JPH06100724A - 寸法安定性のよい合成樹脂発泡成形体の製造方法 - Google Patents

寸法安定性のよい合成樹脂発泡成形体の製造方法

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JPH06100724A
JPH06100724A JP27538292A JP27538292A JPH06100724A JP H06100724 A JPH06100724 A JP H06100724A JP 27538292 A JP27538292 A JP 27538292A JP 27538292 A JP27538292 A JP 27538292A JP H06100724 A JPH06100724 A JP H06100724A
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particles
resin
inorganic gas
carbon dioxide
expanded
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JP27538292A
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English (en)
Inventor
Toshiki Ikeda
敏喜 池田
Shinpei Nakayama
新平 中山
Yasuhiro Ueda
靖博 上田
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性を持つとともに寸法安定性のよい発泡
成形体を得ようとするものである。 【構成】 ポリカーボネートの粒子に無機ガスを圧入し
て無機ガスが一定量含まれているときこれに加圧水蒸気
を接触させて予備発泡粒子とし、これに再び無機ガスを
圧入して二次発泡性粒子とし、これが一定量の無機ガス
を含んでいるときこれを金型に入れ、金型内に加圧水蒸
気を圧入して発泡成形体とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、寸法安定性のよい合
成樹脂発泡成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硬質の合成樹脂発泡体としては、スチレ
ン系樹脂を材料としたものが多く用いられた。それは、
スチレン系樹脂を用いると、容易に高倍率に発泡させる
ことができ、発泡性ビーズを経由して容易に希望通りの
形状をした発泡成形体を作ることができ、また得られた
発泡体が高倍率に発泡していても比較的強靱であり、得
られた発泡体が独立気泡性のものであって、断熱性にす
ぐれていることなどに起因している。こうして、スチレ
ン系樹脂発泡成形体は冷凍倉庫の床、天井、壁材などと
して、また包装用の緩衝材などとして広く用いられた。
【0003】しかし、スチレン系樹脂発泡体にも欠点は
あった。その欠点の1つは、スチレン系樹脂発泡体が耐
熱性に乏しいということであり、他の1つは常温で使用
している間にも発泡体が収縮するということであった。
この欠点をさらに具体的に説明すると次のとおりであ
る。スチレン系樹脂発泡成形体は、これを80℃以上の
温水の保温用に使用すると、軟化し変形して保温の役目
を果たさなくなった。そこで、せめて100℃の熱水に
までは保温用に使用できるようにすることが望まれた。
また、スチレン系樹脂発泡成形体は、常温で使用しても
長く使用している間に、成形体が相当大きく収縮した。
このため、スチレン系樹脂発泡板を建築用に使用した
り、敷き詰めて土木用に使用したりすると、発泡板の間
に隙間を生じて不都合を生じた。そこで、常温使用中で
の収縮を少なくすることが望まれた。これらの要望は、
これを簡単に云えば、スチレン系樹脂発泡成形体の寸法
安定性を良好にして欲しい、と云うことに帰する。
【0004】ところが、耐熱性に乏しいというようなこ
とは、スチレン系樹脂本来の性質に基づくことであるか
ら、簡単には改良できない。この点を改良するには、ス
チレン系樹脂以外の耐熱性樹脂の使用を考えなければな
らない。そこで、スチレン系樹脂以外の耐熱性樹脂を用
いて、発泡成形体を作ろうとの試みがなされた。
【0005】特開昭58−62025号公報は、ポリカ
ーボネートを用いて発泡成形体を作る方法を開示してい
る。それによると、まずポリカーボネートを用いて小形
の非発泡成形体を作っておき、これに蒸発型の発泡剤と
して作用する有機溶剤を含ませ、その後これを金型の中
に入れて加熱して成形体を軟化させ、その状態で金型を
開放し、発泡剤をポリカーボネート中で蒸発させて発泡
させ、同時に形を整えて大形の発泡成形体を作ることと
されている。
【0006】上記の公報が教える方法では、ポリカーボ
ネートを材料として希望通りの発泡成形体を作ること
は、容易でなかった。また、得られた発泡成形体は、ポ
リカーボネートを材料としているために、スチレン系樹
脂発泡成形体の持つ耐熱性の欠点を改良したものとなっ
たが、使用中に収縮するという欠点を改良したものとは
ならなかった。それは、発泡剤として蒸発型の有機溶剤
を用いていたからである。すなわち、蒸発型の有機溶剤
は、発泡後もなお若干量が発泡成形体中に残留してお
り、これが発泡成形体の使用中に徐々に揮散して、成形
体を収縮させることとなったからである。
【0007】発泡成形体が使用中に収縮することを防ぐ
ために、蒸発型の発泡剤の代わりに熱分解型の発泡剤を
用いることも提案された。ところが、熱分解型の発泡剤
の多くはアゾ系の有機化合物であって、このような発泡
剤は分解して発泡作用をしたのち、アミノ基又はニトリ
ル基のような窒素含有基を含んだ化合物を残留させる。
このような残留化合物は、一般に合成樹脂を劣化させる
性質を持っている。このため、熱分解型の発泡剤を用い
て作られたポリカーボネートや熱可塑性ポリエステル製
の発泡成形体は、使用中に劣化し、従って寸法安定性の
よい発泡成形体にはなり得なかった。
【0008】発泡剤としては、蒸発型の発泡剤と熱分解
型の発泡剤のほかに、無機ガスも使用できるとされた。
しかし、無機ガスは樹脂粒子からの逸散が速く、従って
一定量の無機ガスが含まれた発泡性粒子を確保すること
が容易でなく、また均一に高倍率に発泡した粒子を得る
ことが困難であるという欠点があった。しかし、蒸発型
の発泡剤が大気を汚染し生活環境を悪化させるという欠
点を持っているので、これを改良するために関心を呼ぶ
こととなった。。
【0009】特開平3−275738号公報は、スチレ
ン系樹脂及びメタクリル酸エステル系樹脂を材料とし、
無機ガスを発泡剤として使用して発泡成形体を作る方法
を教示している。この教示によれば、上記樹脂の粒子に
無機ガスを含浸させて発泡性ビーズを作り、これを水蒸
気で加熱して予備発泡粒子とし、この予備発泡粒子にさ
らに無機ガスを再含浸させて二次発泡性粒子とし、その
後これを成形用金型に入れ、水蒸気を金型内に吹き込ん
で、発泡融着させて、発泡成形体とすることができる、
とされている。しかし、そこで用いることのできる樹脂
は、スチレン系樹脂及びメタクリル酸エステル系樹脂に
限られていた。
【0010】スチレン系樹脂は、発泡成形体とするのに
格別容易である点では際立っている。それは、前述のよ
うに発泡性ビーズを経由する特異な成形法を採用できる
からである。発泡性ビーズを経由する方法とは、スチレ
ン系樹脂の粒子に蒸発型の発泡剤を含ませて発泡性粒子
を作り、この発泡性粒子の形で貯蔵しておいて、必要な
ときこれに水蒸気を接触させ発泡させて予備発泡粒子を
作り、この予備発泡粒子を金型内に充填して金型内に水
蒸気を吹き込み、予備発泡粒子を膨張させるとともに互
いに融着させて発泡成形体とする方法である。この方法
によれば、簡単な金型さえ用意すれば、希望通りの発泡
成形体が容易に得られるので、この発泡成形体の製造方
法は有利なものとされた。
【0011】そこで、スチレン系樹脂及びメタクリル酸
エステル系樹脂以外の樹脂を材料として、発泡性ビーズ
を経由する発泡成形体の製造方法を確立しようとの試み
がなされた。ところが、スチレン系樹脂及びメタクリル
酸エステル系樹脂以外の樹脂を用いたのでは、発泡性ビ
ーズを経由して発泡体を製造することが困難とされ、未
だに工業的に実施できる状態にはない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、スチレン
系樹脂及びメタクリル酸エステル系樹脂以外の耐熱性の
熱可塑性樹脂を用いて、寸法安定性の良好な発泡成形体
を提供しようとするものである。
【0013】
【課題解決のための手段】この発明者は、寸法安定性の
良好な合成樹脂発泡体を作るのに、スチレン系樹脂より
も耐熱性に富んだ熱可塑性樹脂、とりわけポリカーボネ
ートを選んだ。また、これを発泡させるのに無機ガスを
用いることとした。しかも、発泡成形体を作るのに発泡
性ビーズを経由する方法を採用しようと企てた。
【0014】発泡剤として無機ガスを使用した場合に
は、これをポリカーボネートの粒子に圧入しても、無機
ガスは短時間のうちに樹脂から揮散してしまう。従っ
て、無機ガスを用いた場合には、貯蔵できるような発泡
性ビーズを作ることはできない。しかし、圧入直後に、
発泡性ビーズが樹脂1kgあたり0.05−2.5モル
の無機ガスを含んでいる間にこれに水蒸気を接触させて
樹脂を軟化させると、高倍率に発泡した予備発泡粒子の
得られることが見出された。
【0015】また、こうして得られた予備発泡粒子は、
これをそのまま成形用金型内に入れて加熱したのでは、
発泡成形体とすることができない。ところが、この予備
発泡粒子に再び無機ガスを圧入し、樹脂1kgあたり無
機ガスが0.5−4モル含まれたものとすると、得られ
た粒子は発泡して融着する性能を持つに至ることが見出
された。この発明は、このような知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0016】この発明は、ポリカーボネートの粒子に無
機ガスを圧入して、樹脂1kgあたり無機ガスが0.0
5−2.5モル含まれた発泡性粒子を作り、この発泡性
粒子に水蒸気を接触させて粒子を加熱し発泡させて予備
発泡粒子とし、次いでこの予備発泡粒子に再び無機ガス
を圧入して、樹脂1kgあたり無機ガスが0.5−4モ
ル含まれた二次発泡性粒子を作り、二次発泡性粒子を成
形用金型内に充填し、金型内で水蒸気を二次発泡性粒子
に接触させて、粒子を膨張させるとともに互いに融着さ
せて成形体とすることを特徴とする、寸法安定性のよい
合成樹脂発泡成形体の製造方法を提供するものである。
【0017】この発明では、樹脂としてポリカーボネー
トを用いる。ポリスチレンのビカット軟化点は約95℃
であるのに対し、上述のポリカーボネートのビカット軟
化点は約155℃であり、明らかに耐熱性にすぐれてい
る。
【0018】ポリカーボネートは、芳香族基を持ったジ
フェニルアルカンと、脂肪族の二価アルコールと、炭酸
とが縮合して得られた高分子量の鎖状ポリ炭酸エステル
である。一般に、ジフェニルアルカンを含んだ芳香族ポ
リカーボネートは結晶性がよく、融点が高く、耐熱性、
耐候性、機械的性質がすぐれている。ジフェニルアルカ
ンとしては、例えば、2、2−ビス(4−オキシフェニ
ル)プロパン、2、2−ビス(4−オキシフェニル)ブ
タン、1、1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキ
サン、1、1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、
1、1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1、
1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等を用いること
ができる。
【0019】この発明で用いる発泡剤は無機ガスであ
る。無機ガスとは、例えば空気、窒素、二酸化炭素であ
る。これらは単独で用いるのが好ましいが、混合して用
いることもできる。熱可塑性ポリエステル樹脂の粒子に
無機ガスを圧入するには、この粒子を密閉容器に入れ
て、この容器に無機ガスを圧入し、適当な温度の下に相
当な時間にわたって、樹脂粒子に無機ガスを接触させる
ことによって行う。
【0020】ここで無機ガスを圧入する際の適当な温度
とは、樹脂粒子が互いに合着して団塊を生じない温度を
云う。一般に、無機ガスを樹脂粒子中に含ませる速度か
ら云えば、樹脂粒子を高い温度に維持する方が含浸速度
を大きくすることができるので、有利である。しかし、
多数の樹脂粒子を接近した状態で高い温度に維持する
と、接近した粒子同志が互いに合着して団塊化する。そ
こで、団塊化を避けるために、粒子同志を互いに合着さ
せない範囲内でなるべく高温に維持する。これが上で云
う適当な温度である。適当な温度は、樹脂のビカット軟
化点よりも20℃以上低い温度である。適当な温度は、
樹脂の構成と無機ガスの種類とによって異なるが、二酸
化炭素を用いた場合には5−40℃であり、空気及び窒
素を用いた場合には0−30℃である。
【0021】樹脂粒子に無機ガスを圧入するときの適当
な圧力も、樹脂の構成及び無機ガスの種類によって異な
る。無機ガスとして二酸化炭素を用いた場合には、これ
を含浸させるのに適した圧力は5kg/cm2 以上であ
って、好ましくは10〜50kg/cm2 である。ま
た、無機ガスとして空気又は窒素を用いた場合には、適
当な圧力は10kg/cm2 以上、好ましくは20kg
/cm2 以上である。何れの場合も、このような圧力下
に樹脂粒子を無機ガスに接触させて、粒子が無機ガスを
0.05モル/kg以上含んでいるようにする。とりわ
け粒子が無機ガスを0.05〜2.5モル/kgの範囲
内に含んでいるようにする。含浸時間は、このような含
有量を持った発泡性粒子が得られるまでの時間とする。
【0022】こうして無機ガスを圧入された樹脂粒子
は、残存している無機ガスを密閉容器から放出しての
ち、密閉容器から取り出される。これが発泡性粒子であ
る。発泡性粒子はこれを常圧下に放置すると、短い時間
のうちに無機ガスを放出して、発泡性を低下させる。
【0023】発泡性粒子は、これが適当割合の無機ガス
を含んでいる状態のとき、これを水蒸気に接触させて加
熱し軟化させて発泡させる。適当割合とは、無機ガスが
樹脂1kgあたり0.05−2.5モル含まれているこ
とを意味している。無機ガスが0.05モル以下では発
泡性能が低過ぎて、発泡性粒子は良好な予備発泡粒子を
生成しないし、逆に無機ガスが2.5モル以上の大量含
まれていると、発泡性粒子は水蒸気をこれに接触させた
とき、突沸して連続気泡や粗大気泡を生じて良好な予備
発泡粒子を生じない。従って、無機ガスが樹脂1kgあ
たり0.05−2.5モル含まれている状態において水
蒸気を接触させて発泡させることが必要とされる。
【0024】発泡性粒子に接触させる水蒸気は、発泡性
粒子を加熱し軟化させて発泡させるためのものである。
従って、その水蒸気は樹脂の軟化点と密接な関係にあ
る。その関係は、水蒸気の温度が樹脂のビカット軟化点
を基準として、それ以下20℃からそれ以上20℃まで
の範囲内になければならない。従って水蒸気は通常加圧
下で発生されたものとなる。発泡性粒子が、このような
水蒸気に接触して発泡するのが、最初の発泡すなわち一
次発泡である。一次発泡は、発泡したバラバラの粒子を
生じる。これが予備発泡粒子である。
【0025】こうして得られた予備発泡粒子は、その後
再び発泡剤を含浸される。そのために、予備発泡粒子を
再び密閉容器に入れ、この中に無機ガスを圧入して、再
び発泡性を付与する。これが二次発泡性付与である。こ
れに対する一次発泡性の付与は、さきに述べた発泡性粒
子を作るときの発泡性の付与である。二次発泡性の付与
は、一次発泡性付与と同様に行うことができるが、ただ
異なるのは、二次発泡性付与では、予備発泡粒子が一次
発泡性付与の場合よりも、大量の無機ガスを含んでいる
ようにしなければならない、ということである。具体的
に云えば、二次発泡性付与では、樹脂粒子が樹脂1kg
あたり無機ガスを0.5モル以上含むようにしなければ
ならない。こうして二次発泡性粒子が得られる。
【0026】二次発泡性粒子も、これが適当な割合の無
機ガスを含んでいる状態のとき、これを水蒸気に接触さ
せて加熱し、軟化させて発泡させなければならない。こ
のときの適当な割合とは、無機ガスが樹脂1kgあたり
0.5−4モル含まれていることを意味する。無機ガス
が0.5モル以下では発泡性能が低過ぎて、二次発泡性
粒子が良好な発泡成形体を生成しないし、逆に無機ガス
が4モル以上含まれていると、二次発泡性粒子が水蒸気
に接触したとき、連続気泡を生じたり粗大気泡を生じた
りして良好な発泡成形体を生じなくなる。だから、二次
発泡性粒子は、樹脂1kgあたり0.5−4モルの無機
ガスを含んでいる状態において水蒸気を接触させて発泡
させることが必要とされる。
【0027】二次発泡性粒子は、これを成形用金型内に
充填し、金型内で水蒸気に接触させて発泡させる。さら
に詳しく云えば、成形用金型は、得ようとする発泡成形
体に相当する型窩を持っている。この型窩内に二次発泡
性粒子を充填し、この型窩内へ水蒸気を吹き込んで、二
次発泡性粒子を加熱する。このときの水蒸気は、一次発
泡の場合と同じく、樹脂のビカット軟化点を基準とし
て、それよりも20℃下方の温度から20℃上方の温度
までの範囲内の温度を持っていることが必要とされる。
このような水蒸気との接触によって二次発泡性粒子が加
熱されると、粒子は膨張するが、成形用金型によって発
泡できる空間が限定されているので、互いに融着して一
体の成形体となる。こうして所望の発泡成形体が得られ
る。
【0028】上の説明では、二次発泡性が付与された粒
子を直ちに成形用金型内に入れて、加熱し成形すること
としたが、二次発泡性が付与された粒子を成形用金型に
入れないで、バラバラの状態で再び水蒸気に接触させ
て、さらに再び予備発泡させることもできる。こうして
再度予備発泡せしめられた粒子は、当然のことながら初
めの予備発泡粒子よりも高倍率に発泡している。こうし
て予備発泡を2回行ったあとで、これにさらに三次発泡
性を付与してのち、これを成形用金型内に入れて成形体
とすることもできる。この場合には、二次発泡だけによ
って得られた発泡成形体よりも高倍率に発泡した成形体
を得ることができる。
【0029】また、上の説明では、発泡剤として無機ガ
スだけを用いることとしたが、これまで発泡助剤その他
の名目で樹脂中に混入することができるとされて来た種
々の化合物を上記樹脂中に混入することができる。例え
ば、発泡助剤としてこれまでトルエン、エチルベンゼ
ン、シクロヘキサン等の混入が許されて来たが、このよ
うなものも1.0重量%以下の少量ならば、加えること
ができる。
【0030】
【発明の効果】この発明によれば、樹脂としてポリカー
ボネートを用いたので、得られた発泡成形体は、100
℃の熱水に耐えるだけの充分な耐熱性を持っている。ま
た、発泡剤として無機ガスを用いて発泡させたので、従
来の脂肪族炭化水素類やハロゲン化脂肪族炭化水素類の
ような有機化合物を発泡剤として用いた場合に比べて、
発泡剤が樹脂中に残留せず、従って徐々に発泡成形体か
ら揮散して発泡体を変形させることがなく、結果として
寸法安定性のよい発泡成形体が得られる。さらに、一般
に無機ガスは樹脂を発泡させる力が弱いので、普通では
低い発泡倍率の成形体しか得られないが、この発明では
予備発泡粒子に再び無機ガスを圧入して二次発泡性を付
与したので、従来よりも高い倍率に発泡させることがで
きる。また必要に応じて三次発泡性をも付与することが
できる。しかも、発泡性粒子中には無機ガスを樹脂1k
gあたり0.05−2.5モルとしたので、発泡性粒子
から確実に一次発泡させて良好な予備発泡粒子を作るこ
とができ、また、二次発泡性粒子中には無機ガスを樹脂
1kgあたり0.5−4モル含ませることとしたので、
二次発泡性粒子をも確実に発泡させて良好な発泡成形体
とすることができる。こうして、この発明方法によれ
ば、よく発泡した寸法安定性のよい耐熱性の発泡体を得
ることができる。この点で、この発明がもたらす利益は
大きい。
【0031】次に実施例と比較例とを挙げて、この発明
方法の詳細とこの発明方法のすぐれている所以を詳述す
る。以下で単に部又は%というのは、重量部又は重量%
を意味している。
【0032】
【実施例1】樹脂としては、帝人化成社からパンライト
L1250の商品名で販売されているポリカーボネート
を用いた。これを押出機に入れて直径が0.9mmの紐
状に押し出し、これを長さ1.8mmに切断してペレッ
トとした。このペレットのビカット軟化点は154℃で
あった。
【0033】上記ペレット150gに炭酸カルシウム
0.3gを加え、スーパーミキサーで表面被覆した。こ
の被覆粒子を300ミリリットルの耐圧容器に入れて密
封し、この容器内に二酸化炭素を13kg/cm2 Gで
圧入し、容器を20℃に4時間保持して、粒子に二酸化
炭素を含浸させた。その後二酸化炭素を容器から放出し
て発泡剤として二酸化炭素を含んだ発泡性粒子を得た。
【0034】上記の発泡性粒子を暫く放置したのち、そ
の発泡性粒子が樹脂1kgにあたりなお1.3モルの二
酸化炭素を含んでいるとき、この発泡性粒子に3.2k
g/cm2 Gの圧力下に発生した144℃の水蒸気を3
0秒間接触させて発泡させ、予備発泡粒子とした。得ら
れた予備発泡粒子は、嵩倍率として8.0倍に発泡して
いた。
【0035】上記の予備発泡粒子2000ミリリットル
を3000ミリリットル容量の耐圧容器に入れて密閉
し、これに6kg/cm2 Gの二酸化炭素を20℃で1
時間圧入して二次発泡性を付与した。得られた二次発泡
性粒子は、樹脂1kgに対し二酸化炭素を1.7モルの
割合で含んでいた。
【0036】上記の二次発泡性粒子を暫く放置しての
ち、樹脂1kgに対し二酸化炭素含有量が1.5モルに
なったとき、二次発泡性粒子を容積が40cm×30c
m×1.5cmの成形用金型内に入れ、3.2kg/c
2 Gの圧力下に発生した144℃の水蒸気を金型内に
吹き込んで、粒子を発泡させるとともに互いに融着させ
て成形体とした。得られた成形体は、密度が0.125
g/ccで均一微細に発泡しており、粒子の融着は良好
であった。
【0037】その後、得られた成形体の寸法安定性を調
べた。寸法安定性は、成形後1日間室温に放置したの
ち、厚み1.5cmで10cm×10cmの板を成形体
から切り出し、この成形体の寸法変化を調べた。この板
を電気恒温槽の中に入れて168時間色々な温度に加熱
したのち取り出し、表面光沢を失ったり、湾曲を生じな
いで、1000分の5以下の収縮にとどまる限界の温度
を耐熱温度と定めた。この成形体は135℃までは殆ど
形も寸法も変化を生じなかったので、耐熱温度は135
℃であり、耐熱及び寸法安定性は良好と認められた。
【0038】
【実施例2】この実施例は、実施例1で得られた嵩倍率
が8倍の予備発泡粒子を用いて、二酸化炭素の圧力だけ
を変えて10kg/cm2 Gとして、それ以外は実施例
1と全く同様にして二次発泡性を付与し、樹脂1kgあ
たり、二酸化炭素が2.6モル含まれた二次発泡性粒子
を得た。
【0039】二次発泡性粒子を暫く放置して、樹脂1k
gあたり二酸化炭素が2.3モル含まれている状態とな
ったとき、この二次発泡性粒子を実施例1で用いたのと
同じ金型に入れ、金型内に2.8kg/cm2 G(14
0℃)の水蒸気を30秒間吹き込んで、粒子を膨張させ
るとともに互いに融着させて発泡成形体とした。得られ
た成形体は、密度が0.128g/ccで均一微細に発
泡しており、粒子の融着は良好であった。
【0040】その後、得られた発泡成形体の寸法安定性
を実施例1と同様にして調べたところ、成形体は135
℃までは殆ど形も寸法も変化を生じなかった。従って、
耐熱温度は135℃であって、寸法安定性は良好と認め
られた。
【0041】
【実施例3】この実施例では、実施例1で得られた嵩倍
率が8倍の予備発泡粒子を用い、二次発泡性を与えるの
に二酸化炭素の代わりに窒素ガスを用い、窒素ガスの圧
力を6kg/cm2 Gとし、温度を20℃とし、圧入時
間を24時間として、樹脂1kgあたり1.3モルの窒
素ガスを含む二次発泡性粒子を得た。
【0042】上記の二次発泡性粒子が、樹脂1kgあた
りなお1.3モルの窒素ガスを含んでいる状態のとき、
この二次発泡粒子を実施例1で用いたのと同じ金型に入
れ、金型内に4.0kg/cm2 Gの圧力下に発生した
150℃の水蒸気を30秒間吹き込んで粒子を膨張させ
るとともに互いに融着させて発泡成形体を得た。得られ
た発泡成形体は、0.123g/ccの密度を有し均一
微細に発泡しており、粒子の融着は良好であった。
【0043】その後、得られた発泡成形体の寸法安定性
を実施例1と同様にして調べたところ、成形体は135
℃までは殆ど形状も寸法も変えなかった。従って、耐熱
温度は135℃であって、寸法安定性は良好と認められ
た。
【0044】
【実施例4】この実施例では、実施例1で得られた発泡
性粒子を用い、この発泡性粒子が樹脂1kgあたりなお
1.3モルの二酸化炭素を含んでいる状態のとき、これ
に2.8kg/cm2 Gの水蒸気(140℃)を30秒
間接触させて、嵩倍率が5倍の予備発泡粒子を得た。
【0045】上記の予備発泡粒子を用いて実施例1と同
様にしてこれに二酸化炭素を圧入したが、その場合二酸
化炭素の圧力を10kg/cm2 Gとした以外は、実施
例1と全く同様にして二次発泡性を付与し、樹脂1kg
に対し二酸化炭素が1.6モル含まれた二次発泡性粒子
を得た。
【0046】この二次発泡性粒子を暫く放置してのち、
樹脂1kgに対し二酸化炭素が1.5モル含まれている
状態となったとき、この二次発泡性粒子を実施例1で用
いたのと同じ金型に入れ、金型内に3.4kg/cm2
G(145℃)の水蒸気を30秒間吹き込んで、粒子を
膨張させるとともに互いに融着させて発泡成形体とし
た。得られた成形体は均一微細に発泡しており、密度が
0.205g/ccで、粒子の融着は良好であった。
【0047】その後得られた発泡成形体の寸法安定性を
実施例1と同様にして調べたところ、成形体は135℃
までは殆ど形も寸法も変化を生じなかった。従って、耐
熱温度は135℃であって、寸法安定性は良好と認めら
れた。
【0048】
【実施例5】この実施例は実施例4とほぼ同様に実施し
たが、ただ二次発泡性付与の際の圧力と成形時の水蒸気
の圧力とを変えた。具体的には次のように実施した。
【0049】実施例1で得られた発泡性粒子を用い、こ
の発泡性粒子が樹脂1kgに対しなお1.3モルの二酸
化炭素を含んでいる状態のとき、これに2.8kg/c
2Gの水蒸気(140℃)を30秒間接触させて嵩倍
率が5倍の予備発泡粒子を得た。
【0050】この予備発泡粒子を用いて、実施例1と同
様にしてこれに二酸化炭素を圧入したが、その場合二酸
化炭素の圧力を4kg/cm2 Gとした以外は、実施例
1と全く同様にして二次発泡性を付与し、樹脂1kgに
対し二酸化炭素が0.8モル含まれた二次発泡性粒子を
得た。
【0051】この二次発泡性粒子を暫く放置して、樹脂
1kgあたり二酸化炭素が0.7モル含まれている状態
となったとき、この二次発泡性粒子を実施例1で用いた
のと同じ金型に入れ、金型内に4.0kg/cm2 Gの
水蒸気(150℃)を30秒間吹き込んで、粒子を膨張
させるとともに互いに融着させて発泡成形体とした。得
られた成形体は均一微細に発泡しており、密度が0.2
01g/ccで、粒子の融着はとくに良好ではなかった
が良いと云えるものであった。
【0052】その後、得られた発泡成形体の寸法安定性
を実施例1と同様にして調べたところ、成形体は135
℃までは殆ど形も寸法も変化を見せなかった。従って、
耐熱温度は135℃であって、寸法安定性は良好と認め
られた。
【0053】
【実施例6】この実施例は、実施例1で得られた発泡性
粒子を用い、この発泡性粒子が樹脂1kgに対しなお
1.3モルの二酸化炭素を含んでいる状態のとき、これ
に4.0kg/cm2 Gの水蒸気(150℃)を30秒
間接触させて、嵩倍率15倍の予備発泡粒子を得た。
【0054】この予備発泡粒子を用いて、実施例1と同
様にしてこれに二酸化炭素を圧入したが、その場合二酸
化炭素の圧力を6kg/cm2 Gとした以外は、実施例
1と全く同様にして二次発泡性を付与し、樹脂1kgに
対し二酸化炭素が3.2モル含まれた二次発泡性粒子を
得た。
【0055】この二次発泡性粒子を暫く放置して、樹脂
1kgに対し二酸化炭素が3.0モル含まれている状態
のとき、この二次発泡性粒子を実施例1で用いたのと同
じ金型に入れ、金型内に2.5kg/cm2 Gの水蒸気
(137℃)を30秒間吹き込んで、粒子を膨張させる
とともに互いに融着させて発泡成形体とした。得られた
成形体は、均一微細に発泡しており、密度が0.071
g/ccで粒子の融着は良好であった。
【0056】その後、得られた発泡成形体の寸法安定性
を実施例1と同様にして調べたところ、成形体は135
℃までは殆ど形も寸法も変えなかった。従って、この発
泡成形体の耐熱温度は135℃であって、寸法安定性は
良好と認められた。
【0057】
【実施例7】この実施例は、実施例1で得られたのと同
じペレットを用い、実施例1と同様にして二酸化炭素を
圧入したが、ただ二酸化炭素の圧力を実施例1よりも高
くして24kg/cm2 Gとして含浸させて、樹脂1k
gあたり1.8モルの二酸化炭素が含まれている発泡性
粒子を得た。
【0058】上記の発泡性粒子が、樹脂1kgあたりな
お1.8モルの二酸化炭素を含んでいるとき、これに
2.8kg/cm2 Gの水蒸気(140℃)を30秒間
接触させて発泡させ、嵩倍率が10倍の予備発泡粒子を
得た。
【0059】この予備発泡粒子を用いて、実施例1と同
様にしてこれに二酸化炭素を圧入したが、その場合二酸
化炭素の圧力を4kg/cm2 Gとした以外は、実施例
1と全く同様にして二次発泡性を付与し、樹脂1kgに
対し二酸化炭素が1.6モル含まれた二次発泡性粒子を
得た。
【0060】この二次発泡性粒子を暫く放置して、樹脂
1kgあたり二酸化炭素が1.5モル含まれている状態
のとき、この二次発泡性粒子を実施例1で用いたのと同
じ金型に入れ、金型内に3.2kg/cm2 Gの水蒸気
(144℃)を30秒間吹き込んで、粒子を膨張させる
とともに互いに融着させて発泡成形体とした。得られた
成形体は均一微細に発泡しており、密度が0.097g
/ccであり、粒子の融着は良好であった。
【0061】その後、得られた発泡成形体の寸法安定性
を実施例1と同様にして調べたところ、成形体は135
℃までは殆ど形も寸法も変化を生じなかった。従って、
耐熱温度は135℃であって、寸法安定性は良好と認め
られた。
【0062】
【実施例8】この実施例は、実施例7で得られた発泡性
粒子で、樹脂1kgあたり1.8モルの二酸化炭素を含
んでいる発泡性粒子を実施例7よりも長い期間放置し
て、樹脂1kgあたり0.2モルの二酸化炭素を含んで
いる状態のとき、これに4.0kg/cm2 Gの水蒸気
(150℃)を30秒間接触させて発泡させ、嵩倍率が
6倍の予備発泡粒子を得た。
【0063】この予備発泡粒子を用いて、実施例1と同
様にしてこれに二酸化炭素を圧入したが、その場合二酸
化炭素の圧力を8kg/cm2 Gとした以外は、実施例
1と全く同様にして二次発泡性を付与し、樹脂1kgあ
たり二酸化炭素が1.7モル含まれた二次発泡性粒子を
得た。
【0064】この二次発泡性粒子を暫く放置して、樹脂
1kgあたり二酸化炭素が1.4モル含まれている状態
のとき、この二次発泡性粒子を実施例1で用いたのと同
じ金型に入れ、金型内に3.4kg/cm2 Gの水蒸気
(145℃)を30秒間吹き込んで、粒子を膨張させる
とともに互いに融着させて発泡成形体とした。得られた
発泡成形体は均一微細に発泡しており、密度が0.17
2g/ccであり、粒子の融着は良好であった。
【0065】その後、得られた発泡成形体の寸法安定性
を実施例1と同様にして調べたところ、成形体は135
℃までは殆ど形も寸法も変化を生じなかった。従って、
耐熱温度は135℃であって、寸法安定性は良好と認め
られた。
【0066】
【実施例9】この実施例では、樹脂としてスチレン・マ
レイン酸共重合体とポリカーボネートとが、重量で3対
7の割合で混合されている混合樹脂を用いた。スチレン
・マレイン酸共重合体は、アーコケミカル社からダイラ
ーク#232の商品名で販売されているものを用いた。
この共重合体はガラス転移点が115℃であった。ま
た、ポリカーボネートとしては実施例1で用いたパンラ
イトを用いた。この混合樹脂を押出機に入れて、直径が
1mmの紐状に押し出し、これを長さ1.8mmに切断
してペレットとした。このペレットのビカット軟化点は
139℃であった。
【0067】上記のペレット150gに炭酸カルシウム
0.3gを加え、スーパーミキサーで表面被覆した。こ
の被覆粒子を300ミリリットルの耐圧容器に入れて密
封し、この容器内に二酸化炭素を20℃で30kg/c
2 Gの圧力下に4時間圧入して粒子に二酸化炭素を含
浸させた。こうして、発泡剤として二酸化炭素が、樹脂
1kgあたり2モル含まれている発泡性粒子を得た。
【0068】上記の発泡性粒子が、樹脂1kgあたりな
お2モルの二酸化炭素を含んでいるとき、これに3.5
kg/cm2 Gの水蒸気(146℃)を30秒間接触さ
せて発泡させ、予備発泡粒子とした。得られた予備発泡
粒子は嵩倍率が40倍であった。
【0069】上記の予備発泡粒子2000ミリリットル
を3000ミリリットル容量の耐圧容器に入れて密封
し、これに3kg/cm2 Gの二酸化炭素を20℃で1
時間圧入して二次発泡性を付与した。得られた二次発泡
性粒子は、樹脂1kgあたり3.8モルの二酸化炭素を
含んでいた。
【0070】上記の二次発泡性粒子は暫く放置して、樹
脂1kgあたり3.4モルの二酸化炭素を含んでいると
き、これを容積が40cm×30cm×1.5cmの成
形用金型内に充填し、2.6kg/cm2 Gの水蒸気
(138℃)を金型内に30秒間吹き込んで、粒子を発
泡させるとともに互いに融着させて発泡成形体とした。
得られた発泡成形体は均一微細に発泡しており、密度が
0.025g/ccで、粒子の融着は良好であった。
【0071】その後、得られた発泡成形体の寸法安定性
を実施例1と同様にして調べたところ、成形体は120
℃までは殆ど形も寸法も変えなかった。従って、耐熱温
度は120℃であって、寸法安定性は良好と判断され
た。
【0072】
【実施例10】この実施例では、実施例9で得られた発
泡性粒子を用いた。この発泡性粒子が、樹脂1kgあた
り2.0モルの二酸化炭素を含んでいるとき、これに
3.0kg/cm2 Gの水蒸気(142℃)を30秒間
接触させて発泡させ、嵩倍率が22倍の予備発泡粒子を
得た。
【0073】上記予備発泡粒子に実施例9と同様にして
二次発泡性を付与し、樹脂1kgあたり2.1モルの二
酸化炭素が含まれた二次発泡性粒子を得た。
【0074】上記の二次発泡性粒子が、樹脂1kgあた
り1.8モルの二酸化炭素を含んでいるとき、この二次
発泡性粒子を実施例9で用いたのと同じ成形用金型内に
入れ、金型内に2.8Kg/cm2 Gの水蒸気(139
℃)を30秒間吹き込んで、粒子を膨張させるとともに
互いに融着させて発泡成形体を得た。得られた発泡成形
体は均一微細に発泡しており、0.045g/ccの密
度を持ち、粒子の融着は良好であった。
【0075】その後、得られた発泡成形体の寸法安定性
を実施例1と同様にして調べたところ、成形体は120
℃までは殆ど形も寸法も変わらなかった。従って、耐熱
温度は120℃であって、寸法安定性は良好と判断され
た。
【0076】
【比較例1】この比較例は、発泡性粒子が樹脂1kgあ
たり無機ガスを2.5モル以上含むと、良好な予備発泡
粒子が得られないことを示すためのものである。実施の
詳細は下記のとおりである。
【0077】樹脂としては、実施例1で用いたポリカー
ボネートのペレットを用い、無機ガスとして二酸化炭素
を用いた。実施例1と同様にしてペレットに二酸化炭素
を圧入したが、圧入に際し、二酸化炭素の圧力を高めて
35kg/cm2 Gとして、樹脂1kgあたり2.8モ
ルの二酸化炭素が含まれている発泡性粒子を得た。
【0078】この発泡性粒子が樹脂1kgあたり2.8
モルの二酸化炭素を含んでいる状態のとき、これに2.
8kg/cm2 Gの水蒸気(140℃)を30秒間接触
させて嵩倍率が6倍の予備発泡粒子を得た。ところが、
この予備発泡粒子は、気泡が連続したものとなってお
り、これ以上無機ガスを圧入しても満足な発泡体を与え
るものとはなり得なかった。
【0079】
【比較例2】この比較例は、二次発泡性粒子が、樹脂1
kgあたり4モル以上の無機ガスを含むと、良好な発泡
成形体を得ることができなくなることを示す例である。
実施の詳細は下記のとおりである。
【0080】樹脂としては、実施例1で用いたポリカー
ボネートを用い、実施例1で得られた嵩倍率が8倍の予
備発泡粒子を材料に用いた。
【0081】上記の予備発泡粒子を使用し、実施例1と
同様にこれに二酸化炭素を圧入して二次発泡性を付与し
たが、その際二酸化炭素の圧力を高めて16kg/cm
2 Gとして、樹脂1kgあたり4.3モルの二酸化炭素
の含まれた二次発泡性粒子を得た。
【0082】この二次発泡性粒子が、樹脂1kgあたり
4.1モルの二酸化炭素を含んでいるとき、これを実施
例1と同じ成形用金型に充填し、金型内に2.5kg/
cm2 Gの水蒸気(137℃)を30秒間吹き込んで、
粒子を発泡させるとともに互いに融着させて発泡成形体
を得ようとした。ところが、粒子は互いに融着するに至
らず、従って発泡成形体を得ることができなかった。
【0083】
【比較例3】この比較例は、二次発泡性粒子が樹脂1k
gあたり0.5モル以下の無機ガスを含んだのでは、良
好な発泡成形体を得ることができないことを示す例であ
る。実施の詳細は下記のとおりである。
【0084】樹脂としては実施例1で用いたポリカーボ
ネートを用い、実施例1で得られた二次発泡性粒子を材
料としたが、二次発泡性粒子を実施例1よりも長時間放
置して、二次発泡性粒子中に樹脂1kgあたり0.4モ
ルの二酸化炭素が含まれているとき、二次発泡性粒子を
実施例1で用いた成形用金型内に充填して、金型内に
4.2kg/cm2 Gの水蒸気(152℃)を30秒間
吹き込んで発泡成形体を得ようとした。ところが、粒子
は互いに融着するに至らず、従って発泡成形体を得るこ
とができなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネートの粒子に無機ガスを圧
    入して、樹脂1kgあたり無機ガスが0.05−2.5
    モル含まれた発泡性粒子を作り、この発泡性粒子に水蒸
    気を接触させて粒子を加熱し発泡させて予備発泡粒子と
    し、次いでこの予備発泡粒子に再び無機ガスを圧入し
    て、樹脂1kgあたり無機ガスが0.5−4モル含まれ
    た二次発泡性粒子を作り、二次発泡性粒子を成形用金型
    内に充填し、金型内で水蒸気を二次発泡性粒子に接触さ
    せて、粒子を膨張させるとともに互いに融着させて成形
    体とすることを特徴とする、寸法安定性のよい合成樹脂
    発泡成形体の製造方法。
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