JP2014228385A - 免疫試験方法および免疫試験キット - Google Patents

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Abstract

【課題】測定感度を向上させ、尚且つ非特異反応が少ないという優れた効果を有する免疫試験方法および免疫試験キットの提供。【解決手段】コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上の存在下で免疫反応を行うことを特徴とする免疫試験方法を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は免疫反応を利用する試験方法に関し、測定感度を向上させ、尚且つ非特異反応が少ないという優れた効果を有する免疫試験方法および免疫試験キットに関する。
ヒトの血液等の検体中の微量成分を定量する体外診断薬の分野において、抗原と抗体の反応を利用した免疫測定方法が広く用いられている。
免疫試験において測定感度の向上あるいは非特異反応の抑制を図るために、これまでに多くの添加剤に関する技術が開示されている。例えば、特許文献1では、被測定物質が含まれる試料溶液中にコンドロイチン硫酸を0.1〜0.3%(W/W)の割合で存在させる方法が提案されている。また、特許文献2では、該試料溶液中に塩化ナトリウムを0.94〜2.4%(W/V)の割合で存在させる方法を提案している。
特開平2−238361号公報 特許第3644704号公報
免疫試験において測定感度の向上を図る場合、信号値を増加させるために、反応を促進させる効果を持った物質を添加する方法や、バックグラウンド信号を低下させるために、反応を抑制させる効果を持った物質を添加する方法が多用される。しかし、反応促進剤と反応抑制剤の効果は相反関係にあるため、測定感度を向上させ、尚且つ非特異反応を抑制することのできる有効な方法は少なかった。
例えば、特許文献1では、測定感度の向上を目的としてコンドロイチン硫酸を添加しているが、添加量を向上させるにしたがって非特異反応も生じやすくなるという問題があった。それゆえ、測定感度の向上が見られる有効な濃度までコンドロイチン硫酸を添加できないという課題があった。
一方、特許文献2では、非特異反応の抑制を目的として塩化ナトリウムを添加しているが、添加量を向上させるにしたがって抗原抗体反応も抑制されてしまうという問題があった。それゆえ、非特異反応の低減が見られる有効な濃度まで塩化ナトリウムを添加できないという課題があった。
本発明は、上記課題を克服するものであり、免疫試験において、測定感度を向上させ、尚且つ非特異反応を抑制することのできる方法ならびに試験キットを提供する。
本発明は、コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上の存在下で免疫反応を行うことを特徴とする、免疫試験方法を提供する。
本発明の免疫試験方法によれば、反応促進効果を持つコンドロイチン硫酸を0.67〜2.67%(W/V)、反応抑制効果を持つ塩化ナトリウムを3.5%(W/V)以上の割合で添加することによって、免疫試験において、感度を向上させ、尚且つ非特異反応を抑制することができる。
本発明の免疫試験キットによれば、反応促進効果を持つコンドロイチン硫酸を0.67〜2.67%(W/V)、反応抑制効果を持つ塩化ナトリウムを3.5%(W/V)以上の割合で添加することによって、免疫試験において、測定感度を向上させ、尚且つ非特異反応を抑制することができる。
本発明の比較例1、2、および実施例1で使用した免疫試験キット用の分析装置の概念図である。 本発明の比較例1、2、および実施例1で行った検討結果をまとめたグラフである。 本発明の比較例3で行った検討結果を示す写真である。 本発明の実施例2で行った検討結果を示す写真である。
以下、本発明の免疫試験方法および免疫試験キットの実施形態について説明する。尚、ここに示す実施の形態は、あくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第一の実施形態は、コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上の存在下で免疫反応を行うことを特徴とする免疫試験方法である。本発明の免疫試験方法にて測定される試料としては、ヒトや動物の血液、血清、血漿、尿、精液、ずい液、唾液、汗、涙、腹水もしくは羊水など、被測定物質が含まれる可能性のある生体試料であれば全て対象となる。
本発明における被測定物質としては、特に限定されるものではなく、公知の抗原抗体反応を利用して測定できる物質であれば全て対象となる。例えば、核酸、タンパク質、脂質、糖類、ホルモン、抗体、レセプター、酵素などである。さらに詳細には、C反応性タンパク(CRP)、繊維素分解産物(FDP)、インターロイキンなどのサイトカイン、ケモカイン、前立腺特異抗原(PSA)、High Mobility Group Box 1(HMGB1)、好中球エラスターゼ、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどが挙げられる。
免疫試験とは、抗原抗体反応のように、被測定物質と、その物質と相補的な物質とを反応させて行う、被測定物質の検出あるいは測定を意味する。相補な物質とは、被測定物質を特異的に認識し、アフィニティーを示す物質を意味している。例えば、被測定物質が抗原であれば、相補的な物質の例として抗体を挙げることができる。この場合、抗原となりうるのは、タンパク質、ペプチド、DNA,RNA,低分子化合物などを挙げられる。また被測定物質が抗体であれば、免疫学的に相補的な物質の例として抗原、抗体を挙げることができる。その他、被測定物質と、その相補的な物質の組み合わせは、互いに特異的に認識することができれば限定はなく、リガンドとレセプター、抗原と抗体断片(あるいは改変抗体)、核酸と相補的核酸などを例として挙げることができる。
本発明の免疫試験方法としては、特に限定されるものではなく、公知の測定方法が利用できる。例えば、酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法(LIA)、酵素抗体法、蛍光抗体法、イムノクロマトグラフィー法、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応測定法、などを挙げることができる。また、本発明の免疫試験方法における測定は、用手法で行ってもよいし、分析装置等の装置を用いて行ってもよい。
例えば、酵素免疫測定法の場合は、被測定物質を特異的に認識する第一の抗体が固相化されたマイクロプレートと、試料希釈液、HRP等の酵素が修飾された被測定物質を特異的に認識する第二の抗体、洗浄緩衝液、及び発光/発色基質溶液を用いて行うと良い。また測定は、第二の抗体に修飾されている酵素に、その至適条件下で前記の基質を反応させ、その酵素反応生成物の量を光学的方法により測定すると良い。
また、蛍光免疫測定法の場合には、被測定物質を特異的に認識する第一の抗体が固相化された光導波路やマイクロプレートと、試料希釈液、蛍光物質が修飾された被測定物質を特異的に認識する第二の抗体、洗浄緩衝液を用いて行うと良い。また測定は、第二の抗体に修飾されている蛍光物質に励起光を照射し、その蛍光物質が発する蛍光強度を測定すると良い。さらに放射免疫測定法の場合には、前述した方法と同様の操作により、放射性物質による放射線量を測定すると良いし、発光免疫測定法の場合には、発光反応系による発光量を測定すると良い。
また、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応測定法などの場合には、エンドポイント法またはレート法により透過光や散乱光を測定すると良い。そして、イムノクロマトグラフィー法の場合には、テストライン上に現れる標識物質の色を目視的に確認すると良い。なお、この目視的に確認する替わりに、分析装置等の機器を用いてもよい。
本明細書中では、試料溶液とは、被測定物質が含まれる、もしくは含まれると疑われる、溶液を意味する。免疫反応溶液という場合には、被測定物質と、その相補的な物質が含まれた溶液を指す。試料溶液の例として、ヒトの血液、血清、血漿、尿、精液、ずい液、唾液、汗、涙、腹水、羊水、あるいはそれらを含む希釈液など、被測定物質の含まれる可能性がある溶液を挙げることができる。さらには、前記の試料を緩衝液などと混合した溶液も、試料溶液に含まれる。混合あるいは希釈する溶媒としては、各種の水系溶媒を用いることができる。例えば、精製水、生理食塩水、またはトリス緩衝液、リン酸緩衝液もしくはリン酸緩衝液生理食塩水などの各種緩衝液を挙げることができる。さらに、緩衝液のpHについては、適宜、好適なpHを選択して用いればよく、特に限定されることはないが、pH3〜12の範囲内のpHを選択して用いることが一般的である。また溶媒に、被測定物質の構造的な保護を目的として、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カゼインなどのタンパク質、各種糖類、脱脂粉乳、正常ウサギ血清などの各種動物血清、アジ化ナトリウムもしくは抗生物質などの各種防腐剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤もしくは陰イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤等、1種または2種以上を適宜含有させてもよい。
コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上の存在下で免疫反応を行う手段は限定されない。免疫反応液に、コンドロイチン硫酸と塩化ナトリウム、被測定物質、相補的な物質が、いずれの順番で加えられてもよく、また、コンドロイチン硫酸、塩化ナトリウム、被測定物質、相補的な物質は、濃縮状態、あるいは、乾燥状態で加えられてもよい。すなわち、試料溶液にあらかじめ、コンドロイチン硫酸、塩化ナトリウムが加えられ、後に抗体が加えられてもよいし、コンドロイチン硫酸、塩化ナトリウムの存在する容器に、試料溶液と、抗体が加えられてもよいし、抗体を含む溶液にあらかじめ、コンドロイチン硫酸、塩化ナトリウムが加えられ、後に試料溶液と混合してもよいし、その他、あらゆる手段を取りうる。ここで、試料溶液に存在させるコンドロイチン硫酸と塩化ナトリウムの効果について説明する。
コンドロイチン硫酸は、免疫反応や非特異反応など、その反応の種類を問わず、反応を促進させる効果を持つ。それゆえ、コンドロイチン硫酸を試料溶液に存在させることで、免疫試験における信号値を増幅させることができるが、非特異反応も増幅されるという欠点を持つ。つまり、免疫反応の信号増幅を期待してコンドロイチン硫酸を高い割合で存在させた場合、非特異反応によるバックグラウンド信号も増加してしまい、結果として測定感度は低下してしまう。
一方、塩化ナトリウムは、免疫反応や非特異反応など、その反応の種類を問わず、反応を抑制させる効果を持つ。それゆえ、塩化ナトリウムを免疫反応溶液に存在させることで、非特異反応を減少させることができるが、免疫反応も抑制されるという欠点をもつ。つまり、非特異反応の抑制を期待して塩化ナトリウムを高い割合で存在させた場合、免疫試験による信号値も低下してしまい、結果として測定感度は低下してしまう。
本発明では、コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上の存在下で免疫反応を行うことを特徴としている。本願発明者らは、鋭意研究の結果、反応抑制効果を持つ塩化ナトリウムと、反応促進効果を持つコンドロイチン硫酸を、前記の割合で存在させることで、非特異反応を抑制し、尚且つ免疫反応を促進させる効果が得られることを見出したのである。
免疫反応溶液中に存在させる塩化ナトリウムの割合は、3.5%(W/V)以上が好適であり、顕著に反応が抑制される。また、添加割合の上限は特に規定されないが、塩化ナトリウムには塩析効果も認められるため、過度の添加は避けるべきである。したがって、塩化ナトリウムの割合は3.5〜10%(W/V)程度が好適と言える。
免疫反応溶液中に存在させるコンドロイチン硫酸の割合は0.67〜2.67%(W/V)が好適である。コンドロイチン硫酸の割合は、0.67%以上で、顕著な反応促進効果を得ることができる。一方で、3.3%(W/V)以上のコンドロイチン硫酸を存在させた場合、試料溶液の粘性が非常に高くなり、用手法や自動分析装置での免疫反応操作に不具合が生じる。また、本発明で使用されるコンドロイチン硫酸としては、コンドロイチン硫酸またはその塩化物が用いられる。例えばコンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、またはコンドロイチン硫酸Cナトリウムなどを用いると良い。
(実施の形態2)
本発明の第二の実施形態は、コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上の存在下で免疫反応を行うように調製されている、免疫試験キットである。
本発明の免疫試験キットとしては、コンドロイチン硫酸が0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウムが3.5%(W/V)以上の割合で免疫反応溶液中に存在するように構成される限り、特に限定されるものではない。上記と同様に、免疫反応液に、コンドロイチン硫酸と塩化ナトリウム、被測定物質、相補的な物質は、いずれの順番で加えられてもよく、例えば、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウムをそれぞれ別の容器に準備しておき、測定前に被測定物質を含む試料と混合し、上記割合となるように調製すること、また、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウムを予め混合液として準備しておき、上記割合となるように試料や希釈液などと混合する方法も可能である。さらに、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウムを乾燥状態で準備し、試料や希釈液を混合しても良い。さらに、本発明の免疫試験キットの構成においては、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウムは、試薬と組み合わせておいてもよいし、あるいは、固相にあらかじめ付着させておいてもよい。例えば、試薬に組み合わせておく場合、組み合わせる試薬は、免疫反応に必要な緩衝液、試料希釈液、酵素などの標識物質を含有する抗体溶液、発色などのシグナルを生成する物質を含有する試薬、発色などのシグナルの生成に関与する物質を含有する試薬、較正(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬、又は精度管理を行うための物質を含有する試薬などが挙げられる。固相の例としては、免疫試験キットに用いられる不溶性担体や試験紙、マイクロプレート、ガラス板、マイクロチューブ、ろ紙、ポリマー樹脂等を挙げることができる。
免疫試験キットとは、免疫試験に必要な試薬等を含むキットをさし、免疫試験に必要な種々の試薬のセット、免疫試験に必要な種々の試薬を充填した使いきりタイプの免疫試験キット、複数の試料を同時に測定するためのマイクロプレートタイプの試験キットや、内部に試薬等を含み目視による結果の判定が可能なイムノクロマトグラフィーや、試験紙も、免疫試験キットに含まれる。
使いきりタイプの免疫試験キットの形態の一例としては、被測定物質を特異的に認識する第一の抗体が固相化された球状や棒状の担体、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウム溶液、試薬希釈液、ALP等の酵素が修飾された被測定物質を特異的に認識する第二の抗体、洗浄液、および発光基質溶液などを検査容器に充填する構成が考えられる。検査容器の形状は、被測定物質の測定を行うことができる限り特に限定されるものではない。例えば、反応槽や試薬格納槽が複数並んだ舟型の容器や、板状の基体に溝を設け、反応槽や格納槽を流路で繋いだ流路型の容器があげられる。また、検査容器の大きさも特に限定されるものではないが、該分析装置に組み込んで用いるためには、10センチメートル×10センチメートル程度以下の小型であることが望ましい。さらに、反応槽への異物の混入や、試薬格納槽に充填しておいた試薬の蒸発・劣化を避けるために、各槽の上部をシールすることもできる。例えば、アルミニウム箔や高分子フィルム等を検査容器の反応槽と格納槽の上部に接着させる方法があげられる。特に、アルミニウム箔によるシールは、分析装置の穿孔機構や分注チップの先端で容易に開封できるので好ましい。検査容器の素材としては、被測定物質を測定するための反応を阻害する物質でない限り特に限定されるものではない。例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等があげられる。
また、マイクロプレートタイプの試験キットの形態としては、以下の構成が考えられる。例えば、被測定物質を特異的に認識する第一の抗体が固相化されたマイクロプレートと共に、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウム溶液、試料希釈液、HRP等の酵素が修飾された被測定物質を特異的に認識する第二の抗体、洗浄液、および発色基質溶液などを、それぞれ試薬ボトルとして付属する構成である。また、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウムを予め試料希釈液に含有させておいても良いし、マイクロプレート上に乾燥状態で付着させておいても良い。
イムノクロマトグラフィーの形態としては、ハウジングケース、サンプルパット、コンジュゲートパット、メンブレンフィルター、吸収パットから構成されるラテラルフローが好適である。また、ラテラルフローは以下の手順により作製される。まず、金コロイドや着色ビーズを標識した被測定物質を特異的に認識する第一の抗体を作製し、これをコンジュゲーションパットに塗布・乾燥させる。一方で、被測定物質を特異的に認識する第二の抗体をメンブレンフィルターのテストライン上に塗布・乾燥させる。さらに、前記第二の抗体を特異的に認識する第三の抗体をメンブレンフィルターのコントロールライン上に塗布・乾燥させる。最後に、このフィルターに前記コンジュゲーションパット、サンプルパット、吸収パットを貼りつけたものをラテラルフローとする。
そして、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウム溶液を、上記のラテラルフローに付属し、これをイムノクロマト測定試験キットとすることができる。また、コンドロイチン硫酸ならびに塩化ナトリウム溶液をサンプルパットやコンジュゲートパットに塗布・乾燥させておき、これを前記メンブレンフィルターに貼りつけたものをイムノクロマト測定試験キットとしてもよい。
本実施形態のさらに具体的な形態として、例えば、コンドロイチン硫酸溶液と塩化ナトリウムを含む溶液と、抗体溶液を含み、免疫反応の際に、コンドロイチン硫酸が0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウムが3.5%(W/V)以上となるような免疫試験キットを例示できる。このような免疫試験キットは、酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法(LIA)、酵素抗体法、蛍光抗体法、イムノクロマトグラフィー法、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応測定法など、あらゆる免疫試験に用いることができ、それぞれの方法に合わせ、適宜、抗体は修飾でき、あるいは、担体に固定されてもよく、また、免疫試験キットは、ラテックスビーズ、マイクロチューブ、あるいは、イムノクロマトグラフィー法に用いられる場合は、ハウジングケース、サンプルパット、コンジュゲートパット、メンブレンフィルター、吸収パット、コロイドなどを含むことができる。
あるいは、別の例として、コンドロイチン硫酸と塩化ナトリウムが付着したマイクロプレートと、抗体溶液を含み、免疫反応の際に、コンドロイチン硫酸が0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウムが3.5%(W/V)以上となるような免疫試験キットを例示できる。このような免疫試験キットは、酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法(LIA)、等の免疫試験に用いることができ、それぞれの方法に合わせ、適宜、抗体は修飾でき、また、免疫試験キットは、基質溶液などを含むことができる。
(実施の形態3)
本発明の第三の実施形態は、免疫反応溶液に加えるコンドロイチン硫酸と塩化ナトリウムを含む試薬であって、免疫反応の際に、コンドロイチン硫酸が0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウムが3.5%(W/V)以上となるような試薬、である。本実施形態において、試薬の形状は特に限定されず、コンドロイチン硫酸と、塩化ナトリウムを含む、溶液であってもよいし、あるいは、タブレット、粉末、容器に付着させた乾燥状態など、目的となる試験にあわせた容量、形状をとることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲は下記の実施例により何ら限定されるものではない。
(1)免疫試験キット用の分析装置
図1に本実施例で作製した免疫試験キット用の分析装置の概念図を示す。図示のように検査容器1が分析装置に組み込まれている。同図において、2は光電子倍増管、3はフォトンカウンター、4は柱状の不溶性担体5を搬送するためのハンドリングアームである。図示のように、光電子倍増管2は、被測定物質の測定の際に生じる発光反応を受光するために、検査容器1の上部に配置されている。また、フォトンカウンター3は、光電子増倍管2からの信号を計測するために設置されており、外部出力装置に接続されている。図示のように、ハンドリングアーム4は、不溶性担体5を搬送する際に用いられ、検査容器1の上部に設置されている。
(2)不溶性担体の作製
ポリスチレン樹脂を射出成形することにより、図1に記載の不溶性担体5を作製した。担体上部の平板状部位は、ハンドリングアーム4による搬送の際に使用される平板状の部位であり、直径を12mm、厚みは1.5mmとした。また、不溶性担体5の柱状部位は、被測定物質を特異的に認識する抗体を固相化しておくための部位であり、直径を0.7mm、長さを40mmとした。
(3)検査容器の作製
ポリプロピレン樹脂を射出成形することにより、図1に記載の検査容器1を作製した。検査容器には免疫試験を行うための反応槽が複数設けられている。各槽の直径は2.6mm、深さは41mmとした。また隣の槽との間隔を18mmとした。
(4)不溶性担体の搬送方法
ハンドリングアーム4の先端に、シリコーンゴム製の円柱形先端を有する管状治具とチューブを取り付けた(不図示)。更に、そのチューブの先に電磁バルブと空気ポンプを取り付けた。この空気ポンプによりチューブ内を負圧とし、電磁バルブをオン/オフさせることで、平板状部位を介して不溶性担体5を持ち上げ/放せるようにした。この機構により、ハンドリングアーム4を移動させて、検査容器1の各槽から槽へ不溶性担体5を移動することが可能になった。
(5)不溶性担体へのHMGB1抗体の固相化
HMGB1ポリクローナル抗体(Proteintech Group社)をトリス緩衝液(pH8.0)で10μg/mlに希釈し、抗体固相化用の容器に100μLずつ分注した。その後、この溶液に不溶性担体5の柱状部位を浸漬させて、4℃で一昼夜静置した。次に、不溶性担体5を取り出し、表面をトリス緩衝液(pH8.0)で洗浄した。次に、Bovine Serum Albumin(Sigma社)をトリス緩衝液(pH8.0)で5%に希釈し、抗体固相化用の容器に100μLずつ分注した。その後、この溶液に不溶性担体5の柱状部位を浸漬させて、室温で2時間静置した。その後、不溶性担体5を取り出し、表面をトリス緩衝液(pH8.0)で洗浄した。次に、Sucrose(和光純薬工業社)をトリス緩衝液(pH8.0)で5%に希釈し、抗体固相化用の容器に100μLずつ分注した。その後、この溶液に不溶性担体5の柱状部位を浸漬させて、室温で2時間静置した。最後に不溶性担体5を取り出し、乾燥させて4℃で保存した。
(6)HMGB1抗体へのALP標識
HMGB1モノクローナル抗体(Abnova社)への酵素標識は、Alkaline Phosphatase Labeling Kit−NH2(商品名、同仁化学研究所社)を用いてメーカープロトコール通りに行った。
次に、1%BSA含有トリス緩衝液(pH8.0)を用いて、ALP標識されたHMGB1モノクローナル抗体を2.0μg/mlに調整し、4℃で保存した。
(7)免疫試験キットの作製
免疫試験キット11の作製においては、図1に記載の検査容器1を使用した。検査容器の不溶性担体設置槽6に、HMGB1ポリクローナル抗体を固相化した不溶性担体5を挿入した。次に、0.05%Tween20含有トリス緩衝液(pH8.0)を洗浄液として、洗浄槽8、9に115μLずつ分注した。最後に、化学発光試薬(Lumigen社)を発光反応槽10に100μL分注し、これを免疫試験キット11とした。
尚、免疫試験キット11を使用する際には、2.0μg/mLに調整したALP標識HMGB1モノクローナル抗体溶液(33μL)と、被測定物質を含む試料(33μL)と、コンドロイチン硫酸と塩化ナトリウムを含有させた試料希釈液(66μL)を混合し、免疫反応槽7に分注した。その後、前記分析装置に設置して測定を行った。
<参考例1>
参考例1として、試料溶液中の塩化ナトリウムの割合(W/V)と、免疫試験における発光信号値の関係を調べた。
測定は前述の分析装置を用いた。また免疫試験キットは、前記(7)に従って作製した。被測定物質を含む試料として、HMGB1を0、3.91、15.63、62.5ng/mL含有するヒト血清溶液を使用した。また、健常人の血漿検体A、B、Cも合わせて使用した。試料希釈液として、0、100、150、300、600、900、1200、1500mMの塩化ナトリウムを含有する3%BSA−トリス緩衝液(pH8.0)を使用した。
測定方法としては、まず、2.0μg/mLに調整したALP標識HMGB1モノクローナル抗体溶液(33μL)と、被測定物質を含む各種の試料(33μL)と、塩化ナトリウムを含有させた各種検体希釈液(66μL)を混合し、検査容器1の免疫反応槽7に分注した。尚、この操作により、試料溶液中の塩化ナトリウムは、0、0.39、0.58、1.17、2.34、3.50、4.67、5.84%(W/V)の割合で存在することになる。免疫試験は1ステップサンドイッチCLEIA法を用いた。また反応条件は、免疫反応時間を10分、洗浄時間を2分(合計2回)、発光反応時間を3分、発光測定時間を6秒で行った。
表1から、試料溶液中の塩化ナトリウムの割合が高くなるにつれて、免疫反応や非特異反応など、その反応の種類を問わず、反応が抑制されることが理解される。例えば、健常人の血漿検体の信号値は、塩化ナトリウムの割合が高くなるにつれて低下する。これは非特異反応が塩化ナトリウムにより抑制されていることを意味している。さらに、62.5ng/mLのHMGB1を測定したときの結果に示されるように、ヒト血清検体の信号値も、塩化ナトリウムの割合が高くなるにつれて低下する。これは、免疫反応も塩化ナトリウムにより抑制されていることを意味している。そして、塩化ナトリウムを3.5%(W/V)以上の割合で試料溶液中に存在させると、免疫反応と非特異反応が十分に抑制されることが分かる。
<参考例2>
参考例2として、試料溶液中のコンドロイチン硫酸の割合(W/V)と、免疫試験における発光信号値の関係を調べた。
測定装置は前述の分析装置を用いた。また免疫試験キットは、前記(7)に従って作製した。その他、免疫試験、ならびに試料溶液の作製は、参考例1と同様に実施した。
被測定物質を含む試料として、HMGB1を0、3.91、15.63、62.5ng/mL含有するヒト血清溶液を使用した。試料希釈液として、0、1、2、3、4、5、6、7%のコンドロイチン硫酸Cナトリウム(和光純薬工業社)を含有する3%BSA−1500mM塩化ナトリウム‐トリス緩衝液(pH8.0)を使用した。尚、この操作により、試料溶液中のコンドロイチン硫酸は、0、0.67、1.33、2.00、2.67、3.33、4.00、4.67%の割合で存在することになる。
表2から、試料溶液中のコンドロイチン硫酸の割合が高くなるにつれて、免疫反応が促進されていることが理解される。例えば、62.5ng/mLのHMGB1を測定したときの結果に示されるように、ヒト血清検体の信号値は、コンドロイチン硫酸の割合が高くなるにつれて増加している。一方で、試料溶液中のコンドロイチン硫酸が3.33%(W/V)以上の割合になると、溶液の粘性が非常に高くなり、自動分析装置での洗浄操作等に障害が生じた。それゆえ、コンドロイチン硫酸の割合は0.67〜2.67%(W/V)が好ましいと言えた。
<比較例1>
比較例1として、試料希釈液に3%BSA−トリス緩衝液(pH8.0)を用いて、HMGB1の測定を行った。尚、使用したトリス緩衝液には塩化ナトリウムが0.88%(W/V)含まれているため、参考例で示した試料溶液の調製により、塩化ナトリウムは0.58%の割合で存在することになる。
測定は前述の分析装置を用いた。また免疫試験キットは、前記(7)に従って作製した。その他、免疫試験、ならびに試料溶液の作製は、参考例1と同様に実施した。
被測定物質を含む試料としては、HMGB1を0、0.24、0.98、3.91、15.63、62.5、250、1000ng/mL含有するヒト血清溶液を使用した。
表3に結果を発光強度で示す。試料溶液中に0.58%の塩化ナトリウムを存在させた場合の検出限界(±2SD法)は、15.63ng/mLであった。
<比較例2>
比較例2として、試料希釈液に0.2%コンドロイチン硫酸を含有する3%BSA−トリス緩衝液(pH8.0)を用いて、HMGB1の測定を行った。尚、使用したトリス緩衝液には塩化ナトリウムが0.88%含まれているため、参考例で示した試料溶液の調製により、コンドロイチン硫酸は0.13%、塩化ナトリウムは0.58%の割合で存在することになる。
測定は前述の分析装置を用いた。また免疫試験キットは、前記(7)に従って作製した。その他、免疫試験、ならびに試料溶液の作製は、参考例1と同様に実施した。また、被測定物質を含む試料は、比較例1と同様のものを使用した。
表4に結果を発光強度で示す。試料溶液中に0.13%のコンドロイチン硫酸と、0.58%の塩化ナトリウムを含有させた場合の検出限界(±2SD法)は、15.63ng/mLであった。
<実施例1>
実施例1として、試料希釈液に3%コンドロイチン硫酸ならびに1500mM塩化ナトリウムを含有する3%BSA−トリス緩衝液(pH8.0)を用いて、HMGB1の測定を行った。
測定装置は前述の分析装置を用いた。また免疫試験キットは、前記(7)に従って作製した。その他、免疫試験、ならびに試料溶液の作製は、参考例1と同様に実施した。また、被測定物質を含む試料は、比較例1と同様のものを使用した。
表5に結果を示す。試料溶液中に2%のコンドロイチン硫酸と、5.8%の塩化ナトリウムを含有させた場合の検出限界(±2SD法)は、3.91ng/mLであった。
図2に比較例1、2および実施例1で得られた測定結果を示した。尚、得られた結果を比較しやすいように、グラフのX軸をHMGB1濃度比(1000ng/mLのHMGB1濃度を1とした場合の濃度比)、Y軸を発光信号比(1000ng/mLのHMGB1濃度を測定した際に得られた信号値を1とした場合の信号比)で表した。
試料溶液中に0.58%の塩化ナトリウムのみを含有させた場合に比べ、0.13%のコンドロイチン硫酸を含有させた場合の方が高い信号を得ることができる。しかし、この濃度のコンドロイチン硫酸には検出限界を向上させる程の効果は見られない。一方、試料溶液中に2%のコンドロイチン硫酸と、5.8%の塩化ナトリウムを含有させた場合では、検出限界が向上していることが分かる。
以上、本発明の免疫試験キットを用いることで、測定感度を向上させ、尚且つ非特異反応を抑制することができる。
(8)HMGB1モノクローナル抗体感作コロイドの作製
50mLの遠心分離用チューブに、金コロイド溶液(BBI社、粒子径40nm)を9mL、20mMのリン酸緩衝液(pH7.0)を1mL加え、軽く撹拌した。次に、80μg/mLのHMGB1モノクローナル抗体を1mL加えて、室温で10分間清置した。その後、1%PEG20000(キシダ化学社)を0.55mL、10%BSAを1.1mL加えて、軽く撹拌した。この溶液を8000g−15分間の条件で遠心分離し、金コロイドを沈澱させて上清を取り除いた。そこに、pH8.2の金コロイド保存緩衝液(BSA:5g、アジ化ナトリウム:0.5g、PEG20000:0.25g、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン:1.211g、塩化ナトリウム:4.383gを純水500mLに溶解した水溶液)を20mL加え、再度、遠心分離を行った。その後、上清を取り除き、得られた金コロイド感作HMGB1モノクローナル抗体を、吸光度(520nm)で6.0となるように、金コロイド保存緩衝液で希釈した。
(9)HMGB1ポリクローナル抗体固相化ハーフストリップの作製
吸収パット(日本ミリポア社、17mm×30cm)を、メンブレンカード(日本ミリポア社、ハイフロープラスメンブレンカード、6cm×30cm)の吸収パット接着部に貼りつけた。次に、メンブレンカードのコンジュゲートパット接着部から下を切り離した。さらに、メンブレンカードを約5mmの幅に切断し、これをハーフストリップ用のイムノクロマトとして使用した。
テストラインおよびコントロールラインへの抗体の塗布は、マイクロピペッターによる滴下で行った。まず、端部(前記切断部)から約10mmの位置に0.5mg/mLのHMGB1ポリクローナル抗体を0.5μL滴下して、これをテストラインとした。次に、前記テストラインから約5mmの間隔をあけて、0.5mg/mLの抗マウスIgG抗体(LifeSpan BioSciences社)を0.5μL滴下し、これをコントロールラインとした。
<比較例3>
比較例3として、試料希釈液に2%コンドロイチン硫酸を含有する3%BSA−トリス緩衝液(pH8.0)を用いて、HMGB1のイムノクロマト測定を行った。
被測定物質を含む試料として、HMGB1を0、0.24、0.98、3.91、15.63、62.5、250、1000ng/mL含有するヒト血清溶液を使用した。
測定方法は下記の通りである。まず、HMGB1モノクローナル抗体感作コロイド溶液(10μL)と、上記の試料希釈液(50μL)と、被測定物質を含む各種の試料(50μL)を混合して、96穴マイクロプレートに分注した。次に作製したHMGB1ポリクローナル抗体固相化ハーフストリップを浸漬し、混合液をメンブレンへと展開させた。そして、浸漬から40分後にハーフストリップを取り出し、テストラインの有無を目視にて確認した。尚、使用した試料希釈液とHMGB1モノクローナル抗体感作コロイド溶液には、塩化ナトリウムが0.88%含まれている。そのため、試料溶液中にコンドロイチン硫酸は0.9%、塩化ナトリウムは0.48%の割合で存在することになる。
図3に測定結果を示す。0ng/mLの濃度のHMGB1を測定した場合において、テストラインに擬陽性反応が生じており、本条件における定性的な判定は行えなかった。このことから、試料溶液中にコンドロイチン硫酸が好適な割合で存在していても、塩化ナトリウムが好適な割合で存在しない場合は、非特異反応が抑制されず、擬陽性が生じてしまうことが分かる。
<実施例2>
実施例2として、試料希釈液に2%コンドロイチン硫酸ならびに1500mM塩化ナトリウムを含有する3%BSA−トリス緩衝液(pH8.0)を用いて、HMGB1のイムノクロマト測定を行った。
被測定物質を含む試料は比較例3と同様のものを用いた。また、測定方法も比較例3と同様に実施した。尚、使用したHMGB1モノクローナル抗体感作コロイド溶液には、塩化ナトリウムが0.88%含まれている。そのため、試料溶液中にコンドロイチン硫酸は0.9%、塩化ナトリウムは4.1%の割合で存在することになる。
図4に測定結果を示す。0ng/mLの濃度のHMGB1を測定した場合において、テストラインに擬陽性(非特異的な反応)は認められなかった。そして、3.91ng/mlの濃度からHMGB1の目視判定が可能であった。
以上、本発明の免疫試験キットを用いることで、測定感度を向上させ、尚且つ非特異反応を抑制することができる。
1.検査容器
2.光電子倍増管
3.フォトンカウンター
4.ハンドリングアーム
5.不溶性担体
6.不溶性担体設置槽
7.免疫反応槽
8.洗浄槽
9.洗浄槽
10.発光反応槽
11.免疫試験キット

Claims (7)

  1. 被測定物質の免疫試験方法であって、コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上の存在下で免疫反応を行うことを特徴とする免疫試験方法。
  2. 被測定物質がHMGB1であることを特徴とする、請求項1に記載の免疫試験方法。
  3. コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上の存在下で免疫反応を行うように調製されている、免疫試験キット。
  4. 前記免疫試験キットが、少なくとも、コンドロイチン硫酸と塩化ナトリウムを含有する試料希釈液と、被測定物質を特異的に認識する抗体が固相化された不溶性担体と、検査容器とを具備し、
    試料溶液を試料希釈液で希釈する工程において、
    試料−試料希釈混合液が、コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上となるように調製されることを特徴とする、請求項3に記載の免疫試験キット。
  5. 被測定物質がHMGB1であることを特徴とする、請求項4に記載の免疫試験キット。
  6. 前記免疫試験キットがイムノクロマト測定試験キットであり、
    少なくとも、コンドロイチン硫酸と塩化ナトリウムを含有する試料希釈液と、被測定物質を特異的に認識する抗体が固相化されたラテラルフローとを具備し、
    試料溶液を試料希釈液で希釈する工程において、
    試料−試料希釈混合液が、コンドロイチン硫酸0.67〜2.67%(W/V)、塩化ナトリウム3.5%(W/V)以上となるように調整されることを特徴とする、請求項3に記載の免疫試験キット。
  7. 被測定物質がHMGB1であることを特徴とする、請求項6に記載の免疫試験キット。
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