JPH10273571A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH10273571A
JPH10273571A JP9272997A JP9272997A JPH10273571A JP H10273571 A JPH10273571 A JP H10273571A JP 9272997 A JP9272997 A JP 9272997A JP 9272997 A JP9272997 A JP 9272997A JP H10273571 A JPH10273571 A JP H10273571A
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敏夫 永瀬
Akira Nakayama
昭 中山
Shinichi Akatani
晋一 赤谷
Toshiya Kobayashi
俊哉 小林
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Zeon Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一微細な発泡セル構造と平滑な表皮とを有
し、機械的強度の大きい、しかも木質感に富み、建材や
家具材に適する成形品を与えることのできる塩化ビニル
系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
(B)メチルメタクリレート単位を60重量%以上含有
し、共重合体のガラス転移点が50〜85℃で、かつ比
粘度が1.5〜4.0であるメチルメタクリレート系共
重合体7〜30重量部、(C)熱分解型発泡剤0.1〜
3.0重量部、(D)平均粒径50〜500μmの木粉
20〜150重量部および(E)可塑剤1〜20重量部
を含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木粉を多量に配合し
た塩化ビニル系樹脂組成物に関する。この木粉含有塩化
ビニル系樹脂組成物は均一微細な発泡セル構造と平滑な
表皮とを有し、しかも木質感に富み、建材や家具材に適
する成形品を与えることができる。
【0002】
【従来の技術】木材は光合成により繰返し生産ができる
ので、石油系樹脂とは異なる豊かな将来性のある資源と
して見直されている。成長の早い樹種で森林育成を行
い、大気中に増大した炭酸ガス濃度を低減して健全な地
球環境を再生しつつ、一方で計画的に伐採して木材を資
源として人類の生活に役立てる試みが行われつつある。
このような状況の下で、機械的強度が大きく成形加工の
容易な汎用樹脂である塩化ビニル系樹脂に、木粉を配合
して、建築用資材に多用される塩化ビニル系樹脂組成物
を開発できれば、調和のとれた地球資源利用の道が大き
く開拓されることになる。従来、木材に似た外観や触感
を現出する目的で、塩化ビニル系樹脂に木粉を配合して
成形することがしばしば行われている。しかし、木粉を
相当量配合した塩化ビニル系樹脂組成物は、引張り強さ
などの機械的強度が大幅に低下することや、いまだ天然
の木質感が実現できていない問題を有している。
【0003】木目の明瞭化や加工のし易さを改善するた
め、木粉に加えて尿素樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂
組成物が提案されている(特開昭60−42007号公
報、特開昭60−73807号公報、特開昭60−73
808号公報)。また、木粉の他にマイカなどの無機充
填剤と、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
またはABS樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂組成物
は、線膨張率が小さく、耐衝撃性および成形性に優れる
ことが開示された(特開昭60−192746号公報、
特開昭60−192747号公報)。しかし、これらに
よっても木粉の均一混合性に欠け、かつ、成形品の木質
感の現出が不十分である。無機粉末やプラスチック粉末
を付着させた木粉をプラスチック加工時に配合すること
によって木粉の均一分散性は大幅に改善されるが(特開
平5−177610号、特開平5−261708号)、
単にこのような木粉を塩化ビニル系樹脂に配合するのみ
では木質感に富んだ樹脂成形品はいまだ得られていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本
発明の目的は、均一微細な発泡セル構造と平滑な表皮と
を有し、しかも塩化ビニル系樹脂成形品が本来有する良
好な機械的強度を維持し、かつ木質感に富み、窓枠など
の建材や家具材に達する成形品を与えることのできる塩
化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し、塩化ビニル系樹脂に、木粉とともに、加工助
剤としての特定のガラス転移点を有するメチルメタクリ
レート系共重合体を配合して発泡成形することにより上
記目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)メチルメ
タクリレート単位を60重量%以上含有し、共重合体の
ガラス転移点が50〜85℃で、かつ比粘度が1.5〜
4.0であるメチルメタクリレート系共重合体7〜30
重量部、(C)熱分解型発泡剤0.1〜3.0重量部、
(D)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
量部および(E)可塑剤1〜20重量部を含有してなる
塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。上記塩化ビニル系
樹脂組成物は、上記(A)、(B)、(C)、(D)お
よび(E)成分の他に、さらに、(F)金属せっけん
0.5〜10重量部および(G)ポリエチレンワックス
0.1〜5.0重量部を含有することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明の組成物において(A)成分として使用され
る塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体の他、
塩化ビニル単位を50重量%以上、好ましくは70重量
%以上含有する共重合体を含む。塩化ビニル共重合体の
場合の共単量体としては、例えば、エチレン、プロピレ
ンなどのオレフィン類;塩化アリル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化
オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの
カルボン酸ビニルエステル類;イソブチルビニルエーテ
ル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;ア
リル−3−クロロ−2−オキシプロピルエーテル、アリ
ルグリシジルエーテルなどのアリルエーテル類;アクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸−2−ヒド
ロキシエチル、メチルメタクリレート、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸などの不
飽和カルボン酸、そのエステルまたはその酸無水物類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニ
トリル類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライドなどのアクリルアミド類;アリルアミ
ン安息香酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ドなどのアリルアミンおよびその誘導体類などを挙げる
ことができる。以上に例示した単量体は、共重合可能な
単量体の一部に過ぎず、近畿化学協会ビニル部会編「ポ
リ塩化ビニル」日刊工業新聞社(1988年)75〜1
04ページに例示されている各種単量体が使用可能であ
る。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、塩素化ポリエチレンなどの樹脂に、塩
化ビニルまたは塩化ビニルと前記した共重合可能な単量
体とをグラフト重合したような樹脂も含まれる。
【0007】これらの塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合、
乳化重合、溶液重合、塊状重合など、従来から知られて
いるいずれの製造法によって作られてもよい。塩化ビニ
ル系樹脂の平均重合度はJIS K 6721規定の測
定法で400〜1,500が好ましく、より好ましくは
600〜1,100の範囲にあるものを好適に使用する
ことができる。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400
より小さいと、発泡倍率が上がりにくい傾向があり、逆
に1,500より大きいと発泡セルに粗大なものが多く
混在するおそれがある。
【0008】本発明において(B)成分として、メチル
メタクリレート単位を60重量%以上含有し、共重合体
のガラス転移点が50〜85℃で、かつ比粘度が1.5
〜4.0であるメチルメタクリレート系共重合体が用い
られる。メチルメタクリレートホモ重合体のガラス転移
点は105℃であるので、(B)成分の共重合体を得る
ためには、メチルメタクリレートの共単量体としてこれ
よりガラス転移点が十分に低いホモ重合体を与える単量
体を選定する必要がある。そのような単量体としては、
メチルアクリレート(ホモ重合体のガラス転移点8
℃)、エチルアクリレート(同−22℃)、n−プロピ
ルアクリレート(同−52℃)、n−ブチルアクリレー
ト(同−54℃)、イソブチルアクリレート(同−24
℃)、n−オクチルアクリレート(同−65℃)、2−
エチルヘキシルアクリレート(同−85℃)、n−ラウ
リルアクリレート(同15℃)、n−テトラデシルアク
リレート(同20℃)、メトキシエチルアクリレート
(同−85℃)、エトキシエチルアクリレート(同−5
0℃)、シクロヘキシルアクリレート(同15℃)、ベ
ンジルアクリレート(同6℃)などのアクリレート類;
n−アミルメタクリレート(同10℃)、n−オクチル
メタクリレート(同−20℃)、n−デシルメタクリレ
ート(同−65℃)、n−ラウリルメタクリレート(同
−65℃)、n−セチルメタクリレート(同15℃)な
どのメタクリレート類;ブタジエン、イソプレンなどの
ジエン類などが挙げられる。これらの(メタ)アクリレ
ートは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。特に、n−ブチルアクリレートが好まし
い。
【0009】また、(B)成分の共重合体は、メチルメ
タクリレート単量体単位を60重量%以上含有し、ガラ
ス転移点が50〜85℃となる範囲であれば、メチルメ
タクリレートおよび上記の共単量体と共重合可能な単量
体を第三の単量体単位として含有してもよい。このよう
な共重合可能な単量体としては、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合
物;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデンな
どの不飽和ニトリル類;2−ヒドロキシエチルフマレー
ト、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマレ
エート、グリシジルメタクリレート、ブトキシエチルメ
タクリレートなどが挙げられる。
【0010】(B)成分のメチルメタクリレート系共重
合体の粒子構造は、一段階の重合反応で得られる、粒子
内がほぼ均一なポリマー組成であってもよいし、いわゆ
るコア−シェル構造のように断層毎に異なる重合体組成
であってもよい。(B)成分のメチルメタクリレート系
共重合体の粒子構造がコア−シェル粒子の場合、コアと
シェルの重量比は1/1〜15/1であることが好まし
く、コアとシェルのガラス転移点の差は50℃以下であ
ることが好ましい。(B)成分のメチルメタクリレート
系共重合体のガラス転移点は50〜85℃であることが
必要で、60〜83℃であることが好ましい。(B)成
分のガラス転移点が50℃未満であると夏期に倉庫など
で保存中に粉末どうしが固着(ブロッキング)を起し易
く、また、(B)成分のガラス転移点が85℃より高い
と成形品が発泡不良を起し易い。本発明において、ガラ
ス転移点の測定は示差熱分析計で行なう。
【0011】(B)成分として用いられるメチルメタク
リレート系共重合体は、その0.2grを溶解したクロ
ロホルム溶液100mlの25℃における比粘度が1.
5〜4.0であることが必要で、1.8〜3.7の範囲
であることが好ましい。上記比粘度の値が1.5未満の
場合は成形品の表面が荒れ、かつ、発泡倍率が上がらな
い。一方、上記比粘度の値が4.0を越えると均一溶融
化に時間を要する。比粘度の調節には、重合反応温度の
選定、t−ドデシルメルカプタン、四塩化炭素などの連
鎖移動剤の使用などの一般的な方法を採用することがで
きる。
【0012】上記比粘度は(B)成分のメチルメタクリ
レート系共重合体の分子量の指標になるものである。す
なわち、上記比粘度の範囲1.5〜4.0は、ミックス
ゲルカラムを用い、テトラヒドロフランを溶離液とする
一定条件の下での高速液体クロマトグラフィで測定し、
標準ポリスチレンに換算して求めた重量平均分子量Mw
として約3,700,000〜約10,270,000
に相当する。後記実施例において調製した8種のメチル
メタクリレート共重合体A〜Hの比粘度と上記GPC法
による標準ポリスチレン換算重量平均分子量との関係を
図示すると図1に示すようになり、比粘度yと重量平均
分子量xとは下記式 y = 3.97×10-7x + 0.02
【0013】で表わされる。(B)成分のメチルメタク
リレート系共重合体は、塩化ビニル系樹脂の溶融粘度特
性を改良し、木粉を塩化ビニル系樹脂に均一に分散さ
せ、発泡セルの膜強度を保持して破壊され難くする作用
を有する。本願発明のように比較的多量の木粉が配合さ
れた塩化ビニル系樹脂組成物を用いて発泡度の高い成形
品を得るには、上記のような特定の組成と特定の高比粘
度を有するメチルメタクリレート系共重合体を配合する
ことと、成形加工時における溶融流動性を良くするため
に特定量の(E)成分(可塑剤)を添加することが肝要
である。
【0014】本発明における(B)成分の配合量は、前
記(A)成分の塩化ビニル系樹脂100重量部当り7〜
30重量部が必要で、好ましくは10〜20重量部であ
る。(B)成分の配合量が7重量部未満であると、発泡
時の膜強度の保持力が弱くなって発泡セルが破壊され易
い。また、配合量が30重量部を越えると溶融粘度が高
くなり、発熱が大きくなって樹脂の熱劣化を起こし易く
なったり、発泡セルの大きさが不均一になり易い。
【0015】本発明組成物の(C)成分である熱分解型
発泡剤としては、熱分解型有機発泡剤または/および熱
分解型無機発泡剤が用いられる。前者の例としては、
N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,
N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミ
ドなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾ
ビスイソプチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジ
ドなどのスルホニルヒドラジド類などが挙げられる。ま
た、後者の例としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アン
モニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。本発明
には、上記の有機または/および無機の熱分解型発泡剤
の群から選択される1種または2種以上を用いることが
できる。
【0016】本発明においては、ブタン、塩化メチル、
トリクロロフルオロメタン、トリフルオロメタン、石油
エーテルなどの低沸点の有機化合物を加熱、揮発させて
発泡剤に用いることは不適当である。発泡セルが粗くな
って成形品が釘止めやビス止めが利き難くなり、建材に
向かないおそれがあるからである。本発明における
(C)成分の熱分解型発泡剤の配合量は、(A)成分の
塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜3.0重
量部が必要で、好ましくは0.5〜1.5重量部であ
る。(C)成分の配合量が0.1重量部未満であると発
泡倍率が小さくて得られる成形品の内部が木質感に欠け
る傾向があり、逆に3.0重量部より多いと成形品表面
が荒れたり、表面硬度が低下する傾向がある。
【0017】本発明においては、(D)成分として、平
均粒径50〜500μmの木粉が、塩化ビニル系樹脂
(A)100重量部あたり20〜150重量部、好まし
くは25〜120重量部、更に好ましくは30〜100
重量部用いられる。該木粉の配合量が20重量部より少
ないと成形品に木質感を発現しにくく、また、150重
量部を越えると成形品が脆弱なものとなる。本発明にお
いては、前記(B)成分を配合することにより、(E)
成分の可塑剤の作用とあいまって木粉を20重量部より
多量に配合しても塩化ビニル系樹脂に馴染みがよく、か
つ均一に分散し得るので、発泡成形により、均一微細な
発泡セルと平滑な表皮とを有し、しかも木質感を強く発
現できる。また、そのうえに、(F)成分と(G)成分
を組合せて配合すると加工性がよくなり、得られる成形
品の機械的強度も向上することができる。
【0018】本発明に用いられる木粉の樹種は特に限定
されず、杉、ツガ、ラワンなどの針葉樹や広葉樹の材木
片、鉋屑、鋸屑などの木材を用い得る。これら木材から
本発明の(D)成分を得るには、例えば、該木材を粉砕
機により平均粒径が500μm以下の比較的丸味を帯び
た木粉とするのが好ましい。本発明に用いられる木粉
は、特開平5−177610号公報および特開平5−2
61708号公報に開示されているような硬い小粒子を
表面に付着させた木粉であってもよい。硬い小粒子とし
ては、硬度が木粉より大きく、平均粒径が木粉の平均粒
径より小さい粒子が用いられる。具体的には、例えば、
金属、金属酸化物および金属塩、無機化合物ならびにプ
ラスチック粒子などが挙げられる。好ましい小粒子は酸
化チタン、ニッケル、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ
などの無機系または金属系粒子である。硬い小粒子が木
粉表面に付着する態様は、木粉への硬い小粒子の喰い込
みを含む抱き込み結合、喰い込み結合された複数の硬い
小粒子の相互による狭み込み結合などの、硬い小粒子の
木粉表面部に対する押しつけ外力による付着であっても
よいし、あるいは木粉に接着剤により硬い小粒子を付着
させてもよい。この場合は上記の木粉を硬い小粒子1〜
50重量%と共にボールミルなどに仕込み、窒素雰囲気
下など粉塵爆発が防止された条件下に処理する。
【0019】本発明に用いられる(D)成分の平均粒径
は50〜500μm、好ましくは30〜100μmであ
る。ここに平均粒径とは、粉末を篩分析して目開きに対
する累積重量%曲線を得、その50重量%に該当する目
開きの値の読みをいう。(D)成分の平均粒径が50μ
mより小さいと嵩比重が小さくなって組成物調製のため
の混合操作性が悪くなり、また500μmより大きいと
成形品表面が荒れ、かつ発泡倍率が低下する。(D)成
分中の水分は10重量%以下であることが好ましく、よ
り好ましくは5重量%以下である。
【0020】(E)成分の可塑剤は、前記(B)成分の
メチルメタクリレート系共重合体とあいまって、比較的
多量の木粉が配合されたにもかかわらず塩化ビニル系樹
脂組成物中に木粉が均一に分散し、ひいては、均一微細
な発泡セルを有し、十分な木質感を有する成形品を提供
可能とする点で重要である。可塑剤(E)の量は、塩化
ビニル系樹脂(A)100重量部あたり0.1〜20重
量部、好ましくは3〜10重量部である。可塑剤(E)
が0.1重量部未満では、上記の効果を得るのに十分な
溶融流動性を付与することができずに、発泡体表面が鮫
肌状に荒れ易い。逆に、20重量部を超えると、発泡セ
ルの保持能が落ち、また、成形品の剛性が低下し、建材
や家具材には不向となってしまう。
【0021】(E)成分の可塑剤としては特に制限はな
く、従来塩化ビニル系樹脂の加工に可塑剤として慣用さ
れているもの、例えば、ジメチルフタレート、ジエチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘ
キシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ
イソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェ
ニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシ
ルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジ(ヘプチ
ル,ノニル,ウンデシル)フタレート、ベンジルフタレ
ート、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレー
ト、ジシクロヘキシルフタレートなどのフタル酸誘導
体;ジメチルイソフタレート、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートな
どのイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)
テトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒド
ロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレートな
どのテトラヒドロフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジ
ペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソ
デシルアジペート、ジイソノニルアジペートなどのアジ
ピン酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレー
ト、ジイソオクチルアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼ
レートなどのアゼライン酸誘導体;ジ−n−ブチルセバ
ケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケートなどの
セバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレート、ジメチル
マレート、ジエチルマレート、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)マレートなどのマレイン酸誘導体;ジ−n−ブチル
フマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレートな
どのフマル酸誘導体;トリ−(2−エチルヘキシル)ト
リメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、ト
リイソデシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメ
リテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテート、トリイ
ソノニルトリメリテートなどのトリメリット酸誘導体;
テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テト
ラ−n−オクチルピロメリテートなどのピロメリット酸
誘導体;トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシト
レート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ
−(2−エチルヘキシル)シトレートなどのクエン酸誘
導体;モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネー
ト、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジ
ブチルイタコネート、ジ−(2−エチルヘキシル)イタ
コネートなどのイタコン酸誘導体;ブチルオレート、グ
リセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレ
ートなどのオレイン酸誘導体;メチルアセチルリシノレ
ート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリ
シノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートな
どのリシノール酸誘導体;n−ブチルステアレート、グ
リセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジス
テアレートなどのステアリン酸誘導体;ジエチレングリ
コールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラル
ゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどの
その他の脂肪酸誘導体;トリエチルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホ
スフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフ
ェート、トリス(クロロエチル)ホスフェートなどのリ
ン酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジ
プロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレング
リコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−
(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ
−(2−エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビス
チオグリコレートなどのグリコール誘導体;グリセロー
ルモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリ
セロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体;エポ
キシ化大豆油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデ
シル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン
酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシルなどのエポキ
シ誘導体;アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポ
リエステル、フタル酸系ポリエステルなどのポリエステ
ル系可塑剤などのいわゆる一次可塑剤;ならびに塩素化
パラフィン、トリエチレングリコールジカプリレートな
どのグリコールの脂肪酸エステル、ブチルエポキシステ
アレート、フェニルオレエート、ジヒドロアビエチン酸
メチルなどの二次可塑剤が例示される。可塑剤は一種用
いても、または二種以上を組合せ用いてもよい。しか
し、二次可塑剤を用いる場合は、それと等重量以上の一
次可塑剤を併用することが好ましい。
【0022】本発明組成物には、上記の各成分に加え
て、通常の塩化ビニル系樹脂の加工時に用いられる熱安
定剤や滑剤のほか、紫外線吸収剤、耐衝撃強化剤、顔
料、充填剤、帯電防止剤などが適宜添加される。滑剤の
具体例としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリ
ン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリ
ウム、2−エチルヘキソイン酸バリウム、リシノール酸
バリウム、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ラウリ
ン酸カドミウム、ステアリン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛
などの金属せっけん類;n−ブチルステアレート、メチ
ルヒドロキシステアレート、多価アルコール脂肪酸エス
テル、エステル系ワックスなどの脂肪酸エステル類;ス
テアリン酸、ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸類;
ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミ
ド、ベヘンアミド、メチレンビスステアロアミド、エチ
レンビスステアロアミド、N,N′−ジステアリルコハ
ク酸アミドなどのアミド化合物;三塩基性硫酸塩、塩基
性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛などの無機酸鉛類など
が挙げられる。特に、本発明の組成物に(F)成分とし
て上記金属せっけんを塩化ビニル系樹脂100重量部当
り0.5〜10重量部添加すると加工性が良くなるので
好ましく、1.5〜7重量部添加することがより好まし
い。これに加えて、さらに(G)成分としてポリエチレ
ンワックス0.1〜5重量部添加することは一層加工性
を向上し、かつ成形品の機械的強度が上がるので好まし
く、0.3〜2重量部添加することがより好ましい。
【0023】本発明組成物を調製するには、通常、先ず
(C)成分の熱分解型発泡剤を除く(A)、(B)、
(D)および(E)成分などを一括してヘンシェルミキ
サーなどの混合機に投入して、好ましくは激しく撹拌す
ることによって、混合しつつ120〜160℃に昇温す
る。この混合の過程で木粉に吸収されている水分を揮散
させる。上記温度に到達したら混合物をクーリングミキ
サーに移して温度が110〜80℃まで下がった時点で
(C)成分の熱分解型発泡剤を添加してから混合しつつ
冷却する。通常50〜60℃程度に温度を下げる。取出
された粉末状の混合物をそのまま成形用のコンパウンド
とすることができるが、通常、次いで、ペレット化す
る。ペレット作成の好ましい方法としては、二軸押出機
を用い、150〜170℃にて、かつベント孔から木粉
中の残留水分を排出しつつペレットを製造する方法が挙
げられる。
【0024】上記の本発明組成物の調製方法において、
ヘンシェルミキサーなどでの当初の混合時に発泡剤を除
く全成分を一括投入して混合することにより、嵩比重が
大きく、また顔料などの添加剤が均一に分散した混合物
を得ることができる。本発明組成物を用いて、天然木材
に似た塩化ビニル系樹脂成形品を得るための成形方法と
しては、特に制限はないが通常押出成形法が採られる。
押出成形の条件としては一般の塩化ビニル系樹脂の押出
成形と同様な条件が採られる。
【0025】かくして、得られる押出発泡成形品は均一
に分布した微細なセルを有する。通常、セルの平均直径
は100μm以下である。また、押出発泡成形品の発泡
倍率は1.8〜2.5であることが好ましい。発泡倍率
が低過ぎると木質感に乏しいものとなり、逆に、発泡倍
率が高過ぎると機械的強度が低下する。押出成形品の形
態は、建材や家具材などの用途に応じたものとすればよ
く、一般に板状、シート状、角柱状、円柱状、異形など
が挙げられる。
【0026】下記(1)に記載される本発明の塩化ビニ
ル系樹脂組成物の好ましい実施態様を下記(2)以下に
示す。 (1)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)メ
チルメタクリレート単位を60重量%以上含有し、共重
合体のガラス転移点が50〜85℃で、かつ比粘度が
1.5〜4.0であるメチルメタクリレート系共重合体
7〜30重量部、(C)熱分解型発泡剤0.1〜3.0
重量部、(D)平均粒径50〜500μmの木粉20〜
150重量部、および、(E)可塑剤1〜20重量部を
含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
【0027】(2)塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合
度が400〜1,500である上記(1)に記載の塩化
ビニル系樹脂組成物。 (3)メチルメタクリレート系共重合体(B)の比粘度
が1.8〜3.7である上記(1)または(2)に記載
の塩化ビニル系樹脂組成物。 (4)メチルメタクリレート系共重合体のガラス転移点
が60〜75℃である上記(1)〜(3)のいずれかに
記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (5)平均粒径50〜500μmの木粉(D)の含有量
が25〜120重量部である上記(1)〜(4)のいず
れかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
【0028】(6)上記(A)、(B)、(C)、
(D)および(E)成分の他に、さらに、塩化ビニル系
樹脂(A)100重量部あたり(F)金属せっけん0.
5〜10.0重量部および(G)ポリエチレンワックス
0.1〜5.0重量部を含有する上記(1)〜(5)の
いずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (7)金属せっけん(F)の量が1.5〜7重量部であ
る上記(6)に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (8)ポリエチレンワックス(G)の量が0.3〜2重
量部である上記(6)または(7)に記載の塩化ビニル
系樹脂組成物。
【0029】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明の
塩化ビニル系樹脂組成物について具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、部数および%は重量基準である。メチルメタクリレ
ート系共重合体A〜Hを下記製造例1〜8に記載の方法
により調製した。なお、共重合体の特性は下記の方法に
より評価した。
【0030】ガラス転移点 示差熱分析計(SEIKO SSC/520 DSC2
20)にて測定した。 比粘度 共重合体0.2grを溶解したクロロホルム溶液100
mlの25℃における比粘度を求めた。
【0031】重量平均分子量 重量平均分子量Mwは、下記条件下に高速液体クロマト
グラフィーにより測定し、標準ポリスチレンに換算して
求めた。 高速液体クロマトグラフィー:TOSOH HLC−8
020(東ソー(株)製) カラム:ミックスゲル TOSOH TSKgel G
MHHR−H(20)×2本(7.8mmID×30.0
cmL) 溶離液:THF(和光純薬(株)製、GR級) 流速:1.0ml/min カラム温度:40℃ 注入量:サンプル150μリットル、0.1重量%TH
F溶液、標準ポリスチレン50μリットル 検出器:示差屈折計(35℃) 標準ポリスチレン:東ソー(株)製 F2000Mw2.0600×107(0.025重量
%THF溶液) F700 6.7700×106(0.1重量%T
HF溶液) F128 1.0900×106(0.1重量%T
HF溶液) F20 1.9000×105(0.1重量%T
HF溶液) F4 3.7900×104(0.1重量%T
HF溶液) A5000 5.9700×103(0.1重量%T
HF溶液)
【0032】凝固性 凝固で得られた粉体50gにカーボン0.05gを添加
し、ロータップ30分の篩分析を行い、下記3等級で評
価する。 A: 50重量%通過径が150〜500μmで、か
つ、 150メッシュ通過量 <1重量% B: 50重量%通過径が150〜500μmで、か
つ、 150メッシュ通過量 1〜5重量% C: 50重量%通過径が150〜500μmで、か
つ、 150メッシュ通過量 >5重量%
【0033】凝固粉体の固着性 内容が直径77mm、長さ75mmの円筒に凝固粉体を
自然落下にて充満し、その上に荷重を1分間かけて取り
除き、容器を横に倒して1分間以内に粉体のまとまりが
崩れるか否かを観察する。崩れる場合は順次荷重を増
し、粉体が崩れずに固着する荷重を調べ、下記3等級で
評価する。 A: 1000gの荷重でも固着しない。 B: 500〜1000gの荷重で固着する。 C: 500gより小さな荷重で固着する。
【0034】メチルメタクリレート系共重合体製造例1 ステンレス製反応器に水150部を入れて脱気後、メチ
ルメタクリレート85部、n−ブチルアクリレート15
部、炭素数12〜18のアルキル基を有するソジウムア
ルキルサルフェート1部および過硫酸カリウム0.1部
を添加し、撹拌しつつ重合温度55℃にて乳化重合を行
い、少量サンプリングした反応液の固形分濃度により重
合率91%を確認してから反応を終了させ、ラテックス
を得た。得られたラテックスを50℃の1重量%硫酸ア
ルミニウム水溶液に攪拌下で添加し、更に90℃に加熱
して塩析、凝固し、脱水、洗浄してから乾燥して共重合
体Aを得た。共重合体Aの組成、ガラス転移点、比粘
度、重量平均分子量、凝固性および固着性を表1に示
す。
【0035】メチルメタクリレート系共重合体製造例2 メチルメタクリレートを80部とし、n−ブチルアクリ
レート15部の代りにエチルアクリレート20部とした
ほかはメチルメタクリレート系共重合体製造例1と同様
に行い、共重合体Bを得た。共重合体Bの組成などの試
験結果を同様に表1に示す。
【0036】メチルメタクリレート系共重合体製造例3 ステンレス製容器に水150部を入れて脱気し、炭素数
12〜18のアルキル基を有するソジウムアルキルサル
フェート0.8部、ラウリルアルコール0.8部、ラウ
ロイルパーオキサイド0.2部、メチルメタクリレート
60部、メチルアクリレート30部およびスチレン10
部を仕込んで室温下で30分混合後ホモジナイザーで均
質処理してステンレス製反応器に移送した。反応器を昇
温して反応温度を55℃に維持して重合反応を行い、少
量サンプリングした反応液の固形分濃度により重合率9
0%を確認してから反応を終え、ラテックスを得た。メ
チルメタクリレート系共重合体製造例1と同様に塩析、
洗浄、乾燥して樹脂Cを得た。樹脂Cの組成などの試験
結果を表1に示す。
【0037】メチルメタクリレート系共重合体製造例4 メチルメタクリレートを90部とし、n−ブチルアクリ
レート15部の代りにエチルアクリレート10部とした
ほかはメチルメタクリレート系共重合体製造例1と同様
に行い、共重合体Dを得た。共重合体Dの組成などの試
験結果を同様に表1に示す。
【0038】メチルメタクリレート系共重合体製造例5 メチルメタクリレートを65部とし、メチルアクリレー
トとスチレンの合計40部の代りに2−エチルヘキシル
アクリレート35部とし、t−ドデシルメルカプタン
0.3部を添加したほかはメチルメタクリレート系共重
合体製造例3と同様に行い、共重合体Eを得た。共重合
体Eの組成などの試験結果を同様に表1に示す。
【0039】メチルメタクリレート系共重合体製造例6 メチルメタクリレートを40部とし、n−ブチルアクリ
レート15部の代りにメチルアクリレート60部とした
ほかはメチルメタクリレート系共重合体製造例1と同様
に行い、共重合体Fを得た。共重合体Fの組成などの試
験結果を同様に表1に示す。
【0040】メチルメタクリレート系共重合体製造例7 メチルメタクリレートを70部とし、n−ブチルアクリ
レート15部の代りにエチルアクリレート30部とし、
t−ドデシルメルカプタン0.3部を添加したほかはメ
チルメタクリレート系共重合体製造例1と同様に行い、
共重合体Gを得た。共重合体Gの組成などの試験結果を
同様に表1に示す。
【0041】メチルメタクリレート系共重合体製造例8 n−ブチルアクリレートに替えてエチルアクリレートを
用いたほかはメチルメタクリレート系共重合体製造例1
と同様に行い、共重合体Hを得た。共重合体Hの組成な
どの試験結果を同様に表1に示す。
【0042】発泡成形品の特性を下記の方法により調べ
た。 1)発泡セル状態 成形品の切断面を光学顕微鏡にて観察し、下記の4等級
で評価する。 A:セルの径が100μm以下の微細でかつ均一な状態
である。 B:破壊されて粗くなったセルが散見される。 C:破壊されて粗くなったセルが多い。 D:破壊されて粗くなったセルが大部分である。 2)成形品表面性状 成形品の表面から目視および指触し、下記の4等級で評
価する。 A:滑らか B:若干鮫肌状 C:鮫肌 D:粒状突起が多い。
【0043】3)真比重および成形品比重 JIS K 7112による水中置換法で測定。 4)成形品発泡倍率 上記測定による比重の値を用い、下式により求める。 発泡倍率=真比重/成形品比重 5)抗張力 JIS K 7113の1号試験片で引張速度10mm
/minで測定する。
【0044】実施例1〜6、比較例1〜10 表2に示す種類と量の各成分をヘンシェルミキサーにて
次の要領でブレンドした。塩化ビニル樹脂、メタクリル
酸エステル系樹脂(ただし比較例1を除く)、木粉、可
塑剤、熱安定剤、滑剤、充填剤および顔料を仕込んで混
合しつつ水蒸気を揮発させた。温度が上昇して140℃
になったら混合物をクーリングミキサーに移して混合
し、100℃に温度が低下した時点で発泡剤を添加し、
60℃まで温度を下げた(ただし比較例8を除く)。得
られた粉末状の混合物は、シリンダー径65mmの一軸
押出機を用いて下記条件にてペレットにした。なお、ベ
ント孔から木粉に残る水分を揮発させた。 スクリュウ:L/D=24、圧縮比2.5、回転数30rpm 設定温度 :C1 =130℃、C2 =140℃、C3 =150℃ C4 =160℃、ヘッド160℃、ダイス160℃ ダイス :3mmφペレット×12孔 ランド長さ:10mm
【0045】こうして得られたペレットを、シリンダー
径40mmの一軸押出機により下記条件にて押出発泡成
形した。なお、比較例8においては所定量のトリクロロ
フルオロメタンを高圧ポンプでシリンダーのベント孔か
ら圧入した。成形品の特性を表2に示す。 スクリュウ:L/D=24、圧縮比2.5、回転数25rpm 設定温度 :C1 =140℃、C2 =160℃、C3 =170℃ C4 =180℃、ヘッド160℃、D1 =160℃ D2 =160℃ ダイス :厚み4mm幅×50mmベルト ランド長さ:5mm
【0046】
【表1】
【0047】注 MMA :メチルメタクリレート MA :メチルアクリレート EA :エチルアクリレート n−BA :n−ブチルアクリレート 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート ST :スチレン
【0048】
【表2】
【0049】注 *1 ZEST700L、新第一塩ビ(株)製、塩化ビ
ニル樹脂、平均重合度680 *2 酸化チタン粒付着木粉、ミサワテクノ(株)製、
E60−T5−3、酸化チタン含有量5重量%、平均粒
径60μm、含水率5% *3 セルユント、(株)シマダ商会製、木粉、平均粒
径80μm、水分5重量% *4 ACPE6A、アライドケミカル社製 *5 三塩基性硫酸鉛/ステアリン酸鉛複合熱安定剤 *6 炭酸カルシウムCCR、白石カルシウム(株)
製、平均粒径0.08μm *7 カーボンブラック(TPH0012、東洋インキ
製造株式会社製)/縮合アゾレッド(TXH4360、
同社製)/ビスアゾイエロー(TXH2110、同社
製)複合顔料
【0050】本発明の要件を備えた組成物を用いて成形
した実施例1〜6では、発泡セル状態および表面性状が
良好で十分な発泡倍率を有する成形品が得られた。殊に
滑剤としてステアリン酸鉛およびポリエチレンワックス
を併用すると発泡倍率と抗張力が一層優れた成形品が得
られる(実施例1、2および5)。しかし、メチルメタ
クリレート系共重合体のガラス転移点が85℃を越える
共重合体Dを用いた比較例1では破壊されて粗くなった
セルが多くて若干鮫肌状の表面を有する発泡体が得ら
れ、逆に、ガラス転移点が50℃未満の共重合体Eまた
はFを用いた比較例2および比較例3では発泡セル状態
は良好であったが発泡体の表面は鮫肌状で不満足の結果
となった。メチルメタクリレート系共重合体の比粘度が
規定より小さい共重合体EまたはGを用いた比較例2お
よび比較例4も鮫肌状の発泡体表面を与えかつ、発泡倍
率が低い。逆に、比粘度が規定より大きい共重合体Hを
用いた比較例5は発泡体のセル状態が粗く、表面がやや
粗く、発泡倍率も劣る結果を与えた。
【0051】メチルメタクリレート系共重合体の配合部
数が規定より小さい比較例6や規定より多い比較例7で
は、共にセル状態及び表面の粗い発泡体が得られた。発
泡剤として低沸点の有機化合物を用いた比較例8では発
泡セルは破壊されて粗くなったものが多く、成形品表面
も鮫肌状に荒れた。(E)成分の可塑剤を欠く配合は表
面が鮫肌状に荒れた成形品を与えた(比較例9)。ま
た、可塑剤の欠如を滑剤の増量で挽回することはできな
い(比較例10)。可塑剤が多過ぎるとセルの保持が悪
くなってセル状態が悪化し発泡倍率も低くなり、抗張力
が低下する(比較例11)。
【0052】
【発明の効果】本発明組成物を用いることにより、均一
微細な発泡セル構造と平滑な表皮とを有し、しかも木質
感に富んで十分な機械的強度を持つ、建材や家具材に適
する塩化ビニル系樹脂成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用するメチルメタクリレート系共
重合体の比粘度yとGPC法による標準ポリスチレン換
算重量平均分子量xとの関係を表わすグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤谷 晋一 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 ゼオン化成株式会社川崎研究所内 (72)発明者 小林 俊哉 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 ゼオン化成株式会社川崎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
    (B)メチルメタクリレート単位を60重量%以上含有
    し、共重合体のガラス転移点が50〜85℃で、かつ比
    粘度が1.5〜4.0であるメチルメタクリレート系共
    重合体7〜30重量部、(C)熱分解型発泡剤0.1〜
    3.0重量部、(D)平均粒径50〜500μmの木粉
    20〜150重量部および(E)可塑剤1〜20重量部
    を含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、(F)金属せっけん0.5〜1
    0.0重量部および(G)ポリエチレンワックス0.1
    〜5.0重量部を含有してなる請求項1記載の塩化ビニ
    ル系樹脂組成物。
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