JPH10253629A - 免疫測定試薬製造法 - Google Patents

免疫測定試薬製造法

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JPH10253629A
JPH10253629A JP11805197A JP11805197A JPH10253629A JP H10253629 A JPH10253629 A JP H10253629A JP 11805197 A JP11805197 A JP 11805197A JP 11805197 A JP11805197 A JP 11805197A JP H10253629 A JPH10253629 A JP H10253629A
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JP
Japan
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antibody
reagent
antigen
insoluble carrier
buffer
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JP11805197A
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English (en)
Inventor
Teiichi Tokunaga
禎一 徳永
Toshio Kusuba
敏雄 楠葉
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度を維持しつつ、プロゾーンの発生が抑
えられ、低濃度の検体も測定可能であり、バラツキが少
なく、試薬安定性もよい免疫測定試薬の製造法を提供す
る。 【解決手段】 pHが4.0〜6.0の緩衝液(例、p
H4.2のリン酸クエン酸緩衝液)中で抗体(例、抗β
2 マイクログロブリン抗体)又は抗原を不溶性担体
(例、ポリスチレン系ラテックス粒子)に担持させた
後、pHが6.5〜9.0の緩衝液(例、pH8.0の
トリス緩衝液)に置換することを特徴とする免疫測定試
薬製造法。及び、pHが4.0〜6.0であり、かつ温
度が35〜50℃の緩衝液中で抗体又は抗原を不溶性担
体に担持させることを特徴とする免疫測定試薬製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不溶性担体を用い
た免疫測定試薬の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、病態と関連して生体液中に出現す
る蛋白質などの免疫学的活性物質を抗原抗体反応を利用
して測定し、診断に利用することが広く行われている。
このような免疫測定法の一つとして、不溶性担体を用い
た免疫測定法がある。この測定法の例としては、検体中
の被検出物質(免疫学的活性物質)を、例えば、微粒子
等の不溶性担体に感作させた抗体または抗原と免疫反応
により結合させ、結合によって生じる微粒子の凝集状態
を測定する方法が挙げられる。
【0003】この免疫測定法において、検体中に高濃度
の被検出物質が存在するにもかかわらず測定結果が低濃
度にでる、いわゆるプロゾーン現象が起きて正確な測定
ができないことがあり、この問題に対して、例えば、特
公平4−56258号公報にデキストランを反応媒体中
に存在させる方法が開示されているが、デキストランを
添加することにより感度が低下したり、また、バラツキ
も上昇することがあるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するものであり、高感度を維持しつつ、プロゾー
ンの発生が抑えられ、低濃度の検体も測定可能であり、
バラツキが少なく、試薬安定性もよい免疫測定試薬の製
造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
免疫測定試薬製造法(以下、本発明1という)は、pH
が4.0〜6.0の緩衝液中で抗体又は抗原を不溶性担
体に担持させた後、pHを6.5〜9.0にすることを
特徴とする。
【0006】本発明の請求項2記載の免疫測定試薬製造
法(以下、本発明2という)は、pHが4.0〜6.0
であり、かつ温度が35〜50℃の緩衝液中で抗体又は
抗原を不溶性担体に担持させることを特徴とする。
【0007】本発明の請求項3記載の免疫測定試薬製造
法(以下、本発明3という)は、請求項2記載の方法で
抗体又は抗原を不溶性担体に担持させた後、pHを6.
5〜9.0にすることを特徴とする。
【0008】本発明1〜3で用いられる不溶性担体とし
ては、従来、免疫測定の分野で使用されてきた不溶性担
体であれば特に限定されないが、特に、抗体(又は抗
原)が担持された不溶性担体の凝集により抗原(又は抗
体)の測定を行うために使用される不溶性担体が好まし
く、例えば、無機物質粉末、有機高分子物質粉末、微生
物、血球、細胞膜片などが挙げられる。
【0009】上記無機物質としては、例えば、金、チタ
ン、鉄、ニッケル等の金属;アルミナ、チタニア等の金
属酸化物;シリカなどが挙げられる。
【0010】上記有機高分子としては、特に限定されな
いが、例えば、スチレン重合体、スチレン−スチレンス
ルホン酸塩共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸
ビニル−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられ
る。
【0011】不溶性担体としては、上記有機高分子物質
粉末を水に均一に懸濁させてラテックスを形成するため
の、ラテックス粒子が好ましい。このラテックス粒子の
平均粒径としては、0.05〜0.5μmが好ましい。
【0012】本発明1〜3で用いられる抗体としては、
被検出物質である抗原に対するポリクローナル抗体、モ
ノクローナル抗体等、通常の抗原に対して反応し得る抗
体が挙げられる。該抗体は複数の抗体からなるものでも
よく、通常の抗体を限定分解したもの、蛋白修飾したも
のでもよい。抗体としては、同一ロットで大量供給可能
な、ヤギなどの大型動物産生の抗体が好ましい。
【0013】本発明1〜3で用いられる抗原としては、
被検出物質である抗体に対するエピトープを有するもの
であれば、特に限定されず、天然の抗原でも、天然の抗
原に何らかの操作を加えたものでも、遺伝子操作等によ
り人工的に作製されたものでも良い。
【0014】以下、本発明1について説明する。本発明
1の製造法は、まず、緩衝液中で抗体又は抗原を不溶性
担体に担持させる。抗体又は抗原を不溶性担体に担持さ
せる際の緩衝液のpHは、低くなると抗体又は抗原が凝
集し易くなり、高くなると得られた免疫測定試薬を用い
た測定の際にプロゾーン抑制効果が低くなるので、4.
0〜6.0に限定され、4.2〜5.0が好ましい。
【0015】上記の、緩衝液中で抗体又は抗原を不溶性
担体に担持させる際の時間は、10〜120分が好まし
く、40〜60分がより好ましい。
【0016】上記緩衝液の種類としては、pHが4.0
〜6.0のものであれば、特に限定されないが、例え
ば、リン酸緩衝液、リン酸クエン酸緩衝液などが挙げら
れる。
【0017】抗体又は抗原を不溶性担体に担持させる際
の機構としては、公知の物理吸着法又は化学的結合法が
用いられる。
【0018】本発明1の製造法は、上記のようにして、
抗体又は抗原を不溶性担体に担持させた後、不溶性担体
の表面に、抗体又は抗原付着可能部位が残っている場合
には、該不溶性担体の使用時に非特異的吸着が起こらな
いように、該不溶性担体上の活性点を飽和させる操作、
いわゆるブロッキング操作を行うことが好ましい。
【0019】上記ブロッキング操作方法としては、例え
ば、牛血清アルブミンを0.5〜3重量%濃度、より好
ましくは1〜2重量%濃度で含有し、pHが4.0〜
6.0、より好ましくは4.2〜5.0、温度が4〜4
0℃、より好ましくは15〜25℃の緩衝液に、上記抗
体又は抗原が担持された不溶性担体を、10〜120
分、より好ましくは40〜60分接触させる方法が挙げ
られる。
【0020】本発明1の製造法は、抗体又は抗原を不溶
性担体に担持させた後、次いで、pHを6.5〜9.0
にする。
【0021】上記のpHを6.5〜9.0にする操作の
方法としては、抗体又は抗原が担持され、必要に応じ
て、ブロッキング操作が施された不溶性担体を含む緩衝
液を、遠心分離又はゲル濾過などにかけて、不溶性担体
の表面に付着していない抗体又は抗原を含む緩衝液と不
溶性担体とを分離し、次いで、分離された不溶性担体を
pHを6.5〜9.0の緩衝液に懸濁する方法が挙げら
れる。この懸濁に用いる緩衝液のpHは、低くなると得
られた免疫測定試薬が自己凝集を起こし易くなったり、
不溶性担体に担持された抗体又は抗原の蛋白質が変性し
易くなったりし、高くなると得られた免疫測定試薬を用
いた抗原抗体反応が抑制され易くなるので、6.5〜
9.0に限定され、好ましくは、7.5〜8.5であ
る。
【0022】上記緩衝液の種類としては、pHが6.5
〜9.0のものであれば、特に限定されないが、例え
ば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液など
が挙げられる。
【0023】pHを6.5〜9.0にする操作の他の方
法としては、抗体又は抗原が担持され、必要に応じて、
ブロッキング操作が施された不溶性担体を含む緩衝液
に、pHの高い緩衝液を添加して、最終pHが6.5〜
9.0にする方法が挙げられる。
【0024】また、上記のpHを6.5〜9.0にする
操作に用いる緩衝液中に、得られる免疫測定試薬の、凝
集反応を促進させる目的でポリエチレングリコールな
ど、保存安定性を向上させる目的で、例えば、アジ化ナ
トリウムなど、感度を上げる目的で、例えば、BSA、
ポリビニルピロリドンなどの添加剤を加えてもよい。
【0025】本発明1の製造法で得られる免疫測定試薬
が、不溶性担体としてラテックス粒子を用いた試薬(以
下、ラテックス試薬という)である場合、上記ポリエチ
レングリコールの使用量は、被検出物質を含む検体、ラ
テックス試薬及びラテックス試薬希釈用液などが混合さ
れて抗原抗体反応が行われる際の濃度として、0.1〜
3重量%となるように用いられるのが好ましい。上記濃
度が低くなると、凝集反応を促進させる効果が小さくな
り、高くなると抗体又は抗原が担持された不溶性担体の
非特異的凝集が起こり易くなる。また、上記ポリエチレ
ングリコールの平均分子量は、3000以上が好まし
い。上記平均分子量は大きくなるにつれてラテックス凝
集時の光学的強度が大きくなるが、平均分子量が10万
を超えると抗原抗体反応時の粘度が高くなりすぎるので
好ましくない。なお、このポリエチレングリコールは、
ラテックス試薬及びラテックス試薬希釈用液のいずれに
添加されてもよいし、また、その両方に添加されてもよ
い。
【0026】以下、本発明2について説明する。本発明
2の製造法は、まず、緩衝液中で抗体又は抗原を不溶性
担体に担持させる。抗体又は抗原を不溶性担体に担持さ
せる際の緩衝液のpHは、低くなると抗体又は抗原が凝
集し易くなり、高くなると得られた免疫測定試薬を用い
た測定の際にプロゾーン抑制効果が低くなるので、4.
0〜6.0に限定され、4.2〜5.0が好ましい。こ
の際、緩衝液の温度は、低くなると得られた免疫測定試
薬を用いた測定の際にプロゾーン抑制効果が低くなり、
温度が高くなると抗体又は抗原が失活し易くなるので、
35〜50℃に限定され、好ましくは37〜45℃であ
る。
【0027】上記緩衝液の種類としては、本発明1のも
のと同様である。
【0028】本発明2において、緩衝液中で抗体又は抗
原を不溶性担体に担持させる際の時間は、10〜120
分が好ましく、40〜60分がより好ましい。
【0029】抗体又は抗原を不溶性担体に担持させる際
の機構としては、本発明1と同様に、公知の物理吸着法
又は化学的結合法が用いられる。
【0030】本発明2の製造法は、上記のようにして、
抗体又は抗原を不溶性担体に担持させた後、不溶性担体
の表面に、抗体又は抗原付着可能部位が残っている場合
には、該不溶性担体の使用時に非特異的吸着が起こらな
いように、該不溶性担体上の活性点を飽和させる操作、
いわゆるブロッキング操作を行うことが好ましい。
【0031】上記ブロッキング操作方法としては、例え
ば、牛血清アルブミンを0.5〜3重量%濃度、より好
ましくは1〜2重量%濃度で含有し、pHが4.0〜
6.0、より好ましくは4.2〜5.0、温度が35〜
50℃、より好ましくは37〜45℃の緩衝液に、上記
抗体又は抗原が担持された不溶性担体を、10〜120
分、より好ましくは40〜60分接触させる方法が挙げ
られる。この際の温度が低いと、得られた免疫測定試薬
を用いた測定の際に、プロゾーン抑制効果が低くなり、
温度が高いと、抗体又は抗原が失活し易くなる。
【0032】以下、本発明3について説明する。本発明
3の製造法は、本発明2の方法で抗体又は抗原を不溶性
担体に担持させた後、次いで、pHを6.5〜9.0に
する。
【0033】上記のpHを6.5〜9.0にする操作の
方法としては、抗体又は抗原が担持され、必要に応じ
て、ブロッキング操作が施された不溶性担体を含む緩衝
液を、遠心分離又はゲル濾過などにかけて、不溶性担体
の表面に付着していない抗体又は抗原を含む緩衝液と不
溶性担体とを分離し、次いで、分離された不溶性担体を
pHを6.5〜9.0の緩衝液に懸濁する方法が挙げら
れる。この懸濁に用いる緩衝液のpHは、低くなると得
られた免疫測定試薬が自己凝集を起こし易くなったり、
不溶性担体に担持された抗体又は抗原の蛋白質が変性し
易くなったりし、高くなると得られた免疫測定試薬を用
いた抗原抗体反応が抑制され易くなるので、6.5〜
9.0に限定され、好ましくは、7.5〜8.5であ
る。
【0034】上記緩衝液の種類としては、pHが6.5
〜9.0のものであれば、特に限定されないが、例え
ば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液など
が挙げられる。
【0035】pHを6.5〜9.0にする操作の他の方
法としては、抗体又は抗原が担持され、必要に応じて、
ブロッキング操作が施された不溶性担体を含む緩衝液
に、pHの高い緩衝液を添加して、最終pHが6.5〜
9.0にする方法が挙げられる。
【0036】また、上記のpHを6.5〜9.0にする
操作に用いる緩衝液中に、得られる免疫測定試薬の、凝
集反応を促進させる目的でポリエチレングリコールな
ど、保存安定性を向上させる目的で、例えば、アジ化ナ
トリウムなど、感度を上げる目的で、例えば、BSA、
ポリビニルピロリドンなどの添加剤を加えてもよい。
【0037】本発明3の製造法で得られる免疫測定試薬
が、不溶性担体としてラテックス粒子を用いた試薬であ
る場合、上記ポリエチレングリコールの使用量及び平均
分子量などは、本発明1と同様である。
【0038】以下、本発明1〜3の製造法で得られる免
疫測定試薬により、検体中の被検出物質を測定する方法
について、免疫測定試薬がラテックス試薬である場合に
ついて説明する。
【0039】検体中の被検出物質を測定するには、光学
的に測定する方法または肉眼で測定する方法のいずれで
もよい。光学的に測定するには、例えば、まず、検体を
反応容器に分注し、これに、該免疫測定試薬を分注混合
し反応させる。この際、通常、該検体及び/又は該免疫
測定試薬は適当な緩衝液で希釈される。この工程におい
て検体および試薬の分注順序は、上記方法の逆でも同時
でもよい。反応におけるpHは、6.5〜9.0が好ま
しく、より好ましくは7.5〜8.5である。使用され
る緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝
液、グリシン緩衝液などが挙げられる。反応温度は、0
〜50℃が好ましく、より好ましくは20〜40℃であ
る。凝集反応時間は、20秒〜30分が好ましく、より
好ましくは1〜15分である。なお、上記測定時のラテ
ックスの固形分濃度は、吸光度の測定の容易さの点から
0.05重量%以下が好ましく、抗原抗体反応を十分に
行わせる点から0.01重量%以上が好ましい。
【0040】このようにして得られる凝集物の生成量ま
たは生成速度を吸光度等を測定することによって、検体
中の被検出物質の濃度を算出する。これには、例えば、
吸光度を1回測定する方法、吸光度を2回測定する方法
などがある。また、吸光度を測定する代わりに散乱光を
測定する方法も用い得る。測定は300〜1000nm
の適当な波長で行うことができるが、ラテックスの粒径
に対して十分長い波長を用いることが好ましい。このよ
うな光学的測定の装置は既知のものを使用できる。例え
ば、吸光度を測定する通常の分光光度計、光の散乱強度
を測定する装置、粒子数および/または粒子径を測定す
るための装置などが用いられる。上記凝集反応を測定す
るための専用装置としては、分光光度計を組み込んだ生
化学自動分析装置、免疫比濁法による凝集反応を測定す
るための専用装置、フローインジェクションを利用して
凝集反応を測定するための専用装置、ラテックス凝集反
応を測定するための専用装置などがある。
【0041】本発明1〜3の製造法で得られる免疫測定
試薬により測定することのできる検体は、抗原や抗体な
どの免疫学的に活性な物質を含有する試料、特に生体試
料(例えば、血液、胸水、腹水、リンパ液などの体液、
尿、便、汗などの排泄物、又は組織の抽出物など)であ
る。
【0042】本発明1〜3で得られる免疫測定試薬によ
る被検出物質としては、担持された抗体(又は抗原)と
反応する抗原(又は抗体)であり、通常、免疫学的に抗
原又は抗体に属するあらゆる物質が包含される。例え
ば、β2 マイクログロブリン(BMG)、α−ヘトプロ
ティン(AFP)等の腫瘍関連物質、C反応性蛋白(C
RP)、リューマチ因子(RF)、アンチストレプトリ
ジンO(ASO)、トランスフェリン等の血漿蛋白、H
Bs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体等のウ
イルス肝炎の抗原又は抗体等の各種生体成分が挙げられ
る。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明1〜
3を更に詳しく説明するが、本発明1〜3はこれら実施
例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比
較例においては、β2 マイクログロブリン(以下、BM
Gとする)を測定するためのラテックス試薬を作製し、
その性能を調べた。
【0044】実施例1 (1)抗BMG抗体担持ラテックス試薬の調製 抗体の不溶性担体への担持工程 抗ヒトBMG山羊産生抗体(ATAB社製)を、蛋白質
として1.8mg/mlの濃度でリン酸クエン酸緩衝液
(pH4.2)に溶解した液5mlに、平均粒径が0.
1μmのポリスチレン系ラテックス(固形分量10重量
%、積水化学工業社製)500μlを添加し、25℃に
て1時間攪拌した。
【0045】担持抗体のブロッキング工程 次に、牛血清アルブミン(以下、BSAという)を2重
量%濃度で含有した上記緩衝液(pH4.2)5ml
を、上記の抗ヒトBMG山羊産生抗体保持ラテックス懸
濁液に加え、25℃で1時間攪拌を続けた。
【0046】緩衝液の置換工程 上記工程で得られた懸濁液を、15℃、18000rp
mの条件で30分間遠心分離を行い上清を廃棄し、不溶
性担体に担持されていない抗体を取り除いた。次いで、
0.1重量%でアジ化ナトリウムを、及び1重量%でB
SAを溶解したトリス緩衝液(pH8.0)5mlで沈
殿を再度溶解した。この工程を2回繰り返し、抗BMG
抗体担持ラテックス試薬(以下、BMG測定用試薬とい
う)を製造した。
【0047】(2)BMGの光学的測定 上記BMG測定用試薬90μlを、ラテックス試薬希釈
用液〔BSAを1重量%、ポリエチレングリコール(ポ
リエチレングリコール6000、平均分子量7500、
和光純薬工業社製)を0.5重量%の濃度で溶解する
0.35Mリン酸緩衝液(pH6.5)〕180μlに
て希釈し、これにBMG陽性血清(BMG濃度:0、
1、2、4、10、16、20、60μg/mlの8種
類、ヒト由来)6μlを添加、攪拌し、4分後の波長8
00nmの吸光度を1回測定し、得られた吸光度(実際
の吸光度の測定値を10000倍した値)とBMG濃度
との関係を図1に示した。
【0048】また、試薬安定性を評価するために、4℃
又は30℃で3日間保存した、上記BMG測定用試薬9
0μl及びラテックス試薬希釈用液180μlを用い
て、上記と同様にして、BMG測定用試薬をラテックス
試薬希釈用液にて希釈し、これにBMG陽性血清(BM
G濃度:0.5μg/ml、ヒト由来)6μlを添加、
攪拌し、4分後の波長800nmの吸光度を測定した。
同様の測定を10回繰り返し、得られた吸光度(実際の
吸光度の測定値を10000倍した値)の平均値とその
変動係数〔(標準偏差/平均値)×100〕(%)を表
1に示した。
【0049】比較例1 実施例1における抗体の不溶性担体への担持工程及び担
持抗体のブロッキング工程において、緩衝液のpHを共
に7.0にしたことの他は、実施例1と同様にしてBM
G測定用試薬を製造し、実施例1と同様にして、吸光度
とBMG濃度との関係と、試薬安定性を評価し、結果を
それぞれ図1と表1に示した。
【0050】比較例2 実施例1における緩衝液の置換工程において、緩衝液の
pHを4.2にしたことの他は、実施例1と同様にして
BMG測定用試薬を製造し、実施例1と同様にして、吸
光度とBMG濃度との関係と、試薬安定性を評価し、結
果をそれぞれ図1と表1に示した。
【0051】比較例3 比較例1と同様にしてBMG測定用試薬を製造し、得ら
れたBMG測定用試薬を用いた、BMGの光学的測定に
おいて、ラテックス試薬希釈用液作製に際してポリエチ
レングリコールに代えてデキストランを濃度1重量%に
なるように添加したことの他は、実施例1の(2)BM
Gの光学的測定の項と同様にして、吸光度とBMG濃度
との関係と、試薬安定性を評価し、結果をそれぞれ図1
と表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】図1から分かるように、実施例1で得られ
たBMG測定用試薬は、抗体の不溶性担体への担持工程
及び担持抗体のブロッキング工程において、緩衝液のp
Hを共に7.0にした比較例1と比較してプロゾーンが
抑えられている。また、緩衝液の置換工程における緩衝
液のpHを4.2にした比較例2、及び、ラテックス試
薬希釈用液にデキストランを1重量%添加した比較例3
では、プロゾーンは抑えられているが、表1から分かる
ように、4℃で保存したものに比べ、30℃で保存する
と変動係数(バラツキ)が2倍程度上昇しているが、実
施例1で得られたBMG測定用試薬は、変動係数は殆ど
変化していない。
【0054】実施例2 (1)抗BMG抗体担持ラテックス試薬の調製 抗体の不溶性担体への担持工程 抗ヒトBMG山羊産生抗体(ATAB社製)を、蛋白質
として1.8mg/mlの濃度でリン酸クエン酸緩衝液
(pH5.0)に溶解した液5mlに、平均粒径が0.
1μmのポリスチレン系ラテックス(固形分量10重量
%、積水化学工業社製)500μlを添加し、37℃に
て1時間攪拌した。
【0055】担持抗体のブロッキング工程 次に、BSAを2重量%濃度で含有した上記緩衝液(p
H5.0)5mlを、上記の抗ヒトBMG山羊産生抗体
保持ラテックス懸濁液に加え、37℃で1時間攪拌を続
けた。
【0056】緩衝液の置換工程 上記工程で得られた懸濁液を用いたことの他は、実施例
1の(1)緩衝液の置換工程の項と同様に行い、BM
G測定用試薬を製造した。
【0057】(2)BMGの光学的測定 上記BMG測定用試薬90μlを、ラテックス試薬希釈
用液(実施例1(2)BMGの光学的測定の項で用いた
ものと同様のもの)180μlにて希釈し、これにBM
G陽性血清(BMG濃度:0、4、8、16、20、6
0、120μg/mlの7種類、ヒト由来)6μlを添
加、攪拌し、4分後の波長800nmの吸光度を1回測
定し、得られた吸光度(実際の吸光度の測定値を100
00倍した値)とBMG濃度との関係を図2に示した。
【0058】(3)同時再現性試験 また、上記BMG測定用試薬90μl及びラテックス試
薬希釈用液180μlを用いて、上記と同様にして、B
MG測定用試薬をラテックス試薬希釈用液にて希釈し、
これにBMG陽性血清(BMG濃度:0.5μg/m
l、ヒト由来)6μlを添加、攪拌し、4分後の波長8
00nmの吸光度を測定した。同様の測定を10回繰り
返し、得られた吸光度(実際の吸光度の測定値を100
00倍した値)の平均値とその変動係数〔(標準偏差/
平均値)×100〕(%)を表2に示した。
【0059】実施例3 実施例2における、抗体の不溶性担体への担持工程及び
担持抗体のブロッキング工程において、担持温度を45
℃に代えたことの他は、実施例2と同様に操作し、BM
Gの光学的測定の結果を図2に、同時再現性試験の結果
を表2に示した。
【0060】比較例4(本発明2及び3の比較例) 実施例2における、抗体の不溶性担体への担持工程及び
担持抗体のブロッキング工程において、担持温度を25
℃に代えたことの他は、実施例2と同様に操作し、BM
Gの光学的測定の結果を図2に、同時再現性試験の結果
を表2に示した。
【0061】比較例5(本発明2及び3の比較例) 比較例4と同様にしてBMG測定用試薬を製造し、得ら
れたBMG測定用試薬を用いた、BMGの光学的測定及
び同時再現性試験において、ラテックス試薬希釈用液作
製に際してポリエチレングリコールに代えてデキストラ
ンを濃度1重量%になるように添加したことの他は、実
施例2の(2)BMGの光学的測定及び(3)同時再現
性試験の項と同様に操作し、BMGの光学的測定の結果
を図2に、同時再現性試験の結果を表2に示した。
【0062】
【表2】
【0063】図2から分かるように、実施例2及び3で
得られたBMG測定用試薬は、抗体の不溶性担体への担
持工程及び担持抗体のブロッキング工程において、担持
温度を25℃にした比較例4と比較してプロゾーンが抑
えられており、感度も上昇している。また、ラテックス
試薬希釈用液にデキストランを濃度1重量%になるよう
に添加した比較例5では、プロゾーンは抑えられている
が、表2から分かるように、変動係数(バラツキ)が実
施例2と比較して2倍程度上昇している。
【0064】
【発明の効果】本発明1の免疫測定試薬製造法の構成
は、上記の通りであり、本発明1の製造法を用いると、
高感度を維持しつつ、プロゾーンの発生が抑えられ、低
濃度の検体も測定可能であり、バラツキが少なく、試薬
安定性もよい免疫測定試薬を得ることができる。
【0065】本発明2の免疫測定試薬製造法の構成は、
上記の通りであり、本発明2の製造法を用いると、高感
度を維持しつつ、プロゾーンの発生が抑えられ、低濃度
の検体も測定可能であり、バラツキが少なく、試薬安定
性もよい免疫測定試薬を得ることができる。
【0066】本発明3の免疫測定試薬製造法の構成は、
上記の通りであり、本発明3の製造法を用いると、より
高感度を維持しつつ、よりプロゾーンの発生が抑えら
れ、低濃度の検体も測定可能であり、よりバラツキが少
なく、試薬安定性もよい免疫測定試薬を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1〜3における、吸光度と
BMG濃度の関係を示すグラフ。縦軸は、吸光度(実際
の吸光度の測定値を10000倍した値)を、横軸は、
BMG濃度(μg/ml)を表す。
【図2】実施例2、3及び比較例4、5における、吸光
度とBMG濃度の関係を示すグラフ。縦軸は、吸光度
(実際の吸光度の測定値を10000倍した値)を、横
軸は、BMG濃度(μg/ml)を表す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pHが4.0〜6.0の緩衝液中で抗体
    又は抗原を不溶性担体に担持させた後、pHを6.5〜
    9.0にすることを特徴とする免疫測定試薬製造法。
  2. 【請求項2】 pHが4.0〜6.0であり、かつ温度
    が35〜50℃の緩衝液中で抗体又は抗原を不溶性担体
    に担持させることを特徴とする免疫測定試薬製造法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法で抗体又は抗原を不
    溶性担体に担持させた後、pHを6.5〜9.0にする
    ことを特徴とする免疫測定試薬製造法。
JP11805197A 1997-01-10 1997-05-08 免疫測定試薬製造法 Withdrawn JPH10253629A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020096029A1 (ja) * 2018-11-09 2020-05-14 積水メディカル株式会社 自動分析装置での免疫測定における異常検出抑制方法、及び免疫測定試薬

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020096029A1 (ja) * 2018-11-09 2020-05-14 積水メディカル株式会社 自動分析装置での免疫測定における異常検出抑制方法、及び免疫測定試薬

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