明 細 書 エポキシ樹脂用硬化剤 ·硬化促進剤及びエポキシ樹脂組成物 技術分野:
本発明は、 エポキシ樹脂組成物に関わり、 テトラキスフエノール系化合物を用 いた、 エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤に関するものである
背景技術:
エポキシ樹脂は、 優れた耐薬品性、 耐腐食性、 機械特性、 熱特性、 種々の基材 に対する優れた接着性、 電気特性、 環境を選ばない作業性などを特徴としており 、 接着剤、 塗料、 電気金属材料、 複合材料などに広く用いられている。 エポキシ 樹脂中のエポキシ基は、 歪みの大きい反応性にとんだ官能基であり、 酸、 塩基の いずれとも反応し、 この高い反応性を利用してエポキシ樹脂を硬化し、 3次元化 する。 エポキシ樹脂組成物は、 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有するェポキ シプレポリマ一と硬化剤の組み合わせからなり、 更に用途に応じて硬化促進剤、 変成剤、 充塡剤などを添加することが多い。 硬化した樹脂の性状は硬化剤によつ て大きく左右されることが知られており、 これまで種々の硬化剤が工業用途に用 いられている。 エポキシ樹脂組成物は、 その使用方法によって 1液型と 2液型と に大別することができ、 前者の 1液型は組成物そのものを加熱、 加圧、 放置する などして硬化させることのできるものである。 一方 2液型は、 主剤と硬化剤もし くは硬化促進剤とを使用時に混合した後、 この混合物を加熱、 加圧、 放置するな どして硬化させることのできるものである。 ェポキシ樹脂組成物は通常 2液型で あり、 この 2液型は作業面から見ると手数がかかり非効率的であるものの、 硬化 物の強度、 熱特性、 電気特性等に於いて優れている面も多いため、 電気部品ゃ自 動車、 航空機分野において広く利用されている。 しかしながら、 前記 2液型にお いては、 ( 1 ) 可使時間、 即ち硬化させるために調製した組成物が使用できる状 態を維持する時間が短く、 調製により一部反応が始まり、 系の粘度が上昇し、 作
業性が低下する、 (2 ) 配合ミスや調製の不完全さにより物性が低下するなどの 問題があり、 1液型の潜在性硬化剤及び硬化促進剤が望まれている。 潜在性硬化 剤及び硬化促進剤とは、 樹脂に配合した硬化剤及び硬化促進剤が室温では安定で あり、 熱などの作用によって硬化反応を引き起こすものである。 硬化反応の開始 には、 熱、 光、 圧力等の作用が考えられるが、 熱が多く使われている。 硬化剤及 び硬化促進剤の安定化として、 マイクロカプセルが使用されるが、 機械強度が無 く樹脂組成物を調整するためのプレンドに耐えられない等、 安定性の点で問題が あった o また、 硬化剤には、 ( 1 ) エポキシ基と反応する事によって、 硬化した樹脂中 に必ず硬化剤分子が組み込まれる付加型硬化剤、 ( 2 ) 硬化剤分子が樹脂中に組 み込まれることのなく触媒的にエポキシ基の開環を誘発し、 ォリゴマ一間の重合 付加反応を起こす重合型硬化剤、 その他、 (3 ) 紫外線照射によって硬化を起こ す光開始型硬化剤等がある。 何れの方式を用いるにしても、 一定の条件下で、 よ り均一に、 速やかに重合付加反応を行わせることが安定した硬化物を得る上で最 も重要である。 しかしながら、 これら既存の硬化剤のみでは ( 1 ) 樹脂粘度の増 加に伴い硬化反応が途中で止まってしまう、 (2 ) 硬化反応に対する阻害要因が 多い (3 ) 硬化反応を完結させるためには過酷な条件を必要とする、 (4 ) 硬化 反応を均一に行わせるためには大量の硬化剤を必要とするなどの問題があり、 穏 和な条件下で均一に速やかに重合付加反応行わせることを可能ならしめる硬化促 進剤が望まれている。 硬化促進剤とは、 エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤の硬化 速度を進め、 硬化反応を速やかに円滑にするためのものである。 一級及び二級ァ ミ ンのような付加型の硬化剤には、 重合付加反応を促進する硬化促進剤としてァ ルコール又はフヱノールが使用されるが、 ィ ミダゾ一ルのような重合型の硬化剤 ではオリゴマ一間で進行するァニオン重合が阻害されるなど、 汎用性の点で問題 があった。 特開平 5 - 1 9 4 7 1 1号にはエポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化 促進剤を多分子系 (フ ノール系) ホスト化合物で包接したものをエポキシ樹脂
に配合したものが記載されている。 具体的には 2 -ェチルー 4—メチルイミダゾ —ルと 2, 2 ' —メチレンビス ( 4 —メチルー 6— t—ブチルフェノ一ル) を 1 : 1で包接したものをエポキシ樹脂にィ ミダゾ一ルとして数%添加することによ るエポキシ樹脂の硬化が記載されている。
しかし、 可使時間 (一液安定性) が大幅に延長される旨の記載はあるが、 同様 な包接化合物であるシクロデキストリ ンとの比較であり、 実用的には満足のいく ものではない。 また、 熱安定性や低温での硬化特性についての記載も示唆もない
特開平 5 - 2 0 1 9 0 2号にはテトラキスフエノール類とィ ミダゾ一ルとの包 接化合物の記載があるが、 具体的にエポキシ樹脂用の硬化剤、 硬化促進剤として 使用できる旨の記載はない。 特開昭 6 0— 4 0 1 2 5号、 特開平 8 - 1 5 1 4 2 9号にはィ ミダゾリ ンと多 価フエノ一ル類の塩をエポキシ樹脂硬化剤として使用することが記載されている が結晶性の固体ではなく包接化合物ではなく、 一液安定性などの効果においても 実用的には満足のいく ものではない。 また、 米国特許第 3 5 1 9 5 7 6号には、 ァミ ン類と多価フ ノール類との塩をエポキシ樹脂硬化剤として使用することが 記載されているが、 一液安定性などの効果においては実用的には満足のいく もの ではない。 同 4 8 4 5 2 3 4号には、 イミダゾール類と多価フエノール類との塩 をエポキシ樹脂硬化剤として使用することが記載されているが、 高粘性の液体で あり、 包接化合物ではなく、 一液安定性などの効果においても実用的には満足の いく ものではない。 特公平 6— 9 8 6 8号にはテトラキスフヱノ一ル類とィミダゾ一ルとの塩がェ ポキシ樹脂硬化剤として使用できる旨の例示はあるが具体的な記載はない。 記載 があるのは、 イ ミダゾールと多価フエノール類との塩であり、 生成する塩は高粘 性の液体であり、 包接化合物とはなっていない。 効果としては一液安定性などの 記載はあるが実用的には満足のいく ものではない。 また熱安定性、 低温硬化特性
の記載はない。 特許公報第 2 5 0 1 1 5 4号、 特公平 7 - 7 4 2 6 0号にはテトラキスフエノ 一ル類を硬化剤とし、 生成した樹脂中にテトラキスフ ノール骨格が導人された 樹脂の記載がある。 この場合は生成したテトラキスフヱノ一ル骨格が導人された 樹脂に特徴があり、 硬化剤としてのテトラキスフヱノ一ル類はエポキシ基 1 モル に対して 0 . 5〜 2モルの大量を用いている。 効果としても一液安定性の記載の みがあり、 熱安定性、 低温硬化特性の記載はない。 本発明は、 このような事情のもとで、 硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤の 昇華性、 分解性を改善し、 エポキシ樹脂に混合した場合、 硬化反応の制御におい て極めて重要な熱安定性が大幅に改善され、 可使時間 (エポキシ樹脂と硬化剤な どを混合した時の一液安定性) が延長される、 また低温での硬化特性を向上させ ることができるエポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤を提供する ことを目的としてなされたものである。 と同時に、 硬化剤の硬化方式にとらわれ ることなく、 エポキシ樹脂の硬化を速やかに円滑に進めるなど、 穏和な条件下で も安定した硬化物が得られるェポキシ樹脂組成物を提供することにある。 発明の開示 :
本発明は上記の問題点を解決すべく鋭意研究をした結果、 エポキシ樹脂用硬化 剤またはエポキシ樹脂用硬化促進剤を特定のテトラキスフエノール系ホスト化合 物で包接することにより、 硬化剤またはエポキシ樹脂用硬化促進剤のエポキシ榭 脂組成物中での熱安定性を向上させ、 可使時間を大幅に延長できること、 さらに 低温での硬化特性が向上することを見出し、 本発明を完成した。
また特定のテトラキスフエノ一ル系化合物を、 エポキシ基と反応してエポキシ 樹脂を硬化させる化合物と併用することにより、 エポキシ樹脂の硬化を速やかに そして円滑に行い、 穏和な条件下でも安定した硬化物が得られることを見出した
即ち本発明は、
一般式 〔 I〕 で示されるテトラキスフヱノール系化合物とエポキシ基と反応して エポキシ樹脂を硬化させる化合物との包接体からなることを特徴とするエポキシ 樹脂用硬化剤であり、 一般式 〔 I〕 で示されるテトラキスフ ノール系化合物と エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物の硬化速度を進める化合 物との包接体からなることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化促進剤である。
〔 I〕
(式中、 Xは、 (C H 2 ) nを表し、 nは、 0、 1、 2又は 3であり、 R ' 〜R 8 は、 それぞれ水素原子、 低級アルキル基、 置換されていてもよいフヱニル基、 ハロゲン原子または低級アルコキシ基を示す。 )
また、 一般式 〔 I〕 で示されるテトラキスフヱノール系化合物とエポキシ基と 反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物との包接体、 及び /または、 一般式 〔 I〕 で示されるテトラキスフ ノール系化合物とエポキシ基と反応してエポキシ 樹脂を硬化させる化合物の硬化速度を進める化合物との包接体、 の少なく とも一 種を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物であり、 特に好ましくは、 該 包接体の含有量が、 エポキシ基 1モルに対して 0 . 0 0 1〜0 . 1モルであるェ ポキシ樹脂組成物である。
また、 本発明は、 エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、 エポキシ基 1 モルに対して 0 . 0 0 1〜0 . 1 モルの一般式 〔 I〕 で示されるテ トラキスフ ノ一ル系化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物で ある。
(式中、 Xは、 (C H 2 ) nを表し、 nは、 0、 1、 2又は 3であり、 R ' 〜R 8 は、 それぞれ水素原子、 低級アルキル基、 置換されていてもよいフヱニル基、 ハロゲン原子または低級アルコキシ基を示す。 )
本発明において用いられるエポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化 合物 (硬化剤) 、 およびエポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物 の硬化速度を進める化合物 (硬化促進剤) には、 アミ ン系、 イ ミダゾ—ル系、 ァ ミ ド系、 エステル系、 アルコール系、 チォ一ル系、 エーテル系、 チォエーテル系
、 フエノール系、 リ ン系、 尿素系、 チォ尿素系、 酸無水物系、 ルイス酸系、 ォニ ゥム塩系、 活性珪素化合物一アルミニウム錯体系等が上げられるが、 特に制限は なく、 従来のエポキシ樹脂の硬化剤、 硬化促進剤として慣用とされているもの中 から任意のものを選択して用いることができる。
ァミ ン系の化合物としては、 例えば脂肪族ァミ ン系、 脂環式ゃ複素環式ァミ ン 系、 芳香族アミ ン系、 変性アミ ン系などが用いられる。 例えば、
脂肪族ァミ ン類: エチレンジァミ ン、 ト リメチレンジァミ ン、 テ トラメチレンジ ァミ ン、 へキサメチレンジァミ ン、 ジエチレン 卜 リアミ ン、 ト リエチレンテ トラ ミ ン、 テ トラエチレンペンタミ ン、 ジプロピレンジァミ ン、 ジメチルァミ ノプロ ピルァミ ン、 ジェチルァミ ノプロピルァミ ン、 ト リメチルへキサメチレンジアミ ン、 ペンタンジァミ ン、 ビス ( 2 —ジメチルアミ ノエチル) エーテル、 ペンタメ チルジェチレン ト リァミ ン、 アルキル一 t ーモノアミ ン、 1, 4 一ジァザビシク 口 ( 2, 2, 2 ) オクタン (ト リエチレンジァミ ン) 、 N, N, N, , N ' ーテ 卜ラメチルへキサメチレンジァミ ン、 N, N , N ' , N ' ーテトラメチルプロピ レンジァミ ン、 N, N, N ' , N' ーテ トラメチルエチレンジァミ ン、 N, N— ジメチルシク口へキシルァミ ン、 ジメチルァミ ノエ トキシェ 卜キシエタノ一ル、 ジメチルァミ ノへキサノールなど
脂環式及び複素環式ァミ ン類: ピぺリ ジン、 ピぺラジン、 メ ンタンジァ ミ ン、 ィ ソホロンジァミ ン、 メチルモルホリ ン、 ェチルモルホリ ン、 Ν, Ν ' , N " — 卜 リス (ジメチルァミ ノプロピル) へキサヒ ドロー s — ト リアジン、 3, 9 一ビス ( 3—ァミ ノプロピル) 一 2, 4, 8 , 1 0—テ トラオキシスピロ ( 5, 5 ) ゥ ンデカンァダク ト、 N—アミ ノエチルピペラジン、 ト リメチルアミ ノエチルピぺ ラジン、 ビス ( 4 —アミ ノ シクロへキシル) メタン、 N , N ' 一ジメチルビペラ ジン、 1, 8 —ジァザビシクロ ( 4, 5, 0 ) ゥンデセン一 7など
芳香族ァミ ン類: 0—フヱニレンジァミ ン、 m—フヱニレンジァ ミ ン、 p—フエ 二レンジァミ ン、 ジアミ ノ ジフヱニルメタン、 ジァミ ノ ジフヱニルスルホン、 ベ ンジルメチルァミ ン、 ジメチルベンジルァ ミ ン、 m—キシレンジァミ ン、 ピリ ジ ン、 ピコリ ンなど
変成ポリアミ ン類 : エポキシ化合物付加ポリアミ ン、 マイケル付加ポリアミ ン、 マンニッヒ付加ポリアミ ン、 チォ尿素付加ポリアミ ン、 ケトン封鎖ポリァミ ンな ど
その他アミ ン系としてジシアンジアミ ド、 グァニジン、 有機酸ヒ ドラジド、 ジァ
ミノマレオニトリル、 ァミ ンイミ ド、 三フッ化ホウ素一ピぺリジン錯体、 三フッ 化ホウ素ーモノエチルァミ ン錯体などが挙げられる。 ィミダゾ一ル系化合物としては、
ィ ミダゾ一ル、 2—メチルイ ミダゾ一ル、 2—ェチルイミダゾール、 2—イソプ 口ピルイ ミダゾ一ル、 2 — n—プロピルイ ミダゾ一ル、 2 —ゥンデシル— 1 H— イ ミダゾ一ル、 2—へプタデシルー 1 H—イ ミダゾ一ル、 1, 2—ジメチルイミ ダゾ一ル、 2—ェチルー 4 一メチルイ ミダゾ一ル、 2 —フエ二ルー 1 H—イ ミダ ゾ一ル、 4ーメチルー 2 —フエ二ルー 1 H—イ ミダゾール、 2 —フエ二ルー 4 一 メチルイミダゾール、 1一べンジルー 2—メチルイ ミダゾ一ル、 1 ーシァノエチ ルー 2—メチルイミダゾール、 1 —シァノェチルー 2—ェチルー 4ーメチルイ ミ ダゾール、 1 ーシァノエチルー 2—ゥンデシルイ ミダゾ一ル、 1 ーシァノエチル _ 2—フヱ二ルイミダゾ一ル、 1 一シァノェチルー 2ーェチルー 4ーメチルイ ミ ダゾリゥムトリメ リティ ト、 1 ーシァノエチルー 2—ゥンデシルイ ミダゾリゥム トリメ リティ ト、 1 —シァノエチルー 2—フヱニルイミダゾリゥムトリメ リティ ト、 2, 4ージアミノー 6 — [ 2 ' —メチルイミダゾリルー ( Γ ) ] 一ェチル 一 s— トリアジン、 2, 4ージアミノー 6 — ( 2 ' ーゥンデシルイ ミダゾリル一 ) ーェチルー s— トリアジン、 2, 4 —ジァミノ一 6 — [ 2, 一ェチルー 4ーィ ミダゾリル一 ( Γ :) ] —ェチルー s— 卜リアジン、 2, 4ージァミノ一 6 — [ 2 ' —メチルイ ミダゾリルー ( 1, ) ] 一ェチル一 s— トリアジンイソシァヌル 酸付加物、 2—フヱ二ルイミダゾ一ルイソシァヌル酸付加物、 2—メチルイ ミダ ゾ一ルイソシァヌル酸付加物、 2 —フヱニルー 4, 5—ジヒ ドロキシメチルイ ミ ダゾ一ル、 2 —フエニル一 4ーメチルー 5 —ヒ ドロキンメチルイ ミダゾ一ル、 1 —シァノエチル一 2 —フエニル一 4, 5 —ジ ( 2 —シァノエトキシ) メチルイ ミ ダゾール、 1 ― ドデシルー 2—メチル一 3—ベンジルイミダゾリウムクロライ ド 、 1 一ベンジル一 2 —フエ二ルイ ミダゾ一ル塩酸塩、 1 —ベンジルー 2 —フエ二 ルイ ミダゾリウムトリメ リティ トなどを挙げることができる。 ィミダゾリ ン系化合物としては 2—メチルイミダゾリン、 2—フヱニルイ ミダゾ
リンなどを挙げることができる。 アミ ド系化合物としては、 例えばダイマー酸とポリアミ ンとの縮合により得ら れるポリアミ ドなどが挙げられ、 エステル系化合物としては、 例えばカルボン酸 のァリ一ル及びチオアリ一ルエステルのような活性カルボニル化合物が挙げられ る。 さらに、 フエノール、 アルコール系、 チオール系、 エーテル系、 並びにチォ エーテル系化合物としては、 フヱノールノボラック、 クレゾ一ルノポラック、 ポ リオ一ル、 ポリ メルカプタン、 ポリサルファイ ド、 2 — (ジメチルァミ ノメチル フエノ一ル) 、 2, 4, 6 — 卜 リス (ジメチルァミ ノメチル) フエノ一ル、 2 ,
4, 6— ト リス (ジメチルアミ ノメチル) フエノールの ト リー 2 —ェチルへキシ ル塩酸塩などが挙げられる。
また、 尿素系、 チォ尿素系、 並びにルイス酸系の硬化剤として、 例えばブチル化 尿素、 ブチル化メラミ ン、 ブチル化チォ尿素、 三フッ化ホウ素などが挙げられる
リ ン系の硬化剤としては、 有機ホスフィ ン化合物、 例えば、 ェチルホスフィ ン 、 ブチルホスフィ ン等のアルキルホスフィ ン、 フヱニルホスフィ ン等の第 1 ホス フィ ン、 ジメチルホスフィ ン、 ジプロピルホスフィ ン等のジアルキルホスフィ ン 、 ジフエニルホスフィ ン、 メチルェチルホスフィ ン等の第 2ホスフィ ン、 ト リメ チルホスフィ ン、 ト リェチルホスフィ ン等の第 3 ホスフィ ン等が挙げられ、 酸無 水物系の硬化剤としては、 例えば無水フタル酸、 へキサヒ ドロ無水フタル酸、 メ チルテ 卜ラヒ ドロ無水フタル酸、 メチルへキサヒ ドロ無水フタル酸、 エン ドメチ レンテ トラヒ ドロ無水フタル酸、 メチルェン ドメチレンテ トラヒ ドロ無水フ夕ル 酸、 無水マレイン酸、 テ 卜ラメチレン無水マレイン酸、 無水ト リメ リ ッ ト酸、 無 水クロレンド酸、 無水ピロメ リ ッ ト酸、 ドデセニル無水コハク酸、 無水べンゾフ エノ ンテ トラカルボン酸、 エチレングリ コールビス (アンヒ ドロ ト リメ リテー ト ) 、 メチルシクロへキセンテ トラカルボン酸無水物、 ポリアゼライ ン酸無水物な どが挙げられる。
ォニゥム塩系や活性珪素化合物—アルミニウム錯体系の硬化剤としては、 ァリ
—ルジァゾニゥム塩、 ジァリ—ルョ—ドニゥム塩、 トリァリールスルホニゥ厶塩 、 トリフエ二ルシラノール一アルミニウム錯体、 トリフヱニルメ トキシシラン一 アルミニウム錯体、 シリルペルォキシドーアルミニウム錯体、 トリフエ二ルシラ ノールー トリス (サリシルアルデヒダート) アルミニウム錯体などが挙げられる
本発明において、 これらの化合物 (硬化剤または硬化促進剤) と包接化合物を 形成するテトラキスフエノール化合物は一般式 〔 I〕 で表される化合物である。
〔 I〕
式中、 Xは、 (C H
2 ) nを表し、 nは、 0、 1、 2又は 3であり、 R
1 〜R
8 と しては、 互いに同一又は相異なっていてもよく、 例えば、 水酸基、 メチル基 、 プロピル基、 イソプロピル基、 n—ブチル基、 イソブチル基、 t _ブチル基、 n—へキシル基、 シクロへキシル基等の C , 〜C
6 の低級アルキル基、 ハロゲン 原子や低級アルキル基等で置換されていてもよいフ Xニル基、 フッ素原子、 塩素 原子、 臭素原子、 沃素原子等のハロゲン原子、 メ トキシ基、 エトキシ基、 tーブ トキシ基等の C , 〜C
6 の低級アルコキシ基等を挙げることができる。
本発明で使用されるテトラキスフエノールは、 一般式 〔 I〕 で表される化合物 であれば特に制限されないが、 具体的な例として、 1 , 1 , 2, 2—テトラキス
( 4 ーヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1 , 1, 2, 2 —テ トラキス ( 3 メチル — 4 ヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1 , 1 , 2 , 2 —テ トラキス (3, 5 —ジ メチルー 4 ーヒ ドロキシフヱニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 —テ トラキス ( 3 — クロロー 4 ーヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 —テ トラキス ( 3, 5 —ジクロ口一 4 ーヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 —テ トラキス
( 3 —プロモー 4 ヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1, 1 , 2, 2 —テ トラキス
( 3, 5 ジブ口モー 4 ーヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 —テ 卜 ラキス ( 3 — t ーブチルー 4 ーヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 - テ トラキス ( 3, 5 —ジー t ブチルー 4 ーヒ ドロキシフヱニル) ェタン、 1,
1 , 2, 2 —テ トラキス ( 3 フルォロ一 4 ヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1 , 1 , 2, 2 テ トラキス ( 3 , 5 ジフルォ口 _ 4 ーヒ ドロキシフエニル) ェ タン、 1, 1, 2, 2 テ 卜ラキス ( 3 —メ トキシ一 4 ーヒ ドロキシフヱニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 —テ トラキス ( 3, 5 —ジメ トキシ一 4 —ヒ ドロキシフ ェニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 テ トラキス ( 3 クロ口一 5 メチル 4 ヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 テ トラキス ( 3 ブロモー 5 — メチルー 4 ーヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 —テ トラキス ( 3 — メ トキシ一 5 メチルー 4 ヒ ドロキシフエニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 —テ トラキス ( 3 — t —ブチル一 5 —メチルー 4 ヒ ドロキシフェニル) エタン、 1 , 1 , 2, 2 —テ トラキス ( 3 クロロー 5 ブロモー 4 ーヒ ドロキシフエニル ) ェタ ン、 1, 1, 2, 2 —テ トラキス ( 3 クロ口一 5 フエ二ルー 4 ーヒ ド ロキシフエニル) ェタン、 1, 1, 2, 2 —テ トラキス [ ( 4 ーヒ ドロキシー 3 ーフェニル) フェニル] ェタン、 1 , 1 , 3, 3 テ トラキス ( 4 ーヒ ドロキシ フエニル) プロパン、 1, 1, 3, 3 —テ トラキス ( 3 メチル 4 ーヒ ドロキ シフエニル) プロパン、 1 , 1, 3, 3 —テ トラキス ( 3, 5 —ジメチル一 4 ヒ ドロキシフエニル) プロパン、 1, 1, 3, 3 テ トラキス ( 3 クロロー 4 —ヒ ドロキシフエニル) プロパン、 1, 1, 3, 3 —テ トラキス ( 3, 5 —ジク ロロ一 4 ーヒ ドロキシフエニル) プロパン、 1, 1, 3, 3 —テ トラキス ( 3 —
ブロモー 4—ヒ ドロキシフエニル) プロパン、 1, 1 , 3 , 3—テトラキス (3 , 5 —ジブ口モー 4 ーヒ ドロキシフエニル) プロパン、 1, 1 , 3, 3 —テ トラ キス ( 3 —フヱニルー 4 —ヒ ドロキシフエニル) プロパン、 1 , 1, 3, 3 —テ トラキス ( 3, 5 —ジフエ二ルー 4 ーヒ ドロキシフエニル) プロパン、 1, 1, 3, 3 —テ 卜ラキス ( 3 —メ トキシ一 4 ーヒ ドロキシフヱニル) プロパン、 1, 1, 3 , 3 —テ トラキス ( 3, 5 —ジメ トキシー 4 —ヒ ドロキシフヱニル) プロ パン、 1, 1 , 3, 3—テトラキス ( 3 — t 一プチルー 4ーヒ ドロキシフエニル ) プロノ、。ン、 1, 1, 3 , 3—テトラキス (3, 5 —ジー tーブチルー 4 —ヒ ド 口キシフヱニル) プロパン、 1, 1, 4 , 4 ーテ トラキス ( 4 ーヒ ドロキシフエ ニル) ブタン、 1 , 1 , 4, 4 —テ トラキス ( 3 —メチル _ 4 —ヒ ドロキンフエ ニル) ブタン、 1 , 1, 4, 4 —テトラキス ( 3, 5 —ジメチル一 4 —ヒ ドロキ シフヱニル) ブタン、 1, 1, 4, 4 —テ トラキス ( 3 —クロロー 4 —ヒ ドロキ シフエ二ル) ブタン、 1, 1, 4, 4 ーテ トラキス ( 3, 5 —ジクロロ一 4 —ヒ ドロキシフエニル) ブタン、 1, 1, 4, 4ーテトラキス ( 3 —メ トキシ一 4 一 ヒ ドロキシフエニル) ブタン、 1, 1, 4 , 4 ーテ トラキス ( 3 , 5 —ジメ トキ シ一 4 —ヒ ドロキシフエニル) ブタン、 1 , 1, 4, 4ーテ トラキス ( 3 —プロ モー 4 ーヒ ドロキシフエニル) ブタン、 1, 1 , 4, 4 ーテ トラキス ( 3, 5 - ジブロモ一 4 —ヒ ドロキシフヱニル) ブタン、 1, 1, 4, 4 ーテ トラキス ( 3 一 tーブチルー 4ーヒ ドロキシフヱニル) ブタン、 1, し 4, 4 —テトラキス ( 3, 5—ジー t—プチルー 4ーヒ ドロキシフヱニル) ブタン等を例示すること ができる。 これらのテトラキスフヱノ一ル化合物はそれぞれ単独で用いてもよい し、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。 エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物 (硬化剤) 、 エポキシ 基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物の硬化速度を進める化合物 (硬化 促進剤) とテトラキスフ ノール系化合物との包接化合物の合成は、 例えば、 硬 化剤、 硬化促進剤であるアミ ン系、 イミダゾ一ル系などの化合物が、 液体の場合 には、 テトラキスフヱノール系化合物を、 該液体に直接加えて反応させることに より、 硬化剤、 硬化促進剤の化合物が固体の場合にはそれら化合物の含有液中に
入れて反応させることにより、 若しくは固体である化合物と粉末のテトラキスフ Xノ一ル系化合物とを直接に固相反応させることにより、 包接化合物が高選択率 及び高収率で生成される。 本発明の包接化合物は、 ホスト分子の作る結晶格子空 孔内にゲスト分子が入り込むことにより生成する。 従って、 どの化合物がゲスト として取り込まれやすいか否かは、 ゲスト分子の大きさ、 立体、 極性、 溶解度な どに支配される。 生成した包接化合物は、 結晶性の固体である。 本発明が適用できる未硬化エポキシ樹脂としては公知のもの、 例えばビスフエ ノール A—ェピクロルヒ ドリン樹脂、 多官能エポキシ樹脂、 脂環式エポキシ樹脂 、 臭素化エポキシ樹脂、 エポキシノボラック樹脂など、 1分子中に少なく とも 1 個のエポキシ基を有するものを挙げることができる。 本発明は、 前記したァミ ン系、 ィ ミダゾール系などのエポキシ樹脂硬化剤や硬 化促進剤を一般式 〔 I〕 で表されるテトラキスフエノール系化合物との包接化合 物とし、 該包接化合物をエポキシ樹脂用硬化剤や硬化促進剤として含有すること を特徴とするェポキシ樹脂組成物である。 使用する包接化合物の量は、 包接するアミ ン系, イミダゾ一ル系などの通常の 硬化剤、 硬化促進剤と同様な使用量でよく、 硬化方法による。 エポキシ基と反応 する事によって、 硬化した樹脂中に必ず硬化剤分子が組み込まれる付加型硬化剤 の場合には求められる樹脂の性質にもよるが通常エポキシ基 1 モルに対して包接 している硬化剤が 0 . 3〜 1 . 0モル程度になるよう包接化合物を使用する。 ま た、 硬化剤分子が樹脂中に組み込まれることなく触媒的にエポキシ基の開環を誘 発し、 オリゴマー間の重合付加反応を起こす重合型硬化剤、 や光開始型硬化剤の 場合、 また硬化促進剤として使用する場合などではエポキシ基 1 モルに対して包 接化合物は 0 . 2以下で十分である。 特に本発明ではテトラキスフエノール系化 合物を用いた包接化合物を用いることにより、 微量でも充分であり、 0 . 0 0 1 〜0 . 1 モル、 さらには 0 . 0 0 1〜0 . 0 5モルの使用量でよい。 これらの包 接化合物は 1種または 2種以上を混合して使用できる。
本発明の包接化合物からなるエポキシ樹脂用硬化剤またはエポキシ樹脂用硬化 促進剤を、 前記の未硬化エポキシ樹脂に配合した場合、 硬化反応の制御において 極めて重要な熱安定性が、 該硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤中のゲス卜化 合物 (ァミ ン系、 イミダゾ一ル系などの包接するまえの硬化剤、 硬化促進剤) の みを配合した場合と比べて著しく改善される。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤またはエポキシ樹脂用硬化促進剤は保存時の耐 湿性がよく、 分解や昇華が起こらない。
また、 これら包接化合物を硬化剤または硬化促進剤として含有する樹脂組成物 は熱特性に優れている。 樹脂組成物の熱特性は、 常温での安定性 (一液安定性) 、 常温〜所望する硬化温度までの加熱時の熱安定性、 硬化温度の 3つの特性が要 求される。 本発明の硬化剤及び硬化促進剤を配合した未硬化エポキシ樹脂は、 常 温下では極めて安定 (一液安定性が良好) であるが、 ある温度以上の一定温度に 加熱するのみで硬化し、 迅速に所望の硬化物を与える。 この場合も 8 0 °C程度ま では硬化が始まらず熱安定性が優れている。 しかし、 一般的に所望される 1 0 0 〜 1 3 0 °C付近で一気に硬化がすすむ。 公知の硬化剤 '硬化促進剤を使用した場 合は所望する硬化温度に達するまえに加熱により徐々に硬化が始まってしまい、 硬化樹脂の特性に悪影響を及ぼす。 また、 比較的熱安定性に優れた公知の硬化剤 を使用した場合は硬化開始温度が 1 5 0〜 1 8 0 °Cと高温であり、 本発明の組成 物はこれらに比べて低温での硬化が可能であるといえる。 本発明は、 テトラキスフエノール系化合物がエポキシ樹脂硬化剤、 硬化促進剤 と結晶性の保存性に優れた包接化合物を生成し、 該包接化合物を使用したェポキ シ樹脂組成物が極めて熱特性に優れることを見出したことは前述した。
また、 該包接化合物を形成するテトラキスフエノール系化合物は、 従前から付 加型の硬化剤として知られていた化合物でもある。 しかし、 本発明者は、 このテ トラキスフエノ一ル系化合物そのものに優れたエポキシ樹脂硬化の触媒作用があ ることを見出した。
即ち、 本発明は、 エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、 エポキシ基 1 モルに対して 0 . 0 0 1〜0 . 1 モルの一般式 〔 I〕 で示されるテ トラキスフ ノ一ル系化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物で もあな。
〔 I〕
(式中、 Xは、 (C H 2 ) ηを表し、 ηは、 0、 1、 2又は 3であり、 R ' 〜R 8 は、 それぞれ水素原子、 低級アルキル基、 置換されていてもよいフヱニル基、 ハロゲン原子または低級アルコキシ基を示す。 )
本発明において使用される硬化剤、 これらの硬化剤と共に使用されるテトラキ スフ ノール系化合物 (一般式 [ I ] ) は前記したものと同様である。 このテトラキスフヱノ一ル系化合物そのものの優れたエポキシ樹脂硬化の触媒 作用により、 本発明のテトラキスフエノ一ル系化合物を含有したエポキシ樹脂組 成物では、 穏和な条件下でも硬化反応が速やかにそして円滑に進行し安定した硬 化物が得られるなど、 硬化剤のみによる硬化と比べて樹脂組成物の硬化特性が著 しく改善される。
これらのことより、 アミ ン系、 イ ミダゾ一ル系などのエポキシ樹脂硬化剤とテ トラキスフエノ一ル系化合物とによる包接化合物をエポキシ樹脂用硬化剤として 使用した場合、 加熱により包接されていた硬化剤が放出されると同時にテトラキ スフエノ一ル系化合物が触媒として作用するという二重の効果により、 微量でか つ極めて熱特性 (一液安定性、 熱安定性、 低温硬化) のよい樹脂組成物を得るこ とができるのである。 本発明のエポキシ樹脂組成物には前述のものの外、 必要に応じて可塑剤、 有機 溶剤、 反応性希釈剤、 増量剤、 充塡剤、 補強剤、 顔料、 難燃化剤、 増粘剤及び離 型剤など種々の添加剤を配合することができる。 本発明のエポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤は、 エポキシ樹 脂を硬化させる用途、 例えば、 エポキシ樹脂系接着剤、 半導体封止材、 プリ ン卜 配線板用積層板、 ワニス、 粉体塗料、 注型材料、 インク等の用途に好適に使用す ることができる。 図面の簡単な説明 :
第 1図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 1 0 ) の熱分析 (TG/DTA ) チャー トである。
第 2図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 1 1 ) の熱分析 (TG/DTA ) チヤ一トである。
第 3図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 1 9) の熱分析 (TGZDTA ) チヤ一 トである。
第 4図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 2 0 ) の熱分析 (TGZDTA ) チヤ一 トである。
第 5図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 2 1 ) の熱分析 (TGZDTA ) チャー トである。
第 6図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 2 2) の熱分析 (TGZDTA ) チヤートである。
第 7図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 2 3 ) の熱分析 (TGZDTA ) チヤ一卜であ 。
第 8図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 2 4) の熱分析 (TGZDTA ) チャートである。
第 9図は表 2記載の包接化合物 (サンプル N o. 2 7) の熱分析 (TG/DTA ) チヤ一トである。
第 1 0図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 2 8 ) の熱分析 (TG/DT A) チヤ一トである。
第 1 1図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 2 9 ) の熱分析 (TGZDT A) チヤ一 卜である。
第 1 2図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 3 0 ) の熱分析 (TGZDT A) チヤ一トである。
第 1 3図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 3 1 ) の熱分析 (TG/DT A) チヤ一トである。
第 1 4図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 3 2) の熱分析 (TGZDT A) チヤ一トである。
第 1 5図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 3 3 ) の熱分析 (TG7DT A) チヤ一トである。
第 1 6図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 3 8) の熱分析 (TGZDT A) チヤ一トである。
第 1 7図は表 2記載の包接化合物 (サンプル N o. 4 3 ) の熱分析 (TG/DT A) チヤ一トである。
第 1 8図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 4 6) の熱分析 (TGZDT A) チヤ一トである。
第 1 9図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 4 7) の熱分析 (TG/DT A) チヤ一トである。
第 2 0図は表 1記載の包接化合物 (サンプル N o. 1 0) の 'HNMRスぺク ト ルチャ一トである。
第 2 1図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 2 1 ) の 'HNMRスぺク ト
ルチャ一トである。
第 2 2図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 2 4) の 'HNMRスぺク ト ルチヤートである。
第 2 3図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 2 7) の 'HNMRスぺク ト ルチヤー トである。
第 2 4図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 2 8) の 'HNMRスぺク ト ルチヤートである。
第 2 5図は表 1記載の包接化合物 (サンプル N 0. 2 4 ) の I Rスぺク トルチャ 一卜であ 5。
第 2 6図は表 2記載の包接化合物 (サンプル N 0. 2 7 ) の I Rスぺク トルチヤ ートである。
第 2 7図は表 2記載の包接化合物 (サンプル N 0. 3 9 ) の I Rスペク トルチヤ —トである。
第 2 8図は表 2記載の包接化合物 (サンプル N 0. 4 2 ) の I Rスぺク トルチヤ 一トである。
第 2 9図は表 2記載の包接化合物 (サンプル N 0. 4 5 ) の I Rスぺク トルチヤ —トである。
第 3 0図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 1 0 ) の X線回折パターンで ある。
第 3 1図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 2 7 ) の X線回折パターンで ある。
第 3 2図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 3 1 ) の X線回折パターンで あ <S> o
第 3 3図は表 1記載の包接化合物 (サンプル No. 2 4) の13 C固体 NMRのス ぺク トルチヤ一 トである。
第 3 4図は表 2記載の包接化合物 (サンプル N o. 2 7 ) の'3 C固体 NMRのス ぺク トルチヤ一 トである。
第 3 5図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 2 8) の13 C固体 NMRのス ぺク トルチヤ一トである。
第 3 6図は表 2記載の包接化合物 (サンプル No. 3 0 ) の13 C固体 NMRのス ぺク トルチヤ一 トである。
第 3 7図は表 1記載の包接化合物 (サンプル N o. 1 0 ) の単結晶 X線構造解析 結果である。
第 3 8図表 3記載の化合物 (サンプル No. 4 8 ) の熱分析 (TG/DTA) チ ヤー 卜でめる。
第 3 9図は表 3記載の化合物 (サンプル No. 4 9 ) の熱分析 (TG/DTA) チヤ一 卜である。
第 4 0図は表 3記載の化合物 (サンプル N o. 5 1 ) の熱分析 (TGZDTA) チヤ一卜である。
第 4 1図は表 3記載の化合物 (サンプル N o. 5 2 ) の熱分析 (TG/DTA) チヤ一 トである。
第 4 2図は表 3記載の化合物 (サンプル N o. 5 3 ) の熱分析 (TG/DTA) チヤ一トである。
第 4 3図は表 3記載の化合物 (サンプル N o. 5 4 ) の熱分析 (TG/DTA) チヤ一 卜でめる。
第 4 4図は表 3記載の化合物 (サンプル No. 5 5 ) の熱分析 (TG/DTA) チヤ一 卜である。
第 4 5図は表 3記載の化合物 (サンプル N o. 4 9 ) の 'HNMRスぺク トルチ ヤー トである。
第 4 6図は表 3記載の化合物 (サンプル N o. 5 3 ) の 'HNMRスぺク トルチ ャ一 卜である。
第 4 7図は表 3記載の化合物 (サンプル N o. 5 4 ) の 'HNMRスぺク トルチ ヤートである。
第 4 8図は実施例 2、 比較例 2のサンプル N o. 3 2、 5 3、 5 4を使用した樹 脂組成物の可使時間 (粘度) 測定結果である。
第 4 9図は実施例 3、 比較例 3のサンプル N o . 2 4、 5 0を使用した樹脂組成 物の可使時間 (粘度) 測定結果である。
第 5 0図は実施例 4、 比較例 4のサンプル N 0. 1 0、 1 1、 4 8、 4 9を使用
した樹脂組成物の可使時間 (粘度) 測定結果である。
第 5 1図は実施例 5、 比較例 5のサンプル N 0. 3 6、 3 8、 5 5を使用した樹 脂組成物の可使時間 (粘度) 測定結果である。
第 5 2図は実施例 6、 比較例 6のサンプル N o. 2 7、 2 8、 1 B 2 MZを使用 した樹脂組成物の可使時間 (粘度) 測定結果である。
第 5 3図は実施例 7のサンプル N 0. 3 2を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 トである。
第 5 4図は実施例 7のサンプル N 0. 3 3を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 トである。
第 5 5図は比較例 7のサンプル No. 5 3を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 卜である。
第 5 6図は比較例 7のサンプル No. 5 4を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 卜である。
第 5 7図は実施例 8のサンプル N 0. 2 4を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 トである。
第 5 8図は比較例 8のサンプル N 0. 5 0を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 トである。
第 5 9図は実施例 9のサンプル N 0. 1 0を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 卜である。
第 6 0図は実施例 9のサンプル N 0. 1 1を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 トである。
第 6 1図は比較例 9のサンプル No. 4 8を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 トである。
第 6 2図は比較例 9のサンプル N 0. 4 9を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ一 トである。
第 6 3図は実施例 1 0のサンプル No. 3 6を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ ―トである。
第 6 4図は実施例 1 0のサンプル No. 3 8を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ —卜である。
第 6 5図は比較例 1 0のサンプル No. 5 5を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ ートである。
第 6 6図は比較例 1 0のサンプル No. 5 6を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ ―卜であな。
第 6 7図は実施例 1 1のサンプル No. 2 7を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ ―卜である。
第 6 8図は実施例 1 1のサンプル No. 2 8を使用した樹脂組成物の D S Cチヤ —トである。
第 6 9図は実施例 1 4のサンプル N 0. 3 8吸湿試験後の 'HNMRスペク トル チヤ一卜である。
第 7 0図は比較例 1 3のサンプル No. 5 6吸湿試験後の 'HNMRスぺク トル チャートである。
第 7 1図は実施例 1 9のサンプル No. 2 7を使用した樹脂組成物の加熱試験後 の D S Cチヤ一トである。
第 7 2図は比較例 1 8の 1 B 2 MZを使用した樹脂組成物の加熱試験後の D S C チヤ一トである。 発明を実施するための最良の形態:
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、 本発明はこれらの例によ りなんら限定されるものではない。 実施例 1 包接化合物の製造
各種の硬化剤及び硬化促進剤とテトラキスフエノール系ホスト化合物を用い、 ① または②の方法により包接化合物を製造した。 ①硬化剤または硬化促進剤が室温 で液体の場合には、 それら 1 0重量部にホスト化合物 1重量部を加えて、 2 5 °C 〜1 0 0 °Cで 1分〜 1 2 0分間攪拌した後、 1時間〜 4 8時間放置して結晶を析 出させた。 結晶を濾取した後、 室温〜 8 0 °Cで減圧乾燥し、 本発明の包接化合物 を得た。 また、 硬化剤または硬化促進剤が固体の場合は、 それらとホス ト化合物 とを特定のモル比で混合し、 乳鉢で 1時間混練りすることにより本発明の包接化
合物を得た。 このように、 硬化剤または硬化促進剤とホス 卜化合物とを直接混合 することにより包接化合物を製造する方法を以下 "Neat" と略記する。 ②硬化剤 または硬化促進剤をメタノール、 酢酸ェチル、 ジクロロメタンのいずれかに溶解 し、 これにホスト化合物を該硬化剤または硬化促進剤に対して 0. 1モル〜等モ ルの割合で加え、 室温〜溶媒の還流温度で加熱して溶解または懸濁させ、 1分〜 1 2 0分間攪拌混合した後、 室温で 1時間〜 4 8時間放置して結晶を析出させた 。 結晶を濾取した後、 室温〜 1 2 0°Cで減圧乾燥し、 本発明の包接化合物を得た 。 包接化合物の製造結果を表 1及び表 2に示した。 なお、 実施例で得られた包接 化合物の試料はすべて I Rスペク トル、 NMRスぺク トル、 熱分析 (TG · DT A及び/または DS C) 、 粉末 X線回折パターンの測定により、 目的とする包接 化合物であることを確認した。 また、 表 1及び表 2における略号は、 それぞれ次 に示す硬化剤、 硬化促進剤及びホスト化合物を意味するものである。 硬化剤及び硬化促進剤
DE A : ジェチルァミ ン
TEA : ト リェチルァミ ン
P R I : ピぺリ ジン
P R A : ピペラジン
P Y : ピリ ジン
EDA : エチレンジアミ ン
TMDA : ト リメチレンジァミ ン
TEMDA : テ トラメチレンジァミ ン
HMD A : へキサメチレンジアミ ン
D E T A : ジェチレン 卜 リアミ ン
TEDA : 卜 リエチレンジァミ ン
0— PDA : オルトフエ二レンジアミ ン
m— PDA : メタフエ二レンジアミ ン
p— PDA : ノ ラフヱ二レンジァミ ン
BMA E E : ビス ( 2—ジメチルァミ ノェチル) エーテル
DMAH : N, N—ジメチルァミ ノへキサノール
TMHM: N, N, Ν' , Ν' —テ トラメチルへキサメチレンジァ ン
2 Ε 4 ΜΖ : 2ーェチルー 4ーメチルイ ミダゾ一ル
1 Β 2 ΜΖ : 1—ベンジルー 2—メチルイ ミ ダゾ一ル
1 I 2 ΜΖ : 1一イソプロピル一 2—メチルイ ミダゾール
2 ΜΖ : 2—メチルイ ミ ダゾ一ル
2 Ρ Ζ : 2—フヱ二ルイ ミ ダゾ一ル
2 P Z L : 2—フヱニルイ ミダゾリ ン
D B U : 1 , 8—ジァザビシクロ (5, 4, 0) ゥンデセン
ホス ト化合物
Τ Ε Ρ : 1 , 1, 2, 2—テ トラキス ( 4ーヒ ドロキシフエニル) ェタン
Τ Ε 0 C : 1 , 1, 2, 2—テ トラキス ( 3—メチル一 4—ヒ ドロキシフエニル
) ェタン
TD 0 C : 1 , 1, 2, 2—テ トラキス (3, 5—ジメチル一 4ーヒ ドロキシフ ェニル) ェタン
T C 0 C : 1 , 1, 2, 2—テ トラキス ( 3—クロ口 一 4—ヒ ドロキシフエニル ) エタン
表 1
表 2
言式 硬化剤/硬化促進剤 ホス卜化合物 包接体作成溶媒 包接体の組成 包接体の硬化剤
(G) (H) H:G:溶媒 (モル比) 放出温度 (°c)
25 2E4MZ TEP 酢酸ェチル 1:1.5:0 191
26 1B2MZ TEP Neat 1:6:0 143
27 1B2MZ TEP メタノール 1:2:0 200
28 1B2MZ TEOC メタノール 1:4:0 168
29 1B2MZ TEOC Neat 1:4:0 1G2
30 1B2MZ TDOC メタノール 1:0.5:0 173
31 1I2MZ TEP メタノ一ル 1:2:0 183
32 2MZ TEP 酢酸ェチル 1:2:1 175
33 2MZ TEOC ジクロロメタン 1:2:1 147
34 2PZ TEP メタノール 1:1.5:0.5 227
35 2PZL TEP メタノール 1:2:2: 216
36 2PZL TEP 酢酸ェチル 1:2:0 207
37 2PZL TEOC メタノ一ル 1:2:2 201
38 2PZL TEOC 酢酸ェチル 1:2:0 178
39 DBU TEP メタノール 1:1.5:0 240以上
40 DBU TEP 酢酸ェチル 1:2:0 183
41 DBU TEP ジクロロメタン 1:1.5:0 240以上
42 DBU TEOC メタノール 1:2:0 240以上
43 DBU TEOC 酢酸ェチル 1:2:0 210
44 DBU TEOC ジクロロメタン 1:2:0 240以上
45 DBU TDOC メタノール 1:2:0 147
46 DBU TDOC 酢酸ェチル 1:2:0 179
47 DBU TDOC ジクロロメタン 1:2:0 180
表 1及び表 2に記載した試料のうち、 試料番号 1 0、 1 1、 1 9、 2 0、 2 1 ヽ 2 2、 2 3、 2 4、 2 7、 2 8、 2 9、 3 0、 3 1、 3 2、 3 3、 3 8、 4 3 、 4 6及び 4 7の熱分析 (TGZDTA) チャートを図 1〜図 1 9に例示した。 試料番号 1 0、 2 1、 2 4、 2 7及び 2 8の 1 HNMRスペク トル (重メタノ一 ル溶媒使用) を図 2 0〜図 2 4に例示した。 試料番号 2 4、 2 7、 3 9、 4 2及 び 4 5の I Rスぺク トルを図 2 5〜 2 9に例示した。 試料番号 1 0、 2 7及び 3 1の粉末 X線回折パターンを図 3 0〜図 3 2に例示した。 また、 試料番号 2 4、 2 7 , 2 8及び 3 0の 1 3 C固体 NMRスぺク トルを図 3 3〜図 3 6に例示した 。 更に、 試料番号 1 0の単結晶 X線構造解析結果を図 3 7に例示した。 なお、 試 料番号 1 9、 2 0、 2 8及び 3 1についても単結晶 X線構造解析の結果を得てお り、 試料番号 1 0 と同様に分子レベルでホスト化合物とゲスト化合物とが 3次元 的に規則正しく配列した分子結晶であることを確認している。 比較例 1 従来技術による硬化剤及び硬化促進剤試料の製造
既に開示されている従来特許に記載されている方法に従い、 硬化剤及び硬化促進 剤試料の製造を行った。 製造した試料を表 3に示した。 表 3において硬化剤及び 硬化促進剤の略号はそれぞれ実施例に記した化合物に対応するものである。 フェ ノ一ル化合物の略号は次に示す化合物を意味するものである。
BHC : 1, 1 一ビス ( 4ーヒ ドロキシフエニル) シクロへキサン
B P A : ビスフエノ一ル A [ 2 , 2—ビス ( 4ーヒ ドロキシフヱニル) プロパン
]
B P S : ビスフヱノール S (4, 4 ' ージヒ ドロキシジフエニルスルホン) また、 表 3において、 試料の作成方法を記載した文献①〜⑤はそれぞれ次に示 す文献に対応するものである。
①特開平 5- 194711
②米国特許 3519576
③米国特許 4845234及び特公平 6- 9868
④特公昭 62 24006
⑤特開平 8- 15142
表 3
試料の作成方法を記載 試料の組成 硬化剤/硬化促進剤 フエノール化合物 した文献 硬化剤:フ Iノ-ル化合物
(モル比)
48 EDA BHC ① 1: 1
49 EDA BPA ② 1: 1
50 2E4MZ BHC ①
51 2E4MZ BPS ③
52 1B2MZ BPS ③
53 2MZ BHC ①
54 2MZ BPA ①
55 2PZし BPS ④
56 2PZL BPS ⑤
表 3に記載した試料のうち、 試料番号 4 8、 4 9、 5 1、 5 2、 5 3、 5 4及び 5 5の熱分析 (TGZDTA) チャートを図 3 8〜図 4 4に例示した。 また、 試 料番号 4 9、 5 3及び 5 4の 1 HNMRスぺク トル (重メタノ一ル溶媒使用) を 図 4 5〜図 4 7に例示した。 実施例 2 樹脂組成物の可使時間の測定 (その 1 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオン力一バイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 3 2の硬化剤 1 3. 7重量部 (2MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 2 5°Cで 1 0分間混 練し、 更に 2 5°Cで 2 0分間静置した後、 該樹脂組成物の初期粘度を測定した。 その後、 該樹脂組成物を 2 5°Cで静置し、 時間の経過に伴う粘度の変化を測定し た。 粘度測定は、 JIS K— 6 8 3 3— 1 9 9 4に準じ、 B 8 R型回転粘度計 (東 京計器製) を用いた。 測定結果を表 4並びに図 4 8に示した。 該樹脂組成物の可 使時間を樹脂粘度が初期粘度の 2倍になるまでの時間と定義した場合、 本発明の 試料番号 3 2の硬化剤を使用した場合、 可使時間は 1 8時間であった。 比較例 2
UVR— 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 表 3記載の試料番号 5 3の硬化剤 1 7. 1重 量部 (2MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 2と同様に して該樹脂組成物の初期粘度並びに時間の経過に伴う粘度の変化を測定した。 ま た、 試料番号 5 3の硬化剤の代わりに、 表 3記載の試料番号 5 4の硬化剤 1 5. 1重量部 (2MZとして 4. 0重量部に相当) を添加し、 同様にして粘度の測定 を実施した。 これらの結果を表 4並びに図 4 8に示した。 試料番号 5 3の硬化剤 では該樹脂組成物の可使時間は 9時間、 また試料番号 5 4の硬化剤では該樹脂組 成物の可使時間は 5時間であった。
実施例 2と比較例 2の結果を比較すると、 本発明の硬化剤は従来技術による硬化 剤よりも樹脂組成物の可使時間を大幅に延長できることが明らかである。
実施例 3 樹脂組成物の可使時間の測定 (その 2 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオン力—バイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 4の硬化剤 1 1. 2重量部 (2 E 4 MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 2 と同様にして該樹脂組成物の粘度を測定した。 結果を表 5並びに図 4 9に示した 。 本発明の試料番号 2 4の硬化剤を使用した場合、 可使時間 (樹脂粘度が初期粘 度の 2倍になるまでの時間) は 1 8 0時間以上であった。 比較例 3
UVR- 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 表 3記載の試料番号 5 0の硬化剤 1 3. 7重 量部 (2 E 4 MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 2と同 様にして該樹脂組成物の粘度を測定した。 結果を表 5並びに図 4 9に示した。 従 来技術による試料番号 5 0の硬化剤を使用した場合、 可使時間 (樹脂粘度が初期 粘度の 2倍になるまでの時間) は 1 2時間であった。
実施例 3と比較例 3の結果を比較すると、 本発明の硬化剤は従来技術による硬化 剤よりも樹脂組成物の可使時間が大幅に延長できることが明らかである。
表 4
表 5
樹脂組成物 の粘度
時間 ( c P / 2 5 °C)
(h) 試料番号 2 4配合 試料番号 5 0配合
の樹脂組成物 の樹脂組成物
0 1 9 6 0 0 2 4 8 0 0
1 1 9 8 0 0 2 7 4 0 0
2 2 9 4 0 0
4 2 0 1 0 0 2 9 4 0 ()
8 2 0 7 0 0 3 7 0 0 0
1 2 2 0 9 0 0 4 8 1 0 0
2 4 2 1 9 0 0 1 0 7 0 0 0
3 6 2 2 1 0 0
6 0 2 2 5 0 0
1 3 2 2 3 0 0 0
1 8 0 3 0 0 0
実施例 4 樹脂組成物の可使時間の測定 (その 3 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオン力—バイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 1 0の硬化剤 3 0. 5重量部 (E DAとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 2と同 様にして該樹脂組成物の粘度を測定した。 また、 試料番号 1 0の硬化剤の代わり に、 表 1記載の試料番号 1 1の硬化剤 3 4. 2重量部 (E D Aとして 4. 0重量 部に相当) を使用し、 同様にして粘度の測定を行った。 結果を表 6並びに図 5 0 に示した。 本発明の試料番号 1 0の硬化剤を使用した場合、 該樹脂組成物の可使 時間 (樹脂粘度が初期粘度の 2倍になるまでの時間) は 1 8 0時間であった。 ま た、 試料番号 1 1の硬化剤を使用した場合、 可使時間は 1 8 0時間以上であった
比較例 4
U VR- 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 表 3記載の試料番号 4 8の硬化剤 2 1. 9重 量部 (E DAとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 2と同様に して該樹脂組成物の粘度を測定した。 また、 試料番号 4 8の硬化剤の代わりに、 表 3記載の試料番号 4 9の硬化剤 1 9. 2重量部 (E D Aとして 4. 0重量部に 相当) を使用し、 同様にして粘度を測定した。 結果を表 6並びに図 5 0に示した 。 試料番号 4 8の硬化剤を使用した場合、 該樹脂組成物の可使時間 (樹脂粘度が 初期粘度の 2倍になるまでの時間) は 6時間であった。 また、 試料番号 4 9の硬 化剤を使用した場合、 可使時間は 2時間であった。
実施例 4と比較例 4の結果を比較すると、 本発明の硬化剤は従来技術による硬化 剤よりも樹脂組成物の可使時間が大幅に延長できることが明らかである。 実施例 5 樹脂組成物の可使時間の測定 (その 4 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオンカーバイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 3 6の硬化剤 9. 4 6重量部 (2 P Z Lとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 2と 同様にして該樹脂組成物の粘度を測定した。 また、 試料番号 3 6の硬化剤の代わ
りに、 表 1記載の試料番号 3 8の硬化剤 1 0 . 2重量部 (2 P Z Lとして 4 . 0 重量部に相当) を使用し、 同様にして粘度の測定を行った。 結果を表 7並びに図 5 1に示した。 本発明の試料番号 3 6の硬化剤を使用した場合、 該樹脂組成物の 可使時間 (樹脂粘度が初期粘度の 2倍になるまでの時間) は 1 8 0時間であった 。 また、 試料番号 3 8の硬化剤を使用した場合、 可使時間は 1 8 0時間以上であ つた。 比較例 5
U V R ~ 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 表 3記載の試料番号 5 5の硬化剤 1 5 . 1重 量部 (2 P Z Lとして 4 . 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 2 と同様 にして該樹脂組成物の粘度を測定した。 結果を表 7並びに図 5 1に示した。 試料 番号 5 5の硬化剤を使用した場合、 該樹脂組成物の可使時間 (樹脂粘度が初期粘 度の 2倍になるまでの時間) は 3 6時間であった。
実施例 5と比較例 5の結果を比較すると、 本発明の硬化剤は従来技術による硬化 剤よりも樹脂組成物の可使時間が大幅に延長できることが明らかである。
表 6
表 7
樹脂組成物の粘度
時間 (c p/2 5 ::C)
(h) 試料番号 3 e配合 試料番号 3 8配合 試料番号 5 5配合
の樹脂組成物 の樹脂組成物 の樹脂組成物
0 2 2 8 00 2 8 8 0 0 2 1 3 0 0
1 2 2 8 00 2 8 8 0 0 2 1 6 0 0
2 2 24 00
4 24 200 2 9 9 0 0 2 2 700
6 '23 9 0 0
8 24 800 0 5 0 ϋ 2 5 .1 () 0
1 0 2 54 00
1 2 24 8 00 1 0 0 3 , 6 0 0
24 2 6 5 00 3 1 70 0 3 84 0 0
3 6 2 6 900 3 2 2 0 0 4 Η 70 0
4 8 8 1 0 0 0
6 0 2 7 200 4 0 0 2 0 700 0
1 3 2 4 0 5 00 4 1 4 0 0
1 80 4 6000 5 5 700
実施例 6 樹脂組成物の可使時間の測定 (その 5 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオンカーバイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 7の硬化剤 8. 6 2重量部 ( 1 B 2 MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 2 と同様にして該樹脂組成物の粘度を測定した。 また、 試料番号 2 7の硬化剤の代 わりに、 表 1記載の試料番号 2 8の硬化剤 6. 6 4重量部 ( 1 B 2 M Zとして 4 . 0重量部に相当) を使用し、 同様にして粘度の測定を行った。 結果を表 8並び に図 5 2に示した。 本発明の試料番号 2 7の硬化剤を使用した場合、 該樹脂組成 物の可使時間 (樹脂粘度が初期粘度の 2倍になるまでの時間) は 6 0時間であつ た。 また、 試料番号 2 8の硬化剤を使用した場合、 可使時間は 3 6時間であった
比較例 6
U VR— 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 1 B 2 MZ 4. 0重量部を添加した。 以下、 実施例 2と同様にして該樹脂組成物の粘度を測定した。 結果を表 8並びに図 5 2 に示した。 1 B 2 MZを使用した場合、 該樹脂組成物の可使時間 (樹脂粘度が初 期粘度の 2倍になるまでの時間) は 1 0時間であった。
実施例 6 と比較例 6の結果を比較すると、 本発明の硬化剤の使用により、 樹脂組 成物の可使時間が大幅に延長できることが明らかである。
実施例 7 樹脂組成物の硬化温度の測定 (その 1 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオンカーバイ ド社製、 商品名)
1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 3 2の硬化剤 1 3.
7重量部 (2 MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 2 5 °Cで 1 0分間混 練した後、 その一部を採取し、 3 0 ミ リ リ ツ トル/分の窒素気流下、 昇温速度 1
0 °C/分の条件で示差走査熱量計 (D S C) を使用して該樹脂組成物の硬化反応 に基づく発熱を観測することにより、 該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その 結果、 該樹脂組成物の硬化開始温度は 9 3 °Cであり、 反応熱のピークは 1 4 0 °C であった。 該樹脂組成物の D S Cチャー トを図 5 3に示した。 また、 試料番号 3
2の硬化剤の代わりに試料番号 3 3の硬化剤 1 5. 1重量部 ( 2 M Zとして 4.
0重量部に相当) を使用し、 同様にして D S Cの測定を行ったところ、 該樹脂組 成物の硬化開始温度は 9 0 °Cであり、 反応熱のピークは 1 2 6 °Cであった。 該樹 脂組成物の D S Cチヤ一 トを図 5 4に示した。 比較例 7
UVR- 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 表 3記載の試料番号 5 3の硬化剤 1 7. 1重 量部 (2 MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 7 と同様に して該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化開始温 度は 7 9 °Cであり、 反応熱のピークは 1 2 6 °Cであった。 該樹脂組成物の D S C チャー トを図 5 5に示した。 また、 試料番号 5 3の硬化剤の代わりに試料番号 5 4の硬化剤 1 5. 1重量部 ( 2 MZとして 4. 0重量部に相当) を使用し、 同様 にして D S Cの測定を行ったところ、 該樹脂組成物の硬化開始温度は 7 1 °Cであ り、 反応熱のピークは 1 2 2 °Cであつた。 該樹脂組成物の D S Cチャー トを図 5 6に示した。
実施例 7と比較例 7の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 3、 5 4 では共に 8 0 °C以下の低温から硬化反応が始まっており、 樹脂組成物の熱安定性 が損なわれている。 これに対して、 本発明の硬化剤試料 3 2及び 3 3は共に硬化 開始温度が 9 0 °C以上であり、 樹脂組成物の熱安定性が確保されていると同時に 、 およそ 1 2 5 °C〜 1 4 0 °Cという適切な温度で樹脂組成物を硬化させることが
できる優れた硬化剤であることが明らかである。 実施例 8 樹脂組成物の硬化温度の測定 (その 2 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオンカーバイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 4の硬化剤 1 1. 2重量部 (2 E 4 MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 7 と同様にして該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬 化開始温度は 1 2 5 °Cであり、 反応熱のピ一クは 1 4 6 °Cであった。 該樹脂組成 物の D S Cチャートを図 5 7に示した。 比較例 8
U VR- 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 表 3記載の試料番号 5 0の硬化剤 1 3. 7重 量部 (2 E 4 MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 7 と同 様にして該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化開 始温度は 8 0 °Cであり、 反応熱のピークは 1 3 0 °Cであった。 該樹脂組成物の D S Cチャートを図 5 8に示した。
実施例 8 と比較例 8の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 0では 8 0 °Cの低温から硬化反応が始まっており、 樹脂組成物の熱安定性が損なわれてい る。 これに対して、 本発明の硬化剤試料 2 4は硬化開始温度が 9 0 °C以上であり 、 樹脂組成物の熱安定性が確保されていると同時に、 およそ 1 4 5 °Cという適切 な温度で樹脂組成物を硬化させることができる優れた硬化剤であることが明らか である。 実施例 9 樹脂組成物の硬化温度の測定 (その 3 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオンカーバイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 1 0の硬化剤 3 0. 5重量部 (E DAとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 7 と同 様にして該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化開 始温度は 1 1 7 °Cであり、 反応熱のピークは 1 6 5 °Cであった。 該樹脂組成物の
D S Cチャートを図 5 9に示した。 また、 試料番号 1 0の硬化剤の代わりに、 表 1記載の試料番号 1 1の硬化剤 3 4. 2重量部 (E DAとして 4. 0重量部に相 当) を使用し、 同様にして硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化 開始温度は 1 0 4 °Cであり、 反応熱のピークは 1 5 0 °Cであった。 該樹脂組成物 の D S Cチャー トを図 6 0に示した。 比較例 9
UVR— 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 表 3記載の試料番号 4 8の硬化剤 2 1. 9重 量部 (E DAとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 7と同様に して該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化開始温 度は 6 5 °Cであり、 反応熱のピークは 9 7 °Cであった。 該樹脂組成物の D S Cチ ャ一トを図 6 1に示した。 また、 試料番号 4 8の硬化剤の代わりに、 表 3記載の 試料番号 4 9の硬化剤 1 9. 2重量部 (E D Aとして 4. 0重量部に相当) を使 用し、 同様にして硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化開始温度 は 5 1 °Cであり、 反応熱のピークは 8 1 °Cであつた。 該樹脂組成物の D S Cチ ヤートを図 6 2に示した。
実施例 9と比較例 9の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 4 8及び 4 9では共に 6 5 °C以下の低温から硬化反応が始まっており、 樹脂組成物の熱安定 性が著しく損なわれている。 これに対して、 本発明の硬化剤試料 1 0及び 1 1は 硬化開始温度が 9 0 °C以上であり、 樹脂組成物の熱安定性が確保されていると同 時に、 およそ 1 5 0 °C〜 1 6 5 °Cという適切な温度で樹脂組成物を硬化させるこ とができる優れた硬化剤であることが明らかである。 実施例 1 0 樹脂組成物の硬化温度の測定 (その 4 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオンカーバイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 3 6の硬化剤 9. 4 6重量部 (2 P Z Lとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 7と 同様にして該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化 開始温度は 1 0 0 °Cであり、 反応熱のピークは 1 3 6 °Cであった。 該樹脂組成物
の D S Cチャートを図 6 3に示した。 また、 試料番号 3 6の硬化剤の代わりに、 表 1記載の試料番号 3 8の硬化剤 1 0. 2重量部 (2 P Zしとして 4. 0重量部 に相当) を使用し、 同様にして硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の 硬化開始温度は 9 3 °Cであり、 反応熱のピークは 1 2 9 °Cであった。 該樹脂組成 物の D S Cチャートを図 6 4に示した。 比較例 1 0
U VR- 6 4 1 0 1 0 0重量部に、 表 3記載の試料番号 5 5の硬化剤 1 5. 1重 量部 (2 P Z Lとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 7と同様 にして該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化開始 温度は 7 9 °Cであり、 反応熱のピークは 1 1 4 °C、 1 6 0 °C及び 1 9 3 °Cの 3箇 所であった。 該樹脂組成物の D S Cチヤ一トを図 6 5に示した。 また、 試料番号 5 5の硬化剤の代わりに、 試料番号 5 6の硬化剤を使用し、 同様にして硬化温度 を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬化開始温度は 8 5 °Cであり、 反応熱の ピークは 1 3 0 °C及び 2 0 2 °Cであった。 該樹脂組成物の D S Cチャートを図 6 6に示した。
実施例 1 0と比較例 1 0の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 5及 び 5 6では共に 8 5 °C以下の低温から硬化反応が始まっており、 樹脂組成物の熱 安定性が損なわれている。 これに対して、 本発明の硬化剤試料 3 6及び 3 8は硬 化開始温度が 9 0 °C以上であり、 樹脂組成物の熱安定性が確保されていると同時 に、 およそ 1 3 0 °C〜 1 3 5 °Cという適切な温度で樹脂組成物を硬化させること ができる優れた硬化剤であることが明らかである。 実施例 1 1 樹脂組成物の硬化温度の測定 (その 5 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオンカーバイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 7の硬化剤 8. 6 2重量部 ( 1 B 2 MZとして 4. 0重量部に相当) を添加した。 以下、 実施例 7 と同様にして該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 その結果、 該樹脂組成物の硬 化開始温度は 1 1 5 °Cであり、 反応熱のピークは 1 3 1 °Cであった。 該樹脂組成
物の D S Cチャートを図 6 7に示した。 また、 試料番号 2 7の硬化剤の代わりに 、 表 1記載の試料番号 2 8の硬化剤 6 . 6 4重量部 ( 1 B 2 M Zとして 4 . 0重 量部に相当) を使用し、 同様にして硬化温度の測定を行った。 その結果、 該樹脂 組成物の硬化開始温度は 1 1 0 °Cであり、 反応熱のピークは 1 2 7 °Cであった。 該樹脂組成物の D S Cチヤ一トを図 6 8に示した。
このように、 本発明の硬化剤試料 2 7及び 2 8は硬化開始温度が 1 1 0 °C以上で あり、 樹脂組成物の熱安定性が確保されていると同時に、 およそ 1 3 0 °C〜 1 4 0 °cという適切な温度で樹脂組成物を硬化させることができる優れた硬化剤であ ることが明らかである。 実施例 1 2 硬化剤の吸湿性の測定 (その 1 )
本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 4の硬化剤粉末 2グラムを直径 3セ ンチメーターのシャーレに入れ、 4 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下で 3 日間静 置し、 続いて 5 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下で 2 日間静置した。 この間、 1 日毎に重量を測定し、 該硬化剤の吸湿性を調べた。 その結果を表 9に示した。 該 硬化剤は高湿度雰囲気下においてもまったく吸湿性が無かった。 比較例 1 1
表 3記載の試料番号 5 1の硬化剤粉末 2グラムを直径 3センチメーターのシャ一 レに入れ、 以下、 実施例 1 2 と同様にして該硬化剤の吸湿性を調べ、 結果を表 9 に示した。 該硬化剤は 4 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下に 3 日間静置すること により、 約 6重量%の吸湿を起こした。 また、 5 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気 下に 2日間静置することにより、 約 1 0重量%の吸湿を示した。
実施例 1 2と比較例 1 1の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 1 は 高湿度雰囲気下に置く ことにより著しい吸湿を示すのに対して、 本発明の試料番 号 2 4の硬化剤は同条件下でまつたく吸湿性が無く、. 保存安定性に優れることが 明らかである。
実施例 1 3 硬化剤の吸湿性の測定 (その 2 )
本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 1 0の硬化剤粉末 2グラムを直径 3セ ンチメ一ターのシャーレに入れ、 以下、 実施例 1 2と同様にして該硬化剤の吸湿 性を調べた。 また、 同様にして試料番号 1 1の硬化剤についても吸湿性を調べた 。 それらの結果を表 1 0に示した。 これらの硬化剤は共に高湿度雰囲気下におい てもまったく吸湿性が無かつた。 比較例 1 2
表 3記載の試料番号 4 8の硬化剤粉末 2グラムを直径 3センチメーターのシャ一 レに入れ、 以下、 実施例 1 2と同様にして該硬化剤の吸湿性を調べた。 また、 試 料番号 4 9の硬化剤についても同様にして吸湿性を調べた。 これらの結果を表 1 0に示した。 試料番号 4 8の硬化剤は 5 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下に 2 日 間静置することにより約 5重量%の吸湿を示し、 試料番号 4 9の硬化剤は 4 0 °C 、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下に 3 日間静置することにより約 2 5重量%、 また、 5 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下に 2日間静置することにより約 6 0重量%の 吸湿を示した。
実施例 1 3 と比較例 1 2の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 4 8及 び 4 9は高湿度雰囲気下に置くことにより著しい吸湿を示すのに対して、 本発明 の試料番号 1 0及び 1 1の硬化剤は同条件下でまったく吸湿性が無く、 保存安定 性に優れることが明らかである。
表 9
*重量変化 (w t %) = ί [(試験後の硬化剤重量) 〔試験前の硬化剤重量)]
/ (試験前の硬化剤重 :) } X 1 00
表 1 ◦
*重量変化 (w t %) ={ [(試験後の硬化剤重量) 一 (試験前の硬化剤重量)]
Z (試験前の硬化剤重量) } X 1 00
実施例 1 4 硬化剤の吸湿性の測定 (その 3 )
本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 3 6の硬化剤粉末 2グラムを直径 3セ ンチメ—ターのシャーレに入れ、 以下、 実施例 2と同様にして該硬化剤の吸湿 性を調べた。 また、 同様にして試料番号 3 8の硬化剤についても吸湿性を調べた 。 それらの結果を表 1 1 に示した。 これらの硬化剤は共に高湿度雰囲気下におい てもまったく吸湿性が無かつた。 比較例 1 3
表 3記載の試料番号 5 6の硬化剤粉末 2グラムを直径 3センチメ一ターのシャ一 レに入れ、 以下、 実施例 1 2 と同様にして該硬化剤の吸湿性を調べ、 その結果を 表 1 1に示した。 該硬化剤は 4 0 °C、 相対温度 9 0 %の雰囲気下に 3 日間静置す ることにより約 5重量%、 また、 5 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下に 2 日間静 置することにより約 6重量%の吸湿を示した。
実施例 1 4と比較例 1 3の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 6は 高湿度雰囲気下に置く ことにより著しい吸湿を示すのに対して、 本発明の試料番 号 3 6及び 3 8の硬化剤は同条件下でまったく吸湿性が無く、 保存安定性に優れ ることが明らかである。
更に、 試験終了後の試料番号 3 8の硬化剤と試料番号 5 6の硬化剤の 1 H N M R スぺク トルを測定した。 試料番号 3 8の硬化剤のスぺク トルを図 6 9に、 試料番 号 5 6のスぺク トルを図 7 0に示した。 試料番号 5 6の硬化剤では含有する 2 P Z Lの加水分解物に起因すると考えられる不純物のシグナルが観測されたのに対 して、 試料番号 3 8のスぺク トルにおいては 2 P Z Lの分解はまったく観測され なかった。 このことからも本発明の硬化剤が保存安定性に優れることが明らかで あ1 έ> 実施例 1 5 硬化剤の吸湿性の測定 (その 4 )
本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 7の硬化剤粉末 2グラムを直径 3セ ンチメ一ターのシャーレに入れ、 以下、 実施例 1 2と同様にして該硬化剤の吸湿 性を調べた。 また、 同様にして試料番号 2 8の硬化剤についても吸湿性を調べた
。 それらの結果を表 1 2に示した。 これらの硬化剤は共に高湿度雰囲気下におい てもまったく吸湿性が無かつた。 比較例 1 4
表 3記載の試料番号 5 2の硬化剤粉末 2グラムを直径 3センチメータ一のシヤー レに入れ、 以下、 実施例 1 2と同様にして該硬化剤の吸湿性を調べ、 その結果を 表 1 2に示した。 該硬化剤は 4 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下に 3 日間静置す ることにより約 3重量%、 また、 5 0 °C、 相対湿度 9 0 %の雰囲気下に 2日間静 置することにより約 4 . 5重量%の吸湿を示した。
実施例 1 5と比較例 1 4の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 2は 高湿度雰囲気下に置く ことにより著しい吸湿を示すのに対して、 本発明の試料番 号 2 7及び 2 8の硬化剤は同条件下でまったく吸湿性が無く、 保存安定性に優れ ることが明らかである。
表 1 1
*重量変化 (w t %) = i [(試験後の硬化剤重量) 一 (試験前の硬化剤重
/ (試験前の硬化剤重量) i X 1 ϋ ()
表 1 2
*重量変化 (w t %) ={ [(試験後の硬化剤重量) (試験前の硬化剤重量)]
/ (試験前の硬化剤重量) Ix i oo
実施例 1 6 硬化剤の昇華性の測定 (その 1 )
本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 1 0の硬化剤を、 熱分析装置 (TG ) を使用して 1 0 0 °Cで 3 0分間ホールドし、 該硬化剤の重量変化を調べた。 ま た、 試料番号 1 1の硬化剤についても同様にして重量変化を調べた。 この結果を 表 1 3に示した。 更に、 熱分析装置 (TG) を使用してこれら硬化剤を 1 5 0 °C で 3 0分間ホ一ルドし、 該硬化剤の重量変化を調べた。 この結果を表 1 4に示し た。 これら硬化剤は 1 0 0 °C、 3 0分間のホールド及び 1 5 0 °C、 3 0分間のホ —ルドでほとんど重量変化が見られなかった。 比較例 1 5
表 3記載の試料番号 4 8及び 4 9の硬化剤について、 実施例 1 6 と同様にして 1 0 0 °C及び 1 5 0 °Cホールドにおける重量変化を測定した。 1 0 0 °Cにおける結 果を表 1 3に、 1 5 0 °Cにおける結果を表 1 4に示した。 試料番号 4 8の硬化剤 は 1 0 0 °C、 3 0分のホールドで 1 0 %、 1 5 0 °C、 3 0分間のホールドで約 2 0 %の重量減少が見られた。 また、 試料番号 4 9の硬化剤は 1 0 0 °C、 3 0分の ホールドで約 9 %、 1 5 0 °C、 3 0分間のホールドで約 2 0 %の重量減少が見ら れた。
実施例 1 6 と比較例 1 5の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 4 8及 び 4 9は昇華性を示すのに対して、 本発明の試料番号 1 0及び 1 1の硬化剤は高 温条件下でも昇華性が無く、 保存安定性に優れることが明らかである。
表 1 3
*重量変化 (w t %) ={ [(試験後の硬化剤重量) (試験前の硬化剤重量)] (試験前の硬化剤重量) } X 1 ◦ ◦
表 1 4
*重量変化 (w t %) ={ [(試験後の硬化剤重量) 一 (試験前の硬化剤重量)]
/ (試験前の硬化剤重量) } X 1 00
実施例 1 7 硬化剤の昇華性の測定 (その 2 )
本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 4の硬化剤を使用し、 実施例 1 6 と 同様にして 1 0 0 °C、 3 0分間ホールド及び 1 5 0 °C、 3 0分間ホ一ルドした際 の、 該硬化剤の重量変化を調べた。 1 0 0 °C及び 1 5 0 °Cにおける結果をそれぞ れ表 1 5及び表 1 6に示した。 該硬化剤は 1 0 0 °C、 3 0分間のホールド及び 1 5 0 °C , 3 0分間のホールドでほとんど重量変化が見られなかった。 比較例 1 6
表 3記載の試料番号 5 0の硬化剤について、 実施例 1 6と同様にして 1 0 0 °C及 び 1 5 0 °Cホ一ルドにおける重量変化を測定した。 1 0 0 °Cにおける結果を表 1 5に、 1 5 0 °Cにおける結果を表 1 6に示した。 該硬化剤は 1 0 0 °C、 3 0分の ホールドで約 3 %、 1 5 0 °C、 3 0分間のホールドで約 1 2 %の重量減少が見ら れた。
実施例 1 7 と比較例 1 6の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 0は 昇華性を示すのに対して、 本発明の試料番号 2 4の硬化剤は高温条件下でも昇華 性が無く、 保存安定性に優れることが明らかである。
表 1 5
*重量変化 (w t %) ={ [(試験後の硬化剤重量) - (試験前の硬化剤重量)]
/ (試験前の硬化剤重量) } X 1 00
表 1 6
*重量変化 (w t %) ={ [(試験後の硬化剤重量) (試験前の硬化剤重量)]
/ (試験前の硬化剤重量) } X 1 00
実施例 1 8 硬化剤の昇華性の測定 (その 3 )
本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 3 6及び 3 8の硬化剤を使用し、 実施 例 1 6と同様にして 1 0 0 °C、 3 0分間ホールド及び 1 5 0 °C、 3 0分間ホール ドした際の、 これら硬化剤の重量変化を調べた。 1 0 0 °C及び 1 5 0 °Cにおける 結果をそれぞれ表 1 7及び表 1 8に示した。 該硬化剤は 1 0 0 °C、 3 0分間のホ —ルド及び 1 5 0 °C、 3 0分間のホールドでほとんど重量変化が見られなかった
比較例 1 7
表 3記載の試料番号 5 6の硬化剤について、 実施例 1 6 と同様にして 1 0 0 °C及 び 1 5 0 °Cホールドにおける重量変化を測定した。 1 0 0 °Cにおける結果を表 1 7に、 1 5 0 °Cにおける結果を表 1 8に示した。 該硬化剤は 1 0 0 °C、 3 0分の ホ一ルドで約 4 %、 1 5 0 °C、 3 0分間のホールドで約 1 0 %の重量減少が見ら れ 7こ o
実施例 1 8 と比較例 1 7の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 6は 昇華性を示すのに対して、 本発明の試料番号 3 6及び 3 8の硬化剤は高温条件下 でも昇華性が無く、 保存安定性に優れることが明らかである。
表 1 7
*重量変化 (w t 。/。) ={ [(試験後の硬化剤重量) 一 (試験前の硬化剤重量)]
/ (試験前の硬化剤重量) } X 1 00
表 1 8
*重量変化 (w t %) ={ [(試験後の硬化剤重量) (試験前の硬化剤重量)]
/ (試験前の硬化剤重量) } X 1 00
実施例 1 9 硬化剤の低温硬化機能の実証 (その 1 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) ェピコ—ト 1 0 0 4 (油化シェル株式会社製) 1 0 0 重量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 7の硬化剤 0. 9 5重量 部 ( 1 B 2 MZとして 0. 4 4重量部に相当) を配合し、 8 0 °Cで 3 0分間混練 り後、 室温まで冷却し、 樹脂組成物を作成した。 その一部を採取し、 熱分析装置 (D S C) を使用して、 硬化に伴う発熱ピークから、 該樹脂組成物の硬化温度を 測定した。 その結果、 該樹脂組成物の反応熱のピークは 1 4 8 °Cであった。 該樹 脂組成物の D S Cチヤ一 卜を図 7 1に示した。 比較例 1 8
表 3記載の試料番号 5 2の硬化剤 1. 0 8重量部 ( 1 B 2 MZとして 0. 4 4重 量部に相当) を使用し、 実施例 1 9と同様にして樹脂組成物を作成し、 D S Cを 使用して該樹脂組成物の硬化温度を測定した。 該樹脂組成物の反応熱のピークは 1 6 8 °Cであった。 また、 硬化剤として 1 B 2 MZ 0. 4 4重量部を使用し、 実 施例 1 9と同様にして樹脂組成物を作成し、 同様に硬化温度を測定した。 その結 果、 該樹脂組成物の反応熱のピークは 1 7 0 °Cであった。 該樹脂組成物の D S C チヤ一トを図 Ί 2に示した。
実施例 1 9と比較例 1 8の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 2及 び 1 B 2 MZを使用して作成した樹脂組成物は共に反応熱のピークが 1 7 0 °C付 近であり、 これら樹脂組成物を十分硬化させるには 1 7 0 °C程度の高温を必要と する。 これに対して、 本発明の試料番号 2 7の硬化剤を使用した樹脂組成物は反 応熱のピークが 1 4 8 °Cであり、 比較例の場合よりも 2 0 °Cも低温で樹脂組成物 を十分硬化させることができ、 本発明の硬化剤が低温硬化性に優れる硬化剤であ ることが明らかである。 実施例 2 0 硬化剤の低温硬化機能の実証 (その 2 )
基体樹脂 (未硬化樹脂) ェピコ一ト 1 0 0 4 (油化シェル株式会社製) 1 0 0重 量部に、 本発明の硬化剤である表 1記載の試料番号 2 7の硬化剤 0. 9 5重量部 ( 1 B 2 MZとして 0. 4 4重量部に相当) を配合し、 室温で 3 0分間混練し、
樹脂組成物を作成した。 その一部を採取し、 熱分析装置 (D S C) を使用して、 1 2 0 °Cにホールドし、 該樹脂組成物の硬化に伴う発熱ピークの面積を調べた。 その結果、 該樹脂組成物は 1 2 0 °Cで硬化に伴い、 1 5 0ジュール/グラムの発 熱を示した。 比較例 1 9
表 3記載の試料番号 5 2の硬化剤 1. 0 8重量部 ( 1 B 2 MZとして 0. 4 4重 量部に相当) を使用し、 実施例 2 0と同様にして樹脂組成物を作成し、 その一部 を採取し、 熱分析装置 (D S C) を使用して、 1 2 0 °Cにホールドし、 該樹脂組 成物の硬化に伴う発熱ピークの面積を調べた。 その結果、 該樹脂組成物は 1 2 0 °Cで硬化に伴い、 2 7 ジュール /グラムの発熱を示した。 また、 硬化剤として 1 B 2 MZ 0. 4 4重量部を使用し、 実施例 2 0と同様にして樹脂組成物を作成し 、 同様に硬化に伴う発熱ピークの面積を調べた。 その結果、 該樹脂組成物は 1 2 0 °Cで硬化に伴い、 3 0 ジュール/グラムの発熱を示した。
実施例 2 0と比較例 1 9の結果を比較すると、 従来技術による硬化剤試料 5 2及 び 1 B 2 MZを使用して作成した樹脂組成物は共に 1 2 0 °Cでは硬化に伴なう発 熱量は非常に小さく、 従って 1 2 0 °Cではほとんど硬化を起こさない。 これに対 して、 本発明の試料番号 2 7の硬化剤を使用した樹脂組成物は 1 2 0 °Cの低温で も比較例に比べて 5倍大きな発熱を示し、 本発明の硬化剤が低温硬化性に優れる ことが明らかである。 実施例 2 1 テトラキスフエノール類による塗料 '樹脂組成物の硬化促進効果の 基体樹脂 (未硬化樹脂) UVR— 6 4 1 0 (ユニオンカーバイ ド社製、 商品名) 1 0 0重量部に、 1 B 2 MZ 4. 0重量部と TE P 5. 0重量部を添加した。 2 5 °Cで 1 0分間混練し、 更に 2 5 °Cで 2 0分間静置した後、 該樹脂組成物の初期 粘度を測定した。 その後、 該樹脂組成物を 2 5 °Cで静置し、 時間の経過に伴う粘 度の変化を測定した。 粘度測定は、 J IS K— 6 8 3 3 — 1 9 9 4に準じ、 B 8 R 型回転粘度計 (東京計器製) を用いた。 測定結果を表 1 9に示した。 該樹脂組成
物の可使時間を樹脂粘度が初期粘度の 2倍になるまでの時間と定義した場合、 該 樹脂組成物の可使時間は約 1時間であった。 また、 上記の試験において 1 B 2 M Zの代わりに 2 E 4 MZ 4. 0重量部を使用し、 同様にして該樹脂組成物の可使 時間を測定した。 結果は表 1 9に示したように、 該樹脂組成物の可使時間は約 2 時間であった。 更に、 上記の試験において、 1 B 2 MZ 4. 0重量部の代わりに 、 1 B 2 MZ 1. 0重量部を使用し、 同様にして該樹脂組成物の可使時間を測定 した。 結果は表 1 9に示したように、 該樹脂組成物の可使時間は約 2時間であつ た。 比較例 2 0
実施例 2 1において、 TE Pを添加しない以外は、 実施例 2 1 と同様の操作を行 い、 それぞれの樹脂組成物の可使時間を測定した。 結果を表 1 9に示した。 1 B 2MZ 4. 0重量部を配合した樹脂組成物の可使時間は 1 0時間であった。 2 E 4MZ 4. 0重量部を配合した樹脂組成物の可使時間は 8時間であった。 また、 1 B 2MZ 1. 0重量部を配合した樹脂組成物の可使時間は 1 0時間であった。 実施例 2 1 と比較例 2 0の結果を比較すると、 TE Pを配合した樹脂組成物の可 使時間は、 TE Pを配合しない樹脂組成物のそれよりも 1 Z4〜 1 / 1 0であり 、 短時間で硬化物が得られることが明らかである。
更に、 実施例 2 1 において TE Pの代わりにフヱノール、 ビスフヱノール A、 ビ スフヱノ一ル Sまたは 1, 1 —ビス ( 4ーヒ ドロキシフヱニル) シク口へキサン を添加した場合には、 TE Pを配合した場合のような可使時間の短縮、 即ち樹脂 組成物の硬化促進はまったく観察されなかった。
tO/,6dT/X3J 69^61/86 OAV
産業上の利用可能性:
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤は、 通常ェポキ シ樹脂に用いられる硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤をテトラキスフエノー ル系ホスト化合物で包接したものであって、 硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進 剤の昇華性、 分解性を改善し、 常温下で安定にエポキシ樹脂中に存在させること が可能であり、 エポキシ樹脂に混合した場合、 エポキシ樹脂組成物の可使時間を 延長できる。 特に硬化反応の制御において極めて重要な熱安定性が大幅に改善さ れ、 低温での硬化が可能となった。 またそれによつて作業効率を向上させること ができ、 しかもマイクロカプセル化したものに比べ機械強度及びゲスト放出性に 優れている。 また、 エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤の硬化速度を進め、 ェポキ シ樹脂組成物の硬化完結時間を短縮できる利点及び従来の硬化剤の使用量を低減 化できる特徴があり、 エポキシ樹脂を硬化させる用途、 例えば、 エポキシ樹脂系 接着剤、 半導体封止材、 プリ ン ト配線板用積層板、 ワニス、 粉体塗料、 注型材料 、 インク等の用途に好適に使用することができる。 特にエポキシ系塗料などとし て利用するのに極めて好適なエポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明は、 エポキシ樹脂に限らず主剤と副剤の混合により硬化を開始するよう な 2液型熱硬化性樹脂組成物、 例えばウレタン樹脂、 シリコン樹脂等にも応用が 可能である。