記発泡粒子の断面の長径に対して1〜40%の割合の長径を有することを特徴とする発泡成形体が提供される。
本発明の特定の範囲の未発泡領域を有する発泡粒子は、高い発泡力を有する。そのため、発泡成形体作製時の加熱により高発泡化が可能となり、表面のノビが良好で、かつ外観が美麗なポリカーボネート系樹脂製の発泡成形体を提供できる。
ポリカーボネート系樹脂が、芳香族骨格を有することで、より外観が美麗な発泡成形体を提供できると共に、耐熱性等の所望の物性を付与できる。
ポリカーボネート系樹脂が、1〜20g/10minのMFRを有することで、より外観が美麗な発泡成形体を提供できる。
発泡粒子が、0.04g/cm3以上の嵩密度を有することで、より外観が美麗な発泡成形体を提供できる。
発泡粒子中の未発泡領域を説明するための概略図である。 実施例1の発泡粒子の断面写真である。 比較例1の発泡粒子の断面写真である。 実施例1の発泡成形体の断面写真である。 実施例2の発泡成形体の断面写真である。 実施例3の発泡成形体の断面写真である。 比較例1の発泡成形体の断面写真である。
(1)発泡粒子
発泡粒子はポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とし、中心部に未発泡領域を有する。中心部に未発泡領域を有する発泡粒子は、一般的に、発泡不良であると判断される。そのため、その後の発泡成形に付されないことが一般的である。本発明の発明者等は、このような発泡不良の発泡粒子を発泡成形に付すことで、外観が良好な発泡成形体が得られることを意外にも見出している。その理由を発明者等は、均一に発泡したものでは、発泡粒子全体に均一に発泡力が分散されていたが、未発泡領域が存在することにより、発泡時の発泡力を発泡領域にのみ局在化させることが可能となり高発泡化が可能となるものと推測している。さらに、未発泡部分が発泡時の伸びしろとして存在することによる効果も同時にあると推察している。
[ポリカーボネート系樹脂]
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又は2価のフェノールとのポリエステル構造を有することが好ましい。耐熱性をより一層高める観点からは、ポリカーボネート系樹脂は、芳香族骨格を有することが好ましい。ポリカーボネート系樹脂の具体例としては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、直鎖状ポリカーボネート樹脂及び分岐状ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、これら両者がブレンドされていてもよい。
ポリカーボネート系樹脂は、ポリカーボネート樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、アクリル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びポリフェニレンオキサイド系樹脂等が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂には、ポリカーボネート樹脂を50重量%以上含むことが好ましい。
また、ポリカーボネート系樹脂は1〜20g/10minのMFRを有していることが好ましい。この範囲の樹脂は発泡に適しており、より高発泡化させやすい。より好ましいMFRの範囲は、2〜15g/10minである。
[未発泡領域]
未発泡領域は、図1(a)及び(b)に示されているように、発泡粒子がその長径に直交する断面において、中心部に備えられている。図中、1は発泡粒子、2は発泡粒子の長径方向、3は断面、4は発泡粒子の断面の長径、5は気泡、6は未発泡領域の長径を意味する。未発泡領域は、発泡粒子の断面の長径に対して、1〜50%の割合の長径を有している。未発泡領域の長径が50%よりも大きいと、発泡粒子がほぼ未発泡となるため、発泡力が大きく低下してしまうことがあることや強度が極端に低下してしまうことがある。1%より小さいと、発泡粒子がほぼ発泡しているため、発泡力が大きく低下してしまうことがある。発泡粒子の断面の長径に対して、好ましい未発泡領域の長径は1〜40%であり、より好ましくは2〜35%である。
なお、発泡粒子の長径は、1〜30mmであることが好ましく、1〜25mmであることがより好ましい。未発泡領域の長径は、50〜8000μmであることが好ましく、60〜5000μmであることがより好ましい。
[他の添加剤]
発泡粒子には、必要に応じて、樹脂以外に他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
[粒子の形状]
発泡粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、できるだけ球状に近いことが好ましい。即ち、発泡粒子の短径と長径との比ができるだけ1に近いことが好ましい。
発泡粒子は、種々の嵩密度をとり得る。本発明は特に低発泡倍率での発泡力を付与にて効果を極大化できることから、嵩密度は、0.04g/cm3以上であることが好ましい。より好ましくは、0.06〜0.3g/cm3である。
発泡粒子は、1〜20mmの平均粒子径を有していることが好ましい。
[製造方法]
発泡粒子は、ポリカーボネート系樹脂製の樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、次いで発泡させることにより得ることができる。
樹脂粒子は、公知の方法により得ることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂を、必要に応じて他の添加剤と共に、押出機中で溶融混練して押出すことでストランドを得、得られたストランドを、空気中でカット、水中でカット、加熱しつつカットすることで、造粒する方法が挙げられる。樹脂粒子には、市販の樹脂粒子を使用してもよい。
次に、樹脂粒子に含浸される発泡剤としては、既知の揮発性発泡剤や無機発泡剤を使用できる。揮発性発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素や、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族アルコール等が挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸ガス、窒素ガス、エアー(空気)等が挙げられる。これら発泡剤は2種以上併用してもよい。これら発泡剤の内、無機発泡剤が好ましく、炭酸ガスがより好ましい。
発泡剤の含有量(含浸量)は、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して、3〜15重量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が3重量部未満であると、発泡力が低くなり、良好に発泡させ難いことがある。含有量が15重量部を超えると、可塑化効果が大きくなり、発泡時に収縮が起こりやすく、生産性が悪くなると共に、安定して所望の発泡倍数を得難くなることがある。より好ましい発泡剤の含有量は、4〜12重量部である。
含浸方法としては、樹脂粒子を水系に分散させ撹拌させながら発泡剤を圧入することで含浸させる湿式含浸法や、密閉可能な容器に樹脂粒子を投入し、発泡剤を圧入して含浸させる実質的に水を使用しない乾式含浸法(気相含浸法)等が挙げられる。特に水を使用せずに含浸できる乾式含浸法が好ましい。樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際の含浸圧、含浸時間及び含浸温度は特に限定されない。
含浸を効率的に行い、より一層良好な発泡粒子及び発泡成形体を得る観点からは、含浸圧は2〜4.5MPaであることが好ましい。
含浸時間は、1〜30時間であることが好ましい。1時間以上の含浸時間がないと十分な発泡性を付与できないことがある。また、30時間以下とすることで、発泡剤の樹脂粒子への拡散が低下するため、樹脂粒子内にガスの未含浸部分を作ることができ、その結果、発泡粒子内に未発泡領域を作ることができる。より好ましい含浸時間は、1〜24時間である。
含浸温度は、30℃未満であることが好ましい。30℃未満とすることで、発泡剤の樹脂粒子への拡散が低下するため、樹脂粒子内にガスの未含浸部分を作ることができ、その結果、発泡粒子内に未発泡領域を作ることができる。より好ましい含浸温度は、0〜25℃である。
樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得る方法としては、発泡剤を含浸させた樹脂粒子をスチーム(水蒸気)等により加熱して発泡させる方法が好適に使用される。
発泡時の発泡機には密閉耐圧の発泡容器を使用することが好ましい。また、スチームの圧力は0.2〜0.5MPaであることが好ましく、0.25〜0.4MPaであることがより好ましい。発泡時間は所望の発泡倍数を得るのに必要な時間であればよい。好ましい発泡時間は、5〜180秒である。180秒を超えると発泡粒子の収縮が始まることがあり、そのような発泡粒子からは良好な物性の発泡成形体が得られないことがある。
(2)発泡成形体
発泡成形体はポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする複数の発泡粒子の集合体から構成され、発泡粒子の中心部に未発泡領域を有する。中心部に未発泡領域を有する発泡粒子の集合体から構成される発泡成形体は、意外にも外観が良好であることを発明者等は見出している。
未発泡領域は、集合体を構成する発泡粒子がその長径に直交する断面において、中心部に備えられている。未発泡領域は、発泡粒子の断面の長径に対して、1〜40%の割合の長径を有している。未発泡領域の長径が40%よりも大きいと、発泡粒子がほぼ未発泡となるため、外観が不良となることや発泡成形体の強度が極端に低下することがある。1%より小さいと、発泡粒子がほぼ発泡しているため、外観が低下してしまうことがある。発泡粒子の断面の長径に対して、好ましい未発泡領域の長径は1〜35%であり、より好ましくは1〜30%である。
なお、発泡粒子の断面の長径は、1〜30mmであることが好ましく、1〜25mmであることがより好ましい。未発泡領域の長径は、50〜8000μmであることが好ましく、60〜5000μmであることがより好ましい。
発泡成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて種々とり得る。例えば、発泡成形体は、土木関係の建材、自動車構造部材、風車等の構造部材、複合部材としてのFRPの芯材等の用途に応じて種々の形状をとり得る。
発泡成形体は、種々の密度をとり得る。密度は、0.04g/cm3以上であることが好ましい。より好ましくは、0.06〜0.3g/cm3である。
発泡成形体は、例えば、上記発泡粒子に内圧を付与し、次いで発泡粒子を成形工程に付すことで得ることができる。
発泡成形体を作製する前に、発泡粒子内に発泡剤を含浸させ発泡力を付与することが好ましい。ここで使用する発泡剤には、発泡粒子製造時の発泡剤を使用できる。その中でも、無機発泡剤を使用することが好ましい。特に、窒素ガス、エアー及び炭酸ガスから1つを使用すること又は2つ以上を併用することが好ましい。
内圧を付与するための圧力は、発泡粒子がつぶれてしまわない程度の圧力でかつ発泡力を付与できる範囲であることが望ましい。そのような圧力は、0.1〜4MPaであることが好ましく、0.3〜3MPaであることがより好ましい。
内圧付与した発泡粒子を、発泡成形機の成形金型内に形成された成形空間に供給した後、水蒸気を導入することで、所望の発泡成形体に型内成形できる。発泡成形機としては、ポリスチレン系樹脂製の発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられるEPS成形機やポリプロピレン系樹脂製の発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられる高圧仕様の成形機等を用いることができる。
水蒸気の圧力は、0.2〜0.5MPaであることが好ましい。また、加熱時間は、15〜120秒であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず実施例における各種物性の測定法を下記する。
[MFRの測定]
メルトフローレイト(MFR)は、東洋精機製作所社製「セミオートメルトインデクサー2A」を用いて測定し、JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法に記載のb)ピストンが所定の距離を移動する時間を測定する方法に準拠して測定する。具体的には、測定条件は、試料3〜8g、予熱270秒、ロードホールド30秒、試験温度300℃、試験荷重11.77N、ピストン移動距離(インターバル):25mmとする。試料の試験回数は3回とし、その平均をメルトフローレイト(g/10min)の値とする。なお、測定試料は、真空乾燥機にて120℃で5時間の条件で乾燥を行い測定する。
[平均粒子径の測定]
平均粒子径とはD50で表現される値である。
具体的には、ロータップ型篩振とう機(飯田製作所製)を用いて、篩目開き26.5mm、22.4mm、19.0mm、16.0mm、13.2mm、11.20mm、9.50mm、8.80mm、6.70mm、5.66mm、4.76mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mm及び0.180mmのJIS標準篩(JIS Z8801)で試料約25gを10分間分級し、篩網上の試料重量を測定する。得られた結果から累積重量分布曲線を作成し、累積重量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
[発泡粒子の未発泡領域の確認及び長径の割合の測定]
発泡粒子を、その長径に対して直交するように2分割する。分割面(断面)をマイクロスコープ又は電子顕微鏡で撮影する。画像から未発泡領域が存在することを確認する。
ここで未発泡領域とは、樹脂の連続層の長さが50μm以上存在する領域を意味する。樹脂の連続層の長さは、気泡と気泡の端から端を直線で結んだ際の長さとする。この長さが未発泡領域の長径に対応する。
任意に5個の発泡粒子を採取し、発泡粒子の断面の長径及び未発泡領域の長径のそれぞれの平均値を算出して未発泡領域の長径の割合を以下にて算出する。
未発泡領域の長径の割合(%)=未発泡領域の長径の平均値/発泡粒子の断面の長径の平均値×100
[発泡成形体の未発泡領域の確認及び長径の割合の測定]
発泡成形体から、100×40×(発泡成形体厚み)を連続して3枚切り出し、表層より粒子1層以上の部分を1〜3mmにスライスすることにより確認用サンプルを採取する。
採取したサンプルのスライス面中の発泡粒子中に未発泡領域の存在するものが1つ以上あれば、有芯である発泡成形体とする。
未発泡領域の長径は、未発泡領域が確認できた任意の5個の発泡粒子についてそれぞれ測定し、それらの平均値を意味する。未発泡領域の確認できる発泡粒子が5個に満たない場合は、確認できる1個以上の値を未発泡領域の長径とする。
任意に5個の発泡粒子を採取し、発泡粒子の断面の長径及び未発泡領域の長径のそれぞれの平均値を算出して未発泡領域の長径の割合を以下にて算出する。
未発泡領域の長径の割合(%)=未発泡領域の長径の平均値/発泡粒子の断面の長径の平均値×100
[発泡粒子の嵩密度の測定]
発泡粒子約1000cm3を、メスシリンダー内に1000cm3の目盛りまで充填する。なお、メスシリンダーを水平方向から目視し、発泡粒子が1つでも1000cm3の目盛りに達していれば、その時点で発泡粒子のメスシリンダー内への充填を終了する。次に、メスシリンダー内に充填した発泡粒子の重量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をWgとする。そして、下記式により発泡粒子の嵩密度は求められる。
嵩密度(g/cm3)=W/1000
嵩倍数は嵩密度の逆数にポリカーボネート系樹脂の密度(g/cm3)を積算した値である。
ポリカーボネート系樹脂の密度はISO1183に規定した方法で測定する。
[2次発泡比の測定]
1次発泡粒子を内圧付与した後、直ちに0.34MPaの蒸気を導入しながら30秒間保持し2次発泡させ、乾燥した後に得られた2次発泡粒子の嵩倍数を測定する。
得られた2次発泡粒子の嵩倍数と1次発泡粒子の嵩倍数を用いて以下の式にて2次発泡比を算出する。発泡粒子の嵩倍数の測定は上記記載の方法にて測定された発泡粒子の嵩倍数を意味する。
2次発泡比=(2次発泡粒子の嵩倍数)/(1次発泡粒子の嵩倍数)
2次発泡性比が1.5以上である場合、発泡粒子間の隙間を十分に埋めることが可能となり、外観良好な成形体が得られる。
[発泡成形体外観の評価]
得られる発泡成形体から任意に50mm×50mmの表皮付き試験片を切り出し,試験片表面(表皮面)の粒子間の個数を計測する。計測する粒子間とは発泡粒子が3個以上で接している接点のことをいう。次に粒子間のピンホール(くぼみ)の個数を計測する。
発泡成形体のノビ=(1−粒子間ピンホール個数/全粒子間個数)×5
発泡成形体のノビが4以上を外観が良好、4未満を不良とする。
[発泡成形体の密度の測定]
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×30mm)の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。
倍数は密度の逆数にポリカーボネート系樹脂の密度(g/cm3)を積算した値である。
<実施例1>
(含浸工程)
ポリカーボネート系樹脂粒子(帝人社製パンライトL−1250Y、密度1.2g/cm3、MFR8g/10min、平均粒子径3mm)100重量部を密閉可能な10Lの圧力容器に投入し、炭酸ガスを用いて圧力容器内をゲージ圧3MPaまで昇圧させ、10℃の環境下で12時間保持して発泡性粒子を得た。
(発泡工程)
含浸終了後、圧力容器内の炭酸ガスをゆっくりと除圧し内部の発泡性粒子を取出した。直ちに結合防止剤としての0.3重量部の炭酸カルシウムと発泡性粒子とを混合した。その後、撹拌機付きの高圧発泡機に発泡性粒子を投入し、撹拌しながら0.34MPaの水蒸気を用いて発泡させることで、嵩倍数8.7倍(嵩密度0.14g/cm3)の発泡粒子を得た。発泡粒子の断面写真を図2に示す。図2には、未発泡領域が見られる。
(第2の含浸工程:内圧付与工程)
得られた発泡粒子の表面を0.01N−塩酸を用いて洗浄し乾燥させた後、10Lの圧力容器に投入し、密閉した。窒素ガスを用いて密閉した圧力容器内をゲージ圧1MPaまで昇圧させ24時間放置することで内圧付与した。
(成形工程)
内圧付与を実施した圧力容器内の窒素ガスをゆっくり除圧し、発泡粒子(1次発泡粒子)を取出し、直ちに高圧成形機を用いて発泡成形を実施した。縦400mm×横300mm×厚さ30mmの内寸の成形用金型内に発泡粒子を充填し、0.30〜0.35Mpaの水蒸気を50秒導入して加熱し、冷却することで倍数8倍の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体を30℃の乾燥室で8時間程度乾燥させた。
更に、取出した1次発泡粒子は別途2次発泡比の測定を所定の手段を用いて実施した。
<実施例2>
含浸温度を20℃に変更すること以外は実施例1と同様にして発泡性粒子を得た。
発泡性粒子から実施例1同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。得られた発泡粒子の嵩倍数は11.0倍(嵩密度0.11g/cm3)であり、発泡成形体の倍数は10倍であった。
<実施例3>
含浸温度を20℃に、水蒸気圧を0.40MPa変更すること以外は実施例1と同様にして発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の嵩倍数は16.2倍(嵩密度0.06g/cm3)であった。
発泡粒子から実施例1同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の倍数は15倍であった。
<比較例1>
含浸圧力を4MPaに、含浸温度を30℃に、含浸時間を36時間に、水蒸気圧を0.36MPa変更すること以外は実施例1と同様にして発泡粒子を得た。得られた発泡粒子の嵩倍数は9.5倍(嵩密度0.11g/cm3)であった。発泡粒子の断面写真を図3に示す。図3には、未発泡領域が見られず、中心部まで気泡が位置している。
発泡粒子から実施例1同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の倍数は9倍であった。
<比較例2>
含浸圧力を4MPaに、含浸温度を30℃に、含浸時間を36時間に変更すること以外は実施例1と同様にして発泡性粒子を得た。
発泡性粒子から実施例1同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。得られた発泡粒子の嵩倍数は10.2倍(嵩密度0.10g/cm3)であり、発泡成形体の倍数は9倍であった。
実施例及び比較例の発泡粒子及び発泡成形体の未発泡領域の有無、未発泡領域の長径の割合、2次発泡比及び外観評価を表1に示す。
また、実施例1〜3、比較例1の発泡成形体の断面写真を図4〜7に示す。実施例1〜3に対応する図4〜6では、集合した発泡粒子の中心部に未発泡領域が見られる。比較例1に対応する図6では、集合した発泡粒子の中心部に未発泡領域が見られない。
上記表及び図4〜7から、集合した発泡粒子の中心部に未発泡領域が見られる発泡成形体は、外観が良好であることが分かる。
1:発泡粒子、2:発泡粒子の長径方向、3:断面、4:発泡粒子の断面の長径、5:気泡、6:未発泡領域の長径

Claims (8)

  1. ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子であり、前記発泡粒子がその長径に直交する断面において、中心部に未発泡領域を備え、前記未発泡領域が、前記発泡粒子の断面の長径に対して1〜50%の割合の長径を有することを特徴とする発泡粒子。
  2. 前記ポリカーボネート系樹脂が、芳香族骨格を有する請求項1に記載の発泡粒子。
  3. 前記ポリカーボネート系樹脂が、1〜20g/10minのMFRを有する請求項1又は2に記載の発泡粒子。
  4. 前記発泡粒子が、0.04g/cm3以上の嵩密度を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡粒子。
  5. ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする複数の発泡粒子の集合体から構成される発泡成形体であり、前記発泡粒子が、その断面において、中心部に未発泡領域を備え、前記未発泡領域が、前記発泡粒子の断面の長径に対して1〜40%の割合の長径を有することを特徴とする発泡成形体。
  6. 前記ポリカーボネート系樹脂が、芳香族骨格を有する請求項5に記載の発泡成形体。
  7. 前記ポリカーボネート系樹脂が、1〜20g/10minのMFRを有する請求項5又は6に記載の発泡成形体。
  8. 前記発泡成形体が、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡粒子に内圧を付与し、次いで発泡粒子を成形工程に付すことで得られる請求項5〜7のいずれか1つに記載の発泡成形体。
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