曰月 糸田 »
積層ポ リ エステルフ ィ ルム
技術分野
本発明は、 積層ポ リ エステルフ ィ ルムに関する。 さ ら に詳し く は、 感熱転写材用及び感熱孔版印刷原紙用等に 好適な基材フ ィ ルムに関する。
背景技術
近年、 オ フ ィ スオー ト メ ーシ ョ ンの発展に伴い各種の 記録方式が開発されているが、 その中で印字の際に騒音 が少な く 、 かつ操作が簡単な感熱記録方式が注目 されて いる。 感熱記録方式ではサーマルプ リ ン 夕 一等の熱記録 装置を用 い、 記録紙 と感熱転写材の感熱イ ン ク層 と を接 触させイ ン ク層 と反対側にある加熱へ 、ソ ドから パルス信 号に よ り フ ィ ルムを選択加熱する。 これに よ り フ ィ ルム を通 じ て加熱されたィ ン クが溶融又は昇華 して記録紙に 転写される。
感熱転写材 と し ては、 一般に熱効率を上げる ため薄葉 のプラ スチ ッ ク フ ィ ルムが用い られている。 しカゝ し なが ら 、 一般にプラ スチ ッ ク フ ィ ルム を感熱転写材の基材 フ ィ ルム と し た場合にはフ ィ ルムがサーマルへ ッ ド ょ り 与え られる熱量に よ り 一部サーマルへ ッ ド に融着する と い う 現象が現われる。 こ の現象はステ ィ ッ ク現象 と 呼ば れ、 こ の現象が起き る と感熱転写材がス ムー ス に走行 し ないばか り か、 サーマルヘ ッ ド を著し く 汚染 し 印字の鲜 明 さ を損な う と い う 問題を生 じ る。 このステ ィ ッ ク現象
を回避する ためにプラ スチ ッ ク フ ィ ルムのサーマ ツへ ッ ド と接触する面に各種の表面処理を施す こ とが提案され ている。 例えば、 シ リ コー ンやメ ラ ミ ン 、 フ エ ノ ール、 エポキシ、 ポ リ イ ミ ド等の耐熱保護層を設けた もの (特 開昭 5 5 - 7 4 6 7 号公報) 、 活性の高い無機顔料 と耐熱性の 高い樹脂よ り なるステ ィ ッ ク防止層を設けた も の (特開 昭 5 6 - 1 5 5 7 9 4 号公報) がある。 ま た、 水溶性ある いは水 分散性の シ リ コー ン と樹脂よ り 成る層を設けた も の (特 開昭 6 0 - 1 9 2 6 2 8 号公報) 、 水分散性フ ッ 素系樹脂 と水性 高分子よ り な る層を設けたも の (特開昭 6 0 - 1 9 2 6 3 0 号公 報) 、 ワ ッ ク ス及び Z又は常温で液状ない しペース ト状 物 質 を 塗 布 あ る い は 転 写 さ せ た も の ( 特 開 昭 5 9 - 1 4 8 6 9 7 , 特開昭 6 0— 5 6 5 8 3号公幸 ) 力 ある。
しか し ながら、 耐熱保護層を設けたも のはへ ッ ド との 滑 り が不足するために低パルス幅のプ リ ン ターやプラ テ ン駆動型のプ リ ン タ ーでは熱転写 リ ボ ン の走行性が悪 く 、 印字斑や極端な場合には走行がス ト ッ プする欠点が ある。
ま た、 無機顔料を添加 したものはサーマルへ ッ ド と の 摩擦に よ り ヘ ッ ド寿命を低下させた り 、 表面が粗面化さ れているため熱伝導性が悪 く 、 鮮明な印字が得られない と い う 問題がある。 シ リ コ ー ン樹脂やフ ッ 素樹脂を積層 し たも のはロ ールに巻いた後ィ ン ク を塗布する面への こ れ らの樹脂の転写が起こ り やす く それに よ るィ ン ク塗布 時の は じ き ゃ ィ ン ク の密着性不良等の問題が生 じ て い
た。
ま た、 ワ ッ クス等をプラスチ ッ ク フ イ リレムに塗布 し乾 燥 し た形で得られる積層フ ィ ルムはサーマルへ ッ ド と の 潤滑作用 には優れる も ののプ リ ン ターの固定シ ャ フ 卜等 と の滑 り が悪 く 、 結果的にはステ ィ ッ クが発生する と い う 欠点を有 している。
一方、 感熱孔版印刷原紙と し ては、 通常感熱孔版印刷 原紙用 フ ィ ルム と 多孔性支持体 と を接着剤で貼 り 合わせ た も のが使用 され、 感熱孔版印刷原紙用 フ ィ ルム と し て は、 塩化 ビュル、 塩化ビニ リ デン共重合体フ ィ ルムゃポ リ プ ロ ピ レ ン フ ィ ルム 、 ポ リ エチ レ ン テ レ フ タ レ 一 卜 フ ィ ルムが使用 されてき たが、 近年高感度化のためフ ィ ルムの薄葉化や特開昭 62 - 149 4 6 9 、 特開昭 6 3 - 3 1 2 1 9 2 号 公報等でその改良がなされてき た。 ま た、 多孔性支持体 と し ては、 薄葉紙やテ ト ロ ン紗等が使用 されて き た。
これ らの積層体は文字や図形等を書いた原稿 と重ね合 わせ赤外線閃光照射を行な う と文字や図形等が書かれた 部分が熱吸収に よ っ て溶融し穿孔される。 こ の穿孔され た原稿が印刷用 の原版 と し て用 い られ る 。 ま た最近で は、 サーマルプ リ ン ターを用いた穿孔が行なわれる よ う にな り 、 こ の方法ではサーマルヘ ッ ド をフ ィ ルム側に接 触 さ せ通常の感熱転写方式 と 同様の原理で印字エネ ル ギーを付与 し フ ィ ルムを穿孔する ものである。 従っ て、 前記閃光照射法では原稿 との離型性、 後者のサーマ ル法 では、 上記感熱転写材同様、 耐ステ ィ ッ ク性が要求され
る。
しかし 、 一般的にプラ スチッ ク フ ィ ルムを感熱孔版印 刷原紙用 フ ィ ルム と して用いる場合、 フ ィ ルムがサ一マ ルへ ッ ド よ り 与え られた熱によ り 一部ステ ィ ッ ク現象が 現われ る 。 こ の現象は先に述べた感熱転写材 と 同様、 フ ィ ルムの走行性不良、 サ一マルへ ッ ドの汚染の原因 と な り 穿孔時の鮮明 さ を損な う と い う 問題が生 じ る 。 ま た、 フ ラ ッ シ ュ ラ ンプによ る穿孔時には原稿 と の癒着が 生 じ る と い う 問題がある。 こ のため離型層や耐ステ イ ツ ク層が設け られるがこ の用途に用 いる場合には熱に よ つ て容易に溶融 し なければな らず、 例えば前記の耐熱保護 層等を用 いた場合には穿孔の不均一や極端な場合には穿 孔 し ない と いう 不都合が起こ る。
発明の開示
従っ て、 本発明の 目 的は、 上記欠点のない もの、 すな わちステ ィ ッ クが発生せず、 ワー ドプロ セ ッ サー、 フ ァ ク シ ミ リ 、 バー コー ドプ リ ン タ一の よ う な低パルス幅領 域から ビデオプ リ ン ターのよ う な高パルス幅領域ま での 広範囲 の領域での走行性が良好であ り 、 へ ッ ド摩耗や へ ッ ド汚染が極めて少な く 、 かつイ ン ク塗布時のは じ き がな く イ ン クの密着性、 EP字の鮮明度に優れた感熱転写 材用積層 フ ィ ルム及び離型性、 耐ステ ィ ッ ク性、 穿孔性 が良好で印刷鲜明度に優れた上記欠点のない感熱孔版印 刷原紙用 フ ィ ルム と して好適な積層ポ リ エステル フ ィ ル ムを提供する こ と である。
本発明者 ら は、 鋭意研究の結果、 ポ リ エステルフ ィ ル ム上に特殊な突起を形成させた積層膜を設ける こ と に よ り 従来得 られなかっ た極めて耐ステ ィ ッ ク性、 走行性、 離型性に優れた積層 フ ィ ルムが得られる こ と を見出 し 、 こ の発明を完成 し た。
すなわち、 本発明は、 ポ リ エステルフ ィ ルムの少な く と も一方の面にヮ ッ ク ス系組成物を主成分 と する積層膜 を有する積層フ ィ ルムであ っ て 、 該積層膜は、 その表面 に長 さ 方向 /幅方向 の比が 3 以上の細長い突起を 2 0 個 Z l 0 以上有する こ と を特徴と する積層ポ リ エ ス テルフ ィ ルムを提供する。
本発明 は ポ リ エ ス テ ル フ ィ ル ム の少な く と も 片面に ヮ ッ ク ス系組成物 を主成分 と す る積層膜を有す る積層 フ ィ ルムで あ っ て、 その積層膜表面に特殊な突起を形成 させる こ と に よ り 感熱転写材用基材フ ィ ルムゃ感熱孔版 印刷原紙用 フ ィ ルム と し て用 いた時、 下記の優れた特性 を有する。
①印字走行時のステ ィ ッ クがない。
②ィ ン キ ン グ時のは じ きが少な く 密着性が良い。
③サーマルへ ッ ドの汚染が少な く 摩耗が少ない。 ま た感熱孔版印刷原紙用 フ ィ ル ム と し て 用 い た場合に は、 さ ら に以下の よ う な優れた特性を有する。
①閃光照射後の原稿 との離型性に優れる。
②サーマ ル方式での穿孔時に ス テ ィ ッ ク が発生 し な い o
③穿孔精度が良 く 、 鮮明な印刷ができ る。
発明を実施するための最良の形態
:*:発明は、 ポ リ エステルフ ィ ルムの少な く と も一方の 面に ヮ ッ ク ス系組成物を主成分 と する積層膜を有する積 層 フ ィ ルムで あ っ て 、 該積層膜は、 そ の表面に長さ方 向 Z幅方向の比が 3 以上の細長い突起を 2 0 個 Z 1 0 0 m 2以上有する こ と を特徴とする積層ポ リ エステルフ ィ ルムをその骨子する ものである。
本発明でい う ポ リ エステルフ ィ ルム と は、 エステル結 合を主鎖の主要な結合鎖と する高分子フ ィ ルムの総称で あるが、 特に感熱転写材フ ィ ルム と して好ま し いのはポ リ エチ レ ン テ レフ タ レ一 ト 、 ポ リ エチ レ ン 2 , 6 — ナフ 夕 レー ト 、 ポ リ エチ レ ン α , β — ビス ( 2 - ク ロ 口 フ エ ノ キシ) ェタ ン 4 , 4 ー ジカ ルボキシ レ一 卜 、 ポ リ ブチ レ ンテ レ フ 夕 レー ト等のフ ィ ルムである。 中でも品質、 経済性の点でポ リ エチ レ ンテ レフ タ レー ト フ ィ ルムが最 も好ま し い。 以後、 感熱転写材用基材フ ィ ルム と し ては ポ リ エチ レ ン テ レ フ 夕 レー ト フ ィ ルム ( 以下、 P E T フ ィ ルム と する) をポ リ エステルフ ィ ルムの代表例 と し て記述を進める。 こ こでポ リ エチ レ ンテ レ フ タ レー ト と は 8 0 モル%以上、 好ま し く は 9 0 モル%以上、 よ り 好 ま し く は 9 5 %モル以上がエチ レ ンテ レ フ タ レ一 ト を繰 り 返 し単位 と する ものであるが、 この限定範囲内で酸成 分及びグ リ コ ール成分の一部を下記の よ う な第 3 成分 と 置き換えて も良い。
一 酸成分 一
イ ソ フ タ ル酸 、 2 , 6 - ナ フ タ レ ン ジ カ ル ボ ン 酸 、 1 , 5 — ナ フ タ レ ン ジ カ ルボ ン酸、 2 , 7 - ナ フ タ レ ン ジ カ ルボ ン 酸、 4 , 4 ー ジ フ エ ニルジ カ ルボ ン 酸、 4 , 4 ー ジ フ エ ニルスルホ ン ジ カ ルボ ン酸、 4 , 4 ー ジ フ エ ニ ルエーテ ルジ カ ルボ ン酸、 p — ー ヒ ド ロ キ シェ ト キ シ安息香酸、 ア ジ ピ ン酸、 ァゼラ イ ン酸、 セバシ ン酸、 へ キ サ ヒ ド ロ テ レ フ タ ル酸、 へ キ サ ヒ ド ロ イ ソ フ タ ル 酸、 ε — ォ キ シカ プ ロ ン酸、 卜 リ メ リ ッ ト 酸、 ト リ メ シ ン 酸 、 ピ ロ メ リ ッ ト 酸 、 α , 13 — ビ ス フ エ ノ キ シ エ タ ン 一 4 , 4 — ジ カ ルボ ン酸、 α 、 — ビス ( 2 - ク ロ 口 フ エ ノ キ シ ) エタ ン ー 4 、 4 ー ジ カ ルボ ン 酸、 5 — ナ ト リ ゥ ム スルホ イ ソ フ タ ル酸等
ー グ リ コ ール成分一
プロ ピ レ ン グ リ コ ール、 ブチ レ ン グ リ コ ール、 へキサ メ チ レ ン グ リ コ ー ル、 デカ メ チ レ ン グ リ コ ール、 ネ オペ ン チ レ ン グ リ コ ー ル 、 1 , 1 ー シ ク ロ へ キサ ン ジ メ タ ノ ー ル 、 1 , 4 — シ ク ロ へキ サ ン ジ メ タ ノ ー ル 、 2 , 2 - ビ ス i 4 — i3 — ヒ ド ロ キ シ フ エ ニル) プロ ノ ン 、 ビ ス ( 4 一 )3 — ヒ ド ロ キ シ フ エ ニル) スルホ ン 、 ジェチ レ ン グ リ コ ー ル、 ト リ エチ レ ン グ リ コ ール、 ペ ン タ エ リ ス リ ト ール、 ト リ メ チ ロ ールプロ ノ ン 、 ポ リ エチ レ ン グ リ コ ー ル、 ポ リ テ ト ラ メ チ レ ン グ リ コ ール等
ま た、 P E T中に公知の添加剤、 例えば耐熱安定剤、 耐酸化安定剤、 耐候安定剤、 紫外線吸収剤、 有機の易滑
剤、 顔料、 染料、 有機又は無機の微粒子、 充填剤、 帯電 防止剤、 核剤等を配合して も良い。 特に無機及びノ又は 有機の微粒子を添加 し、 配向化後の P E T フ ィ ルムの平 均表面粗さが好ま し く は 0.03〜 0.4 m 、 よ り 好ま し く は 0.05〜 0.2 m と し た場合には走行性をよ り 向上する こ と ができ る。
上記の P E Tの極限粘度 ( 2 5 °Cのオル ソ ク ロ ロ フ エ ノ ー ル中で測定) は、 0 · 40〜 1 · 20 dl/g 、 好ま し く は 0.50— 0.80 dl/g 、 さ らに好ま し く は 0.5 〜 0.75 dl/g の範囲にある こ とが好ま し い。
P E T フ ィ ルムは機械的強度及び寸法安定性の点から 二軸配向されたものが好ま し い。 二軸配向 P E T フ ィ ル ム と は無延伸状態の P E T シー ト を長手方向及び幅方向 のいわゆ る 2 軸方向に各々 2.5 〜 5.0 倍程度延伸 し て作 られる も のであ .り 、 広角 X線解析で二軸配向パタ ー ンを 示す も のをい う 。
P E T フ ィ ルムの厚みは特に限定されないが、 本発明 の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱転写材用基材フ ィ ル ムに用 いる場合には 0.5 m 以上 以下、 好ま し く は 1 m 以上 1 0 m 以下である こ とが熱伝導性及び機 械的強度の点から好ま し い。
ま た、 こ の P E T フ ィ ルムの少な く と も 片面に P E T よ り ガラ ス転移点の高いポ リ エステル樹脂を積層 し 、 延 伸 し た も のを用 いた場合、 印字エネルギーによ る フ ィ ル ムの しわが発生し に く く な り 印字の鲜明度に優れ特に好
ま し い。 こ のポ リ エステル樹脂層はサーマルへ ッ ドが接 触する側に設ける こ とが好ま し い。 この よ う な P E T よ り ガラ ス転移点の高いポ リ エステルの代表的な も の と し てはポ リ エチ レ ン 2 , 6 —ナフ タ レ一 卜 を挙げる こ と が でき る。
一方、 本発明の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱孔版 印刷原紙用 と して用 いる場合、 好適なポ リ エステルフ ィ ル ム と し て は融解エネ ルギー ( Δ H u ) が好 ま し く は 3 〜 : L 1 cal/g 、 よ り 好ま し く は 5 〜 : L 0 cal/g である こ と が望ま し い。 この範囲に Δ Η ιιを制御する こ と に よ り 原稿 と の離型性や穿孔性をが向上さ せ る こ と がで き る。
ま た、 融解終了温度 と融解開始温度 と の差 ( Δ Τ πι ) が好 ま し く は 5 0 〜 : L O O 、 よ り 好 ま し く は 6 0 〜 9 0 °Cの範囲の時、 濃淡ムラの防止及び印刷時の文字ム ラ等を解消する こ と ができ 、 よ り 鮮明な印字 と する こ と ができ るので望ま し い。 この よ う な特性を有する ボ リ エ ステルは、 前記 P E T フ ィ ルムの項で記述 し た各種酸成 分、 グ リ コ ール成分を共重合する こ と に よ っ て得る こ と ができ る。 例えば、 イ ソ フ タ ル酸、 アジ ピ ン酸、 セノ シ ン酸、 ジエチ レ ン グ リ コ ール等の共重合体、 ある いは こ れ らの共重合体を P E T にプレ ン ド し た も の等を挙げる こ とができ る。
さ ら に、 感熱孔版印刷原紙用 と して用 いる場合には、 基材フ ィ ルムは二軸延伸されているのが好ま し く 、 一軸
延伸フ ィ ルムゃ無延伸フ ィ ルムでは穿孔のム ラ を生じた り 印刷品に欠落部分を生じやす く なる。 なお、 二軸延伸 の程度は特に限定されないが、 面配向係数が 0.90〜(! - 98 の も のが特に好ま し い。
ま た 、 中心線平均粗さ ( R a ) は好 ま し く は 0.05〜 0.3 u m 、 よ り 好ま し く は 0.09〜 0.25 Lt m であ り 、 最大 粗さ ( R t ) は、 好ま し く は 0.5 〜 4.0 μ πι 、 よ り 好ま し く は 0.8 〜 3.5 PL m である。 こ の範囲 と する こ と によ り 薄膜フ ィ ルムであっ て も フ ィ ルムに折れじわ等がな く な り 巻き取 り 性が向上 し不透明さ によ る感度の低下を防 止する こ と ができ る。
さ らに、 Ι ίζ ιη φ 以上の突起個数が好ま し く は 2000〜
10000 {固ズ mm2 、 よ り 好ま し く は 2500〜 800 (H固 / mm 2 で あるのが滑 り 性と透明性が両立でき るので望ま し い。 ま た 、 8 m φ 〜 2 0 μ πι Φ の突起個数が好 ま し く は
2 0 ~ lOOOfi / mm2 、 よ り 好 ま し く は 5 O 〜 800 個 mm2 の も のが望ま し い。 2 0個 Z mm2 未満ではフ ィ ルム が蛇行しやす く 、 1000個ノ mm2 を越える場合には フ ィ ル ム破れを生 じやす く な り 生産性が低下する傾向にある。
感熱孔版印刷原紙用 フ ィ ルム と し て使用 す る場合に は、 フ ィ ルムの融点から (融点一 2 0 ) の範囲で熱収 縮率が好ま し く は 1 0 %以上、 よ り 好ま し く は 2 0 %以 上である こ と が望ま し く 、 1 0 %未満では製版感度が低 下 し実用上問題を生じ る こ とがある。 ま た、 1 5 0 °Cで の熱 IR縮率が 1 5 %未満である こ とがよ り 好ま し い。
本発明の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱孔版印刷原 紙用 フ ィ ルム と し て使用する場合のポ リ エステルフ ィ ル ムの厚みは特に限定されないが、 0 . 5 〜 1 0 m が好ま し く 、 0 . 7 〜 5 . 0 ix m の も の;^よ り 好ま し い。 厚みが薄 く な り 過ぎる と不鮮明で濃淡ム ラが出やす く 、 厚 く な り 過ぎる と 欠落部分を生じ た り 太さ ムラ を生じ た り する傾 向になる。
本発明において、 感熱孔版印刷原紙用 フ ィ ルム と し て 使用 する場合のポ リ エステルフ ィ ルムの表面形態、 すな わち表面粗さ 、 突起数、 突起個数を上記の好ま し い範囲 と するには後述の製造方法において押出 し に供されるポ リ エステル樹脂に不活性粒子を含むマス タ ーポ リ マを作 り 、 主成分 と なる ポ リ マ と ブ レ ン ド するのが望ま し い。 こ の場合、 マスタ ーポ リ マは主成分のポ リ マ よ り 融点が 1 0 〜 ; L O O T 、 好 ま し く は 2 0 〜 8 0 °C高レ、 も の及 び Z又は極限粘度が 0 . 2 〜 1 . Q 高いものが好ま し い。 特 定の表面形態は押出 し 時の剪断応力ゃ フ ィ ル タ ーの 目 付、 押出 し条件等に よ っ て も ある程度は コ ン ト ロ ールで き る こ と はレヽ う ま で も ない。
用 い られる不活性粒子 と しては元素周期律表第 Π A 、 ΠΙ Β 、 IV A 、 IV B の元素の酸化物若 し く は無機塩か ら選 ばれた粒子、 例えば合成又は天然品 と し て得られる炭酸 カ ル シ ウ ム 、 湿式シ リ カ 、 (二酸ィヒケィ 素) 、 乾式シ リ 力 (二酸化ケイ 素) 、 ケィ 酸アル ミ ニウ ム ( 力 オ リ ナイ ト ) 、 硫酸ノ リ ウ ム、 リ ン酸カ ルシ ウ ム、 タ ルク 、 二酸
\ 2. 化チタ ン、 酸化アル ミ ニウ ム、 水酸化アル ミ ニウ ム、 ケ ィ 酸カ ルシ ウ ム等が挙げられる。 上記不活性粒子の粒子 平均径は 0 . 1 〜 3 . 0 n m の ものが好ま し い。 ま た、 添加 量は粒子種、 粒子径によ って も変わるが、 0 . 0 5〜 2 . 0 重 量% 、 好ま し く は 0 . 1 〜 1 . 0 重量%である こ と が特定の 表面形態を得る上で好ま し い。 ま た、 閃光照射する波長 域に吸収 ピークを持つ添加剤の添加はよ り 鲜明な穿孔が 得 られるので好ま し い。
本発明は、 上記ポ リ エステルフ ィ ルムの少な く と も 片 面 に ヮ ッ ク ス系組成物を主成分 と す る層 を有す る積層 フ ィ ルムである。 こ こでいう 主成分 と は積層組成物中に 占める重量比率が 5 0 %以上、 好ま し く は 6 0 %以上で あ る こ と をい う 。 ワ ッ ク ス系組成物 と は市販の各種の ワ ッ ク ス、 例えば石油系ワ ッ クス、 植物系ワ ッ ク ス、 鉱 物系ワ ッ ク ス、 動物系ワ ッ ク ス、 低分子量ポ リ オ レ フ ィ ン 類等で あ るが、 特に限定される も のではな い。 中で も 、 本発明 においては石油系ワ ッ クス、 植物系ワ ッ クス の使用が耐スティ ッ ク性の点で好ま しい。
石油系ワ ッ クス と してはパラ フ ィ ン ワ ッ クス、 マイ ク ロ ク リ スタ リ ン ワ ッ ク ス、 酸化ワ ッ クス等が挙げられる が、 中で も 酸化ワ ッ ク スの使用が突起形成性の点で特に 好ま し い。 ま た、 植物性ワ ッ ク ス と してはキャ ンデ リ ラ ワ ッ ク ス 、 カ ルナ ウ ノ ワ ッ ク ス 、 木ロ ウ 、 オ リ キ ュ ー リ ーワ ッ ク ス、 さ と う きびロ ウ 、 ロ ジ ン変性ワ ッ ク ス等 が挙げられるが、 本発明においては特に下記化合物から
成る組成物が好ま し い。 すなわち、 { ロ ジ ン又は不均化 ロ ジ ン 、 又は水添ロ ジ ン · α 、 /3 置換エチ レ ン .( α 置換 基 : カ ルボキシル、 置換基 : 水素又はメ チル又はカ ル ボキシル) 付加物 } · アルキル又はアルケニル (各炭素 数 1 〜 8 ) ポ リ (繰 り 返 し単位 : ;! 〜 6 ) ア ル コ ールの エステル付加物を用 いるのが易滑性や離型性の点で好ま し く 、 上記酸化ワ ッ ク ス と の混合型で用 いる と よ り 好ま し い。 後述に よ う に、 本発明の積層フ ィ ルムは上記組成 物を含む塗布液を塗布後、 1 方向に延伸する こ と に よ り 微細な細長い突起を形成する こ と に よ り 製造されるが、 突起形成性、 防爆性、 璟境汚染防止の点から水に溶解、 乳化、 懸濁させたワ ッ ク スが特に好ま し い。
本発明の好ま し い一態様では、 ワ ッ ク ス と し て石油系 ワ ッ ク ス と植物性ワ ッ クスが併用 され、 こ の場合、 石油 系 ワ ッ ク ス と 植.物性 ワ ッ ク ス と の 混合比率 は 1 0 / 9 0 〜 9 0 ノ 1 0 重量 % 、 好 ま し く は 2 0 8 0 〜 8 0 Ζ 2 0 重量% 、 更に好ま し く は 3 0 ノ 7 0 〜 7 0 3 0 と するのが好ま し い。 植物性ワ ッ ク スを 1 0 重量% 以上 と す る の は、 高温時にお け る 易滑性、 離型性の付 与、 及び水に乳化あるいは懸濁させる場合の均一分散性 が良好で均一な塗布膜を得 る の に好適で あ る こ と に よ る。 ま た、 石油系ワ ッ クスを 1 0 重量%以上 と するのは 塗布膜の易滑性が良好で、 高速印刷時の走行性が良い こ と に よ る。
ま た、 本発明においては上記ワ ッ ク ス系組成物に さ ら
にオイ ル状物質を加えた混合物 と し た時、 高パルス幅領 域での 印字走行性が特に優れた も の と す る こ と がで き る。 こ こ でオイ ル状物質と は常温で液体ある いはペース 卜 状のオ イ ルであ り 、 植物油、 油脂、 鉱物油、 合成潤滑 油等が挙げられ、 植物油 と してはアマ二油、 カ ャ油、 サ フ ラー油、 大豆油、 シナギ リ 油、 ゴマ油、 ト ウ モ ロ コ シ 油、 ナタ ネ油、 ヌ カ 油、 綿実油、 ォ リ ーブ油、 サザ ン 力 油、 つばき 油、 ヒマシ油、 落花生油、 パーム油、 椰子油 等が挙げ られる。
油脂 と し'て は 、 牛脂、 豚油 , 羊油、 カ カ オ油等で あ り 、 鉱物油 と し て はマ シ ン油 絶緣油、 タ ー ビ ン 油、 モー タ ー油、 ギヤ油、 切削油、 流動パラ フ ィ ン等が挙げ ら れ る 。 合成潤滑油 と し ては , 化学大辞典 (共立出版 社) に記載の性質、 すなわち、 石油系潤滑油に比べて粘 度指数が高い、 流動点が低い , 熱及び酸化安定性が良 い、 ある いは引火 し に く い等の性質を有する も のを任意 に使用する こ とができ 、 例えばォ レ フ ィ ン重合油、 ジェ ス テル油、 ポ リ ア ルキ レ ン グ リ コ ール油、 シ リ コ ー ン油 等を挙げる こ とができ る。 これ らのなかでも高パルス領 域での走行性の良好な鉱物油、 合成潤滑油が好適であ る。 ま た これ らの混合系であっ て も良い。
上記オイ ル状物質は前記ワ ッ ク ス系組成物 1 0 0 重量 部に対 し 1 〜 1 0 0 重量部、 好ま し く は 3 〜 5 0 重量部 添加するのが好ま し い。 オイ ル状物質が 1 重量部に満た ない場合には、 昇華型プ リ ン ターの よ う な高パルス領域
での走行性が低下する傾向にある。 ま た、 1 0 0 重量部 を越える場合には逆に低パルス幅領域での高速印字時の 走行性が低下する傾向にある。 上記範囲内にある場合に は広範囲のパルス幅の感熱転写プ リ ン タ ーでステ ィ ヅ ク 現象が起こ らず走行性が良好 と なるので特に好ま し い。
上記組成物中には、 本発明の効果を阻害 し ない範囲内 で各種添加剤を併用する こ と ができ る。 例えば、 帯電防 止剤、 耐熱剤、 耐酸化防止剤、 有機、 無機の粒子、 顔料 等を添加 し て も良い。 ま た、 塗布液中には水への分散性 を向上させた り 塗布性を向上させる 目 的で各種添加剤、 例えば分散助剤、 界面活性剤、 防腐剤、 消泡剤等を添加 し て も良い。
積層膜を設けた面の中心線平均表面粗さ ( R a 1 ) は 好ま し く は 0.03〜 0.4 a m 、 よ り 好ま し く は 0.05〜 0.2 a m であるのが望ま し い。 塗布膜の厚みは 0.005 a m 以 上 R a 1 以下、 好ま し く は O. Ql m 以上 R a 1 以下であ るのが望ま し い。 塗布膜の R a l が 0.03 w m 未満の場合 や塗布膜の厚みが R a 1 を超える場合には、 印字時の走 行性の低下やへッ ド汚染が発生しやす く 、 R a 1 が 0.4 L m を超える場合には耐ステ ィ ッ ク性は良い ものの印字 の鲜明度が劣る傾向にある。
さ ら に本発明の積層フ ィ ルムは積層する層表面に以下 に述べる特殊な突起を形成させる こ と に よ り 、 従来得ら れなかっ た極めて耐ステ ィ ッ ク性、 走行性、 離型性に優 れ、 かつイ ン ク塗布性、 密着性に優れた積層フ ィ ル ム と
する こ と ができ る も のである。 すなわち、 上記組成物 よ り 成る積層膜表面に長さ方向 と 幅方向の比が 3 以上の細 長い突起を 2 0個 Z 1 0 0 " m2以上形成す る こ と に よ り 、 走行時のプ リ ン ターの固定シャ フ ト 等 と の滑 り が円 滑に な り プラ テ ン ロ ール駆動 に お け る摩擦抵抗を減少 し 、 走行をスムースに行なわせる こ と がで き る。
突起は細長い突起である こ と が必要であ り 長さ方向 Z 幅方向の比が 3 以上、 好ま し く は 4以上、 さ ら に好ま し く は 5 以上である。 こ の比が 3 未満の場合では滑 り がス ム ー ス で な く 部分 的 に ス テ ィ ッ ク を起 こ す場合力 s あ る。
ま た、 細長い突起個数は 2 0個 Z 1 0 0 m2以上、 好 ま し く は 4 0 個 Z l 0 0 m2、 さ ら に好 ま し く は 6 0 個ノ 1 0 0 m 2以上形成されている こ と が必要である。 細長い突起数が 2 0個 1 0 0 jLt m 2未満の場合には常温 での易滑性に劣 り 、 プ リ ン タ ーでの円滑な走行性が得ら れない。
突起 の 高 さ は 特 に 限定 し な い が 、 0.005 m 〜 1 p, m 、 好ま し く は 0. (H u m 〜 0.5 m である こ と が望ま し い。 突起高さが高すぎる と低パルス幅領域での印字鲜 明度が低下する傾向にある。 突起の長さ も特に限定 し な いが、 通常は 0.1 χ π! 〜 2 ίχ πι 程度の も のが好ま し い。
ま た、 上記積層膜表面の突起は、 ワ ッ ク ス系組成物や オイ ル状物質を主成分 と して形成された突起である こ と が好ま し く 、 こ の場合にはサーマルヘッ ド に よ る加熱に
おいては溶融状態 と なるため無機粒子に よ る突起 と 異な り 、 熱伝送性の悪い空気を介在し ないため極めて鮮明な 印字が得 られる。 従っ て、 突起形成膜はサ一マルへ ッ ド の熱で溶融 し ないよ う な物質例えば無機粒子等を含有せ ず、 上記ワ ッ クス系組成物あるいはそれ と オイ ル状物質 と の混合物 よ り 形成された ものがサ一マルへ ッ ド の摩耗 等を 防止す る点で好 ま し い。 本発明 と 同一の組成物で あっ て も上記の形状を有する突起が形成されていない塌 合には、 ステ ィ ッ クが発生し フ ィ ルムの走行性が著 し く 阻害される。
ま た、 こ の細長い突起は 1 方向に配列 し た も ので も良 いが、 走行性の点から ラ ンダムに配列 し た も のや交叉し た ものの方が好ま し い。
上記の細長い突起を形成した積層ポ リ エステルフ ィ ル ム は極めて表面易滑性に優れ、 高速印字時、 低速高パル ス時の印字のいずれも走行性が良好であるが、 特に ソ一 ダガラ ス と の静摩擦係数において 2 5 °C、 6 5 % R hで の値 ( ix s ) が 0.3 以下であっ て、 かつ 1 0 0 °Cでの 値 ( w s 2) と の比 ( u s 2 Z w s Jが 1.0 以下 と し た場 合にはステ ィ ッ ク防止性、 ヘ ッ ド汚染性が特に優れた も の と なるので好ま し い。 このよ う な易滑性は積層厚み、 突起個数に よ っ て変える こ と ができ る。 すなわち、 積層 厚みが薄すぎる場合や突起形成が不十分な程厚すぎる場 合には易滑性が不足する傾向になる。 よ り 好ま し い突起 を形成させるためには積層厚みは 0.01〜 0.1 u m である
12 のが望ま し い。
上記の よ う な積層膜を得るためには結晶配向後の二軸 延伸ポ リ エステルフ ィ ルムに塗布したの ものでは得る こ と が困難であ り 、 結晶配向前のポ リ エステルフ ィ ルムに 塗布 し 、 乾燥後あるいは乾燥しつつ延伸、 熱処理を施し 結晶配向化を完了させる方法によ って得る こ とができ る も のである。 すなわち、 結晶配向が完了する前のポ リ ェ ステルフ ィ ルムを長手方向に 2 . 5 〜 5 . 0 倍の延伸を行な い、 その後塗布する面に コ ロナ放電処理を施 し 、 各種の 塗布装置、 例えば口 一ルコーター、 グラ ビア コ 一タ 一、 リ パース コ ーター、 キス コ一夕一、 バー コ 一タ一等を用 いて塗布し乾燥しつつ、 あるいは乾燥後、 長手方向 と は 直角 に 2 . 5 〜 5 . 0 倍の 延伸 を行 な い 、 必要 に 応 じ て 1 4 0 〜 2 4 0 °Cの熱処理を施す。 上記の方法に よ っ て 細長い突起を有する積層膜を得る こ とができ るが、 さ ら に ラ ン ダムに配列 した細長い突起を形成させる には延伸 前に若干の水分が残存した状態、 あるいは加湿 し ながら 延伸する こ と及び熱処理時に若干の幅方向の緩和を行な う こ と が重要である。
本発明において、 感熱孔版印刷原紙用 フ ィ ルム と して 用 いる場合において も前述の基材ポ リ エステルフ ィ ルム 上に上記の塗布層を積層する こ と に よ り サーマル方式で の穿孔時の耐ステ ィ ッ ク性に優れ閃光照射時の原稿 と の 離型性に優れた積層 フ ィ ルム と する こ と がで き る 。
本発明において、 スルホ ン酸基又はその塩を有するポ
リ マを積層膜中に含有させるか、 ある いは積層膜を設け た面 と は反対面にス ルホ ン酸基又はその塩を有する ポ リ マを含有 し た層を積層する こ と に よ り 帯電防止性や多孔 性支持体 と の接着剤に よ る接着性を高める効果を得る こ と ができ るので特に好ま し い。 帯電防止性の付与はイ ン キ と塗布時のは じ き や工程中の ゴ ミ の静電吸着防止及び 静電気の放電によ るサーマルへ ッ ドの破壊防止等に も有 効である。 スルホ ン酸基又はその塩を有するポ リ マは上 記の ヮ ッ ク ス系組成物中に混合 し て塗布 し て も良い し 、 ヮ ッ ク ス系組成物層 と は別に反対面に設けて も良いが、 積層膜の厚み方向におけるポ リ エステルク ィ ルムに近い 部分よ り 遠い部分 (積層膜表面) にスルホ ン酸基又はそ の塩が局在化 してい るのが好ま し い。 こ の よ う なスルホ ン酸基又はその塩及びその局在化は特願昭 6 3 - 1 8 1 4 Q号に 言己載の方法に準ずる こ と によ っ て得る こ と ができ る。
次に本発明の積層ポ リ エステ ルフ ィ ルムの製造方法に つ いて感熱転写材用積層ポ リ エステルフ ィ ルムの製造法 の一例をその代表例 と して説明する。
重合工程で析出 し た 、 いわ ゆ る析出粒子 と 無機粒子 (例えば、 平均粒子径 1 u m の シ リ カ ) を含有する P E T を常法に従っ て乾燥後、 溶融押出 し 、 押 し 出 さ れた シ一 ト 状溶融体を冷却せし めて未延伸 P E T フ ィ ルムを 作 る 。 こ の未延伸 フ ィ ルム を 8 0 〜 : L 2 0 に力 []熱 し て、 長手方向に 2 . Q 〜 5 . Q 倍延伸 して一軸配向 フ ィ ルム と する。 こ の一軸配向フ ィ ルムの片面に空気雰囲気中で
コ ロ ナ放電処理を施し 、 こ の処理面に所定の濃度に希釈 し たヮ ッ ク ス系組成物を主成分 と する水分散塗液を塗布 する。 次いでこの塗布されたフ ィ ルムを 9 0〜 1 4 0 に加熱 し つ つ 幅方 向 に 3 〜 5 倍延伸 し 、 引 き 続 い て 1 4 0 〜 2 4 0 の熱処理ゾー ン中へ導き 1 〜 1 0 秒間 熱処理を行な う 。 こ の熱処理中に必要に応 じて幅方向に 3 〜 1 2 %の弛緩処理を施して も良い。 か く して得られ たフ ィ ルムを適宜の幅にス リ ツ 卜 し、 二軸配向積層ポ リ エス テルフ ィ ルム を得る こ と がで き る。
こ の フ ィ ルムを感熱転写材 と して使用する場合には非 積層面側に熱溶融型 あ る いは熱昇華型の ィ ン ク を塗布 し 、 適宜希望の幅にス リ ッ ト する こ と に よ っ て得る こ と ができ る。
か く して得られた感熱転写材用ニ軸延伸積層ポ リ エ ステルフ ィ ルムは、 用途に応じ たィ ン ク層を設ける こ と に よ り 各種感熱転写用 材料 、 例 え ば ワ ー ド プ ロ セ ッ サ一、 フ ァ ク シ ミ リ 、 ノ ソ コ ン用プ リ ン タ 一、 ビデオ用 プ リ ン タ 一 、 ノ、'一 コ ー ド 用 プ リ ン タ 一 、 タ イ プ ラ イ タ ー、 プ レー ンペーパーコ ピア等の文字あるいは画像の プ リ ン ト ァ ゥ ト に使用する こ と ができ る。
[特性の測定方法及び効果の評価方法 ]
本発明における特性の測定方法及び評価方法は次の通 り である。
( 1 ) 積層表面の突起形成性
積層表面を電子顕微鏡で 1 万倍以上の倍率で撮影 しそ
の写真に よ り 突起形状を定め、 細長い突起の長さ (長尺 方向) 、 幅 (短尺方向) を測定 し 、 その比を求める。 細 長い突起個数は単位面積当た り の個数を顕微鏡写真に よ り 求め、 l O O ni2当た り の突起個数に換算 し た。
(2) 中心線平均粗さ ( R a 1 )
J I S - B 0 6 0 1 一 1 9 7 6 に準 じ て測定 し た。 カ ッ ト オフ値は 0.25mmと した。
(3) 積層厚み
塗布層を設けた積層ポ リ エステル フ ィ ルムの断面を切 り 出 し 、 その 1 0万倍の電子顕微鏡観察写真よ り 実測 し た。 厚みは 1 視野内の最大厚み と最低厚みの平均 と し測 定点 3 0 個の平均値を積層厚み と し た。
(4) 静摩擦係数
ソ ー ダガ ラ ス (中心線平均粗さ 0.01 m 以下) と積層 面 と の静摩檫係数を A S T M — D 1 8 9 4 に準 じて東洋 精機製作所製 T R 型摩擦測定器を用 いて測定 し た。 な お、 2 5 、 6 0 % R hでの静摩擦係数を u s ! と し 、
1 0 0 " に 加熱 し た ソ ー ダ ガ ラ ス と の 静摩擦係数 を μ. s 2 と し 7こ。
(5) ホ ッ ト ステ ィ ッ ク性一 1 (感熱転写材用 と し ての評 価)
積層面 と は反対面の積層ポ リ エステルフ ィ ルムに下記 の熱溶融イ ン ク をホ ッ ト メ ル ト 法によ り 3 〜 4 w ni の厚 みに塗布 し 、 感熱転写材を作製 し た。
[熱溶融ィ ン ク組成 ]
カ ルナ ウ ノ' ワ ッ ク ス 1 0 0 重量部
マイ ク ロ ク リ スタ リ ン ワ ッ クス 3 0 重量部
酢酸ビニル · エチ レ ン共重合体 1 5 重量部
カ ーボ ンブラ ッ ク 2 0 重量部
評価はオー ト 二ク ス社製熱転写プ リ ン タ ー B C — 8 M Κ Π を用 レヽ、 へ 、 j、 ド抵抗 5 0 0 Ω のサーマルへ ッ ド で印 加電圧を変えてパルス幅 0.5msec で印字走行させた時に ステ ィ ッ クが起こ らない印加電圧 レベルで評価する。 す なわち、 印加電圧 8 V以上の場合、 耐ステ ィ ッ ク性が良 好 と し た。 ま た 8 V以上でも ステ ィ ッ クが発生する もの は [ X 〗 と し た。 なお、 被転写紙には普通紙を用 いた。 (6) ホ ッ ト ステ ィ ッ ク性一 2 (感熱転写材用 と し ての評 価)
積層面 と は反対面に下記組成の昇華性ィ ン ク を塗布、 乾燥させた後、 適宜の幅にス リ ッ 卜 して感熱転写材を作 製 し た。
[昇華性イ ン ク組成 ]
分散性染料 K S T - B - 1 3 6 4重量部
( 日 火薬 (株) 製)
ェチル ヒ ド ロ キ シェチルセルロ ース 6 重量部
メ チルェチ ルケ ト ン 4 5 重量部
ト ルエ ン 4 5 重量部
こ の感熱転写材を昇華型プ リ ン ター ( シ ャ ープカ ラ一 ビデオプ リ ン タ一 G Z — P 1 1 W ) にかけて通常の使用 条件で走行させ、 下記の基準で判定し た。
◎ : 全 く スティ ッ クが発生せず、 極めて走行性が良い 〇 : 走行性に問題な く 正常な印字ができ るがベタ 印字 部で若干のステ ィ ッ ク音が発生する
△ : 判読可能な レベル
X : ステ ィ ッ クの発生が著し く 判読が不可能
(7) へ ッ ド 汚染性、 摩耗性 (感熱転写材用 と し て の評 価)
上記 (5) において印加電圧 8 V 、 パルス幅 0.5msec の 条件で 3000 mの印字走行を行な っ た後、 サ一マルへ ッ ド を取 り 外 し 、 1 0 0 倍の光学顕微鏡でへ ッ ドの汚染状態 及び摩耗状態を観察 し た。
へ ッ ド部の汚染面積が 3 0 %未満を〇印で、 3 0 %以 上を X 印で示 し、 ま た、 3 0 %未満でもェチルアル コ ー ルでふき取 り 除去でき ないものは X 印で示 し た。 ま た、 サーマルへ ッ ドのキズの発生状態を観察 し全 く キズのな い も の を〇印で、 キズが認め ら れた も の を X 印で示 し た。
(8) イ ン キ ン グ性、 イ ン ク密着性 (感熱転写材用 と し て の評価)
積層膜面 と接する よ う に他のポ リ エステルフ ィ ルムを 重ね合わせ、 7 0 °Cで 0.5kg/cmz の荷重をかけて 2 4 時 間放置 し た。 次に 2 枚のフ ィ ルムを剥 し 、 他のポ リ エス テルフ ィ ルムが積層膜面と接触 していた面に上記 ( 5 ) の イ ン ク を塗布 し ハジキの程度を観察し た。 イ ン ク の塗布 はホ ッ ト メ ル 卜法で行ない、 塗布厚さ は 3 〜 4 m と し
2 た。
ハジキのないも のを〇印で、 若 でも ハ ジキが発生 し た も のを X 印で示 し た。 ま たイ ン ク層を 50g/cm2 の粘着 性を有する テープで剥離し た と きの剥離面積が 20 %未満 の場合を [〇 ] 、 2 0 %以上の場合を [ X ] と し た。
(9) 帯電防止性
超絶縁抵抗計 MODEL- VE- 40 (川口電機工業 (株) 製) を用 い、 Eilカ卩電圧 1 0 0 V 、 2 0 、 6 0 % R H におけ る表面比抵抗を測定し た。
[感熱孔版印刷原紙用 フ ィ ルム と しての評価 ]
(10)融解エネルギー [ Δ Η ια ( cal/g) ]
P E R K I N E L M E R 社製 D S C — 2 型 を 用 レ、 て、 フ ィ ルムの融解時の面積力ゝら求めた。
こ の面積は、 昇温する こ と に よ り ベース ラ イ ン か ら吸 3側にずれ、 さ らに昇温を続けてベース ラ イ ンの位置に 戻る ま での面積であ り 、 融解開始温度位置から終了位置 ま でを直線で結び、 こ の面積 ( a) を求めた。 同 じ D S C の条件でイ ン ジ ウ ムを測定し、 こ の面積 (b) を 6.8cal/g と し て次の式によ り 求めた。
a / b x 6.8 = Δ H u (cal/g)
(11)融解終了温度 と融解開始温度の差 [ Δ Τ πι ( °C ) ] (10) と 同一の D S C 一 2 型を用 いてベースラ イ ンの位 置か ら 吸取側 に ずれ始め る 温度 を融解開始温度 ( T t °C ) と し 、 ベースラ イ ン の位置に戻る温度を融解終了温 度 ( T 2 °C ) と し次式よ り 求めた。
T 2 - T i = Δ Τ m ( )
なお、 それぞれのベースラ イ ンの位置が判定 し.に く い も のは、 それぞれの ライ ンに接線を引 き 、 こ の線 と離れ 始める温度及び戻る温度で求める。
ま た 、 A H u = 0 c a l / gの時は Δ Τ πι は無限大 と す る。
( 1 2 )耐ステ ィ ッ ク性
積層 フ ィ ルム と ポ リ エステル紗を貼 り 合わせ、 積層膜 を設けた面がサーマルヘ ッ ド と接触する よ う に し てサ一 マルプ リ ン タ ーに よ る穿孔を行なっ た時のステ ィ ヅ ク レ ベル を下記の基準で判定 し 、 [〇 ] 以上の評価を耐ス テ ィ ッ ク性良好と し た。
◎ : 全 く ステ ィ ッ クが発生せず、 正常な穿孔ができ極 めて走行性が良い
〇 : 走行性に問題な く 正常な穿孔ができ るがべ夕 印刷 部で若干のステ ィ ッ クが発生する
△ : 走行するが正常な穿孔ができ ない
: 全 く 走行しない
( 1 3 )離型性
前記 ( 1 2 ) と 同様の貼 り 合わせ品の積層膜を設けた面 と 原稿 と を重ね合わせ赤外線閃光照射に よ り 穿孔を行なつ た後、 原稿を剥離し た時の剥離抵抗の レベルを下記の基 準で判定 し 、 [〇 ] 以上の評価を良好 と す る。
◎ : 全 く 抵抗な く 剥離でき る
〇 : 若千抵抗があるが穿孔部の精度をキープ し ている
Δ : 剥離でき るが穿孔部が変形 し原版 と して使用でき ない
X : 剥離でき ない若し く はフ ィ ルムある いは原稿が破 れる
(14)文字印刷性
J I S 第 1 水準の文字を文字サイ ズ 2. Omm 角の原稿 と し 、 上記 (12) と 同様に して作製した貼 り 合わせ品を " リ ソ グラ フ " 0 0 7 D 製版印刷機 (理想科学工業 (株) 製) を用 いて製版し 、 印刷 したものについて以下の評価 を行な っ た。
①文字の欠落の有無
②文字の太さ村の有無
① 、 ②の 点 で 明 ら か に 明 ら か に使 用 不可能 な も の を
[ X ] 、 全 く 問題ないものを [〇 ] 、 欠落、 太さ ム ラは あるが使用可能な ものを [△〗 で示 し た。
( 15 )ベタ 印刷性
①ベタ 印刷の鲜明 さの評価
1 〜 5 πιηι φ の眷 (丸で中が黒 く 塗 り 潰された も の) を 書いた原稿を用いて上記 (14) と 同様の製版、 印刷を行な い以下の評価を行な つ た。
①印刷物 と原稿 と のサイ ズの対応性
②印刷物の濃淡ム ラの有無
①、 ②の点で明 らかに使用不可能なものを [ X ] 、 全 く 問題ない ものを [〇 ] 、 問題はあるが使用可能な レベル にある ものを [△ ] で示した。
( 16 )感度の評価
鉛筆硬度 5 H、 4 H 、 3 H 、 2 H 、 H の 5 種類を用意 し 、 押'し っ け圧 1 5 0 g で文字を書い た も の を原稿 と し 、 この原稿を用 いてその文字が判読でき るか否かで評 価する。 5 H で書いた原稿が印刷できれば感度が最も良 く 、 H にな る に従っ て感度が低下している こ と を意味す る。
以下余白
[実施例 ]
実施例 に基づ いて本発明の実施態様を説明 す.る 。 な お 、 本発明の実施例 は こ れ ら に限定さ れる も の では な い。
実施例 1
粒径 0.5 〜し 5 m の析出粒子 (重合工程中に析出 し た粒子) 0.15重量%及び粒子径約 1.5 L m の炭酸カ ルシ ゥ ム粒子 0.2 重量%を含有する P E Tペ レ ツ 卜 (極限粘 度 0.63dl/g) を充分に真空乾燥 し た後、 押出機に供給 し た。 2 8 0 で溶融 し l O ix m カ ッ ト の金属焼結フ ィ ル タ ーで濾過 し た後、 T 字型口金 よ り フ ィ ルム状に押出 し 、 これを表面温度 3 0 での冷却 ド ラムに巻き付けて冷 却固化 し た。 この時、 フ ィ ルム と冷却 ド ラ ム表面 と の密 着性を向上させるためにフ ィ ルム側にワ イ ヤ電極を配置 して 6 K V の直流電圧を印加 し た。 得られた未延伸 P E T フ ィ ル ム を 9 5 °C に加熱 し て長手方向 に 3.5 倍延伸 し 、 一軸延伸フ ィ ルムを得た。 こ の一軸延伸フ ィ ルムの 片面に空気雰囲気中でコ ロ ナ放電処理を施し、 その処理 面にグラ ビア コ ー ト方式で下記の組成の水分散塗料を二 軸 延伸後 の塗布厚み が 0.04 u m と な る よ う に 塗布 し た。
[塗料組成 ]
(a) 植物性ワ ッ ク ス 1 0 0重量部
{水添ロ ジ ン · a )3 置換エチ レ ン ( α置換基 : カ ルボ キ シル、 /3 置換基 : メ チル) 付加物 } · ア ルキ ル (炭
素数 6 ) ポ リ (繰 り 返 し単位 : 5 ) ア ル コ ールのエス テ ル化合物
なお、 上記 (a ) 成分を水分散体 と するために非イ オ ン性 界面活性剤、 燐酸エ ステル (ブ ト キ シェチ ル化物) 、 ォ レ イ ン酸ア ン モニ ゥ ム 、 2 — ア ミ ノ ー 2 — メ チルプロ ノ ノ ー ルを各 1 重量部添加 し 、 水中で強撹拌 し、 さ ら に超 音波分散機で全固形分比率が 1 . 0 重量% の水分散体 と し た。
塗布 し た一軸延伸フ ィ ルムを ク リ ッ プで把持 し ながら テ ン タ ー内 に導き 、 1 1 0 °cの余熱工程で水分を乾燥さ せた後、 1 2 0 °Cに加熱しつつ幅方向に 4 . 5 倍延伸 し 、 続 いて 2 2 5 °C で 5 秒間熱処理を施 し 、 積層厚み 0 . 0 4 U m 、 積層表面の粗さ 0 . 08 n m 、 フ ィ ルム厚み 5 u m の 積層ポ リ エス テ ル フ ィ ルムを得た。 こ の フ ィ ルムの積層 膜表面には長さ方向 Z帳方向の比が 3 以上の微細な細長 い突起が 4 8 個 Z 1 0 0 m 2形成されていた。
こ の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱転写材 と し て評 価 し た結果を表 1 に示す。 こ の積層ポ リ エス テル フ ィ ル ムはイ ン キ ン グ時のは じ き がな く 、 密着性も良好であつ た。 ま た、 印字走行テス ト においてステ ィ ッ クが発生せ ず、 かつへ ッ ド の汚染、 へ ッ ド摩耗も なか っ た。
実施例 2
実施例 1 の塗料組成が植物性 ヮ ッ ク ス と 同量の酸化 ワ ッ ク スを加え、 全固形分比率を 1 . Q 重量% と し た以外 は実施例 1 と 同様に して水分散体を作製 し た。 こ の塗料
を用 いて実施例 1 と 同様に して積層ポ リ エステ ルフ ィ ル ムを作製 し た。 得られた積層フ ィ ルムの積層面の粗さ は
0.08 m 、 積層厚みは 0.04 iLt m であ り 、 長さ方向 /幅方 向 の比が 3 以上の微細な細長い突起が 7 5 個 / 1 0 0 m2形成されていた。
こ の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱転写材 と して評 価 し た結果を表 1 に示す。
比較例 1
厚み 5 m 、 中心線平均粗さ 0 · Q 8 m の二軸配向 P E T フ ィ ルムの片面に コ ロナ放電処理を施 し 、 その処理面 に実施例 1 の塗布液を塗布厚みが 0.04 m になる よ う に グラ ビア コ 一ターを用 いて塗布し、 1 3 0 °0で 1 分間乾 燥 して積層ポ リ エステルフ ィ ルムを作製 し た。
こ の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱転写材 と し て評 価 し た結果を表 1 に示す。 こ の積層フ ィ ルムの積層膜表 面には細長い突起が全 く 形成されてお らず、 ステ ィ ッ ク の発生が著 し く 、 耐ステ ィ ッ ク性に劣る ものであ っ た。 比較例 2 〜 3
実施例 1 の塗料組成をポ リ エーテル変性 シ リ コ ー ン (比較例 2 ) 、 フ ッ 素変性ア ク リ ル樹脂 (比較例 3 ) の 水溶液ある いは水分散液と し た以外は実施例 1 と 同様に し て積層ポ リ エステルフ ィ ルムを得た。
これ らの積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱転写材 と し て評価 し た結果を表 1 に示す。 これらの積層フ ィ ルムは イ ン クのは じ きが著 し く 、 イ ン ク密着性に も劣る も ので
あ っ た o
実施例 3
実施例 2 の塗料の固形分 1 0 0 重量部に対 し て下記の (c)、 (d)を添加 し た以外は同様に して積層ポ リ エステル フ ィ ルムを得た。
( c ) タ ー ビ ン油 5 重量部
(d) ポ リ エチ レ ン グ リ コ ール油 5 重量部 上記 (c (d)を加え実施例 2 と 同様に し て全固形分比 率が 1 重量%の水分散液を作製 し た。
得 られた積層フ ィ ルムの積層膜表面には長さ方向ノ幅 方向の比が 5 以上の突起が 1 0 3 個 Z ix m2形成されてお り 、 これを感熱転写材 と して評価 し た結果、 表 1 に示す よ う に極めて優れた印字走行性を示 し た。 特に高パルス 幅の昇華型プ リ ン タ ーでの走行性に優れていた。
比較例 4
実施例 2 の塗料に平均粒子径 0.5 u m の シ リ カ を固形 分比で 5 重量%添加 し 、 比較例 1 と 同様に して積層ボ リ エ ス テ ル フ ィ ルム を作製 した。
こ の積層膜表面は粒子に よ る突起 (長さ方向 Z幅方向 の比 1 〜 2 ) が 6 3 個 Z m2形成されて いた。 こ の積層 ポ リ エ ス テ ル フ ィ ルム を感熱転写材 と し て評価 し た結 果、 表 1 に示すよ う に、 突起が形成されている に も かか わ らず、 突起形状が太発明で規定する も の と は異な る た めにステ ィ ッ クが発生 し た。
実施例 4
実施例 3 と 同様の塗料組成物を塗布後、 塗膜を乾燥 し スチームに よ っ て加湿しながら延伸 した以外は実施例 1 と 同様に し て積層ポ リ エステルフ ィ ルムを作成 し た。
得 られた積層フ ィ ルムの積層膜表面には実施例 2 と 同 様に細長い突起が形成されていたが配列はラ ンダムであ り 、 交叉 し た も のや屈 曲 し た も のであ っ た。 こ の積層 フ ィ ルムは、 表 1 に示すよ う に、 極めて易滑性に優れて お り 感熱転写材と しての特性も良好であ っ た。
比較例 5 〜 6
実施例 1 の塗料の濃度を比較例 5 は 7 重量%に変え、 比鲛例 6 は 1 5重量%に変え、 さ らに積層厚みを表 1 に 示すよ う に変えた以外は実施例 1 と 同様に して積層ポ リ エステルフ ィ ルムを作製し た。
得られた積層フ ィ ルムの積層厚みが大き く なるに した がっ て積層膜表面の突起形成性が変わ り 、 突起個数や突 起形態が本発明の範囲から外れる ものは易滑性に劣 り 、 感熱転写材 と して評価 し た結果、 表 1 に示すよ う に、 ス テ ィ ッ クカ s発生し た。
実施例 5
固有粘度 0 . 6 の ポ リ エチ レ ン テ レ フ タ レ 一 ト ノイ ソ フ タ レ ー ト ( 8 5 / 1 5 モ ル% ) 共重合体に平均粒子径 0 . 1 の シ リ 力粒子を 2 重量%添加 し た固有粘度 0 . 6 のポ リ ェチ レ ン テ レ フ タ レー ト を溶融押出 し後の シ リ カ 粒子濃度が 0 . 2 5重量% と なる よ う にブレ ン ド し た。 これ
を充分に真空乾燥 し た後、 押出機に供給 し 、 2 9 0 °Cで T型口金よ り 溶融押出 し、 回転する 3 0 °Cの冷却 ロ ール に巻き付けて冷却固化せしめて未延伸フ ィ ルム を得た。 未延伸フ ィ ルムを 9 0 °Cに加熱し長手方向に 4 . 0 倍延伸 し て一軸延伸フ ィ ルム を得た。 こ の一軸延伸フ ィ ルムの 片面に空気雰囲気中でコ ロ ナ放電処理を施 し、 その処理 面にグラ ビア コー ト 法で実施例 2 と 同様の塗料を同 じ厚 みで塗布 し た。 塗布後のフ ィ ルムをク リ ッ プで把持 し な が ら 9 0 の熱風で加熱されたテ ン ターに導き 水分を乾 燥 し た後、 幅方向に 3 . 5 倍延伸 し た。 次に 1 6 0 °Cで熱 処理 し ベ一 ス フ イ ル ム厚さ 2 . 0 u m 、 積層膜厚み 0 . 0 4 IX m の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを得た。
得られた積層フ ィ ルムの積層膜表面には長さ方向ノ幅 方向の比が 3 以上の細長い突起が 8 2 個 Z ix m 2形成され ていた。 こ の非積層面 と ポ リ エステル紗を接着剤で貼 り あわせ感熱孔版印刷原紙と し ての評価を行な っ た。 結果 を表 2 に示す。
実施例 6
実施例 3 の塗料を用 いる以外は実施例 5 と 同様に して 積層ポ リ エステルフ ィ ルムを作製 し た。
こ の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱孔版印刷原紙と し て評価 し た結果を表 2 に示す。 得られた積層 フ ィ ルム は極めて優れた特性を示した。
比較例 7 〜 8
塗料組成を比較例 2 又は 3 と 同様にする以外は実施例
5 と 同様に し て積層ポ リ エステルフ ィ Jレ ム を得た。
得られた積層フ ィ ルムの積層膜表面には全 く 細長い突 起が形成されてお らず、 感熱孔版印刷原紙 と して評価 し た結果、 表 2 に示すよ う に、 シ リ コー ン塗布品 (比較例 7 ) は閃光照射に よ る離型性は良いも ののサーマ ル方式 ではステ ィ ッ クが発生した。 ま た、 フ ッ 素変性ア ク リ ル 樹脂 を 用 い た フ ィ ル ム ( 比較例 8 ) は離型性、 耐ス テ ィ ッ ク性、 印刷性共に不十分な ものであっ た。
比較例 9 〜 1 0
積層膜のない実施例 5 の二軸配向ポ リ エステルフ ィ ル ム (厚さ 2 μ πι ) を作製 し、 その片面に比較例 1 及び比 較例 4 と 同 様 に し て 積層 ポ リ エ ス テ ル フ ィ ル ム を得 た。
突起形成のない場合 (比較例 9 ) や突起形状が本発明 の範囲にない もの (比較例 1 0 ) は表 2 に示すよ う に感 熱孔版印刷原紙と しては不十分な ものであっ た。
こ れ ら の積層ポ リ エステルフ ィ ルムを感熱孔版印刷原 紙 と して評価 した結果を表 2 に示す。 得 られた積層 フ ィ ルムは突起がないもの (比較例 9 ) あるいは突起形状が 本発明の範囲にない もの (実施例 1 0 ) であ り 、 感熱孔 版印刷原紙用 と しては不十分な ものである。
産業上の利用可能性
上記の よ う に、 本発明の積層フ ィ ルム は、 感熱転写材 又は感熱孔版印刷原紙用等に用 いた場合に上記の優れた 効果を発揮するので、 感熱転写材又は感熱孔版印刷原紙
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ん刚編 Γ/JDd £ 6 /16 O/W
表 1 実施例 1 実施例 2 比較例 1 比較例 2 比較例 3 実施例 3 比較例 4 実施例 4 比較例 5 比較例 6 突起形成性 あり あり なし なし なし あり あり あり あり あり 長さ Z幅 3ぐ 3ぐ 5< 1〜2 5< 5< 5< 個数 (個 Z100 um" 48 75 0 0 0 103 63 138 1 2 4
H a 1 (urn ) 0.08 0.08 0.06 0.08 0.08 0.08 0.14 0.08 0.06 0.06 積層厚み ( m ) 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.15 0.32 静摩擦係数 usl 0.26 0.22 0.48 0.37 0.39 0.21 0.29 0.19 0.31 0,34 s2 0.23 0.18 0.72 0.58 0.77 0.18 0.41 0.1B 0.28 0.27 スティック性一 1 9 V 1 2 V X 8V X 1 3 V X 1 3 V X X スティ ック性— 2 Δ 〇 X X X © X ◎ X X へッド汚染 〇 〇 X 〇 X 〇 X 〇 X X へッド摩耗 〇 〇 〇 〇 〇 インキング 〇 〇 〇 X X 〇 〇 〇 〇 〇 インク密着性 〇 〇 〇 X X 〇 〇 〇 〇 〇
表 2 実施例 5 実施例 6 比較例 7 比較例 8 比較例 9 比較例 10
ΛΗ u (c a 1 /g) 7. 3 7. 3 7. 3 7. 3 7. 3 7. 3
△ Tm (。C) 68 68 68 68 68 68 突起形成性 あり あり なし なし なし あり 長さ z幅 3< 5< 1〜2 個数 (個 umz) 82 126 0 0 0 58 積層厚み (ym ) 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 附スティック性 〇 © X X X X 離隱 © ◎ ◎ Δ 〇 〇 文字印刷性 〇 〇 Δ X 〇 X ベ夕印刷性 〇 〇 Δ X Δ X 感度 511 5H 3 H H以下 4H H以下