JP2006299281A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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啓之 鈴木
Izuo Aoki
伊豆男 青木
Satoru Abe
悟 阿部
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Abstract

【課題】硬化剤の硬化方式にとらわれることなく、エポキシ樹脂の硬化を速やかに円滑に進めるなど、穏和な条件下でも安定した硬化物が得られるエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、エポキシ基1モルに対して0.001〜0.1モルのテトラキスフェノール系化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物に関わり、特に、テトラキスフェノール系化合物を用いたエポキシ樹脂組成物に関するものである。
エポキシ樹脂は、優れた耐薬品性、耐腐食性、機械特性、熱特性、種々の基材に対する優れた接着性、電気特性、環境を選ばない作業性などを特徴としており、接着剤、塗料、電気金属材料、複合材料などに広く用いられている。エポキシ樹脂中のエポキシ基は、歪みの大きい反応性にとんだ官能基であり、酸、塩基のいずれとも反応し、この高い反応性を利用してエポキシ樹脂を硬化し、3次元化する。エポキシ樹脂組成物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシプレポリマーと硬化剤の組み合わせからなり、更に用途に応じて硬化促進剤、変成剤、充填剤などを添加することが多い。硬化した樹脂の性状は硬化剤によって大きく左右されることが知られており、これまで種々の硬化剤が工業用途に用いられている。エポキシ樹脂組成物は、その使用方法によって1液型と2液型とに大別することができ、前者の1液型は組成物そのものを加熱、加圧、放置するなどして硬化させることのできるものである。一方2液型は、主剤と硬化剤もしくは硬化促進剤とを使用時に混合した後、この混合物を加熱、加圧、放置するなどして硬化させることのできるものである。エポキシ樹脂組成物は通常2液型であり、この2液型は作業面から見ると手数がかかり非効率的であるものの、硬化物の強度、熱特性、電気特性等に於いて優れている面も多いため、電気部品や自動車、航空機分野において広く利用されている。しかしながら、前記2液型においては、(1)可使時間、即ち硬化させるために調製した組成物が使用できる状態を維持する時間が短く、調製により一部反応が始まり、系の粘度が上昇し、作業性が低下する、(2)配合ミスや調製の不完全さにより物性が低下するなどの問題があり、1液型の潜在性硬化剤及び硬化促進剤が望まれている。潜在性硬化剤及び硬化促進剤とは、樹脂に配合した硬化剤及び硬化促進剤が室温では安定であり、熱などの作用によって硬化反応を引き起こすものである。硬化反応の開始には、熱、光、圧力等の作用が考えられるが、熱が多く使われている。硬化剤及び硬化促進剤の安定化として、マイクロカプセルが使用されるが、機械強度が無く樹脂組成物を調整するためのブレンドに耐えられない等、安定性の点で問題があった。
また、硬化剤には、(1)エポキシ基と反応する事によって、硬化した樹脂中に必ず硬化剤分子が組み込まれる付加型硬化剤、(2)硬化剤分子が樹脂中に組み込まれることのなく触媒的にエポキシ基の開環を誘発し、オリゴマー間の重合付加反応を起こす重合型硬化剤、その他、(3)紫外線照射によって硬化を起こす光開始型硬化剤等がある。何れの方式を用いるにしても、一定の条件下で、より均一に、速やかに重合付加反応を行わせることが安定した硬化物を得る上で最も重要である。しかしながら、これら既存の硬化剤のみでは(1)樹脂粘度の増加に伴い硬化反応が途中で止まってしまう、(2)硬化反応に対する阻害要因が多い(3)硬化反応を完結させるためには過酷な条件を必要とする、(4)硬化反応を均一に行わせるためには大量の硬化剤を必要とするなどの問題があり、穏和な条件下で均一に速やかに重合付加反応行わせることを可能ならしめる硬化促進剤が望まれている。硬化促進剤とは、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤の硬化速度を進め、硬化反応を速やかに円滑にするためのものである。一級及び二級アミンのような付加型の硬化剤には、重合付加反応を促進する硬化促進剤としてアルコール又はフェノールが使用されるが、イミダゾールのような重合型の硬化剤ではオリゴマー間で進行するアニオン重合が阻害されるなど、汎用性の点で問題があった。
さらに、特許文献1及び2には、テトラキスフェノール類を硬化剤とし、生成した樹脂中にテトラキスフェノール骨格が導入された樹脂の記載がある。この場合は生成したテトラキスフェノール骨格が導入された樹脂に特徴があり、硬化剤としてのテトラキスフェノール類はエポキシ基1モルに対して0.5〜2モルの大量を用いている。効果としても一液安定性の記載のみがあり、熱安定性、低温硬化特性の記載はない。
特許公報第2501154号 特公平7−74260号
本発明は、このような事情のもとで、硬化剤の硬化方式にとらわれることなく、エポキシ樹脂の硬化を速やかに円滑に進めるなど、穏和な条件下でも安定した硬化物が得られるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記の問題点を解決すべく鋭意研究をした結果、特定のテトラキスフェノール系化合物を、エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物と併用することにより、エポキシ樹脂の硬化を速やかにそして円滑に行い、穏和な条件下でも安定した硬化物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、エポキシ基1モルに対して0.001〜0.1モルの一般式〔I〕で示されるテトラキスフェノール系化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
Figure 2006299281
(式中、Xは、(CH2 )nを表し、nは、0、1、2又は3であり、R1〜R8 は、それぞれ水素原子、低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、ハロゲン原子または低級アルコキシ基を示す。)
このテトラキスフェノール系化合物そのものの優れたエポキシ樹脂硬化の触媒作用により、本発明のテトラキスフェノール系化合物を含有したエポキシ樹脂組成物では、穏和な条件下でも硬化反応が速やかにそして円滑に進行し安定した硬化物が得られるなど、硬化剤のみによる硬化と比べて樹脂組成物の硬化特性が著しく改善される。
言い換えれば、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤の硬化速度を進め、エポキシ樹脂組成物の硬化完結時間を短縮できる利点及び従来の硬化剤の使用量を低減化できる特徴があり、エポキシ樹脂を硬化させる用途、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、半導体封止材、プリント配線板用積層板、ワニス、粉体塗料、注型材料、インク等の用途に好適に使用することができる。特にエポキシ系塗料などとして利用するのに極めて好適なエポキシ樹脂組成物を提供する。本発明は、エポキシ樹脂に限らず主剤と副剤の混合により硬化を開始するような2液型熱硬化性樹脂組成物、例えばウレタン樹脂、シリコン樹脂等にも応用が可能である。
テトラキスフェノール系化合物は、従前から付加型の硬化剤として知られていた化合物でもある。しかし、本発明者は、このテトラキスフェノール系化合物そのものに優れたエポキシ樹脂硬化の触媒作用があることを見出した。即ち、本発明は、エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、エポキシ基1モルに対して0.001〜0.1モルの上記一般式〔I〕で示されるテトラキスフェノール系化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
本発明において用いられるエポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物(硬化剤)には、アミン系、イミダゾール系、アミド系、エステル系、アルコール系、チオール系、エーテル系、チオエーテル系、フェノール系、リン系、尿素系、チオ尿素系、酸無水物系、ルイス酸系、オニウム塩系、活性珪素化合物−アルミニウム錯体系等が上げられるが、特に制限はなく、従来のエポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤として慣用とされているもの中から任意のものを選択して用いることができる。
アミン系の化合物としては、例えば脂肪族アミン系、脂環式や複素環式アミン系、芳香族アミン系、変性アミン系などが用いられる。例えば、脂肪族アミン類:エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、アルキル−t−モノアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(トリエチレンジアミン)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノールなど脂環式及び複素環式アミン類:ピペリジン、ピペラジン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(4,5,0)ウンデセン−7など芳香族アミン類:o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルメチルアミン、ジメチルベンジルアミン、m−キシレンジアミン、ピリジン、ピコリンなど変成ポリアミン類:エポキシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミンなどその他アミン系としてジシアンジアミド、グアニジン、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、アミンイミド、三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体などが挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−イミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトなどを挙げることができる。
イミダゾリン系化合物としては2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリンなどを挙げることができる。
アミド系化合物としては、例えばダイマー酸とポリアミンとの縮合により得られるポリアミドなどが挙げられ、エステル系化合物としては、例えばカルボン酸のアリール及びチオアリールエステルのような活性カルボニル化合物が挙げられる。さらに、フェノール、アルコール系、チオール系、エーテル系、並びにチオエーテル系化合物としては、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ポリオール、ポリメルカプタン、ポリサルファイド、2−(ジメチルアミノメチルフェノール)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキシル塩酸塩などが挙げられる。また、尿素系、チオ尿素系、並びにルイス酸系の硬化剤として、例えばブチル化尿素、ブチル化メラミン、ブチル化チオ尿素、三フッ化ホウ素などが挙げられる。
リン系の硬化剤としては、有機ホスフィン化合物、例えば、エチルホスフィン、ブチルホスフィン等のアルキルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジプロピルホスフィン等のジアルキルホスフィン、ジフェニルホスフィン、メチルエチルホスフィン等の第2ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン等の第3ホスフィン等が挙げられ、酸無水物系の硬化剤としては、例えば無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラメチレン無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、ドデセニル無水コハク酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物などが挙げられる。
オニウム塩系や活性珪素化合物−アルミニウム錯体系の硬化剤としては、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリフェニルシラノール−アルミニウム錯体、トリフェニルメトキシシラン−アルミニウム錯体、シリルペルオキシド−アルミニウム錯体、トリフェニルシラノール−トリス(サリシルアルデヒダート)アルミニウム錯体などが挙げられる。
本発明において使用されるテトラキスフェノール化合物は一般式〔I〕で表される化合物である。
Figure 2006299281
式中、Xは、(CH2 )nを表し、nは、0、1、2又は3であり、R1 〜R8 としては、互いに同一又は相異なっていてもよく、例えば、水酸基、メチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等のC1 〜C6 の低級アルキル基、ハロゲン原子や低級アルキル基等で置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基等のC1 〜C6 の低級アルコキシ基等を挙げることができる。
本発明で使用されるテトラキスフェノールは、一般式〔I〕で表される化合物であれば特に制限されないが、具体的な例として、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス[(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル]エタン、1,1,3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン等を例示することができる。これらのテトラキスフェノール化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明が適用できる未硬化エポキシ樹脂としては公知のもの、例えばビスフェノールA−エピクロルヒドリン樹脂、多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂など、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有するものを挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には前述のものの外、必要に応じて可塑剤、有機溶剤、反応性希釈剤、増量剤、充填剤、補強剤、顔料、難燃化剤、増粘剤及び離型剤など種々の添加剤を配合することができる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるものではない。
実施例1 テトラキスフェノール類による塗料・樹脂組成物の硬化促進効果の実証
基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカーバイド社製、商品名)100重量部に、1B2MZ4.0重量部とTEP5.0重量部を添加した。25℃で10分間混練し、更に25℃で20分間静置した後、該樹脂組成物の初期粘度を測定した。その後、該樹脂組成物を25℃で静置し、時間の経過に伴う粘度の変化を測定した。粘度測定は、JIS K−6833−1994に準じ、B8R型回転粘度計(東京計器製)を用いた。測定結果を表1に示した。該樹脂組成物の可使時間を樹脂粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間と定義した場合、該樹脂組成物の可使時間は約1時間であった。また、上記の試験において1B2MZの代わりに2E4MZ4.0重量部を使用し、同様にして該樹脂組成物の可使時間を測定した。結果は表1に示したように、該樹脂組成物の可使時間は約2時間であった。更に、上記の試験において、1B2MZ4.0重量部の代わりに、1B2MZ1.0重量部を使用し、同様にして該樹脂組成物の可使時間を測定した。結果は表1に示したように、該樹脂組成物の可使時間は約2時間であった。
なお、TEP、1B2MZ及び2E4MZは次の化合物の略号である。
TEP:1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
1B2MZ:1−ベンジル−2−メチルイミダゾール
2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
比較例1
実施例1において、TEPを添加しない以外は、実施例1と同様の操作を行い、それぞれの樹脂組成物の可使時間を測定した。結果を表1に示した。1B2MZ4.0重量部を配合した樹脂組成物の可使時間は10時間であった。2E4MZ4.0重量部を配合した樹脂組成物の可使時間は8時間であった。また、1B2MZ1.0重量部を配合した樹脂組成物の可使時間は10時間であった。実施例1と比較例1の結果を比較すると、TEPを配合した樹脂組成物の可使時間は、TEPを配合しない樹脂組成物のそれよりも1/4〜1/10であり、短時間で硬化物が得られることが明らかである。更に、実施例1においてTEPの代わりにフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールSまたは1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを添加した場合には、TEPを配合した場合のような可使時間の短縮、即ち樹脂組成物の硬化促進はまったく観察されなかった。
Figure 2006299281

Claims (1)

  1. エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、エポキシ基1モルに対して0.001〜0.1モルの一般式〔I〕で示されるテトラキスフェノール系化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2006299281
    (式中、Xは、(CH2 )nを表し、nは、0、1、2又は3であり、R1 〜R8 は、それぞれ水素原子、低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、ハロゲン原子または低級アルコキシ基を示す。)
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