JP2019158791A - イムノクロマトグラフィー測定方法、イムノクロマトグラフィー用希釈液、およびイムノクロマトテストキット - Google Patents
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Abstract
【課題】非特異反応を抑制して検査の確度を向上させる。【解決手段】イムノクロマトグラフィー測定方法の一態様は、血清および血漿の少なくとも一方を含んだ検体を生理食塩水よりも塩濃度が高い希釈液で希釈する工程と、上記検体中の検出対象物質である血清アミロイドA(SAA)と検出物質標識抗SAA抗体とを反応させて血清アミロイドA(SAA)と検出物質標識抗SAA抗体との複合体を形成させ、当該複合体を含んだ上記検体をクロマト展開させて当該複合体を、抗SAA抗体が固定されたテストラインにて捕捉させる工程と、上記テストラインの色を、目視および分析装置の少なくとも一方で分析する工程と、を備える。【選択図】 図6
Description
本発明は、イムノクロマトグラフィー測定方法、イムノクロマトグラフィー用希釈液、およびイムノクロマトテストキットに関する。
イムノクロマトグラフィー法とは、免疫測定法の1つである。その原理は、毛細管現象によって展開膜中を流れる検体中の検出対象物質が、展開膜におけるテストラインに固定されたキャプチャー抗体(または抗原)によって捕捉されることによってテストラインが発色するというものである。なお、テストラインの発色は、無色の検出対象物質の捕捉に伴う化学反応の結果として発色する場合だけで無く、有色の検出対象物質の捕捉によって着色される場合もあるが、本明細書ではこれらを区別すること無く発色と称する。
テストラインの色が分析されることにより、検体中の検出対象物質(例えば炎症マーカ)の測定が行われる。テストラインの色の分析は、定性的な分析か、あるいは好適には定量的な分析である。
炎症マーカとしてはC反応性蛋白(CRP)、血清アミロイドA(SAA:serum amyloid A)、α1酸性糖タンパク等が利用されており、特にCRPが一般的である。CRPはヒトや犬では炎症時に著しく上昇するが、猫では炎症時でもほとんど変動しない。一方、SAAは猫の炎症マーカとして有用であることが知られている。
検体は、生体より採取された血液、血清、血漿等であり、希釈液で希釈されて調製される。イムノクロマトグラフィー法において使用される希釈液は、生理食塩水等が用いられることが多く、その塩濃度は150mM程度である。
例えば特許文献1には、生理食塩水等で検体(血液)を100〜10000倍に希釈するイムノクロマトグラフィー法が開示されている。
例えば特許文献1には、生理食塩水等で検体(血液)を100〜10000倍に希釈するイムノクロマトグラフィー法が開示されている。
また、例えば特許文献2には、希釈液(緩衝液)中に更に特定の有機物重合体が添加された展開溶媒が用いられるイムノクロマトグラフィー法が開示されている。
しかしながら、かかるイムノクロマトグラフィー法においては、試料の種類によっては、検体中に検出対象物質が存在しないにもかかわらず捕捉部位(テストライン)が発色する、所謂非特異反応が生じることがある。この非特異反応は、例えば目視の発色確認による検査における確度の低下をもたらすことがあった。
さらに、イムノクロマトテストストリップリーダが用いられた発色強度測定による検査の場合は、非特異反応による発色強度が高いと、非特異反応による発色の分だけ測定のレンジが圧縮されてしまい、測定の確度が低下することとなっていた。
そこで、本発明は、非特異反応を抑制して検査の確度を向上させることを課題する。
そこで、本発明は、非特異反応を抑制して検査の確度を向上させることを課題する。
上記課題を解決するために、本発明に係るイムノクロマトグラフィー測定方法の一態様は、血清および血漿の少なくとも一方を含んだ検体を生理食塩水よりも塩濃度が高い希釈液で希釈する工程と、上記検体中の検出対象物質である血清アミロイドA(SAA)と検出物質標識抗SAA抗体とを反応させて血清アミロイドA(SAA)と検出物質標識抗SAA抗体との複合体を形成させ、当該複合体を含んだ上記検体をクロマト展開させて当該複合体を、抗SAA抗体が固定されたテストラインにて捕捉させる工程と、上記テストラインの色を、目視および分析装置の少なくとも一方で分析する工程と、を備える。
本発明の発明者は、鋭意検討の結果、生理食塩水よりも塩濃度が高い希釈液が用いられることで非特異反応が抑制されることを見いだした。本発明に係るイムノクロマトグラフィー測定方法の上記態様によれば、非特異反応が抑制されて検査の確度が向上する。
上記イムノクロマトグラフィー測定方法において、上記希釈液の塩濃度が250mM以上であることが好ましい。塩濃度が250mM以上であると、テストラインの発色が目視では認められない程度まで非特異反応が抑制されることが実験的に確認された。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るイムノクロマトグラフィー用希釈液の一態様は、上記イムノクロマトグラフィー測定方法に使用するための希釈液であって、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムのうちから選択された1以上の塩(えん)が添加される。
希釈液に添加される塩(えん)としては、塩化ナトリウムのみならず塩化カリウムが用いられてもよい。
希釈液に添加される塩(えん)としては、塩化ナトリウムのみならず塩化カリウムが用いられてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るイムノクロマトテストキットの一態様は、抗SAA抗体が固定されたテストラインを有し、希釈された検体がクロマト展開されるイムノクロマトテストストリップと、上記検体を希釈する、生理食塩水よりも塩濃度が高い希釈液と、を備える。
このようなイムノクロマトテストキットによれば、キットに備えられた希釈液で検体が希釈されてイムノクロマトテストストリップでクロマト展開されることにより、非特異反応が抑制された確度の高い検査が容易に実現される。
上記イムノクロマトテストキットにおいて、上記希釈液の塩濃度が250mM以上であることが好ましい。塩濃度が250mM以上であると、テストラインの発色が目視では認められない程度まで非特異反応が抑制されることが実験的に確認された。
また、上記イムノクロマトテストキットにおいて、上記イムノクロマトテストストリップでクロマト展開される検体が、血清アミロイドA(SAA)と検出物質標識抗SAA抗体との複合体を含むものであってもよい。
また、上記検出物質標識抗SAA抗体の標識粒子が、金属コロイド、着色ラテックス粒子および蛍光シリカナノ粒子のうちいずれかの標識粒子であってもよい。
また、上記検出物質標識抗SAA抗体の標識粒子が、金属コロイド、着色ラテックス粒子および蛍光シリカナノ粒子のうちいずれかの標識粒子であってもよい。
本発明によれば、非特異反応が抑制されて検査の確度が向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のイムノクロマトグラフィー測定方法の一実施形態で用いられる分析装置の外観を示す斜視図である。
図1は、本発明のイムノクロマトグラフィー測定方法の一実施形態で用いられる分析装置の外観を示す斜視図である。
図1に示す分析装置1は、電源スイッチ11、タッチパネル12、およびテストストリップ挿入口13を有する。タッチパネル12は、分析すべき検体に係るID情報などの入力や動作指令信号の入力に用いられる。
テストストリップ挿入口13には、ストリップ状のイムノクロマトテストストリップ(以下、単に「テストストリップ」という。)が、表面を上方に向けた状態で、水平な姿勢で挿入される。
分析装置1の内部には、イムノクロマトテストストリップの後述するテストラインの色を光学的に読み取るCMOSカメラ等の光学素子が組み込まれており、テストラインの色がその光学素子で読み取られ、吸光度等へと換算され、記憶装置に記憶されている検量線情報が用いられて化学濃度へ換算される。このように、図1に示す分析装置1ではテストラインの色が定量的に分析される。
図2は、本発明のイムノクロマトテストキットの一実施形態を示す図である。
図2は、本発明のイムノクロマトテストキットの一実施形態を示す図である。
図2に示すイムノクロマトテストキット2は、テストストリップ20と希釈液30とを備えている。希釈液30は、本発明のイムノクロマトグラフィー用希釈液の一実施形態に相当する。
本実施形態におけるテストストリップ20は、2つの開口部22A、22Bが形成された例えばプラスチック製のケース22の内部に収容され、テストストリップ20の表面の一部が開口部22A、22Bから露出している。また、ケース22の表面にはコード領域21が設けられており、このコード領域21には、例えばQRコード(登録商標)などの二次元コードが記載される。二次元コードに含まれる情報は、例えば分析項目、有効期限、ロット番号などのテストストリップ20の基本情報、および、例えば反応時間、検量線などのテストストリップ20に固有の呈色反応に関連する情報などである。
図3は、ケース22の内部に収容されたテストストリップ20を示す図であり、図4は、テストストリップ20の構造を示す図である。
ケース22の内部には、検体の展開方向に長く延びたテストストリップ20が固定されて収容されている。
図3は、ケース22の内部に収容されたテストストリップ20を示す図であり、図4は、テストストリップ20の構造を示す図である。
ケース22の内部には、検体の展開方向に長く延びたテストストリップ20が固定されて収容されている。
テストストリップ20は、検体滴下部25と、標識保持部26と、展開部27と、捕捉部28と、吸収部29とを備えている。テストストリップ20は、全体として、例えば濾紙などの多孔質支持体で構成されている。
検体滴下部25は、希釈された検体が滴下される部分であり例えばフィルタペーパによって構成されている。この検体滴下部25の部分は、図2に示す一方の開口部22Aに露出する。従って、検体は、この開口部22Aから検体滴下部25に滴下される。検体滴下部25に滴下された検体は、多孔質支持体に吸収され、毛細管現象によって標識保持部26へと向かう。
標識保持部26には標識抗体が保持されている。具体的には、例えばAuコロイド溶液に抗SAA抗体が物理吸着されたものが例えばグラスファイバシートに含浸されて乾燥されたものである。本実施形態における検出対象物質は血清アミロイドA(SAA)であり、標識抗体としては検出物質標識抗SAA抗体が用いられる。より詳細には、検出対象物質は例えばネコSAAであり、標識抗体は例えば金コロイド標識抗ネコSAAマウスモノクローナル抗体である。
また、検出物質標識抗SAA抗体の標識粒子としては例えば金コロイドが用いられる。なお、標識粒子としては、金コロイド以外の金属コロイドが用いられてもよく、あるいは、着色ラテックス粒子、蛍光シリカナノ粒子が用いられてもよい。標識抗体は、標識保持部26に移動してきた検体中に溶け出し、検出対象物質である血清アミロイドA(SAA)が存在する場合にはそのSAAと結合して複合体を形成する。
展開部27は、このような複合体を含んだ検体をクロマト展開させる部分であり、例えばニトロセルロースメンブレンで構成されている。展開部27の途中には、検体の展開方向と直交する方向に延びるライン状に捕捉部(テストライン)28が形成されている。この捕捉部28には、検出対象物質と特異的に結合するキャプチャー抗体(または抗原)が固定されている。本実施形態ではSAAが検出対象物質であるのでキャプチャー抗体として抗SAA抗体が捕捉部28に固定されている。クロマト展開によって検体が捕捉部28に到達すると、検体中に含まれた上記複合体の血清アミロイドA(SAA)が抗SAA抗体に結合する。その結果、捕捉部28に上記複合体が留まることになり、複合体の標識抗体(が有する標識粒子)の色で捕捉部28が発色することになる。展開部27の捕捉部28が形成された箇所は、図2に示す他方の開口部22Bに露出しており、開口部22Bを介して捕捉部28の色が分析される。
捕捉部28を越えて更にクロマト展開された検体は、例えばフィルタペーパによって構成された吸収部29によって吸収される。
図2に戻って説明を続ける。
捕捉部28を越えて更にクロマト展開された検体は、例えばフィルタペーパによって構成された吸収部29によって吸収される。
図2に戻って説明を続ける。
希釈液30は瓶31内に封入されており、使用時に瓶31のキャップ32が開封されて希釈液30が検体の希釈に用いられる。希釈液30には、例えば塩化ナトリウムや塩化カリウムといった無機塩が生理食塩水よりも高い濃度で添加されている。また、希釈液30には、有機物の重合体は添加されていない。
なお、イムノクロマトテストキット2には、テストストリップ20と希釈液30に加えて、標識抗体を含んだ標識試薬が備えられてもよい。イムノクロマトテストキット2に標識試薬が備えられる場合には、テストストリップ20へ検体が滴下される前に標識試薬が検体に添加される。また、イムノクロマトテストキット2に標識試薬が備えられる場合には、テストストリップ20の標識保持部26は設けられない。
図1に示す分析装置1と図2に示すイムノクロマトテストキット2とを用いた本発明のイムノクロマトグラフィー測定方法の一実施形態について説明する。
図5は、本発明のイムノクロマトグラフィー測定方法の一実施形態を示す図である。
図1に示す分析装置1と図2に示すイムノクロマトテストキット2とを用いた本発明のイムノクロマトグラフィー測定方法の一実施形態について説明する。
図5は、本発明のイムノクロマトグラフィー測定方法の一実施形態を示す図である。
図5に示すイムノクロマトグラフィー測定方法の第1の工程(A)では、イムノクロマトテストキット2に備えられた希釈液30の瓶31が開封され、瓶31内に検体40が滴下されて希釈液30によって希釈される。検体40は、例えば動物から採取された血液の遠心分離により得られた血清であり、例えば10μLが希釈液30によって100倍に希釈される。
次に第2の工程(B)では、希釈液30で希釈された検体41の例えば100μLがテストストリップ20の検体滴下部25に滴下される。これにより、検体41はテストストリップ20に吸収されて検出対象物質と標識抗体との複合体が形成される。そして、その複合体を含んだ検体41がクロマト展開され、テストストリップ20の捕捉部(テストライン)28で複合体が捕捉される。その結果、捕捉部(テストライン)28は、検体41中に含まれている検出対象物質の量に応じた濃さで発色する。
次に第3の工程(C)では、テストストリップ20がケース22ごと分析装置1に挿入され、分析装置1によって捕捉部(テストライン)28の色が定量分析される。
なお、本発明のイムノクロマトグラフィー測定方法では、テストラインの色の分析として、テストラインが発色したか否かを目視やセンサで確認する定性分析が行われてもよく、あるいはテストラインの発色の濃さを例えば色見本と目視で見比べる定量分析が行われてもよい。
このようなイムノクロマトグラフィー測定方法により、検体40、41中の検出対象物質の量(あるいは有無)が分析されることになる。
このようなイムノクロマトグラフィー測定方法により、検体40、41中の検出対象物質の量(あるいは有無)が分析されることになる。
ここで、分析における確度の向上には、捕捉部(テストライン)28における非特異反応の抑制が重要となるが、本発明の発明者は、希釈液30の塩濃度を適切な濃度とすることによって非特異反応が抑制されることを見いだした。
以下、非特異反応が抑制される希釈液30の塩濃度について説明する。
図6は、希釈液30の塩濃度と非特異反応の強度との関係を示すグラフである。
以下、非特異反応が抑制される希釈液30の塩濃度について説明する。
図6は、希釈液30の塩濃度と非特異反応の強度との関係を示すグラフである。
図6の横軸は希釈液30の塩濃度[mM]を示し、縦軸は非特異反応の強度を示している。希釈液30には具体的には塩化ナトリウムが添加されている。また、一例として猫のSAAが検出対象物質である場合の非特異反応の強度が測定されている。
希釈液30の塩濃度が生理食塩水よりも低い125mMの場合には、非特異反応の強度が非常に高く、発色強度は飽和に近い強度となる。これに対し、希釈液30の塩濃度が生理食塩水よりも高い250mMになると、非特異反応が大幅に抑制され、目視ではテストラインの発色が認められない程度まで発色強度が低下することが確認された。
250mMという塩濃度は、生理食塩水の塩濃度を大きく超えており、検体中のタンパク質が破壊されることを懸念して一般的には希釈液には用いられない塩濃度である。しかしながら、実際に発明者が希釈液に用いたところ、検出対象物質は破壊されずに非特異反応が抑制されるという作用が確認された。
非特異反応の大幅な抑制は、希釈液30の塩濃度が500mMの場合および1000mMの場合でも確認されたが、希釈液30の塩濃度が2000mMに達すると、非特異反応の強度が再び増すことが分かった。
反応強度のこのような変化から、非特異反応の抑制効果は、いわゆる塩溶・塩析を生じさせる作用と同様の作用によって生じていると考えられる。即ち、生理食塩水よりも低い塩濃度では、検出対象物質とキャプチャー抗体が自らのまわりをとりまく水クラスタを保持しきれずに水中へと露出することにより、夾雑物質を含む水溶液中のタンパク質分子同士の非特異的な吸着作用が、検出対象物質とキャプチャー抗体との特異的な吸着作用を上回り、強い非特異反応を生じる。
そして、塩濃度が増すと検出対象物質とキャプチャー抗体のまわりの水クラスタが塩の存在により安定化されてゆき、分子間に常に距離が生じるようになる。その結果として、夾雑物質はキャプチャー抗体に接触する機会を失い、非特異反応が大幅に減少する。一方で、検出対象物質とキャプチャー抗体との吸着作用は夾雑物質のものよりも強いため、水クラスタの存在下でも反応性は失われず、特異的反応のみが観測されるようになる。
さらに塩濃度が増すと、塩(えん)によりタンパク質表面の水クラスタが奪われてしまい、夾雑物質がキャプチャー抗体に接触する機会が増加するため、再び非特異反応が強まる。
さらに塩濃度が増すと、塩(えん)によりタンパク質表面の水クラスタが奪われてしまい、夾雑物質がキャプチャー抗体に接触する機会が増加するため、再び非特異反応が強まる。
このような作用は、希釈液30に塩化ナトリウムが添加される場合のみでは無く、塩化カリウムが添加される場合や、塩化ナトリウムと塩化カリウムの混合物が添加される場合にも、同様の塩濃度で同様な作用が生じると予想される。また、ネコSAAのみならず、ヒトSAA、イヌSAA、ウマSAAが検出対象物質である場合にも、同様の塩濃度で同様な作用が生じると予想される。特にヒトSAAでは、図6のグラフが示す塩濃度と同様の塩濃度で同様の作用が確認されており、少なくともSAAが検出対象物質である場合には一般的に同様の作用が生じることが予想される。
1…分析装置、2…イムノクロマトテストキット、20…テストストリップ、25…検体滴下部、26…標識保持部、27…展開部、28…捕捉部、29…吸収部、30…希釈液
Claims (7)
- 血清および血漿の少なくとも一方を含んだ検体を生理食塩水よりも塩濃度が高い希釈液で希釈する工程と、
前記検体中の検出対象物質である血清アミロイドA(SAA)と検出物質標識抗SAA抗体とを反応させて血清アミロイドA(SAA)と検出物質標識抗SAA抗体との複合体を形成させ、当該複合体を含んだ前記検体をクロマト展開させて当該複合体を、抗SAA抗体が固定されたテストラインにて捕捉させる工程と、
前記テストラインの色を、目視および分析装置の少なくとも一方で分析する工程とを含むことを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定方法。 - 前記希釈液の塩濃度が250mM以上であることを特徴とする請求項1記載のイムノクロマトグラフィー測定方法。
- 請求項1または2記載のイムノクロマトグラフィー測定方法に使用するための希釈液であって、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムのうちから選択された1以上の塩(えん)が添加されたことを特徴とするイムノクロマトグラフィー用希釈液。
- 抗SAA抗体が固定されたテストラインを有し、希釈された検体がクロマト展開されるイムノクロマトテストストリップと、
前記検体を希釈する、生理食塩水よりも塩濃度が高い希釈液と、
を備えたことを特徴とするイムノクロマトテストキット。 - 前記希釈液の塩濃度が250mM以上であることを特徴とする請求項4記載のイムノクロマトテストキット。
- 前記イムノクロマトテストストリップでクロマト展開される検体が、血清アミロイドA(SAA)と検出物質標識抗SAA抗体との複合体を含むことを特徴とする請求項4または5に記載のイムノクロマトテストキット。
- 前記検出物質標識抗SAA抗体の標識粒子が、金属コロイド、着色ラテックス粒子および蛍光シリカナノ粒子のうちいずれかの標識粒子であることを特徴とする請求項6に記載のイムノクロマトテストキット。
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