JPWO2020096029A1 - 自動分析装置での免疫測定における異常検出抑制方法、及び免疫測定試薬 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、界面活性剤が免疫測定系内に存在する場合、種類によっては抗原抗体反応自体を阻害したり、該抗原抗体反応によって形成された凝集を再び解離させてしまったりすることがあるため、適切な界面活性剤を選択しても、測定感度の低下を招く可能性が否定できない。さらに、例えば、界面活性剤による測定対象物質自体の構造変化の惹起、測定対象物質との複合体形成、抗体結合ラテックス粒子への非特異的吸着、ラテックス粒子に結合していた抗体やブロッキング用タンパク質の剥離などの測定系への干渉が、複合して発生する場合もある。
また、反応キュベット、特に、LTIA法の試薬を使用した後の反応キュベットの汚れの除去に関しては、例えば特許文献3のような特定の有機溶媒を含む反応キュベット洗浄液が提供されている。
しかし、特許文献5、6に開示されているPEGの平均分子量は6000と比較的高分子量であるため、感度増強効果が強く現れることで、測定値に影響を与える恐れもある。また、特許文献5、6の測定手法は用手法であり、自動分析装置の測定における異常検出の抑制と再現性向上などの課題に関しては、何ら言及されていない。
(1)検体中の測定対象物質と免疫測定試薬の反応を自動分析装置で光学的に検出する方法における異常検出値の発生抑制及び測定再現性の向上方法であって、前記免疫測定試薬が重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類を含有することを特徴とする前記方法。
(2)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上である(1)に記載の方法。
(3)反応系内の前記ポリエチレングリコール類の濃度が0.05〜0.5%である(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコールである(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記免疫測定試薬がラテックス免疫凝集測定試薬である(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)検体中の測定対象物質と免疫測定試薬の反応を自動分析装置で光学的に検出する方法であって、前記免疫測定試薬が重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類を含有する前記検出方法。
(7)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上である(6)に記載の方法。
(8)反応系内の前記ポリエチレングリコール類の濃度が0.05〜0.5%である(6)又は(7)に記載の方法。
(9)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコールである(6)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)前記免疫測定試薬がラテックス免疫凝集測定試薬である(6)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)自動分析装置で光学的に検出する方法に使用される免疫測定試薬であって、重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類を含有することを特徴とする前記免疫測定試薬。
(12)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上である(11)に記載の免疫測定試薬。
(13)反応系内の前記ポリエチレングリコール類の濃度が0.05〜0.5%となるように調整されている(11)又は(12)に記載の免疫測定試薬。
(14)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコールである(11)〜(13)のいずれかに記載の免疫測定試薬。
(15)前記免疫測定試薬がラテックス免疫凝集測定試薬である(11)〜(14)のいずれかに記載の免疫測定試薬。
(16)前記免疫測定試薬が、緩衝液を含む第一試薬とラテックスを含む第二試薬とを含み、いずれか一方あるいは両方に重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類を含有する(15)に記載の免疫測定試薬。
(17)(11)〜(16)のいずれかに記載の免疫測定試薬を含む免疫測定試薬キット。
(18)検体中の測定対象物質と免疫測定試薬の反応を自動分析装置で光学的に検出する方法における異常検出値の発生抑制及び測定再現性の向上方法であって、重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類存在下、検体中の測定対象物質と免疫測定試薬を接触させる工程を含む前記方法。
(19)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上である(18)に記載の方法。
(20)反応系内の前記ポリエチレングリコール類の濃度が0.05〜0.5%である(18)又は(19)に記載の方法。
(21)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコールである(18)〜(20)のいずれかに記載の方法。
(22)前記免疫測定試薬がラテックス免疫凝集測定試薬である(18)〜(21)のいずれかに記載の方法。
(23)検体中の測定対象物質と免疫測定試薬の反応を自動分析装置で光学的に検出する方法であって、重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類存在下、前記測定対象物質と免疫測定試薬とを接触させる工程を含む前記検出方法。
(24)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上である(23)に記載の方法。
(25)反応系内の前記ポリエチレングリコール類の濃度が0.05〜0.5%である(23)又は(24)に記載の方法。
(26)前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコールである(23)〜(25)のいずれかに記載の方法。
(27)前記免疫測定試薬がラテックス免疫凝集測定試薬である(23)〜(26)のいずれかに記載の方法。
本発明の免疫測定試薬(試液)は、反応の主成分の他に、後述する特定の重量平均分子量のPEG類を含むことを特徴とする。
免疫測定試薬中には、試料のpH、イオン強度、浸透圧などを緩衝、調整する成分として、例えば、酢酸、クエン酸、リン酸、トリス、グリシン、ホウ酸、炭酸、及びグッドの緩衝液や、それらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などを含んでも良い。また凝集形成を増強する成分としてポリビニルピロリドン、リン脂質ポリマーなどの高分子を含んでも良い。また、凝集の形成をコントロールする成分として、タンパク質、アミノ酸、糖類、金属塩類、界面活性剤類、還元性物質やカオトロピック物質など汎用される成分を1種類、または複数の成分を組み合わせて含んでも良い。
本発明は、検体中の測定対象物質と上記の免疫測定試薬の反応を自動分析装置で光学的に検出する方法あるいは、当該検出方法において異常検出値の発生抑制及び測定再現性の向上方法であるところ、換言すれば、特定の重量平均分子量のPEG類の存在下で検体中の測定対象物質と免疫測定試薬を接触させる工程を含むこれらの方法であるとも言える。
本発明に用いられる免疫測定用粒子は、所望される目的成分に対して特異的な結合パートナーを担持できるものであれば、公知の粒子を使用できる。好適にはポリスチレン等の高分子材料を用いたラテックス粒子を使用できるが、測定対象物質に対して特異的な結合パートナーを担持する方法に応じて、金属コロイド、シリカ、カーボン等の無機物粒子も、本発明の免疫測定用粒子として用いることができる。
免疫測定用粒子のサイズは、使用する光学的測定法(例えば、透過光を測定する比濁法、散乱光を測定する比朧法など)を考慮し、所望の測定感度、測定範囲などが得られるよう、0.05〜1μmの範囲から適宜選択することができる。なお、自動分析装置における光学的測定においては平均粒子径0.1〜0.4μmが汎用されているが、これに限定されない。
免疫測定用粒子の平均粒子径は粒度分布計や透過型電子顕微鏡像などで確認することができる。免疫測定用粒子の試液中の濃度は、使用する免疫測定用粒子の粒径や測定系全体の設計にあわせ、例えば0.0001mg/mL〜10mg/mLの範囲から適宜選択をすることができる。
本発明に使用される親水性カルボキシルモノマーとしては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などを用いることができる。好ましくは、メタクリル酸、アクリル酸を用いることができる。
本発明の測定対象物質を含む試料としては、例えばヒト又は動物の血液、血清、血漿、培養上清、尿、髄液、唾液、汗、腹水、又は細胞あるいは組織の抽出液等が挙げられる。
本発明の免疫測定試薬を含むキットは、上記の免疫測定試薬のほかに測定に必要な他の構成を含んでもよく、他の構成としては、例えば洗浄液、試料希釈液、試料抽出液、試料採取用ピペット、標準品、取扱説明書などが挙げられる。
本発明で用いられるPEG類は、異常検出を抑制する効果を有するものであれば特に制限されない。代表的なPEG類は以下の通りである(図1参照)。
・ポリエチレングリコール(i)
・ポリプロピレングリコール(ii)
・ポリブチレングリコール(iii)
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(iv)
・ポリグリセリン(v)
尚、図中のm、nは繰り返し構造を示し、後述する重量平均分子量の範囲であればいかなる数値でもかまわない。また、ポリエチレン鎖及びポリプロピレン鎖が混在する場合、その混在度合いはランダムでかまわない。これらのうち、ポリエチレングリコール(PEG)が好適に用いられるが、上記物質の混合物を用いても何らかまわない。
これらのPEG類としては、以下の製品が一例として挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコール(キシダ化学)、アデカPEG(アデカ)、PEG(三洋化成工業)、ポリプロピレングリコールとしてはユニオール(登録商標)D(日油)、ニューポール(登録商標)PP(三洋化成工業)、ポリブチレングリコールとしてはユニオール(登録商標)PB(日油)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、エマルゲン(登録商標)PP−290(花王)、プロノン(登録商標)(日油)、アデカ(登録商標)プルロニックL/P/F(アデカ)、ニューポール(登録商標)PE(三洋化成工業)、ポリグリセリンとしては、ポリグリセリン(阪本薬品工業)等が挙げられる。
本発明におけるPEG類の重量平均分子量は、高すぎると感度増強効果が大きくなり、測定値自体を大きく変化させる為3000以下が好ましい。上限としては、3000以下が好ましく、2800以下がさらに好ましく、2500以下がさらにいっそう好ましく、2100以下がもっとも好ましい。
また、低すぎると抑制効果そのものが消失してしまう為、300以上が好ましい。下限としては、300以上が好ましく、400以上がさらに好ましく、1000以上がさらにいっそう好ましく、1900以上がもっとも好ましい。
したがって、本発明において利用されるPEG類の重量平均分子量の範囲は、PEG類の有する感度増強効果および異常検出抑制効果の両方を発揮できる範囲であり、このような両機能を有する範囲は本発明によって初めて見出されたものである。本発明のPEG類の重量平均分子量の好ましい範囲としては、300〜3000であり、さらに好ましくは、400〜2500であり、よりいっそう好ましくは400〜2100である。最も好ましくは1900〜2100である。
本発明において用いるPEG類の測定反応系内における濃度は、PEG類の分子量により所望の抑制効果を示す濃度とすればよく、一般には、高すぎると重量平均分子量と同様に感度増強効果が大きくなる為、5%以下が好ましく、更に好ましくは1.0%以下であり、更にいっそう好ましくは0.5%以下である。低すぎる場合も同様に抑制効果が薄れてしまう為、0.005%以上が好ましく、更に好ましくは0.01%以上であり、更にいっそう好ましくは0.05%以上である。好ましい濃度の範囲としては、0.005%以上5%以下であり、更に好ましくは0.01%以上1.0%以下であり、更にいっそう好ましくは0.05%以上0.5%以下である。
本発明の測定試薬中にあらかじめPEG類を含有させる場合には、反応系内における濃度が上記濃度になるようにあらかじめ測定試薬中に含有させればよい。
重量平均分子量の測定方法:各種PEG水溶液(5%)20μLとテトラヒドロフラン980μLを混合した溶液を試料(試料濃度:1.0g/L)として、サイズ排除クロマトグラフィー装置(東ソー社製高速GPC装置:ECO SEC HLC-8320GPC、カラム:TSKgel Super Multiporehz−H(4.6mmI.D.×15cm×1本)、カラム温度:40.0℃、溶離液流量:0.2mL/min.、検量線サンプル:PstQuick MP-H)によるクロマト解析を3回実施する。3回の重量平均分子量(Mw)の平均値を「重量平均分子量」とする。
下記試験例で使用するキシダ化学社製のPEGを例に、メーカー標榜の平均分子量と上記測定方法による重量平均分子量を示す。
PEG200(製品コード番号010-62905、平均分子量190〜210、重量平均分子量401)、PEG400(製品コード番号010-62925、平均分子量380〜420、重量平均分子量562)、PEG1000(製品コード番号010-62945、平均分子量950〜1050、重量平均分子量1033)、PEG2000(製品コード番号010-62965、平均分子量1800〜2200、重量平均分子量2072)、PEG4000(製品コード番号010-62975、平均分子量2700〜3400、重量平均分子量3400)、PEG6000(製品コード番号010-62985、平均分子量7400〜9000、重量平均分子量10736)、PEG20000(製品コード番号020-63005、平均分子量18000〜25000、重量平均分子量23555)。
(第一試薬の調製)
(1)本発明試薬
30mMトリス緩衝液(pH8.5)に、500mM 塩化ナトリウム、0.4%BSA、0.052%プロクリン300を溶解した。これにPEG200(重量平均分子量401)、PEG400(重量平均分子量562)、PEG1000(重量平均分子量1033)、PEG2000(重量平均分子量2072)(以上、PEGはキシダ化学株式会社製)をそれぞれ、最終濃度0.05%、0.5%となるように添加し、それぞれ本発明試薬1、2、3、4とした。
(2)対照試薬
30mMトリス緩衝液(pH8.5)に、500mM 塩化ナトリウム、0.4%BSA、0.052%プロクリン300を溶解し、PEGを添加しないものを対照試薬1とした。対照試薬1にPEG4000(重量平均分子量3400)、PEG6000(重量平均分子量10736)、PEG20000(重量平均分子量23555)(以上、PEGはキシダ化学株式会社製)をそれぞれ、最終濃度0.05%、0.5%となるように添加し、それぞれ対照試薬2、3、4とした。
(第二試薬の調製)
抗Dダイマーモノクローナル抗体03204を3.2mg/mL含む20mMトリス緩衝液(pH8.5)3mLに、平均粒子径120nmの5%ラテックス懸濁液3mLを加え、4℃にて2時間撹拌した。これに2.0%牛血清アルブミンを含む20mMトリス緩衝液(pH8.5)6mLを加え、4℃で1時間撹拌した。遠心分離後、沈殿を5mM MOPS緩衝液(pH7.0)で、波長600nmにおける吸光度が3.0ODとなるように再懸濁し、第二試薬を調製した。
(1)日立7180形自動分析装置での測定(再利用タイプの反応キュベット、透過光検出)
(i)測定方法
第一試薬80μLにDダイマー濃度0.0、1.0、3.0、15、30、60μg/mLのキャリブレーター9.6μLを加えて撹拌後、37℃で5分間加温し、さらに第二試薬80μLを添加して37℃、5分間の主波長570nm/副波長800nmにおける吸光度変化量を測定した。当該Dダイマー濃度0.0、1.0、3.0、15、30、60μg/mLのキャリブレーター6ポイントから検量線を作成した。同様に、0.33μg/mLの既知濃度Dダイマー試料(クエン酸ナトリウム血漿)を10回連続測定して、変動係数を算出し、測定値の正確性及び同時再現性を確認した。
表1に日立7180形自動分析装置においてPEG種類ならびに添加濃度を変動させた場合の同時再現性測定結果を示した。本自動分析装置は再利用タイプの反応キュベットを用い、透過光検出にて測定する方式である。また、表1中、0.33μg/mLの既知濃度Dダイマー試料の測定値の正確性が80〜120%の範囲外(測定値で0.26μg/mL以下及び0.40μg/mL以上)の値と、変動係数が10%以上の場合を灰色で示した。
本測定結果によれば、PEGを含まない対照試薬1では、正確性が80〜120%の範囲外となる測定値が6つ存在し、変動係数は24.0%と不良であった。また、対照試薬2では、PEG4000を0.05%含有した場合、変動係数は10%以下となったが、正確性が80〜120%の範囲外となる測定値が1つ存在した。さらに、0.5%含有した場合、正確性80〜120%の範囲外となる測定値が6つ存在し、変動係数は14.8%と不良であった。対照試薬3〜4でも同様に、正確性が80〜120%の範囲外となる測定値が2〜6つ存在し、変動係数が14.3〜19.2%と不良であった。
これに対し、本発明試薬1〜4では正確性が80〜120%の範囲外となる測定値は存在せず、変動係数は10%以下であった。以上のことから、PEG200〜2000(重量平均分子量300〜3000)を0.05〜0.5%添加した場合に、正確性の改善と再現性が向上することが確認された。
(i)測定方法
第一試薬100μLにDダイマー濃度0.0、1.0、3.0、15、30、60μg/mLのキャリブレーター20.0μLを加えて撹拌後、37℃で5分間加温し、さらに第二試薬100μLを添加して37℃、2分間の570nmにおける吸光度変化量を測定した。当該Dダイマー濃度0.0、1.0、3.0、15、30、60μg/mLのキャリブレーター6ポイントから検量線を作成した。同様に、0.55μg/mLの既知濃度Dダイマー試料(クエン酸ナトリウム血漿)を10回連続測定し、変動係数を算出して同時再現性及び測定値の正確性を確認した。
表2にコアプレスタ3000自動分析装置においてPEG2000を0.05〜0.5%添加した場合(本発明試薬4)ならびに対照試薬1を用いた場合の測定結果を示した。本自動分析装置はディスポーザブルタイプの反応キュベットを用い、透過光検出にて測定する方式である。また、表2中、0.55μg/mLのDダイマー試料の正確性が80〜120%の範囲外(測定値で0.44μg/mL以下及び0.66μg/mL以上)を示す値と変動係数が10%以上を示す場合を灰色で示した。対照試薬1では正確性が80〜120%の範囲外となる測定値が1つ存在し、その正確性は185%である異常検出を認めた。この影響を受け、変動係数は25.8%と不良となった。
一方、本発明試薬4では正確性が80〜120%の範囲外となる測定値が存在せず、変動係数は3.4〜4.1%と良好であった。
以上のことから、反応キュベットがディスポーザブルタイプの自動分析装置であっても本発明のPEG添加における異常値検出の抑制と、測定再現性向上効果が確認された。
Claims (17)
- 検体中の測定対象物質と免疫測定試薬の反応を自動分析装置で光学的に検出する方法における異常検出値の発生抑制及び測定再現性の向上方法であって、前記免疫測定試薬が重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類を含有することを特徴とする前記方法。
- 前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンからなる群から選ばれる一種以上である、請求項1に記載の方法。
- 反応系内の前記ポリエチレングリコール類の濃度が0.05〜0.5%である請求項1又は2に記載の方法。
- 前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコールである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記免疫測定試薬がラテックス免疫凝集測定試薬である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 検体中の測定対象物質と免疫測定試薬の反応を自動分析装置で光学的に検出する方法であって、前記免疫測定試薬が重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類を含有する前記検出方法。
- 前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上である、請求項6に記載の方法。
- 反応系内の前記ポリエチレングリコール類の濃度が0.05〜0.5%である請求項6又は7に記載の方法。
- 前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコールである請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記免疫測定試薬がラテックス免疫凝集測定試薬である請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
- 自動分析装置で光学的に検出する方法に使用される免疫測定試薬であって、重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類を含有することを特徴とする前記免疫測定試薬。
- 前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上である、請求項11に記載の免疫測定試薬。
- 反応系内の前記ポリエチレングリコール類の濃度が0.05〜0.5%となるように調整されている請求項11又は12に記載の免疫測定試薬。
- 前記ポリエチレングリコール類が、ポリエチレングリコールである請求項11〜13のいずれかに記載の免疫測定試薬。
- 前記免疫測定試薬がラテックス免疫凝集測定試薬である請求項11〜14のいずれかに記載の免疫測定試薬。
- 前記免疫測定試薬が、緩衝液を含む第一試薬とラテックスを含む第二試薬とを含み、いずれか一方あるいは両方に重量平均分子量300〜3000のポリエチレングリコール類を含有する請求項15に記載の免疫測定試薬。
- 請求項11〜16のいずれかに記載の免疫測定試薬を含む免疫測定試薬キット。
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