JPH06329570A - 新規包接化合物及びその製造方法 - Google Patents
新規包接化合物及びその製造方法Info
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- JPH06329570A JPH06329570A JP14557493A JP14557493A JPH06329570A JP H06329570 A JPH06329570 A JP H06329570A JP 14557493 A JP14557493 A JP 14557493A JP 14557493 A JP14557493 A JP 14557493A JP H06329570 A JPH06329570 A JP H06329570A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】広範囲のゲスト有機化合物を包接し、かつ選択
的分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化などの技術分
野において有用である新規な包接化合物を提供すること
を目的とする。 【構成】一般式化1で示されるテトラキス(フルオロヒ
ドロキシフェニル)エタンをホスト化合物とする包接化
合物及びその製造法。 【化1】 (式中、R1 、R2 は、各々水素原子又はフッ素原子を
示す。但し、R1 、R2がともに水素原子である場合を
除く。) 【効果】本発明のホスト化合物は、従来知られていたテ
トラキス(ヒドロキシフェニル)エタン等では包接が不
可能であった酢酸等の有機酸や水等も包接化することが
できる。
的分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化などの技術分
野において有用である新規な包接化合物を提供すること
を目的とする。 【構成】一般式化1で示されるテトラキス(フルオロヒ
ドロキシフェニル)エタンをホスト化合物とする包接化
合物及びその製造法。 【化1】 (式中、R1 、R2 は、各々水素原子又はフッ素原子を
示す。但し、R1 、R2がともに水素原子である場合を
除く。) 【効果】本発明のホスト化合物は、従来知られていたテ
トラキス(ヒドロキシフェニル)エタン等では包接が不
可能であった酢酸等の有機酸や水等も包接化することが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規包接化合物に係
り、更に詳しくはテトラキス(フルオロヒドロキシフェ
ニル)エタンをホスト化合物とする包接化合物及びその
製造方法に関する。
り、更に詳しくはテトラキス(フルオロヒドロキシフェ
ニル)エタンをホスト化合物とする包接化合物及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】包接化合物は、ホスト分子の作る空洞内
にゲスト分子が入り込んだ構造を有する化合物であり、
近年、選択分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化など
の技術分野における応用が期待されている。
にゲスト分子が入り込んだ構造を有する化合物であり、
近年、選択分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化など
の技術分野における応用が期待されている。
【0003】従来の包接化合物としては、例えば、特開
昭61−53201号公報には、1,1,6,6−テト
ラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオー
ル、又は1,1−ジ(2,4−ジメチルフェニル)−2
−プロピン−1−オール、特開昭62−22701号公
報には、1,1’−ビス−2−ナフト−ルをそれぞれホ
ストとして、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン(CMI)等をゲストとするもの等が知
られている。
昭61−53201号公報には、1,1,6,6−テト
ラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオー
ル、又は1,1−ジ(2,4−ジメチルフェニル)−2
−プロピン−1−オール、特開昭62−22701号公
報には、1,1’−ビス−2−ナフト−ルをそれぞれホ
ストとして、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン(CMI)等をゲストとするもの等が知
られている。
【0004】又、テトラキスフェノール類をホストとす
る包接化合物は、テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタンをホストとするものが知られている(Tetrah
edronLetters.,33(42),6319(1992).参照)。
る包接化合物は、テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタンをホストとするものが知られている(Tetrah
edronLetters.,33(42),6319(1992).参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】上述の固相系包接化
合物の主流を占めている方法論は、水素結合等による分
子間(ホスト−ゲスト)相互作用であるが、この作用を
利用した包接化の場合、ゲスト化合物が持つ特性、例え
ばプロトンドナーかアクセプターか、又は酸性か塩基性
か等によってその包接能が著しく左右される。
合物の主流を占めている方法論は、水素結合等による分
子間(ホスト−ゲスト)相互作用であるが、この作用を
利用した包接化の場合、ゲスト化合物が持つ特性、例え
ばプロトンドナーかアクセプターか、又は酸性か塩基性
か等によってその包接能が著しく左右される。
【0006】本発明は、このような実情からみてなされ
たものであり、広範囲のゲスト有機化合物を包接し、か
つ選択的分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化などの
技術分野において有用である、テトラキス(フルオロヒ
ドロキシフェニル)エタン類をホストとする新規な包接
化合物を提供することを目的とする。
たものであり、広範囲のゲスト有機化合物を包接し、か
つ選択的分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化などの
技術分野において有用である、テトラキス(フルオロヒ
ドロキシフェニル)エタン類をホストとする新規な包接
化合物を提供することを目的とする。
【0007】また同時に従来の包接化合物の製造方法に
おける以下のような製造上の諸問題点、 1)溶媒の種類によっては、包接化合物を生成しないか
又は分子を包接せずに溶媒を包接し、溶媒が包接した化
合物が得られる。 2)包接化合物を生成する溶媒であっても、ゲスト分子
の包接化合物を析出させるためには、温度,ホスト/ゲ
ストの仕込み比及び濃度,撹拌等の条件が限定されるた
め、包接化合物の合成、単離条件設定が難しい。 3)ホスト化合物ベースでの回収率が100%とはなら
ない。を解決し、簡単でかつ効果的な包接化合物の製造
方法をも提供することを目的とする。
おける以下のような製造上の諸問題点、 1)溶媒の種類によっては、包接化合物を生成しないか
又は分子を包接せずに溶媒を包接し、溶媒が包接した化
合物が得られる。 2)包接化合物を生成する溶媒であっても、ゲスト分子
の包接化合物を析出させるためには、温度,ホスト/ゲ
ストの仕込み比及び濃度,撹拌等の条件が限定されるた
め、包接化合物の合成、単離条件設定が難しい。 3)ホスト化合物ベースでの回収率が100%とはなら
ない。を解決し、簡単でかつ効果的な包接化合物の製造
方法をも提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は上記の問題点
を解決すべく鋭意研究をした結果、特定のテトラキス
(フルオロヒドロキシフェニル)エタン類のホスト化合
物が、水、若しくは酸性,塩基性問わず広範囲の有機化
合物と容易に安定した包接化合物を形成すること、この
ホスト化合物を直接ゲストとする有機化合物の含有液に
入れて反応させることにより、新規な包接化合物が極め
て効率的に生成することを見出し、本発明を完成した。
を解決すべく鋭意研究をした結果、特定のテトラキス
(フルオロヒドロキシフェニル)エタン類のホスト化合
物が、水、若しくは酸性,塩基性問わず広範囲の有機化
合物と容易に安定した包接化合物を形成すること、この
ホスト化合物を直接ゲストとする有機化合物の含有液に
入れて反応させることにより、新規な包接化合物が極め
て効率的に生成することを見出し、本発明を完成した。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明
は、一般式化2で示されるテトラキス(フルオロヒドロ
キシフェニル)エタンをホスト化合物とする包接化合物
である。
は、一般式化2で示されるテトラキス(フルオロヒドロ
キシフェニル)エタンをホスト化合物とする包接化合物
である。
【0010】
【化2】
【0011】式中、R1 、R2 は、各々水素原子又はフ
ッ素原子を示す。但し、R1 、R2がともに水素原子で
ある場合は、公知であり除かれる。また、ベンゼン環の
2位にはアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が
置換されていてもよい。
ッ素原子を示す。但し、R1 、R2がともに水素原子で
ある場合は、公知であり除かれる。また、ベンゼン環の
2位にはアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が
置換されていてもよい。
【0012】本発明の包接化合物のホスト化合物である
テトラキス(フルオロヒドロキシフェニル)エタン類と
しては、例えば、テトラキス(3−フルオロ−4−ヒド
ロシキフェニル)エタン、テトラキス(3,5−ジフル
オロ−4─ヒドロキシフェニル)エタン、テトラキス
(3−フルオロ−4─ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)エタン、テトラキス(5−クロロ−3─フルオロ−
4−ヒドロキシフェニル)エタン、テトラキス(5−ブ
ロモ−3─フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)エタン、テトラキス(3,5−ジフル
オロ−4─ヒドロキシフェニル)エタン、テトラキス
(3−フルオロ−4─ヒドロキシ−5−メトキシフェニ
ル)エタン等を挙げることができる。
テトラキス(フルオロヒドロキシフェニル)エタン類と
しては、例えば、テトラキス(3−フルオロ−4−ヒド
ロシキフェニル)エタン、テトラキス(3,5−ジフル
オロ−4─ヒドロキシフェニル)エタン、テトラキス
(3−フルオロ−4─ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)エタン、テトラキス(5−クロロ−3─フルオロ−
4−ヒドロキシフェニル)エタン、テトラキス(5−ブ
ロモ−3─フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)エタン、テトラキス(3,5−ジフル
オロ−4─ヒドロキシフェニル)エタン、テトラキス
(3−フルオロ−4─ヒドロキシ−5−メトキシフェニ
ル)エタン等を挙げることができる。
【0013】本発明の包接化合物は、通常、ゲストとな
る有機化合物とホストとなる本発明のテトラキス(フル
オロヒドロキシフェニル)エタン類とを、場合によって
は不活性溶媒存在下に常温〜100℃で数分間〜数時間
攪拌して反応させることにより、新規な包接化合物を得
ることができる。
る有機化合物とホストとなる本発明のテトラキス(フル
オロヒドロキシフェニル)エタン類とを、場合によって
は不活性溶媒存在下に常温〜100℃で数分間〜数時間
攪拌して反応させることにより、新規な包接化合物を得
ることができる。
【0014】本発明のテトラキス(フルオロヒドロキシ
フェニル)エタンに包接される有機化合物としては、
水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−
プロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、エチルエーテル等のエー
テル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等
の酢酸エステル類、置換されていてもよいピリジン、置
換されていてもよいピロール、置換されていてもよいピ
リミジン、置換されていてもよいピリダジン、置換され
ていてもよいイミダゾール、置換されていてもよいピラ
ゾール等の含窒素ヘテロ環化合物、酢酸、プロピオン
酸、クエン酸、スルファミン酸等の有機酸、5−クロロ
−2−メチル−3−オン、ヒノキチオール、シネオー
ル、チモール、メントール、テルピネオール、ボルネオ
ール、ノポール、シトラール、シトロネオール、シトラ
ネオール、リナロール、ジメチルオクタノール、キンモ
クセイ、ジャスミン、レモン等の精油、香料類等どを例
示することができる。
フェニル)エタンに包接される有機化合物としては、
水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−
プロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、エチルエーテル等のエー
テル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等
の酢酸エステル類、置換されていてもよいピリジン、置
換されていてもよいピロール、置換されていてもよいピ
リミジン、置換されていてもよいピリダジン、置換され
ていてもよいイミダゾール、置換されていてもよいピラ
ゾール等の含窒素ヘテロ環化合物、酢酸、プロピオン
酸、クエン酸、スルファミン酸等の有機酸、5−クロロ
−2−メチル−3−オン、ヒノキチオール、シネオー
ル、チモール、メントール、テルピネオール、ボルネオ
ール、ノポール、シトラール、シトロネオール、シトラ
ネオール、リナロール、ジメチルオクタノール、キンモ
クセイ、ジャスミン、レモン等の精油、香料類等どを例
示することができる。
【0015】以下、本発明を実施例に沿って更に詳細に
説明する。 (実施例1)ホスト化合物:TEP−F4(1,1,
2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン)の合成 撹拌棒,温度計,滴下ロートを備えた200ml−4口
フラスコに、グリオキザール40%水溶液7.26g
(0.05mol)と2−フルオロフェノール23.5
4g(0.21mol)を仕込み、撹拌しながら濃硫酸
/燐酸(=3/1v/v)50mlを、滴下温度0〜2
℃で2時間かけて滴下した。ついで0℃でそのまま1 時
間撹拌し反応を終了させた。反応終了後、反応液を30
0mlの氷水にそそぎ込み、ついで70℃に加温、析出
した固体を漉取した。この固体をジオキサンで再結晶
し、100℃で真空乾燥させて、白色の粉末12.5g
(収率52.0%)を得た。このものが1,1,2,2
−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル) エタンであることを赤外吸収スペクトル及び核磁気
共鳴スペクトルにより確認された。得られたTEP−F
4のH1 −NMR、及びIRスペクトルを図1及び図2
にそれぞれ示す。
説明する。 (実施例1)ホスト化合物:TEP−F4(1,1,
2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン)の合成 撹拌棒,温度計,滴下ロートを備えた200ml−4口
フラスコに、グリオキザール40%水溶液7.26g
(0.05mol)と2−フルオロフェノール23.5
4g(0.21mol)を仕込み、撹拌しながら濃硫酸
/燐酸(=3/1v/v)50mlを、滴下温度0〜2
℃で2時間かけて滴下した。ついで0℃でそのまま1 時
間撹拌し反応を終了させた。反応終了後、反応液を30
0mlの氷水にそそぎ込み、ついで70℃に加温、析出
した固体を漉取した。この固体をジオキサンで再結晶
し、100℃で真空乾燥させて、白色の粉末12.5g
(収率52.0%)を得た。このものが1,1,2,2
−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル) エタンであることを赤外吸収スペクトル及び核磁気
共鳴スペクトルにより確認された。得られたTEP−F
4のH1 −NMR、及びIRスペクトルを図1及び図2
にそれぞれ示す。
【0016】(実施例2)試料:1〜6及び8〜12の
製造 ホスト化合物としてTEP−F4(1,1,2,2−テ
トラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エ
タン)2.13mmol(1.0g)を、ゲストとした
い有機化合物10ml中に加えて、TEP−F4が完全
に溶解した後さらに所定の時間反応させた後、この反応
液を室温で放置して結晶を析出させた。この析出物を漉
別後、室温にて真空乾燥を行い、本発明包接化合物であ
る試料、1〜6及び8〜12を得た。
製造 ホスト化合物としてTEP−F4(1,1,2,2−テ
トラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エ
タン)2.13mmol(1.0g)を、ゲストとした
い有機化合物10ml中に加えて、TEP−F4が完全
に溶解した後さらに所定の時間反応させた後、この反応
液を室温で放置して結晶を析出させた。この析出物を漉
別後、室温にて真空乾燥を行い、本発明包接化合物であ
る試料、1〜6及び8〜12を得た。
【0017】尚、包接化合物の確認は、TG−DTA測
定、IR測定により行った。得られたTEP−F4の各
種有機化合物の包接体のIRスペクトルを図3〜図13
に示す。また、本実施例の包接化合物製造条件及び包接
化合物のTG−DTA測定より求めたゲスト/ホストm
ol比、ゲスト化合物の再放出温度を表1に纏めて示
す。
定、IR測定により行った。得られたTEP−F4の各
種有機化合物の包接体のIRスペクトルを図3〜図13
に示す。また、本実施例の包接化合物製造条件及び包接
化合物のTG−DTA測定より求めたゲスト/ホストm
ol比、ゲスト化合物の再放出温度を表1に纏めて示
す。
【0018】(実施例3)試料:7の製造 ホスト化合物としてTEP−F4(1,1,2,2−テ
トラキス(3−フルオロ-4- ヒドロキシフェニル)エタ
ン)2.13mmol(1.0g)を、ゲスト化合物の
テトラヒドロフラン10ml中に加え、テトラヒドロフ
ランが煮沸するまで加熱撹拌した後、反応液を室温まで
放置して結晶を析出させた。結晶を漉別後、室温にて真
空乾燥を行い包接化合物である試料7を得た。
トラキス(3−フルオロ-4- ヒドロキシフェニル)エタ
ン)2.13mmol(1.0g)を、ゲスト化合物の
テトラヒドロフラン10ml中に加え、テトラヒドロフ
ランが煮沸するまで加熱撹拌した後、反応液を室温まで
放置して結晶を析出させた。結晶を漉別後、室温にて真
空乾燥を行い包接化合物である試料7を得た。
【0019】尚、包接化合物の確認は、TG−DTA測
定、IR測定により行った。本実施例の包接化合物製造
条件及び包接化合物のTG−DTA測定より求めたゲス
ト/ホストmol比、ゲスト化合物の再放出温度を表1
に示す。
定、IR測定により行った。本実施例の包接化合物製造
条件及び包接化合物のTG−DTA測定より求めたゲス
ト/ホストmol比、ゲスト化合物の再放出温度を表1
に示す。
【0020】(実施例4)試料:13〜16の製造 メタノール 5 ml 中にTEP−F4(1,1,2,2−
テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
エタン)2.13mmol(1.0g)を加え、TEP
−F4が完全に溶解するまで加温しながら撹拌した。こ
れにゲストとしたい有機化合物 5mlを徐々に滴下し、
所定の温度,時間、撹拌しながら反応させた後、この反
応液を室温で放置して結晶を析出させた。この析出物を
漉別後、室温にて真空乾燥を行い、本発明包接化合物で
ある試料、13〜16を得た。尚、包接化合物の確認
は、TG−DTA測定、IR測定により行った。本実施
例の包接化合物製造条件及び包接化合物のTG−DTA
測定より求めたゲスト/ホストmol比、ゲスト化合物
の再放出温度を表1に纏めて示す。
テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
エタン)2.13mmol(1.0g)を加え、TEP
−F4が完全に溶解するまで加温しながら撹拌した。こ
れにゲストとしたい有機化合物 5mlを徐々に滴下し、
所定の温度,時間、撹拌しながら反応させた後、この反
応液を室温で放置して結晶を析出させた。この析出物を
漉別後、室温にて真空乾燥を行い、本発明包接化合物で
ある試料、13〜16を得た。尚、包接化合物の確認
は、TG−DTA測定、IR測定により行った。本実施
例の包接化合物製造条件及び包接化合物のTG−DTA
測定より求めたゲスト/ホストmol比、ゲスト化合物
の再放出温度を表1に纏めて示す。
【0021】(実施例5)試料:17の製造 水10ml中にTEP−F4(1,1,2,2−テトラ
キス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン)2.13mmol(1.0g)を加え、80℃で3
0分、TEP−F4が完全に溶解するまで撹拌する。こ
こへケーソンWT(ローム&ハース社製)20g(CMI
として11.4mmol)を徐々に滴下し、25℃で2
4時間撹拌しながら反応させた。次いで、この液を室温
でしばらく静置した後、析出物を吸引漉過し、漉物を室
温にて真空乾燥して淡黄色粉末の試料、17を得た。
尚、包接化合物の確認は、TG−DTA測定、IR測定
により行った。本実施例の包接化合物製造条件及び包接
化合物のTG−DTA測定より求めたゲスト/ホストm
ol比、ゲスト化合物の再放出温度を表1に示す。
キス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン)2.13mmol(1.0g)を加え、80℃で3
0分、TEP−F4が完全に溶解するまで撹拌する。こ
こへケーソンWT(ローム&ハース社製)20g(CMI
として11.4mmol)を徐々に滴下し、25℃で2
4時間撹拌しながら反応させた。次いで、この液を室温
でしばらく静置した後、析出物を吸引漉過し、漉物を室
温にて真空乾燥して淡黄色粉末の試料、17を得た。
尚、包接化合物の確認は、TG−DTA測定、IR測定
により行った。本実施例の包接化合物製造条件及び包接
化合物のTG−DTA測定より求めたゲスト/ホストm
ol比、ゲスト化合物の再放出温度を表1に示す。
【0022】注)実施例5で使用した水溶性殺菌剤(ケ
ーソンWT)の分析値は、下記のとおりである。 CMI(5-クロロ-2- メチル-4- イソチアゾリン-3- オン): 10.1 wt% MI(2-メチル-4- イソチアゾリン-3- オン) : 3.8 wt% 残部: 塩化マグネシウム+硝酸マグネシウム+水
ーソンWT)の分析値は、下記のとおりである。 CMI(5-クロロ-2- メチル-4- イソチアゾリン-3- オン): 10.1 wt% MI(2-メチル-4- イソチアゾリン-3- オン) : 3.8 wt% 残部: 塩化マグネシウム+硝酸マグネシウム+水
【0023】(実施例6)試料:18〜20の製造 メタノール 5ml中にTEP−F4(1,1,2,2−
テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
エタン)2.13mmol(1.0g)を加え、TEP
−F4が完全に溶解するまで加温しながら撹拌した。こ
れにゲストとしたい有機化合物 5ml(ヒノキチオール
の場合は 2g)を徐々に滴下又は添加し、所定の温度,
時間、撹拌しながら反応させた後、この反応液を室温で
放置して結晶を析出させた。この析出物を漉別後、室温
にて真空乾燥を行い、本発明包接化合物である試料、1
8〜20を得た。
テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
エタン)2.13mmol(1.0g)を加え、TEP
−F4が完全に溶解するまで加温しながら撹拌した。こ
れにゲストとしたい有機化合物 5ml(ヒノキチオール
の場合は 2g)を徐々に滴下又は添加し、所定の温度,
時間、撹拌しながら反応させた後、この反応液を室温で
放置して結晶を析出させた。この析出物を漉別後、室温
にて真空乾燥を行い、本発明包接化合物である試料、1
8〜20を得た。
【0024】尚、包接化合物の確認は、TG−DTA測
定、IR測定により行った。本実施例の包接化合物製造
条件及び包接化合物のTG−DTA測定より求めたゲス
ト/ホストmol比、ゲスト化合物の再放出温度を表1
に纏めて示す。
定、IR測定により行った。本実施例の包接化合物製造
条件及び包接化合物のTG−DTA測定より求めたゲス
ト/ホストmol比、ゲスト化合物の再放出温度を表1
に纏めて示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明のテトラキス(フルオロヒドロキ
シフェニル)エタン類は、ベンゼン環のフェノール性水
酸基のオルト位又はメタ位にフッソ原子が置換された化
合物である。かかるフッ素原子の導入によりフェノール
性水酸基の酸性度が高められる。従って、従来知られて
いた、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン(TE
P,Tetrahedron Letters.,33(42),6319(1992).)で
は、包接化が不可能であった酢酸等の有機酸や水等も包
接化することができるようになった。
シフェニル)エタン類は、ベンゼン環のフェノール性水
酸基のオルト位又はメタ位にフッソ原子が置換された化
合物である。かかるフッ素原子の導入によりフェノール
性水酸基の酸性度が高められる。従って、従来知られて
いた、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン(TE
P,Tetrahedron Letters.,33(42),6319(1992).)で
は、包接化が不可能であった酢酸等の有機酸や水等も包
接化することができるようになった。
【0027】従って、本発明のテトラキス(フルオロヒ
ドロキシフェニル)エタン類をホストとしてさらに広範
囲なゲスト有機化合物の選択分離、化学的安定化、不揮
発化、粉末化が可能となるなるので、幅広い技術分野へ
適用される。
ドロキシフェニル)エタン類をホストとしてさらに広範
囲なゲスト有機化合物の選択分離、化学的安定化、不揮
発化、粉末化が可能となるなるので、幅広い技術分野へ
適用される。
【図1】本発明のTEP−F4のH1 −NMRスペクト
ル図。
ル図。
【図2】本発明のTEP−F4のIRスペクトル図。
【図3】TEP−F4に水が包接した包接化合物のIR
スペクトル図。
スペクトル図。
【図4】TEP−F4に2−プロパノールが包接した包
接化合物のIRスペクトル図。
接化合物のIRスペクトル図。
【図5】TEP−F4にアセトニトリルが包接した包接
化合物のIRスペクトル図。
化合物のIRスペクトル図。
【図6】TEP−F4にテトラヒドロフランが包接した
包接化合物のIRスペクトル図。
包接化合物のIRスペクトル図。
【図7】TEP−F4に1,4−ジオキサンが包接した
包接化合物のIRスペクトル図。
包接化合物のIRスペクトル図。
【図8】TEP−F4に酢酸エチルが包接した包接化合
物のIRスペクトル図。
物のIRスペクトル図。
【図9】TEP−F4にピリジンが包接した包接化合物
のIRスペクトル図。
のIRスペクトル図。
【図10】TEP−F4に酢酸が包接した包接化合物の
IRスペクトル図。
IRスペクトル図。
【図11】TEP−F4にCMIが包接した包接化合物
のIRスペクトル図。
のIRスペクトル図。
【図12】TEP−F4にヒノキチオールが包接した包
接化合物のIRスペクトル図。
接化合物のIRスペクトル図。
【図13】TEP−F4にチモールが包接した包接化合
物のIRスペクトル図。
物のIRスペクトル図。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式化1で示されるテトラキス(フルオ
ロヒドロキシフェニル)エタンをホスト化合物とする包
接化合物。 【化1】 (式中、R1 、R2 は、各々水素原子又はフッ素原子を
示す。但し、R1 、R2がともに水素原子である場合を
除く。) - 【請求項2】請求項1に記載のテトラキス(フルオロヒ
ドロキシフェニル)エタンのホスト化合物と、ゲスト有
機化合物とを反応してなることを特徴とする包接化合物
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14557493A JPH06329570A (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 新規包接化合物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14557493A JPH06329570A (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 新規包接化合物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06329570A true JPH06329570A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=15388261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14557493A Pending JPH06329570A (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 新規包接化合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06329570A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998029469A1 (fr) * | 1996-12-27 | 1998-07-09 | Nippon Soda Co., Ltd. | Agents de durcissement de resine epoxy, accelerateur de durcissement, et composition de resine epoxy |
GB2323596B (en) * | 1997-03-25 | 2000-02-23 | Kansai Paint Co Ltd | Curable coating composition |
US7495060B2 (en) | 1996-12-27 | 2009-02-24 | Nippon Soda Co., Ltd. | Tetrakisphenol and non-clathrated curing agent for epoxy resin |
-
1993
- 1993-05-25 JP JP14557493A patent/JPH06329570A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998029469A1 (fr) * | 1996-12-27 | 1998-07-09 | Nippon Soda Co., Ltd. | Agents de durcissement de resine epoxy, accelerateur de durcissement, et composition de resine epoxy |
US6727325B1 (en) | 1996-12-27 | 2004-04-27 | Nippon Soda Co. Ltd. | Composition of epoxy resin and clathrate of tetrakisphenol and epoxy-reactive curing compound |
US7495060B2 (en) | 1996-12-27 | 2009-02-24 | Nippon Soda Co., Ltd. | Tetrakisphenol and non-clathrated curing agent for epoxy resin |
GB2323596B (en) * | 1997-03-25 | 2000-02-23 | Kansai Paint Co Ltd | Curable coating composition |
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