JPH10330526A - 耐熱性発泡樹脂粒子 - Google Patents

耐熱性発泡樹脂粒子

Info

Publication number
JPH10330526A
JPH10330526A JP9157969A JP15796997A JPH10330526A JP H10330526 A JPH10330526 A JP H10330526A JP 9157969 A JP9157969 A JP 9157969A JP 15796997 A JP15796997 A JP 15796997A JP H10330526 A JPH10330526 A JP H10330526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
heat
particles
styrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9157969A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Takahashi
邦雄 高橋
Toshiaki Ogoshi
俊明 大越
Naoki Nakayama
直樹 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Achilles Corp filed Critical Achilles Corp
Priority to JP9157969A priority Critical patent/JPH10330526A/ja
Publication of JPH10330526A publication Critical patent/JPH10330526A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】予備発泡に関して、特に従来慣用される温度で
の予備発泡により、嵩倍率30倍以上の高い発泡倍率を
達成することができ、また発泡成形に関して、成形サイ
クルを短縮し、熟成処理を施さずとも、十分高い耐熱性
を発泡成形品に付与することができるようにする。 【解決手段】耐熱性発泡樹脂粒子において、スチレン系
樹脂に重量平均分子量1000 ないし20,000を有し、さら
にまた、融点が120 〜160 ℃の範囲にある低分子量のポ
リエチレン樹脂が好ましくは 1〜10重量%ブレンドされ
たスチレン系混合樹脂50ないし90重量部と、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂50ないし10重量部からなる基材樹脂
と、該基材樹脂 100重量部に基づいて、3 ないし15重量
部の揮発性発泡剤を含有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性発泡樹脂粒
子、即ち、ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系
樹脂のブレンドよりなる耐熱性の高い発泡性樹脂粒子に
関する。より詳しくは、本発明は、予備発泡の過程で高
い発泡倍率を得ることができ、かつ、その予備発泡粒子
より、耐熱性の十分高い発泡成形品を短い成形サイクル
にて製造することができ、さらに、成形後の養生が短く
ても、十分に高い耐熱性が保持されるところの耐熱性発
泡樹脂粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、発泡性スチレン系樹脂粒子は、
粒状のスチレン系重合体に発泡剤(ブタン、ペンタン
等)を含浸させた樹脂粒子であるが、その後、予備発泡
を含む発泡化処理を経て、発泡成形品(発泡スチロール
製品)に加工されている。最終的に生産された発泡成形
品は、家電製品用等の梱包材、建築用ボードおよび断熱
ブロック、魚箱等の断熱容器、並びに、即席食品カップ
等の広範な用途に利用されている。また、近年において
は、スチレン系発泡成形品は、道路等の土木工事におけ
る埋設ブロックとしても利用されている。かように発泡
成形品の用途は多岐にわたるが、蒸気管とか熱水管など
を被覆する断熱材もしくは保温材、および屋根裏等に配
設される断熱材などの用途にあっては、発泡成形品は耐
熱温度80〜120℃という高い耐熱性を有するもので
あることが要求される。また、これら用途の部材は、そ
のような高温条件下でさえ長期間の使用に耐えうるもの
でなければならない。
【0003】しかし、従来の発泡スチロール製品は、上
記用途での長期使用の間に著しく寸法収縮し、断熱・保
温効果を当初のまま維持できなくなることがあり、従っ
て、上記の耐熱性、特に経時的な耐熱性を改良すること
が求められていた。そこで、従来、発泡成形品の耐熱性
を改良するいくつかの試みがなされ、その中、有望な一
つの試みとして、特公昭 56-43054 号公報、特公昭 56-
43055 号公報などに記載されるように、発泡成形品の基
材樹脂として、スチレン系樹脂に代わりに、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂のブレンド物また
は共重合化物を使用し、そして、そのブレンド物等より
なる耐熱性発泡樹脂粒子を原料として耐熱性の高い発泡
成形品を作るという方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は、確か
に、発泡成形品の耐熱性を従来一般の発泡スチロール製
品よりも向上させる。その耐熱性は、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂の配合比率がより高い程、より高くなる。
しかし、この方法は、例えば以下のような、改良すべき
点がなお存在する。発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発
泡は、通常100℃前後の水蒸気を用いて行なわれる
が、ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂の
ブレンド物を基材とする上記の耐熱性発泡樹脂粒子にあ
っては、発泡性スチレン系樹脂粒子の場合と同様の条件
で予備発泡を行なっても、30倍以上という高い発泡倍
率を得ることができず、満足な予備発泡粒子を作ること
ができない。また、耐熱性発泡樹脂粒子は、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂の配合により、従来一般の発泡性ス
チレン系樹脂粒子と比較して、発泡剤の経時的な逸散の
頻度がより激しくなるという傾向を有する。耐熱性発泡
樹脂粒子に含浸された発泡剤が同粒子より外へ著しく逸
散してしまうと、それより得られる予備発泡粒子につい
て、高い発泡倍率を達成することが困難になる。従っ
て、耐熱性発泡樹脂粒子の保管、特に熟成処理にあって
は、その温度管理に対して一層細心の注意を払うことが
必要とされる。とりわけ、暑い時期(夏季)にあって
は、耐熱性発泡樹脂粒子を低温倉庫等の中で保管するこ
とが必要となろうが、低温保管はそのための冷蔵設備お
よびその運転費を余計に要することとなる。
【0005】そこで、予備発泡粒子における発泡倍率の
低下の防止等を目的として、従来、次に示すような、い
くつかの提案や試みがなされてきた。 特公平 8-19253号公報等に開示されるように、加圧水
蒸気を用いて耐熱性発泡樹脂粒子をその基材樹脂のガラ
ス転移温度以上の高い温度(210℃を上限とする)に
加熱することにより、耐熱性発泡樹脂粒子の予備発泡を
行ない、得られる予備発泡粒子について高い発泡倍率を
達成する方法。より具体的な例として、上記公報の実施
例1〜3には、PPE/PSペレットの予備発泡を水蒸
気オートクレーブ中で132℃もしくは121℃の温度
にて行なう例が示されている。 特開平 2-18428号公報等に開示されるように、可塑化
発泡剤としてテトラヒドロフラン、ジイソプロピルエー
テル、メチルエチルケトンあるいはn−ブチルアセテー
ト等を発泡剤とともに耐熱性発泡樹脂粒子の基材樹脂に
含浸して、基材樹脂の可塑性を高め、これにより、予備
発泡の過程での耐熱性発泡樹脂粒子の発泡をより容易に
する方法。これと同様の他の方法は、特開平 8-100078
号公報にも開示されている。その明細書に記載された方
法では、KB値20〜200、沸点95〜400℃の有
機溶剤が可塑化剤として発泡剤とともに耐熱性発泡樹脂
粒子の基材樹脂に含浸されている。
【0006】また、上記の耐熱性発泡樹脂粒子は、最終
製品の特性の面でも別の問題を有する。すなわち、耐熱
性発泡樹脂粒子より得られた予備発泡粒子をさらに加熱
発泡して、発泡成形品を作るとき、発泡剤および有機溶
剤などが多量に発泡成形品内に残留すると、発泡成形品
の特に高温における寸法変化が大きなものとなり、発泡
成形品の耐熱性が著しく低下するという問題がある。そ
こで、発泡成形品の耐熱性の改良等を目的として、従
来、次に示すような提案がなされている。 特公昭 56-43055 公報等に開示されるように、発泡成
形品を特別な条件下で、例えば基材樹脂のビカット軟化
点より5〜40℃低い温度条件下で熟成して、発泡成形
品内の発泡剤の含有量を3重量%以下にする方法。
【0007】しかし、上記の方法は、その実施に当っ
て、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡に慣用される
発泡機とはまったく異なる、特別な加圧式予備発泡設備
を導入することが必ず必要とされる。従って、この方法
は、生産費の増大をひき起こすので、直ちに採用でき
るものではない。また、方法は、基材樹脂に含浸され
る有機溶剤の沸点が一般に慣用の発泡剤のそれより高い
ので、最終の発泡成形後においても、有機溶剤が発泡成
形品内に残留しやすく、このため、発泡成形品の耐熱性
が著しく悪化するという欠点を有する。さらに、方法
は、その実施に当って、発泡成形品の加温熟成を行なう
ための熟成室等の設備が新たに必要となり、よって、生
産費の増大および生産性の悪化をひき起こすので、直ち
に採用できるものでない。以上のように、従来の提案は
いずれも、完全に満足な解決を与えるものではなかっ
た。
【0008】本発明は、かかる背景に基づいてなされた
ものであって、その課題は、予備発泡に関して、嵩倍率
30倍以上の、高い発泡倍率を達成することができ、特
に、従来一般の発泡性スチレン系樹脂粒子について慣用
される予備発泡温度の範囲での予備発泡により、所望の
発泡倍率を得ることができ、また、最終の発泡成形に関
して、成形サイクルが従来より格段に短縮されるととも
に、特別な熟成処理を施さずとも、十分高い耐熱性を発
泡成形品に付与することができるところの耐熱性発泡樹
脂粒子を提供することにある。本発明のその他の目的、
効果および利点は、以下の記載および特許請求の範囲の
記載より導かれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、重量平均分子量が1000ないし20,000の
低分子量のポリオレフィン樹脂がブレンドされたスチレ
ン系混合樹脂を用いて、耐熱性混合樹脂粒子を仕上げる
と、混合された低分子量のポリオレフィン樹脂粒子は、
その耐熱性混合樹脂粒子の予備発泡粒子を用いた発泡成
形の過程において、発泡剤が大変迅速に逸散し、成形サ
イクルが大幅に短縮され、また、発泡成形品内に発泡剤
等の残留が少ないので、成形品の耐熱性も向上し、成形
後の成形品の変形収縮の発生しにくい物であることを見
い出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0010】したがって、本発明は、明確には、ポリス
チレン系樹脂に重量平均分子量1000ないし20,0
00を有する低分子量のポリオレフィン樹脂がブレンド
されたポリスチレン系混合樹脂50ないし90重量部
と、ポリフェニレンエーテル系樹脂50ないし10重量
部からなる基材樹脂と、該基材樹脂100重量部に基づ
いて、3ないし15重量部の揮発性発泡剤を含有してな
ることを特徴とする、耐熱性発泡樹脂粒子に関する。本
発明のより好ましい態様は、前記ポリスチレン系混合樹
脂とは、スチレン系樹脂に基づいて、1ないし10重量
%の低分子量ポリオレフィン樹脂をブレンドしてなるこ
とを特徴とする、上記の耐熱性発泡樹脂粒子に関する。
さらに、低分子量ポリオレフィン樹脂の融点が120な
いし160℃の範囲にある事を特徴とする、上記の耐熱
性発泡樹脂粒子に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の耐熱性発泡樹脂粒子は、
その基材樹脂に、揮発性発泡剤を含有する樹脂粒子であ
って、その主要な特徴は、基材樹脂の組成配合にある。
基材樹脂は、スチレン系混合樹脂とポリフェニレンエー
テル系樹脂との樹脂ブレンドであって、さらに必要によ
り、種々の添加剤および助剤などが配合された樹脂であ
る。スチレン系混合樹脂は、スチレン系樹脂に、重量平
均分子量1000ないし20,000で、より好ましく
は重量平均分子量3,000ないし10,000であ
る、樹脂の融点が120から160℃の範囲の、低分子
量のポリオレフィン樹脂をブレンドしたものである。
【0012】本発明でいうスチレン系樹脂には、スチレ
ン系単量体の単独重合体に限らず、他の単量体との共重
合体(スチレン系単量体を50%以上の割合で使用して
作られる)が含まれる。そして、このスチレン系樹脂
は、一般に、耐熱性発泡樹脂粒子の基材樹脂の一部とし
て従来より慣用されているスチレン系樹脂に相当する。
スチレン系単量体には、単独のスチレンの他に、α−メ
チルスチレン、エチルスチレン、p−クロロスチレン等
の置換スチレンが含まれる。また、共重合体の相手方の
単量体には、メチルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート等の
(メタ)アクリレート、並びに、アクリロニトリル、ビ
ニルトルエン、ビニルカルバゾール等のビニル系単量体
などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上のものを併用してもよい。従って、本発明に用いる
高分子量のスチレン系樹脂としては、ポリスチレンの
他、ポリα−メチルスチレン、ポリp−クロロスチレン
等のポリ置換スチレンの他、スチレンと置換スチレン
(例えばα−メチルスチレン等)との共重合体、あるい
は、スチレンとビニル系単量体(例えばアクリロニトリ
ル)との共重合体などが挙げられる。より好ましいスチ
レン系樹脂には、ポリスチレン、一般的に耐衝撃性ポリ
スチレン(HIPS)として知られているゴムで改質さ
れたポリスチレンであり、適切なゴム改質剤としては、
ポリブタジエン、ポリクロロプレン、スチレンーブタジ
エン共重合体がある。また、ポリスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、ポリスチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレンのグラフト共重合体などが挙げられる。ま
た、より好ましいスチレン系樹脂は、最終の発泡成形品
がより望ましい物性を保持し得るという観点より、重量
平均分子量150,000ないし300,000を有す
る樹脂である。
【0013】また、本発明で使用される低分子量のポリ
オレフィン樹脂とは、重量平均分子量1000ないし2
0,000を有するもので、例えば、高密度タイプの低
分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリオレフィン等が
あげられる。これらは、1)重合による方法。2)高分
子量体を分解する方法。3)高分子量体の製造の際に副
生される低重合体を分離する方法。等で得られるが、所
望の重量平均分子量のポリオレフィン樹脂であれば、い
かなる製法によるものでもよい。この低分子量のポリオ
レフィン樹脂は、予備発泡粒子を用いた発泡成形の過程
及び発泡成形品となった後において、発泡剤等の逸散を
たすける。これにより、成形サイクルが大幅に短縮され
るとともに、成形品の耐熱性の向上にも貢献する。従っ
て、低分子量のポリオレフィン樹脂は、その重量平均分
子量が1000未満であると最終の発泡成形品の物性が
著しく悪化する。また、重量平均分子量が20,000
を超えると、発泡剤の逸散が多くなり、発泡倍率の向上
が計れなくなる。よって、更に好ましくは、低分子量の
ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量としては、3,0
00ないし10,000である。
【0014】本発明において、より好ましいスチレン系
混合樹脂は、スチレン系樹脂に基づいて、1ないし10
重量%のより低分子量のポリオレフィン樹脂がブレンド
されたものである。スチレン系樹脂に基づいて、低分子
量のポリオレフィン樹脂が1重量%未満の量で配合され
ているとき、発泡剤逸散の作用が弱く、成形サイクルの
短縮および成形品の耐熱性の向上に関して所望の効果を
発揮できない。一方、低分子量のポリオレフィン樹脂が
10重量%を越える量で配合されていると、スチレン系
混合樹脂からの揮発性発泡剤の逸散が速くなり、予備発
泡過程での発泡倍率の向上が望めなくなる。更に、例え
ば、圧縮強度、曲げ強度等の諸物性の低下が著しくなる
ので望ましくない。
【0015】本発明で添加される低分子のポリオレフィ
ン樹脂の融点は、120ないし160℃であることが好
ましく、更に好ましくは、125ないし150℃であ
る。スチレン系混合樹脂に混合される低分子のポリオレ
フィン樹脂の融点が120℃未満であると、成形品から
の発泡剤の逸散が少なく、それにより得られた最終成形
品の耐熱性が悪いものとなる。一方、低分子のポリエチ
レン樹脂の融点が160℃を超えると、予備発泡過程で
の発泡倍率が低下するといった欠点が生じてくる。
【0016】また、本発明でいうポリフェニレンエーテ
ル系樹脂とは、次式I
【化1】 (式中、R1 およびR2 は、互いに独立して炭素原子数
1ないし4のアルキル基またはハロゲン原子を表し、n
は、重合度を表す。)で表されるポリフェニレンエーテ
ル系樹脂をいい、その具体的な例としては、ポリ(2,
6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ
(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、
ポリ(2,6−ジクロロフェニレン−1,4−エーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,
4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−メチルフェニ
レン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イ
ソプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ
(2,6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エー
テル)、ポリ(2−ブロモ−6−メチルフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモフ
ェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6
−エチルフェニレン−1,4−エーテル)などが挙げら
れる。重合度nは、10〜5000であればよく、50
00を越えると、均一な耐熱発泡体が得られにくく、1
0未満では、目的の耐熱性を有する発泡体が得られにく
い。
【0017】基材樹脂は、上記のスチレン系混合樹脂と
ポリフェニレンエーテル系樹脂との樹脂ブレンドであっ
て、さらに必要に応じて、各種の添加剤(着色剤、難燃
剤、熱安定剤、造核剤、滑剤等)を適当量配合すること
ができる。スチレン系混合樹脂とポリフェニレンエーテ
ル系樹脂の配合比に関して、本発明においては、スチレ
ン系混合樹脂50〜90重量部およびポリフェニレンエ
ーテル系樹脂50〜10重量部の割合、より好ましく
は、スチレン系混合樹脂70〜90重量部およびポリフ
ェニレンエーテル系樹脂30〜10重量部の組成割合で
あることが必要とされる。スチレン系混合樹脂が90重
量部を越えると(つまりポリフェニレンエーテル系樹脂
が10重量部未満であると)、ポリフェニレンエーテル
系樹脂のブレンド効果、つまり耐熱性の改良効果が実質
的に小さなものにとどまり、耐熱性発泡樹脂粒子の基材
樹脂は所期の耐熱性(融点の上昇効果)が十分に得られ
ない。一方、スチレン系混合樹脂が50重量部未満であ
ると(つまりポリフェニレンエーテル系樹脂が50重量
部を越えると)、基材樹脂が揮発性発泡剤を耐熱性発泡
樹脂粒子内に閉じ込めておく作用が大変弱まり、同樹脂
粒子からの揮発性発泡剤の逸散が迅速で激しいものとな
り、予備発泡の過程で所期の発泡倍率を達成することが
困難となる。
【0018】また、本発明に使用される揮発性発泡剤と
しては、例えばプロパン、ブタン、nーペンタン、イソ
ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、または、塩化
メチル、フレオン等のハロゲン化炭化水素が利用され
る。これらの揮発性発泡剤は、単独で使用してもよく、
また、二種以上の組合せで使用してもよい。しかしなが
ら、耐熱性発泡樹脂粒子の乾燥処理の際、揮発性発泡剤
の逸散がより少ないという観点から、揮発性発泡剤とし
ては、ブタンまたはペンタンがより好ましく、ペンタン
が最も好ましい。なお、揮発性発泡剤の配合量は、一般
に、予備発泡の過程での発泡倍率を決定する重要な要素
であるが、本発明の場合は、その発泡倍率は、その発泡
剤の配合量の他、低分子量のポリオレフィン樹脂のブレ
ンド割合に依存し、これらが相互に関連して決定され
る。
【0019】また、本発明の耐熱性発泡樹脂粒子は、上
記の揮発性発泡剤の他に、所望により、各種の添加剤並
びに助剤、例えば難燃剤、着色剤、熱安定剤、造核剤、
滑剤等を適当な量、基材樹脂に配合することができる。
例えば、難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、テトラブロモビスフェノールA、ペンタブロモモノ
クロルシクロヘキサン等が適当であり、同様に、他の添
加剤等についても、公知のものより適宜選択して使用さ
れる。また、可塑剤も、耐熱性を損なわない程度の量、
配合することができる。可塑剤の例としては、DOP、
DOA、DBP、ヤシ油、パーム油等が挙げられる。
【0020】また、本発明は、耐熱性発泡樹脂粒子の製
造プロセス全般に関して、特に限定するものでない。本
発明の耐熱性発泡樹脂粒子は、まず、スチレン系樹脂、
低分子量のポリオレフィン樹脂およびポリフェニレンエ
ーテル系樹脂のそれぞれ所定の量を例えば押出し機内に
投入して溶融混練し、それより基材樹脂の粒子(粒状、
ペレット状もしくは球状等のもの)を成形し、次に、揮
発性発泡剤の所定の量を基材樹脂の粒子に含浸させるこ
とにより、より具体的には、基材樹脂の粒子をオートク
レーブ内の水性懸濁系の中に分散させ、続いて、揮発性
発泡剤を懸濁系内に圧入し、適宜、加熱することによ
り、作られる。また、揮発性発泡剤の含浸時の水性懸濁
系に使用される分散剤としては、例えば、リン酸三カル
シウム、リン酸マグネシウム、ハイドロキシアパタイト
等の難水溶性無機塩、または、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の有機高分
子が挙げられる。また、分散剤と組み合せて使用される
分散助剤としては、ドデシルフェニルオキサイドジスル
ホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α
−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルフェノールエーテル等のノニオン界
面活性剤が挙げられる。
【0021】而して、本発明に係る耐熱性発泡樹脂粒子
は、必要により任意の見かけ比重にまで予備発泡し、次
いで、常法に従い、予備発泡粒子を金型等の成形型内に
充填し、そして蒸気を用いて加熱発泡することにより、
予備発泡粒子を相互に融着させて、所望の形状(寸法)
の発泡成形品を作ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を、最良と思われる形
態を含めて、説明する。
【0023】−耐熱性発泡樹脂粒子の製造− 以下の表1に示されるポリスチレン樹脂およびより低分
子量のポリオレフィン樹脂、並びに、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂を、表1に示される組成割合にて、押出し
機内にその他の添加剤と一緒に投入し、そして、これら
を、加熱による溶融そしてスクリューによる混練に続い
て、ストランドの形態にて押出し、その後、そのストラ
ンドをロータリー式ペレタイザーにおいて切断し、ペレ
ット化した。得られた基材樹脂のペレット1500gを
5Lのオートクレーブ中に入れ、さらに、イオン交換水
2500g、分散剤としてリン酸三石灰15gおよびド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15gをオー
トクレーブ内に投入し、続いて、この混合物を攪拌しな
がら、揮発性発泡剤のn−ペンタン150g(基材樹脂
に基づいて10重量%)と、トルエン7.5gr(基材
樹脂に対して0.5重量%)を圧入した。次いで、オー
トクレーブ内の水性懸濁系を130℃に昇温し、その状
態を6時間保持することにより、揮発性発泡剤を基材樹
脂のペレットに含浸せしめた。この処理の後、水性懸濁
系を室温まで冷却し、生成した耐熱性発泡樹脂粒子をオ
ートクレーブより取り出した。 その後、得られた耐熱
性発泡樹脂粒子を、洗浄に続いて、脱水し、次いで、ド
ライヤーを用い、脱水された耐熱性発泡樹脂粒子を熱風
により乾燥し、その後、20℃において5日間保管して
熟成処理を為し、しかる後、粒径1.0〜1.2mmの
耐熱性発泡樹脂粒子を得た。
【0024】低分子ポリオレフィン樹脂の融点の測定方
法は、JISK−7121に基づき、示差走査熱量測定
において描かれるDSC曲線での融解ピークの頂点の温
度を、融点(Tpm)=融解ピーク温度とした。
【0025】 注)表1中のMwは、低分子ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量を表わす。 表1中のTpmは、低分子ポリオレフィン樹脂の融点を表す。
【0026】−予備発砲された樹脂粒子についての発泡
倍率の測定− 上記各例の耐熱性発泡樹脂粒子を温度101℃の水蒸気
により4分間発泡せしめ、得られた予備発泡粒子の嵩倍
率を測定した。この嵩倍率は下記の表2に発泡倍率1)
して示される。
【0027】−発泡成形の過程、および放冷時間の測定
− 上記各例の耐熱性発泡樹脂粒子より、嵩倍率40倍に発
泡された予備発泡粒子を作り、次いで、これを室温にて
12時間の間熟成し、その後自動成形機の成形型内に投
入し、発泡圧力(ゲージ圧)1.3 kg/cm2 にて30秒
間加熱する条件で発泡成形を行ない、50mm×300mm
×300mmの大きさの発泡成形品を作った。脱型時の成
形型の面圧を0.1 kg/cm2 に設定し、そして、上記各
例について、発泡成形型内の圧力がこの面圧にまで低下
するまでの時間、即ち表3における放冷時間2)をそれぞ
れ測定した。
【0028】−発泡成形品内に残留する発泡剤等の量の
測定− 上記の発泡成形の後、発泡成形品を室温にて24時間放
置し、その後、その一部を採取し、その試料についてガ
スクロマトグラフィー分析を行ない、発泡成形品内に残
留する発泡剤、トルエンおよび有機溶媒の総量を測定し
た。この総量は下記の表3において発泡剤量3)として示
される。
【0029】−発泡成形品の耐熱性の測定− 上記の発泡成形品より、100mm×100mm×25mmの
大きさの試料を作り、これを発泡成形より後2日目に、
95℃のオーブン中に入れ、そして、その状態を1週間
の間保持した。その後、試料をオーブンより取り出し、
その縦、横の長さ、および厚みを計測し、そして、それ
ら方向の寸法変化の割合の平均値、即ち表3における寸
法変化率4)を求めた。寸法変化率4)がより小さい程、発
泡成形品の耐熱性はより高いと認められる。
【0030】以上の各測定の結果を、下記の表2にまと
めて示す。 a) 嵩倍率40倍の予備発泡粒子が得られず、よって、発泡成形を行なっていな い。従って、発泡成形品の特性、品質に関する測定データは無い。
【0031】表2より、実施例1ないし4の耐熱性発泡
樹脂粒子の場合は、いずれも、それを用いた一般的な予
備発泡の過程で、嵩倍率40倍以上の発泡倍率を得るこ
とができ、また、これに続く発泡成形にあっては、成形
時の放冷時間が大幅に短縮されて、生産性を向上するこ
とができ、さらに、発泡成形品の寸法変化が大変小さく
なり、その耐熱性が著しく改良されることがわかる。一
方、比較例1、2の耐熱性発泡樹脂粒子の場合は、低分
子量のポリオレフィン樹脂が配合されていないため、予
備発泡の過程で、一部で発泡倍率について所望の向上効
果を得ることができず、かつ、発泡成形における放冷時
間も大変長く、発泡成形の生産性が悪く、さらに、発泡
成形品の寸法変化が大きく、その耐熱性も大変低いこと
がわかる。また、比較例3の耐熱性発泡樹脂粒子の場合
は、Mw=900でTpm=116℃の低分子量ポリオ
レフィン樹脂を加えた例であるが、発泡倍率の向上は見
られるものの、放冷時間が長く、また95℃の雰囲気中
での寸法変化量が大きく、耐熱性の明らかな低下が見ら
れた。比較例4の耐熱性発泡樹脂粒子の場合は、Mw=
30000でTpm=162℃の低分子量ポリオレフィ
ン樹脂を加えた例であるが、発泡倍率の低下が見られ
た。
【0032】−他の耐熱性発泡樹脂粒子の製造と発泡成
形品の機械的強度の測定− ポリスチレン樹脂に対するより低分子量のポリオレフィ
ン樹脂の配合量を0.5〜40重量%の範囲で種々変更
したことを除いて、実施例1の組成と同じ組成よりなる
数例の耐熱性発泡樹脂粒子を上記実施例の製造手順、条
件に従ってそれぞれ製造した。そして、得られた耐熱性
発泡樹脂粒子より、上記実施例と同様の方法により密度
25 kg/m3の発泡成形品を作り、その後、発泡成形品の
曲げ強度及び5%圧縮強度をJIS A9511に従い
測定した。その結果は、以下の表3に示す。
【0033】
【0034】この表より、低分子量のポリオレフィン樹
脂が10重量%を越える量で配合された比較例6にあっ
ては、発泡成形品において所要の物性(曲げ強度)を達
成することができず、実用品質の発泡成形品を得られな
いことがわかる。一方、低分子量のポリオレフィン樹脂
が1重量%未満の量で配合された比較例5にあっては、
言及しない試験にて、放冷時間が長く、また、耐熱性に
おいて、所望の向上効果が得られないことが確認されて
いる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
当該耐熱性発泡樹脂粒子を用いた予備発泡に関して、嵩
倍率30倍以上の、高い発泡倍率を達成することがで
き、特に、通常の発泡性スチレン系樹脂粒子にて従来慣
用されている予備発泡温度(約100℃)での予備発泡
により、当該耐熱性発泡樹脂粒子を用いた予備発泡に関
して、所望の発泡倍率を得ることができるという効果が
得られる。また、本発明によれば、発泡成形に関して、
成形サイクルが従来より格段に短縮されるとともに、特
別な熟成処理を施さずとも、十分高い耐熱性を発泡成形
品に付与することができるという効果も得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23:02)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン系樹脂に重量平均分子量1
    000ないし20,000を有する低分子量のポリオレ
    フィン樹脂がブレンドされたポリスチレン系混合樹脂5
    0ないし90重量部と、ポリフェニレンエーテル系樹脂
    50ないし10重量部からなる基材樹脂と、該基材樹脂
    100重量部に基づいて、3ないし15重量部の揮発性
    発泡剤を含有してなることを特徴とする耐熱性発泡樹脂
    粒子。
  2. 【請求項2】 前記ポリスチレン系混合樹脂とは、スチ
    レン系樹脂に基づいて、1ないし10重量%の低分子量
    ポリオレフィン樹脂をブレンドしてなることを特徴とす
    る、請求項1記載の耐熱性発泡樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 低分子量ポリオレフィン樹脂の融点が1
    20ないし160℃の範囲にある事を特徴とする、請求
    項1記載の耐熱性発泡樹脂粒子。
JP9157969A 1997-05-30 1997-05-30 耐熱性発泡樹脂粒子 Pending JPH10330526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9157969A JPH10330526A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 耐熱性発泡樹脂粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9157969A JPH10330526A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 耐熱性発泡樹脂粒子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10330526A true JPH10330526A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15661405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9157969A Pending JPH10330526A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 耐熱性発泡樹脂粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10330526A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279014A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Achilles Corp 改良された寸法安定性を有する誘電発泡成形品
JP2007224578A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Dow Kakoh Kk 勾配板及びそれを用いた外部水勾配面の構造
JP2019182981A (ja) * 2018-04-09 2019-10-24 株式会社カネカ 衝撃吸収材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279014A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Achilles Corp 改良された寸法安定性を有する誘電発泡成形品
JP2007224578A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Dow Kakoh Kk 勾配板及びそれを用いた外部水勾配面の構造
JP2019182981A (ja) * 2018-04-09 2019-10-24 株式会社カネカ 衝撃吸収材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009536687A (ja) 断熱特性に優れた発泡性ポリスチレン粒子の2段階製造方法
JPH073068A (ja) ビーズ状発泡性スチレン重合体
EP1485429B1 (en) Process for the preparation of compositions based on expandable vinylaromatic polymers with an improved expandability
JP3970191B2 (ja) 自己消火型発泡性スチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP2002284917A (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子
JPH0790105A (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子及び該粒子から得られるスチレン系樹脂発泡成形体
JP3970188B2 (ja) 自己消火型発泡性スチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子及び自己消火型発泡成形体
JP2003335891A (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡成形体、およびその製造方法
JP2004155870A (ja) 建材用発泡性スチレン系樹脂粒子及びその発泡成形体
JP2002194130A (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びその製造方法
JPH10330526A (ja) 耐熱性発泡樹脂粒子
JPH05262909A (ja) 耐熱性発泡体の製造方法
JP4653321B2 (ja) 発泡性ゴム変性アクリロニトリル・スチレン系樹脂粒子、その製造法及び発泡成形体
KR20090052433A (ko) 재생 스티렌계 수지를 이용한 발포성 폴리스티렌 및 이의제조방법
JPH10316792A (ja) 耐熱性発泡樹脂粒子
JPH10287763A (ja) 耐熱性発泡樹脂粒子
KR20170069386A (ko) 재생 폴리스티렌계 재료를 이용한 열전도율이 낮은 발포성 폴리스티렌 입자의 제조 방법
JP2010189535A (ja) スチレン系樹脂粒子発泡成形体
JP3462775B2 (ja) 発泡成形体
JPS5858372B2 (ja) 発泡可能な自消性熱可塑性樹脂粒子の製造方法
US20080096990A1 (en) Flame Retardant Polystyrene Foam Compositions
US20020072547A1 (en) Expandable polystyrenes
JPH10279725A (ja) 耐熱性発泡樹脂粒子およびその製造方法
KR100716224B1 (ko) 고기능성을 갖는 발포성 폴리스티렌 입자의 2단계 제조방법
JPH05310986A (ja) 寸法安定性のよい合成樹脂発泡成形体の製造方法