JPH1171449A - エポキシ樹脂用硬化剤・硬化促進剤及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化剤・硬化促進剤及びエポキシ樹脂組成物

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JPH1171449A
JPH1171449A JP36685997A JP36685997A JPH1171449A JP H1171449 A JPH1171449 A JP H1171449A JP 36685997 A JP36685997 A JP 36685997A JP 36685997 A JP36685997 A JP 36685997A JP H1171449 A JPH1171449 A JP H1171449A
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啓之 鈴木
Izuo Aoki
伊豆男 青木
Satoru Abe
悟 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤の昇華
性、分解性を改善し、エポキシ樹脂に混合した場合、硬
化反応の制御において極めて重要な熱安定性が大幅に改
善され、可使時間(エポキシ樹脂と硬化剤などを混合し
た時の一液安定性)が延長される、また低温での硬化特
性を向上させることができるエポキシ樹脂用硬化剤及び
エポキシ樹脂用硬化促進剤を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 一般式〔I〕で示されるテトラキスフェ
ノール系化合物とエポキシ基と反応してエポキシ樹脂を
硬化させる化合物との包接体からなることを特徴とする
エポキシ樹脂用硬化剤であり、一般式〔I〕で示される
テトラキスフェノール系化合物とエポキシ基と反応して
エポキシ樹脂を硬化させる化合物の硬化速度を進める化
合物との包接体からなることを特徴とするエポキシ樹脂
用硬化促進剤である。 【化1】 (式中、Xは、(CH2 )nを表し、nは、0、1、2
又は3であり、R1 〜R 8 は、それぞれ水素原子、低級
アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、ハロゲ
ン原子または低級アルコキシ基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物に関わり、テトラキスフェノール系化合物を用いた、
エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、優れた耐薬品性、耐腐
食性、機械特性、熱特性、種々の基材に対する優れた接
着性、電気特性、環境を選ばない作業性などを特徴とし
ており、接着剤、塗料、電気金属材料、複合材料などに
広く用いられている。エポキシ樹脂中のエポキシ基は、
歪みの大きい反応性にとんだ官能基であり、酸、塩基の
いずれとも反応し、この高い反応性を利用してエポキシ
樹脂を硬化し、3次元化する。エポキシ樹脂組成物は、
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシプレ
ポリマーと硬化剤の組み合わせからなり、更に用途に応
じて硬化促進剤、変成剤、充填剤などを添加することが
多い。硬化した樹脂の性状は硬化剤によって大きく左右
されることが知られており、これまで種々の硬化剤が工
業用途に用いられている。エポキシ樹脂組成物は、その
使用方法によって1液型と2液型とに大別することがで
き、前者の1液型は組成物そのものを加熱、加圧、放置
するなどして硬化させることのできるものである。一方
2液型は、主剤と硬化剤もしくは硬化促進剤とを使用時
に混合した後、この混合物を加熱、加圧、放置するなど
して硬化させることのできるものである。エポキシ樹脂
組成物は通常2液型であり、この2液型は作業面から見
ると手数がかかり非効率的であるものの、硬化物の強
度、熱特性、電気特性等に於いて優れている面も多いた
め、電気部品や自動車、航空機分野において広く利用さ
れている。しかしながら、前記2液型においては、
(1)可使時間、即ち硬化させるために調製した組成物
が使用できる状態を維持する時間が短く、調製により一
部反応が始まり、系の粘度が上昇し、作業性が低下す
る、(2)配合ミスや調製の不完全さにより物性が低下
するなどの問題があり、1液型の潜在性硬化剤及び硬化
促進剤が望まれている。潜在性硬化剤及び硬化促進剤と
は、樹脂に配合した硬化剤及び硬化促進剤が室温では安
定であり、熱などの作用によって硬化反応を引き起こす
ものである。硬化反応の開始には、熱、光、圧力等の作
用が考えられるが、熱が多く使われている。硬化剤及び
硬化促進剤の安定化として、マイクロカプセルが使用さ
れるが、機械強度が無く樹脂組成物を調整するためのブ
レンドに耐えられない等、安定性の点で問題があった。
【0003】また、硬化剤には、(1)エポキシ基と反
応する事によって、硬化した樹脂中に必ず硬化剤分子が
組み込まれる付加型硬化剤、(2)硬化剤分子が樹脂中
に組み込まれることのなく触媒的にエポキシ基の開環を
誘発し、オリゴマー間の重合付加反応を起こす重合型硬
化剤、その他、(3)紫外線照射によって硬化を起こす
光開始型硬化剤等がある。何れの方式を用いるにして
も、一定の条件下で、より均一に、速やかに重合付加反
応を行わせることが安定した硬化物を得る上で最も重要
である。しかしながら、これら既存の硬化剤のみでは
(1)樹脂粘度の増加に伴い硬化反応が途中で止まって
しまう、(2)硬化反応に対する阻害要因が多い(3)
硬化反応を完結させるためには過酷な条件を必要とす
る、(4)硬化反応を均一に行わせるためには大量の硬
化剤を必要とするなどの問題があり、穏和な条件下で均
一に速やかに重合付加反応行わせることを可能ならしめ
る硬化促進剤が望まれている。硬化促進剤とは、エポキ
シ樹脂を硬化させる硬化剤の硬化速度を進め、硬化反応
を速やかに円滑にするためのものである。一級及び二級
アミンのような付加型の硬化剤には、重合付加反応を促
進する硬化促進剤としてアルコール又はフェノールが使
用されるが、イミダゾールのような重合型の硬化剤では
オリゴマー間で進行するアニオン重合が阻害されるな
ど、汎用性の点で問題があった。
【0004】特開平5−194711号にはエポキシ樹
脂用硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤を多分子系
(フェノール系)ホスト化合物で包接したものをエポキ
シ樹脂に配合したものが記載されている。具体的には2
−エチル−4−メチルイミダゾールと2,2′−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を
1:1で包接したものをエポキシ樹脂にイミダゾールと
して数%添加することによるエポキシ樹脂の硬化が記載
されている。しかし、可使時間(一液安定性)が大幅に
延長される旨の記載はあるが、同様な包接化合物である
シクロデキストリンとの比較であり、実用的には満足の
いくものではない。また、熱安定性や低温での硬化特性
についての記載も示唆もない。
【0005】特開平5−201902号にはテトラキス
フェノール類とイミダゾールとの包接化合物の記載があ
るが、具体的にエポキシ樹脂用の硬化剤、硬化促進剤と
して使用できる旨の記載はない。
【0006】特開昭60−40125号、特開平8−1
51429号にはイミダゾリンと多価フェノール類の塩
をエポキシ樹脂硬化剤として使用することが記載されて
いるが結晶性の固体ではなく包接化合物ではなく、一液
安定性などの効果においても実用的には満足のいくもの
ではない。また、米国特許第3519576号には、ア
ミン類と多価フェノール類との塩をエポキシ樹脂硬化剤
として使用することが記載されているが、一液安定性な
どの効果においては実用的には満足のいくものではな
い。同4845234号には、イミダゾール類と多価フ
ェノール類との塩をエポキシ樹脂硬化剤として使用する
ことが記載されているが、高粘性の液体であり、包接化
合物ではなく、一液安定性などの効果においても実用的
には満足のいくものではない。
【0007】特公平6−9868号にはテトラキスフェ
ノール類とイミダゾールとの塩がエポキシ樹脂硬化剤と
して使用できる旨の例示はあるが具体的な記載はない。
記載があるのは、イミダゾールと多価フェノール類との
塩であり、生成する塩は高粘性の液体であり、包接化合
物とはなっていない。効果としては一液安定性などの記
載はあるが実用的には満足のいくものではない。また熱
安定性、低温硬化特性の記載はない。
【0008】特許公報第2501154号、特公平7−
74260号にはテトラキスフェノール類を硬化剤と
し、生成した樹脂中にテトラキスフェノール骨格が導入
された樹脂の記載がある。この場合は生成したテトラキ
スフェノール骨格が導入された樹脂に特徴があり、硬化
剤としてのテトラキスフェノール類はエポキシ基1モル
に対して0.5〜2モルの大量を用いている。効果とし
ても一液安定性の記載のみがあり、熱安定性、低温硬化
特性の記載はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤の
昇華性、分解性を改善し、エポキシ樹脂に混合した場
合、硬化反応の制御において極めて重要な熱安定性が大
幅に改善され、可使時間(エポキシ樹脂と硬化剤などを
混合した時の一液安定性)が延長される、また低温での
硬化特性を向上させることができるエポキシ樹脂用硬化
剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤を提供することを目的
としてなされたものである。と同時に、硬化剤の硬化方
式にとらわれることなく、エポキシ樹脂の硬化を速やか
に円滑に進めるなど、穏和な条件下でも安定した硬化物
が得られるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決すべく鋭意研究をした結果、エポキシ樹脂用硬化剤
またはエポキシ樹脂用硬化促進剤を特定のテトラキスフ
ェノール系ホスト化合物で包接することにより、硬化剤
またはエポキシ樹脂用硬化促進剤のエポキシ樹脂組成物
中での熱安定性を向上させ、可使時間を大幅に延長でき
ること、さらに低温での硬化特性が向上することを見出
し、本発明を完成した。また特定のテトラキスフェノー
ル系化合物を、エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬
化させる化合物と併用することにより、エポキシ樹脂の
硬化を速やかにそして円滑に行い、穏和な条件下でも安
定した硬化物が得られることを見出した。
【0011】即ち本発明は、一般式〔I〕で示されるテ
トラキスフェノール系化合物とエポキシ基と反応してエ
ポキシ樹脂を硬化させる化合物との包接体からなること
を特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤であり、一般式
〔I〕で示されるテトラキスフェノール系化合物とエポ
キシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物の硬
化速度を進める化合物との包接体からなることを特徴と
するエポキシ樹脂用硬化促進剤である。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Xは、(CH2 )nを表し、n
は、0、1、2又は3であり、R1 〜R8 は、それぞれ
水素原子、低級アルキル基、置換されていてもよいフェ
ニル基、ハロゲン原子または低級アルコキシ基を示
す。) また、一般式〔I〕で示されるテトラキスフェノール系
化合物とエポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させ
る化合物との包接体、及び/または、一般式〔I〕で示
されるテトラキスフェノール系化合物とエポキシ基と反
応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物の硬化速度を進
める化合物との包接体、の少なくとも一種を含有するこ
とを特徴とするエポキシ樹脂組成物であり、特に好まし
くは、該包接体の含有量が、エポキシ基1モルに対して
0.001〜0.1モルであるエポキシ樹脂組成物であ
る。
【0014】また、本発明は、エポキシ基と反応してエ
ポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、エポキシ基1モルに
対して0.001〜0.1モルの一般式〔I〕で示され
るテトラキスフェノール系化合物を含有することを特徴
とするエポキシ樹脂組成物である。
【0015】
【化5】
【0016】(式中、Xは、(CH2 )nを表し、n
は、0、1、2又は3であり、R1 〜R8 は、それぞれ
水素原子、低級アルキル基、置換されていてもよいフェ
ニル基、ハロゲン原子または低級アルコキシ基を示
す。)
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるエポキ
シ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物(硬化
剤)、およびエポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化
させる化合物の硬化速度を進める化合物(硬化促進剤)
には、アミン系、イミダゾール系、アミド系、エステル
系、アルコール系、チオール系、エーテル系、チオエー
テル系、フェノール系、リン系、尿素系、チオ尿素系、
酸無水物系、ルイス酸系、オニウム塩系、活性珪素化合
物−アルミニウム錯体系等が上げられるが、特に制限は
なく、従来のエポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤として
慣用とされているもの中から任意のものを選択して用い
ることができる。
【0018】アミン系の化合物としては、例えば脂肪族
アミン系、脂環式や複素環式アミン系、芳香族アミン
系、変性アミン系などが用いられる。例えば、 脂肪族アミン類:エチレンジアミン、トリメチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジ
メチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピル
アミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタン
ジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテ
ル、ペンタメチルジエチレントリアミン、アルキル−t
−モノアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)
オクタン(トリエチレンジアミン)、N,N,N’,
N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,
N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエ
トキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノー
ルなど 脂環式及び複素環式アミン類:ピペリジン、ピペラジ
ン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、メチルモ
ルホリン、エチルモルホリン、N,N’,N”−トリス
(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリア
ジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,
8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンア
ダクト、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルアミ
ノエチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,8−
ジアザビシクロ(4,5,0)ウンデセン−7など 芳香族アミン類:o−フェニレンジアミン、m−フェニ
レンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジル
メチルアミン、ジメチルベンジルアミン、m−キシレン
ジアミン、ピリジン、ピコリンなど 変成ポリアミン類:エポキシ化合物付加ポリアミン、マ
イケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チ
オ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミンなどその
他アミン系としてジシアンジアミド、グアニジン、有機
酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、アミンイミ
ド、三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素
−モノエチルアミン錯体などが挙げられる。
【0019】イミダゾール系化合物としては、イミダゾ
ール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピル
イミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、
2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−
2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4
−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミ
ダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウ
ムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシル
イミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2
−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジ
アミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]
−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−
(2’−ウンデシルイミダゾリル−)−エチル−s−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4
−イミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリ
ル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル
酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付
加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、
2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,
5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1
−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウム
クロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール
塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムト
リメリテイトなどを挙げることができる。
【0020】イミダゾリン系化合物としては2−メチル
イミダゾリン、2−フェニルイミダゾリンなどを挙げる
ことができる。
【0021】アミド系化合物としては、例えばダイマー
酸とポリアミンとの縮合により得られるポリアミドなど
が挙げられ、エステル系化合物としては、例えばカルボ
ン酸のアリール及びチオアリールエステルのような活性
カルボニル化合物が挙げられる。さらに、フェノール、
アルコール系、チオール系、エーテル系、並びにチオエ
ーテル系化合物としては、フェノールノボラック、クレ
ゾールノボラック、ポリオール、ポリメルカプタン、ポ
リサルファイド、2−(ジメチルアミノメチルフェノー
ル)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノールのトリ−2−エチルヘキシル塩酸塩など
が挙げられる。また、尿素系、チオ尿素系、並びにルイ
ス酸系の硬化剤として、例えばブチル化尿素、ブチル化
メラミン、ブチル化チオ尿素、三フッ化ホウ素などが挙
げられる。
【0022】リン系の硬化剤としては、有機ホスフィン
化合物、例えば、エチルホスフィン、ブチルホスフィン
等のアルキルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1
ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジプロピルホスフィ
ン等のジアルキルホスフィン、ジフェニルホスフィン、
メチルエチルホスフィン等の第2ホスフィン、トリメチ
ルホスフィン、トリエチルホスフィン等の第3ホスフィ
ン等が挙げられ、酸無水物系の硬化剤としては、例えば
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル
エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイ
ン酸、テトラメチレン無水マレイン酸、無水トリメリッ
ト酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、ドデセ
ニル無水コハク酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテー
ト)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、
ポリアゼライン酸無水物などが挙げられる。
【0023】オニウム塩系や活性珪素化合物−アルミニ
ウム錯体系の硬化剤としては、アリールジアゾニウム
塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニ
ウム塩、トリフェニルシラノール−アルミニウム錯体、
トリフェニルメトキシシラン−アルミニウム錯体、シリ
ルペルオキシド−アルミニウム錯体、トリフェニルシラ
ノール−トリス(サリシルアルデヒダート)アルミニウ
ム錯体などが挙げられる。
【0024】本発明において、これらの化合物(硬化剤
または硬化促進剤)と包接化合物を形成するテトラキス
フェノール化合物は一般式〔I〕で表される化合物であ
る。
【0025】
【化6】
【0026】式中、Xは、(CH2 )nを表し、nは、
0、1、2又は3であり、R1 〜R8 としては、互いに
同一又は相異なっていてもよく、例えば、水酸基、メチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イ
ソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘ
キシル基等のC1 〜C6 の低級アルキル基、ハロゲン原
子や低級アルキル基等で置換されていてもよいフェニル
基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハ
ロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基
等のC1 〜C6 の低級アルコキシ基等を挙げることがで
きる。
【0027】本発明で使用されるテトラキスフェノール
は、一般式〔I〕で表される化合物であれば特に制限さ
れないが、具体的な例として、1,1,2,2−テトラ
キス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,
2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,
2,2−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,
2,2−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−
ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,
2,2−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラ
キス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−
4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テ
トラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ
−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テト
ラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−ブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,
2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス
[(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル]エタ
ン、1,1,3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,
3,3−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テト
ラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−
テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジフ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,
3,3−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,
5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1,3,3−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラ
キス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
1,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
1,4,4−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス
(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4
−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テト
ラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テ
トラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン等を例示す
ることができる。これらのテトラキスフェノール化合物
はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0028】エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化
させる化合物(硬化剤)、エポキシ基と反応してエポキ
シ樹脂を硬化させる化合物の硬化速度を進める化合物
(硬化促進剤)とテトラキスフェノール系化合物との包
接化合物の合成は、例えば、硬化剤、硬化促進剤である
アミン系、イミダゾール系などの化合物が、液体の場合
には、テトラキスフェノール系化合物を、該液体に直接
加えて反応させることにより、硬化剤、硬化促進剤の化
合物が固体の場合にはそれら化合物の含有液中に入れて
反応させることにより、若しくは固体である化合物と粉
末のテトラキスフェノール系化合物とを直接に固相反応
させることにより、包接化合物が高選択率及び高収率で
生成される。本発明の包接化合物は、ホスト分子の作る
結晶格子空孔内にゲスト分子が入り込むことにより生成
する。従って、どの化合物がゲストとして取り込まれや
すいか否かは、ゲスト分子の大きさ、立体、極性、溶解
度などに支配される。生成した包接化合物は、結晶性の
固体である。
【0029】本発明が適用できる未硬化エポキシ樹脂と
しては公知のもの、例えばビスフェノールA−エピクロ
ルヒドリン樹脂、多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂、臭素化エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂な
ど、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有するも
のを挙げることができる。
【0030】本発明は、前記したアミン系、イミダゾー
ル系などのエポキシ樹脂硬化剤や硬化促進剤を一般式
〔I〕で表されるテトラキスフェノール系化合物との包
接化合物とし、該包接化合物をエポキシ樹脂用硬化剤や
硬化促進剤として含有することを特徴とするエポキシ樹
脂組成物である。
【0031】使用する包接化合物の量は、包接するアミ
ン系,イミダゾール系などの通常の硬化剤、硬化促進剤
と同様な使用量でよく、硬化方法による。エポキシ基と
反応する事によって、硬化した樹脂中に必ず硬化剤分子
が組み込まれる付加型硬化剤の場合には求められる樹脂
の性質にもよるが通常エポキシ基1モルに対して包接し
ている硬化剤が0.3〜1.0モル程度になるよう包接
化合物を使用する。また、硬化剤分子が樹脂中に組み込
まれることなく触媒的にエポキシ基の開環を誘発し、オ
リゴマー間の重合付加反応を起こす重合型硬化剤、や光
開始型硬化剤の場合、また硬化促進剤として使用する場
合などではエポキシ基1モルに対して包接化合物は0.
2以下で十分である。特に本発明ではテトラキスフェノ
ール系化合物を用いた包接化合物を用いることにより、
微量でも充分であり、0.001〜0.1モル、さらに
は0.001〜0.05モルの使用量でよい。これらの
包接化合物は1種または2種以上を混合して使用でき
る。
【0032】本発明の包接化合物からなるエポキシ樹脂
用硬化剤またはエポキシ樹脂用硬化促進剤を、前記の未
硬化エポキシ樹脂に配合した場合、硬化反応の制御にお
いて極めて重要な熱安定性が、該硬化剤及びエポキシ樹
脂用硬化促進剤中のゲスト化合物(アミン系、イミダゾ
ール系などの包接するまえの硬化剤、硬化促進剤)のみ
を配合した場合と比べて著しく改善される。本発明のエ
ポキシ樹脂用硬化剤またはエポキシ樹脂用硬化促進剤は
保存時の耐湿性がよく、分解や昇華が起こらない。ま
た、これら包接化合物を硬化剤または硬化促進剤として
含有する樹脂組成物は熱特性に優れている。樹脂組成物
の熱特性は、常温での安定性(一液安定性)、常温〜所
望する硬化温度までの加熱時の熱安定性、硬化温度の3
つの特性が要求される。本発明の硬化剤及び硬化促進剤
を配合した未硬化エポキシ樹脂は、常温下では極めて安
定(一液安定性が良好)であるが、ある温度以上の一定
温度に加熱するのみで硬化し、迅速に所望の硬化物を与
える。この場合も80℃程度までは硬化が始まらず熱安
定性が優れている。しかし、一般的に所望される100
〜130℃付近で一気に硬化がすすむ。公知の硬化剤・
硬化促進剤を使用した場合は所望する硬化温度に達する
まえに加熱により徐々に硬化が始まってしまい、硬化樹
脂の特性に悪影響を及ぼす。また、比較的熱安定性に優
れた公知の硬化剤を使用した場合は硬化開始温度が15
0〜180℃と高温であり、本発明の組成物はこれらに
比べて低温での硬化が可能であるといえる。
【0033】本発明は、テトラキスフェノール系化合物
がエポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤と結晶性の保存性に
優れた包接化合物を生成し、該包接化合物を使用したエ
ポキシ樹脂組成物が極めて熱特性に優れることを見出し
たことは前述した。また、該包接化合物を形成するテト
ラキスフェノール系化合物は、従前から付加型の硬化剤
として知られていた化合物でもある。しかし、本発明者
は、このテトラキスフェノール系化合物そのものに優れ
たエポキシ樹脂硬化の触媒作用があることを見出した。
【0034】即ち、本発明は、エポキシ基と反応してエ
ポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、エポキシ基1モルに
対して0.001〜0.1モルの一般式〔I〕で示され
るテトラキスフェノール系化合物を含有することを特徴
とするエポキシ樹脂組成物でもある。
【0035】
【化7】
【0036】(式中、Xは、(CH2 )nを表し、n
は、0、1、2又は3であり、R1 〜R8 は、それぞれ
水素原子、低級アルキル基、置換されていてもよいフェ
ニル基、ハロゲン原子または低級アルコキシ基を示
す。)
【0037】本発明において使用される硬化剤、これら
の硬化剤と共に使用されるテトラキスフェノール系化合
物(一般式[I])は前記したものと同様である。
【0038】このテトラキスフェノール系化合物そのも
のの優れたエポキシ樹脂硬化の触媒作用により、本発明
のテトラキスフェノール系化合物を含有したエポキシ樹
脂組成物では、穏和な条件下でも硬化反応が速やかにそ
して円滑に進行し安定した硬化物が得られるなど、硬化
剤のみによる硬化と比べて樹脂組成物の硬化特性が著し
く改善される。
【0039】これらのことより、アミン系、イミダゾー
ル系などのエポキシ樹脂硬化剤とテトラキスフェノール
系化合物とによる包接化合物をエポキシ樹脂用硬化剤と
して使用した場合、加熱により包接されていた硬化剤が
放出されると同時にテトラキスフェノール系化合物が触
媒として作用するという二重の効果により、微量でかつ
極めて熱特性(一液安定性、熱安定性、低温硬化)のよ
い樹脂組成物を得ることができるのである。
【0040】本発明のエポキシ樹脂組成物には前述のも
のの外、必要に応じて可塑剤、有機溶剤、反応性希釈
剤、増量剤、充填剤、補強剤、顔料、難燃化剤、増粘剤
及び離型剤など種々の添加剤を配合することができる。
【0041】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤及びエポキ
シ樹脂用硬化促進剤は、エポキシ樹脂を硬化させる用
途、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、半導体封止材、プ
リント配線板用積層板、ワニス、粉体塗料、注型材料、
インク等の用途に好適に使用することができる。
【0042】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるも
のではない。
【0043】実施例1 包接化合物の製造 各種の硬化剤及び硬化促進剤とテトラキスフェノール系
ホスト化合物を用い、またはの方法により包接化合
物を製造した。硬化剤または硬化促進剤が室温で液体
の場合には、それら10重量部にホスト化合物1重量部
を加えて、25℃〜100℃で1分〜120分間攪拌し
た後、1時間〜48時間放置して結晶を析出させた。結
晶を濾取した後、室温〜80℃で減圧乾燥し、本発明の
包接化合物を得た。また、硬化剤または硬化促進剤が固
体の場合は、それらとホスト化合物とを特定のモル比で
混合し、乳鉢で1時間混練りすることにより本発明の包
接化合物を得た。このように、硬化剤または硬化促進剤
とホスト化合物とを直接混合することにより包接化合物
を製造する方法を以下“Neat”と略記する。硬化剤ま
たは硬化促進剤をメタノール、酢酸エチル、ジクロロメ
タンのいずれかに溶解し、これにホスト化合物を該硬化
剤または硬化促進剤に対して0.1モル〜等モルの割合
で加え、室温〜溶媒の還流温度で加熱して溶解または懸
濁させ、1分〜120分間攪拌混合した後、室温で1時
間〜48時間放置して結晶を析出させた。結晶を濾取し
た後、室温〜120℃で減圧乾燥し、本発明の包接化合
物を得た。包接化合物の製造結果を表1及び表2に示し
た。なお、実施例で得られた包接化合物の試料はすべて
IRスペクトル、NMRスペクトル、熱分析(TG・D
TA及び/またはDSC)、粉末X線回折パターンの測
定により、目的とする包接化合物であることを確認し
た。また、表1及び表2における略号は、それぞれ次に
示す硬化剤、硬化促進剤及びホスト化合物を意味するも
のである。
【0044】硬化剤及び硬化促進剤 DEA:ジエチルアミン TEA:トリエチルアミン PRI:ピペリジン PRA:ピペラジン PY:ピリジン EDA:エチレンジアミン TMDA:トリメチレンジアミン TEMDA:テトラメチレンジアミン HMDA:ヘキサメチレンジアミン DETA:ジエチレントリアミン TEDA:トリエチレンジアミン o−PDA:オルトフェニレンジアミン m−PDA:メタフェニレンジアミン p−PDA:パラフェニレンジアミン BMAEE:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテ
ル DMAH:N,N−ジメチルアミノヘキサノール TMHM:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメ
チレンジアミン 2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール 1B2MZ:1−ベンジル−2−メチルイミダゾール 1I2MZ:1−イソプロピル−2−メチルイミダゾー
ル 2MZ:2−メチルイミダゾール 2PZ:2−フェニルイミダゾール 2PZL:2−フェニルイミダゾリン DBU:1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン
【0045】ホスト化合物 TEP:1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン TEOC:1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)エタン TDOC:1,1,2,2−テトラキス(3,5―ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)エタン TCOC:1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−
4−ヒドロキシフェニル)エタン
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1及び表2に記載した試料のうち、試料
番号10、11、19、20、21、22、23、2
4、27、28、29、30、31、32、33、3
8、43、46及び47の熱分析(TG/DTA)チャ
ートを図1〜図19に例示した。試料番号10、21、
24、27及び28の1HNMRスペクトル(重メタノ
ール溶媒使用)を図20〜図24に例示した。試料番号
24、27、39、42及び45のIRスペクトルを図
25〜29に例示した。試料番号10、27及び31の
粉末X線回折パターンを図30〜図32に例示した。ま
た、試料番号24、27、28及び30の13C固体N
MRスペクトルを図33〜図36に例示した。更に、試
料番号10の単結晶X線構造解析結果を図37に例示し
た。なお、試料番号19、20、28及び31について
も単結晶X線構造解析の結果を得ており、試料番号10
と同様に分子レベルでホスト化合物とゲスト化合物とが
3次元的に規則正しく配列した分子結晶であることを確
認している。
【0049】比較例1 従来技術による硬化剤及び硬化
促進剤試料の製造 既に開示されている従来特許に記載されている方法に従
い、硬化剤及び硬化促進剤試料の製造を行った。製造し
た試料を表3に示した。表3において硬化剤及び硬化促
進剤の略号はそれぞれ実施例に記した化合物に対応する
ものである。フェノール化合物の略号は次に示す化合物
を意味するものである。
【0050】BHC:1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン BPA:ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン] BPS:ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン)
【0051】また、表3において、試料の作成方法を記
載した文献〜はそれぞれ次に示す文献に対応するも
のである。
【0052】特開平5-194711 米国特許3519576 米国特許4845234及び特公平6-9868 特公昭62-24006 特開平8-15142
【0053】
【表3】
【0054】表3に記載した試料のうち、試料番号4
8、49、51、52、53、54及び55の熱分析
(TG/DTA)チャートを図38〜図44に例示し
た。また、試料番号49、53及び54の1HNMRス
ペクトル(重メタノール溶媒使用)を図45〜図47に
例示した。
【0055】実施例2 樹脂組成物の可使時間の測定
(その1) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号32の硬化剤13.7重量
部(2MZとして4.0重量部に相当)を添加した。2
5℃で10分間混練し、更に25℃で20分間静置した
後、該樹脂組成物の初期粘度を測定した。その後、該樹
脂組成物を25℃で静置し、時間の経過に伴う粘度の変
化を測定した。粘度測定は、JIS K−6833−199
4に準じ、B8R型回転粘度計(東京計器製)を用い
た。測定結果を表4並びに図48に示した。該樹脂組成
物の可使時間を樹脂粘度が初期粘度の2倍になるまでの
時間と定義した場合、本発明の試料番号32の硬化剤を
使用した場合、可使時間は18時間であった。
【0056】比較例2 UVR−6410100重量部に、表3記載の試料番号
53の硬化剤17.1重量部(2MZとして4.0重量
部に相当)を添加した。以下、実施例2と同様にして該
樹脂組成物の初期粘度並びに時間の経過に伴う粘度の変
化を測定した。また、試料番号53の硬化剤の代わり
に、表3記載の試料番号54の硬化剤15.1重量部
(2MZとして4.0重量部に相当)を添加し、同様に
して粘度の測定を実施した。これらの結果を表4並びに
図48に示した。試料番号53の硬化剤では該樹脂組成
物の可使時間は9時間、また試料番号54の硬化剤では
該樹脂組成物の可使時間は5時間であった。実施例2と
比較例2の結果を比較すると、本発明の硬化剤は従来技
術による硬化剤よりも樹脂組成物の可使時間を大幅に延
長できることが明らかである。
【0057】
【表4】
【0058】実施例3 樹脂組成物の可使時間の測定
(その2) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号24の硬化剤11.2重量
部(2E4MZとして4.0重量部に相当)を添加し
た。以下、実施例2と同様にして該樹脂組成物の粘度を
測定した。結果を表5並びに図49に示した。本発明の
試料番号24の硬化剤を使用した場合、可使時間(樹脂
粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間)は180時間
以上であった。
【0059】比較例3 UVR−6410100重量部に、表3記載の試料番号
50の硬化剤13.7重量部(2E4MZとして4.0
重量部に相当)を添加した。以下、実施例2と同様にし
て該樹脂組成物の粘度を測定した。結果を表5並びに図
49に示した。従来技術による試料番号50の硬化剤を
使用した場合、可使時間(樹脂粘度が初期粘度の2倍に
なるまでの時間)は12時間であった。実施例3と比較
例3の結果を比較すると、本発明の硬化剤は従来技術に
よる硬化剤よりも樹脂組成物の可使時間が大幅に延長で
きることが明らかである。
【0060】
【表5】
【0061】実施例4 樹脂組成物の可使時間の測定
(その3) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号10の硬化剤30.5重量
部(EDAとして4.0重量部に相当)を添加した。以
下、実施例2と同様にして該樹脂組成物の粘度を測定し
た。また、試料番号10の硬化剤の代わりに、表1記載
の試料番号11の硬化剤34.2重量部(EDAとして
4.0重量部に相当)を使用し、同様にして粘度の測定
を行った。結果を表6並びに図50に示した。本発明の
試料番号10の硬化剤を使用した場合、該樹脂組成物の
可使時間(樹脂粘度が初期粘度の2倍になるまでの時
間)は180時間であった。また、試料番号11の硬化
剤を使用した場合、可使時間は180時間以上であっ
た。
【0062】比較例4 UVR−6410100重量部に、表3記載の試料番号
48の硬化剤21.9重量部(EDAとして4.0重量
部に相当)を添加した。以下、実施例2と同様にして該
樹脂組成物の粘度を測定した。また、試料番号48の硬
化剤の代わりに、表3記載の試料番号49の硬化剤1
9.2重量部(EDAとして4.0重量部に相当)を使
用し、同様にして粘度を測定した。結果を表6並びに図
50に示した。試料番号48の硬化剤を使用した場合、
該樹脂組成物の可使時間(樹脂粘度が初期粘度の2倍に
なるまでの時間)は6時間であった。また、試料番号4
9の硬化剤を使用した場合、可使時間は2時間であっ
た。実施例4と比較例4の結果を比較すると、本発明の
硬化剤は従来技術による硬化剤よりも樹脂組成物の可使
時間が大幅に延長できることが明らかである。
【0063】
【表6】
【0064】実施例5 樹脂組成物の可使時間の測定
(その4) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号36の硬化剤9.46重量
部(2PZLとして4.0重量部に相当)を添加した。
以下、実施例2と同様にして該樹脂組成物の粘度を測定
した。また、試料番号36の硬化剤の代わりに、表1記
載の試料番号38の硬化剤10.2重量部(2PZLと
して4.0重量部に相当)を使用し、同様にして粘度の
測定を行った。結果を表7並びに図51に示した。本発
明の試料番号36の硬化剤を使用した場合、該樹脂組成
物の可使時間(樹脂粘度が初期粘度の2倍になるまでの
時間)は180時間であった。また、試料番号38の硬
化剤を使用した場合、可使時間は180時間以上であっ
た。
【0065】比較例5 UVR−6410100重量部に、表3記載の試料番号
55の硬化剤15.1重量部(2PZLとして4.0重
量部に相当)を添加した。以下、実施例2と同様にして
該樹脂組成物の粘度を測定した。結果を表7並びに図5
1に示した。試料番号55の硬化剤を使用した場合、該
樹脂組成物の可使時間(樹脂粘度が初期粘度の2倍にな
るまでの時間)は36時間であった。実施例5と比較例
5の結果を比較すると、本発明の硬化剤は従来技術によ
る硬化剤よりも樹脂組成物の可使時間が大幅に延長でき
ることが明らかである。
【0066】
【表7】
【0067】実施例6 樹脂組成物の可使時間の測定
(その5) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号27の硬化剤8.62重量
部(1B2MZとして4.0重量部に相当)を添加し
た。以下、実施例2と同様にして該樹脂組成物の粘度を
測定した。また、試料番号27の硬化剤の代わりに、表
1記載の試料番号28の硬化剤6.64重量部(1B2
MZとして4.0重量部に相当)を使用し、同様にして
粘度の測定を行った。結果を表8並びに図52に示し
た。本発明の試料番号27の硬化剤を使用した場合、該
樹脂組成物の可使時間(樹脂粘度が初期粘度の2倍にな
るまでの時間)は60時間であった。また、試料番号2
8の硬化剤を使用した場合、可使時間は36時間であっ
た。
【0068】比較例6 UVR−6410100重量部に、1B2MZ4.0重
量部を添加した。以下、実施例2と同様にして該樹脂組
成物の粘度を測定した。結果を表8並びに図52に示し
た。1B2MZを使用した場合、該樹脂組成物の可使時
間(樹脂粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間)は1
0時間であった。実施例6と比較例6の結果を比較する
と、本発明の硬化剤の使用により、樹脂組成物の可使時
間が大幅に延長できることが明らかである。
【0069】
【表8】
【0070】実施例7 樹脂組成物の硬化温度の測定
(その1) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号32の硬化剤13.7重量
部(2MZとして4.0重量部に相当)を添加した。2
5℃で10分間混練した後、その一部を採取し、30ミ
リリットル/分の窒素気流下、昇温速度10℃/分の条
件で示差走査熱量計(DSC)を使用して該樹脂組成物
の硬化反応に基づく発熱を観測することにより、該樹脂
組成物の硬化温度を測定した。その結果、該樹脂組成物
の硬化開始温度は93℃であり、反応熱のピークは14
0℃であった。該樹脂組成物のDSCチャートを図53
に示した。また、試料番号32の硬化剤の代わりに試料
番号33の硬化剤15.1重量部(2MZとして4.0
重量部に相当)を使用し、同様にしてDSCの測定を行
ったところ、該樹脂組成物の硬化開始温度は90℃であ
り、反応熱のピークは126℃であった。該樹脂組成物
のDSCチャートを図54に示した。
【0071】比較例7 UVR−6410100重量部に、表3記載の試料番号
53の硬化剤17.1重量部(2MZとして4.0重量
部に相当)を添加した。以下、実施例7と同様にして該
樹脂組成物の硬化温度を測定した。その結果、該樹脂組
成物の硬化開始温度は79℃であり、反応熱のピークは
126℃であった。該樹脂組成物のDSCチャートを図
55に示した。また、試料番号53の硬化剤の代わりに
試料番号54の硬化剤15.1重量部(2MZとして
4.0重量部に相当)を使用し、同様にしてDSCの測
定を行ったところ、該樹脂組成物の硬化開始温度は71
℃であり、反応熱のピークは122℃であった。該樹脂
組成物のDSCチャートを図56に示した。実施例7と
比較例7の結果を比較すると、従来技術による硬化剤試
料53、54では共に80℃以下の低温から硬化反応が
始まっており、樹脂組成物の熱安定性が損なわれてい
る。これに対して、本発明の硬化剤試料32及び33は
共に硬化開始温度が90℃以上であり、樹脂組成物の熱
安定性が確保されていると同時に、およそ125℃〜1
40℃という適切な温度で樹脂組成物を硬化させること
ができる優れた硬化剤であることが明らかである。
【0072】実施例8 樹脂組成物の硬化温度の測定
(その2) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号24の硬化剤11.2重量
部(2E4MZとして4.0重量部に相当)を添加し
た。以下、実施例7と同様にして該樹脂組成物の硬化温
度を測定した。その結果、該樹脂組成物の硬化開始温度
は125℃であり、反応熱のピークは146℃であっ
た。該樹脂組成物のDSCチャートを図57に示した。
【0073】比較例8 UVR−6410100重量部に、表3記載の試料番号
50の硬化剤13.7重量部(2E4MZとして4.0
重量部に相当)を添加した。以下、実施例7と同様にし
て該樹脂組成物の硬化温度を測定した。その結果、該樹
脂組成物の硬化開始温度は80℃であり、反応熱のピー
クは130℃であった。該樹脂組成物のDSCチャート
を図58に示した。実施例8と比較例8の結果を比較す
ると、従来技術による硬化剤試料50では80℃の低温
から硬化反応が始まっており、樹脂組成物の熱安定性が
損なわれている。これに対して、本発明の硬化剤試料2
4は硬化開始温度が90℃以上であり、樹脂組成物の熱
安定性が確保されていると同時に、およそ145℃とい
う適切な温度で樹脂組成物を硬化させることができる優
れた硬化剤であることが明らかである。
【0074】実施例9 樹脂組成物の硬化温度の測定
(その3) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号10の硬化剤30.5重量
部(EDAとして4.0重量部に相当)を添加した。以
下、実施例7と同様にして該樹脂組成物の硬化温度を測
定した。その結果、該樹脂組成物の硬化開始温度は11
7℃であり、反応熱のピークは165℃であった。該樹
脂組成物のDSCチャートを図59に示した。また、試
料番号10の硬化剤の代わりに、表1記載の試料番号1
1の硬化剤34.2重量部(EDAとして4.0重量部
に相当)を使用し、同様にして硬化温度を測定した。そ
の結果、該樹脂組成物の硬化開始温度は104℃であ
り、反応熱のピークは150℃であった。該樹脂組成物
のDSCチャートを図60に示した。
【0075】比較例9 UVR−6410100重量部に、表3記載の試料番号
48の硬化剤21.9重量部(EDAとして4.0重量
部に相当)を添加した。以下、実施例7と同様にして該
樹脂組成物の硬化温度を測定した。その結果、該樹脂組
成物の硬化開始温度は65℃であり、反応熱のピークは
97℃であった。該樹脂組成物のDSCチャートを図6
1に示した。また、試料番号48の硬化剤の代わりに、
表3記載の試料番号49の硬化剤19.2重量部(ED
Aとして4.0重量部に相当)を使用し、同様にして硬
化温度を測定した。その結果、該樹脂組成物の硬化開始
温度は51℃であり、反応熱のピークは81℃であっ
た。該樹脂組成物の DSCチャートを図62に示し
た。実施例9と比較例9の結果を比較すると、従来技術
による硬化剤試料48及び49では共に65℃以下の低
温から硬化反応が始まっており、樹脂組成物の熱安定性
が著しく損なわれている。これに対して、本発明の硬化
剤試料10及び11は硬化開始温度が90℃以上であ
り、樹脂組成物の熱安定性が確保されていると同時に、
およそ150℃〜165℃という適切な温度で樹脂組成
物を硬化させることができる優れた硬化剤であることが
明らかである。
【0076】実施例10 樹脂組成物の硬化温度の測定
(その4) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号36の硬化剤9.46重量
部(2PZLとして4.0重量部に相当)を添加した。
以下、実施例7と同様にして該樹脂組成物の硬化温度を
測定した。その結果、該樹脂組成物の硬化開始温度は1
00℃であり、反応熱のピークは136℃であった。該
樹脂組成物のDSCチャートを図63に示した。また、
試料番号36の硬化剤の代わりに、表1記載の試料番号
38の硬化剤10.2重量部(2PZLとして4.0重
量部に相当)を使用し、同様にして硬化温度を測定し
た。その結果、該樹脂組成物の硬化開始温度は93℃で
あり、反応熱のピークは129℃であった。該樹脂組成
物のDSCチャートを図64に示した。
【0077】比較例10 UVR−6410100重量部に、表3記載の試料番号
55の硬化剤15.1重量部(2PZLとして4.0重
量部に相当)を添加した。以下、実施例7と同様にして
該樹脂組成物の硬化温度を測定した。その結果、該樹脂
組成物の硬化開始温度は79℃であり、反応熱のピーク
は114℃、160℃及び193℃の3箇所であった。
該樹脂組成物のDSCチャートを図65に示した。ま
た、試料番号55の硬化剤の代わりに、試料番号56の
硬化剤を使用し、同様にして硬化温度を測定した。その
結果、該樹脂組成物の硬化開始温度は85℃であり、反
応熱のピークは130℃及び202℃であった。該樹脂
組成物のDSCチャートを図66に示した。実施例10
と比較例10の結果を比較すると、従来技術による硬化
剤試料55及び56では共に85℃以下の低温から硬化
反応が始まっており、樹脂組成物の熱安定性が損なわれ
ている。これに対して、本発明の硬化剤試料36及び3
8は硬化開始温度が90℃以上であり、樹脂組成物の熱
安定性が確保されていると同時に、およそ130℃〜1
35℃という適切な温度で樹脂組成物を硬化させること
ができる優れた硬化剤であることが明らかである。
【0078】実施例11 樹脂組成物の硬化温度の測定
(その5) 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、本発明の硬化
剤である表1記載の試料番号27の硬化剤8.62重量
部(1B2MZとして4.0重量部に相当)を添加し
た。以下、実施例7と同様にして該樹脂組成物の硬化温
度を測定した。その結果、該樹脂組成物の硬化開始温度
は115℃であり、反応熱のピークは131℃であっ
た。該樹脂組成物のDSCチャートを図67に示した。
また、試料番号27の硬化剤の代わりに、表1記載の試
料番号28の硬化剤6.64重量部(1B2MZとして
4.0重量部に相当)を使用し、同様にして硬化温度の
測定を行った。その結果、該樹脂組成物の硬化開始温度
は110℃であり、反応熱のピークは127℃であっ
た。該樹脂組成物のDSCチャートを図68に示した。
このように、本発明の硬化剤試料27及び28は硬化開
始温度が110℃以上であり、樹脂組成物の熱安定性が
確保されていると同時に、およそ130℃〜140℃と
いう適切な温度で樹脂組成物を硬化させることができる
優れた硬化剤であることが明らかである。
【0079】実施例12 硬化剤の吸湿性の測定(その
1) 本発明の硬化剤である表1記載の試料番号24の硬化剤
粉末2グラムを直径3センチメーターのシャーレに入
れ、40℃、相対湿度90%の雰囲気下で3日間静置
し、続いて50℃、相対湿度90%の雰囲気下で2日間
静置した。この間、1日毎に重量を測定し、該硬化剤の
吸湿性を調べた。その結果を表9に示した。該硬化剤は
高湿度雰囲気下においてもまったく吸湿性が無かった。
【0080】比較例11 表3記載の試料番号51の硬化剤粉末2グラムを直径3
センチメーターのシャーレに入れ、以下、実施例12と
同様にして該硬化剤の吸湿性を調べ、結果を表9に示し
た。該硬化剤は40℃、相対湿度90%の雰囲気下に3
日間静置することにより、約6重量%の吸湿を起こし
た。また、50℃、相対湿度90%の雰囲気下に2日間
静置することにより、約10重量%の吸湿を示した。実
施例12と比較例11の結果を比較すると、従来技術に
よる硬化剤試料51は高湿度雰囲気下に置くことにより
著しい吸湿を示すのに対して、本発明の試料番号24の
硬化剤は同条件下でまったく吸湿性が無く、保存安定性
に優れることが明らかである。
【0081】
【表9】
【0082】実施例13 硬化剤の吸湿性の測定(その
2) 本発明の硬化剤である表1記載の試料番号10の硬化剤
粉末2グラムを直径3センチメーターのシャーレに入
れ、以下、実施例12と同様にして該硬化剤の吸湿性を
調べた。また、同様にして試料番号11の硬化剤につい
ても吸湿性を調べた。それらの結果を表10に示した。
これらの硬化剤は共に高湿度雰囲気下においてもまった
く吸湿性が無かった。
【0083】比較例12 表3記載の試料番号48の硬化剤粉末2グラムを直径3
センチメーターのシャーレに入れ、以下、実施例12と
同様にして該硬化剤の吸湿性を調べた。また、試料番号
49の硬化剤についても同様にして吸湿性を調べた。こ
れらの結果を表10に示した。試料番号48の硬化剤は
50℃、相対湿度90%の雰囲気下に2日間静置するこ
とにより約5重量%の吸湿を示し、試料番号49の硬化
剤は40℃、相対湿度90%の雰囲気下に3日間静置す
ることにより約25重量%、また、50℃、相対湿度9
0%の雰囲気下に2日間静置することにより約60重量
%の吸湿を示した。実施例13と比較例12の結果を比
較すると、従来技術による硬化剤試料48及び49は高
湿度雰囲気下に置くことにより著しい吸湿を示すのに対
して、本発明の試料番号10及び11の硬化剤は同条件
下でまったく吸湿性が無く、保存安定性に優れることが
明らかである。
【0084】
【表10】
【0085】実施例14 硬化剤の吸湿性の測定(その
3) 本発明の硬化剤である表1記載の試料番号36の硬化剤
粉末2グラムを直径3センチメーターのシャーレに入
れ、以下、実施例12と同様にして該硬化剤の吸湿性を
調べた。また、同様にして試料番号38の硬化剤につい
ても吸湿性を調べた。それらの結果を表11に示した。
これらの硬化剤は共に高湿度雰囲気下においてもまった
く吸湿性が無かった。
【0086】比較例13 表3記載の試料番号56の硬化剤粉末2グラムを直径3
センチメーターのシャーレに入れ、以下、実施例12と
同様にして該硬化剤の吸湿性を調べ、その結果を表11
に示した。該硬化剤は40℃、相対湿度90%の雰囲気
下に3日間静置することにより約5重量%、また、50
℃、相対湿度90%の雰囲気下に2日間静置することに
より約6重量%の吸湿を示した。実施例14と比較例1
3の結果を比較すると、従来技術による硬化剤試料56
は高湿度雰囲気下に置くことにより著しい吸湿を示すの
に対して、本発明の試料番号36及び38の硬化剤は同
条件下でまったく吸湿性が無く、保存安定性に優れるこ
とが明らかである。更に、試験終了後の試料番号38の
硬化剤と試料番号56の硬化剤の1HNMRスペクトル
を測定した。試料番号38の硬化剤のスペクトルを図6
9に、試料番号56のスペクトルを図70に示した。試
料番号56の硬化剤では含有する2PZLの加水分解物
に起因すると考えられる不純物のシグナルが観測された
のに対して、試料番号38のスペクトルにおいては2P
ZLの分解はまったく観測されなかった。このことから
も本発明の硬化剤が保存安定性に優れることが明らかで
ある。
【0087】
【表11】
【0088】実施例15 硬化剤の吸湿性の測定(その
4) 本発明の硬化剤である表1記載の試料番号27の硬化剤
粉末2グラムを直径3センチメーターのシャーレに入
れ、以下、実施例12と同様にして該硬化剤の吸湿性を
調べた。また、同様にして試料番号28の硬化剤につい
ても吸湿性を調べた。それらの結果を表12に示した。
これらの硬化剤は共に高湿度雰囲気下においてもまった
く吸湿性が無かった。
【0089】比較例14 表3記載の試料番号52の硬化剤粉末2グラムを直径3
センチメーターのシャーレに入れ、以下、実施例12と
同様にして該硬化剤の吸湿性を調べ、その結果を表12
に示した。該硬化剤は40℃、相対湿度90%の雰囲気
下に3日間静置することにより約3重量%、また、50
℃、相対湿度90%の雰囲気下に2日間静置することに
より約4.5重量%の吸湿を示した。実施例15と比較
例14の結果を比較すると、従来技術による硬化剤試料
52は高湿度雰囲気下に置くことにより著しい吸湿を示
すのに対して、本発明の試料番号27及び28の硬化剤
は同条件下でまったく吸湿性が無く、保存安定性に優れ
ることが明らかである。
【0090】
【表12】
【0091】実施例16 硬化剤の昇華性の測定(その
1) 本発明の硬化剤である表1記載の試料番号10の硬化剤
を、熱分析装置(TG)を使用して100℃で30分間
ホールドし、該硬化剤の重量変化を調べた。また、試料
番号11の硬化剤についても同様にして重量変化を調べ
た。この結果を表13に示した。更に、熱分析装置(T
G)を使用してこれら硬化剤を150℃で30分間ホー
ルドし、該硬化剤の重量変化を調べた。この結果を表1
4に示した。これら硬化剤は100℃、30分間のホー
ルド及び150℃、30分間のホールドでほとんど重量
変化が見られなかった。
【0092】比較例15 表3記載の試料番号48及び49の硬化剤について、実
施例16と同様にして100℃及び150℃ホールドに
おける重量変化を測定した。100℃における結果を表
13に、150℃における結果を表14に示した。試料
番号48の硬化剤は100℃、30分のホールドで10
%、150℃、30分間のホールドで約20%の重量減
少が見られた。また、試料番号49の硬化剤は100
℃、30分のホールドで約9%、150℃、30分間の
ホールドで約20%の重量減少が見られた。実施例16
と比較例15の結果を比較すると、従来技術による硬化
剤試料48及び49は昇華性を示すのに対して、本発明
の試料番号10及び11の硬化剤は高温条件下でも昇華
性が無く、保存安定性に優れることが明らかである。
【0093】
【表13】
【0094】
【表14】
【0095】実施例17 硬化剤の昇華性の測定(その
2) 本発明の硬化剤である表1記載の試料番号24の硬化剤
を使用し、実施例16と同様にして100℃、30分間
ホールド及び150℃、30分間ホールドした際の、該
硬化剤の重量変化を調べた。100℃及び150℃にお
ける結果をそれぞれ表15及び表16に示した。該硬化
剤は100℃、30分間のホールド及び150℃、30
分間のホールドでほとんど重量変化が見られなかった。
【0096】比較例16 表3記載の試料番号50の硬化剤について、実施例16
と同様にして100℃及び150℃ホールドにおける重
量変化を測定した。100℃における結果を表15に、
150℃における結果を表16に示した。該硬化剤は1
00℃、30分のホールドで約3%、150℃、30分
間のホールドで約12%の重量減少が見られた。実施例
17と比較例16の結果を比較すると、従来技術による
硬化剤試料50は昇華性を示すのに対して、本発明の試
料番号24の硬化剤は高温条件下でも昇華性が無く、保
存安定性に優れることが明らかである。
【0097】
【表15】
【0098】
【表16】
【0099】実施例18 硬化剤の昇華性の測定(その
3) 本発明の硬化剤である表1記載の試料番号36及び38
の硬化剤を使用し、実施例16と同様にして100℃、
30分間ホールド及び150℃、30分間ホールドした
際の、これら硬化剤の重量変化を調べた。100℃及び
150℃における結果をそれぞれ表17及び表18に示
した。該硬化剤は100℃、30分間のホールド及び1
50℃、30分間のホールドでほとんど重量変化が見ら
れなかった。
【0100】比較例17 表3記載の試料番号56の硬化剤について、実施例16
と同様にして100℃及び150℃ホールドにおける重
量変化を測定した。100℃における結果を表17に、
150℃における結果を表18に示した。該硬化剤は1
00℃、30分のホールドで約4%、150℃、30分
間のホールドで約10%の重量減少が見られた。実施例
18と比較例17の結果を比較すると、従来技術による
硬化剤試料56は昇華性を示すのに対して、本発明の試
料番号36及び38の硬化剤は高温条件下でも昇華性が
無く、保存安定性に優れることが明らかである。
【0101】
【表17】
【0102】
【表18】
【0103】実施例19 硬化剤の低温硬化機能の実証
(その1) 基体樹脂(未硬化樹脂)エピコート1004(油化シェ
ル株式会社製)100重量部に、本発明の硬化剤である
表1記載の試料番号27の硬化剤0.95重量部(1B
2MZとして0.44重量部に相当)を配合し、80℃
で30分間混練り後、室温まで冷却し、樹脂組成物を作
成した。その一部を採取し、熱分析装置(DSC)を使
用して、硬化に伴う発熱ピークから、該樹脂組成物の硬
化温度を測定した。その結果、該樹脂組成物の反応熱の
ピークは148℃であった。該樹脂組成物のDSCチャ
ートを図71に示した。
【0104】比較例18 表3記載の試料番号52の硬化剤1.08重量部(1B
2MZとして0.44重量部に相当)を使用し、実施例
19と同様にして樹脂組成物を作成し、DSCを使用し
て該樹脂組成物の硬化温度を測定した。該樹脂組成物の
反応熱のピークは168℃であった。また、硬化剤とし
て1B2MZ0.44重量部を使用し、実施例19と同
様にして樹脂組成物を作成し、同様に硬化温度を測定し
た。その結果、該樹脂組成物の反応熱のピークは170
℃であった。該樹脂組成物のDSCチャートを図72に
示した。実施例19と比較例18の結果を比較すると、
従来技術による硬化剤試料52及び1B2MZを使用し
て作成した樹脂組成物は共に反応熱のピークが170℃
付近であり、これら樹脂組成物を十分硬化させるには1
70℃程度の高温を必要とする。これに対して、本発明
の試料番号27の硬化剤を使用した樹脂組成物は反応熱
のピークが148℃であり、比較例の場合よりも20℃
も低温で樹脂組成物を十分硬化させることができ、本発
明の硬化剤が低温硬化性に優れる硬化剤であることが明
らかである。
【0105】実施例20 硬化剤の低温硬化機能の実証
(その2) 基体樹脂(未硬化樹脂)エピコート1004(油化シェ
ル株式会社製)100重量部に、本発明の硬化剤である
表1記載の試料番号27の硬化剤0.95重量部(1B
2MZとして0.44重量部に相当)を配合し、室温で
30分間混練し、樹脂組成物を作成した。その一部を採
取し、熱分析装置(DSC)を使用して、120℃にホ
ールドし、該樹脂組成物の硬化に伴う発熱ピークの面積
を調べた。その結果、該樹脂組成物は120℃で硬化に
伴い、150ジュール/グラムの発熱を示した。
【0106】比較例19 表3記載の試料番号52の硬化剤1.08重量部(1B
2MZとして0.44重量部に相当)を使用し、実施例
20と同様にして樹脂組成物を作成し、その一部を採取
し、熱分析装置(DSC)を使用して、120℃にホー
ルドし、該樹脂組成物の硬化に伴う発熱ピークの面積を
調べた。その結果、該樹脂組成物は120℃で硬化に伴
い、27ジュール/グラムの発熱を示した。また、硬化
剤として1B2MZ0.44重量部を使用し、実施例2
0と同様にして樹脂組成物を作成し、同様に硬化に伴う
発熱ピークの面積を調べた。その結果、該樹脂組成物は
120℃で硬化に伴い、30ジュール/グラムの発熱を
示した。実施例20と比較例19の結果を比較すると、
従来技術による硬化剤試料52及び1B2MZを使用し
て作成した樹脂組成物は共に120℃では硬化に伴なう
発熱量は非常に小さく、従って120℃ではほとんど硬
化を起こさない。これに対して、本発明の試料番号27
の硬化剤を使用した樹脂組成物は120℃の低温でも比
較例に比べて5倍大きな発熱を示し、本発明の硬化剤が
低温硬化性に優れることが明らかである。
【0107】実施例21 テトラキスフェノール類によ
る塗料・樹脂組成物の硬化促進効果の実証 基体樹脂(未硬化樹脂)UVR−6410(ユニオンカ
ーバイド社製、商品名)100重量部に、1B2MZ
4.0重量部とTEP5.0重量部を添加した。25℃
で10分間混練し、更に25℃で20分間静置した後、
該樹脂組成物の初期粘度を測定した。その後、該樹脂組
成物を25℃で静置し、時間の経過に伴う粘度の変化を
測定した。粘度測定は、JIS K−6833−1994に
準じ、B8R型回転粘度計(東京計器製)を用いた。測
定結果を表19に示した。該樹脂組成物の可使時間を樹
脂粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間と定義した場
合、該樹脂組成物の可使時間は約1時間であった。ま
た、上記の試験において1B2MZの代わりに2E4M
Z4.0重量部を使用し、同様にして該樹脂組成物の可
使時間を測定した。結果は表19に示したように、該樹
脂組成物の可使時間は約2時間であった。更に、上記の
試験において、1B2MZ4.0重量部の代わりに、1
B2MZ1.0重量部を使用し、同様にして該樹脂組成
物の可使時間を測定した。結果は表19に示したよう
に、該樹脂組成物の可使時間は約2時間であった。
【0108】比較例20 実施例21において、TEPを添加しない以外は、実施
例21と同様の操作を行い、それぞれの樹脂組成物の可
使時間を測定した。結果を表19に示した。1B2MZ
4.0重量部を配合した樹脂組成物の可使時間は10時
間であった。2E4MZ4.0重量部を配合した樹脂組
成物の可使時間は8時間であった。また、1B2MZ
1.0重量部を配合した樹脂組成物の可使時間は10時
間であった。実施例21と比較例20の結果を比較する
と、TEPを配合した樹脂組成物の可使時間は、TEP
を配合しない樹脂組成物のそれよりも1/4〜1/10
であり、短時間で硬化物が得られることが明らかであ
る。更に、実施例21においてTEPの代わりにフェノ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールSまたは1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを
添加した場合には、TEPを配合した場合のような可使
時間の短縮、即ち樹脂組成物の硬化促進はまったく観察
されなかった。
【0109】
【表19】
【0110】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤及びエポ
キシ樹脂用硬化促進剤は、通常エポキシ樹脂に用いられ
る硬化剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤をテトラキスフ
ェノール系ホスト化合物で包接したものであって、硬化
剤及びエポキシ樹脂用硬化促進剤の昇華性、分解性を改
善し、常温下で安定にエポキシ樹脂中に存在させること
が可能であり、エポキシ樹脂に混合した場合、エポキシ
樹脂組成物の可使時間を延長できる。特に硬化反応の制
御において極めて重要な熱安定性が大幅に改善され、低
温での硬化が可能となった。またそれによって作業効率
を向上させることができ、しかもマイクロカプセル化し
たものに比べ機械強度及びゲスト放出性に優れている。
また、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤の硬化速度を進
め、エポキシ樹脂組成物の硬化完結時間を短縮できる利
点及び従来の硬化剤の使用量を低減化できる特徴があ
り、エポキシ樹脂を硬化させる用途、例えば、エポキシ
樹脂系接着剤、半導体封止材、プリント配線板用積層
板、ワニス、粉体塗料、注型材料、インク等の用途に好
適に使用することができる。特にエポキシ系塗料などと
して利用するのに極めて好適なエポキシ樹脂組成物を提
供する。本発明は、エポキシ樹脂に限らず主剤と副剤の
混合により硬化を開始するような2液型熱硬化性樹脂組
成物、例えばウレタン樹脂、シリコン樹脂等にも応用が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1記載の包接化合物(サンプルNo.10)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図2】表1記載の包接化合物(サンプルNo.11)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図3】表1記載の包接化合物(サンプルNo.19)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図4】表1記載の包接化合物(サンプルNo.20)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図5】表1記載の包接化合物(サンプルNo.21)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図6】表1記載の包接化合物(サンプルNo.22)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図7】表1記載の包接化合物(サンプルNo.23)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図8】表1記載の包接化合物(サンプルNo.24)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図9】表2記載の包接化合物(サンプルNo.27)
の熱分析(TG/DTA)チャート
【図10】表2記載の包接化合物(サンプルNo.2
8)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図11】表2記載の包接化合物(サンプルNo.2
9)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図12】表2記載の包接化合物(サンプルNo.3
0)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図13】表2記載の包接化合物(サンプルNo.3
1)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図14】表2記載の包接化合物(サンプルNo.3
2)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図15】表2記載の包接化合物(サンプルNo.3
3)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図16】表2記載の包接化合物(サンプルNo.3
8)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図17】表2記載の包接化合物(サンプルNo.4
3)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図18】表2記載の包接化合物(サンプルNo.4
6)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図19】表2記載の包接化合物(サンプルNo.4
7)の熱分析(TG/DTA)チャート
【図20】表1記載の包接化合物(サンプルNo.1
0)の 1HNMRスペクトルチャート
【図21】表1記載の包接化合物(サンプルNo.2
1)の 1HNMRスペクトルチャート
【図22】表1記載の包接化合物(サンプルNo.2
4)の 1HNMRスペクトルチャート
【図23】表2記載の包接化合物(サンプルNo.2
7)の 1HNMRスペクトルチャート
【図24】表2記載の包接化合物(サンプルNo.2
8)の 1HNMRスペクトルチャート
【図25】表1記載の包接化合物(サンプルNo.2
4)のIRスペクトルチャート
【図26】表2記載の包接化合物(サンプルNo.2
7)のIRスペクトルチャート
【図27】表2記載の包接化合物(サンプルNo.3
9)のIRスペクトルチャート
【図28】表2記載の包接化合物(サンプルNo.4
2)のIRスペクトルチャート
【図29】表2記載の包接化合物(サンプルNo.4
5)のIRスペクトルチャート
【図30】表1記載の包接化合物(サンプルNo.1
0)のX線回折パターン
【図31】表2記載の包接化合物(サンプルNo.2
7)のX線回折パターン
【図32】表2記載の包接化合物(サンプルNo.3
1)のX線回折パターン
【図33】表1記載の包接化合物(サンプルNo.2
4)の13C固体NMRのスペクトルチャート
【図34】表2記載の包接化合物(サンプルNo.2
7)の13C固体NMRのスペクトルチャート
【図35】表2記載の包接化合物(サンプルNo.2
8)の13C固体NMRのスペクトルチャート
【図36】表2記載の包接化合物(サンプルNo.3
0)の13C固体NMRのスペクトルチャート
【図37】表1記載の包接化合物(サンプルNo.1
0)の単結晶X線構造解析結果
【図38】表3記載の化合物(サンプルNo.48)の
熱分析(TG/DTA)チャート
【図39】表3記載の化合物(サンプルNo.49)の
熱分析(TG/DTA)チャート
【図40】表3記載の化合物(サンプルNo.51)の
熱分析(TG/DTA)チャート
【図41】表3記載の化合物(サンプルNo.52)の
熱分析(TG/DTA)チャート
【図42】表3記載の化合物(サンプルNo.53)の
熱分析(TG/DTA)チャート
【図43】表3記載の化合物(サンプルNo.54)の
熱分析(TG/DTA)チャート
【図44】表3記載の化合物(サンプルNo.55)の
熱分析(TG/DTA)チャート
【図45】表3記載の化合物(サンプルNo.49)の
1HNMRスペクトルチャート
【図46】表3記載の化合物(サンプルNo.53)の
1HNMRスペクトルチャート
【図47】表3記載の化合物(サンプルNo.54)の
1HNMRスペクトルチャート
【図48】実施例2、比較例2のサンプルNo.32、
53、54を使用した樹脂組成物の可使時間(粘度)測
定結果
【図49】実施例3、比較例3のサンプルNo.24、
50を使用した樹脂組成物の可使時間(粘度)測定結果
【図50】実施例4、比較例4のサンプルNo.10、
11、48、49を使用した樹脂組成物の可使時間(粘
度)測定結果
【図51】実施例5、比較例5のサンプルNo.36、
38、55を使用した樹脂組成物の可使時間(粘度)測
定結果
【図52】実施例6、比較例6のサンプルNo.27、
28、1B2MZを使用した樹脂組成物の可使時間(粘
度)測定結果
【図53】実施例7のサンプルNo.32を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図54】実施例7のサンプルNo.33を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図55】比較例7のサンプルNo.53を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図56】比較例7のサンプルNo.54を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図57】実施例8のサンプルNo.24を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図58】比較例8のサンプルNo.50を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図59】実施例9のサンプルNo.10を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図60】実施例9のサンプルNo.11を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図61】比較例9のサンプルNo.48を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図62】比較例9のサンプルNo.49を使用した樹
脂組成物のDSCチャート
【図63】実施例10のサンプルNo.36を使用した
樹脂組成物のDSCチャート
【図64】実施例10のサンプルNo.38を使用した
樹脂組成物のDSCチャート
【図65】比較例10のサンプルNo.55を使用した
樹脂組成物のDSCチャート
【図66】比較例10のサンプルNo.56を使用した
樹脂組成物のDSCチャート
【図67】実施例11のサンプルNo.27を使用した
樹脂組成物のDSCチャート
【図68】実施例11のサンプルNo.28を使用した
樹脂組成物のDSCチャート
【図69】実施例14のサンプルNo.38吸湿試験後
1HNMRスペクトルチャート
【図70】比較例13のサンプルNo.56吸湿試験後
1HNMRスペクトルチャート
【図71】実施例19のサンプルNo.27を使用した
樹脂組成物の加熱試験後のDSCチャート
【図72】比較例18の1B2MZを使用した樹脂組成
物の加熱試験後のDSCチャート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平9−177468 (32)優先日 平9(1997)7月2日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕で示されるテトラキスフェ
    ノール系化合物とエポキシ基と反応してエポキシ樹脂を
    硬化させる化合物との包接体からなることを特徴とする
    エポキシ樹脂用硬化剤。 【化1】 (式中、Xは、(CH2 )nを表し、nは、0、1、2
    又は3であり、R1 〜R8 は、それぞれ水素原子、低級
    アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、ハロゲ
    ン原子または低級アルコキシ基を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式〔I〕で示されるテトラキスフェ
    ノール系化合物とエポキシ基と反応してエポキシ樹脂を
    硬化させる化合物の硬化速度を進める化合物との包接体
    からなることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化促進剤。 【化2】 (式中、Xは、(CH2 )nを表し、nは、0、1、2
    又は3であり、R1 〜R8 は、それぞれ水素原子、低級
    アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、ハロゲ
    ン原子または低級アルコキシ基を示す。)
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式〔I〕で示される
    テトラキスフェノール系化合物とエポキシ基と反応して
    エポキシ樹脂を硬化させる化合物との包接体、及び/ま
    たは、請求項2記載の一般式〔I〕で示されるテトラキ
    スフェノール系化合物とエポキシ基と反応してエポキシ
    樹脂を硬化させる化合物の硬化速度を進める化合物との
    包接体、の少なくとも一種を含有することを特徴とする
    エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬
    化させる硬化剤と、エポキシ基1モルに対して0.00
    1〜0.1モルの一般式〔I〕で示されるテトラキスフ
    ェノール系化合物を含有することを特徴とするエポキシ
    樹脂組成物。 【化3】 (式中、Xは、(CH2 )nを表し、nは、0、1、2
    又は3であり、R1 〜R8 は、それぞれ水素原子、低級
    アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、ハロゲ
    ン原子または低級アルコキシ基を示す。)
  5. 【請求項5】 請求項1記載の一般式〔I〕で示される
    テトラキスフェノール系化合物とエポキシ基と反応して
    エポキシ樹脂を硬化させる化合物との包接体、及び/ま
    たは、請求項2記載の一般式〔I〕で示されるテトラキ
    スフェノール系化合物とエポキシ基と反応してエポキシ
    樹脂を硬化させる化合物の硬化速度を進める化合物との
    包接体、の少なくとも一種を含有することを特徴とし、
    該包接体の含有量が、エポキシ基1モルに対して0.0
    01〜0.1モルであるエポキシ樹脂組成物。
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