JP2020509349A - 溶液ベースのプラズモン特異的結合パートナーアッセイおよび金属ナノ構造体 - Google Patents

溶液ベースのプラズモン特異的結合パートナーアッセイおよび金属ナノ構造体 Download PDF

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Abstract

本発明は、ナノ構造体-結合パートナーコンジュゲート、ならびに反応混合物、分析物検出装置、ならびにコンジュゲートを作製および使用する方法に関する。特に、本発明は、試料中の標的分析物を検出する方法であって、試料を溶液中で第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートと混合する工程を含み、第1および第2の検出コンジュゲートは、試料中に標的分析物が存在する場合にそれに特異的に結合して第1の検出コンジュゲートと分析物と第2の検出コンジュゲートとの間で複合体を形成することができる結合パートナーに連結された金属ナノ構造体を含み、複合体形成時の光信号の変化が試料中の標的分析物の存在を示す、方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2017年1月30日に出願された米国特許仮出願第62/451,932号の恩典を主張する。
発明の分野
本発明は、試料中の標的分析物を検出するためのシステムおよび方法に関する。特に、本発明は、試料中の少量の標的分析物を検出することができる局在表面プラズモン共鳴ベースの分析物検出システムを提供する。
発明の背景
現在の免疫アッセイおよび生体分子結合アッセイは、典型的に、アッセイを実施するために複数の工程および高性能の設備を必要とする。そのような不均一アッセイを実施することに関わる感度の欠如および複雑性は、標識された特異的結合パートナーを標識されていない特異的結合パートナーから分離する特定の必要性から生じる。
貴金属ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴(LSPR)特性に基づくアッセイを開発する試みがなされてきている(Tokel et al., Chem Rev., Vol. 114: 5728-5752, 2014(非特許文献1))。LSPRは、入射光によって誘導されるナノメートルサイズの構造における電子の集団振動である。金属ナノ粒子は、それらのすぐ近くでの屈折率変化に対して強い電磁応答を有し、したがって、ナノ粒子の共鳴周波数におけるシフトを、ナノ粒子表面への分子結合の指標として測定することができる。金属ナノ粒子、特に金ナノ粒子が、結合事象を検出するために診断アッセイにおいて使用されているが、そのようなアッセイは、概して、低い感度に悩まされており、連続した結合事象の速度論を定量的にモニターするためには用いることができない。
したがって、増大した感度を提供しながら均一形式を使用する、改善されたアッセイ法が必要とされている。分光法などの標準的な実験技法を利用するアッセイもまた、望ましいと考えられる。
Tokel et al., Chem Rev., Vol. 114: 5728-5752, 2014
本出願は、リガンド、受容体、転写因子、結合DNAエレメント、抗原、および抗体を非限定的に含む特異的結合パートナーを含むアッセイを実施するための、局在表面プラズモン共鳴(LSPR)技法の使用を記載する。より具体的には、本出願は、ナノ構造体-結合パートナーコンジュゲートを用いて、そのようなアッセイにおいて有意な増幅を達成するためのプロセスおよび材料に関する。いくつかの局面において、本開示は、LSPR技法を用いて分子の高感度検出を達成するため、および提供されたアッセイにおいて非特異的結合(NSB)レベルを最小化するための組成物および方法を提供する。
本明細書に記載される種々の態様において、本出願は、ナノ構造体-結合パートナーコンジュゲートに関し、該ナノ構造体は、複数のスパイクを含む金属ナノ構造体である。いくつかの態様において、ナノ構造体は、少なくとも50 nmの平均直径を有する金属ナノ構造体である。さらなる態様において、ナノ構造体は、約50 nm〜約120 nmの平均直径を有する金属ナノ構造体である。いくつかの態様において、本開示は、特異的結合パートナーの結合を定性的または定量的な様式で判定するための、溶液におけるそのような金属ナノ構造体-結合パートナーコンジュゲートの使用を提供する。いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載されるコンジュゲートを生成するための方法を提供する。
1つの局面において、本開示は、試料中の標的分析物を検出するための方法および組成物を提供し、該方法は、試料を溶液中で第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートと混合する工程であって、第1および第2の検出コンジュゲートは、試料中に標的分析物が存在する場合にそれに特異的に結合して第1の検出コンジュゲートと分析物と第2の検出コンジュゲートとの間で複合体を形成することができる結合パートナーに連結されたナノ構造体を含む、工程を含む。いくつかの態様において、ナノ構造体は、球状コア上に複数の突起を含む異方性ナノ構造体であり、ナノ構造体の先端から先端までの平均直径は、少なくとも約50 nmである。さらなる態様において、ナノ構造体の平均直径は、約70 nmまたは約90 nmである。いくつかの態様において、ナノ構造体は球状ナノ構造体である。さらなる態様において、方法は、複合体を、紫外-可視-赤外スペクトル内の波長範囲の光源に曝露する工程をさらに含む。またさらなる態様において、方法は、複合体からの光信号を測定する工程であって、該光信号の変化が試料中の標的分析物の存在を示す、工程を含む。
いくつかの態様において、3つ以上の検出コンジュゲートが用いられる。例えば、第3、第4、第5、またはそれよりも多い検出コンジュゲートが添加される。いくつかの態様において、検出コンジュゲートの各々は、同じ標的分析物に結合して、複合体を形成することができる。いくつかの態様において、検出コンジュゲートの各々は、標的分析物上のオーバーラップしないエピトープに結合する。いくつかの態様において、コンジュゲートのうちのいくつかまたはすべては、異方性である。
いくつかの態様において、混合する工程は、3-((3-コラミドプロピル)ジメチルアンミノ)-1-プロパンスルホナート(CHAPS)の存在下で行われる。いくつかの態様において、CHAPSは、約0.1% w/v〜約0.5% w/vの濃度で存在する。さらなる態様において、CHAPSは、約0.2% w/vの濃度で存在する。したがって、いくつかの態様において、本明細書において提供される溶液は、CHAPSを含む。
いくつかの態様において、混合する工程は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、デキストラン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリグルタミン酸、ポリビニルアルコール、およびポリアスパラギン酸から選択されるポリマー材料の存在下で行われる。したがって、いくつかの態様において、本明細書において提供される溶液は、PEG、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、デキストラン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリグルタミン酸、ポリビニルアルコール、および/またはポリアスパラギン酸のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、ポリマー材料はPEGである。いくつかの態様において、PEGは、約0.05%〜約5% w/v、または約0.1%〜約3%の濃度で存在する。いくつかの態様において、PEGは、1,000〜300,000、または2,000〜250,000、または3,000〜200,000の分子量を有する。
いくつかの態様において、混合する工程は、粘性増強剤の存在下で行われる。したがって、いくつかの態様において、本明細書において提供される溶液は、粘性増強剤を含む。さらなる態様において、粘性増強剤は、トレハロース、マルトデキストリン、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、シクロデキストリン、ランダムにアルキル化されたシクロデキストリン、メチルセルロース、トレハロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、およびフィコール、デキストラン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。特定の態様において、混合する工程は、分子量に応じて、約0.05%〜約5%の濃度のデキストランの存在下で行われる。例えば、いくつかの態様において、デキストランは、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%の濃度で存在する。
いくつかの態様において、混合する工程は、ゼラチンの存在下で行われる。したがって、いくつかの態様において、本明細書において提供される溶液は、ゼラチンを含む。いくつかの態様において、ゼラチンは、約0.1%〜約3%の間の濃度で存在する。
いくつかの態様において、本明細書において提供される溶液および反応混合物は、少なくとも1つの結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲート、CHAPS緩衝液、PEG、1つまたは複数のホフマイスター系列の塩、EDTA、ポリマーベースのブロッキング剤、例えばBiolipidure(登録商標)、BSA、ゼラチン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、ホフマイスター系列の塩は、塩化マグネシウムである。他の態様において、ホフマイスター系列の塩は、塩化カルシウムである。いくつかの態様において、反応混合物は、ホフマイスター系列の塩などの複数の塩を含む。いくつかの態様において、本明細書において提供される溶液および反応混合物は、約10 mM〜約250 mMの濃度で、または約100 mMの濃度で、MgCL2またはNaSCNを含む。いくつかの態様において、本明細書において提供される溶液および反応混合物は、二価カチオンのクエン酸塩、例えば、Mg2+のクエン酸塩またはCa2+のクエン酸塩を含む。いくつかの態様において、溶液および反応混合物は、チオシアナート、マンガン、コバルト、ニッケル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、および/またはエチレングリコールビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)を含む。いくつかの態様において、EDTAおよび/またはEGTAは、約5 mM〜約100 mMの濃度で溶液中に存在する。
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法および組成物で使用されるナノ構造体は、複数の突起を含み、ナノ構造体の先端から先端までの平均直径は、約50 nm、約60 nm、約70 nm、約80 nm、約90 nm、約100 nm、約110 nm、または約120 nmである。いくつかの態様において、ナノ構造体は、金属ナノ構造体である。いくつかの態様において、ナノ構造体は、金の金属ナノ構造体である。いくつかの態様において、本明細書において提供されるナノ構造体は、球状ナノ構造体である。いくつかの態様において、球状ナノメーターの平均直径は、約50 nm、約60 nm、約70 nm、約80 nm、約90 nm、約100 nm、約110 nm、または約120 nmである。
いくつかの態様において、本開示は、以下の工程を含む、試料中の標的分析物を検出する方法を提供する:(a)試料を溶液中で第1の検出コンジュゲート、第2の検出コンジュゲート、CHAPS、ウシ血清アルブミン(BSA)、1つまたは複数のポリマー材料、1つまたは複数の粘性増強剤、塩、および任意でキレート剤と混合する工程であって、第1および第2の検出コンジュゲートは、試料中に標的分析物が存在する場合にそれに特異的に結合して第1の検出コンジュゲートと分析物と第2の検出コンジュゲートとの間で複合体を形成することができる結合パートナーに連結されたナノ構造体を含む、工程;(b)該複合体を、紫外-可視-赤外スペクトル内の波長範囲の光源に曝露する工程;ならびに(c)該複合体からの光信号を測定する工程であって、該光信号の変化が試料中の標的分析物の存在を示す、工程。
いくつかの態様において、ポリマー材料は、PEG、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、メチルセルロース、デキストラン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、およびポリアスパラギン酸からなる群より選択される。いくつかの態様において、粘性増強剤は、トレハロース、マルトデキストリン、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP) ポリビニルアルコール(PVA)、シクロデキストリン、メチルセルロース、デキストラン、およびフィコールからなる群より選択される。いくつかの態様において、塩は、NaCl、MgCl2、CaCl2、およびNaSCNからなる群より選択される。いくつかの態様において、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびエチレングリコールビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、本明細書において提供される溶液および反応混合物は、Biolipidure(登録商標)試薬を含む。いくつかの態様において、Biolipidure(登録商標)試薬は、Biolipidure(登録商標)205、206、1002、1201、1202、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、ナノ構造体は、球状ナノ粒子、および複数の突起を含むナノ粒子からなる群より選択される。したがって、いくつかの態様において、本開示は、第1の検出コンジュゲート、第2の検出コンジュゲート、CHAPS、BSA、ゼラチン、PEG、EDTA、MgCl2、Biolipidure(登録商標)試薬、またはそれらの任意の組み合わせを含む方法、溶液、および反応混合物を提供する。
いくつかの態様において、光信号は、反射率、吸光度スペクトル、散乱スペクトル、または発光スペクトルである。いくつかの態様において、光信号の変化は、スペクトルピーク波長シフトおよび/または全スペクトルプロファイルシフトを含む。いくつかの態様において、全スペクトルプロファイルシフトは、差スペクトルである。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、ナノグラム、ピコグラム、またはフェムトグラムの量の標的分析物の検出を提供する。
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、分光光度法キュベット中で、分析用ローター中で、マイクロウェルプレート中で、臨床分析器中で、フローチャンバー中で、光ファイバーの先端上で、または透明なゲル中で実施される。
1つの局面において、本開示は、少なくとも1つの結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲートを含む反応混合物であって、該ナノ構造体が複数の突起を含み、かつ該ナノ構造体の平均直径が、少なくとも約50 nm、または少なくとも約70 nm、または少なくとも約90 nm、または少なくとも約120 nmである、反応混合物を提供する。別の局面において、本開示は、少なくとも1つの結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲートを含む反応混合物であって、該ナノ構造体が球状ナノ構造体である、反応混合物を提供する。複数の態様において、反応混合物は、両性イオン性界面活性剤をさらに含む。いくつかの態様において、両性イオン性界面活性剤は、3-((3-コラミドプロピル)ジメチルアンミノ)-1-プロパンスルホナート(CHAPS)およびスルホベタイン界面活性剤からなる群より選択される。いくつかの態様において、CHAPSは、約0.1%〜約1%の濃度で存在する。さらなる態様において、CHAPSは、約0.5%の濃度で存在する。
いくつかの態様において、結合パートナーは生体高分子である。さらなる態様において、生体高分子は、抗体もしくはその断片、抗原、受容体、リガンド、ポリヌクレオチド、アプタマー、ポリペプチド、多糖、リポ多糖、糖ペプチド、リポタンパク質、または核タンパク質から選択される。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法および組成物は、第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートを含み、該検出コンジュゲートの結合パートナーのうちの1つは、抗体である。さらなる態様において、第1および第2の検出コンジュゲートは両方とも、抗体である結合パートナーを含む。いくつかの態様において、第1および第2のコンジュゲートにコンジュゲートされた抗体は、同じ標的分析物上の異なるエピトープに結合する。いくつかの態様において、第1および第2の抗体、または第1および第2のコンジュゲートは、標的分析物上の2つの異なるオーバーラップしないエピトープに結合する。他の態様において、第1および第2の抗体、または第1および第2のコンジュゲートは、2つの異なる抗原に結合する。いくつかの態様において、2つの異なる抗原は、2つの相互作用する分子である。いくつかの態様において、相互作用する分子は、受容体とそのリガンド(例えば、タンパク質ホルモンとその結合受容体)、DNA結合転写因子と別の転写因子および/またはDNAなどを非限定的に含む、2つの高分子である。
いくつかの態様において、標的分析物は、タンパク質、酵素、抗原、抗体、ペプチド、核酸、ホルモン、糖タンパク質、多糖、毒素、ウイルス、ウイルス粒子、薬物分子、ハプテン、および化学物質から選択される。さらなる態様において、標的分析物は、病原性抗原、または病原性抗原に対する抗体である。さらなる態様において、病原性抗原はウイルス抗原である。さらなる態様において、ウイルス抗原は、ネコ白血病ウイルス、イヌパルボウイルス、口蹄疫ウイルス、インフルエンザウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎、C型肝炎ウイルス、HIVウイルス、ヒトパピローマウイルス、エプスタイン・バーウイルス、および狂犬病ウイルスから選択されるウイルスに由来する。他の態様において、病原性抗原は細菌性抗原である。さらなる態様において、細菌性抗原は、エーリキア属(Ehrlichia)、ボレリア属(Borrelia)、アナプラズマ属(Anaplasma)、サルモネラ属(Salmonella)、バチルス属(Bacillus)、およびリケッチア属(Rickettsia)から選択される。またさらなる態様において、細菌性抗原は、エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)、エーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)、エーリキア・エウィンギ(Ehrlichia ewingii)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、アナプラズマ・プラティス(Anaplasma platys)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、バチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)、およびリケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii)から選択される。
他の態様において、病原性抗原は、真菌性抗原または寄生虫性抗原である。さらなる態様において、真菌性抗原または寄生虫性抗原は、イヌ心糸状虫、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、熱帯熱マラリア原虫(plasmodium falciparum)、アフリカトリパノソーマ症、およびトリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)から選択される。
いくつかの態様において、本明細書において提供される試料と第1および第2の検出コンジュゲートとの混合は、ブロッキング剤の存在下で行われる。さらなる態様において、ブロッキング剤は、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、ゼラチン、オボアルブミン、およびγグロブリンから選択される。いくつかの態様において、ブロッキング剤は、約1%〜約5% w/vの濃度で存在するBSAである。
1つの局面において、本開示は、標的分析物の存在に基づく光信号の変化を検出するのに適した、結合パートナーと異方性金属ナノ構造体とを含むコンジュゲートを調製するための方法であって、該異方性金属ナノ構造体が複数の突起(スパイク)を含み、かつ該金属ナノ構造体の直径が少なくとも約50 nmである、方法を提供する。他の態様において、本開示は、標的分析物の存在に基づく光信号の変化を検出するのに適した、結合パートナーと金属ナノ構造体とを含むコンジュゲートを調製するための方法であって、該金属ナノ構造体が球状ナノ構造体である、方法を提供する。複数の態様において、方法は、金属ナノ構造体を含む溶液を、結合パートナーを含む溶液と混合して、結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲートを形成する工程;該コンジュゲートを、粘性増強剤および/または1つもしくは複数のホフマイスター系列の塩および/またはEDTAおよび/またはEGTAの存在を伴ってまたは伴わずに、本明細書において提供されるブロッキング剤(例えば、BSAおよび/またはゼラチンおよび/またはPEGおよび/またはBiolipidure(登録商標)試薬)でブロッキングする工程;(c)該コンジュゲートを遠心分離する工程;ならびに(d)リン酸緩衝食塩水(PBS)またはトリス緩衝食塩水(TBS)またはホウ酸緩衝液などの緩衝液と、本明細書において提供されるブロッキング剤(例えば、BSAおよび/またはゼラチンおよび/またはPEG)と、CHAPSとを含む希釈液中に、該コンジュゲートを再懸濁する工程を含む。いくつかの態様において、結合パートナーは抗体である。さらなる態様において、抗体は、疎水性領域を含有する抗体である。
いくつかの態様において、結合パートナーを含む金属ナノ構造体および/または溶液は、粘性増強剤をさらに含む。いくつかの態様において、粘性増強剤は、トレハロース、マルトデキストリン、デキストラン、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP)、およびポリビニルアルコール(PVA)から選択される。いくつかの態様において、粘性増強剤はデキストランである。いくつかの態様において、粘性増強剤はメチルセルロースである。
いくつかの態様において、本明細書において提供されるコンジュゲートを調製するための方法の遠心分離工程は、約2000 g以上での遠心分離を含む。さらなる態様において、方法は、約5000 g以上での遠心分離を含む。さらなる態様において、方法は、約10,000 g以上での遠心分離を含む。さらなる態様において、方法は、約50,000 g以上での遠心分離を含む。さらなる態様において、方法は、約75,000 g以上での遠心分離を含む。さらなる態様において、方法は、約100,000 g以上での遠心分離を含む。
いくつかの態様において、本開示は、コンジュゲートの再懸濁の後の凍結乾燥工程を提供する。さらなる態様において、凍結乾燥工程は、液体窒素中でコンジュゲートを分配すること、真空および温度サイクルを用いてフリーズドライすることを含む。
本明細書に記載されるLSPR免疫アッセイの原理を示す。複数のスパイクを含む金属ナノ粒子は、それ自体で光学スペクトルを呈する。最初の一次結合およびその後の二次結合によるナノ粒子の表面でのわずかな変化が、ナノ粒子-結合パートナーコンジュゲートと相互作用する光の特性に進行性の変化を引き起こす。そのような変化は、適した分光計によって記録することができ、定性的および定量的な情報を提供することができる。 抗体-ナノ構造体コンジュゲートを形成するための、抗TSH抗体C1の、複数の突起を含むナノ構造体への滴定を示す。 抗体-ナノ構造体コンジュゲートを形成するための、抗TSH抗体C6の、複数の突起を含むナノ構造体への滴定を示す。 C1抗体-ナノ構造体コンジュゲートまたはC6抗体-ナノ構造体コンジュゲートを形成するための、抗体C1およびC6の、複数の突起を含むナノ構造体への大規模(100 mlナノ構造体)滴定を示す。挿入図は、BSAブロッキング有りまたは無しのコンジュゲート溶液中に浸漬した、プロテインAの縞を有するストリップを示す。 非コンジュゲートナノ構造体(573.8 nm)、およびC1ナノ構造体(585.3 nmにシフト)またはC6ナノ構造体(585.9 nmにシフト)のピークシフトを示す。 非コンジュゲートナノ構造体、C1抗体-ナノ構造体およびC6抗体-ナノ構造体、ならびにBSAブロッキング後のC1抗体-ナノ構造体およびC6抗体-ナノ構造体のピークシフトを示す。 吸収プロトコールを用いて生成したコンジュゲートナノ構造体、または吸収プロトコールを用いて生成し、BSAでブロッキングしたコンジュゲートナノ構造体を含有する溶液中に浸漬した、プロテインA(0.5 mg/mL)の縞を有するラテラルフローストリップを示す。 (i)コンジュゲーション前の50 nmナノ構造体;(ii)C1抗体にコンジュゲートした50 nmナノ構造体;(iii)C6抗体にコンジュゲートした50 nmナノ構造体;(iv)BSAによるブロッキング後のC1コンジュゲートナノ構造体;および(v)BSAによるブロッキング後のC6コンジュゲートナノ構造体の、チオール媒介性コンジュゲーションプロトコールを用いて生成したナノ構造体コンジュゲートについてのスペクトルシフトを示す。 チオール媒介性プロトコールを用いて生成したコンジュゲートナノ構造体、またはチオール媒介性プロトコールを用いて生成し、BSAでブロッキングしたコンジュゲートナノ構造体を含有する溶液中に浸漬した、プロテインA(0.5 mg/mL)の縞を有するラテラルフローストリップを示す。 図10Aは、50 nmナノ構造体および吸着プロトコールを用いて生成した、C1およびC6コンジュゲートについての複合λmaxの変化を示す。図10Bは、50 nmナノ構造体およびチオール媒介性コンジュゲーションプロトコールを用いて生成した、C1およびC6コンジュゲートについての複合λmaxの変化を示す。 吸着プロトコール(左のパネル;0.25% PEG)およびチオール媒介性プロトコール(右のパネル;1% PEG)によって調製したコンジュゲートについてのスペクトルシフトに対する、反応促進剤の存在の効果を示す。 0.1% PEGおよび0.5%メチルセルロースの存在下で共有結合したコンジュゲートを用いた、増大する量の抗原(TSH)の存在下での経時的な用量応答曲線および速度論を示す。 コンジュゲートにおける様々な比のC1およびC6抗体について(C1が0/C6が40の割合、左上のパネル;C1が40/C6が0の割合、右上のパネル;C1が30/C6が10の割合、左中のパネル;C1が20/C6が20の割合、右中のパネル;C1が10/C6が30の割合、下のパネル)、hTSHの非存在下(0 ng)または0.25 ngの存在下で得られた反応曲線を示す。 増大する量のTSHおよび0.5% PEGの存在下での、コンジュゲートについてのピークシフトを示す。 増大する量のTSHおよび1.0% PEGの存在下での、コンジュゲートについてのピークシフトを示す。 図15A(上のパネル)は、抗hTSH抗体C1およびC6の、70 nmおよび90 nmナノ構造体へのコンジュゲーション、およびプロテインAラテラルフローストリップとのそれらの反応性を示す。図15B(下のパネル)は、ニトロセルロース上のプロテインA の線は、BSAによるブロッキングの前および後に、期待されたように反応したことを示す。 約70 nmの直径のナノ構造体を含むコンジュゲートのスペクトルシフトを示す。 約90 nmの直径のナノ構造体を含むコンジュゲートのスペクトルシフトを示す。 複数の突起を含む50 nmナノ構造体対ナノロッドの、ピークシフトによって測定したTSHの検出を示す。 pH 6.0で抗体にコンジュゲートした、複数の突起を有するナノ構造体を含むCHAPS処理コンジュゲートの正味のピークシフトを示す。 極性の荷電頭部、ならびに、疎水性基、アニオン性基、カチオン性基、および/または水素結合供与基由来の変動する特性を有する尾部を有する、Biolipidure(登録商標)ポリマー基質の画像を示す。画像は、Biolipidure(登録商標)試薬を市販しているNOF社のウェブサイトからのものである。 ある範囲のBiolipidure(登録商標)試薬およびBSAでブロッキングした抗TSHコーティングナノ粒子の、時間に対する波長シフトを示す。BSAコンジュゲートと比較して、1002、1201、1202、205、および206によるブロッキングはすべて、標準的なBSAコンジュゲートと比較して、10分でコンジュゲートの感度を増強する。 図22Aおよび22Bは、Biolipidure(登録商標)試薬1002、1003、1201、1202、205、206、およびBSAでブロッキングしたコンジュゲートの非特異的吸着を示す(図22A)。1003由来の大きな波長シフトのため、図22Bは、1002、1201、1202、205、206、およびBSAのみの非特異的吸着を示す。 図22Aおよび22Bは、Biolipidure(登録商標)試薬1002、1003、1201、1202、205、206、およびBSAでブロッキングしたコンジュゲートの非特異的吸着を示す(図22A)。1003由来の大きな波長シフトのため、図22Bは、1002、1201、1202、205、206、およびBSAのみの非特異的吸着を示す。 BSAブロッキング試薬、対、血清において感度の改善および非特異的波長シフトの低減の両方に対して最大の効果を示すBiolipidure(登録商標)ブロッキング試薬のうちの4つによる、ナノ粒子コンジュゲートのイヌ血清における波長シフトを示す。 TBS BSA緩衝液において50 pg/mL cTSH抗原の最終濃度のために1/20希釈した1 ng/mLに応答した波長シフトの改善を示す。この図は、BSA対Biolipidure(登録商標)1002でブロッキングした80 nmの球体、およびBSA対Biolipidure(登録商標)1002でブロッキングした90 nmのナノアーチン(nanourchin)の正の応答を比較している。両方の場合に、Biolipidure(登録商標)ブロッキング試薬は、抗原に対する応答での波長シフトを改善する。図24において提供される結果についてのアッセイ条件は、以下を含んだ:pH 7.7で、50 mM トリス、150 mM NaCl、1% BSA。 ホフマイスター系列の塩の模式図を提供する(Zhang Y, Cremer PS, "Interactions between macromolecules and ions: The Hofmeister series" Curr Opin Chem Biol. 2006 Dec;10(6):658-63)。 ナノスフェアcTSHコンジュゲートを用いた、アッセイにおける非特異的結合のレベルに対するMgCl2の存在の影響を示す。KiloおよびMisterは、2つの異なる正常イヌ血清試料である。 非特異的結合に対するMgCl2、NaCl、またはNaSCNの存在の影響を示す。 MgCl2、NaCl、またはNaSCNの存在を試験する研究の、5分後のLSPRピークシフトの結果を示す。 LSPRアッセイにおける非特異的結合に対するMgの存在の効果を示す。 LSPRアッセイにおける非特異的結合に対するEDTAの存在の効果を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、LSPRベースのアッセイにおける有意な増幅を、異方性金属ナノ構造体-標識結合パートナーで達成することができるという発見に、一部基づく。したがって、本発明は、生体分子に連結された異方性金属ナノ構造体を含む複数の検出コンジュゲートを利用した、分析物検出法を提供する。本明細書において提供される金属ナノ構造体は、いくつかの態様において、表面上に複数の突起を含む多分岐の異方性ナノ粒子である。本明細書において提供されるような表面上に複数の突起を含むナノ構造体はまた、直径が少なくとも約50 nmである。いくつかの態様において、本明細書中で提供される金属ナノ構造体は、球状または非球状の金属ナノ構造体である。
本発明は、概して複数の工程、およびそのような工程を実施するための高性能の設備を必要とする、現在の免疫アッセイ、リガンド-受容体結合アッセイ、核酸-タンパク質結合アッセイ、または他の特異的結合パートナーアッセイの問題を克服する。そのような不均一アッセイを実施することに関わる感度の欠如および複雑性は、標識された特異的結合パートナーを標識されていない特異的結合パートナーから分離する特定の必要性から生じる。本発明は、結合事象が、分光学において当業者によって用いられる分光技法のいずれかによってリアルタイムで測定されるLSPR特性を変化させるため、アッセイに関わるすべての工程を、反応したアッセイ構成要素と反応しなかったアッセイ構成要素との分離が不必要である均一形式で実施することによって、そのような限界を克服する。本発明の分離がないワンポットアッセイは、屈折率センシング、プラズモンカップリング、および最終的なLSPR変調シグナルの増幅を提供するための関連する効果を用いる。そのうえ、提供される方法および金属ナノ構造体は、改善された検出が可能である。驚くべきことに、提供される方法および金属ナノ構造体は、改善された検出および最小化された非特異的結合(本明細書において「NSB」と呼ばれる)が可能である。本開示は、分析物の検出の予想外に高い感度を提供する、異方性ナノ構造体-抗体コンジュゲート、およびそれを作製する方法を提供する。本開示は、予想外に低いレベルのNSBを提供しながら、分析物の検出の予想外に高い感度を提供する、異方性ナノ構造体-抗体コンジュゲート、およびそれを作製する方法を提供する。1つの局面において、ナノ構造体は、複数の突起を含む。ロッドの形状の金属ナノ粒子が、円形、球状、または他のナノ構造体と比較してより良好な反射率のセンサーであることが当技術分野において周知であったため、いくつかの態様において、そのような星形ナノ構造体で達成される高感度検出は予想外である。さらに、文献の報告が、本明細書において記載される星形構造体よりもナノロッドでより良好な感度を示唆していることを考慮すると、本明細書において提供される球状コアと複数スパイクとを有する異方性ナノ構造体の優れた効果は、驚くべきことである。他の態様において、ナノ構造体は、星形または球状であり、本明細書において提供される感度および低レベルのNSBは、本明細書において提供されるコンジュゲーション法によって達成される。
当業者に明らかであるように、本発明は、様々な抗原性分析物、例えば、ヒトおよび動物の両方における感染性疾患に関連するもの、例えば、感染性疾患に関連する抗原およびそれに応答して生成される抗体の検出に適用されてもよい。本明細書に記載される技法はまた、抗原および抗体の検出を超えて、特異的結合パートナー、例えば、リガンドおよび受容体、ならびに転写因子およびその関連したDNA結合エレメントを含むアッセイを実施するために用いられてもよい。そのうえ、RNA-RNA、RNA-DNA、DNA-DNA、またはタンパク質-核酸の相互作用が、異方性金属ナノ粒子と特異的結合パートナーとの適切なコンジュゲートを用いて検出されてもよい。
本明細書において提供されるように、本発明は、特異的結合パートナーの結合を定性的または定量的な様式で判定するための、(化学的または物理的な沈着を介して表面に付着されることとは対照的な)溶液中での金属ナノ粒子の使用を記載する。金属ナノ粒子に付着した未結合のおよび結合したパートナーを含有する領域と相互作用する光の特性の変化を測定することができ、これにより、特異的結合パートナー間の定性的および定量的相互作用の両方を、適した検出器によって測定することが可能になる。
第1の局面において、本出願は、試料中の標的分析物を検出する方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、試料を、結合パートナーに連結された異方性金属ナノ構造体を含む複数の検出コンジュゲートと混合する工程を含む。いくつかの態様において、ナノ構造体は、複数の突起またはスパイクを含む。いくつかの態様において、ナノ構造体は、突起を含んで、直径が少なくとも50 nmである。他の態様において、ナノ構造体は球状である。いくつかの態様において、ナノ構造体は金ナノ構造体である。1つの態様において、方法は、第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートを含み、第1および第2の検出コンジュゲートは、試料中に標的分析物が存在する場合にそれに特異的に結合して第1の検出コンジュゲートと分析物と第2の検出コンジュゲートとの間で複合体を形成することができる結合パートナーに連結された金属ナノ構造体を含む。例えば、コンジュゲートは、同じ標的分析物上の異なるエピトープに各々が結合する、第1の結合パートナーおよび第2の結合パートナーを含む。さらなる態様において、方法は、複合体を、紫外-可視-赤外スペクトル内の波長範囲の光源に曝露する工程;および、複合体からの光信号を測定する工程であって、該光信号の変化が試料中の標的分析物の存在を示す、工程を含む。例示的な態様において、第1の検出コンジュゲートおよび/または第2の検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体は、金の金属ナノ構造体である。別の例示的な態様において、混合する工程は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、およびポリアスパラギン酸から選択されるポリマー材料の存在下で行われる。好ましい態様において、ポリマー材料はPEGである。さらに別の例示的な態様において、混合する工程は、多糖または他の粘性増強剤の存在下で行われる。いくつかの態様において、粘性増強剤は、トレハロース、マルトデキストリン、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP)、またはポリビニルアルコール(PVA)から選択される。いくつかの態様において、多糖は、マルトデキストリン、トレハロース、スクロース、コーンシロップ、およびポリグルコースから選択される。好ましい態様において、多糖は、マルトデキストリンまたはトレハロースである。さらに別の例示的な態様において、混合する工程は、ブロッキング剤の存在下で行われる。いくつかの態様において、ブロッキング剤は、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、ゼラチン、オボアルブミン、およびγグロブリンから選択される。好ましい態様において、ブロッキング剤はBSAである。
いくつかの態様において、本開示は、ラテラルフローアッセイなどのアッセイにおいて以前に用いられているが、LSPRアッセイにおいては以前に用いられていないか、または使用が企図されていないブロッキング剤を含む、方法および組成物を提供する。例えば、いくつかの態様において、本開示は、1つまたは複数のBiolipidure(登録商標)試薬がブロッキング剤として用いられる、本明細書に記載されるLSPRアッセイのための方法および組成物を提供する。驚くべきことに、LSPRアッセイにおける波長シフトに対する効果を、非LSPRアッセイ(例えば、ラテラルフローアッセイなど)におけるそのような剤の使用に基づいて予測することはできないという事実にもかかわらず、本発明者らは、Biolipidure(登録商標)試薬が、本明細書において提供されるLSPRアッセイにおいて優れた効果を提供することを見出した。Biolipidure(登録商標)試薬は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を呈するポリマー剤である:検出の感度および精度の増強;非特異的吸着の抑制;抗体および酵素の安定化;ならびにロット間の変動の排除。Biolipidure(登録商標)試薬は、バイオハザードの取り扱いを必要とせず、いくつかの態様において、Biolipidure(登録商標)を含む緩衝溶液(例えば、約0.1 wt%、約0.25 wt%、約0.5 wt%、約0.75 wt%、約1 wt%、約1.25 wt%、約1.5 wt%、約2 wt%、約5 wt%、またはそれ以上)を調製することによって、および試験するべき試料を緩衝液に溶解することによって用いられる。特定の態様において、Biolipidure(登録商標)試薬は、1 wt%の濃度で用いられる。
本明細書に記載される種々の態様において、本発明の方法は、サンドイッチアッセイ形式、直接アッセイ形式、間接アッセイ形式、ならびに競合的および二次標識形式において構成されることができる。
いくつかの態様において、検出法はサンドイッチアッセイである。そのような態様において、検出コンジュゲートは、試料中に標的分析物が存在する場合にそれに特異的に結合することができる結合パートナーに連結された、本明細書において提供される異方性金属ナノ構造体を含む。例として、1つの態様において、サンドイッチアッセイ形式での方法は、第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートを含み、第1および第2の検出コンジュゲートは、球状金属ナノ構造体および/または複数の突起を有する金属ナノ構造体を含み、該ナノ構造体は、試料中に標的分析物が存在する場合にそれに特異的に結合して第1の検出コンジュゲートと分析物と第2の検出コンジュゲートとの間で複合体を形成することができる結合パートナーに連結されている。例示的な態様において、第1の検出コンジュゲートおよび/または第2の検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体は、異方性金金属ナノ構造体である。複合体を光源に曝露して、光信号を測定し、該光信号の変化が、試料中の分析物の存在を示す。例証として、標的分析物を含有する試料を、第1および第2の検出コンジュゲートと混合した時、標的分析物は、検出コンジュゲート中の結合パートナーに結合して、第1の検出コンジュゲートと、分析物と、第2の検出コンジュゲートとの間で複合体を形成する。この複合体形成は、互いにごく近接した、検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体、すなわちプラズモン-プラズモンカップリングをもたらす。金属ナノ構造体によって吸収される、散乱される、または透過される光の量は、複合体中の金属ナノ構造体の近接によって影響を受け、したがって、ピーク吸収波長において増強されたシフトを生じ、これが、試料中の標的分析物の存在を示す。
他の態様において、検出法は競合アッセイである。そのような態様において、第1の検出コンジュゲートは、関心対象の標的分析物に連結された金属ナノ構造体を含む。サンドイッチアッセイ法におけるように、第2の検出コンジュゲートは、標的分析物に特異的に結合することができる。このタイプのアッセイにおいて、第1の検出コンジュゲートは、第2の検出コンジュゲートに最初に結合することになる。標的分析物を含有する試料をこれらの最初の複合体と混合した場合に、試料中の標識されていないかまたは遊離の標的分析物は、第2の検出コンジュゲートに対する結合について第1の検出コンジュゲートと競合することになる。このタイプのアッセイでの光信号の変化は、ピーク吸収波長における波長シフトを比例して低減させることになる、第2の検出コンジュゲートからの、第1の検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体の置き換えに起因することになる。
上述のように、本発明の方法は、複数の検出コンジュゲートを利用してもよい。検出コンジュゲートは、アッセイ構成に応じて、球状金属ナノ構造体、または、複数の突起を有し、かつ標的分析物または別の検出コンジュゲートに特異的に結合することができる結合パートナーに連結された金属ナノ構造体を含む。例えば、方法がサンドイッチアッセイ形式で構成されている態様において、検出コンジュゲートは、標的分析物に特異的に結合することができる結合パートナーに連結またはコンジュゲートされた金属ナノ構造体を含む。方法が直接競合アッセイ形式で構成されている他の態様において、検出コンジュゲートのうちの少なくとも1つは、標的分析物に連結またはコンジュゲートされた金属ナノ構造体を含む。
いくつかの態様において、検出コンジュゲートは、標的分析物に特異的に結合することができる結合パートナーを含む。本明細書において用いられる場合、「特異的結合」とは、高親和性、例えば、少なくとも10-6 Mの親和性での標的分子への結合を指す。いくつかの態様において、結合パートナーは、ハプテンおよび他の小分子、薬物、ホルモン、非限定的に抗体もしくはその断片(例えば、Fv、Fab、F(ab)2、一本鎖、CDRなど)、抗原、受容体、リガンド、ポリヌクレオチド、アプタマー、ポリペプチド、多糖、リポ多糖、糖ペプチド、リポタンパク質、または核タンパク質を含む生体高分子である。ある特定の態様において、結合パートナーは抗体である。他の態様において、結合パートナーは抗原である。
いくつかの態様において、検出コンジュゲート、例えば、第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートは、同じタイプの分子であるが、好ましくはもう一方とは別個の位置で標的分析物に結合する、結合パートナーを含む。例として、第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートは両方とも、標的分析物を認識する抗体であることができるが、第1の検出コンジュゲートが標的分析物に結合するエピトープは、第2の検出コンジュゲートが標的分析物に結合するエピトープとは別個であり、かつ理想的にはオーバーラップしない。したがって、ある特定の態様において、第1の検出コンジュゲートは、標的分析物の第1のエピトープを認識する抗体を含み、第2の検出コンジュゲートは、標的分析物の第2のエピトープを認識する異なる抗体を含む。本明細書に記載される種々の態様において、第1の検出コンジュゲートは、標的分析物の第1のエピトープを認識するモノクローナル抗体を含んでもよい。さらなる態様において、第2の検出コンジュゲートは、第1の検出コンジュゲートによって認識されるエピトープとは別個であり、かつ理想的にはオーバーラップしない、標的分析物の第2のエピトープを認識するモノクローナル抗体を含んでもよい。あるいは、第1の検出コンジュゲートおよび/または第2の検出コンジュゲートは、ポリクローナル抗体を含んでもよい。例として、第1の検出コンジュゲートは、ポリクローナル抗体を含んでもよく、他方、第2の検出コンジュゲートは、モノクローナル抗体を含む。いくつかの態様において、第1の検出コンジュゲートは、ポリクローナル抗体を含み、かつ第2の検出コンジュゲートは、ポリクローナル抗体を含む。
検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体は、貴金属またはその複合物から構成されることができる。いくつかの態様において、検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体は、遷移金属またはその複合物から構成されてもよい。いくつかの態様において、検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体は、貴金属または遷移金属と組み合わせてアルカリ金属またはランタニドを含んでもよい。ある特定の態様において、検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、チタン、クロム、カドミウム、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの複合物から選択される金属を含む。1つの態様において、金属ナノ構造体は金ナノ構造体である。別の態様において、金属ナノ構造体は銀ナノ構造体である。また別の態様において、検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体は、複合金属ナノ構造体である。「複合金属ナノ構造体」とは、少なくとも2つの貴金属、遷移金属、アルカリ金属、またはランタニドを含むナノ構造体を指す。2つ以上の金属は、合金におけるように一緒に混合されてもよく、または、2つ以上の金属は、ナノ構造体の別々の部分に存在してもよい。例えば、1つの金属が、ナノ構造体のコアを形成し得るのに対して、第2の金属は、ナノ構造体の外殻またはコーティングを形成する。いくつかの態様において、複合金属ナノ構造体は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、チタン、クロム、カドミウム、亜鉛、鉄、コバルト、およびニッケルから選択される少なくとも2つの金属を含む。他の態様において、複合金属ナノ構造体は、金、銀、銅、白金、パラジウム、カドミウム、鉄、ニッケル、および亜鉛から選択される少なくとも2つの金属を含む。1つの特定の態様において、複合金属ナノ構造体は、金および銀を含む。別の態様において、複合金属ナノ構造体は、金および銅を含む。さらに別の態様において、複合金属ナノ構造体は、銀および銅を含む。いくつかの態様において、本発明の方法において用いられる複合金属ナノ構造体は、第1の金属のコアおよび第2の金属のコーティングを含む。例えば、複合金属ナノ構造体は、銀コアおよび金コーティングを含んでもよい。他の態様において、複合金属ナノ構造体は、銅コアおよび金コーティングを含む。別の態様において、コアは銀であり、コーティングは銅である。いくつかの態様において、複合金属ナノ構造体の各々は、誘電コア(例えば、二酸化ケイ素、硫化金、二酸化チタン、シリカ、およびポリスチレン)、第1の金属の第1のコーティング、および第2の金属の第2のコーティングを含む。いくつかの態様において、第1の金属を含むコアを、第2の金属から構成される中空構造を生成するための第2の金属でのコーティングプロセス後に、溶解させる。例として、金ナノ粒子での銀コアのコーティングは、銀コアの周りに金の殻を生成し、銀コアをその後、溶解または分解させ、中空ナノ金殻構造の形成を結果としてもたらす。
本明細書において開示されるナノ構造体は、いくつかの態様において、複数の突起、例えばスパイクまたは円錐形をした突起を含む。したがって、本明細書において提供されるナノ構造体は、多分岐ナノ粒子である。いくつかの態様において、ナノ構造体の内部コアの表面は、本質的に突起によって覆われている。本明細書において列挙されるようなナノ構造体の直径は、突起を含み、すなわち、列挙される直径は、ナノ構造体を覆う突起の先端から先端までである。
1つの局面において、複数の突起またはスパイクを有する本明細書において提供されるナノ構造体の平均直径は、約50 nm〜約120 nmである。ナノ構造体の平均直径は、その上の突起を含むものである。したがって、平均直径は、いくつかの態様において先端から先端までの直径として、本明細書に記載される。いくつかの態様において、平均直径は、約50 nm、約60 nm、約70 nm、約80 nm、約90 nm、約100 nm、約110 nm、約120 nm、またはそれ以上である。いくつかの態様において、平均直径は約70 nmである。他の態様において、平均直径は約90 nmである。いくつかの態様において、ナノ構造体は、約50 nm〜約90 nmの平均直径の混合物を含む。1つの局面において、提供される球状ナノ構造体の平均直径は、約50 nm〜約120 nmである。いくつかの態様において、球状ナノ構造体の平均直径は、約50 nm、約60 nm、約70 nm、約80 nm、約90 nm、約100 nm、約110 nm、約120 nm、またはそれ以上である。
別の局面において、本開示は、本明細書において開示される結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲートを含む反応混合物を提供する。さらなる態様において、反応混合物は、1つもしくは複数のキャッピング試薬、および/または1つもしくは複数の両性イオン性界面活性剤を含む。いくつかの態様において、キャッピング剤は、両性イオン性界面活性剤である。例えば、いくつかの態様において、反応混合物はCHAPSを含む。本発明者らは、驚くべきことに、CHAPS、キャッピング剤、および両性イオン性界面活性剤の存在により、複数の表面突起を含む、本明細書において提供されるナノ構造体を、抗体などの結合パートナーに有効にコンジュゲートさせることが可能になったことを見出した。加えて、CHAPSの存在により、より速い遠心分離およびより短い遠心分離時間が可能になった。例えば、本発明者らは、CHAPSの存在下では、異方性ナノ粒子抗体コンジュゲートが崩壊することを通常引き起こすと考えられる遠心分離速度(例えば、15,000 g超、すなわち約40,000 g)が、本明細書において提供されるナノ構造体を遠心分離するために用いられ得ることを見出した。したがって、CHAPSの存在により、コンジュゲートのより効率的な生成が可能になる。さらに、CHAPSの存在により、遠心分離後の抗体コンジュゲートの手軽な再懸濁が可能になった。特に、さもなければ遠心分離後に再懸濁することができない疎水性抗体を含むコンジュゲートは、CHAPSの存在下で容易に再懸濁される。そのうえ、CHAPS界面活性剤の存在は、凝集をもたらす非特異的なサイズ/形状の変化を阻止する手助けをする。粒子、例えば、複数のスパイクを有する本明細書において提供されるナノ構造体は、溶液から出てくる可能性がある。本発明者らは、驚くべきことに、粒子が完全に溶液から出てきた場合でさえも、CHAPSを添加することによって粒子を救出できることを見出した。いくつかの態様において、反応混合物は、結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲートを含み、混合物は、スルホベタイン系列、Triton系列(x-100)界面活性剤;Tween系列(Tween 20)界面活性剤、CTABなどのカチオン性界面活性剤系列、およびSDSなどのアニオン性界面活性剤から選択される1つまたは複数のキャッピング剤または両性イオン性界面活性剤を含む。
本明細書において開示される金属ナノ構造体に分子をコンジュゲートする方法もまた、提供される。そのような方法には、コンジュゲーション化学、例えば、1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)を含むもの、スルホ-NHSカップリング、疎水性結合、またはチオエーテル化学が含まれる。いくつかの態様において、結合パートナーまたは標的分析物は、チオール、アミン、ジチオール、アクリルホスホラミダイト、アジド、またはアルキンを含む種々の化学官能性を通して、金属ナノ構造体に連結させることができる。いくつかの態様において、分子は、より大きな担体分子またはタンパク質を通して間接的に、金属ナノ構造体に連結させることができる。そのような間接的な連結は、分子が小さく、例えば、ホルモン、薬物、および10 kD未満の他の小分子である場合に特に有用である。好ましくは、担体タンパク質は、標的分析物と特異的相互作用ができない。いくつかの態様において、プロテインAまたはプロテインGまたはプロテインA/Gを、ナノ粒子にコンジュゲートさせるか、または連結させてもよい。
いくつかの態様において、本明細書において提供される金属ナノ構造体に分子をコンジュゲートするための方法は、金属ナノ構造体を含む溶液を、結合パートナーを含む溶液と混合して、結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲートを形成する工程;該コンジュゲートをBSAでブロッキングする工程;(c)該コンジュゲートを遠心分離する工程;ならびに(d)PBSなどの緩衝液と、BSAなどのブロッキング剤と、CHAPSとを含む希釈液中に、該コンジュゲートを再懸濁する工程を含む。いくつかの態様において、結合パートナーは抗体である。さらなる態様において、抗体は、疎水性領域を含有する抗体である。いくつかの態様において、金属ナノ構造体は、ナノ構造体への抗体の滴定の前に、塩基性pHに調整される。例えば、いくつかの態様において、ナノ構造体pHは、約8、約8.5、約8.8、または約9.2のpHに調整される。しかし、いくつかの態様において、本発明者らは、驚くべきことに、ナノ構造体を含む溶液のpHを、中性または酸性のpH(例えば、約5.5、約6、約6.5、または約7)に調整でき、高感度抗原検出が可能なコンジュゲートの形成に成功できることを見出した。いくつかの態様において、中性または酸性のpHは、BSAおよびリン酸緩衝液を含む標準的なコンジュゲート希釈液中に再懸濁することが困難であるコンジュゲートを結果としてもたらした。驚くべきことに、そのような不溶性コンジュゲートは、CHAPSを含有する緩衝液中に急速に溶解した。
いくつかの態様において、第1の検出コンジュゲートにおいて使用される1つまたは複数の金属は、第2の検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体が作られている1つまたは複数の金属と同じであることができる。例えば、1つの態様において、第1の検出コンジュゲートは、金ナノ構造体を含み、かつ第2の検出コンジュゲートは、金ナノ構造体を含む。他の態様において、第1の検出コンジュゲートにおいて使用される金属は、第2の検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体を作製するために用いられる1つまたは複数の金属とは異なる。
いくつかの態様において、反応環境は、適切な緩衝液、イオン強度、および他の反応促進剤で調整され得る。好ましい態様において、反応環境は、本明細書に記載されるように、LSPRシグナルの強度、およびシグナルが発生する速度を増強することができるポリエチレングリコール(PEG)を含む。ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、およびポリアスパラギン酸を非限定的に含む、他の類似したポリマー材料がまた、用いられてもよい。
本発明はまた、試料中の標的分析物を検出するために、本明細書に記載される方法を利用するための分析物検出装置も提供する。適している分析物検出装置は、分光光度法キュベット、分析用ローター、マイクロウェルプレート、またはフローチャンバーを非限定的に含んでもよい。当業者によって理解されるであろうように、光ファイバーの先端または透明なゲルもまた、本明細書において開示される検出法を実施するために使用されてもよい。
ある特定の態様において、本明細書に記載される分析物検出装置のすべての構成要素は、遠心機用ローターまたはディスク内に含有される。例として、ローターまたはディスクは、複数の検出コンジュゲートが配置される1つまたは複数の反応チャンバーを含有してもよい。いくつかの態様において、検出コンジュゲートは、凍結乾燥された組成物、例えば、凍結乾燥されたビーズまたはペレットの形態で存在する。いくつかの態様において、分析物検出装置は、1つまたは複数のチャンバーを有するローターまたはディスクを含み、各反応チャンバーは、複数の検出コンジュゲート(例えば、第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲート)を含み、該検出コンジュゲートは、金属ナノ粒子に連結された第1および第2の特異的結合パートナーである。そのような装置は、一段階分析物検出アッセイを提供し、それによって、試験試料をローターまたはディスクと接触させて、ローターまたはディスクへの遠心力の印加が、試験試料を反応チャンバーに送達し、そこで試料が第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートと混合する。ローターまたはディスクが2つ以上の反応チャンバーを含有する態様において、検出コンジュゲートは、様々な分析物を各反応チャンバーにおいて検出できるように、選択することができる。これらのローター形式検出装置は、サンドイッチアッセイ形式、直接競合形式、またはローターが複数の反応チャンバーを含む場合には両方の形式で構成されることができる。
いくつかの態様において、直接競合アッセイまたはサンドイッチアッセイは、遠心機用ローター、例えば、米国特許第5,061,381号、第5,122,284号、第5,186,844号、第5,304,348号、第5,457,053号、および第5,693,233号に記載されているローター中で実施されてもよい。いくつかの態様において、本開示は、多重分析が可能になるディスクまたはローターにより、例えば、複数のキュベットを介した別々の検出が可能になる多重アッセイを提供する。
いくつかの態様において、2つのペア形成したモノクローナル抗体のナノ粒子コンジュゲートまたは2つ以上のエピトープに結合するポリクローナル抗体混合物のナノ粒子コンジュゲートを、凍結乾燥されたビーズとして添加する。溶液相LSPRアッセイは、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の両方で働く。いくつかの態様において、本開示は、LSPRアッセイにおいて非常に高感度の検出を可能にする抗体ペアを提供する。例えば、いくつかの態様において、抗体ペアは、TSHの異なるエピトープに各々が結合する、抗TSH抗体クローンC1およびC6である。他の態様において、抗体ペアは、C1および5409に近い抗TSH抗体である。いくつかの態様において、最良の信号対雑音比は、5405および5409に近い抗TSHから調製された金コンジュゲートで得られる。
本発明はまた、本明細書において開示されるような本発明の分析物検出装置を含むキットも含む。1つの態様において、キットは、複数の検出コンジュゲート(例えば、第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲート)を含み、該検出コンジュゲートは、本明細書において提供される金属ナノ構造体に連結された特異的結合パートナーである。いくつかの態様において、検出コンジュゲートのうちの1つまたは複数は、例えば、ペレットまたはビーズの形態で、凍結乾燥されてもよい。1つの態様において、検出コンジュゲートのすべては、凍結乾燥されている。さらなる態様において、キットは、1つまたは複数の追加的な試薬を含んでもよい。いくつかの態様において、追加的な試薬のうちの1つまたは複数は、凍結乾燥された形態で提供される。いくつかの態様において、キットは、ブロッキング剤、糖、ポリマー反応促進物質、塩化ナトリウム、および/またはそれらの組み合わせを含んでもよい。「ブロッキング剤」とは、試料中に存在するタンパク質と、検出可能な剤および/または分析物との会合を阻止する剤である。ブロッキング剤は、典型的に、それ自体がタンパク質であり、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、ゼラチン、オボアルブミン、γグロブリン、および非免疫化動物由来のIgGを非限定的に含んでもよい。いくつかの態様において、糖は多糖である。1つの態様において、多糖は、マルトデキストリン、コーンシロップ、およびポリグルコースから選択される。好ましい態様において、多糖はマルトデキストリンである。別の態様において、糖はトレハロースである。いくつかの態様において、試薬キットは、マルトデキストリンおよびトレハロースを含んでもよい。いくつかの態様において、ポリマー反応促進物質はPEGである。
本発明のキットはまた、試験試料中の分析物を検出する装置を用いるための説明書、生物学的試料を収集するための装置もしくは道具、ならびに/または、土、食品、および生物学的組織などの固体材料から試料を取得するための抽出緩衝液を含んでもよい。
本明細書に記載されるように、試験試料は、生物学的試料、または環境試料もしくは食品試料から調製された抽出物を含む、任意のタイプの液体試料であることができる。1つの特定の態様において、試験試料は生物学的試料である。生物学的試料には、全血、血漿、血清、唾液、尿、胸水、汗、胆汁、脳脊髄液、糞便物質、膣液、精子、接眼レンズ液、粘液、滑液、腹水、羊水、生検組織、唾液、および細胞溶解物が非限定的に含まれる。生物学的試料は、がん、感染性疾患(例えば、ウイルス感染症、細菌感染症、寄生虫感染症、または真菌感染症)、心臓血管疾患、代謝性疾患、自己免疫疾患などのような疾患状態を有する疑いがあるヒト対象または動物対象から取得することができる。生物学的試料はまた、日常的な健康診断を受けている健常対象(例えば、ヒトまたは動物)から取得することもできる。
方法のいくつかの態様において、試験試料を、第1の検出コンジュゲートと混合し、混合物をその後、第2の検出コンジュゲートと接触させる。ある特定の態様において、試料、第1の検出コンジュゲート、および第2の検出コンジュゲートを、同時に接触させる。例として、試料と両方の試薬との接触は、本明細書に記載されるローター形式検出装置において同時に行われてもよい。
上述のように、本出願は、いくつかの態様において、結合パートナーにコンジュゲートした金属ナノ構造体の使用に関連し、該ナノ構造体は、複数の突起、例えばスパイクまたは円錐形をした突起を有し、かつ該ナノ構造体は、約50 nm以上の平均直径を有する。ナノロッドは、屈折率変化のより良好なセンサーであることが公知であるため、優れた結果を提供することが期待されていたが、本発明者らは、驚くべきことに、溶液ベースのアッセイの感度が、(滑らかなロッド形をした表面を有する)ナノロッドの使用と比較して、突起を満載したナノ構造体で有意に増強されることを見出した。実際に、本発明者らは、驚くべきことに、本明細書において開示される溶液ベースのアッセイにおいて、複数の突起を有するナノ構造体を含む金属ナノ構造体コンジュゲートが、堅牢な抗原検出を呈したのに対して、ナノロッドコンジュゲートは、堅牢な抗原検出ができなかったことを見出した。本発明者らは、さらに、突起を含むより大きなナノ構造体は、同じ突起特性を有するより小さなナノ構造体と比べて、より良好な検出の感度を呈することを見出した。例えば、いくつかの態様において、アッセイ中で用いられるナノ構造体の平均直径が、約50 nmから約70 nmに増大した場合、検出の感度は増大する。さらなる態様において、アッセイ中で用いられるナノ構造体の平均直径が、約70 nmから約90 nmに増大した場合、検出の感度はさらにもっと増大する。
1つの態様において、溶液は、約2%〜約20% wt/volの最終濃度で多糖を含む。別の態様において、溶液は、約4%〜約15% wt/volの最終濃度で多糖を含む。さらに別の態様において、溶液は、約5%〜約10% wt/volの最終濃度で多糖を含む。例示的な態様において、溶液は、それらの間のすべての値を含む、約5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、またはそれ以上の最終濃度で多糖を含む。ある特定の態様において、トレハロースが、分析用ローターにおいて検出コンジュゲートの沈降を阻止するために用いられてもよい。ある特定の態様において、トレハロース濃度は、それらの間のすべての値を含み、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、またはそれ以上である。本明細書に記載される種々の態様において、アッセイの感度は、代替的な糖を含む溶液において実施されるアッセイと比較した場合に、多糖、例えば、スクロース、トレハロース、マルトデキストリン、ソルビトール、マンニトール、またはフィコールが溶液に添加された時に改善され得る。例示的な態様において、多糖はマルトデキストリンである。別の例示的な態様において、多糖はトレハロースである。さらに別の例示的な態様において、多糖はデキストランである。
1つの態様において、溶液は、約0.1%〜約20% wt/volの最終濃度でブロッキング剤を含む。別の態様において、溶液は、約0.5%〜約10% wt/volの最終濃度でブロッキング剤を含む。さらに別の態様において、溶液は、約1%〜約5% wt/volの最終濃度でブロッキング剤を含む。例示的な態様において、溶液は、それらの間のすべての値を含む、約1%、2%、3%、4%、または5%の最終濃度でブロッキング剤を含む。本明細書に記載される種々の態様において、アッセイの感度は、ブロッキング剤の非存在下で実施されるアッセイと比較した場合に、ブロッキング剤が溶液に添加された時に改善され得る。いくつかの態様において、ブロッキング剤は、ウシ血清アルブミン、カゼイン、ゼラチン、オボアルブミン、およびγグロブリンから選択される。例示的な態様において、ブロッキング剤はウシ血清アルブミン(BSA)である。
いくつかの態様において、溶液は、マルトデキストリン、トレハロース、PEG、ブロッキング剤(例えばBSA)、および/または塩化ナトリウムのうちの1つまたは複数を含む。例示的な態様において、溶液構成要素のうちの1つまたは複数、例えばマルトデキストリンは、液体、例えば、水、食塩溶液、または液体生物学的試料の添加時に懸濁される凍結乾燥されたビーズまたはペレットとして提供されてもよい。例として、溶液構成要素のうちの1つまたは複数は、液体の添加後に溶液中に懸濁されるビーズとして、分光光度法キュベットまたは分析用ローターの反応チャンバーにおいて提供されてもよい。
追加的な態様において、LSPRシグナルは、第1および第2の検出コンジュゲートを分析物と、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、およびポリアスパラギン酸から選択されるポリマー反応促進物質の存在下で混合することによって実質的に増大され得る。例示的な態様において、ポリマー材料はポリエチレングリコール(PEG)である。1つの態様において、反応混合物は、約0.1 mg/mL〜約200 mg/mLの最終濃度でポリマー材料、例えばPEGを含む。別の態様において、反応混合物は、約0.2 mg/mL〜約100 mg/mLの最終濃度でポリマー材料、例えばPEGを含む。さらに別の態様において、反応混合物は、約0.5 mg/mL〜約10 mg/mLの最終濃度でポリマー材料、例えばPEGを含む。さらに別の態様において、反応混合物は、約2 mg/mL〜約8 mg/mLの最終濃度でポリマー材料、例えばPEGを含む。例示的な態様において、反応混合物は、それらの間のすべての値を含む、約2、3、4、5、6、7、または8 mg/mLの最終濃度でポリマー材料、例えばPEGを含む。いくつかの態様において、様々な分子量のPEGが用いられてもよく、例えば、より少ない量のより高い分子量のPEGを、実質的な効果のために用いることができる。いくつかの態様において、アッセイ増強のために必要とされるPEG濃度は、ポリマーの分子量と共に変動する。
本発明の検出法は、標的分析物の定性的または定量的な量を決定するために用いられてもよい。そのような方法は、試料中の標的分析物の適切な量を決定するために特に有用であり、ある特定の医学的状態を診断するため、または薬物療法の効力を評価するためにとりわけ用いることができる。1つの態様において、標的分析物の量は、既知の量の標的分析物を有する試料について本明細書に記載されるような金属ナノ粒子からの光信号の変化を測定することによる、特定の分析物についての標準曲線の確立;試験試料についての光信号変化の決定;および標準曲線から得られた値に対する試験試料についての光信号変化の比較によって、決定することができる。いくつかの態様において、第1の試薬と第2の試薬との間の複合体の量の決定は、既知の量の複合体を有する1つの試料由来の吸光度比および/または反応速度に対する試験試料由来の吸光度比および/または反応速度の比較、それによる、試験試料中の複合体の量の決定を含む。試験試料から得られた定量値を、あらかじめ決定された閾値と比較してもよく、該あらかじめ決定された閾値は、標的分析物の異常レベルまたは正常レベルのいずれかを示す。
本発明の検出法は、試料中の微量の標的分析物を検出するための非常に高感度の技法を提供する。いくつかの態様において、ナノグラム量の標的分析物を試料において検出できるように、表面プラズモン共鳴ベースのシグナルの増幅を、金ナノ構造体コンジュゲートで達成することができる。したがって、方法の1つの態様において、ナノグラム量の標的分析物の存在が検出される。いくつかの態様において、金ナノ粒子を含む検出コンジュゲート由来のプラズモン共鳴ベースのシグナルを、複合金属ナノ構造体検出コンジュゲートを用いて増幅することができる。分析物特異的抗体にコンジュゲートした金コーティング銀ナノ構造体の使用により、ピコグラム量の標的分析物の検出が可能になり得る。したがって、方法のいくつかの態様において、ピコグラム量の標的分析物の存在が検出される。方法の他の態様において、フェムトグラム量の標的分析物の存在が検出される。複合金属ナノ構造体の組成および/または形状を変更することによって、より高い感度が得られ得る。
入射光が金属ナノ構造体に印加される時、金属中の伝導帯電子は、入射電磁波の同じ周波数で集団的に振動する。これらの共鳴振動の結果として、ナノ構造体は、特定の波長範囲で強く光を吸収し、散乱させる。貴金属または遷移金属を含む金属ナノ構造体について、この波長範囲は、ナノ構造体の特定の組成に応じて、紫外-可視-赤外スペクトル内である。したがって、本発明の方法における使用に適している電磁エネルギーを印加するための光源は、アーク灯およびレーザーを含む、紫外-可視スペクトルまたは紫外-可視-赤外スペクトル内の波長範囲を印加し得る任意の供給源を含むことができる。いくつかの態様において、特定の波長の光が印加され得るように、光源は、モノクロメーターを装備していてもよい。
金属ナノ構造体の光学的特性は、それらのサイズ、形状、および組成に依存している。例として、固体金ナノ粒子は、粒子サイズに応じて約515 nm〜約560 nmの吸収ピーク波長(λmax)を有する。30 nmの直径を有する金球状ナノ粒子は、約520 nmで最大に吸収し、λmaxは、粒子直径が増大するにつれてより長い波長にシフトする。銀粒子および銅粒子は、紫外/青色または赤色領域(例えば、約350 nm〜約500 nm)にλmaxを有し、粒子直径の増大は、より長い波長へのλmaxのシフトを引き起こす。金属ナノロッドは、横λmax1および縦λmax2を有する。異なる金属の合金は、典型的に、構成する金属の吸収ピークの間の中間範囲に吸収ピークを呈する。例えば、金および銀の50/50合金を含むナノ構造体は、約480 nmのλmaxを呈し、金の量の増大は、より長い波長への吸収ピークのシフトを引き起こす。局所媒質屈折率の変化に対するLSPRシグナルの感度は、ナノ構造体の形状または幾何学的配置を変化させることによって改変することができる。例として、非球状粒子(例えば、ナノプリズム、ナノロッド、ナノシェルなど)は、球体と比較した場合に増大した、屈折率の変化に対するLSPR感度を有する。いくつかの態様において、光学的特性(例えば、特定の波長での吸収/散乱)を、検出コンジュゲートにおいて使用される金属ナノ構造体のサイズ、形状、または組成を変動させることによって、特定の適用に合わせて調整する。
入射光と金属ナノ構造体との間の相互作用は、反射光または透過光としてモニターすることができる。吸収または散乱される入射光の量は、反射モードにおける吸収スペクトルまたは透過モードにおける吸収スペクトルとして測定することができる。いくつかの態様において、金属ナノ構造体から測定される光信号は、光反射、吸光度スペクトル、散乱スペクトル、および/または発光スペクトルであることができる。
結合パートナーと標的分析物との間の複合体形成に起因する検出コンジュゲート中の金属ナノ構造体の間のプラズモンカップリングは、金属ナノ構造体の局在表面プラズモン共鳴スペクトルの変化を生じる。例として、そのような変化は、光減衰の増大、光反射の増大、ならびに/または、散乱および/もしくは発光シグナルの増大を含むことができる。いくつかの態様において、試料中の標的分析物の存在を示す光信号の変化には、光散乱におけるシフト、増大、もしくは減少、またはこれらの特徴の組み合わせが含まれる。ある特定の態様において、試料中の標的分析物の存在を示す光信号の変化は、スペクトルピーク波長シフトである。ある特定の他の態様において、試料中の標的分析物の存在を示す光信号の変化は、ピーク以外の位置での波長シフトである。例として、試料中の標的分析物の存在を示す光信号の変化は、中間点スペクトル波長シフト、波長の基部でのスペクトル波長シフト、または差スペクトルなどの全スペクトル波長シフトであり得る。1つの態様において、光学スペクトルピークにおける波長シフトは、200 nm〜1200 nmのスペクトル窓内のレッドシフト(例えば、より長い波長へのシフト)であり得る。別の態様において、光学スペクトルピークにおける波長シフトは、200 nm〜1200 nmのスペクトル窓内のブルーシフト(例えば、より短い波長へのシフト)であり得る。光信号の変化は、既定の反応期間後に、特定の時点で測定することができる。追加的にまたは代替的に、反応期間にわたる光信号の変化(例えば、速度決定)が測定されてもよい。両方のタイプの測定を、標的分析物の定性的または定量的いずれかの分析のために用いることができる。
様々な波長で光信号を測定するため、および減衰、散乱、または発光スペクトルを獲得するための種々の手段は、当技術分野において公知である。任意の分光光度機器または測光機器が、開示される方法における使用に適している。いくつかの非限定的な例には、プレートリーダー、Cobas Fara分析器、ならびにPiccolo xpress(登録商標)およびVetscan分析器(Abaxis, Inc., Union City, CA)、光ファイバーリーダー(例えば、LightPath(商標)S4(LamdaGen, Menlo Park, CA))、SPR機器(例えば、GE Healthcareから入手可能なBiacore機器)、Olympus、Hitachiなどの遠心分離分析器が含まれる。
本発明はまた、(i)結合パートナーに連結された、複数の突起を有する本明細書において提供される金属ナノ構造体を含む、第1の検出コンジュゲートと、(ii)標的分析物と、(iii)結合パートナーに連結された、本開示による金属ナノ構造体を含む、第2の検出コンジュゲートとを含むアッセイ複合体であって、第1の検出コンジュゲート中の結合パートナーが、標的分析物上の第1のエピトープに結合し、かつ第2の検出コンジュゲート中の結合パートナーが、標的分析物上の第2のエピトープに結合し、それによって、第1の検出コンジュゲートと、標的分析物と、第2の検出コンジュゲートとを含む複合体を形成する、アッセイ複合体も含む。いくつかの態様において、アッセイ複合体は、遠心機用ローターでの使用に適合したキュベット内に含有される。他の態様において、アッセイ複合体は、遠心分離ローターまたはディスクにおける反応チャンバー内に含有される。
任意のタイプの標的分析物を、本発明の方法、装置、およびアッセイ複合体、特に、疾患の診断において有意であるものを用いて検出することができる。標的分析物は、タンパク質、酵素、抗原、抗体、ペプチド、核酸(RNA、DNA、mRNA、miRNA)、ホルモン、糖タンパク質、多糖、毒素、ウイルス、ウイルス粒子、薬物分子、ハプテン、または化学物質を非限定的に含むことができる。いくつかの態様において、標的分析物は、ヒトおよび/または動物における感染性疾患に関連するマーカーまたは抗原である。他の態様において、標的分析物は、特定の生理学的状況または病理学的状態に関連するマーカーまたは抗原である。
ある特定の態様において、標的分析物は、病原性抗原または病原性抗原に対する抗体である。例として、病原性抗原は、ウイルス抗原(例えば、ネコ白血病ウイルス、イヌパルボウイルス、口蹄疫ウイルス、インフルエンザウイルス、A型、B型、C型肝炎ウイルス、HIVウイルス、ヒトパピローマウイルス、エプスタイン・バーウイルス、狂犬病ウイルスなど)、細菌性抗原(例えば、エーリキア属、ボレリア属、アナプラズマ属、サルモネラ属、バチルス属、リケッチア属など)、真菌性抗原、または寄生虫性抗原(例えば、イヌ心糸状虫、ランブル鞭毛虫、熱帯熱マラリア原虫、アフリカトリパノソーマ症、トリパノソーマ・ブルセイなど)であることができる。具体的な態様において、細菌性抗原は、エーリキア・カニス、エーリキア・シャフェンシス、エーリキア・エウィンギ、ボレリア・ブルグドルフェリ、アナプラズマ・プラティス、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム、サルモネラ・エンテリカ、バチルス・アントラシス、およびリケッチア・リケッチイ由来であり得る。他の態様において、標的分析物は、疾患関連抗原または疾患関連抗原に対する抗体である。疾患関連抗原には、がん関連抗原もしくはマーカー(例えば、PSA、AFP、CA125、CA15-3、CA19-9、CEA、NY-ESO-1、MUC1、GM3、GD2、ERBB2など)、心臓血管疾患関連抗原もしくはマーカー(例えば、トロポニン、C反応性タンパク質、脳ナトリウム排泄増加ペプチド、CKMB、脂肪酸結合タンパク質など)、代謝関連抗原もしくはマーカー(例えば、甲状腺刺激ホルモン、サイロキシン、レプチン、インスリン)、または自己免疫疾患関連抗原もしくはマーカー(例えば、自己抗体)が非限定的に含まれる。ある特定の態様において、標的分析物は、炎症性抗原またはマーカー(例えば、C反応性タンパク質、MRP14、MRP8、25F9など)である。他の態様において、標的分析物は、妊娠関連抗原またはマーカー(例えば、胎児性抗原、ヒト絨毛性ゴナドトロピン)である。
いくつかの態様において、本開示は、本明細書において提供されるナノ構造体を合成するための方法を提供する。ある特定の態様において、銀/金ナノ粒子は、あらかじめ決定された量の以下の試薬を、連続してかつ徹底的な混合を伴って添加することによって、単一容器において合成される:(1)界面活性剤(例えば、イオン性[アニオン性、カチオン性、もしくは両性イオン性]、もしくは非イオン性)またはキャッピング剤、例えば3-((3-コラミドプロピル)ジメチルアンミノ)-1-プロパンスルホナート(CHAPS)、SDS、Tween、Triton、またはいずれかのスルホベタイン界面活性剤、(2)塩化金、(3)水、(4)硝酸銀、(5)クエン酸三ナトリウム、および最後に(6)アスコルビン酸を添加して、ナノ粒子の形成を開始する。他の態様において、ナノ粒子は、あらかじめ決定された量の以下のものを、以下の順番で添加することによって、単一容器において合成される:(1)界面活性剤またはキャッピング剤、例えばCHAPS、SDS、Tween、Triton、CTAB、またはいずれかのスルホベタイン界面活性剤、(2)塩化金、(3)硝酸銀、(4)クエン酸三ナトリウム、(5)水、および(6)還元剤。いくつかの態様において、還元剤は、CHAPS、アスコルビン酸、クエン酸三ナトリウム、および水で構成されている。さらなる態様において、還元剤は、約200 mgのCHAPS、約4 gのアスコルビン酸、約117.6 mgのクエン酸三ナトリウム、および約15.68 gの水で構成されている。いくつかの態様において、約1 mLの水性1%(wt/wt)CHAPSを、連続的に、約0.25 mLの0.1 M塩化金、約0.5 mLの0.02 M硝酸銀、約0.05 mLの1 Mクエン酸三ナトリウム、約6.2 mLの水、および約2 mLの還元剤と混合する。金属塩、キャッピング剤、還元剤などの種々の活性成分の濃度、および溶液のpHを変化させることにより、様々な粒子タイプ(例えば、ナノスフェア、ナノスター、またはナノロッド)および様々な組成のナノ粒子が結果としてもたらされる。
いくつかの態様において、ナノスターは、順番に、水、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、塩化金、アスコルビン酸、およびあらかじめ形成された金ナノスフェアシードを混合することによって形成される。さらなる態様において、約0.825 mLの水、約0.1 mLの20% CTAB、約0.025 mLの0.1 M塩化金、約0.05 mLの1 Mアスコルビン酸、および約0.05 mLの金ナノスフェアシードを、その順番で混合する。シードの古さ(age)、および金属イオンに対するシードの比は、幾何学的配置に、およびしたがってナノ粒子の光学スペクトルに影響を及ぼす。金のみのナノスターは、約200 mgのCHAPS、約4 gのアスコルビン酸、約117.6 mgのクエン酸三ナトリウム、および約15.68 gの水から構成されている還元剤を用いて、塩化金を還元することによって作られる。形成されるナノスターのサイズは、塩化金濃度によって規定される。本方法によって調製された金ナノスターは、遠心分離によって精製し、2〜8℃で水中に保存することができる。
本明細書において提供される方法を用いたナノ材料の形成は、本質的に数分以内に完了するが、一晩平衡に達するようにさせてもよい。ナノ粒子の合成は、分光法によってモニターし、走査型または透過型電子顕微鏡によって確認することができる。
いくつかの態様において、サイズおよびしたがって光学特性は、界面活性剤またはキャッピング剤、アスコルビン酸、クエン酸三ナトリウム、塩化金、および/または硝酸銀の濃度を変更することによって変化させることができる。合成されたナノスターのサイズは、ある特定の点までは銀含量の増大と共に増大し、次いで減少する。これらの変化は、銀/金の比の増大でピークのレッドシフトとして、合成されたナノスターのLSPRピークにおいて反映されるが、次いで、金:銀の5:2のモル比でブルーシフトをし始める。反応混合物における選ばれた界面活性剤の最終濃度は、0.05〜5%で変動することができ、より小さな粒子は、より高い濃度の界面活性剤で優勢である。アスコルビン酸の濃度の増大は、より小さなナノスターを生じ、アスコルビン酸の最終濃度は、0.05〜0.2 Mで変動する。同様に、10 mMから100 mMへのクエン酸三ナトリウムの濃度の増大は、ナノスターサイズを減少させる。
いくつかの態様において、金-銀ナノ合金は、CTAB(例えば、アルコール中に溶解したCTAB)を塩化金および硝酸銀と混合することによって、アルカリ還元条件下で合成され得る。いくつかの態様において、ナノ合金形成は、順番に、水、CTAB、塩化金(0.5 mM〜5 mM)、硝酸銀(金の20%〜80%)、アスコルビン酸(10 mM〜200 mM)、またはアスコルビン酸、クエン酸三ナトリウム、およびCHAPSを含有する還元剤、ならびにNaOH(アスコルビン酸の50%〜200%)を混合することによって誘導され得る。さらなる態様において、ナノ合金は、約0.825 mlの水、イソプロパノールにおいて調製された約0.1 mlの20% CTAB、約0.025 mlの0.1 M塩化金、約0.005〜0.025 mlの0.1 M硝酸銀、約0.05 mlの1 Mアスコルビン酸、および約0.05 mlの1 M NaOHを混合することによって形成される。CTABの濃度は、0.05 M〜0.2 Mで変動することができ、より低い濃度が、より高い含量のナノスターが合成されることに好都合である。酸性pHはナノロッドの形成に好都合であり、より高いアスペクト比がpHの減少で得られる。
本発明を、限定として解釈されるべきではない以下の追加的な実施例によってさらに例証する。当業者は、本開示に照らして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示されている具体的な態様に対して多くの変更を行うことができ、それでも同様のまたは類似の結果を得ることができるものと認識するはずである。
本開示を通して参照されるすべての特許および非特許文書は、すべての目的でそれらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
実施例1. ナノ構造体へのコンジュゲーションのための抗体クローンの滴定
複数のスパイクを有するナノ構造体を例示的な抗体にコンジュゲートするプロトコールを特定するために、研究を行った。最初に、最適なコンジュゲーションに必要とされる抗体量を決定するために、抗TSHクローンC1をナノ構造体に滴定する滴定実験を行った。
反応を、Lambda950分光光度計に置いた1 mlキュベットにおいて設定した。ナノ構造体1 mlを、10マイクロリットルの0.5 Mボラート(pH 9.2)による9.2へのpH調整後に、キュベット中に置いた。スペクトルを記録し、それは、573.8 nmでλmaxを示した。抗体C1の結合を、2μgの抗体の連続的な添加時にピークシフトを観察することによって判定した。OD単位当たり約6〜8マイクログラムの抗体で、当量点に達した。最終的に、10マイクロリットルの20% BSAを、非特異的な結合事象をブロッキングするために添加した。これは、λmaxにおいて追加的な2 nmのシフトを結果としてもたらした。結果を、図2に提供する。
同様に、(TSHの異なるエピトープに特異的な)C6抗体のコンジュゲーションに必要とされる抗体量を決定するために、滴定実験を行った。C1抗体についてのように、反応を、Lambda950分光光度計に置いた1 mlキュベットにおいて設定した。複数のスパイクを有するナノ構造体1 mlを、10マイクロリットルの0.5 Mボラート(pH 9.2)による9.2へのpH調整後に、キュベット中に置いた。スペクトルを記録し、それは、573.7 nmでLmax(λmax)を示した。抗体C6の結合を、2μgの抗体の連続的な添加時にピークシフトを観察することによって判定した。OD単位当たり約6マイクログラムの抗体で、当量点に達した。最終的に、10マイクロリットルの20% BSAを添加した。これは、λmaxにおいて追加的な1.4 nmのシフトを結果としてもたらした。結果を、図3に提供する。
次に、コンジュゲーションの拡張可能性を判定するために、C1抗体およびC6抗体のナノ構造体への大規模(100ml)コンジュゲーションを行った。結果を、図4に提供する。この調製において、約0.5 mgのC1およびC6を、pH 9.2に事前調整した100 mlのナノ構造体溶液を各々が含有する2つの容器に、急速撹拌を伴って別々に添加した。このように生じたコンジュゲート溶液を、BSAによるブロッキングの前および後に、抗体結合について試験した。0.5 mg/mlプロテインAの縞を有するストリップを、リン酸緩衝BSAおよびTween溶液で希釈したコンジュゲート溶液中に浸漬した。結果として生じた線(1および6)は、C1またはC6がナノ構造体に結合し、抗体がBSAブロッキング後に結合したままであったことを示した(1Bおよび6B)。
C1コンジュゲートおよびC6コンジュゲートを、遠心分離によって回収し、コンジュゲート希釈液で1度洗浄して、再遠心分離した。コンジュゲートを含有する沈降物は、PBS/BSA/CHAPSを含有するコンジュゲート保存溶液中に容易に溶解した。最終コンジュゲートの希釈液を水において作製し、比較した。元の非コンジュゲートナノ構造体は、573.8 nmでピークを有し、それは、ブロッキングしたコンジュゲートにおいて585〜586 nmにレッドシフトした。シフトを、図5に示す。最終的なコンジュゲート溶液は、使用まで2〜8Cで保存され得る。
実施例2. 吸着コンジュゲーションプロトコールによる抗体へのナノ構造体のコンジュゲーション
ナノ構造体コンジュゲートを生成するために、複数の突起および50 nmの平均直径を有するナノ構造体(575 nmでλmax‐1.0 OD/mL)を、0.1 MボラートでpH 8.8に調整した。C1抗体またはC6抗体(ODナノ構造体当たり約33ピコモル)を、滴定し、15分間よく混合した。ml当たり2 mgのBSAを添加し、さらに15分間混合した。ナノ構造体/C1またはナノ構造体/C6の混合物を、15,000 gで10分間遠心分離し;上清を除去し;コンジュゲートを、PBS/BSAおよびCHAPSを含むコンジュゲート希釈液CG-1P中に再懸濁した。CHAPSは、疎水性であるC6抗体の再懸濁にとって特に重要であった。そのうえ、CHAPS界面活性剤は、凝集をもたらす非特異的なサイズ/形状の変化を阻止する手助けをした。
図6は、(i)コンジュゲーション前の50 nmナノ構造体;(ii)C1抗体にコンジュゲートした50 nmナノ構造体;(iii)C6抗体にコンジュゲートした50 nmナノ構造体;(iv)BSAによるブロッキング後のC1コンジュゲートナノ構造体;および(v)BSAによるブロッキング後のC6コンジュゲートナノ構造体の、吸着プロトコールを用いて生成したコンジュゲートについてのスペクトルシフトを示す。研究は、抗体結合が4〜5 nmのレッドシフトを引き起こし、1 nmの追加的なシフトが、BSAでのコンジュゲートのブロッキング時に誘導されたことを示す。
抗体分子がナノ構造体に結合したことを確認するために、プロテインA(0.5 mg/mL)の縞を有するラテラルフローストリップを、コンジュゲートナノ構造体、またはBSAでブロッキングしたコンジュゲートナノ構造体を含有する溶液中に浸漬した。図7は、コンジュゲートが形成されたこと、およびBSAブロッキングがコンジュゲートを破壊しなかったことを示す。
実施例3. チオール媒介性コンジュゲーションプロトコールによる抗体へのナノ構造体のコンジュゲーション
チオール媒介性コンジュゲーションプロトコールを用いてナノ構造体コンジュゲートを生成するために、複数の突起および50 nmの平均直径を有するナノ構造体(575 nmでλmax‐1.0 OD/mL)を、0.1 MボラートでpH 8.8に調整した。TCEPで還元したC1抗体またはC6抗体(ODナノ構造体当たり約33ピコモル)を、滴定し、15分間よく混合した。ml当たり2 mgのBSAを添加し、さらに15分間混合した。ナノ構造体/C1またはナノ構造体/C6の混合物を、15,000 gで10分間遠心分離し;上清を除去し;コンジュゲートを、PBS/BSAおよびCHAPSを含むコンジュゲート希釈液CG-1P中に再懸濁した。CHAPSは、疎水性であるC6抗体の再懸濁にとって特に重要であった。そのうえ、CHAPS界面活性剤は、凝集をもたらす非特異的なサイズ/形状の変化を阻止する手助けをした。
図8は、(i)コンジュゲーション前の50 nmナノ構造体;(ii)C1抗体にコンジュゲートした50 nmナノ構造体;(iii)C6抗体にコンジュゲートした50 nmナノ構造体;(iv)BSAによるブロッキング後のC1コンジュゲートナノ構造体;および(v)BSAによるブロッキング後のC6コンジュゲートナノ構造体の、チオール媒介性コンジュゲーションプロトコールを用いて生成したコンジュゲートについてのスペクトルシフトを示す。研究は、抗体結合が4〜5 nmのレッドシフトを引き起こし、1 nmの追加的なシフトが、BSAでのコンジュゲートのブロッキング時に誘導されたことを示す。
抗体分子がナノ構造体に結合したことを確認するために、プロテインA(0.5 mg/mL)の縞を有するラテラルフローストリップを、コンジュゲートナノ構造、またはBSAでブロッキングしたコンジュゲートナノ構造体を含有する溶液中に浸漬した。図9は、コンジュゲートが形成されたこと、およびBSAブロッキングがコンジュゲートを破壊しなかったことを示す。
実施例4. 抗体コンジュゲートナノ構造体を用いた高感度抗原検出
抗体の存在を検出するコンジュゲートの能力を試験した。TSHの非存在下および存在下での、C1吸着コンジュゲートおよびC6吸着コンジュゲートの複合λmaxの変化。抗TSHクローンC1およびC6は、Arista Biologicalsから購入した。これらの抗体は、TSHのβ断片を標的とする。Nicoya(商標) lifesciencesのOpenSPR分光光度計上でベースラインを取得するために、50 nmナノ構造体にコンジュゲートしたクローンC1およびC6を、PBS/BSA緩衝液において一緒に混合して、250秒間、λmaxの変化についてスキャンした。次いで、TSHを5 ng/mlになるように添加し、λmaxを、追加的に450秒間モニターした。図10Aは、50 nmナノ構造体および吸着プロトコールを用いて生成したC1およびC6コンジュゲートの複合λmaxの変化を示す。図10Bは、50 nmナノ構造体およびチオール媒介性コンジュゲーションプロトコールを用いて生成したC1およびC6コンジュゲートの複合λmaxの変化を示す。
次に、吸着プロトコールおよびチオール媒介性プロトコールによって調製したコンジュゲートについてのスペクトルシフトに対する、反応促進剤の存在の効果を評価した。研究の結果は、様々な濃度の反応促進剤が、吸着プロトコールコンジュゲート対チオール媒介性共有結合コンジュゲートにおいて、様々な応答を提供することを示した。例えば、より低い分子量およびより低い濃度のPEGは、吸着対共有結合コンジュゲートから類似した応答を生じた(図11)。
図12は、0.1% PEGおよび0.5%メチルセルロースの存在下で共有結合コンジュゲートを用いた、増大する量の抗原(TSH)の存在下での経時的な用量応答曲線および速度論を示す。図12は、0.1%ポリエチレングリコールおよび0.5%メチルセルロースの存在下での、抗TSH C1および抗TSH C6の共有結合コンジュゲートのピークシフト用量応答を示す。
次に、用いたコンジュゲート(例えば、C1ナノ構造体およびC6ナノ構造体)の比に対する効果を判定するために、研究を行った。図13は、C1もしくはC6単独、または種々の比の2つの抗体から得られた結果を示す。反応曲線は、hTSHの非存在下(0 ng)または0.25 ngの存在下で得られた。この特定のアッセイにおいて、クローンC1は、本質的にそれ自体では非反応性であったが、ひとたびC6が導入されると有意な貢献をした。理論によって束縛されることを望まないが、いくつかの態様におけるアッセイは、3Dナノ粒子集合体の形成に依存し、イオン強度、pH、および界面活性剤における適切な変化は、感度において追加的な増強を提供し得る。
別の研究において、2つのコンジュゲート(15μlのC1および25μlのC6)を、0〜2 ng TSHを含有するPBS/BSA/PEG 8K溶液と混合した。反応混合物におけるPEGの最終濃度は、0.5%(図14A)または1.0%(図14B)であった。NicoyaのOpenSPR(商標)分光計を用いて測定したλmaxの変化を記録するために、反応混合物(0.8 ml)の構成要素を、使い捨てキュベット中に置いた。次いで、これらの実験において得られた曲線を、回帰分析を用いて適合させた。λmax変化を、10分間にわたって回帰分析から算出し、図14Aおよび14Bに示すように、プロットして曲線を生成した。0.5%(図14A)から1%(図14B)へのPEG濃度の増大は、ほぼ2倍に感度を増大した。
実施例5. 複数のスパイクおよび70 nmまたは90 nmの平均直径を有するより大きなナノ構造体
複数のスパイクおよび(スパイクを含めて)70 nmまたは90 nmの平均直径を有するナノ構造体を用いた、コンジュゲーションおよび検出を試験した。図15A(上のパネル)は、抗hTSH抗体C1およびC6の、70 nmおよび90 nmナノ構造体へのコンジュゲーション、ならびにプロテインAラテラルフローストリップとのそれらの反応性を示す。図15B(下のパネル)は、ニトロセルロース上のプロテインAの線が、BSAによるブロッキングの前および後に、期待されたように反応したことを示す。コンジュゲートしていない70 nmおよび90 nmナノ構造体は、それぞれ609.5および641.9のλmaxを示した。C1およびC6の付着およびその後のBSAでのブロッキングは、λmaxにおいて最大で8 nmのシフトを引き起こした。下記の表は、図15Aからの定量データを示す。
(表1)BSAブロッキングの存在下または非存在下での70 nmおよび90 nmのC1およびC6コンジュゲートのLmax
Figure 2020509349
様々な直径のナノ構造体の間の感度を比較した。約70 nmの直径のナノ構造体を含むコンジュゲートのスペクトルシフトは、約90 nmの直径を有するコンジュゲートのものと比較して改善された。際立ったことに、90 nmへの直径の増大が、15 nmよりも大きな正味のスペクトルシフトを生じることができるナノ構造体-コンジュゲートを生じたように、約90 nmまでナノ構造体の直径をさらに増大させることは、感度のさらなる増大を結果としてもたらした(図16および図17)。合わせて、研究により、複数のスパイクを有するナノ構造体の直径の増大は、増大した検出感度を結果としてもたらしたことが示された。また、PEGの増大は、ある特定のPEG濃度までは感度を改善するが、非常に高い濃度は逆効果であることも観察された。
実施例6. 溶液ベースのアッセイにおける複数の突起を有するナノ構造体対ナノロッドの活性
複数の突起を含む本明細書において提供されるナノ構造体コンジュゲートの検出の感度を、同じ抗体を含むナノロッドコンジュゲートと比較するために、研究を行った。
ナノロッド(長さが45.5±6.3 nmおよび幅が17.4±1.2 nm)を、Nanocomposixから入手し、吸着コンジュゲーションプロトコールにより抗体クローン1および6にコンジュゲートさせた。複数の突起を含む50 nmナノ構造体もまた、上記のようにホウ酸緩衝液においてpH 9.2で、受動的吸着を用いて抗体クローン1および6にコンジュゲートさせた。研究の結果を、図18に提供する。TSHを検出するナノロッドコンジュゲートの能力を、10 ngのTSHの添加を伴うかまたは伴わずに、PBS、BSA、および1% PEG 20000を含む緩衝液において試験した。図18は、TSHを伴って得られた値を、TSHを伴わずに得られた値から引くことによって算出した、λmaxにおける正味の変化がなかったことを示す。λmax変化は、Nicoya LifesciencesのOpenSPR(商標)を用いて記録した。複数の突起を有するナノ構造体を、同様に試験したが、10 ng/mlのTSH濃度では速度が速すぎたため、TSHの量は0.5 ngであった。際立ったことに、複数の突起を含むナノ構造体は、ピークシフト分析によって測定した場合に堅牢なTSH検出を呈したのに対して、ナノロッドはTSHを検出できなかった。少なくとも、ナノロッドは屈折率変化の優秀なセンサーであると信じられているため、この結果は予想外であった。しかし、本発明の溶液ベースのアッセイにおいて、ナノロッドではなく、複数の突起を有するナノ構造体は、優れた効果を呈する。
実施例7. 低pHコンジュゲーションプロトコールは高感度検出を呈するコンジュゲートを生じる
より低いpHで抗体にコンジュゲートした複数の突起を含むナノ構造体を用いて形成されたコンジュゲートの能力を評価するために、研究を行った。
抗TSH抗体クローンC1およびC6を、単一容器シードフリー法によって調製した金ナノスターにコンジュゲートした。ナノスターを、蒸留水でOD=1に希釈した。pHは、およそ6.0であった。クローン1および6を、ナノスター溶液に別々に添加して、1 ODのナノスター溶液当たり5μgの抗体を得た。15分のインキュベーション後に、コンジュゲートを、1 mlのコンジュゲート当たり2 mg BSAでブロッキングした。次いで、コンジュゲートを、25000 gで15分間の遠心分離によって反応物から分離した。ペレットが緩い場合には、10 mMリン酸緩衝BSA(1%)を添加することによって遠心分離を繰り返してもよい。最終的な沈降物を、以下のCHAPS含有緩衝液中に溶解する:PBS(1×)、BSA(1%)、およびCHAPS(2%)。溶解を、最長で30秒間の超音波処理によって助長する。
TSHを検出するこれらのコンジュゲートの能力を、最終的なC1(割合3)およびC6(割合1)のコンジュゲートをPBS/BSA(PBS中1% BSA)で希釈して約0.5のODにすること、およびOpenSPR(商標)分光計上で1 ng/ml TSHの存在下または非存在下で時間と共にピークシフトを記録することによって試験した。結果を図19に示し、これは、反応の時間に対してプロットした正味のシフトを示す(正味のシフトは、任意のTSHの非存在下で見られたシフトを、1 ng/mlのTSHによって引き起こされたシフトから引くことによって算出する)。研究により、コンジュゲートは、堅牢な検出活性を呈したことが示された。
実施例8. 同時に生じる、血清タンパク質の非特異的吸着の低減と免疫アッセイ感度の増大
Biolipidure(登録商標)試薬は、ホスホリルコリン(PC)極性基、ならびに、疎水性基、アニオン性基、カチオン性基、および/または水素結合供与基を含有するポリマー尾部を含有する、合成ポリマー試薬である(図20)。これらの試薬はまた、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマー(MPC)としても公知であり、非特異的タンパク質吸着、細胞接着、および血液凝固に耐性を示すそれらの特性のためにポリマー生体材料中に組み入れられている。これらの試薬のいくつかの特徴には、バイオハザードの取り扱いの苦労を伴わない、感度および精度の増強、非特異的吸着の抑制、抗体および酵素の安定化、ロット間の変動の低減が含まれる。
多くの適用について、Biolipidure(登録商標)試薬を、生成物の所望の結果を達成するために、最終的な作業溶液に添加する。免疫アッセイにおける非特異的吸着を阻止するために、Biolipidure(登録商標)試薬を、マイクロプレートのコーティング、磁気ビーズのコーティングによって、および溶液中に存在する抗体への添加によって適用することができる。いくつかの態様において、Biolipidure(登録商標)試薬は、1 wt%のBiolipidure(登録商標)試薬での緩衝溶液の調製;緩衝液中の試料(例えば、粘液)の溶解、および免疫クロマトグラフの試料パッド上の希釈試料のローディングによって用いることができる。
驚くべきことに、Biolipidure(登録商標)試薬は、受動的IgG吸着のブロッキング段階の最中に金ナノ粒子の表面に添加した場合、血清タンパク質の非特異的吸着を低減すること、およびアッセイの感度を増強することの両方ができる。簡潔に言うと、金ナノスフェアを、マウスIgGで15分間、およびその後、Biolipidure(登録商標)試薬205、206、1002、1003、1201、1202、またはBSAのうちの1つで15分間、コーティングした。抗体-金コンジュゲートを、試験の前の保存のために3回洗浄し、コンジュゲート希釈液中に懸濁した。抗原に対するBiolipidure(登録商標)コンジュゲートの感度を、BSAコンジュゲートと比較して試験するために、コンジュゲートを、緩衝液であるトリス緩衝食塩水/ウシ血清アルブミン(TBS BSA)において10分の経過にわたって500 pg/mLの抗原で試験した。驚くべきことに、5/6 Biolipidure(登録商標)ブロッキングコンジュゲートは、標準的なBSAブロッキングコンジュゲートを上回る2〜3倍の増強を示す。結果を、図21に示す。
さらにより驚くべきことに、血清試料における非特異的タンパク質吸着について試験した場合に、Biolipidure(登録商標)でのブロッキングは、標準的なBSAコンジュゲートと比較してNSBを低減する力を有する。すべてのBiolipidure(登録商標)コンジュゲートを、低い/正常なTSHレベルを有することが検証されている同じイヌ血清試料で試験した。血清試料を、TBS/BSA中で1/20希釈し、その波長変化を、時間に対してモニターした。Biolipidure(登録商標)試薬1003は、図22Aに示すように、ナノ粒子コンジュゲートへの血清の添加に応答して、大きな10 nmの波長シフトを示した。このシフトは、すべての他のコンジュゲートよりも約3〜4倍大きく、よって、他のコンジュゲートの波長シフトをはっきりと観察するために除去した(図22B)。イヌ血清の添加に応答した10分の時間経過にわたるBSAブロッキングIgGコンジュゲートの波長シフトは、約3.5 nmであった。Biolipidure(登録商標)コンジュゲート1202は、BSAブロッキングコンジュゲートと類似した波長シフトを示した。205、206、1002、および1201でブロッキングしたコンジュゲートはすべて、イヌ血清の存在下で波長シフトの減少を示した。
Biolipidure(登録商標)試薬の変動する特性のために、それらは、イヌ血清に対する様々な応答、およびサンドイッチ免疫アッセイの感度の増強を有する。Biolipidure(登録商標)試薬205,206、1002、および1201はすべて、イヌ血清での波長シフトを低減する、およびこの均一なサンドイッチ免疫アッセイにおける抗原に応答したLSPRシフトを改善する、両方の能力を示す。Biolipidure(登録商標)試薬1202は、抗原に対する応答を改善することができ、他方、試料へのイヌ血清の添加に応答した波長シフトは、BSAコンジュゲートのものと同等であった。
抗原検出の感度の増大、およびイヌ血清での非特異的波長シフトの減少は、球状ナノ粒子に限定されなかった。Biolipidure(登録商標)試薬をIgGコンジュゲートの表面に添加した場合、抗原に対する抗体コンジュゲートの感度は増大し、血清の添加に応答した波長シフトは、BSAブロッキングコンジュゲートとの比較において有意に減少した(図23)。50 pg/mLのイヌ抗原へ20倍希釈した1 ng/mLの抗原について、2倍のBiolipidure(登録商標)試薬1002でブロッキングした90 nmナノアーチン(すなわち、表面上に複数の突起を含む異方性ナノ粒子)コンジュゲートの応答に顕著な増大があった(図24)。これらのコンジュゲートはまた、Biolipidure(登録商標)1002でブロッキングした球状金コンジュゲートよりもずっと高感度である。
研究の結果により、アッセイにおける非特異的結合を減少させながら感度を増大させるための驚くべき方法が提供された。BSAからいくつかのBiolipidure(登録商標)試薬への、金ナノ粒子-抗体受動的コンジュゲーション手順の最中のブロッキング剤の変更は、緩衝液条件における抗原に対する波長シフトの有意な増大を結果としてもたらし、コンジュゲートへの血清の添加に応答した波長シフトの減少があって、これは、血清構成要素由来の非特異的吸着における可能性のある減少を示した。
実施例9. 塩の組み合わせおよびEDTAは非特異的結合を低減する
LSPRアッセイにおける非特異的結合の理由および非特異的結合を低減する手段を決定するために、研究を行った。非特異的結合は、金コンジュゲートと巨大血清タンパク質との間の静電相互作用または疎水性相互作用による可能性がある。最初の研究は、NaCLに焦点を合わせた。ホフマイスターの理論に基づいて、MgCl2またはNaSCNがタンパク質凝集を阻止するのに有益であり得るかどうかを判定するために、実験を行った。加えて、カオトロピック塩は、金コンジュゲートコロイド安定性に対して影響を有する可能性がある。ホフマイスター系列の塩の模式図を、図25に提供する。
カオトロピック塩であるMgCl2を用いた最初の研究は、有望な結果を示した。塩がないと、正常なイヌ血清試料は、有意な非特異的結合を生じた。50〜100 mMのMgCl2で、非特異的結合シグナルは激減した(図26)。5分後のLSPRピークシフトの結果を、下記の表2に示す。非特異的結合および5 ng/ml LSPRシグナルは、MgCl2の存在によって不均衡に低減した。
(表2)MgCl2の存在下または非存在下でのLSPRピークシフト
Figure 2020509349
別の研究において、80 nmナノスフェアcTSHコンジュゲートに対する他のカオトロピック塩の影響を評価した。MgCl2、NaCl、およびNaSCNを試験した。MgCl2およびNaSCNは両方とも、非特異的結合の低減を呈した(図27)。5分後のLSPRピークシフトの結果を、図28および下記の表3に提供する。
(表3)NaCL、MgCl2、またはNaSCNの存在下でのLSPRピークシフト
Figure 2020509349
別の研究において、非常に少量のプールした試料(TBS緩衝液中100 pg/ml未満のcTSH)および多量の試料(TBS緩衝液中10 ng/ml)を用いて、LSPRに基づくイヌTSHアッセイにおける非特異的結合に対するMg(II)の存在の有益な効果を確認した。0 mM MgCl2の存在下では、非常に少量および多量のcTSH試料の波長シフトは、同じであった(図29、左上のパネル)。増大する濃度のMgCl2(1 mM、10 mM、または100 mM、それぞれ図29の右上、左下、および右下のパネル)で、非常に少量の試料における波長シフトは低減した。したがって、研究により、Mg(II)は、100 mMで存在する時に非特異的結合を実質的に低減したことが確認された(図29)。LSPRシグナルに対するMg(II)効果の機構を理解するために、EDTA(キレート剤)を用いた第2の実験を実施した。驚くべきことに、EDTAは、Mg(II)のものに類似した効果を示した(図30)。さらにより驚くべきことに、EDTAおよびMg(II)は共に、互いを相殺するようには見られなかった。少なくとも、EDTAは、Mg(II)をキレート化し、Mg(II)にその効果を失わせることが期待されるため、これは特に驚くべきことであった。したがって、研究により、Mg(II)、任意で他のホフマイスター系列の塩、およびEDTAまたはエチレングリコールビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)の組み合わせは、LSPRベースのアッセイにおいて非特異的結合を完全に制御することが示された。これらの驚くべき結果は、球状ナノ構造体または表面上に複数の突起を含むナノ粒子のいずれかを用いた研究において達成された。
記載される特定の方法論、プロトコール、および材料は変動することができるため、開示される発明は、これらに限定されないことが理解される。また、本明細書において用いられる専門用語は、特定の態様の説明を目的とするだけであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになる本発明の範囲を限定するようには意図されないことも理解される。
当業者は、本明細書に記載される本発明の具体的な態様についての多くの同等物を、認識するか、または日常的に過ぎない実験法を用いて確認することができるであろう。そのような同等物は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
別に定義されない限り、本明細書におけるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の任意の方法および材料を、本発明の実践または試験において用いることができるが、好ましい方法および材料を、本明細書に記載する。引用されるすべての刊行物、特許、および特許公開は、すべての目的でそれらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書において議論される刊行物は、単に、本出願の提出日よりも前のそれらの開示について提供される。本明細書におけるいずれも、本発明が、先行発明によってそのような刊行物に先立つ権利が与えられないという承認として解釈されるべきではない。

Claims (77)

  1. 以下の工程を含む、試料中の標的分析物を検出する方法:
    (a)試料を溶液中で第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートと混合する工程であって、該第1および第2の検出コンジュゲートは、該試料中に標的分析物が存在する場合にそれに特異的に結合して該第1の検出コンジュゲートと該分析物と該第2の検出コンジュゲートとの間で複合体を形成することができる結合パートナーに連結されたナノ構造体を含み、該ナノ構造体は複数の突起を含み、かつ該ナノ構造体の先端から先端までの平均直径は少なくとも約50 nmである、工程;
    (b)該複合体を、紫外-可視-赤外スペクトル内の波長範囲の光源に曝露する工程;ならびに
    (c)該複合体からの光信号を測定する工程であって、該光信号の変化が該試料中の該標的分析物の存在を示す、工程。
  2. 前記ナノ構造体の平均直径が約70 nmである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ナノ構造体の平均直径が約90 nmである、請求項1に記載の方法。
  4. 混合する工程(a)が、3-((3-コラミドプロピル)ジメチルアンミノ)-1-プロパンスルホナート(CHAPS)の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
  5. CHAPSが約0.1% w/v〜約0.5% w/vの濃度で存在する、請求項4に記載の方法。
  6. CHAPSが約0.2% w/vの濃度で前記溶液中に存在する、請求項4に記載の方法。
  7. 混合する工程(a)が、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロース、またはそれらの組み合わせから選択されるポリマー材料の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ポリマー材料が、メチルセルロース、デキストラン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、およびポリアスパラギン酸からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ポリマー材料がPEGであり、かつ該PEGが約0.1%〜約5% w/vの濃度で存在する、請求項7に記載の方法。
  10. 溶液が粘性増強剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記粘性増強剤が、トレハロース、マルトデキストリン、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP) ポリビニルアルコール(PVA)、シクロデキストリン、メチルセルロース、デキストラン、およびフィコールからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記溶液が、MgCl2およびNaSCNから選択される塩をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. MgCl2またはNaSCNが、約10 mM〜約250 mMの濃度で前記溶液中に存在する、請求項12に記載の方法。
  14. MgCl2またはNaSCNが、約100 mMの濃度で前記溶液中に存在する、請求項12に記載の方法。
  15. 前記溶液が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはエチレングリコールビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. EDTAまたはEGTAが、約5 mM〜約100 mMの濃度で前記溶液中に存在する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記溶液がBiolipidure(登録商標)試薬をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記Biolipidure(登録商標)試薬が、Biolipidure(登録商標)試薬205、206、1002、1201、および1202からなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記光信号が、反射率、吸光度スペクトル、散乱スペクトル、または発光スペクトルである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記光信号の変化が、スペクトルピーク波長シフトおよび/または全スペクトルプロファイルシフトを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記全スペクトルプロファイルシフトが差スペクトルである、請求項20に記載の方法。
  22. ナノグラム量の標的分析物の存在が検出される、請求項1に記載の方法。
  23. ピコグラム量の標的分析物の存在が検出される、請求項1に記載の方法。
  24. フェムトグラム量の標的分析物の存在が検出される、請求項1に記載の方法。
  25. 工程(a)が、分光光度法キュベット中で、分析用ローター中で、マイクロウェルプレート中で、臨床分析器中で、フローチャンバー中で、光ファイバーの先端上で、または透明なゲル中で実施される、請求項1に記載の方法。
  26. 金属ナノ構造体が金の金属ナノ構造体である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記結合パートナーが生体高分子である、請求項1に記載の方法。
  28. 前記生体高分子が、抗体もしくはその断片、抗原、受容体、リガンド、ポリヌクレオチド、アプタマー、ポリペプチド、多糖、リポ多糖、糖ペプチド、リポタンパク質、または核タンパク質から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記生体高分子が抗体である、請求項27に記載の方法。
  30. 前記生体高分子が抗原である、請求項27に記載の方法。
  31. 前記第1の検出コンジュゲートおよび前記第2の検出コンジュゲートが、抗体である結合パートナーを含む、請求項1に記載の方法。
  32. 前記抗体が、前記標的分析物上の異なるエピトープに結合する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記標的分析物が、タンパク質、酵素、抗原、抗体、ペプチド、核酸、ホルモン、糖タンパク質、多糖、毒素、ウイルス、ウイルス粒子、薬物分子、ハプテン、および化学物質から選択される、請求項1に記載の方法。
  34. 前記標的分析物が、病原性抗原、または病原性抗原に対する抗体である、請求項1に記載の方法。
  35. 前記病原性抗原がウイルス抗原である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記ウイルス抗原が、ネコ白血病ウイルス、イヌパルボウイルス、口蹄疫ウイルス、インフルエンザウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎、C型肝炎ウイルス、HIVウイルス、ヒトパピローマウイルス、エプスタイン・バーウイルス、および狂犬病ウイルスから選択されるウイルスに由来する、請求項35に記載の方法。
  37. 前記病原性抗原が細菌性抗原である、請求項34に記載の方法。
  38. 前記細菌性抗原が、エーリキア属(Ehrlichia)、ボレリア属(Borrelia)、アナプラズマ属(Anaplasma)、サルモネラ属(Salmonella)、バチルス属(Bacillus)、およびリケッチア属(Rickettsia)から選択される、請求項37に記載の方法。
  39. 前記細菌性抗原が、エーリキア・カニス(Ehrlichia canis)、エーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)、エーリキア・エウィンギ(Ehrlichia ewingii)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、アナプラズマ・プラティス(Anaplasma platys)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、バチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)、およびリケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii)から選択される、請求項37に記載の方法。
  40. 前記病原性抗原が真菌性抗原または寄生虫性抗原である、請求項34に記載の方法。
  41. 前記真菌性抗原または寄生虫性抗原が、イヌ心糸状虫、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、熱帯熱マラリア原虫(plasmodium falciparum)、アフリカトリパノソーマ症、およびトリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)から選択される、請求項40に記載の方法。
  42. 混合する工程(a)が、ブロッキング剤の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
  43. 前記ブロッキング剤が、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、ゼラチン、オボアルブミン、およびγグロブリンから選択される、請求項42に記載の方法。
  44. 前記ブロッキング剤が、約1%〜約5% w/vの濃度で存在するBSAである、請求項43に記載の方法。
  45. 以下の工程を含む、試料中の標的分析物を検出する方法:
    (a)試料を溶液中で第1の検出コンジュゲート、第2の検出コンジュゲート、CHAPS、ウシ血清アルブミン(BSA)、1つまたは複数のポリマー材料、1つまたは複数の粘性増強剤、塩、および任意でキレート剤と混合する工程であって、該第1および第2の検出コンジュゲートは、該試料中に標的分析物が存在する場合にそれに特異的に結合して該第1の検出コンジュゲートと該分析物と該第2の検出コンジュゲートとの間で複合体を形成することができる結合パートナーに連結されたナノ構造体を含む、工程;
    (b)該複合体を、紫外-可視-赤外スペクトル内の波長範囲の光源に曝露する工程;ならびに
    (c)該複合体からの光信号を測定する工程であって、該光信号の変化が該試料中の該標的分析物の存在を示す、工程。
  46. 前記ポリマー材料が、PEG、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、メチルセルロース、デキストラン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、およびポリアスパラギン酸からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
  47. 前記粘性増強剤が、トレハロース、マルトデキストリン、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP) ポリビニルアルコール(PVA)、シクロデキストリン、メチルセルロース、デキストラン、およびフィコールからなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
  48. 前記塩が、NaCl、MgCl2、CaCL2、およびNaSCNからなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
  49. 前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびエチレングリコールビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
  50. 工程(a)の前記溶液が、Biolipidure(登録商標)試薬をさらに含む、請求項45に記載の方法。
  51. 前記ナノ構造体が、球状ナノ粒子、および複数の突起を含むナノ粒子からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
  52. 少なくとも1つの結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲートと両性イオン性界面活性剤とを含む反応混合物であって、該ナノ構造体が複数の突起を含み、かつ該ナノ構造体の平均直径が少なくとも約50 nmである、反応混合物。
  53. 前記両性イオン性界面活性剤が、3-((3-コラミドプロピル)ジメチルアンミノ)-1-プロパンスルホナート(CHAPS)およびスルホベタイン界面活性剤からなる群より選択される、請求項52に記載の反応混合物。
  54. CHAPSが約0.1%〜約1%の濃度で存在する、請求項53に記載の反応混合物。
  55. CHAPSが約0.5%の濃度で存在する、請求項54に記載の反応混合物。
  56. 前記ナノ構造体の平均直径が約70 nmである、請求項52に記載の反応混合物。
  57. 前記ナノ構造体の平均直径が約90 nmである、請求項52に記載の反応混合物。
  58. 標的分析物を含有する試料をさらに含む、請求項52に記載の反応混合物。
  59. 前記標的分析物が、タンパク質、酵素、抗原、抗体、ペプチド、核酸、ホルモン、糖タンパク質、多糖、毒素、ウイルス、ウイルス粒子、薬物分子、ハプテン、および化学物質から選択される、請求項58に記載の反応混合物。
  60. 前記結合パートナーが生体高分子である、請求項52に記載の反応混合物。
  61. 前記生体高分子が、抗体もしくはその断片、抗原、受容体、リガンド、ポリヌクレオチド、アプタマー、ポリペプチド、多糖、リポ多糖、糖ペプチド、リポタンパク質、または核タンパク質から選択される、請求項60に記載の反応混合物。
  62. 前記生体高分子が抗体である、請求項60に記載の反応混合物。
  63. 金属ナノ構造体が金の金属ナノ構造体である、請求項52に記載の反応混合物。
  64. 第1の検出コンジュゲートおよび第2の検出コンジュゲートを含み、該第1および第2の検出コンジュゲートが、第1および第2の抗体である結合パートナーを含む、請求項52に記載の反応混合物。
  65. 前記第1および第2の抗体が、前記標的分析物上の、異なりかつオーバーラップしないエピトープに結合する、請求項64に記載の反応混合物。
  66. 標的分析物の存在に基づく光信号の変化を検出するのに適した、結合パートナーと金属ナノ構造体とを含むコンジュゲートを調製するための方法であって、該金属ナノ構造体が複数の突起を含み、該金属ナノ構造体の直径が少なくとも約50 nmであり、以下の工程を含む、方法:
    (a)該金属ナノ構造体を含む溶液を、該結合パートナーを含む溶液と混合して、結合パートナー-ナノ構造体コンジュゲートを形成する工程;
    (b)該コンジュゲートを、BSA、PEG、Biolipidure(登録商標)試薬、またはそれらの組み合わせでブロッキングする工程;
    (c)該コンジュゲートを遠心分離する工程;ならびに
    (d)PBS、TBS、およびボラートからなる群より選択される緩衝液と;BSA、PEG、Biolipidure(登録商標)試薬、またはそれらの組み合わせからなる群より選択されるブロッキング剤と;CHAPSとを含む希釈液中に、該コンジュゲートを再懸濁する工程。
  67. 前記結合パートナーが抗体である、請求項66に記載の方法。
  68. 前記抗体が、疎水性領域を含有する抗体である、請求項67に記載の方法。
  69. 前記溶液が、トレハロース、マルトデキストリン、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン(PVP) ポリビニルアルコール(PVA)、シクロデキストリン、メチルセルロース、デキストラン、およびフィコールから選択される粘性増強剤を含む、請求項66に記載の方法。
  70. 工程(c)が、約2,000 g以上での遠心分離を含む、請求項66に記載の方法。
  71. 前記ナノ構造体の平均直径が約70 nmである、請求項66に記載の方法。
  72. 前記ナノ構造体の平均直径が約90 nmである、請求項66に記載の方法。
  73. 工程(d)の後に凍結乾燥工程をさらに含む、請求項66に記載の方法。
  74. 前記凍結乾燥工程が、液体窒素中で前記コンジュゲートを分配すること、真空および温度サイクルを用いてフリーズドライすることを含む、請求項73に記載の方法。
  75. 前記溶液が、EDTAまたはEGTAをさらに含む、請求項66に記載の方法。
  76. 前記溶液が、MgCl2またはNaSCNをさらに含む、請求項66に記載の方法。
  77. 前記溶液が、EDTAおよびMgCl2をさらに含む、請求項66に記載の方法。
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