JP2016512241A - 改良された抗体検出のためのhcvns3組換え抗原およびこの突然変異体 - Google Patents

改良された抗体検出のためのhcvns3組換え抗原およびこの突然変異体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016512241A
JP2016512241A JP2016500143A JP2016500143A JP2016512241A JP 2016512241 A JP2016512241 A JP 2016512241A JP 2016500143 A JP2016500143 A JP 2016500143A JP 2016500143 A JP2016500143 A JP 2016500143A JP 2016512241 A JP2016512241 A JP 2016512241A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antigen
hcv
recombinant
antibody
helicase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016500143A
Other languages
English (en)
Inventor
ミュアーホッフ,スコット・エイ
マローニック,クリストファー
バーケンメイヤー,ラリー
プロストコ,ジョン
ボグダン,フェリシャ
グティエレス,ロビン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Abbott Laboratories
Original Assignee
Abbott Laboratories
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Abbott Laboratories filed Critical Abbott Laboratories
Publication of JP2016512241A publication Critical patent/JP2016512241A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/576Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for hepatitis
    • G01N33/5767Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for hepatitis non-A, non-B hepatitis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/20Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/20Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand
    • C07K2319/21Fusion polypeptide containing a tag with affinity for a non-protein ligand containing a His-tag
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2770/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA ssRNA viruses positive-sense
    • C12N2770/00011Details
    • C12N2770/24011Flaviviridae
    • C12N2770/24211Hepacivirus, e.g. hepatitis C virus, hepatitis G virus
    • C12N2770/24222New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2800/00Nucleic acids vectors
    • C12N2800/22Vectors comprising a coding region that has been codon optimised for expression in a respective host
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2469/00Immunoassays for the detection of microorganisms
    • G01N2469/20Detection of antibodies in sample from host which are directed against antigens from microorganisms

Abstract

本開示は、ポリペプチドの融合体を含むポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、免疫診断試薬、キットおよびHCV抗体の存在を検出する使用のための免疫測定法に関する。さらに具体的には、本発明は、抗HCV抗体の検出に使用することができる特異的NS3抗原を記載する。

Description

本出願は、2013年3月14日に提出された米国特許仮出願番号第61/784,822号および2013年3月14日に提出された米国特許仮出願番号第61/784,822号の優先権の利点を主張するPCT特許出願として提出される。上記出願の本文全体が、この全体において参照することにより本明細書に組み込まれる。
本開示は、ポリペプチドの融合体を含むポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、免疫診断試薬、キットおよびHCV抗体の存在を検出する使用のための免疫測定法に関する。
WHOの統計によると、世界中で1億7千万人もの多くの人が肝臓のウイルス感染症であるC型肝炎ウイルス(HCV)に感染する。HCVに感染した人の75から85%は慢性感染へと進行し、これらの症例のおよそ20%が、肝硬変または肝細胞癌を含む慢性C型肝炎の合併症を、感染の20年後に発症する。HCV感染症について現在推奨されている処置は、インターフェロンとリバビリン薬物の併用である。しかし、処置は全ての症例に有効ではなく、肝臓移植が、C型肝炎に関連する末期の肝臓疾患には必要である。現在、HCV感染を予防するために利用できるワクチンは存在せず、従って、感染を避けるためにはあらゆる予防策をとらなければならない。
従って、患者の管理、ならびに血液および血液製剤による、または密接な個人的接触によるC型肝炎ウイルス(HCV)の伝染の予防には、感度の高い検出分析を使用する相当の警戒が必要である。この相当の警戒は、HCVのキャリアおよびHCVが混入している血液または血液製剤をスクリーニングおよび同定するための特別な方法の必要性につながる。HCVへの曝露の血清学的決定は、ヒトの血漿または血清中に存在する抗HCV抗体の検出に頼る。これらの抗HCV抗体は、ウイルスによりコードされる多数の異なる構造タンパク質および非構造タンパク質に向けられている。
HCVウイルスは、Flaviviridae科のHepacivirus属の(+)センス一本鎖エンベロープRNAウイルスである。ウイルスゲノムはおよそ10kbの長さであり、3011アミノ酸のポリタンパク質前駆体をコードする。HCVゲノムは、特有のポリタンパク質をコードする大きな1つのオープンリーディングフレーム(ORF)を有する。このポリタンパク質は、細胞性プロテアーゼおよびウイルスのプロテアーゼにより、3つの構造タンパク質(即ち、コア、E1およびE2)、および少なくとも6個の非構造NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bタンパク質に、翻訳と同時および翻訳後にプロセシングされる(Choo et al.,Science 244:359−362(1989))。
被験体がHCVに曝されているかどうかを決定するアッセイが市販されている。これらの血清学的アッセイは、典型的には、抗HCV抗体が固相上に存在する組換えHCV抗原により捕捉され、続いて、標識された抗ヒト抗体結合体により抗HCV抗体が検出される間接的な形式を使用する。HCVの幾つかの抗原性領域が同定されているが、これらの領域由来のペプチドおよび組換えタンパク質は、HCVキャリアの検出および診断において様々な程度の感度および選択性を示す。
例えば、HC43は、ヒトの血清または血漿中のHCV抗体の検出に使用される1つのこのような組換えタンパク質である。HC43は、NS3タンパク質のC33領域(HCV−1アミノ酸1192−1457)と、コアまたはヌクレオキャプシド構造タンパク質(HCV−1アミノ酸1−150)を含む。HC43は、バクテリオファージラムダのpLプロモーターを含有しているプラスミド(pKRR826)(米国特許第6,846,905号明細書に記載されている。)を使用し、HCV H株由来のコドン最適化配列(即ち、HCV−1;Ogata et al.,PNAS USA 88:3392−3396(1991))を利用することにより、融合タンパク質として大腸菌(E.coli)の中で発現される。2つの非HCVコードアミノ酸が、NS3とコア配列とを隔てている。このような融合タンパク質を使用する抗HCVアッセイが市販されている。この融合タンパク質の大腸菌(E.coli)中での温度誘導性システムを介する発現は、不溶性封入体の形成を生じる。これらは、免疫測定法において(固相抗体捕捉試薬として)使用される純粋な単量体タンパク質を得るために、尿素、還元剤およびSDSで可溶化されなければならない。Abbottが所有する米国特許の中で開示されているこのタンパク質の誘導体(例えば、9MB31)は短縮型コアタンパク質配列を含み、温度誘導性システムにおいて発現されて、不溶性であるタンパク質を生じる。
抗HCV抗体の検出に使用される別のこのような組換えタンパク質はC100である。この組換えタンパク質は、HCVゲノムのNS3およびNS4領域(HCVアミノ酸1569−1931)に由来し、527アミノ酸のN末端スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)融合体とともに酵母の中で発現される(例えば、米国特許第5,350,671号を参照のこと)。HCVゲノムの363アミノ酸は組換えタンパク質中に存在するが、複数の研究により、抗体結合の大部分がNS4領域内の2つのさらに小さい領域で起こることが明らかにされている。第1の領域は5−1−1領域であり、5−1−1領域はHCVアミノ酸1691−1733を含み、第2の領域はHCVアミノ酸1921−1940からなるC100領域である。
免疫測定法の開発に使用される他のNS3ヘリカーゼ構築物は、Jin and Petersen(Archives or Bioch Biophys,1995,323:47−53;Sallberg et al.,1996,J Gen Virol,77:2721−2728;Chien et al.1998,Hepatology,28:219−224)に記載されているが、これらの構築物は残基1207−1612を含み、全長のヘリカーゼ(1207−1657)を含まれない。加えて、上記タンパク質は再び不溶性形態で発現され、変性条件下で精製され、免疫測定法でのそれらの使用の前に、酵素活性を再度獲得させるためのタンパク質折り畳み技術が必要である。
多くのHCV診断アッセイが様々な形態でNS3抗原を利用する。HCV NS3は、このN末端の3分の1内にセリンプロテアーゼドメインおよびこのC末端の3分の2内にNTPase/ヘリカーゼドメインを含有している多機能性タンパク質である。全てのNTPおよびdNTPを加水分解することができる、ポリヌクレオチドにより刺激されたNTPase活性が示されているが、ATPと二価イオンを必要とするRNAヘリカーゼ活性もまた同定されている。NS3のC末端ドメインは、3’から5’方向に、RNA−RNA、RNA−DNAおよびDNA−DNA基質を巻き戻すことができる。
HCV NS3ヘリカーゼの結晶構造の分析は、この酵素が3つのドメインからなることを示している。ドメインI(およそ、NS3の残基181−326)とドメインII(およそ、NS3の残基327−481)はほとんど配列同一性を有しないが、α−へリックスが隣接している大きな中央のβ−シートからなる構造において類似性を共有しており、RecAタンパク質の中心領域と構造が相同である。ドメインIII(およそ、NS3の残基482−631)は大部分がα−へリックスであり、一本鎖核酸結合部位の一部を含む。ドメインIおよびIIIは、ドメインIIを共有する以上に、より広範囲にわたる境界面を共有する。従って、ドメインIおよびIIIは強固なユニットを形成するが、ドメインIIは、ドメインIIの非常に大きい相対的な回転を支えることができる、溶媒に曝されているポリペプチドセグメントにより、ドメインIおよびIIIにつながれている。特に、普通ではない分子の特徴は、ドメインIIの中心のβ−シートからドメインIIIへと伸びる長い逆並行β−ループであり、ここでは、ループの末端はドメインIII構造の組み込まれた部分となる。従って、他のヘリカーゼと同様に、ドメインの動きは、HCVヘリカーゼの活性に特徴的である(Gu&Rice,PNAS,2010,107:521−528およびこの中の参考文献を参照のこと)。
米国特許第6,846,905号明細書 米国特許第5,350,671号明細書
Choo et al.,Science 244:359−362(1989) Ogata et al.,PNAS USA 88:3392−3396(1991) Jin and Petersen.,Archives or Bioch Biophys,1995,323:47−53 Sallberg et al.,1996,J Gen Virol,77:2721−2728 Chien et al.1998,Hepatology,28:219−224 Gu&Rice,PNAS,2010,107:521−528
NS3抗原を使用するHCV感染の血清学的決定のためのアッセイが幾つか市販されているが、これらのアッセイには、HCV感染ウインドウ内のより早い時期での検出にそれらを使用できるようにするための改良がなお必要である。従って、HCV抗体のセロコンバージョンのウインドウを小さくすることにより増大した感度を有しているさらなるアッセイが依然必要である。
本発明は、このような血清学的アッセイにおける抗NS3の検出について改善された感度を提供することによりこの必要性に取り組む。
好ましい実施形態では、本発明は、NS3ヘリカーゼ配列を含有している組換えHCV NS3抗原に関し、組換えHCV NS3抗原は上記ヘリカーゼのドメインI、IIおよびIIIのそれぞれを含み、上記抗原は、C33抗原と比較して血清由来のHCV抗体に対して増大した免疫反応性を有し、上記組換えHCV NS3抗原は、以下からなる群より選択される1つ以上の特徴を含む:
野生型NS3ヘリカーゼのATP結合活性と比較して低下したATP結合活性
野生型NS3ヘリカーゼのATP結合活性と比較して、野生型NS3と比較して低下したATPase活性、および
野生型NS3ヘリカーゼの酸化還元安定性と比較して増大した酸化還元安定性。
本発明の特に好ましい抗原は、上記NS3ヘリカーゼのC末端に少なくとも1つのシステイン残基の付加をさらに含む。本発明の状況では、野生型HCV NS3は配列番号87の配列を含み、ここでは本発明の組換え抗原は、配列番号87の配列と比較して少なくとも1つの突然変異を含む。さらに、特に、突然変異は上記配列番号87の1つ以上のシステイン残基の任意の他のアミノ酸への突然変異を含む。さらに具体的には、突然変異は、上記1つ以上のシステイン残基の対応するセリン残基への突然変異を含む。さらに特別な実施形態では、突然変異は、HCV NS3ヘリカーゼのドメインIII由来のシステイン残基の1つ以上の突然変異を含む。なおさらに具体的には、好ましい実施形態では、システイン残基の突然変異は、配列番号87のC292、C368、C374、C499およびC525からなる群より選択される1つ以上のシステイン残基の突然変異を含む。本発明の幾つかの抗原においては、HCV NS3突然変異体は、上記システイン残基の少なくとも2つが対応するセリン残基によって置き換えられている突然変異体である。
本発明の別の態様では、HCV NS3抗原はさらに、上記NS3ヘリカーゼのC末端に少なくとも1つのシステイン残基の付加をさらに含む。特定の特別な実施形態では、HCV NS3抗原は、上記NS3ヘリカーゼのC末端に2つのさらなるシステイン残基を含む。さらなる実施形態では、NS3抗原は、ATP結合を減少させるかまたはATPase活性を低下させる、配列番号87のK210、S211、T212、Y241、D290、E291、H293、T419、Q460、R464、R467およびW501からなる群より選択される1つ以上のアミノ酸残基の任意の他のアミノ酸残基での置き換えである突然変異を含む。例示的な突然変異として、配列番号87と比較して、K210N、S211A、T212E、Y241S、D290N、E291Q、H293A、T419G、Q460H、R464A、R467KおよびW501Aからなる群より選択される突然変異が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
突然変異が配列番号87のK210、S211、T212、Y241、D290、E291、H293、T419、Q460、R464、R467およびW501の別のアミノ酸での突然変異を含む任意の実施形態では、抗原は、配列番号87の1つ以上のシステイン残基の任意の他のアミノ酸への突然変異をさらに含み得る。さらに具体的には、上記配列番号87の1つ以上のシステイン残基のうちの1つ以上の突然変異が、配列番号87のC292、C368、C374、C499およびC525からなる群より選択される1つ以上のシステイン残基の突然変異を含む。抗原は、上記NS3ヘリカーゼのC末端に少なくとも1つのさらなるシステイン残基の付加をさらに含むことが有利であり得る。例えば、このようなさらなるシステイン残基は、上記NS3ヘリカーゼのC末端でのシステイン残基の付加により導入され得、GGCSGGA、DECHSTDおよびSKKKCDEからなる群より選択される配列の上記NS3ヘリカーゼのC末端への付加を含む。他の特異的な実施形態では、抗原は2つのさらなるシステイン残基を含み得る。特別な実施形態では、2つのさらなるシステイン残基が、GSGSGHHHHHHHHGGCSGGARSGC、GSGSGHHHHHHHHDECHSTDRSGCおよびGSGCGHHHHHHHHGGCSGGAからなる群より選択される配列の付加により導入される。他の例示的なさらなるシステイン残基は、GSGSGHHHHHHHHGGCSGGA、GSGSGHHHHHHHHDECHSTD、GSGSGHHHHHHHHSKKKCDEおよびGSGSGHHHHHHHHSKKKCDERSGCを含むC末端配列により導入される。
さらなる実施形態では、C末端配列がシグナルを発生する部分への結合により修飾され得る。
なおさらなる実施形態では、抗原はヒスチジンタグをさらに含み得る。より具体的には、ヒスチジンタグが配列番号87のC末端と上記付加された配列のN末端との間に配置され得る。
本発明の任意の好ましい抗原はビオチニル化され得る。好ましくは、ビオチニル化は上記抗原のN末端、またはC末端に存在する。代替えの実施形態では、ビオチニル化は部位特異的ビオチニル化である。
本発明のさらなる態様は、本発明の組換えHCV抗原をコードする単離された核酸に関する。加えて、本発明はさらに、このような単離された核酸を含有している発現ベクターを含む。さらに、本発明は、このような発現ベクターで形質転換されたまたはトランスフェクトされた宿主細胞を含み、例えば、宿主細胞は大腸菌(E.coli)細胞であり得る。
本発明はさらに免疫診断試薬に関し、それらの1つ以上が本発明の組換えHCV抗原を含有している。幾つかの実施形態では、免疫診断試薬はさらに固体支持体を含み得る。例えば、固体支持体は微粒子であり得、組換え抗原が上記微粒子上にコーティングされる。
さらなる実施形態では、組換え抗原が、比色定量標識、化学発光標識、または蛍光標識(しかしこれらに限定されるわけではない。)で検出可能であるように標識され得る。
本発明の任意の1つ以上の抗原は、免疫診断試薬を含有しており、抗HCV抗体と免疫反応性であるエピトープを含有しているさらなる単離されたHCV抗原をさらに含有しているキットにおいて提供され得る。例示的な実施形態では、さらなるHCV抗原はHCVコア抗原である。特異的な実施形態では、キットは、本発明の組換えHCV NS3抗原と、同じ固相上に一緒にコーティングされたさらなるHCV抗原を含む。他の実施形態では、本発明の組換えHCV NS3抗原とコア抗原は別の固相上にコーティングされる。
本発明のキットは、好ましくは、ヒト抗体の検出用の抗体をさらに含む。加えて、キットはさらに、検出可能な標識を含有していてもよい抗HCV抗体を含み得る。
試験試料中の抗HCV抗体の存在を決定する免疫測定法もまた、本発明により考えられる。この方法は、上記試験試料を本発明の免疫診断薬と、上記試験試料中の上記組換えHCV NS3抗原と上記抗HCV抗体との間での複合体の形成を可能にする条件下で接触させる工程、および上記複合体を検出する工程を含む。ここでは、上記複合体の存在が上記試験試料中の抗HCV抗体の指標である。好ましい実施形態では、複合体の形成の検出は、複合体に対する標識された(例えば、蛍光標識された)抗ヒト抗体の結合の決定により検出される。特異的な実施形態では、蛍光標識は好ましくはアクリジニウムである。
好ましい実施形態では、組換えHCV NS3抗原が微粒子上にコーティングされる。
本発明の免疫測定法では、上記方法にさらに、HCVコア抗原に対する抗体の存在を決定するために試験試料をアッセイする工程が含まれ得る。本発明の免疫測定法では、本発明の抗原、ならびに例えばコア抗原のようなさらなる抗原が、同じ微粒子上に一緒にコーティングされるか、または、このような抗原が別の微粒子上にコーティングされる場合がある。
本発明の任意の免疫測定法が試験試料について使用され得、ここでは、試験試料は患者から得られ、上記方法は患者の治療的/予防的処置の有効性を診断、予後判定、または評価をさらに含み、上記方法が患者の治療的/予防的処置の有効性を評価する工程をさらに含む場合は、上記方法は、有効性を改善することが必要な患者の治療的/予防的処置を改変する工程をさらに含んでもよい。
本発明の抗原を利用する任意の免疫測定法は、自動化システムまたは半自動化システムでの使用に容易に適合させられ得る。
好ましい実施形態では、本発明はまた、NS3ヘリカーゼのドメインI、IIおよびIIIのそれぞれを含むNS3ヘリカーゼ配列を含有している組換えHCV NS3抗原にも関する。ここでは、上記抗原は、C33抗原と比較して血清由来のHCV抗体に対して増大した免疫反応性を有し、上記組換えHCV NS3抗原は、野生型NS3ヘリカーゼの酸化還元安定性と比較して増大した酸化還元安定性を含む。
なお別の実施形態では、好ましい抗原は、NS3ヘリカーゼのドメインIおよびIIのそれぞれを含むNS3ヘリカーゼ配列を含有している組換えHCV NS3抗原である。ここでは、上記抗原は、C33抗原と比較して血清由来のHCV抗体に対して増大した免疫反応性を有し、上記組換えHCV NS3抗原は、野生型NS3ヘリカーゼの酸化還元安定性と比較して増大した酸化還元安定性を含む。
図1は、本発明のHCV NS3組換え抗原の位置を示す。
上記のように、試料のHCV感染を検出するために使用され得る感度の高い血清学的アッセイのためのさらなる試薬を創生することが必要である。本発明は、HCV1 NS3のヘリカーゼによりコードされる配列からなる組換え抗原、および可溶性形態での大腸菌(E.coli)中での発現のための方法を記載する。抗原は、固定化金属アフィニティークロマトグラフィーによる精製を容易にするために、それらのC末端にポリヒスチジンタグを含む。
特定の実施形態では、本発明は、酵素処理によるビオチンの共有結合の標的であるアミノ酸配列をN末端またはC末端のいずれかに保有しているHCV1 NS3の特異的突然変異体を作製する。これらのタグのインビボビオチニル化は細胞の内側で起こり、ここでは、ビオチンリガーゼ酵素が同時発現され、ビオチンが培養培地に添加される。この様式では、本発明の抗原が固体支持体に結合させられ得、沈澱させられ得るか、またはアビジン(または、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、抗ビオチン抗体もしくはこのビオチン結合断片、または任意のビオチン捕捉部分)のビオチンとの相互作用の使用により別の方法でモニターされ得る。
さらなる実施形態では、システインコドンが単独でまたは組み合わせでのいずれかで、セリンコドンにより置き換えられたNS3遺伝子の突然変異体が作製された。システイン−セリン突然変異体の作製により抗原の酸化に対する耐性を可能にし、それにより、エピトープの提示、および結果として、免疫反応性を妨げる。
加えて、全長のヘリカーゼ酵素(HCVアミノ酸1207−1657)の、ヌクレオチド三リン酸(例えば、ATP)に結合する能力を破壊し、それにより開いた立体構造または伸びた立体構造でタンパク質を維持するこれらのCysからSerへの突然変異の少なくとも1つおよび他の突然変異体が作製される(Gu&Rice,PNAS,2010,107:521−528およびこの中の参考文献を参照のこと)。これらの突然変異体の幾つかは、野生型の全長ヘリカーゼと比較して増強された免疫反応性を示す。特定の理論または作用機構にとらわれず、ヘリカーゼの伸びた立体構造を生じる溶媒曝露によって、より免疫反応性が高いタンパク質が生じる可能性がある。結果として、システイン残基のセリン残基への改変により、または他の突然変異により、アッセイされる試料中に抗体に対する結合についてエピトープをより良好に提示する、より免疫反応性が高い伸びた立体構造のヘリカーゼが生じ得る。
加えて、本発明は、全長のヘリカーゼタンパク質のC末端に付加された1つ以上のシステイン残基を含有している短いアミノ酸タグ配列を含む、突然変異体のさらなるシリーズを考慮する。抗原のC末端での少なくとも1つのこのようなさらなるシステイン残基の付加は、部位特異的または部位優先的様式でのシグナルを発生する部分の結合を可能にする。驚くべきことに、2つのシステイン残基を含むアミノ酸タグ配列の付加により、組換え抗原の増強された精製後安定性が生じることが明らかになっている。このようなさらなるシステイン残基を持って製造された抗原は、有利には、原則として単量体であり、またシグナルを発生する部分へのその後の結合のためのチオールを保有しているタンパク質である。この様式では、抗原は、マレイミド化学のような周知の技術を使用して、シグナルを発生する部分で直接標識することができる。追加の利用できるシステイン残基の存在により作製されるシグナルを発生する部分のためのさらなる部位は、増大したシグナルが抗原から生じることを可能にする。さらに、ヘリカーゼのC末端にあるこれらの高度に溶媒曝露されたシステインを含有している配列タグの含有により、部位特異的標識が可能になり、これにより、非特異的標識により免疫学的に不活性になり得る重要なエピトープを保有している可能性がある他の部位での標識が回避される。2つのさらなるシステイン残基の導入に使用されるHisタグを含む特に好ましいタグは、GSGSGHHHHHHHHGGCSGGARSGC、GSGSGHHHHHHHHDECHSTDRSGCおよびGSGCGHHHHHHHHGGCSGGAである。
本発明で抗原として使用される精製された組換えタンパク質がアクリジニウムで、またはマレイミドおよびNHS活性基を含有しているヘテロ二官能性リンカーを使用してアクリジニル化BSAにより標識されることに留意されたい。高い結合反応効率を達成するためには、精製されたNS3抗原タンパク質は、結合の前に化学的に還元され、脱塩されなければならない。サイズ排除クロマトグラフィーによる研究では、C末端にさらなるシステイン残基を有している本発明の組成物が、C末端タグの中に1つのシステインを保有しているHCV NS3h構築物と比較して、低い凝集(または多量体化)の程度を有していることが見られた。このようにオリゴマー(多量体または凝集体)が存在しないことは、最大感度(マスクされたエピトープがない。)および特異性(非特異的結合がより少ない。)および安定性(時間依存性の多量体化、オリゴマー化、凝集がない。)に有利である。特定の理論および作用機構にとらわれず、C末端タグ内のシステイン側鎖の末端チオールの導入により、鎖内ジスルフィド結合の形成が可能となり、これにより各チオールを酸化(即ち分子酸素との反応)から保護することが可能となる。このジスルフィド結合は酸化の前に容易に還元され、これにより、例えばマレイミド化学のような直接標識技術を使用する標識に、チオールが利用できるようになる。
NS3をベースとする抗原の使用について記載している全てのこれまでのアッセイとは異なり、本明細書中に記載されるNS3抗原は、部位特異的にビオチン標識されており、可溶性であり、単量体であり、低下した酸化感度を示し、なおも抗体検出アッセイに使用されるための十分な免疫反応性を示す。さらに、本発明は、NS3のC末端部分によってコードされるヘリカーゼタンパク質領域全体を含む。これは、改善されたセロコンバージョンの感度のために、抗体検出に全長の可溶性ヘリカーゼタンパク質を使用することの最初の実証である。本明細書中に記載されるこれらのNS3抗原、ならびに、カオトロープまたは界面活性剤の非存在下でのNS3抗原の可溶性の発現および精製により、効率的な、および十分に管理された結合が可能となる。これらの抗原は、その後、以下に記載されるように全長のヘリカーゼタンパク質を使用することによるHCV NS3ヘリカーゼに特異定な抗体の検出のための非常に強力な(即ち、感度の高い)免疫測定法での使用に適応させることができる。
発現された抗原は、IMACおよびイオン交換クロマトグラフィーを使用して2工程で精製された。NS3タンパク質および突然変異体の大部分の可溶性の発現の理由から、変性条件(例えば、尿素、SDSなどの使用)は必要なかった。加えて、システイン残基を含有している抗原の免疫反応性を、タンパク質の精製および保存の際に二価陽イオンキレート剤(EDTAまたはDTPA)を含めることにより保存できることが発見された。特定の理論または作用機構にとらわれず、本発明の抗原がC33抗原よりも試験試料中の抗体によりさらに容易に検出される(即ち、より免疫反応性が高い)ことが明らかにされている。本発明の抗原のこの増大した免疫反応性は、これらの溶解度および/または本明細書中でのこれらの改変/突然変異に理由があると考えられる。例えば、本発明の突然変異は、抗原をさらに免疫反応性にする以下の1つ以上の特徴を抗原の中に生じる:(a)ヘリカーゼドメイン中のシステインからセリンへの突然変異の存在が、抗原の酸化に対する耐性を可能にし、これによりエピトープの提示、および結果として免疫反応性を保存する;(b)エピトープの供給を拡大するためのドメインの付加;および(c)既存のエピトープ認識の増強。免疫反応性に特異的ではない他のシステイン残基の突然変異は、マレイミド試薬を使用する化学結合によるタンパク質の制限部位特異的修飾を手助けする。
定義
本発明は、試験試料中の抗HCV抗体の検出のための試薬を提供する。明細書を通して特定の用語が頻繁に使用され、このようなものとして、以下のセクションはこれらの用語のさらなる定義を提供する。用語「抗体(antibody)」(Ab)および「抗体(antibodies)」(Abs)は以下を指す:モノクローナル抗体(mAb(単数形)またはmAbs(複数形))、ポリクローナル抗体(pAbs(複数形))、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体(完全にまたは部分的にヒト化されている;ヒト抗体の改変された可変領域を含有しているポリペプチド(ここでは、可変領域の一部が非ヒト配列由来の対応する配列により置換されており、改変された可変領域はヒト抗体の定常領域の少なくとも一部に連結されている。)、動物抗体(例えば、鳥類(例えば、アヒルまたはガチョウ)、サメ、クジラおよび非霊長類を含む哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウスなど)、または非ヒト霊長類(例えば、サル、チンパンジーなど)であるが、これらに限定されるわけではない。)、組換え抗体、キメラ抗体(cAb;別の宿主種由来の抗体定常領域の少なくとも一部に連結された1つの宿主種由来の抗体の重鎖および軽鎖可変領域全体またはこの一部を含有しているポリペプチド)、単鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、Fab’−SH断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、単鎖Fv断片(「scFv」)、ジスルフィド結合されたFv断片(「sdFv」)、dAb断片、二重特異性抗体、単離された相補性決定領域(CDR)および抗イディオタイプ(「抗Id」)抗体、二官能性または二重ドメイン抗体(例えば、二重可変ドメイン抗体、またはDVD−IgGs)、ならびに上記のいずれかの機能的に活性なエピトープ結合断片(または抗原的に反応性である断片)。特に、抗体は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性である(または抗原的に反応性である)断片、即ち、本明細書中で(n)にさらに記載されるような分析物結合部位を含む分子、および本明細書中で(ac)にさらに記載されるような変異体を含む。免疫グロブリン分子は任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)、またはサブクラスであり得る。バイオティスプレイを使用して調製された組み合わせ抗体ライブラリーのスクリーニングによりこの親和性(即ち、KD、kd、またはka)が増大しているまたは改善された抗体は、「親和性成熟抗体」と呼ばれる。わかりやすくするために、分析物に対する抗体は本明細書中では、頻繁に「抗分析物抗体」または単に「分析物抗体」(例えば、抗HCV抗体またはHCV抗体)のいずれかと呼ばれる。抗体の変異体は本明細書中で(x)に記載されるとおりである。
本発明では、アッセイの「構成成分(component)」、「構成成分(components)」、および「少なくとも1つの構成成分」は一般に、本明細書中に記載される方法および当該分野で公知の他の方法に従って、患者の尿、血清、または血漿試料のような試験試料のアッセイのためのキットに含めることができる、捕捉抗体、検出または結合抗体、対照、検量用試料、検量用試料のシリーズ、感度パネル、容器、緩衝液、希釈剤、塩、酵素、酵素の補因子、検出試薬、前処理試薬/溶液、基質(例えば、溶液として)、停止液などをいう。従って、本開示の状況では、「少なくとも1つの構成成分」、「構成成分(component)」および「構成成分(components)」には、場合により固体支持体上に固定される、本明細書中に記載されるポリぺプチドが含まれ得る。幾つかの構成成分は溶液中に存在し得、また、アッセイでの使用のための再構成用に凍結乾燥させられた状態であってもよい。
本発明のアッセイの実行においては、対照を使用することが有用であり得る。「対照」は、抗HCV抗体を含まないことがわかっている組成物(「陰性対照」)、または抗HCV抗体を含むことがわかっている組成物(「陽性対照」)をいう。陽性対照は、既知の濃度の抗HCV抗体を含有し得る。「対照」、「陽性対照」および「検量用試料」は、既知の濃度の抗HCV抗体を含有している組成物をいうために、本明細書中で互換的に使用され得る。「陽性対照」は、アッセイの性能の特徴を確立するために使用することができ、試薬(例えば、分析物)の一貫性についての有用な指標である。
本発明のNS3抗原は、このような抗体が本発明のNS3抗原の中に含まれるエピトープを認識するので、試験試料中の抗HCV抗体の検出のための血清学的アッセイにおいて有用である。「エピトープ(epitope)」、「エピトープ(epitopes)」および「目的のエピトープ」は、任意の分子(この場合は、本明細書中に記載されるNS3抗原)上の、抗体またはこの抗原的に反応性である断片のような特異的結合パートナー上の相補性部位を認識し、特異的結合パートナー上の相補性部位に結合することができる部位(単数または複数)をいう。エピトープは、特異的結合パートナー上の相補性部位に結合することがわかっている抗原(またはこの断片)の1つの領域の正確なアミノ酸残基からなる。抗原性断片は2つ以上のエピトープを含み得る。
本明細書中に記載されるアッセイでは、アッセイの1つまたは他の構成成分が検出可能な標識を含有し得る。用語「標識」および「検出可能な標識」は、抗体および分析物のような特異的結合対のメンバーの間での反応を検出できるようにするために、抗体または分析物のような特異的結合パートナーに対して付着させられる部分を意味し、このように標識された、例えば、抗体または分析物のような特異的結合パートナーは、「検出可能であるように標識された」と言われる。標識は、視覚的手段または機器的手段によって検出可能なシグナルを生じることができる。様々な標識が、色素原、蛍光化合物、化学発光化合物、放射性化合物などのようなシグナルを生じる物質を含む。標識の代表例としては、光を生じる部分(例えば、アクリジニウム化合物)および蛍光を生じる部分(例えば、フルオレセイン)が挙げられる。他の標識は、本明細書中に記載されている。これに関して、上記部分自体は検出可能であるように標識されていない場合があるが、さらに別の部分と反応すると検出可能になり得る。「検出可能であるように標識された」の使用は、後者のタイプの検出可能な標識を含むように意図される。
「連結配列(linking sequence)」は、目的の1つ以上のポリペプチド配列(例えば、全長、断片など)につながれている天然のポリペプチド配列または人工的なポリペプチド配列をいう。用語「つながれた(connected)」は、目的のポリペプチド配列に対する連結配列の結合をいう。このようなポリペプチド配列は好ましくは、1つ以上のペプチド結合により連結される。連結配列は約4から約50のアミノ酸までの長さを有し得る。好ましくは、連結配列の長さは約6から約30アミノ酸までである。天然の連結配列はアミノ酸置換、付加、または欠失により改変されて、人工的な連結配列が作製され得る。例示的な連結配列として以下が挙げられるが、これらに限定されるわけではない:(i)ヒスチジン残基(Hisタグ)(例えば、6個のヒスチジン残基を含む6×Hisタグが、目的のポリペプチドおよび抗体の単離および精製を容易にするための連結配列として有用である。)。(ii)Hisタグのようなエンテロキナーゼ切断部位が、目的のタンパク質および抗体の単離および精製に使用される。多くの場合、エンテロキナーゼ切断部位は、目的のタンパク質および抗体の単離および精製において、Hisタグとともに使用される。様々なエンテロキナーゼ切断部位が当該分野で知られている。(iii)様々なものからなる(Miscellaneous)配列が、単鎖可変領域断片の軽鎖および/または重鎖可変領域を連結するまたはつなぐために使用され得る。他の連結配列の例は、Bird et al.,Science 242:423−426(1988);Huston et al.,PNAS USA 85:5879−5883(1988);およびMcCafferty et al.,Nature 348:552−554(1990)の中で見ることができる。連結配列はまた、薬物の付着または固体支持体への付着のようなさらなる機能のために修飾され得る。本開示の状況では、例えばmAbが、Hisタグのような連結配列、エンテロキナーゼ切断部位、または両方を含み得る。
「患者」および「被験体」は、動物(例えば、鳥類(例えば、アヒルまたはガチョウ)、サメ、クジラおよび非霊長類を含む哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラットおよびマウス)および霊長類(例えば、サル、チンパンジーおよびヒト)を指すように本明細書中で互換的に使用され得る。好ましくは、患者または被験体はヒト、例えば、HCV感染のリスクがあるヒトまたはHIVに感染したヒトである。
本明細書中に記載される免疫測定法の結果の分析においては、カットオフレベルとしての一定の検出レベルを含めることが有用であり得る。「予め決定されたカットオフ」および「予め決定されたレベル」は一般に、予め決定されたカットオフ/レベルに対してアッセイの結果を比較することにより、診断/予後判定/治療の有効性の結果を評価するために使用されるアッセイのカットオフ値をいう。ここでは、予め決定されたカットオフ/レベルはすでに、様々な臨床的パラメーター(例えば、疾患の重篤度、進行/進行がないこと/改善など)と連関または関連している。本開示は例示的な予め決定されたレベルを提供し得るが、カットオフ値が免疫測定法の性質(例えば、利用される抗体など)に応じて変化し得ることは周知である。さらに、本開示に基づくこれらの他の免疫測定法のための免疫測定法特異的カットオフ値を得るために、他の免疫測定法に本明細書中の開示を適応することは十分に当業者の能力の範囲内である。予め決定されたカットオフ/レベルの正確な値はアッセイごとに変化し得るが、本明細書中に記載されるような相関関係が一般的に適用可能であるはずである。
以下に記載されるように、試験試料の前処理を提供することが、本発明の幾つかの実施形態において望まれる場合がある。本明細書中に記載される診断アッセイにおいて使用されるような「前処理試薬」(例えば、溶解、沈澱および/または可溶化試薬)は、試験試料中に存在する任意の細胞を溶解させる、および/または任意の分析物を可溶化するものである。前処理は、本明細書中にさらに記載されるように、全ての試料について必要というわけではない。中でも、分析物(即ち、抗HCV抗体)の可溶化には、試料中に存在する任意の内因性の結合タンパク質からの分析物の放出が必然的に伴う。前処理試薬は、均質である(分離工程は必要ない)場合も、また不均質である(分離工程が必要である)場合もある。不均質な前処理試薬を使用する場合は、アッセイの次の工程に進む前に、試験試料からの任意の沈澱した分析物結合タンパク質の除去が行われる。前処理試薬は、場合により、(a)1つ以上の溶媒および塩、(b)1つ以上の溶媒、塩および界面活性剤、(c)界面活性剤、(d)界面活性剤および塩、または(e)細胞溶解および/または分析物の可溶化に適している任意の試薬または試薬の組み合わせを含み得る。
アッセイはまた、厳しい品質管理が行われ得る。「品質管理試薬」は、本明細書中に記載される免疫測定法およびキットの状況では、検量用試料、対照および感度パネルを含むが、これらに限定されるわけではない。「検量用試料」または「標準物質」が、典型的には、抗体または分析物のような、分析物の濃度の内挿のための検量線(標準曲線)を確立するために、(例えば、1つ以上、例えば、複数)使用される。または、予め決定されたポジティブ/ネガティブなカットオフに近い1つの検量用試料が使用されてもよい。複数の検量用試料(即ち、2つ以上の検量用試料または様々な量の検量用試料(単数または複数))を組み合わせて、「感度パネル」を含むかのように使用することができる。
用語「試料」、「試験試料」および「患者試料」は本明細書中で互換的に使用され得る。尿、血清、血漿、羊水、脳脊髄液、胎盤細胞もしくは組織、内皮細胞、白血球、または単球の試料のような試料は、患者から得られた状態のまま直接使用することができ、または本明細書中で考察される幾つかの様式もしくは当該分野で公知である別の様式で試料の特性を改変するために、例えば、濾過、蒸留、抽出、濃縮、遠心分離、干渉成分の不活性化および試薬の添加などにより前処理することができる。好ましくは、試料は尿、血清、または血漿である。
幾つかのアッセイでは、アッセイの較正を提供することが所望され得る。「較正用組成物のシリーズ」は、既知の濃度の抗HCV抗体を含有している複数の組成物を指し、ここでは、これらの組成物のそれぞれが、抗HCV抗体の濃度がシリーズの中の他の組成物とは異なる。
本明細書全体を通して、NS3抗原および/または他の試薬が固体支持体または固相(これらの用語の両方が互換的に使用される。)に結合させられ得ることに留意されたい。用語「固相」は、不溶性であるか、またはその後の反応によって不溶性になり得る任意の材料をいう。固相は、捕捉剤を誘引および固定するこの固有の能力について選択され得る。代わりに、固相は、これに、捕捉剤を誘引および固定する能力を有する連結剤を付着させることができる。連結剤は、例えば、捕捉剤自体または捕捉剤に結合した帯電物質に関して逆に帯電した帯電物質を含むことができる。一般に、連結剤は、固相上に固定された(固相に付着させられた)および結合反応を通じて捕捉剤を固定する能力を有する任意の(好ましくは特異的な)結合パートナーであり得る。連結剤によって、アッセイの実施の前またはアッセイの実施の間に、捕捉剤を固相材料に間接的に結合させることが可能になる。固相は、例えば、プラスチック、誘導体化されたプラスチック、磁性金属もしくは非磁性金属、ガラスまたはケイ素であり得、これには例えば、試験管、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、チップおよび当業者に公知である他の構成などが含まれ得る。
本明細書中で記載されるアッセイの特定の記述においては、特異的結合パートナーとしてNS3抗原またはHCV抗体のいずれかをいうことが有用であり得る。「特異的結合パートナー」は特異的結合対のメンバーである。特異的結合対は、化学的手段または物理的手段により互いに特異的に結合する2つの異なる分子を含む。従って、一般的な免疫測定法の抗原と抗体の特異的結合対に加えて、他の特異的結合対としては、ビオチンとアビジン(またはストレプトアビジン)、炭水化物とレクチン、相補的なヌクレオチド配列、エフェクター分子と受容体分子、補因子と酵素、酵素阻害剤と酵素などを挙げることができる。さらに、特異的結合対は、もとの特異的結合メンバーのアナログ、例えば、分析物アナログであるメンバーを含み得る。免疫反応性である特異的結合メンバーとしては、抗原、抗原断片および抗体(モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を含む。)、ならびにこれらの複合体、断片および変異体(変異体の断片を含む。)(単離されたものであるか、または組換えにより生産されたものであるかは問わない。)が挙げられる。用語「特異的」および「特異性」は、特異的結合対のメンバー(例えば、抗原(またはこの断片)と抗体(またはこの抗原的に反応性である断片))間での相互作用の状況においては、相互作用の選択的再活性をいう。表現「…に特異的に結合する」および同様の表現は、抗体(またはこの抗原的に反応性である断片)の、所定の抗原(またはこの断片)に特異的に結合し、他のものには特異的には結合しない能力をいう。
本発明の抗原
本明細書中に記載されるHCV NS3タンパク質およびこの突然変異体は主に2つの主要なタンパク質をいい、第1のタンパク質は、P26664のHCVポリタンパク質(Genbank、配列番号88として本明細書中で複製された;Choo et al.,PNAS 1991)のナンバリングに従うとアミノ酸1192−1457に相当し、C33(Chironにより最初に記載された。)として、または「9NB49H」としても知られている。第2の主要なNS3タンパク質はアミノ酸1192−1657に相当し、NS3ヘリカーゼまたは「NS3h」としても知られている。
C33抗原は、市販されている免疫測定法において以前から使用されている。しかし、C33抗原が熱に不安定であることが認識されている。この熱不安定性は、C33抗原がタンパク質分解、凝集(溶液中および/またはビーズ上)および立体構造の変化、またはこれらの3つ全ての組み合わせを受けるという事実が原因であると考えられる。結果として、C33は、試験試料中のNS3結合抗体の存在を決定するために設計された免疫測定法のための抗原としては適切ではない。本発明の抗原は、C33と比較して、試験試料中の抗体に対して増大した安定性および免疫反応性を有し、結果としてより感度の高いアッセイを生じる。
N末端またはC末端配列が改変された、C33およびNS3ヘリカーゼタンパク質の変異体が作製された。幾つかの実施形態では、システインからセリンへの突然変異を含む抗原が作製された。これらの突然変異は、抗原の酸化に対する増大した耐性を可能にし、これにより、エピトープの提示、結果として免疫反応性を保存する。さらに、システインからセリンに置換された突然変異体の少なくとも幾つか、および他の非システイン突然変異体は、全長のヘリカーゼ酵素(HCVのaa1192−1657)のヌクレオチド三リン酸(例えばATP)に結合する能力を破壊する。これは、開いた立体構造または伸びた立体構造でタンパク質を維持し(Gu&Rice,PNAS,2010,107:521−528およびこの中の参考文献を参照のこと)、増強された免疫反応性を生じることが本発明において示される。
加えて、本発明の抗原は、カルボキシ末端またはアミノ末端のいずれかでビオチニル化タグ(bt)をコードするようにさらに改変された。これらのタグは「Cbt」または「Nbt」と命名され、ここでは、タグはそれぞれC末端またはN末端に位置している。生産の目的のために、組換えタンパク質が、25℃で、IPTG誘導システムを介して大腸菌(E.coli) BL2L(DE3)細胞中で発現させられた。CbtタグまたはNbtタグでのインサイチュビオチニル化は、HCV NS3発現プラスミドと、大腸菌(E.coli)由来のビオチンリガーゼ酵素をコードするBirA遺伝子(Weiss et al.(1994)Protein Expression&Purif,14:751−755;Schatz et al.(1993)Biotechnology,11:1138−1143)を含有している第2のプラスミドでの、BL21(DE3)細胞の同時形質転換により達成される。NS3タンパク質の最終的な精製は、金属が触媒する酸化およびタンパク質の凝集を妨げることが示されている二価陽イオンキレート剤の存在下で行われる。タンパク質安定性は、EDTAまたは関連する二価陽イオンキレート剤が精製の際に使用される緩衝液に、および最終的な保存緩衝液または免疫測定法で使用される緩衝液に添加されると、有意に改善される。
ビオチニル化は、本発明のアッセイにおける目的の分子の捕捉に使用される1つの方法である。本明細書全体を通じて示されるように、本発明の方法は典型的には免疫測定法である。例示的な実施形態では、このような方法は、(例えば、試験試料中に存在する特異的抗体、または試験試料中に存在し得る特異的抗原のような)目的の分子を単離するための方法を含む。このような単離を容易にするために、目的の分子は、タグ結合パートナーと接触する精製タグを含むか、または精製タグに誘引される。従って、精製タグとタグ結合パートナーの会合が、分子の混合物から目的の分子を分離するために使用され得る。精製タグは、同じ構造または類似する構造を持つ部分を含み得る。特定の実施形態では、親和性タグのタグ化部分を、単結合により直接、または安定な化学結合の連結を介して、代わりに場合により、単結合、二重結合、三重結合、芳香族炭素−炭素結合、ならびに炭素−窒素結合、窒素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、リン−酸素結合、リン−窒素結合およびこれらの任意の組み合わせを含む直鎖の、分岐した、または環状の配置で、機能性タグと会合させることができる。特定の実施形態では、タグ化部分と機能性タグとの間での会合は、エーテル、チオエーテル、カルボキシアミド、スルホアミド、尿素、またはウレタン部分を含む。好ましい実施形態では、連結はポリアルキレン鎖、即ち、直鎖または分岐した配置の炭素−炭素結合を含む。他の実施形態では、連結は、ポリエチレングリコール部分を含むポリアルキレンオキサイド鎖を含む。親和性タグの例として、ビオチン、ジゴキシゲニン(Dig)、ジニトロフェノール(DNP)、亜鉛フィンガー、フッ素化ポリマーおよびポリヒスチジンモチーフのようなポリペプチド配列が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
幾つかの実施形態では、親和性タグは、親和性タグおよび親和性タグに誘引されるかもしくは親和性タグに結合する官能基の結合または誘引に頼ることにより、目的の分子を単離するために有利に使用される。幾つかの実施形態では、この固体基盤の中にタグに対して親和性を有している固体基盤がタグ結合パートナーで誘導体化される。幾つかの実施形態では、結合パートナーは親和性基盤上に固定され得る。用語「親和性基盤」は、分子の精製タグと強力な、好ましくは可逆的な相互作用を形成することができる結合パートナーに結合させられた動かせないマトリックスまたは支持体をいうことができる。親和性基盤としては、樹脂、ビーズ、粒子、膜、ゲルを挙げることができる。結合パートナーは精製タグを特異的に認識するか、または精製タグに特異的に結合する。特異的結合パートナーは親和性タグに依存するが、帯電した部分と、受容体−リガンド、抗体−抗原、炭水化物−レクチンおよびビオチン−ストレプトアビジン(またはアビジン、ニュートラアビジン、または抗ビオチン抗体)のような結合対の1つのメンバーを含む。
以下の表1は、本発明の例示的な改変されたNS3h抗原を示す。
Figure 2016512241
Figure 2016512241
Figure 2016512241
Figure 2016512241
Figure 2016512241
Figure 2016512241
HCV NS3抗原の生産
本発明のNS3抗原分子は一般に、組換えにより生産される。様々なHCV抗原の組換えによる生産が記載されている。例えば、Houghton et al.,米国特許第5,350,671号明細書;Chien et al.,J.Gastroent.Hepatol.(1993)8:S33−39;Chien et al.,国際公開第93/00365号パンフレット;Chien,D.Y.,国際公開第94/01778号パンフレットを参照のこと。本発明がHCV検出分析に使用される特異的NS3抗原を記載していることを前提とし、HCV抗原の組換えによる生産のための技術が当業者に公知であることを前提とすると、このような技術が、ここでは、改良された免疫測定法のための抗原を有利に生産するために使用され得る。
このような組換えによる生産についての一般的な記述が単に提供されるだけで、当業者は、本発明とともに使用されるNS3 HCV抗原をコードするポリヌクレオチドを、分子生物学の標準的な技術を使用して作成できることを理解するであろう。例えば、上記分子をコードするポリヌクレオチド配列を、組換え方法を使用して、例えば、遺伝子を発現する細胞からcDNAライブラリーおよびゲノムライブラリーをスクリーニングすることにより、または遺伝子を含むことがわかっているベクターから遺伝子を導くことにより、得ることができる。さらに、所望される遺伝子は、Houghton et al.,米国特許第5,350,671号明細書の中で記載されている技術のような当該分野で記載されている技術を使用して、ウイルスの核酸分子から直接単離することができる。目的の遺伝子はまた、クローニングされるのではなく合成によっても生産することができる。分子は、特定の配列について適切なコドンを持たせて設計することができる。その後、完全な配列が、標準的な方法により調製された重複しているオリゴヌクレオチドからアセンブリされ、完全なコード配列へとアセンブリされる。例えば、Edge(1981)Nature 292:756;Nambair et al.(1984)Science 223:1299;およびJay et al.(1984)J.Biol.Chem.259:6311を参照のこと。
従って、特定のヌクレオチド配列が、(本明細書中に記載される突然変異を含む)所望される配列を保有しているベクターから得ることができる、または、部位特異的突然変異誘発および適切である場合は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術のような当該分野で公知である様々なオリゴヌクレオチド合成技術を使用して完全にまたは一部を合成することができる。例えば、Sambrook(前出)を参照のこと。Jayaraman et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:4084−4088もまた参照のこと。加えて、オリゴヌクレオチド特異的合成(Jones et al.(1986)Nature 54:75−82)、既存のヌクレオチド領域のオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Riechmann et al.(1988)Nature 332:323−327、およびVerhoeyen et al.(1988)Science 239:1534−1536)、ならびにT4 DNAポリメラーゼを使用するギャップを含むオリゴヌクレオチドの酵素によるフィルイン(Queen et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029−10033)を、変更されたまたは増強された抗体結合能力、および/または低下した免疫原性を有している分子を提供するために、本発明において使用することができる。
一旦、コード配列が調製されるか、または単離されると、このような配列を、任意の適切なベクターまたはレプリコンにクローニングすることができる。多数のクローニングベクターが当業者に公知であり、適切なクローニングベクターの選択は選択できる事項である。適切なベクターとして、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、またはウイルス(これらは、適切な制御エレメントと会合すると複製することができる。)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
その後、コード配列が、発現に使用されるシステムに応じた適切な制御エレメントの制御下に配置される。従って、コード配列が、プロモーター、リボソーム結合部位(細菌での発現のため)、および場合によりオペレーターの制御下に配置され得、この結果、目的のDNA配列は適切な形質転換体によりRNAに転写される。コード配列は、シグナルペプチドまたはリーダー配列を含んでよく、または含まなくてもよい。シグナルペプチドまたはリーダー配列は、翻訳後プロセシングにおいて宿主によって後で除去され得る。例えば、米国特許第4,431,739号明細書;同第4,425,437号明細書;同第4,338,397号明細書を参照のこと。
制御配列に加えて、宿主細胞の増殖に関連して配列の発現の制御を可能にする調節配列を付加することが所望される場合がある。調節配列は当業者に公知であり、例として、化学的刺激または物理的刺激(調節化合物の存在を含む。)に応答して遺伝子の発現をオンまたはオフにするものが挙げられる。他のタイプの調節エレメントもまたベクター中に存在し得る。例えば、エンハンサーエレメントが、構築物の発現レベルを増大させるために本明細書中で使用され得る。例として、SV40初期遺伝子エンハンサー(Dijkema et al.(1985)EMBO J.4:761)、ラウス肉腫ウイルス(Rous Sarcoma Virus)の長末端反復(LTR)由来のエンハンサー/プロモーター(Gorman et al.(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6777)、およびヒトCMV由来のエレメント(Boshart et al.(1985)Cell 41:521)、例えば、CMVイントロンA配列に含まれるエレメント(米国特許第5,688,688号明細書)が挙げられる。発現カセットはさらに、適切な宿主細胞中での自律複製のための複製起点、1つ以上の選択マーカー、1つ以上の制限酵素部位、高コピー数および強いプロモーターの可能性を含み得る。
発現ベクターは、特定のコード配列が適切な調節配列とともにベクター中に配置されるように構築され、制御配列に対するコード配列の位置および方向は、コード配列が制御配列の「制御」下で転写される(即ち、制御配列でDNA分子に結合するRNAポリメラーゼがコード配列を転写する)。この目的を達成するために目的の分子をコードしている配列の改変が所望される場合がある。例えば、幾つかの場合は、制御配列を適切な方向で付着できるように、即ち、リーディングフレームを維持するために、配列を改変することが必要な場合がある。制御配列および他の調節配列は、ベクターへの挿入の前にコード配列に連結され得る。代わりに、コード配列を、すでに制御配列と適切な制限酵素部位を含んでいる発現ベクターに直接クローニングすることができる。
分子は、昆虫、哺乳動物、細菌、ウイルスおよび酵母の発現システム(全てが当該分野で周知である。)を含む多種多様なシステムにおいて発現させることができる。
例えば、バキュロウイルスシステムのような昆虫細胞発現システムは当業者に公知であり、例えば、Summers and Smith,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)の中で記載されている。バキュロウイルス/昆虫細胞発現システムについての材料および方法は、特に、Invitrogen,San Diego Calif.からキットの形態(「MaxBac」キット)で市販されている。同様に、細菌および哺乳動物細胞の発現システムは当該分野で周知であり、例えば、Sambrook et al.,(前出)に記載されている。酵母発現システムもまた当該分野で公知であり、例えば、Yeast Genetic Engineering(Barr et al.編,1989)Butterworths,London.に記載されている。
上記システムとともに使用される多数の適切な宿主細胞もまた公知である。例えば、哺乳動物細胞株が当該分野で公知であり、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手することができる不死化された細胞株(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト胚腎臓細胞、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、マディン−ダービーウシ腎臓(「MDBK」)細胞などであるが、これらに限定されるわけではない。)が挙げられる。同様に、細菌宿主(例えば、大腸菌(E.coli)、Bacillus subtilis、およびStreptococcus spp.)は、本発明の発現構築物との使用が見いだされるであろう。本発明において有用な酵母宿主としては、特に、Saccharomyces cerevisiae、Candida albicans、Candida maltosa、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces fragilis、Kluyveromyces lactis、Pichia guillerimondii、Pichia pastoris、Schizosaccharomyces pombe、およびYarrowia lipolyticaが挙げられる。バキュロウイルス発現ベクターとともに使用される昆虫細胞としては、特に、Aedes aegypti、Autographa califormica、Bombyx mori、Drosophila melanogaster、Spodoptera frugiperda、およびTrichoplusia niが挙げられる。
本発明のNS3抗原をコードするヌクレオチド配列を含有している核酸分子は、宿主細胞ゲノムに安定に組み込まれ得るか、または当該分野で周知の様々な遺伝子送達技術を使用して適切な宿主細胞中の安定なエピソームエレメント上で維持され得る。例えば、米国特許第5,399,346号明細書を参照のこと。
選択される発現システムおよび宿主に応じて、分子は、タンパク質が発現される条件下で、上記発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を増殖させることにより産生される。その後、発現されたタンパク質が宿主細胞から単離され、精製される。発現システムがタンパク質を増殖培地中に分泌する場合は、生成物を培地から直接精製することができる。タンパク質が分泌されない場合は、生成物は細胞溶解物から単離され得る。適切な増殖条件および回収方法の選択は当業者の能力の範囲内である。
免疫診断試薬
特定の実施形態では、上記NS3抗原は免疫診断試薬としての使用が考えられる。本発明の抗原が増大した安定性、およびC33抗原と比較してNS3抗体との増大した免疫反応性を有することが本明細書中で示される。本発明の免疫診断試薬は、単独で、または、HCVの別の部分(HCVのNS3領域、HCVのコア抗原、HCVのNS4領域、またはこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されるわけではない。)に特異的に結合する抗体と免疫反応性である1つ以上のエピトープを含有している他の単離されたまたは精製されたポリペプチドとの組み合わせにおいてのいずれかで、HCVのNS3領域に特異的に結合する抗体と免疫反応性であるエピトープを含有している上記抗原ポリペプチドからなるであろう。このポリペプチドが免疫診断試薬に含まれるポリペプチドは、例えば、微粒子(例えば、磁性粒子)、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、メンブレン、足場分子、薄膜、濾紙、ディスク、またはチップのような固体支持体にコーティングされ得るが、必ずしもそうである必要はない。これに関して、免疫診断試薬が本発明のNS3抗原をさらなる抗原との組み合わせにおいて含む場合は、本発明の抗原とさらなる抗原を同じ固体支持体上に一緒にコーティングすることができるか、または別の固体支持体上にコーティングすることができる(用語「固体支持体」と「固相」は本明細書中では互換的に使用される。)。抗原が同じ固体支持体上に一緒にコーティングされる場合は、好ましくは、本発明のNS3抗原とさらなる抗原は、約1:2から約1:6の比で一緒にコーティングされ、ここで、本発明のNS3抗原とさらなる抗原が約1:2の比で同じ固体支持体上に一緒にコーティングされる場合は、本発明のNS3抗原の濃度は少なくとも約40μg/mLであり、さらなる抗原の濃度は少なくとも約80μg/mLである。
とりわけ、免疫診断試薬は、検出可能な標識で標識された、または捕捉または検出を可能にする特異的パートナーで標識された、本発明の抗原を含むであろう。例えば、標識は、蛍光色素分子、放射活性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識などのような検出可能な標識であり得る。このような標識は以下にさらに詳細に記載される。
キット
本発明の抗原を含有している免疫診断試薬と、抗HCV抗体の検出のための免疫測定法における免疫診断試薬の使用についての説明書とを含有しているキットがなおさらに提供される。例えば、キットは、免疫測定法によりHCV抗体について試験試料をアッセイするための説明書を含み得る。好ましい実施形態は、試験試料をアッセイするために化学発光微粒子免疫測定法を利用するが、本発明の抗原が試験試料中のHCV抗体の存在を決定するための当業者に公知の任意の他の免疫測定法において使用され得ることが理解されるものとする。説明書は、書面の形態であってよく、または、ディスク、CD、DVDなどのようなコンピュータで読み取りが可能な形態であってもよい。代わりに、または加えて、キットは、検量用試料または対照、例えば、精製された、および場合により凍結乾燥させられた抗HCV抗体、ならびに/またはアッセイを実行するための少なくとも1つの容器(例えば、チューブ、マイクロタイタープレートまたは細片(これは免疫診断試薬ですでにコーティングされていてよい。))、ならびに/または緩衝液(例えば、アッセイ緩衝液または洗浄緩衝液(これらのいずれか一方は濃縮された溶液として提供され得る。))、検出可能な標識(例えば、酵素標識)の基質溶液、または停止液を含み得る。好ましくは、キットは、アッセイの実施に必要な全ての構成成分、即ち、試薬、標準物質、緩衝液、希釈剤などを含む。説明書はまた、検量線を作製するための説明書、または抗HCV抗体の定量化の目的のための参照基準を含み得る。
キットの中に提供される任意の抗体(例えば、抗IgG抗体および抗IgM抗体)は、蛍光色素分子、放射活性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識などのような検出可能な標識を取り込むことができるか、またはキットは、抗体もしくは抗体を検出するための試薬(例えば、検出抗体)を標識するための試薬、および/または分析物もしくは分析物を検出するための試薬を標識するための試薬を含み得る。抗体、検量用試料および/または対照は別の容器の中で提供され得るか、代わりに、適切なアッセイ形式に、例えば、マイクロタイタープレートに分注されて提供され得る。
場合により、キットは、品質管理用の構成成分(例えば、感度パネル、検量用試料および陽性対照)を含む。品質管理用の試薬の調製は当該分野で周知であり、様々な免疫診断用製品のインサートシートに記載されている。感度パネルのメンバーが、場合により、アッセイの性能の特徴を確立するために使用され、さらに場合により、感度パネルのメンバーは免疫測定法のキットの試薬の一貫性およびアッセイの標準化についての有用な指標である。
キットはまた、場合により、診断アッセイを行うため、または品質管理評価を容易にするために必要な他の試薬、例えば、緩衝液、塩、酵素、酵素補因子、基質、検出試薬などを含む。他の構成成分、例えば、試験試料の単離および/または処理(例えば、前処理試薬)のための緩衝液および溶液もまた、キットに含まれ得る。キットは、1つ以上の他の対照をさらに含むことができる。キットが凍結乾燥させられた構成成分の再構成に適している試薬をさらに含むことができる場合には、キットの1つ以上の構成成分を凍結乾燥させることができる。
キットの様々な構成成分は、場合により、必要に応じて適切な容器、例えば、マイクロタイタープレートの中に提供される。キットはさらに、試料を保持するまたは保存するための容器(例えば、試料用の容器またはカートリッジ)を含むことができる。適切である場合は、キットはまた場合により、試薬または試験試料の調製を容易にする反応容器、混合容器および他の構成成分を含むことができる。キットはまた、注射器、ピペット、鉗子、計量スプーンなどのような、試験試料を得る手助けとなる1つ以上の計器を含むことができる。
検出可能な標識が少なくとも1つのアクリジニウム化合物である場合は、キットは、少なくとも1つのアクリジニウム−9−カルボキサミド、少なくとも1つのアクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステル、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。検出可能な標識が少なくとも1つのアクリジニウム化合物である場合は、キットはまた、緩衝液、溶液および/または少なくとも1つの塩基性溶液のような、過酸化水素の供給源を含み得る。免疫診断試薬中では、本発明のNS3抗原は検出可能であるように標識されている場合があること、さらなる抗原もまた検出可能であるように標識されている場合があること、およびこのような試薬とともに使用されるキットの中に提供される任意の抗体もまた、検出可能であるように標識されている場合があることが理解されるものとする。
所望される場合は、キットは、固体支持体相、例えば、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、メンブレン、足場分子、薄膜、濾紙、ディスクまたはチップを含み得る。
試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度を決定する方法
本開示は、試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度を決定するための方法を提供する。当該分野で公知の任意の適切なアッセイを、このようなアッセイが1つ以上の本発明のNS3抗原を使用する限りは、本開示の方法において使用することができる。例として、サンドイッチ免疫測定法(例えば、放射性同位体の検出(放射免疫測定法(RIA)を含む。)および酵素検出(酵素免疫測定法(EIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(例えば、Quantikine ELISA assay,R&D systems,Minneapolis,Minn.))を含むモノクローナル−ポリクローナルサンドイッチ免疫測定法)、競合阻害免疫測定法(例えば、正方向および逆方向)、蛍光分極免疫測定法(FPIA)、競合的酵素免疫分析法(EMIT)、生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)およびホモジニアス化学発光定量法などのような免疫測定法が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
免疫測定法の特異的な実施形態では、組換えNS3抗原が、捕捉試薬として(例えば、抗原のアミノ末端またはカルボキシ末端がビオチンタグを含む試薬を使用することにより)、または本発明の抗原が、例えばアクリジニウムで、直接または間接的にのいずれかで検出可能であるように標識されている検出(結合体)試薬)として、使用され得る。間接的な標識には、例えば、SMCCタイプのリンカーを介してNS3タンパク質内の対合していないシステイン残基の遊離のチオールに共有結合したアクリジニル化BSA(または類似している検出可能である部分)の使用が必要である。このような間接的な標識を促すために、本発明の抗原の幾つかは、C末端にさらなるシステイン残基を含むようにさらに改変されている。さらなる実施形態では、本発明者らは、ヘリカーゼ抗原のC末端に2つのシステイン残基を含むことにより抗原の直接の標識が容易になり得ることを明らかにした。
典型的には、免疫測定法が、1工程または2工程の形式で行われる。1工程のアッセイにおいては、溶液中に形成した免疫複合体の捕捉のための固相試薬は、抗ビオチンモノクローナル抗体、ストレプトアビジン、またはニュートラアビジン、または他のビオチン結合部分を含む。
SELDIをベースとする免疫測定法においては、抗HCV−抗体に特異的に結合する捕捉試薬が質量分析用プローブ(例えば、予め活性化させられたタンパク質チップアレイ)の表面に付着させられる。その後、抗HCV抗体がバイオチップ上に特異的に捕捉され(本発明においては、このような捕捉は1つ以上の本発明の抗原を使用して達成され得る。)、捕捉された抗HCV抗体が質量分析により検出される。代わりに、抗HCV抗体を捕捉試薬から溶離させることができ、従来のMALDI(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化)により、またはSELDIにより検出することができる。
化学発光微粒子免疫測定法、特に、ARCHITECT(R)自動分析器(Abbott Laboratories,Abbott Park,Ill.)を利用するものが、本発明の抗原が容易に利用され得る好ましい免疫測定法の一例である。凝集アッセイ、例えば、受動血球凝集アッセイもまた使用することができる。凝集アッセイでは、抗原−抗体反応が、凝集またはクランピングにより検出される。受動血球凝集アッセイにおいては、赤血球は抗原でコーティングされ、コーティングされた赤血球が凝集アッセイにおいて使用される。
尿、血液、血清および血漿、ならびに他の体液を回収する、取り扱う、および処理するための当該分野で周知の方法が、例えば、本開示のポリペプチドが免疫診断試薬として、および/または抗HCV抗体免疫測定法のキットにおいて利用される場合に、本開示の実施において使用される。試験試料は、目的のポリペプチド、例えば、抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、薬物、酵素、受容体、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドに加えてさらなる部分を含み得る。例えば、試料は、被験体から得られた全血試料であり得る。試験試料、特に全血が、本明細書中に記載されるような免疫測定法の前に、例えば、前処理試薬で処理されることが必要であり得るかまたは所望され得る。前処理が必要ない場合(例えば、ほとんどの尿試料の場合)でもなお、前処理を、場合により単なる利便性のために(例えば、市販されているプラットフォームについてのレジュメの一部として)行うことができる。
前処理試薬は、本発明の免疫測定法およびキットとともに使用されるために適している任意の試薬であり得る。前処理には、場合により、(a)1つ以上の溶媒(例えば、メタノールおよびエチレングリコール)および塩、(b)1つ以上の溶媒、塩および界面活性剤、(c)界面活性剤、または(d)界面活性剤および塩が含まれる。前処理試薬は当該分野で公知であり、このような前処理は、文献(例えば、Yatscoff et al.,Abbott TDx Monoclonal Antibody Assay Evaluated for Measuring Cyclosporine in Whole Blood,Clin.Chem.36:1969−1973(1990)、およびWallemacq et al.,Evaluation of the New AxSYM Cyclosporine Assay:Comparison with TDx Monoclonal Whole Blood and EMIT Cyclosporine Assays,Clin.Chem.45:432−435(1999)を参照のこと)に記載されているように、および/または市販されているように、例えば、Abbott TDx、AxSYM(R)、およびARCHITECT(R)分析器(Abbott Laboratories,Abbott Park,Ill.)上でのアッセイに使用されるように、利用され得る。加えて、前処理を、Abbottの米国特許第5,135,875号明細書、欧州特許第0471293号明細書、2006年12月29日に提出された米国仮特許出願番号第60/878,017号明細書および米国特許出願公開第2008/0020401号明細書(前処理に関するこの技術についてのこの全体が引用により組み込まれたものとされる。)に記載されているように行うことができる。前処理試薬は不均質な薬剤であってよく、または均質な薬剤であってもよい。
前処理試薬の使用により、アッセイは、試験試料中の予め形成している/既存の免疫複合体またはウイルス粒子の崩壊により、さらに感度が高くなる。このような前処理工程には、試験試料に対する前処理試薬の添加による、任意の妨害する分析物結合タンパク質の除去が含まれる。このようなアッセイでは、抗体捕捉工程の直前には、いずれの結合タンパク質も含まない混合物の上清が、アッセイにおいて使用される。
幾つかの他の実施形態では、前処理の使用によりこのような分離工程が必要ない。試験試料と前処理試薬との完全な混合物を、標識された本発明の抗原のような、抗HCV抗体についての標識された特異的結合パートナーと接触させる。このようなアッセイに利用される前処理試薬は、典型的には、第1の特異的結合パートナーによる捕捉の前またはこの間のいずれかに、予め処理された試験試料混合物中に希釈される。このような希釈にもかかわらず、一定の量の前処理試薬(例えば、5Mのメタノールおよび/または0.6メチレングリコール)が、捕捉の際の試験試料混合物中になおも存在する(または残る。)。
不均質な形式では、試験試料が被験体から得られた後、第1の混合物が調製される。混合物には、抗HCV抗体および第1の特異的結合パートナーについて評価される試験試料が含まれる。ここでは、試験試料中に含まれる第1の特異的結合パートナーと任意の抗HCV抗体が、第1の特異的結合パートナー−抗HCV抗体複合体を形成する。好ましくは、第1の特異的結合パートナーは本発明のNS3抗原であり、好ましくは、表1に、および上記本明細書中の実施例に示される任意の1つ以上の抗原である。
試験試料と第1の特異的結合パートナーを、混合物を形成させるために添加する順序は重要ではない。好ましくは、第1の特異的結合パートナーが固相上に固定される。免疫測定法において(第1の特異的結合パートナー、および場合により、第2の特異的結合パートナーについて)使用される固相は、当該分野で公知の任意の固相であり得、例えば、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、メンブレン、足場分子、薄膜、濾紙、ディスクおよびチップであり得るが、これらに限定されるわけではない。
第1の特異的結合パートナー−抗HCV抗体複合体を含有している混合物が形成させられた後、全ての結合していない抗HCV抗体が、当該分野で公知の任意の技術を使用して複合体から除去される。例えば、結合していない抗HCV抗体を洗浄により除去することができる。しかし望ましくは、第1の特異的結合パートナーは、試験試料中に存在する任意の抗HCV抗体を上回る量で存在し、この結果、試験試料中に存在する全ての抗HCV抗体が第1の特異的結合パートナーに結合される。
全ての結合していない抗HCV抗体が除去された後、第2の特異的結合パートナーが混合物に添加されて、第1の特異的結合パートナー−抗HCV抗体−第2の特異的結合パートナー複合体が形成させられる。第2の特異的結合パートナーは、好ましくは、抗IgG抗体と抗IgM抗体の組み合わせである。さらにまた好ましくは、第2の特異的結合パートナーは、上記のような検出可能な標識で標識されるか、または上記のような検出可能な標識を含む。
当該分野で公知であるような任意の適切な検出可能な標識を使用することができる。例えば、検出可能な標識は、放射性標識(例えば、H、125I、35S、14C、32Pおよび33P)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性ペルオキシダーゼ、グルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼなど)、化学発光標識(例えば、アクリジニウムエステル、チオエステル、またはスルホンアミド;ルミノール、イソルミノール、フェナントリジニウムエステルなど)、蛍光標識(例えば、フルオレセイン(例えば、5−フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、3’6−カルボキシフルオレセイン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、6−ヘキサクロロ−フルオレセイン、6−テトラクロロフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネートなど))、ローダミン、フィコビリタンパク質、R−フィコエリスリン、量子ドット(例えば、硫化亜鉛でキャップされたセレン化カドミウム)、温度測定に関する標識(thermometric label)、または免疫ポリメラーゼ連鎖反応標識であり得る。標識、標識手順および標識の検出についての序論は、Polak and Van Noorden,Introduction to Immunocytochemistry,第2版,Springer Verlag,N.Y.(1997)、およびHaugland,Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1996)(これは、Molecular Probes,Inc.,Eugene,Oreg.により出版されているハンドブックおよびカタログと組み合わせられる。)の中に見られる。蛍光標識はFPIAにおいて使用され得る(例えば、米国特許第5,593,896号明細書、同第5,573,904号明細書、同第5,496,925号明細書、同第5,359,093号明細書および同第5,352,803号明細書(これらは、これらの全体が引用により本明細書中に組み込まれたものとされる。)を参照のこと)。アクリジニウム化合物は、ホモジニアス化学発光定量法において検出可能な標識として使用され得る(例えば、Adamczyk et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.16:1324−1328(2006);Adamczyk et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.4:2313−2317(2004);Adamczyk et al.,Biorg.Med.Chem.Lett.14:3917−3921(2004);およびAdamczyk et al.,Org.Lett.5:3779−3782(2003)を参照のこと)。
好ましいアクリジニウム化合物はアクリジニウム−9−カルボキサミドである。アクリジニウム9−カルボキサミドを調製する方法は、Mattingly,J.Biolumin.Chemilumin.6:107−114(1991);Adamczyk et al.,J.Org.Chem.63:5636−5639(1998);Adamczyk et al.,Tetrahedron 55:10899−10914(1999);Adamczyk et al.,Org.Lett.1:779−781(1999);Adamczyk et al.,Bioconjugate Chem.11:714−724(2000);Mattingly et al.,In Luminescence Biotechnology:Instruments and Applications;Dyke,K.V.Ed.;CRC Press:Boca Raton,pp.77−105(2002);Adamczyk et al.,Org.Lett.5:3779−3782(2003);ならびに米国特許第5,468,646号明細書、同第5,543,524号明細書および同5,783,699号明細書(これらのそれぞれが、それぞれに関するこの教示についてこの全体が引用により本明細書中に組み込まれたものとされる。)に記載されている。
別の好ましいアクリジニウム化合物はアクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルである。式IIのアクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルの一例は、10−メチル−9−(フェノキシカルボニル)アクリジニウムフルオロスルホネート(Cayman Chemical,Ann Arbor,Mich.から市販されている。)である。アクリジニウム9−カルボン酸アリールエステルを調製するための方法は、McCapra et al.,Photochem.Photobiol.4:1111−21(1965);Razavi et al.,Luminescence 15:245−249(2000);Razavi et al.,Luminescence 15:239−244(2000);および米国特許第5,241,070号明細書(これらのそれぞれが、それぞれに関するこの教示についてこの全体が引用により本明細書中に組み込まれたものとされる。)に記載されている。このようなアクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルは、シグナルの強度および/またはシグナルの迅速性に関して、少なくとも1種のオキシダーゼによる分析物の酸化において生産された過酸化水素についての効率的な化学発光指示薬である。アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルについての化学発光の放射の経過は迅速に、即ち1秒以内に完了し、一方、アクリジニウム−9−カルボキサミドの化学発光の放射は2秒を超える。しかし、アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルは、タンパク質の存在下でこの化学発光特性を失う。従って、この使用には、シグナル生成および検出の間にタンパク質が存在しないことが求められる。試料中のタンパク質を分離または除去するための方法は当業者に周知であり、限外濾過、抽出、沈澱、透析、クロマトグラフィーおよび/または消化が挙げられるが、これらに限定されるわけではない(例えば、Wells,High Throughput Bioanalytical Sample Preparation.Methods and Automation Strategies,Elsevier(2003)を参照のこと)。試験試料から除去または分離されるタンパク質の量は、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%であり得る。アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルおよびこの使用に関するさらなる詳細は、2007年4月9日に提出され、2008年10月9日に米国特許出願公開番号第2008/0248493号として公開された米国特許出願番号第11/697,835号明細書に示されている。アクリジニウム−9−カルボン酸アリールエステルは、任意の適切な溶媒、例えば、脱気された無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはコール酸ナトリウム水溶液中に溶解させることができる。
化学発光アッセイは、Adamczyk et al.,Anal.Chim.Acta 579(1):61−67(2006)に記載されている方法に従って行うことができる。任意の適切なアッセイ形式を使用することができるが、マイクロプレートケミルミノメーター(microplate chemiluminometer)(Mithras LB−940,Berthold Technologies U.S.A.,LLC,Oak Ridge,Tenn.)は、複数の少量の試料の迅速なアッセイを可能にする。ケミルミノメーターは、96ウェルブラックポリスチレンマイクロプレート(96−well black polystyrene microplates)(Costar #3792)を使用する、複数の試薬用のインジェクター(multiple reagent injector)を備えることができる。それぞれの試料を別のウェルに添加することができ、続いて、利用されるアッセイのタイプにより決定される他の試薬の同時の/連続しての添加が行われ得る。望ましくは、例えば、酸性化により、アクリジニウムアリールエステルを利用する、中性または塩基性溶液中での疑似塩基の形成が回避される。その後、化学発光応答がウェルごとに記録される。これに関して、化学発光応答を記録するための時間は、試薬の添加の間の遅延と利用される特定のアクリジニウムに一部依存するであろう。
試験試料と特異的結合パートナー(単数または複数)が化学発光アッセイのための混合物を形成させるために添加される順序は重要ではない。第1の特異的結合パートナーがアクリジニウム化合物で検出可能であるように標識されている場合は、検出可能であるように標識されている第1の特異的結合パートナー−抗HCV抗体複合体が形成する。代わりに、第2の特異的結合パートナーが使用され、第2の特異的結合パートナーがアクリジニウム化合物で検出可能であるように標識されている場合は、検出可能であるように標識されている第1の特異的結合パートナー−抗HCV抗体−第2の特異的結合パートナー複合体が形成する。任意の結合していない特異的結合パートナーは、標識されているかまたは標識されていないかにかかわらず、洗浄のような当該分野で公知の任意の技術を使用して混合物から除去することができる。
過酸化水素は、混合物中で、インサイチュで生成され得るか、代わりに、上記アクリジニウム化合物の添加の前、添加と同時、もしくは添加後に、混合物に対して提供されるか、または供給され得る。過酸化水素は、当業者に明らかであるような多数の方法で、インサイチュで生成させることができる。
代わりに、過酸化水素の供給源を混合物に単純に添加することができる。例えば、過酸化水素の供給源は、過酸化水素を含有することがわかっている1つ以上の緩衝液または他の溶液であり得る。これに関して、過酸化水素の溶液を単純に添加することができる。
試料に対して少なくとも1つの塩基性溶液を同時にまたは続けて添加すると、検出可能なシグナル、即ち、抗HCV抗体の存在の指標となる化学発光シグナルが発生する。塩基性溶液は、少なくとも1種の塩基を含み、10以上のpHを、好ましくは、12以上のpHを有する。塩基性溶液の例として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび重炭酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。試料に添加される塩基性溶液の量は、塩基性溶液の濃度に依存する。使用される塩基性溶液の濃度に基づいて、当業者は、試料に添加する塩基性溶液の量を容易に決定することができる。
生じる化学発光シグナルは、当業者に公知である日常的に行われている技術を使用して検出することができる。生じるシグナルの強度に基づいて、試料中の抗HCV抗体の量を定量化することができる。具体的には、試料中の抗HCV抗体の量は、生じるシグナルの強度に比例する。存在する抗HCV抗体の量は、抗HCV抗体の検量線に対して生じた光の量を比較することにより、または参照標準との比較により定量化することができる。検量線は、質量分光測定法、重量法および当該分野で公知の他の技術により、既知の濃度の抗HCV抗体の段階希釈物または溶液を使用して作成することができる。
抗HCV抗体免疫測定法を当該分野で公知の任意の適切な形式を使用して行うことができる。一般的に言うと、抗HCV抗体について試験される(例えば、抗HCV抗体を含有していると疑われる)試料を捕捉抗原および少なくとも1つの検出抗体(第2の検出抗体または第3の検出抗体であってもよい。)(例えば、標識された抗IgG抗体および抗IgM抗体)と、同時に、または連続して任意の順序でのいずれかで接触させることができる。例えば、試験試料を少なくとも1つの捕捉抗原と最初に接触させ、その後、少なくとも1つの検出抗体と(続けて)接触させることができる。代わりに、試験試料を少なくとも1つの検出抗体と最初に接触させ、その後、少なくとも1つの捕捉抗体と(続けて)接触させることができる。なお別の代替えにおいては、試験試料を捕捉抗原および検出抗体と同時に接触させることができる。
サンドイッチアッセイ形式では、抗HCV抗体(またはこの断片)を含有していると疑われる試料が、少なくとも1つの第1の捕捉抗原と、第1の捕捉抗原/抗HCV抗体複合体の形成を可能にする条件下で最初に接触させられる。2以上の捕捉抗原が使用される場合は、複数の第1の捕捉抗原/抗HCV抗体複合体が形成する。サンドイッチアッセイでは、抗原(単数または複数)、好ましくは、少なくとも1種の捕捉抗原が、試験試料中に予想される抗HCV抗体の最大量を上回るモル過剰量で使用される。例えば、緩衝液(例えば、微粒子をコーティングする緩衝液)1mLあたり約5μgから約1mgが使用され得る。
小さい分析物を測定するために頻繁に使用される競合阻害免疫測定法は、連続形式および古典形式を含む。連続競合阻害免疫測定法では、目的の抗体(即ち、抗HCV抗体)に対する捕捉抗原(即ち、本明細書中で記載されるようなポリペプチド、および好ましくは1対のポリペプチド)がマイクロタイタープレートのウェルにコーティングされる。目的の抗体を含有している試料がウェルに添加されると、目的の抗体が捕捉抗原に結合する。洗浄後、既知の量の標識された(例えば、ビオチンまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))抗体がウェルに添加される。酵素標識の基質は、シグナルを発生させるためには不可欠である。HRPについての適切な基質の例は、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)である。洗浄後、標識された抗体により生じたシグナルが測定され、シグナルは試料中の抗体の量に反比例する。古典的な競合阻害免疫測定法では、目的の抗体について抗原がマイクロタイタープレートのウェルにコーティングされる。しかし、連続競合阻害免疫測定法とは異なり、目的の抗体(即ち抗HCV抗体)を含有している試料と、標識された抗体が同時にウェルに添加される。試料中の任意の抗体は、捕捉抗原に対する結合について標識された抗体と競合する。洗浄後、標識された分析物により生じたシグナルが測定され、シグナルは、試料中の分析物の量と反比例する。
場合により、試験試料を少なくとも1つの捕捉抗原(例えば、第1の捕捉抗原)と接触させる前に、少なくとも1つの捕捉抗原を、試験試料からの第1の抗原/抗HCV抗体複合体の分離を容易にする固体支持体に結合させることができる。捕捉抗原が結合している基質が、試料からの捕捉抗原−抗HCV抗体複合体の分離を容易にする任意の適切な固体支持体または固相であり得る。例として、マイクロタイタープレートのようなプレートのウェル、試験管、多孔性ゲル(例えば、シリカゲル、アガロース、デキストラン、またはゼラチン)、高分子フィルム(例えば、ポリアクリルアミド)、ビーズ(例えば、ポリスチレンビーズまたは磁性ビーズ)、フィルター/メンブレン(例えば、ニトロセルロースまたはナイロン)の細片、微粒子(例えば、ラテックス粒子、着磁可能な微粒子(例えば、酸化第二鉄または酸化クロムコアと、ホモポリマーまたはヘテロポリマーの被覆および約1から10ミクロンの半径を有している微粒子))が挙げられる。基材は、抗原を結合するための適切な表面親和性、および検出抗体による評価を可能にするための十分な多孔性を持つ適切な多孔性材料を含み得る。微孔性材料が一般的に好ましいが、水和された状態においてゼラチン状である材料を使用することができる。このような多孔性基材は、好ましくは、約0.01から約0.5mm、好ましくは約0.1mmの厚みを有しているシートの形態である。孔の大きさはかなり変化し得るが、好ましくは、孔の大きさは、0.025から約15ミクロン、より好ましくは約0.15から約15ミクロンである。このような基材の表面は、基材に対する抗体の共有結合を生じる化学的処理により活性化され得る。不可逆的な結合は、一般的には、基質に対する抗原の、疎水性力を通じた吸着によって生じるか、または、化学的カップリング剤または他の手段を、このような結合により抗HCV抗体に結合する抗原の能力を妨害しない限りにおいて、基材に対して抗原を共有結合させるために使用することができる。
代わりに、試験試料由来の抗HCV抗体を、抗原で予めコーティングされている微粒子と結合させることができる。所望される場合は、1種以上の捕捉試薬、例えば、本明細書中に記載されるような一対のポリペプチド(このそれぞれに抗HCV抗体が結合することができる。)を、様々な物理的またはアドレス指定可能な位置に(例えば、バイオチップの構成において)固相に付着させることができる(例えば、米国特許第6,225,047号明細書、国際特許出願公開番号第WO99/51773号;米国特許第6,329,209号明細書;国際特許出願公開番号第WO00/56934号および米国特許第5,242,828号明細書を参照のこと)。捕捉試薬が固体支持体としての質量分析用プローブに付着させられる場合は、プローブに結合した抗HCV抗体の量をレーザー脱着イオン化質量分析により検出することができる。代わりに、1つのカラムに様々なビーズを充填することができ、これらを1種以上の捕捉試薬で誘導体化し、これにより1つの場所に抗HCV抗体を捕捉することができる(抗体で誘導体化される、ビーズをベースとする技術、例えば、LuminexのxMAP技術(Austin,Tex.)を参照のこと)。
抗HCV抗体についてアッセイされている試験試料が少なくとも1つの捕捉抗原(例えば、第1の捕捉抗原)と接触させられた後、混合物が、第1の抗原(または複数の抗原)−抗HCV抗体(またはこの断片)複合体の形成を可能にするためにインキュベートされる。インキュベーションは、約4.5から約10.0までのpHで、約2℃から約45℃までの温度で、少なくとも約1分から約18時間までの期間、好ましくは約1から約24分まで、最も好ましくは約4から約18分間行われ得る。本明細書中に記載される免疫測定法は、1工程で(試験試料、少なくとも1つの捕捉抗体および少なくとも1つの検出抗体が全て、反応容器に連続してまたは同時に添加されることを意味している。)または2以上の工程で、例えば、2工程、3工程などで行われ得る。
(第1のまたは複数の)捕捉抗原/抗HCV抗体複合体の形成後、次に、複合体は少なくとも1つの検出抗体と((第1のまたは複数の)捕捉抗原/抗HCV抗体/第2の抗体検出複合体の形成を可能にする条件下で)接触させられる。少なくとも1つの検出抗体は、免疫測定法で使用される第2の、第3の、第4の抗体などであり得る。捕捉抗原/抗HCV抗体複合体が2以上の検出抗体と接触させられると、(第1のまたは複数の)捕捉抗原/抗HCV抗体/(複数の)検出抗体複合体が形成される。捕捉抗原(例えば、第1の捕捉抗原)を用いるので、少なくとも第2の(およびこれ以上の)検出抗体が捕捉抗原/抗HCV抗体複合体と接触させられる場合は、上記と類似する条件下でのインキュベーションの期間が、(第1のまたは複数の)捕捉抗原/抗HCV抗体/(第2のまたは複数の)検出抗体複合体の形成に必要である。好ましくは、少なくとも1つの検出抗体が検出可能な標識を含む。検出可能な標識を、(第1のまたは複数の)捕捉抗原/抗HCV抗体/(第2のまたは複数の)検出抗体複合体の形成の前に、形成と同時に、または形成後に、少なくとも1つの検出抗体(例えば、第2の検出抗体)に結合させることができる。当該分野で公知の任意の検出可能な標識を使用することができる(Polak and Van Noorden(1997)およびHaugland(1996)を含む上記を参照のこと)。
検出可能な標識を直接、またはカップリング剤を介してのいずれかで、抗体に結合させることができる。使用することができるカップリング剤の一例は、Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo.から市販されているEDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ヒドロクロリド)である。使用できる他のカップリング剤は当該分野で公知である。抗体に検出可能な標識を結合させる方法は当該分野で公知である。加えて、抗体に対する検出可能な標識のカップリングを容易にする、CPSP−アクリジニウムエステル(即ち、9−[N−トシル−N−(3−カルボキシプロピル)]−10−(3−スルホプロピル)アクリジニウムカルボキサミド)またはSPSP−アクリジニウムエステル(即ち、N10−(3−スルホプロピル)−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキサミド)のような末端基をすでに含む多くの検出可能な標識を購入することができるか、または合成することができる。
(第1のまたは複数の)捕捉抗原/抗HCV抗体/(第2のまたは複数の)検出抗体複合体は、標識の定量化の前に試験試料の残りから分離することができるが、これは必ずしも必要ではない。例えば、少なくとも1つの捕捉抗原(例えば、第1の捕捉抗原)が固体支持体(例えば、ウェルまたはビーズ)に結合させられている場合は、分離を、固体支持体との接触から(試験試料の)流体を除去することにより達成することができる。代わりに、少なくとも第1の捕捉抗原が固体支持体に結合させられている場合は、第1の捕捉抗原を、抗HCV抗体を含有している試料および少なくとも1つの第2の検出抗体と、第1の(複数の)抗原/抗HCV抗体/第2の(複数の)抗体複合体を形成させるために同時に接触させることができ、続いて、固体支持体との接触から流体(試験試料)が取り除かれ得る。少なくとも1つの第1の捕捉抗原が固体支持体に結合していない場合は、(第1のまたは複数の)捕捉抗原/抗HCV抗体/(第2のまたは複数の)検出抗体複合体は、標識の量の定量化のために試験試料から取り除かれる必要はない。
標識された捕捉抗原/抗HCV抗体/検出抗体複合体(例えば、第1の捕捉抗原/抗HCV抗体/第2の検出抗体複合体)の形成後、複合体中の標識の量が当該分野で公知の技術を使用して定量化される。例えば、酵素標識が使用される場合は、標識された複合体が、発色のような定量化可能な反応をもたらす標識の基質と反応させられる。標識が放射性標識である場合は、標識は、シンチレーションカウンターを使用して定量化される。標識が蛍光標識である場合は、標識は、1色の光で標識を刺激すること(「励起波長」として知られている。)、および刺激に反応して標識から放射される別の色(「発光波長」として知られている。)を検出することにより定量化される。標識が化学発光標識である場合は、標識は、視覚的に、または、ルミノメーター、X線フィルム、高速写真フィルム(high speed photographic film)、CCDカメラなどを使用することによるかいずれかで放射された光を検出することにより定量化される。一旦、複合体中の標識の量が定量化されると、試験試料中の抗HCV抗体の濃度が、既知の濃度の抗HCV抗体の段階希釈物を使用して作製されている検量線の使用により決定される。抗HCV抗体の段階希釈物を使用する以外に、検量線は、重量測定により、質量分光測定法により、および当該分野で公知の他の技術により作製することができる。
ARCHITECT(R)分析器を利用する化学発光微粒子アッセイでは、結合体希釈剤のpHは約6.0+/−0.2でなければならず、微粒子コーティング緩衝液は室温で(即ち、約17から約27℃で)維持されなければならず、微粒子コーティング緩衝液のpHは約6.5+/−0.2でなければならず、微粒子希釈剤のpHは約7.8+/−0.2でなければならない。固形分は、好ましくは、約0.2%未満、例えば、約0.15%未満、約0.14%未満、約0.13%未満、約0.12%未満、または約0.11%未満、例えば約0.10%である。
FPIAは、競合結合免疫測定法の原理に基づく。蛍光標識された化合物は、直線偏光により励起されると、この回転率に反比例する角度を持つ蛍光を放射する。蛍光標識されたトレーサー−抗体複合体が直線偏光により励起される場合は、放射光は、蛍光色素分子が、光が吸収される時間と光が放射される時間との間の回転により拘束されるので、高度に偏向されたままである。「遊離の」トレーサー化合物(即ち、抗体に結合しない化合物)が直線偏光により励起される場合は、この回転は、競合結合免疫測定法において生じる対応するトレーサー−抗体結合体よりもはるかに速い。FPIAは、特別な取り扱いおよび処理が必要な放射性物質が存在しない限りは、RIAよりも有利である。加えて、FPIAは、容易におよび迅速に行うことができる均質なアッセイである。
市販されている抗HCV抗体、ならびに抗IgG抗体および抗IgM抗体を、アッセイの方法およびこのキットにおいて使用することができる。市販されている抗体として、Abnova(Walnut,Calif.,and Taiwan)およびGenWay Biotech,Inc.(San Diego,Calif.)から市販されている抗体が挙げられる。抗HCV抗体の調製に関しては、欧州特許出願番号第EP2099825A2号明細書もまた参照のこと。
任意の適切な対照組成物を抗HCV抗体免疫測定法において使用することができる。対照組成物は一般に、抗HCV抗体および任意の所望される添加剤を含む。
従って、上記から、試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度を決定する方法が提供される。上記方法は、アッセイにより抗HCV抗体について試験試料をアッセイする工程を含む:
(i)本発明の組換えNS3抗原を含有している少なくとも単離または精製されたポリペプチドおよび少なくとも1つの検出可能な標識を含有している免疫診断試薬を利用する工程、ならびに試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度の直接的または間接的指標としての検出可能な標識により生じたシグナルを、対照もしくは検量用試料(これは場合により、検量用試料のそれぞれが抗HCV抗体の濃度に関してこのシリーズ中の他の検量用試料とは異なる検量用試料のシリーズの一部である。)中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度の直接的または間接的指標として生じたシグナルに対して比較する工程。上記方法は以下の工程を含み得る:
(i)試験試料中に存在し得るHCV抗体とともに第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体複合体を形成するように、試験試料を、本発明の1つ以上の組換えNS3抗原を含有している免疫診断試薬と接触させる工程、
(ii)第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体/第2の特異的結合パートナー複合体を形成するように、第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体複合体を、抗HCV抗体(例えば、抗IgG抗体および抗IgM抗体または本明細書中に記載されるポリペプチド)についての少なくとも1つの検出可能であるように標識されている第2の特異的結合パートナーと接触させる工程、および
(iii)(ii)で形成した第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識により生じたシグナルを検出または測定することにより、試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度を決定する工程。
代わりに、上記方法は以下の工程を含み得る:
(i)試験試料を、1つ以上の本発明の組換えNS3抗原を含有している免疫診断試薬と接触させる工程、および、同時にまたはいずれかの順序で連続して、試験試料を、第1の特異的結合パートナーの少なくとも1つの対に対する結合について抗HCV抗体と競合し得る、および検出可能であるように標識されている抗HCV抗体を含む少なくとも1つの検出可能であるように標識されている第2の特異的結合パートナーと接触させる工程であって、ここでは、試験試料中に存在する任意の抗HCV抗体と少なくとも1つの検出可能であるように標識されている第2の特異的結合パートナーとが、第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体複合体および第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体をそれぞれ形成するように互いに競合する、工程、ならびに、
(ii)(ii)で形成した第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識により生じたシグナルを検出または測定することにより、試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度を決定する工程であって、ここでは、第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識により生じたシグナルが、試験試料中の抗HCV抗体の量または濃度に反比例する、工程。免疫診断試薬に含まれる組換えNS3抗原が微粒子上にコーティングされ得る。これに関して、免疫診断試薬に含まれるNS3抗原を、さらなるHCV抗原として同じ微粒子上に一緒にコーティングすることができる。免疫診断試薬に含まれるポリペプチドが同じ微粒子上に一緒にコーティングされる場合は(例えば、4%の固形分を含有している微粒子懸濁液(4重量%/容積の微粒子または4grの微粒子/100mLの微粒子懸濁液))、好ましくは、ポリペプチドが、約1:2から約1:6の比で同じ微粒子上に一緒にコーティングされる。ここでは、ポリペプチドが約1:2の比で同じ微粒子上に一緒にコーティングされる場合は、本発明の単離または精製されたNS3抗原(例えば、表1に記載されるもの)の濃度は少なくとも約40μg/mLであり、他の単離または精製されたポリペプチドの濃度は少なくとも約80μg/mLである。試験試料が患者から得られた場合は、上記方法にはさらに、患者の治療的/予防的処置の有効性を診断する、予後判定する、または評価する工程が含まれ得る。上記方法が患者の治療的/予防的処置の有効性を評価する工程をさらに含む場合は、上記方法は、有効性を改善する必要がある患者の治療的/予防的処置を改変する工程をさらに含んでもよい。上記方法は、自動化システムまたは半自動化システムでの使用に適応させることができる。
また、上記から、試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度を決定する方法が提供される。上記方法には、アッセイにより抗HCV抗体について試験試料をアッセイする工程が含まれる:
(i)提示される本発明の少なくとも1つのNS3抗原、少なくとも1つの検出可能な標識を含有している免疫診断試薬を利用する工程、および
(ii)試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度の直接的または間接的指標としての検出可能な標識により生じたシグナルを、対照もしくは検量用試料(これは場合により、検量用試料のそれぞれが抗HCV抗体の濃度に関してこのシリーズ中の他の検量用試料とは異なる検量用試料のシリーズの一部である。)中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度の直接的または間接的指標として生じたシグナルに対して比較する工程。上記方法は以下の工程を含み得る:
(i)第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体複合体を形成するように、試験試料を、本発明の少なくとも1つの組換えNS3抗原を含有している免疫診断試薬と接触させる工程、
(ii)第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体/第2の特異的結合パートナー複合体を形成するように、第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体複合体を、抗HCV抗体(例えば、抗IgG抗体および抗IgM抗体または本明細書中に記載されるポリペプチド)についての少なくとも1つの検出可能であるように標識されている第2の特異的結合パートナーと接触させる工程、および
(iii)(ii)で形成した第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識により生じたシグナルを検出または測定することにより、試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度を決定する工程。代わりに、上記方法は以下の工程を含み得る:
(i)試験試料を、少なくとも1つの本発明の組換えNS3抗原を含有している免疫診断試薬と接触させる工程、および、同時にまたはいずれかの順序で連続して、試験試料を、第1の特異的結合パートナーの少なくとも1つの対に対する結合について抗HCV抗体と競合し得る、および検出可能であるように標識されている抗HCV抗体を含む少なくとも1つの検出可能であるように標識されている第2の特異的結合パートナーと接触させる工程であって、ここでは、試験試料中に存在する任意の抗HCV抗体と少なくとも1つの第2の特異的結合パートナーとが、第1の特異的結合パートナー/抗HCV抗体複合体および第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体をそれぞれ形成するように互いに競合する、工程、ならびに、
(ii)(ii)で形成した第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識により生じたシグナルを検出または測定することにより、試験試料中の抗HCV抗体の存在、量、または濃度を決定する工程であって、ここでは、第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体中の検出可能な標識により生じたシグナルが、試験試料中の抗HCV抗体の量または濃度に反比例する、工程。免疫診断試薬に含まれるポリペプチドが微粒子上にコーティングされ得る。これに関して、免疫診断試薬に含まれるポリペプチドを同じ微粒子上に一緒にコーティングすることができる。免疫診断試薬に含まれるポリペプチドが同じ微粒子上に一緒にコーティングされる場合は(例えば、4%の固形分を含有している微粒子懸濁液(4重量%/容積の微粒子または4grの微粒子/100mLの微粒子懸濁液))、好ましくは、ポリペプチドが、約1:2から約1:6の比で同じ微粒子上に一緒にコーティングされる。ここでは、ポリペプチドが約1:2の比で同じ微粒子上に一緒にコーティングされる場合は、本発明の組換えNS3抗原を含有している単離または精製されたポリペプチドの濃度は少なくとも約40μg/mLであり、他の単離または精製されたポリペプチドの濃度は少なくとも約80μg/mLである。試験試料が患者から得られた場合は、上記方法にはさらに、患者の治療的/予防的処置の有効性を診断する、予後判定する、または評価する工程が含まれ得る。上記方法が患者の治療的/予防的処置の有効性を評価する工程をさらに含む場合は、上記方法は場合により、有効性を改善する必要がある患者の治療的/予防的処置を改変する工程をさらに含み得る。上記方法は、自動化システムまたは半自動化システムでの使用に適応させることができる。
一般的には、予め決定されたレベルを、抗HCV抗体について試験試料をアッセイした際に得られた結果を評価するためのこれに対するベンチマークとして利用することができる。一般的には、このような比較を行う際には、予め決定されたレベルが、分析物の存在、量、または濃度の疾患、障害、または症状(例えば、子癇前症または心血管疾患)の特定の段階または終点との、または特定の兆候との連関もしくは関係が構築され得るように、十分な回数および適切な条件下で特定のアッセイを実行することにより得られる。典型的には、予め決定されたレベルが、参照被験体(または被験体の集団)のアッセイにより得られる。
特に、疾患の進行および/または処置をモニターするために利用される予め決定されたレベルに関して、抗HCV抗体の量または濃度は、「変化しない」、「好ましい」(もしくは「好ましく変化した」)または「好ましくない」(もしくは「好ましくなく変化した」)であり得る。「上昇した」または「増大した」は、典型的なまたは正常なレベルまたは範囲(例えば、予め決定されたレベル)より高い、または別の参照レベルまたは範囲(例えば、より早い段階の試料またはベースライン試料)より高い、試験試料中の量または濃度をいう。用語「低くなった(lowered)」または「低下した(reduced)」は、典型的なまたは正常なレベルまたは範囲(例えば、予め決定されたレベル)を下回る、または別の参照レベルまたは範囲(例えば、より早い段階の試料またはベースライン試料)より低い、試験試料中の量または濃度をいう。用語「変化した」は、典型的なもしくは正常なレベルまたは範囲(例えば、予め決定されたレベル)を上回って、または、別の参照レベルまたは範囲(例えば、より早い段階の試料またはベースライン試料)を上回って変化した(増大したまたは低下した)試料中の量または濃度をいう。
抗HCV抗体についての典型的なまたは正常なレベルまたは範囲は、標準的な実施に従って定義される。幾つかの場合には抗HCV抗体のレベルが非常に低いので、いわゆる変化したレベルまたは変化は、実験誤差または試料のバリエーションにより説明することができない、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲、または参照レベルもしくは範囲と比較した任意の正味の変化が存在する場合に起こったとみなすことができる。従って、特定の試料中で測定されたレベルは、いわゆる正常な被験体由来の類似する試料において決定されたレベルまたはレベルの範囲と比較されるであろう。この状況では、「正常な被験体」は、検出可能な肝炎を持たない個体であり、例えば、「正常な」(時として「対照」と呼ばれる)患者または集団は、例えば、検出可能な肝炎を示さない患者または集団(単数または複数)である。さらに、抗HCV抗体が日常的には、ヒト集団の大部分においては高いレベルでは見られないことを考えると、「正常な被験体」は、実質的に検出可能な抗HCV抗体の増大したまたは上昇した量または濃度を持たない個体と考えることができ、「正常な」(時として「対照」と呼ばれる)患者または集団は、実質的に検出可能な増大したまたは上昇した量または濃度の抗HCV抗体を示さない患者または集団(単数または複数)である。「見かけ上正常な被験体」は、抗HCV抗体が評価されないかまたは評価されていない被験体である。分析物のレベルは、分析物が通常は検出されない場合(例えば、正常なレベルがゼロであるか、または正常な集団の約25から約75パーセントまでの範囲にある。)が、試験試料においては検出される場合、ならびに、分析物が、正常なレベルよりも高いレベルで試験試料中に存在する場合には、「上昇した」と言われる。従って、とりわけ、例えば本開示は本明細書中で定義されるように、肝炎を有しているか、または肝炎を有するリスクがある被験体についてのスクリーニング方法を提供する。
従って、本明細書中に記載される方法はまた、被験体が肝炎を有しているかまたは肝炎を発症するリスクがあるかどうかを決定するために使用することができる。具体的には、このような方法は以下の工程を含み得る:
(a)被験体由来の試験試料中の抗HCV抗体の濃度または量を(例えば、本明細書中に記載される方法または当該分野で公知の方法を使用して)決定する工程;および
(b)工程(a)で決定した抗HCV抗体の濃度またな量を予め決定したレベルと比較する工程であって、ここでは、工程(a)で決定した抗HCV抗体の濃度または量が予め決定されたレベルに対して好ましい場合には、被験体を、肝炎を有していないまたは肝炎のリスクがないと決定する。しかし、工程(a)で決定した抗HCV抗体の濃度または量が予め決定されたレベルに対して好ましくない場合は、被験体を、肝炎を有しているまたは肝炎のリスクがあると決定する。
加えて、被験体の疾患の進行をモニタリングする方法が本明細書中で提供される。随意に、上記方法は以下の工程を含む:
(a)被験体由来の試験試料中の抗HCV抗体の濃度または量を決定する工程;
(b)被験体由来の後の時点の試験試料中の抗HCV抗体濃度または量を決定する工程;および
(c)工程(b)で決定した抗HCV抗体の濃度または量を、工程(a)で決定した抗HCV抗体の濃度または量と比較する工程であって、ここでは、工程(b)で決定した濃度または量が、工程(a)で決定した抗HCV抗体の濃度または量と比較して、変化していないかまたは望ましくない場合は、被験体の疾患を、継続している、進行している、または悪化していると決定する。比較により、工程(b)で決定した抗HCV抗体の濃度または量が工程(a)で決定した抗HCV抗体の濃度または量と比較して好ましい場合は、被験体の疾患を、継続していない、退行している、または改善していると決定する。
場合により、上記方法にはさらに、工程(b)で決定した抗HCV抗体の濃度または量を、例えば、予め決定されたレベルと比較する工程が含まれる。さらに場合により、上記方法には、比較が、工程(b)で決定した抗HCV抗体の濃度または量が、例えば、予め決定されたレベルに対して好ましくなく変化したことを示す場合は、被験体を、1種以上の薬学的組成物で、一定期間処置する工程が含まれる。
なおさらに、上記方法は、1種以上の薬学的組成物での処置を受けている被験体において処置をモニターするために使用することができる。具体的には、このような方法には、被験体に1種以上の薬学的組成物が投与される前に、被験体由来の第1の試験試料を提供する工程が含まれる。次に、被験体由来の第1の試験試料中の抗HCV抗体の濃度または量が(例えば、本明細書中に記載される方法を使用して、または当該分野で公知であるように)決定される。抗HCV抗体の濃度または量が決定された後、場合により、次に、抗HCV抗体の濃度または量が予め決定されたレベルと比較される。第1の試験試料中で決定された抗HCV抗体の濃度または量が予め決定されたレベルより低い場合は、被験体は1種以上の薬学的組成物で処置されない。しかし、第1の試験試料中で決定された抗HCV抗体の濃度または量が予め決定されたレベルより高い場合は、被験体は1種以上の薬学的組成物で一定期間処置される。被験体が1種以上の薬学的組成物で処置される期間は、当業者により決定され得る(例えば、期間は約7日から約2年、好ましくは約14日から約1年であり得る。)。
1種以上の薬学的組成物での処置の経過の間に、第2の試験試料およびさらに続く試験試料が、次いで、被験体から得られる。試験試料の数、および上記試験試料が被験体から得られる時間は重要ではない。例えば、第2の試験試料を、被験体に1種以上の薬学的組成物が最初に投与された7日後に得ることができ、第3の試験試料を、被験体に1種以上の薬学的組成物が最初に投与された2週間後に得ることができ、第4の試験試料を、被験体に1種以上の薬学的組成物が最初に投与された3週間後に得ることができ、第5の試験試料を、被験体に1種以上の薬学的組成物が最初に投与された4週間後に得ることができるなどである。
第2の試験試料またはこれに続く試験試料のそれぞれを被験体から得た後、抗HCV抗体の濃度または量を、第2の試験試料またはこれに続く試験試料中で(例えば、本明細書中に記載される方法を使用して、または当該分野で公知であるように)決定する。次に、第2の試験試料またはこれに続く試験試料のそれぞれにおいて決定した抗HCV抗体の濃度または量を、第1の試験試料(例えば、場合により、最初に予め決定されたレベルと比較した試験試料)中で決定した抗HCV抗体の濃度または量と比較する。工程(c)で決定した抗HCV抗体の濃度または量が工程(a)で決定した抗HCV抗体の濃度または量と比較して好ましい場合は、被験体の疾患が、継続していない、退行している、または改善していると決定し、被験体には、工程(b)の1種以上の薬学的組成物の投与が継続されるはずである。しかし、工程(c)で決定した濃度または量が、工程(a)で決定した抗HCV抗体の濃度または量と比較して変化していないかまたは好ましくない場合は、被験体の疾患を、継続している、進行している、または悪化していると決定し、被験体は、さらに高濃度の、工程(b)で被験体に投与された1種以上の薬学的組成物で処置されるはずであるか、または被験体は、工程(b)で被験体に投与された1種以上の薬学的組成物とは異なる1種以上の薬学的組成物で処置されるはずである。具体的には、被験体を、上記被験体の抗HCV抗体レベルを低下させるまたは下げるために被験体にこれまで投与されていた1種以上の薬学的組成物とは異なる1種以上の薬学的組成物で処置することができる。
一般的には、反復試験を行うことができるアッセイ(例えば、疾患の進行および処置に対する応答のモニタリング)のために、第2の試験試料またはこれに続く試験試料が、第1の試験試料が被験体から得られた後、一定の時間で得られる。具体的には、被験体由来の第2の試験試料は、第1の試験試料が被験体から得られた後、数分、数時間、数日、数週間、または数年で得ることができる。例えば、第2の試験試料を、被験体由来の第1の試験試料が得られた後、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5.年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年、または約10.0年の期間で被験体から得ることができる。疾患の進行をモニターするために使用される場合は、上記アッセイを、急性の症状に罹患している被験体の疾患の進行をモニターするために使用することができる。急性の症状は、救命救急診療の症状としても知られ、例えば、心血管システムまたは排泄システムに関係がある急性の生命にかかわる疾患または他の重大な医学的症状をいう。典型的には、救命救急診療の症状は、病院の設定(救急処置室、集中治療室、外傷センター、または他の救急医療の設定を含むがこれらに限定されるわけではない。)における急な医学的介入、または、救急救命士または他のその場の医療従事者による投与が必要なこのような症状をいう。救命救急診療の症状については、モニタリングの反復が、一般的には、短い時間枠、即ち、数分間、数時間、または数日間(例えば、約1分間、約5分間、約10分間、約15分間、約30分間、約45分間、約60分間、約2時間、約3時間、約4時間、4、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、または約7日間)の中で行われ、同様に、最初のアッセイが、一般的には、短い時間枠、例えば、疾患もしくは症状の発症から約数分間、数時間、または数日間内に行われる。
アッセイはまた、慢性または非急性の症状に罹患している被験体において疾患の進行をモニターするためにも使用することができる。救命救急診療の対象ではない症状、または非急性の症状は、例えば、心血管システムまたは排泄システムに関係がある急性の生命にかかわる疾患または他の重大な医学的症状以外の症状をいう。典型的には、非急性の症状には、長期間に及ぶものまたは慢性的な期間のものが含まれる。非急性の症状について、モニタリングの反復は、一般的には、より長い時間枠で、例えば、数時間、数日間、数週間、数か月間、または数年間(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5.年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年、または約10.0年)行われ、同様に、最初のアッセイは一般に、より長い時間枠、例えば、疾患または症状の発症から約数時間、数日間、数か月間、または数年間行われる。
さらに、上記アッセイは、被験体から得られた第1の試験試料を使用して行うことができる。ここでは、第1の試験試料は、尿、血清、または血漿のような1つの供給源から得られる。その後、場合により上記アッセイを、被験体から得られた第2の試験試料を使用して繰り返すことができる。ここでは、第2の試験試料は別の供給源から得られる。例えば、第1の試験試料が尿から得られた場合は、第2の試験試料を血清または血漿から得ることができる。第1の試験試料を使用したアッセイにより得られた結果と、第2の試験試料を使用したアッセイにより得られた結果とを比較することができる。比較は、被験体の疾患の状態または症状を評価するために使用することができる。
さらに、本開示はまた、肝炎の素因があるか、または肝炎に罹患している被験体が処置により恩恵を受けるかどうかを決定する方法に関する。特に、本開示は、HCVの比較診断方法および製品に関する。従って、本明細書中に記載される「被験体の疾患の処置をモニタリングする」方法にはさらに、随意に、治療のための候補を選択または同定する工程もまた含まれ得る。
従って、特定の実施形態では、本開示はまた、肝炎を有しているかまたは肝炎のリスクがある被験体が治療の候補であるかどうかを決定する方法を提供する。一般的には、被験体は、肝炎の幾つかの症候を経験した被験体、または肝炎を有しているかもしくは肝炎のリスクがあると実際に診断されている被験体、および/または本明細書中に記載されるように、好ましくない抗HCV抗体もしくはこの断片の濃度または量を示す被験体である。
上記方法は場合により、分析物が、1種以上の薬学的組成物で(例えば、特に、HCVが関与している作用機構に関連している医薬品で)、免疫抑制療法で、または免疫吸着治療(immunoabsorption therapy)による、抗血管新生療法での被験体の処置の前および後に評価される、または、分析物がこのような処置の後に評価され、分析物の濃度または量が予め決定されたレベルに対して比較される、本明細書中に記載されるアッセイを含む。処置後に観察された分析物の量の好ましくない濃度により、被験体にはこれ以上の処置または処置の継続を行うことによる恩恵はないことを確認するが、一方、処置後に観察された分析物の好ましい濃度または量によっては、被験体に、さらなる処置または処置の継続を行うことによる恩恵があるであろうことを確認する。この確認は、臨床研究の管理、および改良された患者のケアの提供に役立つ。
キットおよび方法の適応
本明細書中に記載される免疫測定法により試験試料中の抗HCV抗体の濃度を決定するキット(またはこの構成成分)ならびに方法は、例えば、米国特許第5,089,424号明細書および同第5,006,309号明細書に記載されているような、ならびに例えば、ARCHITECT(R)としてAbbott Laboratories(Abbott Park,Ill.)市販されているような、様々な自動化システムおよび半自動化システム(固相が微粒子を含有するシステムを含む。)での使用に適応させることができる。
非自動化システム(例えば、ELISA)と比較した自動化システムまたは半自動化システムとの間での相違の幾つかとして、第1の特異的結合パートナー(例えば、抗原)を付着させる基質(サンドイッチの形成、および分析物の再活性化に影響を与え得る。)、ならびに、捕捉、検出および/または任意の随意の洗浄工程の長さおよびタイミングが挙げられる。ELISAのような非自動化形式には、試料と捕捉試薬との比較的長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)が必要であり得るが、自動化形式または半自動化形式(例えば、ARCHITECT(R),Abbott Laboratories)は比較的短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(R)についてはおよそ18分間)を有し得る。同様に、ELISAのような非自動化形式では、結合体試薬のような検出抗体を比較的長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)インキュベートし得るが、自動化形式または半自動化形式(例えば、ARCHITECT(R))は比較的短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(R)についてはおよそ4分間)を有し得る。
Abbott Laboratoriesから入手することができる他のプラットフォームとして、AxSYM(R)、IMx(R)(例えば、この全体が引用により本明細書中に組み込まれたものとされる米国特許第5,294,404号明細書を参照のこと)、PRISM(R)、EIA(ビーズ)およびQuantum.(TM)II、ならびに他のプラットフォームが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。加えて、アッセイ、キットおよびキットの構成成分を、他の形式、例えば、電気化学的アッセイシステム、または他の携帯型もしくは看護拠点アッセイシステムで利用することができる。本開示は、例えば、サンドイッチ免疫測定法を実行する市販されているAbbott Point of Care(i−STAT(R),Abbott Laboratories)電気化学的免疫測定システムに適応させることができる。免疫センサーおよびこれらの製造方法および使い捨ての試験装置における操作は、例えば、米国特許第5,063,081号明細書、米国特許出願公開番号第2003/0170881号明細書、米国特許出願公開番号第2004/0018577号明細書、米国特許出願公開番号第2005/0054078号明細書および米国特許出願公開番号第2006/0160164明細書(これらは、この操作についてのこれらの教示が引用により全体において本明細書中に組み込まれたものとされる。)に記載されている。
特に、I−STAT(R)システムへのアッセイの適用に関しては、以下の構成が例である。微細加工されたシリコンチップが、金アンペロメトリック型作用電極と銀−塩化銀参照電極の対を用いて製造される。作用電極の一方の上には、捕捉抗体が固定されているポリスチレンビーズ(0.2mmの直径)が、電極を覆うパターン化されたポリビニルアルコールのポリマーコーティングに付着させられる。このチップが、免疫測定法に適している流体工学的形式でI−STAT(R)カートリッジに組み立てられる。カートリッジの試料を保持するチャンバーの壁の一部の上には、アルカリホスファターゼ(または他の標識)で標識された検出抗体を含有している層が存在する。p−アミノフェノールホスフェートを含む水性の試薬が、カートリッジの流体パウチ内に存在する。
運転中には、抗HCV抗体を含有していると疑われる試料が試験カートリッジの保持チャンバーに添加され、カートリッジがI−STAT(R)リーダーに挿入される。検出抗体が試料に溶解させられた後、カートリッジ内のポンプ部が試料を、チップを含むコンジットへと追いやる。ここでは、カートリッジ内のポンプ部は、捕捉抗原、抗HCV抗体および標識された検出抗体の間でのサンドイッチの形成を促進するために往復させられる。アッセイの最後から2番目の工程では、流体がパウチの外へ、コンジットの中に追いやられて、チップが試料で洗浄されて、廃棄チャンバーへと追いやられる。アッセイの最終工程では、アルカリホスファターゼ標識はp−アミノフェノールホスフェートと反応してホスフェート基を切断し、遊離したp−アミノフェノールが作用電極で電気化学的に酸化されることを可能にする。測定された電流に基づいて、リーダーは、埋め込まれたアルゴリズムおよび工場で決定された較正曲線により試料中の抗HCV抗体の量を計算することができる。
本明細書中に記載される方法およびキットは、免疫測定法を実行するための他の試薬および方法を含む。例えば、当該分野で公知であるような、および/または容易に調製することができるかもしくは利用のために最適化することができる様々な緩衝液、例えば、洗浄のための、結合体希釈剤としての、および/または検量用試料希釈剤としての緩衝液が含まれる。例示的な結合体希釈剤は、特定のキット(Abbott Laboratories,Abbott Park,Ill.)において利用される、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、塩、タンパク質ブロッカー、抗微生物剤および界面活性剤を含有している、ARCHITECT(R)結合体希釈剤である。例示的な検量用試料希釈剤は、特定のキット(Abbott Laboratories,Abbott Park,Ill.)において利用されるARCHITECT(R)ヒト検量用試料希釈剤であり、これは、MES、他の塩、タンパク質ブロッカーおよび抗微生物剤を含有している緩衝液を含む。加えて、2008年12月31日に提出された米国特許出願番号第61/142,048号明細書および米国特許出願番号第12/650,241号明細書に記載されているように、例えば、I−STAT(R)カートリッジ形式において、シグナル増幅器としてシグナル抗体に連結した核酸配列を使用して、改善されたシグナルの生成を得ることができる。
[実施例1]
HCV NS3 9NB49Hのクローニングおよび発現
HCVのアミノ酸1192−1457(配列番号2)をコードするヌクレオチド配列(配列番号1)を、大腸菌(E.coli)での発現のためにコドン最適化し、改変されたpET32aベクターにクローニングした。ここでは、チオレドキシン融合タンパク質をコードする配列を排除し、メチオニン(M)で置き換えた。加えて、カルボキシ末端のヘキサヒスチジンタグを固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)により精製を容易にするために含めた。大腸菌(E.coli) BL21(DE3)細胞を精製したプラスミドDNAで形質転換し、形質転換体をスクリーニングした。得られるプラスミドをp9NB49Hと命名し、これから発現されるタンパク質を9NB49Hと命名した。
タンパク質の発現は、p9NB49Hで形質転換した大腸菌(E.coli) BL21(DE3)細胞をterrific broth(TB)培地中で培養することにより達成した。細胞を振盪フラスコの中で0.50のOD600nmまで増殖させ、その後、1mMのIPTGで誘導し、25℃から37℃でおよそ3時間、およそ3.5のOD600nmが得られるまで増殖させた。細胞を遠心分離により回収し、プロテアーゼ阻害剤を補充した溶解緩衝液(50mMのKPO4、300mMのKCl、5mMのイミダゾール(pH8.0))中に懸濁した。細胞懸濁液を凍結し、解凍し、ベンゾエートを添加し、細胞を氷上での超音波処理によって溶解させた。溶解物を遠心分離によって可溶性画分と不溶性画分に分けた。SDS−PAGEは、NS3 9NB49Hタンパク質が可溶性画分に存在することを明らかにした。IMAC精製を、Native IMAC Buffer KitおよびProfinity IMACカートリッジ(BioRad)を製造業者のプロトコールに従って使用して、溶解物の可溶性画分について行った。精製されたタンパク質のPBSへの緩衝液交換を、脱塩カラムにより、または透析により行った。精製手順の間に使用した全ての緩衝液に、20mMのβ−メルカプトエタノール(β−ME)を含めた。
[実施例2]
HCV NS3 Nbt−9NB49Hのクローニングおよび発現
実施例1に記載したNS3 9NB49Hタンパク質をコードするヌクレオチド配列を、改変したpET32aプラスミドにサブクローニングした。ここでは、オープンリーディングフレームは、NS3をコードする配列の上流にGSGSNSMリンカー配列を持つアミノ末端のビオチニル化タグ(MSGLNDIFEAQKIEWHE)、後ろに続くカルボキシル末端のヘキサヒスチジンタグ、後ろに続く終結コドンをコードする。得られたプラスミドをpNbt−9NB49Hと命名した。Beckett et al.(Protein Science,8(4):921−929,1999)により記載されているビオチニル化タグは、大腸菌(E.coli) BirA遺伝子によりコードされるビオチンリガーゼ酵素を介する部位特異的ビオチンの取り込みを可能にする。大腸菌(E.coli) BL21(DE3)細胞に、pNbt−9NB49H発現プラスミドおよびIPTG誘導性プロモーターの制御下でビオチンリガーゼを発現する第2のプラスミド(pBirAcm)を同時に形質転換した。細胞を、振盪フラスコの中、37℃で、0.050mMの最終濃度になるようにビオチンを添加したTerrific Broth中で0.50のOD600nmまで増殖させ、その後、1mMのIPTGで誘導し、25℃で一晩増殖させた。その後、細胞を遠心分離により回収し、溶解緩衝液中に再懸濁し、超音波処理して細胞を破壊した。幾つかの場合には、高レベルの部位特異的ビオチニル化をさらに確実にするために、ATPおよびビオチンを溶解させた細胞に添加し(それぞれ、3mMおよび0.25mMの最終濃度)、室温で2時間インキュベートした。次に、組換えタンパク質を実施例1に記載したようにIMACにより精製した。
[実施例3]
HCV NS3 9NB49H−Cbtのクローニングおよび発現
実施例1に記載したNS3 9NB49Hタンパク質をコードするヌクレオチド配列を、改変したpET32aベクターにサブクローニングした。ここでは、オープンリーディングフレームは、N末端のメチオニン、後ろに続くNS3、後ろに続くGSGSGリンカーとヘキサヒスチジンタグ、後ろに続くGGリンカーおよびビオチニル化タグ(GLNDIFEAQKIEWHE)、および最後に終結コドンをコードする。得られたプラスミドをp9NB49H−Cbtと命名した。タンパク質発現およびビオチニル化は、実施例1および2に記載したように行った。
[実施例4]
HCV NS3 9NB49H−Cbt突然変異体のクローニングおよび発現
実施例3に記載した9NB49H−Cbtをコードするヌクレオチド配列を、システインコドンをセリンコドンで置換するために部位特異的に突然変異させた。突然変異させた位置を以下の表に記載する。ここでは、HCVポリタンパク質配列のコドン(アミノ酸)番号はKuiken et al.(Hepatology,2006,44(5):1355−1361)により記載されている番号に基づく。組換えタンパク質の発現、精製およびビオチニル化は、実施例1および2に記載したように行った。
Figure 2016512241
[実施例5]
HCV NS3hおよびこの変異体のクローニングおよび発現
組換えHCV NS3ヘリカーゼ変異体を、以下の表に記載するように、および図1に示すように、HCV NS3ヘリカーゼの様々な領域に融合させたp9NB49H(即ち、HCVポリタンパク質のアミノ酸1192−1215)により発現される同じアミノ末端を使用することにより構築した。ヘリカーゼ構築物をコードするヌクレオチド配列を、実施例1に記載したようなカルボキシル末端のGSGSG−ヘキサヒスチジンタグまたは実施例2に記載したようなカルボキシル末端のGSGSG−ヘキサヒスチジン−GG−ビオチニル化タグのいずれかを持つ改変したpET32aベクター(マイナスチオレドキシン融合体)にクローニングした。NS3ヘリカーゼの第3のドメインを含有している全ての構築物は、カルボキシル末端のSGSGSG−ヘキサヒスチジンタグ、またはカルボキシル末端のSGSGSG−ヘキサヒスチジン−GG−ビオチニル化タグを含む。ビオチニル化されているタンパク質またはビオチニル化されていないタンパク質の発現および精製を、実施例1および2に記載したように行った。
Figure 2016512241
[実施例6]
全長のHCV NS3ヘリカーゼ変異体のクローニングおよび発現
実施例5に記載した全長のNS3h(ヘリカーゼ)タンパク質をコードするプラスミド(pNS3h−Cbt)を、標準的な方法を使用して部位特異的に突然変異させて、選択したコドンを以下の表に記載するように置き換えた(即ち、置換した)突然変異体クローンを作製した。
Figure 2016512241
得られた構築物は、実施例5に記載したようなカルボキシル末端のSGSGSG−ヘキサヒスチジン−GG−リンカー−ビオチニル化タグを保有していた。タンパク質の発現およびビオチニル化は、個々のNS3ヘリカーゼCbt突然変異体プラスミドと実施例3に記載したpBirAcmでの大腸菌(E.coli) BL21(DE3)細胞の同時形質転換により行った。精製は実施例1および2に記載したように行った。
[実施例7]
改変されたC末端を持つHCV NS3ヘリカーゼ変異体のクローニングおよび発現
実施例5に記載した全長のNS3h(ヘリカーゼ)タンパク質をコードするプラスミド(pNS3h)を、NS3hをコードする領域(HCV aa1192−1657)の下流に、インフレームのSGSGSGに連結されたオクタヒスチジンタグ、この後ろに続く以下の表に記載するようなさらなるHCV NS3ヘリカーゼ配列、この後ろに続く終結コドンをコードする配列を含むように改変した。
Figure 2016512241
タンパク質の発現を、実施例1に記載したような個々の改変したNS3hプラスミド(−XC1、−XC2、または−XC3)での大腸菌(E.coli)BL21(DE3)細胞の形質転換の後に行った。C末端を改変したNS3hタンパク質のタンパク質精製は実施例1に記載したように行った。
[実施例8]
発酵、タンパク質の発現、および精製
NS3組換えタンパク質(例えば、9NB49HもしくはNS3h、またはこれらの変異体)を、10Lの発酵槽で培養した大腸菌(E.coli)BL21(DE3)細胞中で発現させた。Superbroth(SB)Media(炭素源としてグリセロールを含む富化培地)を含有している振盪フラスコの中で増殖させた120mLの種培養物を使用して、SB培地を含有している10Lの発酵槽に接種した。細胞を、8から12の600nmでの光学密度に達するまで、37℃で増殖させた。タンパク質の発現をイソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)を、1mMの最終濃度になるように添加することにより誘導した。その後、培養物を25から37℃でさらに4時間増殖させた。その後、細胞を発酵槽から回収し、次に、中空繊維膜フィルターを通過させて、回収したものを10Lの容積で出発して1から2Lに濃縮した。その後、濃縮した細胞を遠心分離によりペレット状にし、上清を除去し、得られたペレットをタンパク質精製に使用するまで−80℃で保存した。
アミノ末端またはカルボキシル末端のいずれにビオチニル化タグ配列を含有している組換えHCV NS3タンパク質(実施例2および3を参照のこと)のインビボでのビオチニル化を、ビオチンをインキュベーション時に0.05mMの最終濃度になるように添加したことを除き、上記のように発酵を行うことにより達成した。その後、培養物をさらに4時間、25から37℃で増殖させ、上記段落に記載したように処理した。
発現させた可溶性のHCV NS3組換え抗原を含有している凍結させた大腸菌(E.coli)細胞のペレットを解凍し、その後、冷却した溶解緩衝液(40mMのNaPO、300mMのNaCl、1.5mMのMgCl、5%のグリセロール、5mMのβ−メルカプトエタノール(pH7.2))の中に再度懸濁し、続いて、0℃で45分間の連続流超音波処理(continuous flow sonication)により溶解させた。不溶性材料を除去するための遠心分離の後、GEニッケルセファロースFast Flow樹脂を上清に添加し、2から8℃で一晩(125rpmで振盪させながら)一晩インキュベートした。その後、結合した抗原を含有している樹脂を洗浄緩衝液(40mMのNaPO(pH7.2)、500mMのNaCl、1mMのEDTA、20mMのイミダゾール、5mMのβ−メルカプトエタノール)で穏やかな減圧下で洗浄し、結合した抗原を、40mMのNaPO、150mMのNaCl、1mMのEDTA、500mMのイミダゾール、10mMのDTT(pH7.2)を含有している緩衝液を使用して溶離させた。抗原を、以下のようにイオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製した。抗原を、20mMのTris(pH8.4)中でGE Q HP陰イオン交換樹脂に結合させ、その後に続いて、20mMのTris(pH8.4)、1MのNaCl、5mMのEDTAで勾配溶離させた。その後、溶離したタンパク質を、GE Sephadex G25カラムを使用して、10mMのホスフェート、150mMのNaCl、5mMのEDTA(pH7.2)を含有している最終的な緩衝液中に脱塩した。精製したNS3タンパク質を−70℃で保存した。
[実施例9]
アクリジニウム−ウシ血清アルブミン(Acr−BSA)の調製
防腐剤として0.1%のアジ化ナトリウムを含有しているウシ血清アルブミン(BSA)の30%の溶液(300mg/mL)を、商業的な供給業者(Proliant Biologicals,Ankeny,IA)から購入した。1ml(300mg)の30%のBSA溶液を、2.0mLの0.1MのPBS(pH8.0)で希釈し、0.5から3.0mLのSlide−A−Lyzer透析カセット(ThermoFisher,Waltham,MA)に移し、2から8℃で一晩、0.1MのPBS(pH8.0)に対して透析した(2回の交換、600mL/交換)。透析したBSA溶液の濃度は、280nmでのUV吸光度に基づくと97.1mg/mLであった。200mg(2.060mL、3.0umol、1.0mol等量)の97.1mg/mLのBSA溶液を、10.181mLの0.1MのPBS(pH8.0)を含有している琥珀色のガラスバイアルに添加した。この混合物に対して、DMF[N,N−ジメチルホルムアミド]中の39mg(1.092mL、45umol、15.0モル等量)のSPSP−アクリジニウム活性エステルを添加した。反応バイアルに蓋をした。溶液を350rpmで30分間撹拌することにより混合し、その後、室温に一晩(20から26時間)置いた。インキュベーション後、遊離のアクリジニウムおよび凝集物をクロマトグラフィーにより(Sephacryl HR S−200カラム、GE Healthsciences,PA)、0.01MのPBS/0.1%のCHAPS(pH6.3)ランニング緩衝液を使用して除去した。単量体Acr−BSA結合体に対応する画分をプールし、UV分光測定法(240から600nmのスキャン)により特性決定した。280nmおよび370nmでの吸光度の値を使用して、タンパク質濃度を決定し、BSA分子あたりのアクリジニウムの取り込みを計算した。計算したタンパク質濃度は6.779mg/mLであり、BSA分子あたり6.2アクリジニウムの平均数を有していた。
[実施例10]
アクリジニウム−BSA−9NB49H結合体の調製
マレイミド活性化Acr−BSAの調製。PBS/0.1%のCHAPS(pH6.3)中のAcr−BSA(実施例8;13.5mg、202nmol、1.0mol等量)1.99mLを琥珀色のガラスバイアルに添加し、0.254mLの0.4Mのホスフェート/8mMのEDTA/1.6%のCHAPS(pH7.4)で処理して、反応物のpHを7.4に調整した。均質な溶液に対して、0.040mL(0.35mg、4.0mol等量)の、スクシンイミジル4−(Nマレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(Sulfo−SMCC,Pierce Chemical Co.,Rockford,Ill)の新鮮な0.02Mの水溶液を添加した。反応バイアルに蓋をした。溶液を発泡させずに20分間撹拌し、その後、暗所で60から90分間、室温で静的にインキュベートした。0.1MのPBS/0.1%のCHAPS/5mMのEDTA(pH6.7)で予め平衡化したZebaスピンカラム(Pierce,Rockford,Ill)を利用することにより、反応混合物を脱塩して取り込まれていないスルホ−SMCCを取り除いた。溶離させたAcr−BSA−Mal試薬の吸光度を280nmおよび370nmで測定してタンパク質濃度を概算した。計算したタンパク質濃度は6.28mg/mLであった。Acr−BSA−MalをHCV NS3抗原の結合にすぐに使用した。
Acr−BSA−Malに対する組換え9NB49Hの結合。0.789mLの0.1MのPBS/0.1%のCHAPS/5mMのEDTA pH6.7中のAcr−BSA−Mal(5.6mg、84nmol、2.0mol等量)をポリプロピレンチューブに添加した。これに対して、0.01MのPBS/5mMのEDTA(pH7.2)中の1.2mg(1.3mL、42nmol、1.0mol等量)の組換え9NB49H抗原を添加した。溶液を発泡させることなく30分間撹拌し、その後、暗所で一晩、室温で静的にインキュベートした。結合体をこの段階で、または9NB49H遊離システインのカルボキシメチル化の後のいずれかで精製した。カルボキシメチル化の場合は、粗結合体溶液を0.270mLの0.5Mのホスフェート緩衝液(pH11.0)で処理してpHを8.0に調整した。混合物を5分間撹拌し、その後、0.94mg(0.020mL、120mol等量)の、1NのNaOH中の新鮮な0.25Mのヨード酢酸(IAA)溶液または0.25Mのヨードアセトアミド(IAM)水溶液を混合しながら添加して、9NB49H遊離Cys−カルボキシのメチル化を行った。混合物を室温で、暗所で60分間、静的に反応させ、その後、0.01MのPBS/0.1%のCHAPS/5mMのEDTA(pH6.3)(3.0mLの溶離容積)で平衡化したPD10カラムに通過させた。
Acr−BSA−9NB49H結合体タンパク質の濃度を、Acr−BSAが原因である280nmでの吸光度を引き算した後の結合体の280nmでの吸光度から決定した。9NB49Hの1%(w/v)溶液についての0.52の吸光度を使用してタンパク質濃度を計算した。記載したように計算した9NB49H濃度は、0.406mg/mLであった。
[実施例11]
アクリジニウム−BSA−NS3h結合体の調製
(LC)マレイミド活性化Acr−BSAの調製。PBS/0.1%のCHAPS(pH6.3)中のAcr−BSA(実施例8;3.0mg、0.443mL、45nmol、即ち1.0mol等量)を琥珀色のガラスバイアルに添加し、0.058mLの0.4Mのホスフェート/8mMのEDTA/1.6%のCHAPS(pH7.4)緩衝液で処理して、反応物のpHを7.4に調整した。均質な溶液に対して、0.018mL(0.080mg、180nmol、4.0mol等量)の、ジメチルスルホキシド(DMSO,Sigma Aldrich,St Louis,MO)中の0.01Mのスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ−(6−アミドカプロエート)(Lon ChainまたはLC−SMCC,Pierce Chemical Co.,Rockford,Ill)の新鮮な溶液を添加した。反応バイアルに蓋をした。溶液を発泡させずに20分間撹拌し、その後、暗所で60分間、室温で静的にインキュベートした。反応混合物を脱塩して、取り込まれていないLC−SMCCを、0.1MのPBS/0.1%のCHAPS/5mMのEDTA(pH6.7)で予め平衡化したZebaスピンカラム(Pierce,Rockford,Ill)を利用することにより取り除いた。溶離したAcr−BSA−Mal試薬の吸光度を280nmおよび370nmで測定してタンパク質濃度を概算した。計算したタンパク質濃度は5.25mg/mLであった。Acr−BSA−(LC)Malを次の結合工程にすぐに使用した。
組換えNS3hのAcr−BSA−(LC)Malに対する結合。0.025Mのホスフェート/0.25MのNaCl/5mMのβ−メルカプトエタノール/5mMのEDTA(pH8.0)中の2.6mg/mLのNS3hの溶液1.20mL(3.12mg)をPD10脱塩カラムに通過させて、β−メルカプトエタノールを除去した。NS3hタンパク質を2.5mLの0.01MのPBS/5mMのEDTA(pH7.2)で溶離させ、溶離液の濃度を280nmでの吸光度により2.9mg/mLであると計算した。ポリプロピレンチューブに、0.1MのPBS/0.1%のCHAPS/5mMのEDTA(pH6.7)中の1.56mg(0.297mL、23.4nmol、2.0mol等量)のAcr−BSA−(LC)Malを添加し、続いて、0.01MのPBS/5mMのEDTA(pH7.2)中の0.60mg(0.518mL、11.7nmol、1.0mol等量)の組換えNS3h抗原を添加した。溶液を発泡させることなく30分間撹拌し、その後、暗所で一晩、室温で静的にインキュベートした。結合体溶液に対して、0.093mLの0.5Mのホスフェート緩衝液(pH11.0)を添加して、混合物のpHを8.0に調整した。混合物を5分間撹拌し、その後、1NのNaOH中の0.25Mのヨード酢酸(IAA,Thermofisher Scientific,Waltham,MA)の新鮮な溶液0.56mg(0.012mL、120mol等量)を混合しながら添加して、NS3遊離Cys−カルボキシメチル化を行った。混合物を室温で、および暗所で60分間、静的に反応させ、最終的な容積を0.080mLの0.01MのPBS/0.1%のCHAPS/5mMのEDTA(pH6.3)で1.0mlに調整し、0.01MのPBS/0.1%のCHAPS/5mMのEDTA(pH6.3)(2.5mLの溶離容積)中で平衡化したPD10カラムに通した。次に、脱塩した結合体をSECクロマトグラフィー(TosoHaas G3000SWxlカラム,Toso Bioscience LLC,King of Prussia,PA)により精製して、望ましくない凝集物を取り除いた。Acr−BSA−NS3h結合体タンパク質の濃度を、Acr−BSAが原因である280nmでの吸光度を引き算した後の結合体の280nmでの吸光度から決定した。NS3hの1%(w/v)の溶液についての0.95の吸光度を、タンパク質濃度を計算するために使用した。
[実施例12]
磁性微粒子に基づく自動化された免疫測定法
HCV NS3由来タンパク質を、常磁性微粒子および化学発光結合体を利用する自動化された免疫分析装置(ARCHITECT(R)システム;Abbott Laboratories;「Bulk Reagent Random−Access Analyzer:ARCHITECT i2000」Frank A.Quinn,pages 363−367,In The Immunoassay Handbook,第3版、David Ward編,Nature Publishing Group,London,UK;米国特許第5,795,784号明細書および米国特許第5,856,194号明細書を参照のこと)を使用して、抗HCV NS3抗体を検出するこれらの能力について試験した。試験したアッセイ形式には、2工程の形式または1工程の形式を含めた。一般的には、アッセイは、2つの形式:2工程および1工程(「疑」1工程とも記載される。)を含むと記載することができる。2工程の形式では、ヒト試料、アッセイ特異的希釈剤緩衝液、および組換え抗原をコーティングした常磁性微粒子を反応容器に混合し、ボルテックスし、18分間インキュベートする。ここでは、組換え抗原に特異的な抗体が微粒子によって捕捉される。このインキュベーション後、微粒子/免疫複合体を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り出した。その後、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。第2の工程では、微粒子に結合した試料由来の抗体が、アクリジニウムで標識された結合体を含有している緩衝液中での粒子の懸濁およびインキュベーション(4分)により検出される。結合体は、ヒト免疫グロブリン(単数または複数)に特異的なアクリジニウムで標識された抗体、またはアクリジニウムで標識された組換え抗原であり得る。結合体とのインキュベーションの後に、第2の洗浄工程、ならびに最終的には、アクリジニウムの活性化、および光の出力の同時の測定(これは、微粒子上に結合した結合体の量に比例する。)を続いて行う。
1工程の形式では、ヒト試料、組換え抗原をコーティングした常磁性微粒子、およびアクリジニウムで標識された組換え抗原を含む結合体を含有しているアッセイ特異的希釈剤緩衝液を反応容器に混合する。18分間のインキュベーションの後、ここでは、組換え抗原に特異的な抗体が同時に、磁性微粒子によって捕捉され、アクリジニウムで標識された組換え抗原に結合する。続いて、微粒子/免疫複合体を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、水/界面活性剤混合物で洗浄した。その後、粒子を容器の壁から解放し、希釈剤中に懸濁し、4分間インキュベートした。インキュベーションの後には、第2の洗浄工程、ならびに最終的には、アクリジニウムの活性化、および光の出力の同時の測定(これは、微粒子上に結合した結合体の量に比例していた。)を続けて行った。
ビオチン捕捉免疫測定法。Architect分析器でのビオチンの捕捉に媒介される免疫測定法では、ビオチニル化NS3タンパク質(例えば、実施例2から6に記載したNbtもしくはCbt、または非部位特異的様式で化学的手法によりビオチンをカップリングさせたNS3タンパク質)と、ビオチン捕捉タンパク質(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、または抗ビオチン抗体)をコーティングした常磁性粒子を使用した。この形式では、試料中に存在するNS3抗体とビオチニル−NS3との間で形成した免疫複合体を、微粒子表面に固定化したビオチン捕捉タンパク質により微粒子表面上に捕捉した。アクリジニル化されたNS3組換え抗原からなる結合体を第1の工程または第2の工程に加えて(即ち、捕捉工程に続いて)、捕捉された抗NS3を検出することができる。代わりに、抗ヒト抗体アクリジニウム結合体を第2の工程に加えて、捕捉された抗NS3を検出することができる。
[実施例13]
免疫測定法の形式
以下のアッセイ形式を使用した:
Figure 2016512241
以下のヒト検体を使用した:
陰性対照試料は、再石灰化した非反応性ヒト血漿(HBsAgに対して非反応性、および抗HCV、HIV−1 RNA、またはHIV−1 Ag、抗HIV 1/HIV−2および抗HTLV−I/HTLV−IIについては陰性)である。
「パネルB」として知られている陽性対照試料は、Chiron RIBA HCV 3.0 SIAにより決定された1つの抗HCVマーカーについて反応性である(2+以上のc33バンド強度、および他のバンドについては非反応性)ヒトの再石灰化したヒト血漿試料である。このパネルを、二ナトリウム−EDTAおよびアジ化ナトリウムを含有している再石灰化した非反応性ヒト血漿(HBsAgに対して非反応性、および抗HCV、HIV−1 RNA、またはHIV−1 Ag、抗HIV 1/HIV−2および抗HTLV−I/HTLV−IIについては陰性)中に希釈する。
セロコンバージョンパネルと呼ばれる市販されているヒト血液試料のパネルを、SeraCare(Gaithersburg,MD)およびZeptometrix(Franklin,MA)から入手した。各セロコンバージョンパネルは、HCVに感染した固体から得られた一連の血液試料からなる。
アッセイ形式1:直接的1工程。第1の工程では、50uLのヒト試料、50uLの結合体(pH6.3の適切な緩衝液中で組換えHCV NS3抗原に共有結合によりカップリングさせた、アクリジニウムで標識されたBSA)、および示した還元剤を含有しているpH6.6の適切な緩衝液中でHCV NS3組換え抗原でコーティングされた50uLの常磁性微粒子を反応容器に混合し、ボルテックスし、18分間インキュベートした。インキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。試料中に存在する、および微粒子上に捕捉された抗体は、洗浄工程の間保持された。第2の工程では、洗浄の直後に、50uLのアッセイ特異的洗浄緩衝液を反応容器に添加し、これをボルテックスし、次に4分間インキュベートした。インキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。洗浄した粒子を塩基性の過酸化水素を含有している溶液中に懸濁してアクリジニウムを活性化させ、同時に光の出力を測定した(相対的な光の単位、即ち、RLUで)。これは、微粒子上に結合した結合体の量に比例する。
アッセイ形式2:間接的2工程。第1の工程では、10uLの試料、90uLのアッセイ特異的希釈剤緩衝液、および50uLのHCV NS3をコーティングした常磁性微粒子(還元剤を含有しているpH6.6の適切な緩衝液中に含まれる。)を反応容器に混合し、ボルテックスし、18分間インキュベートした。このインキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。試料中に存在する、微粒子上に捕捉された抗体は、洗浄工程(単数または複数)の間保持された。第2の工程では、洗浄の直後に、結合体希釈剤中の50uLのアクリジニウムで標識された抗ヒトIgG(10ng/mL)およびIgM(1ng/mL)マウスモノクローナル抗体を反応容器に添加し、これをボルテックスし、その後、4分間インキュベートした。インキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。洗浄した粒子を塩基性の過酸化水素を含有している溶液中に懸濁してアクリジニウムを活性化させ、同時に光の出力を測定した(相対的な光の単位、即ちRLUで)。これは、微粒子に結合した結合体の量に比例する。
アッセイ形式3:直接的1工程/Fly上での捕捉。第1の工程では、110uLのヒト試料、50から90uLの結合体(ビオチニル化された組換えHCV NS3捕捉抗原、およびpH6.3の適切な緩衝液中の組換えHCV NS3抗原に共有結合により結合させたアクリジニウムで標識されたBSA)、および粒子希釈剤(還元剤を含有しているpH6.6の適切な緩衝液)中のストレプトアビジンでコーティングされた50uLの常磁性微粒子を反応容器に混合し、ボルテックスし、18分間インキュベートした。このインキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。試料中に存在する、微粒子上に捕捉された抗体は、洗浄工程(単数または複数)の間保持された。第2の工程では、洗浄の直後に、さらに50uLのアッセイ特異的洗浄緩衝液を反応容器に添加し、これをボルテックスし、4分間インキュベートした。インキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。洗浄した粒子を塩基性の過酸化水素を含有している溶液中に懸濁してアクリジニウムを活性化させ、同時に光の出力を測定した(相対的な光の単位、即ちRLUで)。これは、微粒子上に結合した結合体の量に比例する。
アッセイ形式4:直接的2工程。第1の工程では、110uLの試料、90uLのアッセイ特異的希釈剤緩衝液(pH8.4)、および粒子希釈剤(示した還元剤を含む/還元剤を含まないpH6.6)中の固定化されたHCV NS3抗原を含む50uLの常磁性微粒子を反応容器に混合し、ボルテックスし、18分間インキュベートした。抗原を、(a)EDACを使用した共有結合または(b)抗原に共有結合されたビオチンによる固定化されたストレプトアビジンへの結合により、粒子上に固定した。このインキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。試料中に存在する、微粒子上に捕捉された抗体は、洗浄工程(単数または複数)の間保持された。第2の工程では、洗浄の直後に、結合体希釈剤緩衝液中の組換えHCV NS3抗原に結合させた50uLのアクリジニウムで標識されたBSAを反応容器に添加し、ボルテックスし、その後、4分間インキュベートした。インキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。洗浄した粒子を塩基性の過酸化水素を含有している溶液中に懸濁してアクリジニウムを活性化させ、同時に光の出力を測定した(相対的な光の単位、即ち、RLUで)。これは、微粒子上に結合した結合体の量に比例する。
アッセイ形式5:間接的2工程/Fly上での捕捉。第1の工程では、10uLの試料、ビオチニル化された組換えHCV NS3抗原を含有している90uLの検体希釈剤緩衝液、および還元剤を含有しているpH6.6の適切な緩衝液中のストレプトアビジンでコーティングされた常磁性微粒子50uLを反応容器に混合し、ボルテックスし、18分間インキュベートした。このインキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。試料中に存在する、微粒子上に捕捉された抗体は、洗浄工程(単数または複数)の間保持された。第2の工程では、洗浄の直後に、50uLの結合体(アクリジニウムで標識されたヒトIgG(10ng/mL)およびアクリジニウムで標識されたIgM(1ng/mL)マウスモノクローナル抗体を反応容器に添加し、これをボルテックスし、次に4分間インキュベートした。インキュベーション後、微粒子を、磁石を使用して反応容器の側面に停止させ、反応上清を取り除いた。続いて、微粒子を水/界面活性剤溶液で洗浄した。洗浄した粒子を、塩基性の過酸化水素を含有している溶液中に懸濁してアクリジニウムを活性化させ、同時に光の出力を測定した(相対的な光の単位、即ち、RLUで)。これは、微粒子上に結合した結合体の量に比例する。
[実施例14]
9NB49HおよびCysからSerへの突然変異体の免疫反応性
9NB49H組換え体およびこの突然変異体の相対的な免疫反応性を、還元剤の存在下および非存在下で測定した。アッセイは、既知の抗HCV NS3陽性血漿プール(パネルB)およびHCV抗体陰性の正常なヒト血清を使用し、実施例13に記載したような様々なアッセイ形式を使用して行った。以下の表に示す結果は、シグナル対陰性比(S/N)として表す。システイン3のセリンでの置換により、野生型9NB49Hと比較してアッセイ形式2の感度が改善した。システイン4のセリンでの置換により、野生型9NB49Hと比較してアッセイ形式3の感度が改善した。システイン1または2のセリンでの置換によっては、全4種のアッセイ形式において感度に最大の負の影響があった。システイン3のセリンでの置換により、アッセイ形式2、3、および4においては、還元剤の存在下または非存在下の間で観察された相違が小さくなった。アッセイ形式3(直接的1工程/Fly上での捕捉)は、使用したHCVタンパク質とは無関係に最大の全体的な感度を示した。システイン3のセリンでの置換は、アッセイ形式3においては、感度を維持しつつ、還元剤の影響を低下させた。
Figure 2016512241
[実施例15]
HCV 9NB49H−Cbt対9NB49H−Cbt−C3Sのセロコンバージョンの感度
実施例14に示すように、アッセイ形式3(直接的1工程/Fly上での捕捉)は、HCV抗体陽性血漿プールを試験することにより得たS/N値により測定すると、最大の全体的な感度を示した。加えて、9NB49H突然変異体(ここでは、3番目のシステイン残基がセリンで置換されている。)は、還元剤に対して最大の耐性を示した。野生型およびC3S突然変異体の相対的な感度を、直接的1工程/Fly上での捕捉のアッセイ方法(形式3)を使用し、HCVに感染したヒト個体由来のセロコンバージョンパネル(パネル919および6228)を試験することにより決定した。10.0のS/Nを陽性についてのカットオフとして使用した。従って、S/N≧10.0を持つ試料を反応性と考え、S/N<10.0を持つ試料を非反応性と考える。各セロコンバージョンパネルによる血清学的陽性試料を(+)で、非反応性を(−)で示す。パネルBを陽性対照として使用した。結果を以下の表に示す。9NB49H−C3S−Cbtタンパク質は一般的には、より高いS/N値を生じ、さらなるパネルのメンバーもまた野生型タンパク質と比較して陽性であると検出した。
Figure 2016512241
[実施例16]
NS3hドメイン変異体のセロコンバージョンの感度
HCVに感染した個体の間で免疫反応性に寄与しているHCV NS3ヘリカーゼタンパク質(NS3h)のドメインを特定するために、組換えタンパク質のコレクションを実施例5に記載したように作製した。これらの部位特異的ビオチニル化タンパク質をアッセイ形式5(間接的2工程/Fly上での捕捉、実施例13)において使用して、HCVの陽性対照であるヒト血漿のプール(パネルB)と、HCVに感染したヒト個体由来のセロコンバージョンパネルのセット(パネル6224、6228、および9044)を使用することにより、それらの免疫反応性を測定した。10.0のS/Nを陽性についてのカットオフとして使用した。従って、S/N≧10.0を持つ試料を反応性と考え、S/N<10.0を持つ試料を非反応性と考える。パネルBを陽性対照として使用した。S/N比として表した結果を以下の表に示す。NS3h−Cbt−C3Sは最大のセロコンバージョンの感度を生じ(最も反応性が高い採血物)、NS3h−Cbtタンパク質がこの後に続く。NS3h−Cbt−C3Sは、9NB49H−Cbtと比較して、パネルのメンバーに応じて2から15倍大きいS/Nを生じた。NS3h−Cbtは、9NB49H−Cbtと比較して、パネルのメンバーに応じて3から10倍大きいS/Nを生じた。NS3h−d1−Cbt抗原は、9NB49Hがd1−Cbtと表される領域を含むという事実にもかかわらず、9NB49H−Cbtと比較して、パネルのメンバーに応じて、2倍大きいS/Nを示した。
Figure 2016512241
[実施例17]
9NB49H、NS3h、およびNS3h−C3Sの相対的免疫反応性
最も高い抗体検出アッセイ感度を提供したNS3タンパク質の組み合わせを特定するために、HCV NS3組換えタンパク質の様々な組み合わせをアッセイ形式3(直接的1工程/Fly上での捕捉、実施例13)を使用することにより試験した。HCV NS3タンパク質をAcr−BSA(アクリジニウムで標識されたBSA)で標識した、および/または部位特異的ビオチニル化捕捉タンパク質(即ち、C末端がビオチニル化されたタグ即ちCbtを保有している。)として使用した。後者を、3種類の濃度で試験した。HCVの陽性対照であるヒト血漿プール(パネルB)を陽性対照として使用し、HCV抗体について陰性であることがわかっている正常なヒト血漿のプールを陰性対照として使用した。結果を以下の表に示し、相対的な光の単位(RLU)として表す。HCV NS3タンパク質の全ての組み合わせが、陽性対照試料中に存在する抗体を検出した。しかし、NS3h−CbtとAcr−BSA−NS3hの組み合わせが最も高い感度を示した。
Figure 2016512241
[実施例18]
9NB49H、NS3h、およびNS3h−C3Sのセロコンバージョンの感度
NS3組換え抗原の様々な組み合わせを、HCVに感染した個体由来のセロコンバージョンパネルのセット由来の個々の血清試料の間で、抗体を検出するそれらの能力について試験した。データはアッセイ形式3(直接的1工程/Fly上での捕捉、実施例13)を使用して作成した。10.0のS/Nを陽性についてのカットオフとして使用した。従って、S/N≧10.0を持つ試料を反応性と考え、S/N<10.0を持つ試料を非反応性と考える。パネルBを陽性対照として使用した。S/N比として表した結果を以下の表に示す。Acr−BSA−NS3hおよびNS3h−Cbtを使用したアッセイが、最大のセロコンバージョンの感度を生じた、即ち、最高のS/N値で検出された最も反応性が高いパネルのメンバーであった。
Figure 2016512241
[実施例19]
NS3h変異体の相対的な免疫反応性
ヒト抗NS3抗体に対する実施例6に記載したNS3h変異体の相対的な免疫反応性を比較するために、以下の方法を、ビオチニル化NS3タンパク質のストレプトアビジン微粒子捕捉における可能性がある相違を管理するために使用した。上記方法では、実施例13に記載したアッセイ形式5を使用し、ここでは、試験しようとする精製されたNS3組換え抗原を、試験前に同じタンパク質濃度になるように検体希釈剤緩衝液中に希釈した。希釈した抗原の同じセットを2つのアッセイで、いずれもアッセイ形式5を使用して試験する。ここでは、第1のアッセイ工程においてストレプトアビジン微粒子により捕捉されたNS3タンパク質を、(a)NS3に特異的な抗体を含むことがわかっている抗HCV NS3陽性ヒト血漿プール(即ち、実施例14に記載したパネルB)および(b)この配列が存在し、NS3組換えタンパク質とこの変異体(即ち、9NB49HおよびNS3h)の間で保存されているアミノ末端の直鎖エピトープに特異的な抗NS3マウスモノクローナル抗体により、試験する/調べる。結合した抗NS3ヒト抗体の量を、アクリジニル化抗ヒトIgG結合体を使用することにより決定した。粒子に結合した抗NS3モノクローナル抗体の量を同じアッセイ形式により決定したが、抗ヒトIgG結合体を、ヤギで惹起させ、アクリジニウムで標識した抗マウスポリクローナル抗体で置き換えた。2つのアッセイの間でのRLUの比は、常磁性微粒子上のNS3組換え抗原の量に対する抗NS3ヒト抗体免疫反応性の正規化のための手段を提供する。正規化された免疫反応性は、33×抗マウスアッセイによるRLUのlog10で抗ヒトアッセイによるRLUのものを割り算することにより計算される。データのこの変換により、2つのアッセイの間での直接的な線形相関を確立することができた。
150ng/mLのそれぞれの組換えタンパク質を使用した実験の結果を以下の表に示す。正規化した結果を、9NB49HまたはNS3hのいずれかに対して示す。全てのNS3h変異体は、9NB49Hと比較してパネルBについてより高い反応性を示す。幾つかのNS3h変異体は、野生型NS3hと比較してより高い相対的免疫反応性を示し、ATPaseまたはATP結合に関与していることが明らかになっている残基への特定の突然変異が、より高い免疫反応性を持つNS3hを生じ得ることを示唆している。Cys14からSerへの突然変異は、単独で、または別の突然変異との組み合わせでのいずれにおいても、NS3hのはるかに低い免疫反応性を生じる。
Figure 2016512241
[実施例20]
NS3hタンパク質の直接的標識対間接的標識の相対的感度
NS3h組換え抗原を「間接的に」、即ち、実施例11に記載したようなアクリジニウムで標識されたBSAのシステイニル−チオールへの結合により、または実施例11に記載したようなアクリジニウム−マレイミドを使用することにより「直接的に」標識した。
データを、実施例13に記載したようにアッセイ形式5(直接的2工程/Fly上での捕捉)を使用して作成した。10.0のS/Nを陽性についてのカットオフとして使用した。従って、S/N≧10.0を持つ試料を反応性と考え、S/N<10.0を持つ試料を非反応性と考える。パネルBを陽性対照として使用した。結果を以下の表に示す。
直接的標識方法の使用は、間接的に標識されたNS3h結合体と比較して、HCV NS3抗体を検出する能力が大幅に低下した結合体を生じる。
Figure 2016512241

Claims (55)

  1. ヘリカーゼのドメインI、IIおよびIIIのそれぞれを含むNS3ヘリカーゼ配列を含有している組換えHCV NS3抗原であって、ここでは、前記抗原が、C33抗原と比較して試験試料由来のHCV抗体に対して増大した免疫反応性を有し、ここでは、前記組換えHCV NS3抗原が:
    野生型NS3ヘリカーゼのATP結合活性と比較して低下したATP結合活性
    野生型NS3ヘリカーゼのATP結合活性と比較した野生型NS3と比較して低下したATPase活性、および
    野生型NS3ヘリカーゼの酸化還元安定性と比較して増大した酸化還元安定性
    からなる群より選択される1つ以上の特徴を含む、
    組換えHCV NS3抗原。
  2. 前記抗原が、前記NS3ヘリカーゼのC末端に少なくとも1つのシステイン残基の付加をさらに含む、請求項1に記載の組換えHCV NS3抗原。
  3. 前記抗原が、前記NS3ヘリカーゼのC末端に2つのシステイン残基の付加を含む、請求項2に記載の組換えHCV NS3抗原。
  4. 前記野生型HCV NS3が配列番号87の配列を含み、前記抗原が配列番号87の配列と比較して少なくとも1つの突然変異を含む、請求項1に記載の組換えHCV NS3抗原。
  5. 前記突然変異が、前記配列番号87の1つ以上のシステイン残基の任意の他のアミノ酸への突然変異を含む、請求項4に記載の組換えHCV NS3抗原。
  6. 前記突然変異が、前記1つ以上のシステイン残基の対応するセリン残基への突然変異を含む、請求項4に記載の組換えHCV NS3抗原。
  7. 前記突然変異が、HCV NS3ヘリカーゼのドメインIII由来のシステイン残基の1つ以上の突然変異を含む、請求項6に記載の組換えHCV NS3抗原。
  8. 前記システイン残基の突然変異が、配列番号87のC292、C368、C374、C499およびC525からなる群より選択される1つ以上のシステイン残基の突然変異を含む、請求項5に記載の組換えHCV NS3抗原。
  9. 前記抗原が、少なくとも2つの前記システイン残基が対応するセリン残基によって置き換えられているHCV NS3突然変異体である、請求項5に記載の組換えHCV NS3抗原。
  10. 前記抗原が、前記NS3ヘリカーゼのC末端に少なくとも1つのシステイン残基の付加をさらに含む、請求項5に記載の組換えHCV NS3抗原。
  11. ATP結合を減少させるかまたはATPase活性を低下させる前記突然変異が、配列番号87のK210、S211、T212、Y241、D290、E291、H293、T419、Q460、R464、R467およびW501からなる群より選択される1つ以上のアミノ酸残基の任意の他のアミノ酸残基での置き換えである、請求項4に記載の組換えHCV NS3抗原。
  12. 前記突然変異が、配列番号87と比較してK210N、S211A、T212E、Y241S、D290N、E291Q、H293A、T419G、Q460H、R464A、R467KおよびW501Aからなる群より選択される、請求項11に記載の組換えHCV NS3抗原。
  13. 前記抗原が、前記配列番号87の1つ以上のシステイン残基の任意の他のアミノ酸への突然変異をさらに含む、請求項11に記載の組換えHCV NS3抗原。
  14. 前記配列番号87の1つ以上のシステイン残基の前記突然変異が、配列番号87のC292、C368、C374、C499およびC525からなる群より選択される1つ以上のシステイン残基の突然変異を含む、請求項13に記載の組換えHCV NS3抗原。
  15. 前記抗原が、前記NS3ヘリカーゼのC末端に少なくとも1つのシステイン残基の付加をさらに含む、請求項11に記載の組換えHCV NS3抗原。
  16. 前記抗原が、前記NS3ヘリカーゼのC末端に少なくとも1つのシステイン残基の付加をさらに含む、請求項14に記載の組換えHCV NS3抗原。
  17. 前記NS3ヘリカーゼのC末端でのシステイン残基の前記付加が、GGCSGGA、DECHSTDおよびSKKKCDEからなる群より選択される配列の前記NS3ヘリカーゼのC末端への付加を含む、請求項15に記載の組換えHCV NS3抗原。
  18. 前記NS3ヘリカーゼのC末端でのシステイン残基の前記付加が、GGCSGGA、DECHSTDおよびSKKKCDEからなる群より選択される配列の前記NS3ヘリカーゼのC末端への付加を含む、請求項16に記載の組換えHCV NS3抗原。
  19. 前記NS3ヘリカーゼのC末端での少なくとも1つのシステイン残基の前記付加が、GSGSGHHHHHHHHGGCSGGARSGC、GSGSGHHHHHHHHDECHSTDRSGCおよびGSGCGHHHHHHHHGGCSGGAからなる群より選択される配列の付加を含む、請求項15に記載の組換えHCV NS3抗原。
  20. 前記NS3ヘリカーゼのC末端での少なくとも1つのシステイン残基の前記付加が、GSGSGHHHHHHHHGGCSGGARSGC、GSGSGHHHHHHHHDECHSTDRSGCおよびGSGCGHHHHHHHHGGCSGGAからなる群より選択される配列の付加を含む、請求項16に記載の組換えHCV NS3抗原。
  21. 前記C末端配列が、シグナルを発生する部分への結合により修飾されている、請求項18、19、または20のいずれか一項に記載の組換えHCV NS3抗原。
  22. 前記抗原がヒスチジンタグをさらに含む、請求項15に記載の組換えHCV NS3抗原。
  23. 前記抗原がヒスチジンタグをさらに含む、請求項16に記載の組換え体。
  24. 前記ヒスチジンタグが配列番号87のC末端と前記付加された配列のN末端との間に配置されている、請求項22に記載の組換えHCV NS3抗原。
  25. 前記ヒスチジンタグが配列番号87のC末端と前記付加された配列のN末端との間に配置されている、請求項23に記載の組換えHCV NS3抗原。
  26. 前記抗原がビオチニル化されている、請求項1から25のいずれかに記載の組換えHCV NS3抗原。
  27. 前記ビオチニル化が前記抗原のN末端にある、請求項26に記載の組換えHCV NS3抗原。
  28. 前記ビオチニル化が前記抗原のC末端にある、請求項26に記載の組換えHCV NS3抗原。
  29. 前記ビオチニル化が部位特異的ビオチニル化である、請求項26に記載の組換えHCV NS3抗原。
  30. 請求項1から29のいずれかに記載の組換えHCV抗原をコードする単離された核酸。
  31. 請求項30に記載の単離された核酸を含有している発現ベクター。
  32. 請求項31に記載の発現ベクターで形質転換されたかまたはトランスフェクトされた宿主細胞。
  33. 前記宿主細胞が大腸菌(E.coli)細胞である、請求項32に記載の宿主細胞。
  34. 請求項1から29のいずれかに記載の組換えHCV抗原を含有している免疫診断試薬。
  35. 固体支持体をさらに含有している、請求項34に記載の免疫診断試薬。
  36. 前記固体支持体が微粒子であり、前記組換え抗原が前記微粒子に結合させられている、請求項34に記載の免疫診断試薬。
  37. 前記組換え抗原が蛍光標識で検出可能であるように標識されている、請求項34に記載の免疫診断試薬。
  38. 請求項34に記載の免疫診断試薬を含有しており、抗HCV抗体と免疫反応性であるエピトープを含有しているさらなる単離されたHCV抗原をさらに含有している、キット。
  39. 前記さらなるHCV抗原がHCVコア抗原である、請求項38に記載のキット。
  40. 前記組換えHCV NS3抗原と前記さらなるHCV抗原が同じ固相上に一緒にコーティングされる、請求項38に記載のキット。
  41. 前記組換えHCV NS3抗原と前記コア抗原が別の固相上にコーティングされる、請求項38に記載のキット。
  42. ヒト抗体の検出のための抗体をさらに含有している、請求項41に記載のキット。
  43. 検出可能な標識を含有してもよい抗HCV抗体をさらに含有している、請求項41に記載のキット。
  44. 試験試料中の抗HCV抗体の存在を決定する免疫測定法であって、前記試験試料中の前記組換えHCV NS3抗原と前記抗HCV抗体との間で複合体を形成させる条件下で、前記試験試料を請求項34に記載の免疫診断薬と接触させる工程、および前記複合体の存在を検出する工程を含み、ここでは、前記複合体の存在が前記試験試料中の抗HCV抗体の指標となる、免疫測定法。
  45. 前記複合体の形成の前記検出が、標識された抗ヒト抗体の前記複合体に対する結合の決定により検出される、請求項44に記載の免疫測定法。
  46. 前記標識された抗ヒト抗体が蛍光標識で標識される、請求項45に記載の免疫測定法。
  47. 前記標識された抗ヒト抗体がアクリジニウムで標識される、請求項45に記載の免疫測定法。
  48. 組換えHCV NS3抗原が微粒子上にコーティングされる、請求項44に記載の免疫測定法。
  49. 前記方法が、HCVコア抗原に対する抗体の存在を決定するために前記試験試料をアッセイする工程をさらに含む、請求項44に記載の免疫測定法。
  50. 前記組換えHCV NS3抗原と前記HCVコア抗原が同じ微粒子上に一緒にコーティングされる、請求項49に記載の免疫測定法。
  51. 前記組換えHCV NS3抗原と前記HCVコア抗原が別の微粒子上にコーティングされる、請求項49に記載の免疫測定法。
  52. 試験試料が患者から得られ、方法が、患者の治療的/予防的処置の有効性を診断、予後判定、または評価する工程をさらに含み、ここでは、方法が患者の治療的/予防的処置の有効性を評価する工程をさらに含む場合は、方法は、有効性を改善することが必要な患者の治療的/予防的処置を改変する工程をさらに含んでもよい、請求項49に記載の免疫測定法。
  53. 方法が、自動化システムまたは半自動化システムでの使用に適合させられる、請求項49に記載の免疫測定法。
  54. ヘリカーゼのドメインI、IIおよびIIIのそれぞれを含む、NS3ヘリカーゼ配列を含有している組換えHCV NS3抗原であって、前記抗原が、C33抗原と比較して血清由来のHCV抗体に対して増大した免疫反応性を有し、前記組換えHCV NS3抗原が、野生型NS3ヘリカーゼの酸化還元安定性と比較して増大した酸化還元安定性を含む、組換えHCV NS3抗原。
  55. ヘリカーゼのドメインIおよびIIのそれぞれを含む、NS3ヘリカーゼ配列を含有している組換えHCV NS3抗原であって、前記抗原が、C33抗原と比較して血清由来のHCV抗体に対して増大した免疫反応性を有し、前記組換えHCV NS3抗原が、野生型NS3ヘリカーゼの酸化還元安定性と比較して増大した酸化還元安定性を含む、組換えHCV NS3抗原。
JP2016500143A 2013-03-14 2013-12-23 改良された抗体検出のためのhcvns3組換え抗原およびこの突然変異体 Pending JP2016512241A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361784822P 2013-03-14 2013-03-14
US61/784,822 2013-03-14
US201361899514P 2013-11-04 2013-11-04
US61/899,514 2013-11-04
PCT/US2013/077487 WO2014143342A1 (en) 2013-03-14 2013-12-23 Hcv ns3 recombinant antigens and mutants thereof for improved antibody detection

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016512241A true JP2016512241A (ja) 2016-04-25

Family

ID=51528693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016500143A Pending JP2016512241A (ja) 2013-03-14 2013-12-23 改良された抗体検出のためのhcvns3組換え抗原およびこの突然変異体

Country Status (8)

Country Link
US (2) US9790478B2 (ja)
EP (1) EP2970947A4 (ja)
JP (1) JP2016512241A (ja)
CN (1) CN105209616A (ja)
BR (1) BR112015023355A8 (ja)
CA (1) CA2906407A1 (ja)
MX (1) MX2015012824A (ja)
WO (1) WO2014143342A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020503254A (ja) * 2016-10-28 2020-01-30 テクニスチェ ユニベルシタト ドレスデン 治療活性ペイロードの標的化送達のための送達システム

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT2783216T (pt) 2011-11-21 2018-12-19 Abay Sa Imunoensaios de amplificação de sinal
BR112015023239A8 (pt) 2013-03-14 2018-04-17 Abbott Lab ensaio de combinação de anticorpo-antígeno de hcv e métodos e composições para uso do mesmo
CA2906417C (en) 2013-03-14 2022-06-21 Robert Ziemann Hcv core lipid binding domain monoclonal antibodies
TWI691716B (zh) 2014-08-13 2020-04-21 美商艾巴希斯公司 電漿特異性結合搭配物檢定中之信號放大
JP6821562B2 (ja) * 2014-10-29 2021-01-27 アボット・ラボラトリーズAbbott Laboratories Ns3捕捉ペプチドを使用して対象の抗hcv抗体を検出するアッセイ
EP3331818A4 (en) 2015-08-04 2019-01-23 Abaxis, Inc. SIGNAL AMPLIFICATION IN PLASMONIC DOSAGES IN SOLUTION OF SPECIFIC BINDING PARTNER
CN105254724B (zh) * 2015-12-01 2018-09-28 山东莱博生物科技有限公司 截短型丙型肝炎病毒hcv ns3抗原及其制备与应用
KR101784455B1 (ko) 2015-12-04 2017-10-11 주식회사 바이오노트 C형 간염 바이러스의 친수성 단편을 포함하는 융합 폴리펩티드, 그를 포함하는 c형 간염 바이러스 감염을 진단하기 위한 조성물, 키트, 및 방법
US11236153B2 (en) * 2016-09-23 2022-02-01 Emory University Compositions and methods for identifying and sorting antigen-specific B cells
CN110892250A (zh) * 2017-01-30 2020-03-17 爱贝斯股份有限公司 基于溶液的等离子体振子特异性结合配偶体测定和金属纳米结构
JP2022518488A (ja) * 2019-01-25 2022-03-15 センティ バイオサイエンシズ インコーポレイテッド タンパク質機能を制御するための融合構築物
CN112225783B (zh) * 2020-09-16 2021-08-31 东莞市朋志生物科技有限公司 Hcv重组抗原及其突变体

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08127592A (ja) * 1994-08-12 1996-05-21 Boehringer Mannheim Gmbh C型肝炎ウイルスのns3領域からの組換え抗原
JP2001515701A (ja) * 1997-08-14 2001-09-25 バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド C型肝炎ウイルスヘリカーゼまたはヘリカーゼ結合ポケットを含むそのフラグメントの結晶

Family Cites Families (187)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4425437A (en) 1979-11-05 1984-01-10 Genentech, Inc. Microbial polypeptide expression vehicle
US4431739A (en) 1979-11-05 1984-02-14 Genentech, Inc. Transformant bacterial culture capable of expressing heterologous protein
US4338397A (en) 1980-04-11 1982-07-06 President And Fellows Of Harvard College Mature protein synthesis
US4554101A (en) 1981-01-09 1985-11-19 New York Blood Center, Inc. Identification and preparation of epitopes on antigens and allergens on the basis of hydrophilicity
US4383817A (en) 1982-02-11 1983-05-17 E. I. Du Pont De Nemours And Company Spinneret plate
ATE37983T1 (de) 1982-04-22 1988-11-15 Ici Plc Mittel mit verzoegerter freigabe.
GB8308235D0 (en) 1983-03-25 1983-05-05 Celltech Ltd Polypeptides
US5807715A (en) 1984-08-27 1998-09-15 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Methods and transformed mammalian lymphocyte cells for producing functional antigen-binding protein including chimeric immunoglobulin
CA1341423C (en) 1984-10-31 2003-03-04 Paul A. Luciw Recombinant proteins of viruses associated with lymphadenopathy syndrome and/or acquired immune deficiency syndrome
US5128326A (en) 1984-12-06 1992-07-07 Biomatrix, Inc. Drug delivery systems based on hyaluronans derivatives thereof and their salts and methods of producing same
US6492107B1 (en) 1986-11-20 2002-12-10 Stuart Kauffman Process for obtaining DNA, RNA, peptides, polypeptides, or protein, by recombinant DNA technique
GB2183661B (en) 1985-03-30 1989-06-28 Marc Ballivet Method for obtaining dna, rna, peptides, polypeptides or proteins by means of a dna recombinant technique
US5618920A (en) 1985-11-01 1997-04-08 Xoma Corporation Modular assembly of antibody genes, antibodies prepared thereby and use
DE3600905A1 (de) 1986-01-15 1987-07-16 Ant Nachrichtentech Verfahren zum dekodieren von binaersignalen sowie viterbi-dekoder und anwendungen
US5225539A (en) 1986-03-27 1993-07-06 Medical Research Council Recombinant altered antibodies and methods of making altered antibodies
GB8607679D0 (en) 1986-03-27 1986-04-30 Winter G P Recombinant dna product
US4946778A (en) 1987-09-21 1990-08-07 Genex Corporation Single polypeptide chain binding molecules
ES2063735T3 (es) 1986-10-22 1995-01-16 Abbott Lab Sales de acridinio quimioluminiscentes.
WO1988007089A1 (en) 1987-03-18 1988-09-22 Medical Research Council Altered antibodies
US5258498A (en) 1987-05-21 1993-11-02 Creative Biomolecules, Inc. Polypeptide linkers for production of biosynthetic proteins
US4880078A (en) 1987-06-29 1989-11-14 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Exhaust muffler
US5350671A (en) 1987-11-18 1994-09-27 Chiron Corporation HCV immunoassays employing C domain antigens
US5006309A (en) 1988-04-22 1991-04-09 Abbott Laboratories Immunoassay device with liquid transfer between wells by washing
US5089424A (en) 1988-06-14 1992-02-18 Abbott Laboratories Method and apparatus for heterogeneous chemiluminescence assay
DE3990927D2 (en) 1988-08-08 1991-06-06 Iffiu Michael Attila Klappbares sesselrad mit stromlinienfoermiger, in drei geteilter und faltbarer verkleidung
US5223409A (en) 1988-09-02 1993-06-29 Protein Engineering Corp. Directed evolution of novel binding proteins
US5241070A (en) 1988-09-26 1993-08-31 Ciba Corning Diagnostics Corp. Nucleophilic polysubstituted aryl acridinium esters and uses thereof
SE462454B (sv) 1988-11-10 1990-06-25 Pharmacia Ab Maetyta foer anvaendning i biosensorer
JP2919890B2 (ja) 1988-11-11 1999-07-19 メディカル リサーチ カウンスル 単一ドメインリガンド、そのリガンドからなる受容体、その製造方法、ならびにそのリガンドおよび受容体の使用
GB8826530D0 (en) 1988-11-12 1988-12-14 Ped Capacitors Ltd Electrical capacitors
US5063081A (en) 1988-11-14 1991-11-05 I-Stat Corporation Method of manufacturing a plurality of uniform microfabricated sensing devices having an immobilized ligand receptor
US5530101A (en) 1988-12-28 1996-06-25 Protein Design Labs, Inc. Humanized immunoglobulins
CA2016842A1 (en) 1989-05-16 1990-11-16 Richard A. Lerner Method for tapping the immunological repertoire
AU652539B2 (en) 1989-05-16 1994-09-01 Medical Research Council Co-expression of heteromeric receptors
CA2016841C (en) 1989-05-16 1999-09-21 William D. Huse A method for producing polymers having a preselected activity
US5399346A (en) 1989-06-14 1995-03-21 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Gene therapy
WO1991005548A1 (en) 1989-10-10 1991-05-02 Pitman-Moore, Inc. Sustained release composition for macromolecular proteins
JP2571874B2 (ja) 1989-11-06 1997-01-16 アルカーメス コントロールド セラピューティクス,インコーポレイテッド タンパク質マイクロスフェア組成物
GB8928874D0 (en) 1989-12-21 1990-02-28 Celltech Ltd Humanised antibodies
FR2656431B1 (fr) 1989-12-22 1994-06-10 Essilor Int Procede et solution pour decontaminer une lentille souple, en particulier du type hydrophile.
US5780225A (en) 1990-01-12 1998-07-14 Stratagene Method for generating libaries of antibody genes comprising amplification of diverse antibody DNAs and methods for using these libraries for the production of diverse antigen combining molecules
DE69133566T2 (de) 1990-01-12 2007-12-06 Amgen Fremont Inc. Bildung von xenogenen Antikörpern
US6075181A (en) 1990-01-12 2000-06-13 Abgenix, Inc. Human antibodies derived from immunized xenomice
US6194140B1 (en) * 1990-04-04 2001-02-27 Chiron Corporation HCV NS3 protein fragments having helicase activity and improved solubility
US5427908A (en) 1990-05-01 1995-06-27 Affymax Technologies N.V. Recombinant library screening methods
ATE185601T1 (de) 1990-07-10 1999-10-15 Cambridge Antibody Tech Verfahren zur herstellung von spezifischen bindungspaargliedern
GB9015198D0 (en) 1990-07-10 1990-08-29 Brien Caroline J O Binding substance
WO1992002551A1 (en) 1990-08-02 1992-02-20 B.R. Centre Limited Methods for the production of proteins with a desired function
US5135875A (en) 1990-08-15 1992-08-04 Abbott Laboratories Protein precipitation reagent
CA2048302A1 (en) 1990-08-15 1992-02-16 Victoria P. Meucci Solubilization reagent for biological test samples
CA2089362C (en) 1990-08-24 2000-11-21 William D. Huse Methods of synthesizing oligonucleotides with random codons
US6172189B1 (en) 1990-08-24 2001-01-09 Abbott Laboratories Hepatitis C assay utilizing recombinant antigens
US5698426A (en) 1990-09-28 1997-12-16 Ixsys, Incorporated Surface expression libraries of heteromeric receptors
US5753430A (en) 1990-11-07 1998-05-19 Abbott Laboratories Monoclonal antibodies to hepatitis C virus and method for using same
WO1992009690A2 (en) 1990-12-03 1992-06-11 Genentech, Inc. Enrichment method for variant proteins with altered binding properties
NZ241119A (en) 1990-12-20 1993-06-25 Ixsys Inc Manipulating nucleic acid to optimize the binding characteristics of the encoded binding protein
DE69233697T2 (de) 1991-03-01 2008-01-24 Dyax Corp., Cambridge Verfahren zur Entwicklung von bindenden Mikroproteinen
DK1471142T3 (da) 1991-04-10 2009-03-09 Scripps Research Inst Heterodimere receptor-biblioteker under anvendelse af fagemider
ES2181673T3 (es) 1991-05-01 2003-03-01 Jackson H M Found Military Med Procedimiento de tratamiento de las enfermedades respiratorias infecciosas.
EP0519596B1 (en) 1991-05-17 2005-02-23 Merck & Co. Inc. A method for reducing the immunogenicity of antibody variable domains
CA2069530A1 (en) 1991-06-03 1992-12-04 Cass J. Grandone Reagent pack for immunoassays
JPH07503124A (ja) 1991-06-14 1995-04-06 ゾーマ・コーポレーション 微生物によって生産される抗体断片とそれらの複合体
RU2148587C1 (ru) 1991-06-24 2000-05-10 Чирон Корпорейшн Полипептид и способ его получения, реагент для иммуноанализа, способ определения присутствия антител и способ индукции иммунного ответа
DE4122599C2 (de) 1991-07-08 1993-11-11 Deutsches Krebsforsch Phagemid zum Screenen von Antikörpern
DK0605522T3 (da) 1991-09-23 2000-01-17 Medical Res Council Fremgangsmåde til fremstilling af humaniserede antistoffer
US5565332A (en) 1991-09-23 1996-10-15 Medical Research Council Production of chimeric antibodies - a combinatorial approach
ATE463573T1 (de) 1991-12-02 2010-04-15 Medimmune Ltd Herstellung von autoantikörpern auf phagenoberflächen ausgehend von antikörpersegmentbibliotheken
CA2103887C (en) 1991-12-13 2005-08-30 Gary M. Studnicka Methods and materials for preparation of modified antibody variable domains and therapeutic uses thereof
US5714350A (en) 1992-03-09 1998-02-03 Protein Design Labs, Inc. Increasing antibody affinity by altering glycosylation in the immunoglobulin variable region
US5912015A (en) 1992-03-12 1999-06-15 Alkermes Controlled Therapeutics, Inc. Modulated release from biocompatible polymers
US5733743A (en) 1992-03-24 1998-03-31 Cambridge Antibody Technology Limited Methods for producing members of specific binding pairs
US5352803A (en) 1992-03-30 1994-10-04 Abbott Laboratories 5(6)-methyl substituted fluorescein derivatives
CA2131727A1 (en) 1992-03-30 1993-10-14 Diana E. Clarisse Reagents and methods for the detection and quantification of thyroxine in fluid samples
US5912120A (en) 1992-04-09 1999-06-15 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services, Cloning, expression and diagnosis of human cytochrome P450 2C19: the principal determinant of s-mephenytoin metabolism
UA39944C2 (uk) 1992-07-07 2001-07-16 Чірон Корпорейшн Спосіб визначення ранньої сероконверсії у ссавця-хазяїна до вірусу гепатиту с і набір для використання в способі
ES2301158T3 (es) 1992-07-24 2008-06-16 Amgen Fremont Inc. Produccion de anticuerpos xenogenicos.
US5639641A (en) 1992-09-09 1997-06-17 Immunogen Inc. Resurfacing of rodent antibodies
US5934272A (en) 1993-01-29 1999-08-10 Aradigm Corporation Device and method of creating aerosolized mist of respiratory drug
AU6132994A (en) 1993-02-02 1994-08-29 Scripps Research Institute, The Methods for producing antibody libraries using universal or randomized immunoglobulin light chains
DE69432475T2 (de) 1993-11-04 2004-03-04 Innogenetics N.V. Von menschlichen t-zellen immunodominante epiropen des virus der c-hepatitis
US5565352A (en) 1993-11-24 1996-10-15 Arch Development Corporation Deubiquitinating enzyme: compositions and methods
WO1995015982A2 (en) 1993-12-08 1995-06-15 Genzyme Corporation Process for generating specific antibodies
ATE300610T1 (de) 1994-01-31 2005-08-15 Univ Boston Bibliotheken aus polyklonalen antikörpern
US5516637A (en) 1994-06-10 1996-05-14 Dade International Inc. Method involving display of protein binding pairs on the surface of bacterial pili and bacteriophage
JPH10511957A (ja) 1995-01-05 1998-11-17 ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ ミシガン 表面改質ナノ微粒子並びにその製造及び使用方法
US6130364A (en) 1995-03-29 2000-10-10 Abgenix, Inc. Production of antibodies using Cre-mediated site-specific recombination
US6091001A (en) 1995-03-29 2000-07-18 Abgenix, Inc. Production of antibodies using Cre-mediated site-specific recombination
US5641870A (en) 1995-04-20 1997-06-24 Genentech, Inc. Low pH hydrophobic interaction chromatography for antibody purification
US5705330A (en) 1995-04-14 1998-01-06 Abbott Laboratories Chemiluminescent immunoassay for antibody detection
US6019968A (en) 1995-04-14 2000-02-01 Inhale Therapeutic Systems, Inc. Dispersible antibody compositions and methods for their preparation and use
EP0826034A4 (en) 1995-04-21 2002-06-19 Cell Genesys Inc PRODUCTION OF LARGE GENOMIC DNA DELETIONS
EP0822830B1 (en) 1995-04-27 2008-04-02 Amgen Fremont Inc. Human anti-IL-8 antibodies, derived from immunized xenomice
AU2466895A (en) 1995-04-28 1996-11-18 Abgenix, Inc. Human antibodies derived from immunized xenomice
AU710347B2 (en) 1995-08-31 1999-09-16 Alkermes Controlled Therapeutics, Inc. Composition for sustained release of an agent
US6331431B1 (en) 1995-11-28 2001-12-18 Ixsys, Inc. Vacuum device and method for isolating periplasmic fraction from cells
JP2978435B2 (ja) 1996-01-24 1999-11-15 チッソ株式会社 アクリロキシプロピルシランの製造方法
WO1997029131A1 (en) 1996-02-09 1997-08-14 Basf Aktiengesellschaft HUMAN ANTIBODIES THAT BIND HUMAN TNF$g(a)
DK0885002T3 (da) 1996-03-04 2011-08-22 Penn State Res Found Materialer og fremgangsmåder til forøgelse af cellulær internalisering
US5714352A (en) 1996-03-20 1998-02-03 Xenotech Incorporated Directed switch-mediated DNA recombination
US5874064A (en) 1996-05-24 1999-02-23 Massachusetts Institute Of Technology Aerodynamically light particles for pulmonary drug delivery
US5855913A (en) 1997-01-16 1999-01-05 Massachusetts Instite Of Technology Particles incorporating surfactants for pulmonary drug delivery
US5985309A (en) 1996-05-24 1999-11-16 Massachusetts Institute Of Technology Preparation of particles for inhalation
US6699658B1 (en) 1996-05-31 2004-03-02 Board Of Trustees Of The University Of Illinois Yeast cell surface display of proteins and uses thereof
US7285418B2 (en) 1996-06-25 2007-10-23 Hytest Ltd. Method and kit for the diagnosis of troponin I
US5795784A (en) 1996-09-19 1998-08-18 Abbott Laboratories Method of performing a process for determining an item of interest in a sample
US5856194A (en) 1996-09-19 1999-01-05 Abbott Laboratories Method for determination of item of interest in a sample
US5916771A (en) 1996-10-11 1999-06-29 Abgenix, Inc. Production of a multimeric protein by cell fusion method
CA2722378C (en) 1996-12-03 2015-02-03 Amgen Fremont Inc. Human antibodies that bind tnf.alpha.
ES2236832T3 (es) 1997-01-16 2005-07-16 Massachusetts Institute Of Technology Preparacion de particulas para inhalacion.
KR100566859B1 (ko) 1997-01-21 2006-04-03 제너럴 하스피톨 코포레이션 Rna-단백질 융합물을 이용한 단백질의 선별
ES2215295T3 (es) 1997-02-21 2004-10-01 Genentech, Inc. Conjugados de polimeros y fragmentos de anticuerpo.
US6235883B1 (en) 1997-05-05 2001-05-22 Abgenix, Inc. Human monoclonal antibodies to epidermal growth factor receptor
NZ516848A (en) 1997-06-20 2004-03-26 Ciphergen Biosystems Inc Retentate chromatography apparatus with applications in biology and medicine
WO1999006834A2 (en) 1997-08-04 1999-02-11 Ixsys, Incorporated Methods for identifying ligand specific binding molecules
US6846905B2 (en) 1997-08-15 2005-01-25 Abbott Laboratories Antigen constructs useful in the detection and differentiation of antibodies to HIV
US5989463A (en) 1997-09-24 1999-11-23 Alkermes Controlled Therapeutics, Inc. Methods for fabricating polymer-based controlled release devices
SE512663C2 (sv) 1997-10-23 2000-04-17 Biogram Ab Inkapslingsförfarande för aktiv substans i en bionedbrytbar polymer
US6194222B1 (en) 1998-01-05 2001-02-27 Biosite Diagnostics, Inc. Methods for monitoring the status of assays and immunoassays
AU2978899A (en) 1998-03-03 1999-09-20 Abgenix, Inc. Cd147 binding molecules as therapeutics
IL138668A0 (en) 1998-04-03 2001-10-31 Phylos Inc Addressable protein arrays
US20020029391A1 (en) 1998-04-15 2002-03-07 Claude Geoffrey Davis Epitope-driven human antibody production and gene expression profiling
EP2261229A3 (en) 1998-04-20 2011-03-23 GlycArt Biotechnology AG Glycosylation engineering of antibodies for improving antibody-dependent cellular cytotoxicity
FR2779526A1 (fr) 1998-06-09 1999-12-10 Pasteur Sanofi Diagnostics Nouveau procede de dosage de la troponine i cardiaque
GB2339018B (en) 1998-06-22 2003-07-30 Ortho Clinical Diagnostics Specific binding assays using methyl orange
AU747231B2 (en) 1998-06-24 2002-05-09 Alkermes, Inc. Large porous particles emitted from an inhaler
US6406921B1 (en) 1998-07-14 2002-06-18 Zyomyx, Incorporated Protein arrays for high-throughput screening
US6623921B2 (en) 1998-07-30 2003-09-23 Advanced Life Science Institute, Inc. Method for measurement of hepatitis C virus
EP1020727B1 (en) 1998-07-30 2008-10-29 Advanced Life Science Institute, Inc. Method for assaying hepatitis c virus
US20020142374A1 (en) 1998-08-17 2002-10-03 Michael Gallo Generation of modified molecules with increased serum half-lives
NZ512553A (en) 1998-12-23 2004-02-27 Pfizer Human monoclonal antibodies to cytotoxic T lymphocyte antigen 4 (CTLA-4)
AU4025300A (en) 1999-03-24 2000-10-09 Packard Bioscience Company Continuous porous matrix arrays
AU3267600A (en) 1999-03-24 2000-10-09 Lakefield Research Limited Purification of cobalt solutions containing iron and manganese with oxidation mixture of s02 and oxygen
TR200503572T2 (tr) 1999-03-25 2006-04-21 Knoll Gmbh & Co. Kg. Beşeri IL-12'yi bağlayan beşeri antikorlar ve bunları üretmek için yöntemler.
US6914128B1 (en) 1999-03-25 2005-07-05 Abbott Gmbh & Co. Kg Human antibodies that bind human IL-12 and methods for producing
EP2270148A3 (en) 1999-04-09 2011-06-08 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Method for controlling the activity of immunologically functional molecule
US20020037868A1 (en) 1999-04-14 2002-03-28 Institut Pasteur Method for detecting hepatitis C
EP1200109A4 (en) * 1999-07-19 2005-06-15 Epimmune Inc USE OF PEPTIDE NUCLEIC ACID COMPOUNDS TO TRIGGER CELLULAR IMMUNE RESPONSES TO HEPATITIS C
PT1295126E (pt) 1999-07-28 2007-03-30 Novartis Vaccines & Diagnostic Sistemas de detecção por ensaio imunológico de antigénios do vírus da hepatite c
RU2002109480A (ru) * 1999-10-27 2004-03-10 Иннодженетикс Н.В. (BE) Редокс-обратимые HCV белки с конформацией, подобной нативной
US6986892B1 (en) * 1999-11-24 2006-01-17 Chiron Corporation Immunogenic Hepatitis C virus non-structural polypeptides
DE60036881T2 (de) * 1999-11-24 2008-07-10 Novartis Vaccines and Diagnostics, Inc., Emeryville Neues nichtstrukturelles hcv-polypeptid
US7462354B2 (en) * 1999-12-28 2008-12-09 Pharmexa Inc. Method and system for optimizing minigenes and peptides encoded thereby
EP1278778A2 (en) 2000-05-03 2003-01-29 Amgen Inc., Modified peptides, comprising an fc domain, as therapeutic agents
CN1214244C (zh) 2000-06-15 2005-08-10 希龙公司 免疫测定固相支持物、其试剂盒 、制备以及用途
ATE440959T1 (de) 2000-06-28 2009-09-15 Glycofi Inc Verfahren für die herstellung modifizierter glykoproteine
US7449308B2 (en) 2000-06-28 2008-11-11 Glycofi, Inc. Combinatorial DNA library for producing modified N-glycans in lower eukaryotes
EP1345968A2 (en) 2000-12-28 2003-09-24 Altus Biologics Inc. Crystals of whole antibodies and fragments thereof and methods for making and using them
WO2003002749A2 (en) 2001-06-26 2003-01-09 Abbott Laboratories Methods for the simultaneous detection of hcv antigens and hcv antibodies
US7101683B2 (en) 2001-06-26 2006-09-05 Abbott Laboratories Methods for the simultaneous detection of HCV antigens and HCV antibodies
WO2003016466A2 (en) 2001-08-17 2003-02-27 Eli Lilly And Company ANTI-Aβ ANTIBODIES
ATE434040T1 (de) 2001-10-01 2009-07-15 Dyax Corp Mehrkettige eukaryontische display-vektoren und deren verwendungen
HUP0600342A3 (en) 2001-10-25 2011-03-28 Genentech Inc Glycoprotein compositions
US7049060B2 (en) 2001-11-05 2006-05-23 Ortho-Clinical Diagnostics, Inc. HCV anti-core monoclonal antibodies
US20030108563A1 (en) 2001-11-07 2003-06-12 Chander Bahl Reagents for the simultaneous detection of HCV core antigens and antibodies
US7419821B2 (en) 2002-03-05 2008-09-02 I-Stat Corporation Apparatus and methods for analyte measurement and immunoassay
WO2003086458A1 (en) 2002-04-12 2003-10-23 Medimmune, Inc. Recombinant anti-interleukin-9 antibodies
FR2839555B1 (fr) 2002-05-10 2007-07-27 Bio Rad Pasteur Procede de detection simultanee d'un antigene et d'un anticorps d'un microorganisme infectieux
US20040018577A1 (en) 2002-07-29 2004-01-29 Emerson Campbell John Lewis Multiple hybrid immunoassay
US8193318B2 (en) 2002-08-14 2012-06-05 Macrogenics, Inc. FcγRIIB specific antibodies and methods of use thereof
US20040152070A1 (en) 2003-02-04 2004-08-05 Shah Dinesh O. Method of detection of HCV antibodies in combination assay or sole antibody assay
EP1626993B1 (en) 2003-05-09 2015-03-11 Duke University Cd20-specific antibodies and methods of employing same
WO2005010049A2 (en) 2003-07-09 2005-02-03 Eli Lilly And Company Tgf-beta1 ligands
WO2005035575A2 (en) 2003-08-22 2005-04-21 Medimmune, Inc. Humanization of antibodies
US7723099B2 (en) 2003-09-10 2010-05-25 Abbott Point Of Care Inc. Immunoassay device with immuno-reference electrode
US7682833B2 (en) 2003-09-10 2010-03-23 Abbott Point Of Care Inc. Immunoassay device with improved sample closure
EP3476861A1 (en) 2004-01-07 2019-05-01 Novartis Vaccines and Diagnostics, Inc. M-csf-specific monoclonal antibody and uses thereof
AU2005233387B2 (en) 2004-04-15 2011-05-26 Glycofi, Inc. Production of galactosylated glycoproteins in lower eukaryotes
US7521542B2 (en) 2004-05-10 2009-04-21 Macrogenics, Inc. Humanized FcγRIIB-specific antibodies and methods of use thereof
US20060018897A1 (en) 2004-06-28 2006-01-26 Transtarget Inc. Bispecific antibodies
US7871625B2 (en) 2004-08-27 2011-01-18 Novartis Vaccines And Diagnostics, Inc. HCV multiple epitope fusion antigens with modified proteolytic cleavage sites and uses thereof
US7612181B2 (en) 2005-08-19 2009-11-03 Abbott Laboratories Dual variable domain immunoglobulin and uses thereof
US7883855B2 (en) 2006-07-21 2011-02-08 Abbott Laboratories Immunosuppressant drug extraction reagent for immunoassays
US8865398B2 (en) 2006-09-01 2014-10-21 Abbott Laboratories Combination hepatitis C virus antigen and antibody detection method
PL2073842T3 (pl) 2006-09-10 2015-06-30 Glycotope Gmbh Zastosowanie ludzkich komórek pochodzących z białaczki szpikowej do ekspresji przeciwciał
WO2008051762A2 (en) 2006-10-26 2008-05-02 Abbott Laboratories Immunoassay of analytes in samples containing endogenous anti-analyte antibodies
US7858752B2 (en) 2006-12-05 2010-12-28 Abbott Laboratories Recombinant antibodies against hepatitis C virus and methods of obtaining and using same
EP2144935A2 (en) 2007-03-29 2010-01-20 Technion Research & Development Foundation Ltd. Antibodies, methods and kits for diagnosing and treating melanoma
US7906293B2 (en) 2007-04-09 2011-03-15 Abbott Laboratories Acridinium phenyl esters useful in the analysis of biological
EP2014302A1 (en) 2007-07-12 2009-01-14 Institut Curie An antibody specific for the Tn antigen for the treatment of cancer
CN102245773B (zh) 2008-11-03 2014-08-27 阿莱斯亚生物疗法股份有限公司 特异性地阻滞肿瘤抗原的生物活性的抗体
US8030026B2 (en) 2009-02-24 2011-10-04 Abbott Laboratories Antibodies to troponin I and methods of use thereof
CN102378914B (zh) 2009-03-30 2014-12-10 生物梅里埃公司 用于hcv检测的固体支持物
US20100297607A1 (en) 2009-05-20 2010-11-25 Jian Zheng Reagents For HCV Antigen-Antibody Combination Assays
US9551714B2 (en) 2010-06-25 2017-01-24 Abbott Laboratories Materials and methods for assay of anti-hepatitis C virus (HCV) antibodies
US20120009196A1 (en) 2010-07-08 2012-01-12 Abbott Laboratories Monoclonal antibodies against hepatitis c virus core protein
BR112015023239A8 (pt) 2013-03-14 2018-04-17 Abbott Lab ensaio de combinação de anticorpo-antígeno de hcv e métodos e composições para uso do mesmo
CA2906417C (en) 2013-03-14 2022-06-21 Robert Ziemann Hcv core lipid binding domain monoclonal antibodies

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08127592A (ja) * 1994-08-12 1996-05-21 Boehringer Mannheim Gmbh C型肝炎ウイルスのns3領域からの組換え抗原
JP2001515701A (ja) * 1997-08-14 2001-09-25 バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド C型肝炎ウイルスヘリカーゼまたはヘリカーゼ結合ポケットを含むそのフラグメントの結晶

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020503254A (ja) * 2016-10-28 2020-01-30 テクニスチェ ユニベルシタト ドレスデン 治療活性ペイロードの標的化送達のための送達システム
JP7090343B2 (ja) 2016-10-28 2022-06-24 テクニスチェ ユニベルシタト ドレスデン 治療活性ペイロードの標的化送達のための送達システム

Also Published As

Publication number Publication date
EP2970947A1 (en) 2016-01-20
BR112015023355A8 (pt) 2018-01-30
EP2970947A4 (en) 2016-10-12
US20170327803A1 (en) 2017-11-16
MX2015012824A (es) 2016-06-24
CN105209616A (zh) 2015-12-30
US20140272932A1 (en) 2014-09-18
BR112015023355A2 (pt) 2017-11-21
WO2014143342A9 (en) 2017-05-18
WO2014143342A1 (en) 2014-09-18
US9790478B2 (en) 2017-10-17
CA2906407A1 (en) 2014-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170327803A1 (en) Hcv ns3 recombinant antigens and mutants thereof for improved antibody detection
US9841427B2 (en) HCV antigen-antibody combination assay and methods and compositions for use therein
HUT70473A (en) Immunoassays for anti-hcv antibodies using antigens with conformational epitopes
US11340230B2 (en) Subject anti-HCV antibody detection assays employing NS3 capture peptides
US9551714B2 (en) Materials and methods for assay of anti-hepatitis C virus (HCV) antibodies
JP2010048830A (ja) C型肝炎ウイルス抗原免疫アッセイ検出システム
JP2018513390A (ja) Hcv ns4a/改変されたns3ポリペプチド及びその使用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180618

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181120