JP3413544B2 - 表面処理プラスチックフィルム - Google Patents

表面処理プラスチックフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種ラベルや配送
伝票、プリンター用記録紙等として有用なプラスチック
フィルムに関し、殊に水性ペンやスタンプインキ、印鑑
用朱肉等に多用されている水系及び/又はアルコール系
インキに対する選択吸収性と拡散防止性に優れ、筆記性
と印刷性と印鑑受理性が飛躍的に改善されたプラスチッ
クフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムは、天然紙に比べ
て耐水性、吸湿寸法安定性、平面平滑性、印刷物の光沢
性や鮮明性に加えて、機械的強度等にも優れていること
から、天然紙に代わる合成紙として、例えば包装用紙、
ラベル、地図、ポスター、名刺、配送伝票、各種プリン
ター用記録紙等の分野でも広く利用される様になってい
る。
【0003】ところが通常のプラスチックフィルムは、
表面が平滑で、水系あるいはアルコール系インキに対す
る吸収性が殆どないので、鉛筆、ボールペン、水性ペン
等による筆記性が悪く、またスタンプインキや印鑑用朱
肉等が吸収され難いことから、インキ等の乾燥性が悪
く、インキ等のこすれ汚れ、あるいはインキ等のにじみ
が生じて判読できなくなるといった難点が指摘されてい
る。
【0004】本発明は、上記の様な事情に着目してなさ
れたものであって、その目的は、プラスチックフィルム
の表層部における水系および/又はアルコール系インキ
に対する吸収性を改善し、水性ペン等による筆記性、ス
タンプインキや朱肉等の受容性を高め、一般ラベル、バ
ーコードラベル、配送伝票、各種プリンター用紙、情報
記録用紙等の天然紙に代わる合成紙として支障なく利用
することのできるプラスチックフィルムを提供しようと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する事の
できた本発明に係る表面処理プラスチックフィルムの構
成はプラスチックフィルムの少なくとも片面に、下記方
法によって求められる水系及び/又はアルコール系イン
キに対するインキ引き指数が5以下である表面被覆層を
形成し、殊に筆記性と印刷性と印鑑受理性を改善したと
ころに要旨を有するものである。
【0006】ここでインキ引き指数とは後述の〔002
9〕で説明した様に印捺後のフィルムでの摩擦によるイ
ンキが引きのばされる長さを言う。上記本発明において
は、表面被覆層として、有機および/又は無機の表面処
理が施された不活性無機粒子と、水性樹脂および合成高
分子系ワックスを必須成分として含むものとすることに
よって、その性能を一段と優れたものとすることがで
き、またベースフィルムとなるプラスチックフィルムと
しては、ポリエステル系フィルムが好ましく、とりわ
け、少なくとも1軸方向に延伸された内部に多数の微細
空隙が形成され、見掛け比重が0.8〜1.3であるも
のが最適である。またこの表面処理プラスチックフィル
ムは、合成紙等としての適性を高める意味から、光線透
過率が30%以下であるものが特に好ましい。
【0007】本発明の表面処理プラスチックフィルム
は、プラスチックフィルムにおける少なくとも片面に水
系および/又はアルコール系インキに対するインキ引き
指数が5以下の表面処理を施してなり、インキ乾き性を
大幅に改善したところに特徴を有している。
【0008】こうしたインキ引き指数を満たすには、最
外層が有機および/または無機表面処理を施した不活性
無機粒子と、水溶性および/または水分散性樹脂および
合成高分子ワックスを必須成分として含む表面被覆層を
形成することによって達成できる。更に詳しくは以下に
述べる。
【0009】本発明で使用される不活性無機粒子の種類
としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、タルク、ゼオライト、カオリン、アルミナ、
酸化チタン、酸化亜鉛等の粒子が例示されるが、これら
の中でも特に好ましいのは合成シリカ粒子である。これ
ら無機粒子の粒子径は、平均粒子系が1.0〜12μm
の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは2.0〜
8.0μmの範囲である。これら不活性無機粒子の粒子
径が小さすぎるとインキの吸収性が十分ではなく目的の
インキ引き指数が達成されない、また大きすぎると塗膜
の耐擦過性が低下すると同時に印刷性が悪化するので好
ましくない。これらの不活性無機粒子は単独で使用し得
るほか、2種以上を組み合わせて使用してもよく、また
粒子径の異なる粒子を2種以上併用することが可能であ
り、特定の組合せを用いる事によって優れた効果が得ら
れる場合がある。
【0010】本発明において、上記不活性無機粒子表面
に施される有機および/又は無機表面処理とは、粒子表
面を部分的に疎水化することにより、水系および/又は
アルコール系インキの拡散を制御するために行われるも
のであり、有機系表面処理剤としては、例えば各種カッ
プリング剤、高級アルコールによるエステル化、飽和炭
化水素や樹脂等のグラフト重合などが挙げられる。また
無機系表面処理法としては、無機系カップリング剤の
他、金属アルコキシドや金属イオンによる表面反応やイ
オン交換方法等が例示されるが、中でも特に好ましいの
はマグネシウム系表面処理剤を使用する方法である。
【0011】これらを用いた表面処理法としては、スプ
レーコート法等の表面コート法あるいは粒子を処理液中
に浸して表面付着させる方法等の湿式処理法や気相法な
どの乾式処理法が例示されるが、勿論これらに限定され
るものではない。
【0012】表面処理層を構成する他の必須成分である
水性樹脂(水溶性および/または分散性樹脂)として
は、例えばポリビニルアルコール、変性ポリビニルアル
コール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリド
ン、でんぷん、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性
高分子や、共重合ポリエステル、ポリウレタン、ポリア
クリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル等の水分散性樹脂など、従来からバインダーとして
用いられている種々の高分子材料を使用することがで
き、これらは夫々単独で使用し得る他、必要に応じて2
種以上を併用することも可能である。前記樹脂のうち好
ましいものは共重合ポリエステル系、ポリウレタン系、
ポリアクリル酸系の樹脂である。
【0013】水性樹脂に対する前記表面処理無機粒子の
配合比率は、固形分換算の重量比で無機粒子/樹脂=2
0/80〜70/30が好ましく、より好ましくは40
/60〜60/40の範囲である。しかして、表面処理
無機粒子の配合比率が不足する場合はインキの吸収性が
悪くなり、逆に多すぎる場合は塗膜の膜強度が悪くなる
傾向が生じてくるので好ましくない。
【0014】尚、上記3成分を必須成分として含有する
表面被覆層には、その他の機能例えば耐擦過性、帯電防
止性、耐水性を向上させるため、必要に応じて各種添加
剤、例えば架橋剤(メラミン系、イソシアネート系等)
や帯電防止等を含有させることも有効である。尚帯電防
止剤については、殊に有機質低分子帯電防止剤はインキ
の拡散性を助長してにじみを増大させる傾向があるの
で、好ましくは例えば、リン系化合物等の無機系帯電防
止剤や高分子帯電防止剤を使用するのがよい。
【0015】該表面被覆層の厚さは0.1μm以上が好
ましく、0.1μm未満ではインキ吸収性が不足気味と
なる。0.5μ〜10.0μmの範囲がより好ましい。
【0016】本発明においてベースフィルムを構成する
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ塩
化ビニル、等からなる様々の高分子フィルムを使用でき
るが、これらの中でも特に好ましいのは、ポリエステル
系フィルムが耐熱性、強度、腰などの点で有効である。
これらベースフィルムの厚みにも特に制限はないが、合
成紙などとしての一般的な強度特性を確保する意味か
ら、好ましくは1〜500μm、より好ましくは10〜
200μmである。
【0017】ベースフィルム素材として好適に使用され
るポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸または
そのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオールの如きグリコールとを
重縮合させて製造されるポリエステルであり、これらの
ポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直
接反応させる方法の他、芳香族ジカルボン酸のアルキル
エステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重
縮合させる方法、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリ
コールエステルを重縮合させる方法等によっても製造す
ることも可能である。
【0018】このようなポリエステルの代表例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレー
トなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマー
であってもよく、酸成分やグリコール成分を2種以上用
いて共重合させたものであってもよいが、本発明におい
ては、とりわけエチレンテレフタレート単位が70モル
%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは9
0モル%以上であるポリエステルが好ましく、これらの
ポリエステルをベースフィルム素材として選択使用する
ことによって、一段と優れた表面処理フィルムを得るこ
とが可能となる。
【0019】上記の様なベースフィルムの少なくとも片
面に、前述の如き表面被覆を施すことによって得られる
本発明の表面処理フィルムは、合成紙としての適性を高
めるための光線透過率が30%以下、好ましくは20%
以下、より好ましくは15%以下のものがよく、30%
を越えると裏が透けて見えるため、プリント物の外観を
阻害する恐れが生じてくる。
【0020】更に該ポリエステル系フィルムを選択使用
するに当たっては、フィルム素材としてポリエステルと
共に、該ポリエステルに対して非相溶の熱可塑性樹脂を
1種以上配合した素材を使用し、フィルム化後に少なく
とも1軸延伸処理を施し、好ましくは縦・横方向に2軸
延伸することによって、フィルム内部に多数の微細空洞
を形成せしめ、見掛け比重を0.8〜1.3にしたもの
は、ベースフィルムとしてきわめて好適なものとなる。
【0021】即ちその際に使用されるポリエステルに非
相溶の熱可塑性樹脂は、ポリエステルフィルム内に微細
な空洞を形成して柔軟性、軽量性、描画性を高めるた
め、空洞発現剤として配合されるものであり、ポリエス
テルに非相溶性のものでさえあれば特に制限なく使用す
ることができ、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリスルホン系樹脂、などが挙げられるが、これ
らの中でも特に好ましいのはポリスチレン系樹脂、ある
いはポリメチルペンテンやポリプロピレンなどのポリオ
レフィン系樹脂である。ポリエステルに配合されるこれ
ら非相溶樹脂の量は、基材フィルム内に形成される目標
空洞量によって異なってくるが、フィルム素材中に占め
る比率で3〜40重量%の範囲が一般的であり、特に5
〜15%が好ましい。3重量%未満では、空洞の生成量
を多くするのに限界があり、空洞形成によって基材フィ
ルムに与えられる柔軟性や軽量性あるいは描画性が不十
分となり、逆に40重量%を越えると、フィルムの延伸
性が損なわれる他、耐熱性や強度、腰の強さが損なわれ
る。尚、上記空洞発現剤は単独で使用し得るほか、2種
類以上を併用してもかまわない。
【0022】この種の空洞含有フィルムは、見掛け比重
が0.8〜1.3、より好ましくは1.0〜1.25、
さらに好ましくは1.05〜1.25の範囲の物が好ま
しく、見掛け比重が0.8未満では、フィルムの強度が
損なわれたり、フィルムの表面に割れやシワが生じ易く
なる。逆に、見かけ比重が1.3を越えると、クッショ
ン性が低下し、鉛筆等による描画性が悪くなる傾向が生
じてくる。
【0023】本発明において、ベースフィルムとして好
ましく使用される上記微細空洞含有ポリエステル系フィ
ルムは、単層フィルムであってもよく、用途によっては
2相以上の複合フィルムであっても勿論差し支えない。
【0024】該ベースフィルム中には、隠蔽性等を向上
させるため必要に応じて無機質もしくは有機質の粒子を
添加してもよく、添加可能な粒子としては、シリカ、カ
オリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、ア
ルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、
酸化チタンや、ベンゾグアナミン粒子、架橋ポリスチレ
ン粒子、架橋アクリル粒子等の有機粒子が例示される
が、もとよりこれらに限定されるものではない。また、
ワックスを添加することで更にインキ引き指数は改良さ
れる。
【0025】本発明に係わるプラスチックフィルムの製
法は、特に限定されないが、最も一般的には2軸延伸法
によって得られる配向フィルムが好ましく用い得る。即
ち、溶融押し出し法によって得られた未延伸プラスチッ
クシートを縦方向に2〜10倍に延伸した後、さらに直
角方向に2〜10倍に延伸し、次いで熱処理をすること
により配向、結晶化を完了する方法である。
【0026】ベースフィルムの表面に、筆記性及び印刷
性改善のための表面層を形成する方法としてはコーティ
ング法が一般的であり、具体的にはグラビアコート方
式、キスコート方式、ディップ方式、スプレーコート方
式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレ
ードコート方式、リバースロールコート方式などを採用
することができる。塗布する時期としては、フィルムの
延伸前に塗布する方法、縦延伸後に塗布する方法、配向
処理の終了したフィルム表面に塗布する方法など、いず
れの方法を採用してもよいが、コート層の密着性を高め
るうえで最も好ましいのは、一軸方向に延伸された基材
フィルムの少なくとも片面に前期塗布法によって塗布液
を塗布した後、更に先の一軸延伸方法と直角の方向に延
伸するインラインコートである。
【0027】かくして得られる本発明の表面処理プラス
チックフィルムは、合成紙として実用化されている従来
のフィルムやフィルム/紙複合紙に比べ、水性及び/又
はアルコール系インキのにじみが少なく、描画性、印刷
性に優れ、水性ペンによる筆記性、スタンプインキや印
鑑用朱肉の受容性においても卓越した性質を示し、こす
れ汚れがなく、且つ各種プリンター中での搬送性にも優
れており、各種ラベル、バーコードラベル、配送伝票、
各種プリンター用紙、情報記録紙等として極めて優れた
性能を発揮する。
【0028】以下、実施例を挙げて本発明の構成および
作用効果を具体的に説明するが、本発明はもとより下記
実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の
趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施する事
も勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範
囲に包含される。尚、下記実施例で採用した各種物性、
性能の測定・評価法は次の通りである。
【0029】(1)インキ引き指数及び文字視認性 シャチハタ工業株式会社製の顔料タイプ印鑑ネーム9
(清原印)(インキカートリッジXLR−9),染料タ
イプ印鑑ネーム9(清原印)(インキカートリッジ),
ゾルスタンプ(H−1、黒)を水平にセットされた試料
フィルムの上に2.5〜3.5g/m2 (Wet)の転
移量になるように捺印し、捺印5秒後にフィルム上の捺
印部分を別に用意したフィルム(東洋紡績株式会社製
「G1212」)で接圧20g/cm2 で直線的にこす
った際のインキの引きの長さ(cm)を求めインキ引き
指数とした。また、その時の顔料、染料印鑑の捺印、文
字の読みやすさを下記の様にランクづけ文字視認性とし
た。 ◎ 非常にクリアに見える ○ クリアに見える △ 線が重なっている部分がある × 随所に線が重なっている部分があり文字が読みにく
【0030】(2)印刷性 枚葉オフセット印刷機「リコーオートプリンタAP37
00」と酸化重合型インキ「GRAF−G墨」(大日本
インキ化学工業株式会社製)を用いて夫々の試料表面に
実印刷を行い、ベタ部の着肉性を目視評価した。
【0031】(3)水性ボールペンによる筆記性 水性ボールペン「三菱ユニボール/VB106Z」を用
いて試料表面上に筆記した後、16時間経過後の筆記文
字のインキ乾き及びにじみ状態を目視で評価した。筆記
された文字が識別できるものを、識別できないものを×
とした。
【0032】(4)被覆層の密着性 被覆層の表面にクロスカット面を入れ、セロテープによ
る90°剥離試験を行い、クロス目における残留コート
層の面積比率によって密着性を評価した。
【0033】(5)光線透過率 JIS−K6714に準拠し、「ポイック積分球式H.
T.Rメーター」(日本精密光学社製)を用いて、フィ
ルムの全光線透過率を測定した。この値が小さいほど隠
蔽性が高い。
【0034】実施例1 樹脂成分として、水分散性共重合ポリエステル樹脂(東
洋紡績社製「MD1200」)、表面有機処理したシリ
カ粒子(平均粒子径5.0μm:富士シリシア化学工業
株式会社製)、合成高分子ワックス剤(株式会社日本触
媒製「CXーST200」)を使用し、まず、ホモジナ
イザーを用いてシリカ粒子を水とイソプロピルアルコー
ル(重量比80/20)との混合液中で十分に分散させ
た後、塗布液の全重量に占める比率で、樹脂5.0重量
%、シリカ粒子5.0重量%及び合成高分子ワックス剤
0.05重量%を配合し、十分に混合して塗布液を調製
した。この塗布液を、ワイヤーバー(No.5)を用い
て基材ポリエステルフィルム(50μmの2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレート)上に塗布した。塗布液の塗布
量は、上記基材フィルム1m2 当たり約10g(湿潤状
態)とし、塗布後160℃で約60秒間乾燥することに
より、スタンプインキ引き指数が4、顔料印鑑インキ引
き指数3.5、染料印鑑インキ引き指数2の表面処理フ
ィルムを得た。
【0035】得られた表面塗装フィルムの特性は表1に
示す通りであり、該フィルム表面の印刷性は良好で、印
鑑用朱肉やスタンプインキのインキ乾きが良好でこすれ
汚れもなく、ボールペンによる筆記時のにじみもない、
書き心地も良好な極めて優れたものであった。
【0036】実施例2 前記実施例1のシリカ粒子を、表面無機処理した平均粒
子径5μmのシリカ粒子(富士シリシア化学工業株式会
社製)に代えた以外は同様にして塗布液を調製した後、
同様にして表面塗装フィルムを得た。
【0037】実施例3 実施例1のポリエステルフィルムに変えて50μmの空
洞含有ポリエステルフィルム(クリスパーG1211、
東洋紡績株式会社製)をベースフィルムとして使用した
以外は、前記実施例1と全く同様にして、表面塗装フィ
ルムを得た。
【0038】実施例4 上記実施例3と同様の空洞含有ポリエステルフィルムを
基材フィルムとして使用した以外は、前記実施例2と全
く同様にして表面塗装フィルムを得た。
【0039】実施例5 前記実施例1と全く同様にして、樹脂10重量%、表面
有機処理されたシリカ粒子(同前)10重量%及び合成
高分子系ワックス剤(同前)0.1重量%をそれぞれ十
分に混合して塗布液を調製した。
【0040】一方、固有粘度0.62のポリエチレンテ
レフタレート樹脂80重量%と、一般用ポリスチレン
(三井東圧化学社製「T575−57U」)15重量
%、平均粒径0.35μmのアナターゼ型二酸化チタン
(富士チタン社製「TAー300」)5重量%を原料と
し、これらを2軸スクリュー押出機に投入して均一に混
合すると共に、T−ダイより290℃で溶融押出しし、
冷却回転ロールに静電気的に密着させることによって冷
却固化して、厚さ900μmの未延伸シートを得た。次
いでこの未延伸シートを、ロール延伸機により80℃で
実倍率が3.2倍となるように縦延伸して、1軸延伸フ
ィルムを得た。
【0041】この1軸延伸フィルムの表面に、前記で調
製した塗布液をワイヤーバー(No.5)を用いて塗布
し、引き続いてテンターで110℃で3.7倍の横延伸
を行った後、235℃で4%緩和させながら熱処理し、
ベースフィルムの内部に多数の空洞が形成された厚さ約
75μmの表面塗装ポリエステルフィルムを得た。
【0042】実施例6 上記実施例5のシリカ粒子を、実施例2と同様のシリカ
粒子に代えた以外は同様にして塗布液を調製した後、同
様にして表面塗装フィルムを得た。
【0043】実施例7 シリカ粒子を、平均粒子径2μmの有機表面処理シリカ
粒子に代えた以外は実施例5と同様にして塗布液を調製
した後、同様にして表面塗装フィルムを得た。
【0044】実施例8 シリカ粒子を、平均粒子径8μmの有機表面処理された
シリカ粒子に代えた以外は実施例5と同様にして塗布液
を調製した後、同様にして表面塗装フィルムを得た。
【0045】実施例9 前記実施例5の水分散性共重合ポリエステル樹脂とシリ
カ粒子の塗布液の全重量に占める比率を樹脂7.0重量
%,シリカ粒子3.0重量%に代えた以外は同様にして
塗布液を調製した後、同様にして表面塗装フィルムを得
た。
【0046】実施例10 前記実施例5の水分散性共重合ポリエステル樹脂とシリ
カ粒子の塗布液の全重量に占める比率を樹脂4.0重量
%,シリカ粒子6.0重量%に代えた以外は同様にして
塗布液を調製した後、同様にして表面塗装フィルムを得
た。
【0047】上記実施例2〜10で得た表面塗装フィル
ムの評価結果は表1に併記した通りであり、前記実施例
1とほぼ同様の良好な結果を得た。
【0048】比較例1 前記実施例5において、シリカ粒子を、平均粒子径0.
5μmのものに代えた以外は同様にして塗布液を調製し
た後、同様にしてスタンプインキ引き指数7、顔料印鑑
インキ引き指数5.5、染料印鑑インキ引き指数4の表
面塗装フィルムを得た。
【0049】得られたフィルムの評価結果は表1に示し
た通りであり、表面の印刷性は良好であったが、顔料タ
イプの印鑑、スタンプインキと水性ペンの乾きが不十分
であり、印鑑、スタンプ押印時のこすれ汚れが発生し
た。
【0050】比較例2 前記実施例5において、水分散性共重合ポリエステル樹
脂とシリカ粒子の塗布液の全重量に占める比率を樹脂
9.0重量%,シリカ粒子1.0重量%に代えた以外は
同様にして塗布液を調製した後、同様にしてスタンプイ
ンキ引き指数7、顔料印鑑インキ引き指数5.5、染料
印鑑インキ引き指数4の表面塗装フィルムを得た。
【0051】得られたフィルムの評価結果は表1に示し
た通りであり、顔料タイプの印鑑,スタンプインキと水
性ペンの乾きが不十分で、こすれ汚れが発生し易いもの
であった。
【0052】比較例3 前記実施例5において、表面有機処理シリカ粒子の配合
を省略した以外は実施例5と全く同様にして塗布液を調
整した後、同様にして表面塗装フィルムを得た。得られ
たフィルムの評価結果は表1に示した通りであり、該フ
ィルム表面のインキ乾き性は極めて悪いものであった。
【0053】
【発明の効果】上記説明からも明らかであるように、本
発明のインキの引き指数が5以下の表面処理プラスチッ
クフィルムは、印鑑用朱肉やスタンプインキのインキ乾
き性が非常に良好であり、また水性ボールペン等のイン
キの乾きも良く、筆記性やオフセット印刷性にも優れた
被覆フィルムとして実用上極めて有用な表面処理フィル
ムを提供し得ることになった。
【0054】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−93122(JP,A) 特開 平3−96332(JP,A) 特開 昭63−170088(JP,A) 特開 昭64−18631(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B32B 27/36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に、表面被覆層が形成された表面処理プラスチックフィ
    ルムであって、前記表面被覆層の水系および/またはア
    ルコール系インキに対するインキ引き指数が5以下であ
    り、かつ、当該表面処理プラスチックフィルムの全光線
    透過率が30%以下であることを特徴とする表面処理プ
    ラスチックフィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面被覆層が、有機およ
    び/または無機の表面処理が施された不活性無機粒子
    と、水性樹脂とを必須成分として含むものであることを
    特徴とする表面処理プラスチックフィルム。
  3. 【請求項3】 上記表面被覆層中に含まれる無機質粒子
    が、固形分換算の重量比で不活性無機粒子/水性樹脂=
    20/80〜70/30の配合比率であり、1.0〜1
    2μmの平均粒子径であることを特徴とする請求項1,
    2に記載の表面処理プラスチックフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のプラスチックフィルムが
    ポリエステル系フィルムであることを特徴とする表面処
    理プラスチックフィルム。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のポリエステル系フィルム
    が、少なくとも1軸方向に延伸された内部に多数の微細
    空隙が形成されたものであり、見掛け比重が0.8〜
    1.3であることを特徴とする表面処理プラスチックフ
    ィルム。
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