JP2946512B2 - 感熱転写箔用フィルム - Google Patents

感熱転写箔用フィルム

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JP2946512B2 JP63278271A JP27827188A JP2946512B2 JP 2946512 B2 JP2946512 B2 JP 2946512B2 JP 63278271 A JP63278271 A JP 63278271A JP 27827188 A JP27827188 A JP 27827188A JP 2946512 B2 JP2946512 B2 JP 2946512B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、感熱転写箔用フィルムに関するものであ
る。詳しくは、感熱転写箔とした際、印字を円滑ならし
めるための感熱転写箔用フィルムに関するものである。
[従来の技術] 近年、オフィスオートメーション化及びファクトリー
オートメーション化で、情報出力機器としてのプリンタ
ーの発展にはめざましいものがある。このプリンターに
は、電子写真、インキジェット、ワイヤードット、感熱
転写記録など様々な方式が検討されているが、感熱転写
記録は、機構の簡便性、保守の容易性、装置や消耗品が
安価である事などの長所があり、他方式と比較して優れ
ている。この方式では、記録紙と感熱転写泊の感熱イン
キ層とを接触させ、インキ層と反対側にある加熱ヘッド
からパルス信号によりフィルムを選択加熱する。その
時、加熱ヘッドによりフィルムが加熱され、更に熱はフ
ィルム中を伝導しインキ層が昇温し、溶融または昇華し
て、記録紙に転写が行われる。しかし、記録のスピード
をあげるには、加熱ヘッドへの入力電力を大きくし、加
熱ヘッドの温度をより高くする必要がある。本来、ベー
スフィルムの融点未満、感熱インキ層の融点以上に調整
が必要であるが、上記の場合、加熱ヘッドの温度が、ベ
ースフィルムの融点以上になり、加熱ヘッドにベースフ
ィルムが融着し、感熱転写箔の送りが妨げられ、印字不
良を起こす。この現象はホットスティックといわれてい
る。
感熱転写箔のホットスティックを防止するには、ベー
スフィルムのインキ層と反対面(加熱ヘッド接触面)に
易滑性、離型性を有する保護層を設けることが知られて
いる。易滑性、離型性を付与したフィルムとしては、フ
ィルムの片面に水性高分子と潤滑剤との混合物を塗布し
たもの(特開昭60−19268号公報)などが知られてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前述した易滑性、離型性を付与したフィルム
は、塗布層中に潤滑剤を添加する事により以下の問題を
引き起こしていた。
(1) 保護層として、水性高分子に潤滑剤を添加して
いるが、潤滑剤の添加により、塗布層が軟かくなり、水
性高分子本来のもつ耐摩耗性が悪くなる。ホットスティ
ック防止層の耐摩耗性が悪ければ、感熱転写箔が加熱ヘ
ッド上を走行中に、ホットスティック防止層が削れて加
熱ヘッドに付着し、印字悪化などのトラブルを引き起こ
す。即ち、加熱ヘッドから供給される熱が感熱転写箔に
伝わり、表面のインキ層が記録紙上に転写されて画像や
文字が記録されるというのが感熱転写の原理であるが、
感熱ヘッド表面に付着した削れ物により、感熱転写箔へ
の伝熱が妨げられ、本来、インキが転写されるべき箇所
に、インキが転写されないとか、インキが薄い部分が発
生する。また、加熱ヘッドに付着したホットスティック
防止層の削れ物の熱分解物により、加熱ヘッドが腐蝕、
破損するなどの問題が発生する。
(2) 保護層として、水性高分子と潤滑剤の混合物を
塗布しているので、潤滑剤が脱落し易い。潤滑剤が脱落
し易ければ、フィルムをロール状に巻いた場合、保護層
の潤滑剤が脱落し、保護層と接触している面(保護層の
反対面)に潤滑剤が移行する。これを背面転写という。
感熱転写箔は、保護層の反対面に、インキを塗布する
が、背面転写した面は、インキを塗布した場合、インキ
のハジキ、ムラ、密着力不足などの問題を引き起こす。
更に、感熱転写箔とした場合でも、ロール状に巻いた時
に背面転写が起こり、インキ層表面に移行した潤滑剤に
よって、本来、インキが転写されるべき箇所にインキが
転写されないとか、インキが薄い部分が発生するなどの
印字トラブルとなる。
本発明は、これら従来技術の欠点を解消せしめ、ホッ
トスティック防止性に優れ、しかも耐摩耗性に優れ、背
面転写のない感熱転写箔用フィルムを提供するものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、プラスチックフィルム及びその片面に設け
られた樹脂層からなるフィルムであって、該樹脂層が潤
滑剤(帯電防止剤を除く)を含有するマイクロカプセル
を有し、かつ、該樹脂層に対するマイクロカプセルの含
有量は、1〜90重量%であることを特徴とする感熱転写
箔用フィルムを骨子とするものである。
本発明でいうプラスチックフィルムとは、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエー
テルイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルサルファイド、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリプロピレン、トリアセテート、セロフ
ァンなどのプラスチックのフィルムを使用する事ができ
る。これらのうち、2軸配向のポリエステルフィルムが
好ましい。
ここでいうポリエステルフィルムとは、エステル結合
を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であるが、特
に好ましいポリエステルとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリエチ
レンα,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン4,
4′−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレー
トなどであり、これらの中でも、製膜段階または製膜後
にフィルムの上にコーティングを実施する場合に要求さ
れる耐溶剤性、寸法安定性や使用時の耐熱性、機械的性
質、寸法安定性などの品質、経済性などを総合的に勘案
すると、ポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。
そのため、以後は、ポリエチレンテレフタレートをポリ
エステルの代表として記述を進める。
本発明でいうポリエチレンテレフタレート(以後PET
と略称する。)とは、80モル%以上、好ましくは90モル
%以上、更に好ましくは95モル%以上がエチレンテレフ
タレートを繰り返し単位とするものであるが、この限定
量範囲内で、酸成分および/またはグリコール成分の一
部を下記のような第3成分と置きかえてもよい。
−酸成分− イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテル
ジカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ε−オキシ
カプロン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリ
ット酸、α,β−ビスフェノキシエタン−4,4′−ジカ
ルボン酸、α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタ
ン−4,4′−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸 −グリコール成分− プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペ
ンチレングリコール、1,1−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4
−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリ
スリトール、トリメチロールプロパン、ポリエチレング
リコールなど。
また、このPETの中に公知の添加剤、例えば、耐酸化
安定剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機
の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填
剤、離型剤、帯電防止剤、核剤などを配合してもよい。
上記に述べたようなPETの極限粘度(25℃のオルソクロ
ロフェノール中で測定)は、0.40〜1.20、好ましくは0.
50〜0.80、さらに好ましくは0.55〜0.75dl/gの範囲にあ
るものが本発明内容に適したものである。
次に、通常2軸配向ポリエステルフィルムとは、無延
伸状態のポリエステルシートまたはフィルムを、長手方
向および幅方向の、いわゆる2軸方向に各々2.5〜5倍
程度延伸されて作られるものであり、広角X線回析で2
軸配向のパターンを示すものをいう。
プラスチックフィルムの厚さは特に限定されないが、
1〜30μmが好ましい。より好ましくは、2〜15μmで
ある。
本発明でいう潤滑剤とは、パラフィン、ワックス、オ
ルガノポリシロキサン等や有機カルボン酸およびその誘
導体、高級脂肪族アルコール等があげられる。これらの
化合物は、通常潤滑剤、ワックスとして市販されている
もので、その境界は必ずしも明確なものではない。これ
らの化合物に反応性を有する官能基を導入してもよい。
ワックスとしては、各種の合成ワックス、天然ワック
スを使用する事ができる。
オルガノポリシロキサンとしては、シリコーンオイル
及び各種官能基を導入した変性シリコーンオイルを挙げ
る事ができる。オルガノポリシロキサンの代表例は下記
一般式(イ)〜(ハ)で示される。
[ただしX、Y、Zは1〜5000の整数、Rは炭素数1〜
100のアルキル基あるいは水酸基、R′は炭素数1〜10
のアルキレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基、
エーテル基から選ばれたもの、R″は水素、炭素数1〜
100のアルキル基、エポキシ基、アミノ基、カレボキシ
ル基、フェニル基、水酸基、メルカプト基、ポリオキシ
レンアルキル基、ハロゲンを含有するアルキル基より選
ばれたもの、Rは炭素数1〜100のアルキル基、ポリ
オキシレンアルキル基、水酸基、ハロゲンを含有するア
ルキル基より選ばれたものを示す。]。具体例としては
ジメチルポリシロキサンオイル、アミノ変性シリコーン
オイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポ
リエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シ
リコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、
アルコール変性シリコーンオイル、アルキルおよびアル
キル・アラルキル変性シリコーンオイル、アルキル・ア
ラルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フッ素
変性シリコーンオイル、アルキル・高級アルコールエス
テル変性シリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリ
シロキサンオイル、フェニルメチルシリコーンおよびこ
れらのエマルジョン化したものを例示することができ
る。本発明に特に好ましいものは、ジメチルポリキロキ
サンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ
・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変
性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルおよ
びこれらのエマルジョンである。またこれらの2種以上
を任意の比率で混合併用してもよい。さらには上記シリ
コーンオイルの反応性基と反応する各種の架橋剤を併用
すると特に好ましい。
本用途に好適なオルガノポリシロキサンは25℃で測定
した粘度が、100センチストークス(以下センチストー
クスをC・Sと略称する)以上500万C・S以下のも
の、好ましくは2000C・S以上300万C・S以下のものが
好適である。
有機カルボン酸およびその誘導体としては、高級脂肪
酸、芳香族カルボン酸、高級脂肪酸のエステルまたはア
ミド、芳香族脂肪酸のエステルまたはアミドなどがあげ
られる。
高級脂肪酸の例としては、カプリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ペヘン
酸、モンタン酸、n−ヘキサテトラコサン酸等があげら
れる。高級脂肪酸の誘導体としては、エチレンビスステ
アリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、N,
N′−ビスステアリルテレフタルアミドなどがあげられ
るが、これらに限定されるものではない。
高級脂肪族アルコールとしてはラウリルアルコール、
ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリル
アルコール、ベヘニルアルコールなどがあげられるがこ
れらに限定されるものではない。
上記油滑剤のうち、オルガノポリシロキサンが好まし
い。
本発明でいうマイクロカプセルとは、従来から公知の
コアセルベーション、界面重合法、in−situ法等のいず
れかの方法で得られたマイクロカプセルを適宜選択でき
る。その壁膜材料としては、コラーゲン、ゼラチン、ヘ
モグロビン、フィブリノーゲン、カゼイン、ポリアミノ
酸等のたんぱく質や、寒天、アルギン酸ソーダ、コンニ
ャクマンナン、アラビアゴム、カラゲナン、デキストラ
ン硫酸塩等の植物ガムや、ニトロセルロース、エチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセル
ロース、CAP、CABP等のセルロースがある。縮合系ポリ
マーとしては、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリカーボネート、ホルマリンナフタ
レンスルホン酸縮合物、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、
シリコーンなどがある。コポリマーとしては、エチレ
ン、ビニルメチルエーテルなどの無水マレイン酸系共重
合体、アクリル酸、メタクリル酸系の共重合体等があ
る。
ホモポリマーとしては、ポリ塩化ビニル、サラン、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポ
リアクリルアマイド、ポリビニルベンゼンスルホン酸、
ポリビニルアルコール、合成ゴムなどがある。硬化型ポ
リマーとしては、エポキシ樹脂、ニトロパラフィン、ポ
リスチレンのニトロ化体などがある。ろう物質として
は、ワックス、パラフィン、ロジン、シェラック、トリ
ステアリン、モノグリセライド、密ろう、木ろう、油
脂、硬化油などがある。無機物としては、硫酸カルシウ
ム、グラファイト、シリケート、アルミ、アルミナ、
銅、銀、ガラス、合金、粘度などがある。有機物として
は、糖、でん粉などがある。これら壁膜材料は潤滑剤の
性質に応じて適宜選択できる。マイクロカプセルの空隙
容量は、全容積に対し1〜95%、好ましくは、3〜90%
の範囲が、外力による変形、破壊などの力学的特性の点
で優れている。更に、マイクロカプセルの壁厚さは、均
一であるものが望ましい。マイクロカプセルの平均粒径
は、好ましくは0.01〜2.0μm、より好ましくは0.02〜
1.0μmの範囲である。粒径が小さすぎると、粒子の凝
集性が高まるため、粗大異物を発生しやすくなる。一
方、粒径が大きすぎると、該プラスチックフィルムの表
面が粗れて、印字性を悪化させる。
本発明でいう樹脂層とは、ポリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリ
アミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、
ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリフロロプレン、フ
ェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ、架橋性シリ
コーン樹脂やニカワ、カゼインなどの天然高分子、ポリ
エチレングリコール、ポリビニルアルコール、メチルセ
ルロースおよびその他のセルロース誘導体、尿素樹脂、
メラミン樹脂、ポリエステルエーテルなど、および、以
上の共重合体、および、それらの混合物が使用できる。
本発明において樹脂層に対するマイクロカプセルの含
有量は、1〜90重量%である。含有量が1重量%未満で
は、ホットスティック防止性が得られず、90重量%を越
えるとマイクロカプセルの密着性が低下し、マイクロカ
プセルの脱落が起こりやすい。なお、本発明者らの知見
によれば、含有量は、5〜80重量%とすることが好まし
い。
本発明において樹脂層、即ち、潤滑剤を含有するマイ
クロカプセルと樹脂からなる層を形成するには、複合押
出し、コーティングなどがある。プラスチックフィルム
上への形成は、2軸延伸後でも延伸前でもよい。プロセ
スの容易さから、コーティングが好ましい。塗布する方
法は、周知のロッドコーター、グラビアコーター、各種
ロールコーター、ナイフコーターなどによる方法を用い
る事ができる。上記の層の厚さは、0.01〜3μm、好ま
しくは、0.02〜2μmの範囲にある事が望ましい。厚さ
が薄すぎると、耐摩耗性、ホットスティック防止性に劣
り、ある程度の厚さがあれば、それ以上の厚さは必要と
しない。
本発明において、樹脂層、即ち潤滑剤を含有するマイ
クロカプセルと樹脂からなる層に、帯電防止剤、塗布性
向上のために界面活性剤などを添加してもよい。
次に、本発明の製造方法について説明する。まず、常
法によって重合されたポリエステルのペレットを十分乾
燥した後、公知の押出機、好ましくは圧縮比3.8以上の
溶融押出機に供給し、ペレットが溶融する温度以上、ポ
リマが分解する温度以下の温度でスリット状のダイから
シート状に溶融押出し、冷却固化せしめて未延伸シート
を作る。この際、未延伸シートの固有粘度はフィルム特
性から0.5以上であることが望ましい。次に、該未延伸
シート或いは該未延伸シートを70〜120℃で2.0〜5.0倍
延伸したフィルム上に、前記組成物を所定量に調整した
塗剤を塗布し、塗膜を乾燥させて所定の塗布層を設けた
後70〜150℃で、未延伸フィルムを用いる場合は、縦方
向に2.0〜5.0倍、横方向に2.0〜5.0倍同時延伸を、又一
軸延伸フィルムを用いる場合は2.0〜5.0倍横延伸する。
又、二軸配向したフィルムを100〜180℃で少なくとも一
方向に1.1〜3.0倍延伸してもよい。さらに、二軸配向フ
ィルムは必要に応じて150〜240℃で0〜10%弛緩を与え
つつ1〜60秒熱処理する。
塗布方法は、特に限定されず押出ラミネート法、メル
トコーティング法を用いてもよいが、高速で薄膜コート
することが可能であるという理由から水溶化又は水分散
化させた塗剤のグラビヤコート法、リバースコート法、
キッスコート法、ダイコート法、メタリングバーコート
法など公知の方法を適用するのが好適である。この際、
フィルム上には塗布する前に必要に応じて空気中あるい
はその他種々の雰囲気中でのコロナ放電処理など公知の
表面処理を施すことによって、塗布性が良化するのみな
らず塗布層をより強固にフィルム表面上に形成できる。
尚、塗剤濃度、塗膜乾燥条件は特に限定されるものでは
ないが、塗膜乾燥条件はポリエステルフィルムの諸特性
に悪影響を及ぼさない範囲で行なうのが望ましい。
[特性の測定方法および効果の評価方法] 本発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は
次のとおりである。
(1) 平均表面粗さ(Ra) JIS−B0601−1976に準じて測定した。カットオフ値
は、0.25mmとした。
(2) 耐摩耗性の評価 シャープ(株)製ビデオプリンターGZ−P11でプリン
トさせ、加熱ヘッドに付着した削れの状態を顕微鏡で10
0倍に拡大し観察した。判定基準は、以下の通りとし
た。
削れなし:良好 削れあり:不良 (3) 潤滑剤の移行の評価 感熱転写箔用フィルムをホットスティック防止層とホ
ットスティック防止層の反対面を重ね合わせ、0.5kgm/c
m2の圧力で50℃に保って、20時間放置後、2枚のフィル
ムを剥離し、ホットスティック防止層と接触していた反
対面側のフィルム表面をマジックインキ細書き用黒で塗
ってハジキがあるか、観察した。判定基準は以下の通
り。
ハジキなし:良好 ハジキあり:不良 [実施例] 実施例1 粒径0.5〜1.5μmの析出粒子(重合工程中に析出した
粒子)を0.15重量%および粒径約1.5μmの炭酸カルシ
ウム粒子を0.2重量%含有するPETペレット(極限粘度0.
63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給して、
280℃で溶融押出し、10μmカットの金属焼結フィルタ
ーで過した後、T字型口金からシート状に押出し、こ
れを表面温度50℃の冷却ドラムに巻きつけて冷却固化せ
しめた。この間のシートと冷却ドラム表面との密着性を
向上させるため、シート側にワイヤー電極を配置して、
これに6000Vの直流電圧を印加した。かくして得られた
未延伸PETフィルムを、95℃に加熱して、長手方向に3.5
倍延伸して、1軸延伸フィルムとした。このフィルムの
片面を、炭酸ガス雰囲気中でコロナ放電処理し、その処
理された表面上にロッドコート方式で、表1の水系塗料
を塗布した。この片面塗布された1軸延伸フィルムを、
98℃で予熱し、次いで、105℃に加熱しつつ幅方向に3.9
倍延伸した。次いで、このフィルムを225℃の熱風中に
導き入れ、1秒間、緊張熱固定した後、同じ温度雰囲気
内で幅方向に元のフィルム幅の8%収縮を許容し、次い
で、再度、同じ温度雰囲気内で、約1秒間緊張熱固定
し、次に、180℃、150℃、100℃の各ゾーンを通して徐
々に冷却していき、最終的に室温まで冷却し、これを巻
取機に導いて、巻き上げてミルロールとした。次に、こ
のミルロールをスリッターにかけて、フィルム幅600mm
にスリットしてフィルム製品ロールとした。かくして得
られた厚さ6μmのフィルムは、片面に約0.1μmの塗
布層が塗布されており、両表面の平均粗さは、塗布面
(塗布層を含めて測定)が0.10μm、非塗布面が0.12μ
mであった。このフィルムの非塗布面に、下記組成の熱
昇華性インキを色材層として乾燥塗布量1g/m2になるよ
うに塗布し、乾燥せしめた後、適宜の幅にスリットし
て、感熱転写箔を作った。
分散染料KST−B−136 :4重量部 (日本化薬製) エチルヒドロキシエチルセルロース:6重量部 メチルエチルケトン :45重量部 トルエン :45重量部 この感熱転写箔をシャープ(株)ビデオプリンターGZ
−P11にかけ、カラープリントで印画紙5枚分をプリン
トさせ加熱ヘッドに付着した削れ物を観察した。加熱ヘ
ッド表面には、付着物は全くなく良好であった。
また、潤滑剤の移行も、マジックインキにハジキがな
く、良好であった。
比較例1,比較例2 表2に示す塗料に変更する以外は、実施例1と全く同
様にしてフィルムを得た。このフィルムを実施例1と全
く同様にインキング後、ビデオプリンターにかけ、加熱
ヘッドを観察した。加熱ヘッド表面に削れ物が観察され
不良であった。潤滑剤の移行テストも、マジックインキ
にハジキが観察され不良であった。
[発明の効果] 潤滑剤をマイクロカプセル中に含有させる事により、
樹脂本来の耐摩耗性を有し、かつ、本願発明は、プラス
チックフィルム及びその片面に設けられた樹脂層からな
るフィルムであって、該樹脂層が潤滑剤を含有するマイ
クロカプセルを有し、かつ、該樹脂層に対するマイクロ
カプセルの含有量を1〜90重量%という特定範囲にした
ので、ホットスティックを充分に防止し、マイクロカプ
セルの密着性が高くしたがって樹脂本来の耐磨耗性を有
し、かつ、潤滑剤の脱落を防止する。また、印字時に加
熱ヘッドによる熱で、マイクロカプセルが破壊し、瞬時
に内包されている潤滑剤が飛び出し、ホットスティック
を防止する感熱転写箔用フィルムを得る事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム及びその片面に設け
    られた樹脂層からなるフィルムであって、該樹脂層が潤
    滑剤(帯電防止剤を除く)を含有するマイクロカプセル
    を有し、かつ、該樹脂層に対するマイクロカプセルの含
    有量は、1〜90重量%であることを特徴とする感熱転写
    箔用フィルム。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61217286A (ja) * 1985-03-25 1986-09-26 Fuji Xerox Co Ltd 熱記録媒体
JPH02121885A (ja) * 1988-11-01 1990-05-09 Dainippon Printing Co Ltd 感熱転写記録材料並びに記録方法及び感熱転写記録装置

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JPH02122986A (ja) 1990-05-10

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