JP2002194130A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びその製造方法

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JP2002194130A JP2001320904A JP2001320904A JP2002194130A JP 2002194130 A JP2002194130 A JP 2002194130A JP 2001320904 A JP2001320904 A JP 2001320904A JP 2001320904 A JP2001320904 A JP 2001320904A JP 2002194130 A JP2002194130 A JP 2002194130A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡ポリスチレン系樹脂成形体の断熱性能
は、発泡体の気泡径が特定の平均弦長で最良の断熱効果
を示すが、製造直後からの時間経過により発泡体の気泡
径が変化して有効な気泡径でなくなることが指摘されて
きた。この現象が起きにくく、かつ難燃性の優れた成形
体を製造しうる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る。 【解決手段】 ポリスチレン系樹脂100重量部にハロ
ゲン系難燃剤を0.1〜6重量部及び特定の気泡調整剤
を特定量含有させることを特徴とする発泡性ポリスチレ
ン系樹脂粒子およびその製造方法であって、この発泡性
ポリスチレン系樹脂粒子を成形した成形体は、その切断
面気泡径の平均弦長を90〜200μmの範囲とするこ
とができ、断熱性能と表面性に優れた難燃性発泡性ポリ
スチレン系樹脂粒子及び製造方法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子は、水蒸気や熱風等の加熱手段で加熱されると、粒子
内に多数の小気泡が生成して予備発泡粒子となる。そし
て、この予備発泡粒子を金型内に充填して再び加熱する
と、上記予備発泡粒子が二次発泡し、互いに融着し合っ
て、金型内の型形状に忠実な発泡ポリスチレン系樹脂成
形体を成形することができる。従ってこのようにして得
られた発泡ポリスチレン系樹脂成形体は建築用断熱材、
盛土等として利用することができる。
【0002】本発明は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
の製造時にハロゲン系難燃剤と気泡調節剤として脂肪族
ビスアマイド、メチルメタクリレート・ブタジエン・ス
チレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体を組み
合わせることにより、製造直後から約1ヶ月以上経過さ
せても、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を型内
で二次発泡させ、成形して得られる成形体の切断面気泡
径の変化が少なく、しかもこれら成形体の切断面気泡径
の平均弦長を90〜200μmの間で任意にコントロー
ルすることができ、断熱性能に優れ、かつ難燃性を有す
る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びその製造方法に関
するものである。
【0003】
【従来の技術】周知のように、発泡ポリスチレン系樹脂
成形体は広い範囲の用途に使用されているが特に建材や
盛土分野には難燃化された発泡成形体の供給が必須であ
る。最近、従来以上に大きな成形体や厚みのある成形体
あるいは高倍化された成形体が要求される場合があり、
より優れた寸法安定性、機械的強度のある難燃性発泡ポ
リスチレン系樹脂を得る事が必要となってきている。特
に建材分野で壁や床の断熱材に使用される発泡ポリスチ
レン系成形体は、省エネルギーの観点から断熱性能に優
れた難燃性のものが切望されている。
【0004】一般に発泡ポリスチレン系樹脂成形体の断
熱効果は、特開平2−305839にも記載の如く発泡
体の気泡寸法がmm当たり約5から10個の気泡(即
ち、平均弦長で約100から200μmに相当する)で
ある場合に最良の断熱効果を示す事が知られている。
【0005】一方、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の難
燃化には、(a)難燃剤をスチレン系モノマーと共に重
合時に添加する方法、(b)ポリスチレン系樹脂に発泡
剤を含浸させる際に難燃剤を添加する方法、の何れかが
採用されてきた。これらの方法に於いて製造されるポリ
スチレン系重合体粒子は、難燃剤自体が造核作用を有す
るため熟成が非常に短期間で進むと同時に、一般に熟成
は粒子表面付近から起こることから表面の気泡から微細
化が進行するため粒子の大きさによって気泡状態の異な
る、いわゆる粒子間ムラが発生していた。
【0006】このため、任意の気泡径を有し、かつ均一
な気泡は得難く最終的には超微細な気泡になるという欠
点が認識されていた。この為、高圧側で成形した時は成
形体表面が溶融してしまい成形幅が狭く取り扱い難い傾
向を有し、また、気泡膜が薄いため破れ易く高倍化しに
くいと云う欠点が指摘されている。
【0007】難燃性の発泡ポリスチレン系樹脂成形体の
セル径を調整する技術としては、特開平2−30583
9には気泡調節剤としてアンモニウム塩と有機アミンを
併用する技術が開示されている。また、 WO97/1
7396では、界面活性剤種の選択により気泡径を調整
している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−305839で気泡調整剤として使用している有機
アミンは毒性上の問題が懸念され好ましくなく、WO9
7/17396では、界面活性剤の選択により気泡径を
調整し、気泡調節剤を含有させていないので、気泡の熟
成期間が長くかかりリードタイムが長くなると言う問題
があり、また、記載された熱伝導率の発泡ポリスチレン
系樹脂成形体を工業的に量産するのは困難であった。
【0009】この為、毒性上懸念が無く、成形して得ら
れる成形体の切断面気泡の経時変化が少なく、しかも任
意に気泡径をコントロールすることができる表面性およ
び断熱性能の優れた難燃発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
が切望されていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決する為
に鋭意研究を重ねた結果、発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子にハロゲン系難燃剤と特定の気泡調節剤を適当量含有
させる事により、発泡体の気泡が製造直後から平均弦長
90−200μmという断熱性能に有効な気泡径を有
し、かつ時間の経過によっても気泡径が変化しにくい発
泡性ポリスチレン系樹脂粒子が得られる事を見出し、本
発明を完成させた。
【0011】即ち、本発明は、(1)ポリスチレン系樹
脂100重量部にハロゲン系難燃剤を0.1〜6重量部
及び脂肪族ビスアマイドを0.001〜0.3重量部含
有させることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子。
【0012】(2)ポリスチレン系樹脂100重量部に
ハロゲン系難燃剤を0.1〜6重量部及びメチルメタク
リレート・ブタジエン・スチレン共重合体及び又はスチ
レン・ブタジエン共重合体を0.01〜1重量部含有さ
せることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【0013】(3)発泡成形したときの成形体の切断面
気泡径の平均弦長が90〜200μmの範囲であること
を特徴とする(1)又は(2)記載の発泡性ポリスチレ
ン系樹脂粒子。
【0014】(4)発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製
造するに際し、重合系中にスチレン系単量体100重量
部に対してハロゲン系難燃剤を0.1〜6重量部及び脂
肪族ビスアマイドを0.001〜0.3重量部存在させ
ると共に、重合途中又は重合後に発泡剤を添加すること
を特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方
法。
【0015】(5)発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製
造するに際し、重合系中にスチレン系単量体100重量
部に対してハロゲン系難燃剤を0.1〜6重量部及びメ
チルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体及
び又はスチレン・ブタジエン共重合体を0.01〜1重
量部存在させると共に、重合途中又は重合後に発泡剤を
添加することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば、発泡性ポリス
チレン系樹脂粒子を製造するに際し、重合系中にハロゲ
ン系難燃剤をスチレン系単量体100重量部に対して
0.1〜6重量部及び脂肪族ビスアマイドを0.001
〜0.3重量部存在させることを特徴とする発泡性ポリ
スチレン系樹脂粒子を提供するものである。
【0017】本発明で用いられるスチレン系単量体とし
ては、スチレンを主成分とし、α―メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等のスチレン以外のスチレン系単量体を混
合して使用できる。スチレン系単量体の一部をそれ以外
のビニル単量体、例えばアクリロニトリル等のシアン化
ビニル系単量体、ブチルアクリレート等のアクリレート
系単量体、メチルメタクリレート等のメタクリレート系
単量体などスチレン系単量体と共重合可能な単量体に置
き換えてもよい。
【0018】上記スチレン系単量体を懸濁重合する際に
重合系である懸濁系に添加される配合剤としては、分散
剤、重合開始剤、発泡剤、難燃剤およびその助剤、気泡
調節剤、他に、必要により分散助剤、可塑剤などが加え
られる。
【0019】本発明に使用する分散剤としては、例えば
ポリビニールアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリルアミド等の高分子分散剤、例えば燐酸カルシウ
ム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム
等の水に難溶な無機塩等を用いる事ができる。また水に
難溶な無機塩を用いる場合には、α―オレフィンスルホ
ン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどの
アニオン界面活性剤を併用するのが好ましい。
【0020】本発明に使用する重合開始剤としては、一
般にスチレン系単量体のラジカル重合に用いられている
重合開始剤、例えば過酸化ベンゾイル、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、イソプロピル-t-ブチルパーオキ
シカーボネート、過安息香酸ブチル、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)3,3,5―トリメチルシクロヘ
キサンのような有機過酸化物やアゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物が使用でき、併用しても何ら差し支
えない。
【0021】本発明で使用する発泡剤としては、C3
らC5炭化水素であるプロパン、ブタン、ペンタン等の
脂肪族炭化水素類およびトリフロロモノクロロエタン、
ジフロロジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等の沸
点が80℃以下の揮発性発泡剤が使用できる。また、こ
れらの発泡剤を併用しても何ら差し支えない。使用量と
しては、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して、3
〜10重量部、好ましくは5〜9重量部である。
【0022】本発明で使用される可塑剤としては、ステ
アリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセラ
イド、ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸ジグ
リセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の脂肪酸
グリセライド、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物
性油脂、ジオクチルアジペート等の脂肪族エステル、シ
クロヘキサン、トルエン、キシレン等の有機炭化水素類
や流動パラフィンなどが使用される。また、これらを併
用しても良い。
【0023】本発明で使用されるハロゲン系難燃剤とし
ては、公知慣用のものが使用できる。例えばヘキサブロ
モシクロドデカン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモ
シクロヘキサン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系化合
物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールF、2,4,6−トリブロモフェノール等の
臭素化フェノール類、テトラブロモビスフェノールA―
ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブ
ロモビスフェノールA―ジグリシジルエーテル等の臭素
化フェノール誘導体が挙げられる。なかでもその分解温
度と発泡体の燃焼温度との兼ね合いにより発泡体用途に
おける難燃性に極めて優れる点からハロゲン化脂肪族炭
化水素化合物が好ましく、特にその50%分解温度が3
50℃以下であるヘキサブロモシクロドデカンが好まし
い。
【0024】また、ハロゲン系難燃剤は、慣用の有効
量、すなわち0.1から6重量部、特に好ましは0.5
から3重量部である。上記範囲未満では充分な難燃性が
得難く、6重量部を越えると得られる発泡性ポリスチレ
ン系樹脂粒子の成形体の物性面での低下が生じる傾向と
なる。
【0025】必要に応じては、難燃助剤を0.01から
3重量部、好ましくは0.1から2重量部が添加され
る。難燃助剤としては、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ターシャルブチルハイド
ロパーオキサイド、2,3−ジメチルー2,3−ジフェ
ニルブタン等の高温分解型開始剤が使用される。
【0026】本発明で使用される気泡調整剤としては、
脂肪族ビスアマイド、メチルメタクリレート・ブタジエ
ン・スチレン共重合体(MBS)、スチレン・ブタジエ
ン共重合体が挙げられ、単独で又は、2種以上併用でき
る。
【0027】本発明に用いられる脂肪族ビスアマイド
は、式1に表す構造式で示される脂肪族ビスアマイドで
ある。
【0028】
【化1】 ここに、R1,R2は、C12〜C24の脂肪族炭化水素であ
り、好ましくはC16〜C18、最も好ましくはC16〜C17
の脂肪族炭化水素である。R1,R2は、同じであって
も、異なっていても良い。しかし、同じであるものの方
がコスト的に有利であるので好ましい。また、(Cn
2n)はいわゆるアルケンであるが、n=1〜7程度、好
ましくはn=1〜6程度、最も好ましくはn=1〜2で
ある。
【0029】具体的にはメチレンビスステアリン酸アマ
イド、メチレンビスミリスチン酸アマイド、エチレンビ
スステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスパルミチ
ン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチ
レンビスラウリン酸アマイド等が好ましく、その内でも
メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステ
アリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド等
がより好ましい。さらに、エチレンビスステアリン酸ア
マイドが最も好ましい。これらは単独または数種併用し
ても差し支えない。
【0030】その添加量は0.001〜0.3重量部、
好ましくは0.01〜0.15重量部であり、この添加
量を調節することによって成形して得られる成形体の切
断面気泡径を任意にコントロールすることができる。上
記範囲未満では十分な気泡調節効果は得にくい傾向とな
り、0.3重量部を越えて添加すると、成形して得られ
る成形体の切断面気泡サイズが過剰に微細になりやす
く、好ましくない。
【0031】本発明に用いられるメチルメタクリレート
・ブタジエン・スチレン系共重合体樹脂は、具体的には
スチレン・ブタジエンゴムにメチルメタクリレート、ス
チレン及び、或いはブチルアクリレート、アクリロニト
リルをグラフト重合してなる共重合体樹脂やポリブタジ
エンゴムにメチルメタアクリレート、スチレン及び、或
いはブチルアクリレート、アクリロニトリルをグラフト
重合してなる共重合体樹脂よりなる群から選ばれる。そ
の添加量は0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜
0.5重量部である。上記範囲未満では十分な気泡調節
効果は得られず、1重量部を越えて添加すると、気泡サ
イズが過剰に微細となるため、好ましくない。
【0032】本発明で用いられるスチレン・ブタジエン
共重合体としては、一般に市販されているハイインパク
トポリスチレンを使用する事ができ、特に制限はない。
その添加量は0.01〜1重量部、好ましくは0.02
〜0.5重量部である。上記範囲未満では十分な気泡調
節効果は得られず、1重量部を越えて添加すると、気泡
サイズが過剰に微細となるため、好ましくない。
【0033】また、一般に用いられているポリエチレン
ワックスは、難燃剤を併用すると短期間で、成形して得
られる成形体切断面気泡が超微細化するため目的とする
気泡径に調節はできないことが判った。
【0034】本発明における重合法は、前記特定の難燃
剤と特定の気泡径調節剤を用いる以外は前記した公知特
許公報中に記載された方法等を含む公知の発泡性スチレ
ン系重合体粒子を得る懸濁重合法およびシード重合法等
が、特に制限されることなく採用し得る。
【0035】例えば、懸濁重合法は分散剤を含む水性媒
体中に、有機過酸化物などを溶解したスチレン系モノマ
ーを分散させて懸濁液を調整し、その後加熱してラジカ
ルを発生させて重合を完結させるものである。また、シ
ード重合法は分散剤を含む水性媒体中に種粒子としてス
チレン系樹脂粒子を分散させ、所定の温度に制御しなが
らスチレン系モノマーと有機過酸化物などを単独或いは
混合して、連続または断続的に重合系に添加して重合を
完結させるものである。そして、発泡性ポリスチレン系
樹脂粒子はこれら重合中または重合後に前記した発泡剤
を添加することで得られる。尚本発明における重合系中
に存在させるとは、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製
造する重合の途中にその重合系内に存在させることをい
う。
【0036】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げるが、これ
によって本発明は限定されるものではない。
【0037】(実施例1)3Lの回転撹拌機付きオート
クレーブ内に、蒸留水1000g、第三リン酸カルシュ
ウム2.5g、α―オレフィンスルホン酸ソーダ0.0
5g、エチレンビスステアリン酸アマイド0.1gを仕
込み、次いで、スチレン1000gにベンゾイルパーオ
キサイド2g、安息香酸ブチル0.5g、ヘキサブロモ
シクロドデカン(HBCD)10g、ジオクチルフタレ
ート0.5gを溶解させて仕込んだ。
【0038】次に、該オートクレーブを90℃の温度ま
で昇温し、同温度で6時間スチレンを重合させた後、ブ
タンを80gを圧入し、その後、オートクレーブを11
0℃の温度まで昇温させて、生成重合体粒子中にブタン
を4時間かけて含浸させた。この後、反応系を30℃の
温度にまで徐冷し、重合を終了させた。
【0039】得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
を、遠心分離器にて脱水し、乾燥後、粒径0.84〜
1.19mmで分級し、熟成を行わずに嵩倍率80倍に
予備発泡させて予備発泡粒子を得た。 この予備発泡粒
子の気泡は均一であった。
【0040】次に、この予備発泡粒子を室温で1日養生
させた後、300×600×25mmの金型キャビ内に
充填し、0.7kgf/cm2の水蒸気で15秒間加熱
して型物成形して発泡成形品を得た。 (評価) <気泡径の測定>成形体の平均気泡径はASTM―D−
2842−97に準じて、発泡体の切断面を撮影した走
査型電子顕微鏡写真から、切断面の一直線上(60m
m)にかかる気泡数から平均弦長を測定した。
【0041】<熱伝導率の測定>成形体を乾燥後200
×200mmに切り出し50℃×5日間アニーリングを
施した後、JIS A 1412に基つき熱伝導率計(英
弘精機…HC−073)を用いて、20℃における熱伝
導率を測定した。
【0042】<自己消火性>難燃性能は、JIS A
9511に準じて成形体の燃焼試験を測定した。
【0043】<表面性>成形体の表面性は、成形したも
のを約35℃の乾燥室で一昼夜保管したものを目視観察
で下記5段階に評価した。
【0044】5;粒子間隙がほとんど無く綺麗である。
【0045】4;粒子間隙は若干見られる。
【0046】3;粒子間隙はあるが実用上問題ない最低
レベルである。
【0047】2;粒子間隙が多数あり問題がある。
【0048】1;使用できないレベルである、 <気泡径の経時変化>気泡径の経時変化を調べるため上
記で得た粒子の一部を密閉容器に入れ、 室温で4週間
保管した後取り出し、前記同様に成形体の切断面気泡状
態および表面性を調べた。
【0049】これらの結果を表1に示す。 (実施例2)ジオクチルフタレート0.5gを椰子油1
gに変更し、気泡調整剤エチレンビスステアリン酸アマ
イド量を0.5gに変更する以外は実施例1と同様に実
施した。 (実施例3〜10および比較例1〜9)気泡調整剤種、
気泡調整剤量及び難燃剤量を表1に示す用に変更する以
外は実施例1と同様に実施した。表中の記号を下記に説
明する。 EBS:エチレンビスステアリリン酸アマイド B12:鐘淵化学工業(株)製カネエースB12 B561:鐘淵化学工業(株)製カネエースB561 EXG11:エーアンドエムスチレン(株)製EXG1
1 PEW:ポリエチレンワックス HBCD:ヘキサブロモシクロドデカン (評価)得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、実
施例1と同様に分級、予備発泡、成形して表1に示す物
性の型内発泡成形品を得た。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上説明し、かつ実証した通り、本発明
は、製造直後から約一ヶ月以上にかけて発泡させて成形
して得られる成形体の切断面気泡径の経時変化が少な
く、かつ成形体切断面気泡径の平均弦長を90〜200
μの範囲内としうることにより、優れた断熱性能と表面
性を有する難燃性発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供
することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレン系樹脂100重量部にハロゲ
    ン系難燃剤を0.1〜6重量部及び脂肪族ビスアマイド
    を0.001〜0.3重量部含有させることを特徴とす
    る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 【請求項2】ポリスチレン系樹脂100重量部にハロゲ
    ン系難燃剤を0.1〜6重量部及びメチルメタクリレー
    ト・ブタジエン・スチレン共重合体及び又はスチレン・
    ブタジエン共重合体を0.01〜1重量部含有させるこ
    とを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. 【請求項3】発泡成形したときの成形体の切断面気泡径
    の平均弦長が90〜200μmの範囲であることを特徴
    とする請求項1又は2項記載の発泡性ポリスチレン系樹
    脂粒子。
  4. 【請求項4】発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する
    に際し、重合系中にスチレン系単量体100重量部に対
    してハロゲン系難燃剤を0.1〜6重量部及び脂肪族ビ
    スアマイドを0.001〜0.3重量部存在させると共
    に、重合途中又は重合後に発泡剤を添加することを特徴
    とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する
    に際し、重合系中にスチレン系単量体100重量部に対
    してハロゲン系難燃剤を0.1〜6重量部及びメチルメ
    タクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体及び又は
    スチレン・ブタジエン共重合体を0.01〜1重量部存
    在させると共に、重合途中又は重合後に発泡剤を添加す
    ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製
    造方法。
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