JP4086266B2 - 免疫測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体微量物質等を検出、定量するための免疫測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗原抗体反応を利用して、生体試料等の検体中の特定の成分を測定する免疫測定方法は臨床検査の分野で広く用いられている。例えば、一元免疫拡散法(SRID)、免疫比濁法(TIA)、免疫比ろう法(HA)、ラテックス凝集法(LA)、酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)等が挙げられ、それぞれ操作性、感度、精度等から使用目的により使い分けられている。
これら各種免疫測定法のうち高感度でかつ簡便な方法として、ヒツジ赤血球や高分子ラテックスなどの不溶性担体粒子に抗原あるいは抗体を固定化し、検体中の対応する抗体あるいは抗原により凝集反応を起こさせる方法が知られている。
【0003】
抗原あるいは抗体を不溶性担体に固定化する方法としては、物理的吸着あるいは化学的共有結合などの方法があるが、一般には物理的吸着が簡単でありかつ抗原活性あるいは抗体活性を損なうことがないので広く用いられている。物理的吸着には吸着させる抗原あるいは抗体と、水不溶性担体の間の疎水性相互作用が大きな役割を果たしていることから、表面の疎水性が高いポリスチレン系の合成ラテックスが不溶性担体粒子として用いられる。ポリスチレン系のラテックス粒子は、合成物質であるため保存時の安定性が他の担体よりも優れ、抗原、抗体などのタンパク質や脂質などの生理活性物質を強く吸着固定化し、さらに固定化した抗原あるいは抗体を長期間安定に保持し得る点でも優れているため、多くの免疫反応試薬、特に凝集反応試薬の担体として繁用されている。
【0004】
しかしながら、ポリスチレン系の合成ラテックスは、その保存中にラテックス粒子同士が自然凝集を起こしたり、測定対象の抗原抗体反応以外の物質との反応による凝集、いわゆる非特異凝集反応を起こしやすい。この問題を解決するために、抗原あるいは抗体を感作固定化したラテックス粒子の懸濁液に、ウシ血清アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの免疫学的に不活性なタンパク質等を添加しブロッキング操作を行うことにより、ラテックス粒子の疎水性表面を覆い、非特異凝集反応を防止した免疫学的反応用ラテックス試薬が提案されている。(特開昭58−144748)。さらに、非特異吸着防止剤として脱脂粉乳を水あるいはトリス緩衝液に溶解したもの(Gene Anal.Technol.,1,3〜8頁(1984)、Proc.Natl.Acad.Sci.,82,6741〜6744頁(1985)、細胞工学,5,264〜270頁(1986))や、血液タンパク質あるいは植物タンパク質を有効成分とする非特異吸着防止剤(特開平7−270413)、兎血液成分あるいはその変性物を粒子に被覆する方法(特開平5−322895)等、様々なブロッキング剤の工夫がなされてきた。
ところが、これら従来のブロッキング剤によっても十分な非特異反応の防止が出来ない場合、例えば、ブロッキングしたタンパク質それ自体に反応してしまう場合等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したブロッキング剤との非特異凝集反応を防止するためにブロッキングに使用したタンパク質を反応時に添加して防止する方法では、その効果は十分では無く、効果のある濃度までタンパク質を添加すると測定溶液の粘度が増加し操作性が悪くなるばかりでなく、測定の定量性への影響が出てくる場合もある。それ故に、測定の操作性、定量性に影響が無く、効果的な非特異反応防止方法が望まれている。従って、本発明の目的は、免疫凝集反応による測定に伴う非特異反応を簡便かつ効果的に抑制することにより、検体試料中の目的成分の正確な検出並びに定量性の良好な試薬を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
これら従来の課題を解決し、操作上の煩雑さを伴うことなく非特異反応を抑制する方法を鋭意検討した結果、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
(1)抗原あるいは抗体を固定化し、タンパク質でブロッキングした不溶性担体粒子を用いて、抗原抗体反応による凝集反応により検体中の抗原あるいは抗体を測定する際に、上記抗原抗体反応系に、ブロッキングに使用したタンパク質と同じタンパク質あるいはその変性物を固定化させた別の不溶性担体粒子を用いることを特徴とする免疫測定方法、
(2)ブロッキングに使用したタンパク質と同じタンパク質あるいはその変性物を固定化させた不溶性担体粒子の粒子径が、0.01μm〜0.5μmである上記(1)に記載の免疫測定方法、
(3)ブロッキングに使用したタンパク質と同じタンパク質あるいはその変性物を固定化させた不溶性担体粒子が、粒子径の異なる2種類以上の不溶性担体粒子からなる上記(1)又は(2)に記載の免疫測定方法、
【0007】
(4)タンパク質が正常動物血清あるいはそのアルブミン画分、あるいはそれらの変成物である上記(1)、(2)又は(3)に記載の免疫測定方法、
(5)不溶性担体粒子にブロッキング剤に使用したタンパク質と同じタンパク質を固定化する際に同時に熱処理を行って得た不溶性担体粒子を用いる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の免疫測定方法、
(6)不溶性担体粒子がポリスチレンラテックスである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の免疫測定方法、
(7)抗原あるいは抗体を固定化し、タンパク質でブロッキングした不溶性担体粒子と、検体中の抗原あるいは抗体との抗原抗体反応を行う前に、ブロッキングに使用したタンパク質と同じタンパク質あるいはその変性物を固定化させた別の不溶性担体粒子で検体を処理する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の免疫測定方法、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
免疫反応における非特異凝集反応は様々な機構により引き起こされるが、本発明は、抗原あるいは抗体を感作した不溶性担体粒子のブロッキング剤として粒子表面に固定化するタンパク質に対して起こる非特異反応を克服するため、非特異反応の吸収剤として、ブロッキングに使用したタンパク質と同一のタンパク質あるいはその変性物を別の不溶性担体粒子に固定化し、それを免疫凝集反応の際に共存させることにある。
【0009】
本発明において、ブロッキング剤に使用したタンパク質あるいはその変性物を不溶性担体粒子に固定化する方法としては、物理的吸着あるいは化学的結合等、特に限定されないが、物理的吸着が操作の簡便性等から好ましい。その調製方法は通常の抗原あるいは抗体を感作する時と同様の方法にしたがって行うことができる。例えば、タンパク質を緩衝液中に溶解させ、次いで、その溶液中に不溶性担体を懸濁させて一定時間攪拌混和して、不溶性担体表面にタンパク質を充分に吸着させた後、そのままもしくは緩衝液にて遠心分離洗浄することにより調製できる。使用される緩衝液は特に限定されないが、例えば、リン酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、塩化アンモニウム−アンモニア緩衝液あるいはグッドの緩衝液等が挙げられる。その濃度、pHは特に限定されずに使用できるが、通常使用される10mM〜800mMの濃度でpH4〜10の範囲が好ましい。
又、本発明におけるブロッキング剤に使用したタンパク質あるいはその変性物を不溶性担体粒子に固定化する際のタンパク質あるいはその変性物の緩衝液中の濃度は通常0.1%(W/V)〜10%(W/V)、好ましくは0.5%(W/V)〜5%(W/V)が使用される。又、その際の不溶性担体粒子の緩衝液中の濃度は通常0.1%(W/V)〜10(W/V)、好ましくは0.5%(W/V)〜5%(W/V)が使われる。
【0010】
又、本発明でブロッキング剤に使用したタンパク質の変性物を使用する場合、その変性方法としては、熱による変性、pHによる変性、あるいは酸化剤、還元剤、架橋剤、化学修飾反応剤等の化学変性剤による変性があるが、熱による変性が簡便でかつ効果的で好ましい。熱の加え方は使用するタンパク質によって異なるが、一般的に35〜70℃で10〜60分程度の加熱で充分である。又、このときタンパク質を溶解する緩衝液の種類、pH、濃度により最適なものを選択すれば良い。
さらには、該タンパク質を不溶性担体粒子に固定化した後に熱を加えることによりタンパク質を変性させることも、加熱して固定化することによりタンパク質の変性と固定化を同時に行うことも本発明に含まれる。
【0011】
固定化するタンパク質はブロッキング剤に使用したタンパク質と同じタンパク質又はその変性物を用いる。タンパク質としては、例えば、正常動物血清あるいはそのアルブミン分画、カゼイン、ゼラチン等が好ましい。アルブミン分画としてはウシ血清アルブミン、ブタ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン等が使用できる。
【0012】
不溶性担体粒子とは、固定化、保存及び測定を行う時に用いられる液体媒体に実質的に不溶性の粒子であり、一般的には緩衝液すなわち水に不溶性の粒子であり、平均粒子径が0.01μm以上で1μm以下の微粒子が好ましい。
【0013】
これらの粒子としては、種々知られている抗原抗体反応に使用される微粒子が特に限定されず使用できる。例えば、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、ポリアクロレインの様な乳化重合法により得られる有機高分子ラテックスなどの有機高分子の微粒子、あるいはシリカ、シリカーアルミナ、アルミナの様な無機酸化物微粒子あるいは各種酸化鉄の様な磁性微粒子、あるいはこれら無機酸化物などにシランカップリング処理などの操作で官能基を導入した無機微粒子、さらには無機微粒子を有機高分子で被覆した複合微粒子などがあり、生物由来の粒子としてはヒトO型赤血球、ヒツジ赤血球、ニワトリ赤血球などの生物由来の粒子などがある。
【0014】
特に好ましい不溶性担体粒子としてはポリスチレン系のラテックス粒子が挙げられる。又、スチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体であっても良く、架橋結合を形成していても良い。本発明に用いられる免疫凝集反応による測定方法は凝集反応であれば特に限定されず、凝集の程度を判定できれば公知のいずれの方法も使用できる。例えば、ガラス板法と呼ばれる目視判定の方法、マイクロタイター法と呼ばれるマイクロプレートの沈降像を見る方法、光学的に凝集の変化を測定する方法、あるいは凝集の程度を電気的に測定する方法などがある。光学的に測定する方法が好ましく、光学的に濁度、吸光度、あるいは散乱光の変化を測定する方法がより好ましい。
【0015】
本発明によるブロッキング剤に使用したタンパク質あるいはその変性物を固定化した不溶性担体粒子の免疫測定系への添加方法は特に限定されないが、免疫凝集反応時に溶液中に存在すれば良く、より効果的には前処理反応として免疫凝集反応に先立ち、検体と本発明のタンパク質固定化不溶性担体粒子との反応を行わせると良い。具体的には検体希釈液(前処理液)中に添加するのが好ましい。添加濃度は検体の種類により異なるが、通常、免疫凝集反応時にタンパク質固定化不溶性担体固形分として0.005〜0.2重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%である。添加量が0.005重量%より少ないと非特異反応の防止効果が得られにくく、又、0.2重量%以上添加すると免疫測定試薬自身の感度低下や、タンパク質固定化不溶性担体粒子による試薬自身の濁りの増加により精度が悪化する可能性がある。又、添加するタンパク質固定化不溶性担体粒子の粒子径によりその最適添加量は変化する。即ち、粒径が大きければ最適の添加量は少なくなり、粒径が小さければ添加量は多くなる。
【0016】
本発明によるタンパク質固定化不溶性担体粒子は粒子径により非特異防止効果が異なる。即ち、非特異防止効果としてはより大きな粒子径の不溶性担体粒子、できれば抗原あるいは抗体を固定化した感作粒子に用いた粒子と同じ粒子径のものが好ましい。しかしながら、粒子径のあまりに大きな不溶性担体粒子は試薬自体の濁りを増加させてしまうため、凝集による光学的特性の増加を検出する際に精度を落とす可能性があり、現在汎用されている自動分析装置は測定精度の低下をきたす場合がある。
【0017】
本発明のブロッキング剤に使用したタンパク質あるいはその変性物を固定化した不溶性担体粒子の粒子径は、凝集反応に用いる抗原あるいは抗体を固定化した感作不溶性担体粒子の粒子径の通常1/1〜1/50、好ましくは1/2〜1/20を用いる。
さらに又、粒子径の異なる2種類以上のタンパク質固定化不溶性担体粒子を用いることにより、試薬自体の濁りを上昇させずに非特異反応防止効果を高めることが可能である。即ち、粒子径の異なる2種類のタンパク質固定化不溶性担体粒子を使用する場合には、凝集反応に用いる抗原あるいは抗体を固定化した感作不溶性担体粒子の粒子径の1/1〜1/5の粒子径の粒子と1/5〜1/20の粒子径の粒子(両粒子が同一粒子径である場合を除く)を2:1〜1:10、好ましくは1:2〜1:5の割合で、感作不溶性担体粒子のブロッキング剤に使用したタンパク質又はその変性物を固定化した不溶性担体粒子として用いる。具体的に本発明による一例を示すと平均粒子径0.5μmのポリスチレンラテックスに抗体を感作し、1%牛血清アルブミンでブロッキングし、凝集反応粒子とした。一方、平均粒子径0.2μmおよび0.05μmのポリスチレンラテックスに1%牛血清アルブミンを抗体感作粒子と同様の方法で固定化したものを前処理反応液とすることである。
【0018】
本発明における不溶性担体粒子に固定化する抗原あるいは抗体としては、特に限定されることなく公知のものが使用できる。代表的なものを例示すれば、例えば、アルファフェトプロテイン(AFP)、抗AFP抗体、癌胎児性蛋白(CEA)、抗CEA抗体、B型肝炎表面抗原(HBs)、抗HBs抗体、ヒト反応性蛋白(CRP)、抗CRP抗体、ストレプトリジンO、抗ストレプトリジンO抗体、アルブミン、抗アルブミン抗体、イムノグロブリン(Ig)G、抗IgG抗体、IgA、抗IgA抗体、IgM、抗IgM抗体、補体第三成分(C3)、抗C3抗体、C4、抗C4抗体、変性ガンマグロブリン、リウマチ因子、ヒト胎盤ラクトゲン(hPL)、抗hPL抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、抗hCG抗体、インスリン、抗インスリン抗体、梅毒トレポネーマ抗原、風疹抗原、抗ロタウィルス抗体、ロタウイスル抗原等の公知の抗原あるいは抗体をあげることができる。
【0019】
本発明の検体としては、血清、血漿、尿、髄液等の体液が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明における感作不溶性担体粒子に用いる不溶性担体粒子としては、前記タンパク質固定化不溶性担体粒子に用いる不溶性担体粒子等が挙げられ、タンパク質固定化不溶性担体粒子で用いるものと同じものを用いても良く、又、異なったものを用いても良い。不溶性担体粒子への抗原又は抗体の固定化及びブロッキングは公知の方法により行うことができる。
【0020】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
(1) 非特異吸収ラテックスAの作成
0.05Mトリス−HCl緩衝液(pH7.4)9mLにウシ血清アルブミン(BSA)0.09gを溶解し、タンパク液を調製した。これに10%(W/V)ポリスチレンラテックス懸濁液(平均粒径;0.12μm)1mLを添加し、室温にて1.5時間攪拌した。その後、10℃、15,000rpmで1時間遠心分離を行い、得られた沈殿物を0.02%ノニオン系界面活性剤を含む1%BSA含有緩衝液にて洗浄し、最終的にラテックス濃度が1%となるようにその液で希釈した。
【0022】
(2) 非特異吸収ラテックスBの作成
0.01Mトリス−HCl緩衝液(pH7.4)9mLにBSA0.09gを溶解し、タンパク液を調製した。これに10%(W/V)ポリスチレンラテックス懸濁液(平均粒径;0.03μm)1mLを添加し、室温にて1.5時間攪拌し作成した。
【0023】
(3) 非特異吸収ラテックスC(熱変性)の作成
0.05Mトリス−HCl緩衝液(pH7.4)9mLにBSA0.09gを溶解し、タンパク液を調製した。これに10%(W/V)ポリスチレンラテックス懸濁液(平均粒径;0.12μm)1mLを添加し、60℃にて1.5時間攪拌した。その後、10℃、15,000rpmで1時間遠心分離を行い、得られた沈殿物を0.02%ノニオン系界面活性剤を含むBSA含有緩衝液にて洗浄し、最終的にラテックス濃度が1%となるようにその液で希釈した。
【0024】
(4) 非特異吸収ラテックスD(還元処理)の作成
10mMジエタノールアミン緩衝液(pH11)10mlにBSAを1重量%となるように溶解した。続いて、15.6μLの2−メルカプトエタノールを添加し、37℃にて2時間、攪拌しながら反応させる。その後、反応溶液に、N−エチルマレイミドの粉末25mgを添加し、室温にて30分間攪拌する。反応が終わり次第、得られた還元変成ウシ血清アルブミンは0.05M トリス−HCl緩衝液(pH7.4)にて一晩透析を行い、バッファー置換を行った。還元変成ウシ血清アルブミンの濃度はBSAとして1重量%となっている。その後、この1%還元変成ウシ血清アルブミン9mLに、10%(W/V)ポリスチレンラテックス懸濁液(平均粒径;0.12μm)1mLを添加し、室温にて1.5時間攪拌した。その後、10℃、15,000rpmで1時間遠心分離を行い、得られた沈殿物を0.02%ノニオン系界面活性剤を含むBSA含有緩衝液にて洗浄し、最終的にラテックス濃度が1%となるようにその液で希釈した。
【0025】
実施例1 非特異吸収ラテックスを用いた抗梅毒トレポネーマ抗体の測定
(1) 梅毒トレポネーマ抗原感作ラテックスの調製
平均粒径0.4μmのポリスチレンラテックス粒子に、梅毒菌体破砕物を感作させ、1時間反応させた。次いで、1%ウシ血清アルブミンを含有する0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH7.4)を添加し、1.5時間反応させブロッキングを行った。その後、ノニオン系界面活性剤を含むBSA含有緩衝液にて洗浄置換し、ラテックス固形分が0.1(W/V)%となるよう感作ラテックス懸濁液を調製した(R−2)。
(2) 検体希釈用緩衝液の調製
検体希釈液として、0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH7.4)に,3重量%デキストラン(平均分子量25万)、1重量%BSA、1.8重量%NaClと非特異吸収ラテックスAを固形分として0.03(W/V)%となるように添加した(R−1)。
(3) 抗梅毒トレポネーマ抗体測定試薬
抗梅毒トレポネーマ測定用試薬は、上記(1)の梅毒トレポネーマ抗原感作ラテックスからなるR−2と、上記(2)の血清希釈用緩衝液からなるR−1とから構成される2試薬系の試薬である。以下に、7150形自動分析装置((株)日立製作所製)を用いた際の測定パラメータを示す。
【0026】
検体 15μL
検体希釈用緩衝液(R−1) 250μL
ラテックス懸濁液(R−2) 80μL
測定波長 750nm
測光ポイント 2ポイントエンド(35−50ポイント)
7150型自動分析装置では、検体分注後、直ちに検体希釈用緩衝液(R−1)が添加され、検体は希釈・混合される。その5分後、ラテックス懸濁液(R−2)が添加され、35ポイントから50ポイントまでの濁度変化量を求め、これを反応量とした。今回使用した試薬では30U/mLの標準液よりも大きい濁度変化量を示したものは陽性と判定する。
【0027】
実施例2
実施例1の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスBを固形分として0.1(W/V)%となるように添加した(R−1)を用いる以外は実施例1と同様に行った。
【0028】
実施例3
実施例1の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスCを固形分として0.03(W/V)%となるように添加した(R−1)を用いる以外は実施例1と同様に行った。
【0029】
実施例4
実施例1の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスDを固形分として0.03(W/V)%となるように添加した(R−1)を用いる以外は実施例1と同様に行った。
【0030】
実施例5
実施例1の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスAを固形分として0.03(W/V)%、さらに非特異吸収ラテックスBを固形分として0.1(W/V)%となるように添加した(R−1)を用いる以外は実施例1と同様に行った。
【0031】
比較例1
実施例1の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスを除いた(R−1)を用いて、実施例1と同様に行った。
【0032】
結果
実施例1〜5および比較例1で得られた、検体の濁度変化量を以下にまとめた。いずれもn=2の平均値を示す。
【0033】
Figure 0004086266
以上のように、非特異吸収ラテックスを添加した測定試薬(実施例1〜5)では非特異検体について全て非特異反応を抑制することが出来た。一方、添加しなかった測定試薬(比較例1)では梅毒陰性検体の非特異反応を抑制することが出来なかった。
【0034】
実施例6 非特異吸収ラテックスを用いたヒトアルファフェトプロテイン(AFP)の測定
(1) 抗AFP抗体感作ラテックスの調製
平均粒径0.6μmのポリスチレンラテックス粒子に、抗ヒトAFP抗体(ヤギ)IgG分画1mg/mL品を750μL感作させ、1時間反応した。次いで、1%ウシ血清アルブミンを含有する0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH7.4)を添加し、1.5時間反応させブロッキングを行った。その後、ノニオン系界面活性剤を含むBSA含有緩衝液にて洗浄置換し、ラテックス固形分が0.1(W/V)%となるよう感作ラテックス懸濁液を調製した(R−2)。
(2) 検体希釈用緩衝液の調製
検体希釈液として、0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH7.4)に,3重量%デキストラン(平均分子量25万)、1重量%BSA、0.5重量%NaClと非特異吸収ラテックスAを固形分として0.03(W/V)%となるように添加した(R−1)。
(3) AFP測定試薬
AFP測定用試薬は、上記(1)の抗ヒトAFP抗体感作ラテックスからなるR−2と、上記(2)の血清希釈用緩衝液からなるR−1とから構成される2試薬系の試薬である。以下にコバスミラ自動分析装置(ロシュ ダイアグノスティックス(株)製)を用いた際の測定パラメータを示す。
【0035】
検体 20μL
検体希釈用緩衝液(R−1) 250μL
ラテックス懸濁液(R−2) 100μL
測定波長 750nm
測光ポイント 2ポイントエンド(15−50ポイント)
自動分析装置では、検体分注後、直ちに検体希釈用緩衝液(R−1)が添加され、検体は希釈・混合される。その5分後、ラテックス懸濁液(R−2)が添加され、15ポイントから50ポイントまでの濁度変化量を求め、これを反応量とした。今回使用した試薬では20ng/mLの標準液よりも大きい濁度変化量を示したものは陽性と判定する。
【0036】
実施例7
実施例6の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスBを固形分として0.1(W/V)%となるように添加した(R−1)を用いる以外は実施例6と同様に行った。
【0037】
実施例8
実施例6の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスCを固形分として0.03(W/V)%となるように添加した(R−1)を用いる以外は実施例6と同様に行った。
【0038】
実施例9
実施例6の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスDを固形分として0.03(W/V)%となるように添加した(R−1)を用いる以外は実施例6と同様に行った。
【0039】
実施例10
実施例6の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスAを固形分として0.03(W/V)%、さらに非特異吸収ラテックスBを固形分として0.1(W/V)%となるように添加した(R−1)を用いる以外は実施例6と同様に行った。
【0040】
比較例2
実施例6の(2)検体希釈用緩衝液の調製において、非特異吸収ラテックスを除いた(R−1)を用い実施例6と同様に行った。
【0041】
結果
実施例6〜10および比較例2で得られた、検体の濁度変化量を以下にまとめた。いずれもn=2の平均値を示す。
【0042】
Figure 0004086266
以上のように、非特異吸収ラテックスを添加した測定試薬(実施例6〜10)では非特異検体について全て非特異反応を抑制することが出来た。一方、添加しなかった測定試薬(比較例2)ではAFP陰性検体の非特異反応を抑制することが出来なかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、免疫凝集測定において、非特異反応を効率良く防止することができ、抗原抗体反応に基づく免疫凝集反応の簡便性、迅速性、高感度を変えることなく精度良く測定が可能となり、疾病の診断精度を上げることができる。

Claims (6)

  1. 抗原あるいは抗体を固定化し、タンパク質でブロッキングした不溶性担体粒子を用いて、抗原抗体反応による凝集反応により検体中の抗原あるいは抗体を測定する際に、上記抗原抗体反応系に、ブロッキングに使用したタンパク質と同じタンパク質あるいはその変性物を固定化させた粒子径の異なる2種類以上の別の不溶性担体粒子を用いることを特徴とする免疫測定方法。
  2. ブロッキングに使用したタンパク質と同じタンパク質あるいはその変性物を固定化させた不溶性担体粒子の粒子径が、0.01μm〜0.5μmである請求項1記載の免疫測定方法。
  3. タンパク質が正常動物血清あるいはそのアルブミン画分、あるいはそれらの変成物である請求項1又は2に記載の免疫測定方法。
  4. 不溶性担体粒子にブロッキング剤に使用したタンパク質と同じタンパク質を固定化する際に同時に熱処理を行って得た不溶性担体粒子を用いる請求項1〜のいずれかに記載の免疫測定方法。
  5. 不溶性担体粒子がポリスチレンラテックスである請求項1〜のいずれかに記載の免疫測定方法。
  6. 抗原あるいは抗体を固定化し、タンパク質でブロッキングした不溶性担体粒子と、検体中の抗原あるいは抗体との抗原抗体反応を行う前に、ブロッキングに使用したタンパク質と同じタンパク質あるいはその変性物を固定化させた粒子径の異なる2種類以上の別の不溶性担体粒子で検体を処理する請求項1〜のいずれかに記載の免疫測定方法。
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