JP3191435B2 - 感熱転写材用ポリエステルフイルム - Google Patents

感熱転写材用ポリエステルフイルム

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JP3191435B2 JP23702392A JP23702392A JP3191435B2 JP 3191435 B2 JP3191435 B2 JP 3191435B2 JP 23702392 A JP23702392 A JP 23702392A JP 23702392 A JP23702392 A JP 23702392A JP 3191435 B2 JP3191435 B2 JP 3191435B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱転写材用ポリエステ
ルフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオ−トメ−ションの発展
に伴い、各種の記録方式が開発されているが、その中で
印字の際に騒音が少なく、かつ操作が簡単な感熱記録方
式が注目されている。感熱記録方式ではサ−マルプリン
タ−などの熱記録装置を用い、記録紙と感熱転写材の感
熱インキ層とを接触させインキ層と反対側にある加熱ヘ
ッドからパルス信号によりフイルムを選択加熱する。こ
れによりフイルムを通じて加熱されたインキが溶融また
は昇華して記録紙に転写される。この感熱転写材として
は一般に熱効率を上げるため薄葉のプラスチックフイル
ムが用いられている。
【0003】しかしながら一般にプラスチックフイルム
を感熱転写材の基材フイルムとした場合にはフイルムが
サ−マルヘッドより与えられる熱量により一部サ−マル
ヘッドに融着するという現象が現われる。この現象はス
ティック現象と呼ばれ、この現象が起きると感熱転写材
がスム−スに走行しないばかりか、サ−マルヘッドを著
しく汚染し印字の鮮明さを損なうという問題が生じる。
このスティック現象を回避するためにプラスチックフイ
ルムのサ−マルヘッドと接触する面に各種の表面処理を
施すことが提案されている。例えばシリコ−ンやメラミ
ン、フェノ−ル、エポキシ、ポリイミドなどの耐熱保護
層を設けたもの(特開昭55−7467号公報)、滑性
の高い無機顔料と耐熱性の高い樹脂よりなるスティック
防止層を設けたものがある(特開昭56−155794
号公報)。また水溶性あるいは水分散性のシリコ−ンと
樹脂よりなる層を設けたもの(特開昭60−19262
8号公報)、水分散性フッ素系樹脂と水性高分子よりな
る層を設けたもの(特開昭60−192630号公
報)、ワックスそして/または常温で液状ないしペ−ス
ト状物質を塗布あるいは転写させたもの(特開昭59−
148697、特開昭60−56583号公報)があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら耐熱保護
層を設けたものはヘッドとの滑りが不足するため低パル
ス幅のプリンタ−やプラテン駆動型のプリンタ−では熱
転写リボンの走行性が悪く、印字斑や極端な場合には走
行がストップする欠点がある。また無機系顔料を添加し
たものはサ−マルヘッドとの摩擦によりヘッド寿命を低
下させたり表面が粗面化されているため熱伝導性が悪く
鮮明な印字が得られないという問題がある。シリコ−ン
樹脂やフッ素樹脂を積層したものはロ−ルに巻いたあと
インキを塗布する面へのこれらの樹脂の転写が起こりや
すくそれによるインキ塗布時のはじきやインキの密着性
不良などの問題が生じていた。ワックスなどをプラスチ
ックフイルムに塗布し乾燥した形で得られた積層フイル
ムはサ−マルヘッドとの潤滑作用には優れるもののプリ
ンタ−の固定シャフトなどとの滑りが悪く結果的にはス
ティックが発生するという欠点を有していた。特に近
年、感熱転写用プリンタは、印字速度がより高速化され
る方向にあり、これに対応できる感熱転写材の開発が望
まれている。
【0005】本発明の目的は上記欠点のないもの、すな
わちスティックが発生せず、ワ−ドプロセッサ−、ファ
クシミリ、バ−コ−ドプリンタ−のような低パルス幅領
域からビデオプリンタ−のような高パルス幅領域までの
広範囲の領域での走行性が良好であり、ヘッド摩耗やヘ
ッド汚染が極めて少なく、かつインキ塗布時のはじきが
なく、インキの密着性,印字の鮮明度に優れた感熱転写
材用基材フイルムとして好適な感熱転写材用ポリエステ
ルフイルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
フイルムの片面にインク層を設けて感熱転写材として使
用される感熱転写材用ポリエステルフイルムにおいて、
インク層が設けられる面の反対面に易滑層が設けられた
積層フイルムからなる感熱転写材用ポリエステルフィル
ムであって、該易滑層はポリウレタン樹脂で被覆された
フッ素系粒子を主たる構成成分とする突起形成皮膜であ
ることを特徴とする感熱転写材用ポリエステルフイルム
をその骨子とするものである。
【0007】本発明でいうポリエステルフイルムとはエ
ステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子フイルム
の総称であるが、特に感熱転写材用基材フイルムとして
好ましいのはポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレ
ン2、6−ナフタレ−ト、ポリエチレンα、β−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン4、4, −ジカルボキ
シレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−トなどのフイルム
であり、これらの中でも品質、経済性などを総合的に勘
案するとポリエチレンテレフタレ−トフイルムが最も好
ましい。そのため以後はポリエチレンテレフタレ−トフ
イルム(以下、ポリエチレンテレフタレ−トフイルムを
PETフイルムと略称する)をポリエステルフイルムの
代表例として記述を進める。
【0008】ここでポリエチレンテレフタレ−トとは8
0モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好まし
くは95モル%以上がエチレンテレフタレ−トを繰り返
し単位とするものであるが、この限定量範囲内で酸成分
およびグリコ−ル成分の一部を下記のような第3成分と
置き換えても良い。
【0009】−酸成分− イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4, −ジフェニルジカルボン酸、4,
4, −ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4, −ジ
フェニルエ−テルジカルボン酸、p−β−ヒドロキシエ
トキシ安息香酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ε−オキシカプロン酸、トリメリット酸、トリメ
シン酸、ピロメリット酸、α、β−ビスフェノキシエタ
ン−4,4, −ジカルボン酸、α、β−ビス(2−クロ
ルフェノキシ)エタン−4,4, −ジカルボン酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸など。
【0010】−グリコ−ル成分− プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ヘキサメ
チレングリコ−ル、デカメチレングリコ−ル、ネオペン
チレングリコ−ル、1,1−シクロヘキサンジメタノ−
ル、1,4−ソクロヘキサンジメタノ−ル、2,2−ビ
ス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、
ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホ
ン、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、
ペンタエリスリト−ル、トリメチロ−ルプロパン、ポリ
エチレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ルな
ど。
【0011】また、このPETの中に公知の添加剤、例
えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸
収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒
子、充填剤、帯電防止剤、核剤などを配合しても良い。
特に無機および/または有機の微粒子を添加し、二軸配
向後のPETフイルムにおける平均表面粗さが0.05
〜0.3μm、好ましくは0.06〜0.2μmとした
場合には本発明の走行性を更に向上することができる。
【0012】上記のPETの極限粘度(25℃のオルソ
クロロフェノ−ル中で測定)は0.40〜1.20dl
/g、好ましくは0.50〜0.80dl/g、更に好
ましくは0.5〜0.75dl/gの範囲にあるものが
本発明内容に好適なものである。
【0013】PETフイルムは機械的強度、寸法安定性
の点から二軸配向されたものが好ましい。二軸配向PE
Tフイルム(以下PET−BOと略称する)とは無延伸
状態のPETシ−トを長手方向および幅方向の、いわゆ
る2軸方向に各々2.5〜5.0倍程度延伸され更に熱
固定し結晶配向を完了させて作られるものであり、広角
X線回折で2軸配向パタ−ンを示すものをいう。PET
−BOの厚みは特に限定しないが感熱転写材用基材フイ
ルムとして用いる場合には0.5μm以上30μm以
下、好ましくは1μm以上10μm以下であるのが熱伝
達性、機械的強度の点から好ましい。
【0014】またこのPETフイルムの少なくとも片面
にPETよりガラス転移点の高いポリエステル樹脂を積
層し、延伸したものを用いた場合には印字エネルギ−に
よるフイルムのしわが発生しにくいため印字の鮮明度に
優れ特に好ましい。この積層はサ−マルヘッドが接触す
る側に設けるのが好ましい。このようなPETよりガラ
ス転移点の高いポリエステルの代表的なものとしてポリ
エチレン2,6ナフタレ−トを挙げることができる。
【0015】本発明においては上記ポリエステルフイル
ムの一方の面にポリウレタン樹脂で被覆されたフッ素系
粒子を主たる構成成分とする易滑層を設けることを特徴
とするが、ここで主たる構成成分とはポリウレタン樹脂
で被覆されたフッ素系粒子の構成比率が50重量%以
上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重
量%以上であることをいう。本発明でいうフッ素系粒子
とは公知の各種フッ素化合物の粒子であればいずれのも
のでも使用し得るが、耐熱性の点でポリテトラフルオロ
エチレンが特に好ましい。ポリウレタン樹脂で被覆され
たフッ素系粒子は、フッ素粒子表面にポリウレタン樹脂
を物理的、あるいは化学的に結合させた複合粒子を用い
るのが粒子の脱落を防止する点で好ましい。このような
複合粒子としてEMRALON345(日本アチソン
(株)製)などがある。フッ素系粒子の平均粒子径は3
0nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上2
00nm以下であるのが易滑性の付与、粒子の脱落防
止、熱伝導性の点で好ましい。
【0016】すなわち本発明は上記組成物を塗布するこ
とによりフッ素系粒子による突起を形成させポリウレタ
樹脂によって突起形成粒子を保持することにより、易
滑性を付与し、サ−マルヘッドとのスティッキングを防
止し、円滑な走行性を付与でき、インキング、サ−マル
ヘッドの汚染を防止するものである。突起の形成は2軸
延伸後のポリエステルフイルムに上記ポリウレタン樹脂
で被覆されたフッ素系粒子を溶媒に分散させた塗剤を塗
布、乾燥させることによっても得ることができるが、結
晶配向が完了する前のポリエステルフイルムに塗布乾燥
後、少なくとも1方向に延伸し、熱処理を施し結晶配向
を完了させる方法を用いた場合には積層塗膜の突起がよ
り形成されやすく基材ポリエステルフイルムとの密着性
にも優れるので特に好ましい。この方法を用いる場合に
は防爆性、環境汚染防止の点で水に溶解あるいは分散す
る塗液組成とするのが好ましい。
【0017】上記組成物中には本発明の効果を阻害しな
い範囲内で各種添加剤を併用することができる。例えば
帯電防止剤、耐熱剤、耐酸化防止剤、有機、無機の粒
子、顔料などが挙げられる。また塗料中には水への分散
性を向上したり、塗布性を向上させる目的で各種添加
剤、例えば分散助剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤など
を添加しても良い。
【0018】易滑層を設けた面の中心線平均表面粗さ
(Ra1)は0.03〜0.4μm、好ましくは0.05
〜0.2μmであるのが望ましく、易滑層の厚みは0.
01μm以上0.2μm以下、好ましくは0.02μm
以上0.15μm以であるのが突起形成性、易滑性、粒
子脱落防止の点で望ましい。また突起密度は5個/10
0μm2 以上有するのが易滑性の点で好ましく、平均突
起高さは0.05μm以上0.5μm以下であるのがス
ティック防止性、印字鮮明度の点で好ましい。
【0019】このような突起を形成した本発明の感熱転
写材用ポリエステルフイルムは極めて表面易滑性に優
れ、高速印字時、低速高パルス時の印字のいずれも走行
性が良好であるが、特にステンレス球との動摩擦指数が
25℃65%RHにおいて0.15以下、好ましくは
0.1以下の場合特に高速印字型のプリンタ−の走行性
が良好である。このような易滑性は易滑層の厚み、突起
個数によって変えることができる。すなわち易滑層の厚
みが薄すぎる場合や、突起形成が不十分な程に易滑層が
厚過ぎる場合には易滑性が不足する傾向になる。より好
ましい突起を形成させるには易滑層の厚みは0.01〜
0.1μmであるのが望ましい。
【0020】上記のような易滑層を得るには、結晶配向
前のポリエステルフイルムに塗布し、乾燥後あるいは乾
燥しつつ延伸、熱処理を施し、配向結晶化を完了させる
方法によるのが特に好ましい。すなわち結晶配向が完了
する前のポリエステルフイルムを長手方向に2.5〜
5.0倍延伸し、その後塗布する面にコロナ放電処理を
施し、各種の塗布装置、例えばロ−ルコ−タ−、グラビ
アコ−タ−、リバ−スコ−タ−、キスコ−タ−、バ−コ
−タ−などを用いて塗布し乾燥しつつ、あるいは乾燥
後、長手方向とは直角方向に2.5〜5.0倍の延伸を
行い、必要に応じて140〜240℃の熱処理を施す。
【0021】次に本発明の感熱転写材用ポリエステルフ
イルムの製造方法の具体例について説明するが必ずしも
これに限定されるものではない。
【0022】重合工程で析出した、いわゆる析出粒子と
無機粒子(例えば平均粒子径1μmのシリカ)を含有す
るPETを常法に従って乾燥後、溶融押出し、押出され
たシ−ト状溶融体を冷却固化せしめて未延伸PETフイ
ルムを作る。このフイルムを80〜120℃に加熱し
て、長手方向に2.0〜5.0倍延伸して一軸配向フイ
ルムとする。このフイルムの片面に空気雰囲気中でコロ
ナ放電処理を施し、この処理面に所定の濃度に希釈した
水分散塗液を塗布する。次いでこの塗布されたフイルム
をクリップで把持しつつ90〜140℃のゾ−ンで加
熱、乾燥し、幅方向に3〜5倍延伸する。引き続いて1
40〜240℃の熱処理ゾ−ン中へ導き1〜10秒間熱
処理を行う。この熱処理中に必要に応じて幅方向に3〜
12%の弛緩処理を施しても良い。かくして得られたフ
イルムを適宜の幅にスリットし、感熱転写材用二軸配向
積層ポリエステルフイルムとする。このフイルムを感熱
転写材として使用する場合には非塗布面側に熱溶融型あ
るいは熱昇華型のインクを塗布し、適宜希望の幅にスリ
ットすることによって得ることができる。
【0023】かくして得られた感熱転写材用二軸延伸積
層ポリエステルフイルムは用途に応じたインク層を設け
ることにより、各種感熱転写用材料、例えばワ−ドプロ
セッサ−、ファクシミリ、パソコン用プリンタ−、ビデ
オ用プリンタ−、バ−コ−ド用プリンタ−、タイプライ
タ−、プレ−ンペ−パ−コピアなどの文字あるいは画像
のプリントアウトに使用されるものであり特に高速印字
型のプリンタ−に好適である。
【0024】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明におけ
る特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりで
ある。
【0025】(1)易滑層面の突起形成性 易滑層面表面を電子顕微鏡で1万倍以上の倍率で撮影し
その写真のコントラストより突起形状を定め、、突起個
数は単位面積あたりの個数を写真より求め、(個/10
0μm2 )に換算した。
【0026】(2)中心線平均表面粗さ(Ra1 ) JIS−B0601−1976に準じて測定した。カッ
トオフ値は0.25mmとした。
【0027】(3)易滑層の厚み 易滑層を設けた二軸配向ポリエステルフイルムの断面を
切り出し10万倍の電子顕微鏡観察写真より実測した。
厚みは1視野内の最大厚みと最低厚みの平均とし、測定
点30個の平均値を易滑層の厚みとした。
【0028】(4)動摩擦指数 HEIDON−14DR−ANL装置(新東科学(株)
製)を用い、25℃65%RHの雰囲気下で直径10m
mのステンレス球との点接点における動摩擦指数を測定
した。測定は荷重200g,走行速度200mm/分で
行ない、4秒間測定したチャ−ト(2.0msec毎に
デ−タ記録)より測定開始1秒後から測定終了までの摩
擦抵抗の平均値を摩擦指数とした。
【0029】(5)ホットスティック性−1 易滑層面とは反対面の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムに下記の熱溶融インクをホットメルト法により3〜4
μm厚に塗布し、感熱転写材を作成した。 [熱溶融インク組成] ・カルナバワックス:100重量部 ・マイクロクリスタリンワックス:30重量部 ・酢酸ビニル・エチレン共重合体:15重量部 ・カ−ボンブラック:20重量部
【0030】評価はオ−トニクス社製熱転写プリンタ−
BC−8MKIIを用い、ヘッド抵抗500Ωのサ−マル
ヘッドで印加電圧を変えてパルス幅0.5msecで印
字走行させた時にスティックが起こらない印加電圧レベ
ルで評価し、印加電圧8V以上を耐ステイック性良好と
した。また8V未満でもスティックの起こるものは
[×]とした。なお、被転写紙には普通紙を用いた。
【0031】(6)ホットスティック性−2 易滑層面とは反対面に下記組成の昇華性インクを塗布、
乾燥せしめた後、適宜の幅にスリットして感熱転写材を
作った。 [昇華性インク組成] ・分散染料KST−B−136(日本火薬(株)製):
4重量部 ・エチルヒドロキシエチルセルロ−ス:6重量部 ・メチルエチルケトン:45重量部 ・トルエン:45重量部
【0032】この感熱転写材を昇華型プリンタ−(シャ
−プカラ−ビデオプリンタ−GZ−P11W)にかけて
通常の使用条件で走行させ、下記の基準で判定し(○)
以上を良好とした。 ◎:全くステイックせず、極めて走行性が良い。 ○:走行性に問題なく、正常な印字ができるがべた印字
部で若干のスティック音が発生する。 △:判読可能なレベル。 ×:スティックが著しく判読不可能なレベル。
【0033】(7)ホットスティック性−3 上記(5)で作成した感熱転写材を用い、高速感熱転写
プリンタ−(アンリツ(株)製KM705A)を用い1
20mm/秒の速度で印字した時のスティックの発生状
態を観察し、スティックが発生せず正常な印字ができる
ものを(○)、走行はするがスティック音が発生した
り、印字にユガミやずれが生じたものを(△)、スティ
ックによって走行不良となったものを(×)として評価
し、(○)以上を良好とした。
【0034】(8)ヘッド汚染性、摩耗性 上記(5)の条件で3000mの印字走行を行なった
後、サ−マルヘッドを取り外し、100倍の光学顕微鏡
でヘッドの汚染状態および摩耗状態を観察した。
【0035】ヘッド部の汚染面積が30%未満を
[○]、30%以上を[×]とし、かつ30%未満でも
エチルアルコ−ルで拭き取り除去できないものは[×]
とした。またサ−マルヘッドのキズの発生状態を観察し
全くキズのないものを[○],キズが認められたものを
[×]とした。
【0036】(9)インキング性、インク密着性 易滑層を設けた二軸配向ポリエステルフイルムの易滑層
面と接するように他のポリエステルフイルムを重ね合わ
せ、70℃で50kg/cm2 の荷重をかけ24時間放
置する。次に2枚のフイルムをはがし上記の他のポリエ
ステルフイルムが易滑層面と接触していた面に上記
(5)のインクを塗布しハジキの程度を観察した。イン
クの塗布はホットメルト法で行い、塗布厚は3〜4μm
とした。はじきのないものを[○],若干でもはじきの
発生したものを[×]とした。またインク層を20g/
cm2 の粘着性を有するテ−プで剥離した時の剥離面積
が20%未満の場合を[○],20%以上の場合を
[×]とした。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例に基ずいて説明するが必
ずしもこれに限定されるものではない。
【0038】実施例1 粒径0.5〜1.5μmの析出粒子(重合工程中に析出
した粒子)を0.15重量%、および平均粒子径1.5
μmの炭酸カルシウム粒子を0.2重量%含有するPE
Tペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空
加熱乾燥した後、押出機に供給して280℃で溶融し1
0μmカットの金属焼結フイルタ−で濾過した後、T字
型口金よりフイルム状に押出し、これを表面温度30℃
の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この間の
フイルムと冷却ドラム表面との密着性を向上させるため
フイルム側にワイヤ電極を配置して6KVの直流電圧を
印加した。かくして得られた未延伸PETフイルムを9
5℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、一軸延伸フ
イルムとした。このフイルムの片面に空気中でコロナ放
電処理を施し、その処理面にグラビアコ−ト方式で下記
組成の水分散塗料を二軸延伸後の塗布厚みが0.06μ
mになるように塗布した。
【0039】「塗料組成」 (a)ポリウレタン樹脂で被覆されたポリテトラフルオ
ロエチレン粒子の水分散体(EMRALON345(日
本アチソン(株)製))を固形分重量比で2.0重量%
になるように水で希釈した。
【0040】塗布された一軸延伸フイルムをクリップで
把持してテンタ−内に導き、110℃の余熱工程で水を
乾燥させた後、120℃に加熱しつつ幅方向に4.5倍
延伸し、続いて225℃で5秒間熱処理を施し、易滑層
の厚み0.06μm、易滑層表面の粗さ0.08μm、
フイルム厚み5μmの積層ポリエステルフイルムを得
た。このフイルムの積層皮膜(易滑層)表面には23個
/100μm2 の突起が形成されており、動摩擦指数は
0.065であった。この積層ポリエステルフイルムを
感熱転写材として評価した結果、いずれのプリンタ−に
おいてもスティックが発生せず、極めてスム−スに走行
し印字性も良好であった。またインキング時のはじきが
なく、密着性も良好であり、ヘッドの汚染、摩耗もなか
った。
【0041】比較例1 実施例1で塗布しない2軸配向ポリエステルフイルムを
用いて感熱転写材を作成したが、いずれのプリンタ−に
おいてもスティックが著しく全く走行しなかった。
【0042】比較例2 ポリテトラフルオロエチレンの水分散体の2重量%液を
作成し実施例1と同様にして積層ポリエステルフイルム
を作成した。この積層ポリエステルフイルムを用いた感
熱転写材はインキングでのはじきやプリンタ−走行時の
突起形成粒子の脱落が著しく、ヘッド汚染の問題が発生
した。
【0043】比較例3 ポリテトラフルオロエチレンの水分散体とポリウレタン
水分散体を固形分重量比で50/50に混合した2重量
%の水分散液を作成し、実施例1と同様にして積層ポリ
エステルフイルムを作成した。この積層ポリエステルフ
イルムを用いて感熱転写材を作成したところ、インキン
グ時のはじきが発生した。またプリンタ−走行時の粒子
の脱落が著しく、ヘッドを汚染した。
【0044】比較例4 厚さ5μm、表面粗さ0.08μmの2軸配向ポリエス
テルフイルムの片面に実施例1の塗液にポリウレタン樹
脂の水分散体を固形分重量比で50%添加し、塗剤濃度
を変えて乾燥後の厚みが5μmになるように塗布した。
塗布後130℃で5分間熱風乾燥し、積層ポリエステル
フイルムを作成した。この積層膜の表面には突起が認め
られなかった。この積層ポリエステルフイルムより作成
した感熱転写材はスティックが著しく走行性が不良であ
った。
【0045】
【発明の効果】本発明はポリエステルフイルムの一方の
面にポリウレタン樹脂で被覆されたフッ素系粒子を主た
る構成成分とする突起形成皮膜を積層した、感熱転写材
として好適な積層ポリエステルフイルムであって、耐ス
ティツク性が良好で極めて走行性に優れ、インキングや
ヘッド汚染の問題がなく、高速プリンタに対しても全く
スティックの問題のない感熱転写材とすることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの片面にインク層
    を設けて感熱転写材として使用される感熱転写材用ポリ
    エステルフイルムにおいて、インク層が設けられる面の
    反対面に易滑層が設けられた積層フイルムからなる感熱
    転写材用ポリエステルフィルムであって、該易滑層は
    リウレタン樹脂で被覆されたフッ素系粒子を主たる構成
    成分とする突起形成皮膜であることを特徴とする感熱転
    写材用ポリエステルフイルム。
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