JP2003066047A - 免疫反応測定方法及びそれに用いる免疫反応測定用試薬 - Google Patents

免疫反応測定方法及びそれに用いる免疫反応測定用試薬

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    • G01N33/54393Improving reaction conditions or stability, e.g. by coating or irradiation of surface, by reduction of non-specific binding, by promotion of specific binding

Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定値の向上に効果があり、抗原過剰領域で
生じる地帯現象の緩和にも効果を示す免疫反応測定方法
及びそれに用いる免疫反応測定用試薬を提供する。 【解決手段】 試料中に含まれる被測定物質である抗原
または抗体を測定する方法であって、トリカルボン酸ま
たはトリカルボン酸の塩、及び被測定物質に対して特異
的に結合する特異結合物質である抗体または抗原を試料
に添加する工程A、並びに工程Aにより構成された、試
料、特異結合物質及びトリカルボン酸またはトリカルボ
ン酸の塩を含む反応系において、被測定物質と特異結合
物質との抗原抗体反応により生じた抗原−抗体複合体を
検出する工程Bを含み、反応系のpHが酸性に設定され
る、免疫反応測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中に含まれる
被測定物質である抗原または抗体を測定することができ
る免疫反応測定方法及びそれに用いる免疫反応測定用試
薬に関する。
【0002】
【従来の技術】医療分野では、様々な疾患の診断および
病状の経過を調べるために、ヒトの体液中に存在する各
疾患に特徴的な蛋白質の含有量を調べることが広く利用
されている。
【0003】これらの蛋白質の含有量測定には、主とし
て、特異性の高い抗原抗体反応を利用した免疫反応測定
方法が広く用いられており、現在では、免疫反応測定方
法にも様々な原理を利用したものが開発され、利用され
ている。
【0004】それらの中でも、比朧法、比濁法、スライ
ド凝集法などの抗原と抗体の反応により生じる凝集複合
体を検出する測定方法はよく知られたものである。これ
らは、溶液中に抗原および抗体が一様に分散された状態
で行うものであるため、均一系の免疫反応測定方法と総
称される。
【0005】これらの反応では、凝集複合体の生成によ
り、反応系は抗原および抗体量に依存した濁りを生じ
る。比朧法、比濁法はこれを光学的に測定する方法であ
り、比朧法は反応系で散乱された光量をもとに、比濁法
は反応系での散乱により減少した透過光量をもとに測定
する方法である。一般的に両方法の測定対象としては、
同一の反応系を用いることができ、いずれか一方で測定
できる対象は残りの一方でも測定することができる。ス
ライド凝集法は凝集複合体の生成により生じた濁りを、
スライドグラス上などで目視などにより判定する方法で
あり、反応系は比朧法、比濁法と同一のものを用いるこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の均一系の免
疫反応測定方法では、抗原抗体反応を促進させ、微量成
分を高感度に測定するために様々な添加剤を用いること
が試みられている。よく知られている例としては、反応
系にポリエチレングリコール、デキストラン、ポリビニ
ルピロリドン、ポリ塩化ビニルなどの水溶性高分子を混
在させ、抗原抗体反応による凝集複合体の形成を促進さ
せ、反応時間および測定感度を向上させる方法が挙げら
れる。これらの水溶性高分子の中でもポリエチレングリ
コールが比較的低濃度でも効果が高いことが知られてお
り、平均分子量が6,000のポリエチレングリコール
を2〜6重量%の濃度で使用する方法が広く用いられて
おり、特に4重量%濃度が、非特異的な混濁が少なく、
効果が高いとされている。
【0007】水溶性高分子の抗原抗体反応に対する促進
効果は一般に分子量が大きく、高濃度であるほど大きい
傾向がある(Automated Immunoana
lysis Part 1,Ritchie編、第67
−112頁(1978)参照)。
【0008】抗原抗体反応の測定を考えた場合、抗原抗
体反応の程度すなわち抗原の濃度に依存した信号強度は
高い程、良好なS/N比を維持することができ、安定し
た測定を行うことができる。しかし、抗原抗体反応の更
なる促進によって、上記効果を得ようとした場合、従来
の水溶性高分子の添加では、より高濃度あるいは、高分
子量の水溶性高分子を添加する必要があるが、水溶性高
分子を溶解した溶液の粘性が増大するため、その分析操
作上の取り扱いが困難になるという問題点があった。
【0009】また、均一系の免疫反応測定方法において
は、地帯現象と呼ばれる現象が一般に知られている。地
帯現象とは、抗原と抗体が最大の凝集複合体を形成する
当量域よりも、いずれかが過剰に存在する場合に、凝集
複合体が生じ難くなる現象のことである。多価抗体と2
価以上の抗原との間の結合反応は、Heidelber
gerらの格子説が有名であり、Fundamenta
l Immunology,William E. P
aul編、(1984)(邦訳 基礎免疫学、多田富雄
監訳、第714−716頁(1987))にその詳細な
記載がある。
【0010】実際の均一系の免疫反応測定においては、
抗体を用いて抗原濃度を測定する場合が多く、また、測
定値についても抗原濃度が低値の場合よりも高値の場合
に重要な意味を持つ場合が多いため、抗原過剰による地
帯現象が問題となる場合が多い。地帯以外の領域では、
抗体と抗原が交互に結合した複合体よりなる巨大な分子
鎖が生じ、その量や大きさは、抗体濃度を一定とする
と、抗原濃度に依存して増加するため、この分子鎖の量
や大きさを光学的な変化量として測定することにより、
抗原濃度を定量的に捉えることができる。また、抗原−
抗体複合体は、抗体および抗原の濃度によっては、溶液
中の濁りや凝集物として肉眼でも十分に確認が可能なも
のとなるため、目視などにより定性的な判定を行うこと
ができる。
【0011】しかしながら、抗原過剰域では抗原が抗体
に比べて過剰に存在するため、結合部位が抗原により飽
和された抗体の量が増加する。このため、先に述べたよ
うな分子鎖が生じ難くなり、反応結果が、抗原が低濃度
の場合と区別がつき難くなる。従って、抗原濃度に依存
した正しい定量や判定が行えず、また、これを回避する
ためには、測定濃度範囲が制限されるという問題点があ
った。
【0012】本発明は上記従来の問題点に鑑み、容易に
測定値の向上が可能な免疫反応測定方法及びそれに用い
る免疫反応測定用試薬を提供することを目的とする。さ
らに、抗原過剰領域で生じる地帯現象を緩和することが
できる免疫反応測定方法及びそれに用いる免疫反応測定
用試薬を提供することも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の免疫反応測定方法は、試料中に含まれる
被測定物質である抗原または抗体を測定する方法であっ
て、トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩、及び前
記被測定物質に対して特異的に結合する特異結合物質で
ある抗体または抗原を前記試料に添加する工程A、並び
に前記工程Aにより構成された、前記試料、前記特異結
合物質及び前記トリカルボン酸またはトリカルボン酸の
塩を含む反応系において、前記被測定物質と前記特異結
合物質との抗原抗体反応により生じた抗原−抗体複合体
を検出する工程Bを含み、かつ前記抗原抗体反応が生じ
るときの前記反応系のpHが酸性に設定されていること
を特徴とする。
【0014】また、本発明の免疫反応測定用試薬は、ト
リカルボン酸またはトリカルボン酸の塩、及び被測定物
質に対して特異的に結合する特異結合物質である抗体ま
たは抗原を含み、前記被測定物質と前記特異結合物質と
の抗原抗体反応が生じるときのpHが酸性になるように
調製されたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、容易に測定値の向上が
可能な免疫反応測定方法及びそれに用いる免疫反応測定
用試薬に関する。また、抗原過剰領域で生じる地帯現象
を緩和することができる免疫反応測定方法及びそれに用
いる免疫反応測定用試薬に関する。
【0016】本発明者らは、抗原抗体反応時に、反応系
にトリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩を付加し、
反応系のpHを酸性に保つことにより、抗原抗体の結合
による免疫反応の測定値を向上させ得ること、また、こ
れにより抗原過剰領域で生じる地帯現象が緩和できるこ
とを見出した。
【0017】本発明の一実施の形態における免疫反応測
定方法は、試料中に含まれる被測定物質である抗原また
は抗体を測定する方法であって、トリカルボン酸または
トリカルボン酸の塩、及び前記被測定物質に対して特異
的に結合する特異結合物質である抗体または抗原を前記
試料に添加する工程A、並びに前記工程Aにより構成さ
れた、前記試料、前記特異結合物質及び前記トリカルボ
ン酸またはトリカルボン酸の塩を含む反応系において、
前記被測定物質と前記特異結合物質との抗原抗体反応に
より生じた抗原−抗体複合体を検出する工程Bを含み、
かつ前記抗原抗体反応が生じるときの前記反応系のpH
が酸性に設定されていることを特徴とする。ここで、反
応系にトリカルボン酸とトリカルボン酸の塩の両方を含
んでいてもよい。また、反応系に含まれるトリカルボン
酸またはトリカルボン酸の塩により緩衝能が与えられ、
反応系のpHが酸性に設定されることが好ましい。この
ようにすると、反応系のpHを酸性に設定するために他
の緩衝剤をさらに添加する必要がなく、かつ上記免疫反
応の測定値向上の効果を効率的に発揮させることがで
き、また、これによる抗原過剰領域で生じる地帯現象の
緩和効果を効率的に発揮させることができる。反応系に
含まれるトリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩によ
り緩衝能が与えられるようにするため、トリカルボン酸
またはトリカルボン酸の塩の濃度が0.01M以上であ
ることが好ましい。また、反応系にさらに緩衝剤を添加
してもよい。
【0018】また、本発明の一実施の形態における免疫
反応測定用試薬は、トリカルボン酸またはトリカルボン
酸の塩、及び被測定物質に対して特異的に結合する特異
結合物質である抗体または抗原を含み、前記被測定物質
と前記特異結合物質との抗原抗体反応が生じるときのp
Hが酸性になるように調製されたことを特徴とする。こ
こで、トリカルボン酸とトリカルボン酸の塩の両方を含
んでいてもよい。また、トリカルボン酸またはトリカル
ボン酸の塩により緩衝能が与えられ、被測定物質と特異
結合物質との抗原抗体反応が生じるときのpHが酸性に
なるように調製されていることが好ましい。また、さら
に緩衝剤を含んでいてもよい。
【0019】本発明の免疫反応測定方法及び免疫反応測
定用試薬で用いられる緩衝剤は、当該分野で公知のもの
を用いることができ、例えば、リン酸二水素一ナトリウ
ム、リン酸水素二ナトリウムなどからなるリン酸系の緩
衝剤、酢酸ナトリウム、カコジル酸ナトリウム、2−
(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、コハク酸などが
挙げられる。この場合、含まれるべき緩衝剤の量は、用
いる緩衝剤の種類、被測定対象物を含む試料(検体)の
量、および反応系に対する被測定物質である抗原または
抗体に対する抗体または抗原の供給方法などに応じて、
本発明の効果が得られるように調整すればよい。
【0020】また、本発明の免疫反応測定方法におい
て、反応系のpHが4〜6に設定されていることが好ま
しい。上記pH範囲では、トリカルボン酸またはトリカ
ルボン酸の塩による免疫反応の測定値向上効果が高くな
り、また、これによる抗原過剰領域で生じる地帯現象の
緩和効果が高くなる。上記効果の観点から、反応系のp
Hが4.5に調整されていることが特に好ましい。
【0021】本発明の免疫反応用試薬において、上記理
由により、抗原抗体反応が生じるときのpHが4〜6に
設定されるように調製されていることが好ましく、pH
が4.5に設定されるように調製されていることがより
好ましい。
【0022】本発明の免疫反応測定方法において、反応
系におけるトリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩の
濃度が0.3M以下であることが好ましい。このように
すると、トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩によ
る、免疫反応の測定値向上効果が高くなり、また、これ
による抗原過剰領域で生じる地帯現象の緩和効果もより
高くなる。反応系におけるトリカルボン酸またはトリカ
ルボン酸の塩の濃度が0.2M以下の場合、それら効果
がより高くなるためより好ましく、0.1M以下の場
合、それら効果がさらに高いため特に好ましい。
【0023】本発明の免疫反応用試薬において、上記理
由により、抗原抗体反応が生じるときのトリカルボン酸
またはトリカルボン酸の塩の濃度が0.3M以下になる
ように調製されていることが好ましく、0.2M以下に
なるように調製されていることがさらに好ましく、0.
1M以下になるように調製されていることが特に好まし
い。
【0024】本発明の免疫反応測定方法及び免疫反応用
試薬で用いられるトリカルボン酸またはトリカルボン酸
の塩としては、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸
及びこれらの塩が挙げられる。これらは、無水クエン
酸、クエン酸一水和物、クエン酸三ナトリウム、クエン
酸三ナトリウム二水和物、クエン酸二水素カリウム、ク
エン酸三カリウム一水和物、クエン酸三アンモニウム、
クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸カルシウム四水
和物、クエン酸マグネシウム九水和物、クエン酸三リチ
ウム四水和物、クエン酸銅(II)2.5水和物、DL
−イソクエン酸三ナトリウム、trans−アコニット
酸、cis−アコニット酸無水物などの形態で市販され
ており、これらを単独または組み合わせて使用すること
ができる。これらの中でも、比較的安価で、室温保存が
可能で、安定性が高いものを入手することができ、使い
易いという観点から、トリカルボン酸またはトリカルボ
ン酸の塩が、クエン酸、クエン酸の塩、アコニット酸、
またはアコニット酸の塩であることが好ましく、さらに
前記アコニット酸がtrans−アコニット酸であるこ
とが好ましい。
【0025】また、本発明の免疫反応測定方法の反応系
及び免疫反応用試薬には、その用途などに応じて、本発
明の効果が得られる範囲で、当該分野で公知である他の
任意の成分が付加され得る。例えば、比朧法、比濁法、
スライド凝集法などの均一系の免疫反応測定法に適用す
る場合には、本発明の免疫反応測定方法の反応系及び免
疫反応用試薬にポリエチレングリコールを付加し得る。
その含有量は、非特異的凝集が少なく、測定感度向上の
効果が高いという観点から、本発明の免疫反応測定方法
においては、反応系に対して2〜6重量%濃度であるこ
とが好ましく、4重量%濃度であることがさらに好まし
い。同様に、本発明の免疫反応用試薬においては、抗原
抗体反応が生じるときの濃度が2〜6重量%であること
が好ましく、4重量%濃度であることがさらに好まし
い。
【0026】また、抗原または抗体の自己凝集による非
特異的混濁を低減するために、本発明の免疫反応測定方
法の反応系及び免疫反応用試薬にトゥイーン20、オク
チルグルコシド、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、
スクロースモノラウレート、CHAPSなどの界面活性
剤を付加し得る。その含有量は、抗原抗体反応の阻害が
少ないという観点から、本発明の免疫反応測定方法にお
いては、反応系に対して0.3%以下であることが好ま
しく、0.1%以下であることがさらに好ましい。同様
に、本発明の免疫反応用試薬においては、その含有量
は、抗原抗体反応が生じるときの濃度が0.3%以下で
あることが好ましく、0.1%以下であることがさらに
好ましい。
【0027】本発明の免疫反応測定方法及び免疫反応測
定用試薬が適用される測定系は特に限定されないが、特
に、抗原過剰領域で生じる地帯現象を有する比朧法、比
濁法、スライド凝集法などの均一系の測定系に対して、
より高い効果が期待できるため好ましい。特に自動測定
機器による測定が普及している比朧法、比濁法に適用し
た場合、抗原過剰領域で生じる地帯現象の判定に要する
工程を削減あるいは簡略化できるため特に好ましい。
【0028】本発明の免疫反応測定方法において、抗原
−抗体複合体が凝集複合体であることが好ましい。ま
た、工程Bにおいて、凝集複合体に起因する光学的変化
量を測定することにより、前記凝集複合体を検出するこ
とが好ましく、光学的変化量が、光散乱強度または透過
光量の変化量であることがさらに好ましい。
【0029】本発明の免疫反応測定方法及び免疫反応測
定用試薬の被測定物質である抗原または抗体は特に限定
されず、一般に抗原抗体反応を利用して測定できる物質
であればいずれでもよく、例えば、蛋白質、核酸、脂
質、細菌、ウィルス、ハプテンなどが挙げられる。この
中で、蛋白質は抗原抗体反応を用いた臨床検査上の主た
る測定対象であるため好ましい。蛋白質として例えば、
LH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモ
ン)、hCG(絨毛性性腺刺激ホルモン)などのホルモ
ンや、各種免疫グロブリンクラスやサブクラス、補体成
分、各種感染症のマーカー、CRP、アルブミン、リウ
マチ因子、血液型抗原などが挙げられる。この中で、被
測定物質がヒトアルブミンまたはヒトC反応性蛋白質
(以下、ヒトCRPと略す)であることが好ましい。
【0030】トリカルボン酸及びトリカルボン酸の塩は
キレート作用を持っており、反応系に存在するCa2+
Fe3+などの二価及び三価の金属イオンを効率的に奪う
性質がある。このため、抗原が、その分子構造内に金属
イオンを保持している場合、前記抗原に対して特異的に
結合する抗体が、前記抗原から前記金属イオンが脱離し
たときに、前記金属イオンを保持していない前記抗原と
も特異的に結合することが好ましい。このようにする
と、抗原が、分子構造内に金属イオンを保持し、前記金
属イオンの脱離により前記分子構造に変化を生じる物質
であっても、測定を行うことができる。
【0031】また、抗原が、その分子構造内に金属イオ
ンを保持し、前記金属イオンの脱離により前記分子構造
に変化を生じる物質である場合、抗原が保持しているも
のと同じ金属イオンを反応系に添加し、反応系において
抗原抗体反応が生じるときに反応系内に上記金属イオン
が存在するようにしてもよい。
【0032】添加する金属イオンの量は、使用するトリ
カルボン酸またはトリカルボン酸の塩のキレート能、そ
の濃度、抗原が持つ金属イオンの保持能などに基づき設
定すればよい。
【0033】分子構造内に金属イオンを保持している抗
原としてはCRPがあり、Ca2+の保持の有無によって
構造変化を生じる。本発明の免疫反応測定方法及び免疫
反応測定用試薬の抗原がヒトCRPである場合であっ
て、Ca2+を未保持のヒトCRPに対して結合しない抗
体を含むヤギ抗ヒトCRPポリクローナル抗体を用い、
トリカルボン酸としてクエン酸を用いたときには、0.
02Mのクエン酸に対して、0.02MのCa2+を反応
系に添加することが好ましい。
【0034】また、抗原が、少なくとも1種類の抗体に
対して複数の結合部位を持つ物質である場合、抗体は前
記抗原の前記複数の結合部位に結合するモノクローナル
抗体であることが好ましい。モノクローナル抗体は、ハ
イブリドーマ細胞株により産生される。ハイブリドーマ
細胞株は、抗体を産生するB細胞と骨髄腫瘍細胞(ミエ
ローマ細胞)を細胞融合することにより得られた抗体産
生能と強い増殖能を併せ持つ融合細胞集団より一つの細
胞のみを分離し、増殖させて確立したものであるため、
これらが産生する抗体の性状は同じである。また、ハイ
ブリドーマ細胞株は増殖能が強く、凍結保存が可能であ
るため、適切な管理をしていれば尽きることがなく、ハ
イブリドーマ細胞株を培養液あるいは腹腔中で培養し、
精製することにより永久に、同じ性状の抗体を得続ける
ことができる。一方ポリクローナル抗体は、動物に抗原
を投与し、血中に抗原に結合する抗体を多量に出現さ
せ、この血液の全部あるいは一部を採取し、精製するこ
とにより得られるため、その性質は動物の個体差、生育
環境、状態などに依存する。このため、同一性状の抗体
を得続けることが困難である。このように、モノクロー
ナル抗体を使用することにより、常に同じ性状の抗体を
使用することが可能となり、試薬としての抗体の供給が
安定し、結果として、免疫反応測定方法及び免疫反応測
定用試薬による免疫反応測定結果の安定化を図ることが
できる。
【0035】本発明の免疫反応測定方法及び免疫反応測
定用試薬に用いられる抗体は特に限定されず、抗原と特
異結合するものであれば、IgG、IgM、IgE、I
gA、IgDのいずれのクラスの抗体であってもよい。
この中で、IgG抗体が非特異的な反応が少なく、ま
た、比較的市販されているものも多く、入手も容易であ
るため好ましい。また、抗体の由来動物種に関しても、
特に限定されないが、ウサギ、ヤギ、マウス由来の抗体
が比較的入手も容易であり、使用例も多いため好まし
い。
【0036】本発明の免疫反応測定方法は、代表的に
は、以下のようにして行うことができる。トリカルボン
酸またはトリカルボン酸の塩を、反応系のpHを酸性
に、好ましくは、pHが4〜6までの間に、より好まし
くはpHが4.5に保たれるように緩衝剤が含まれた緩
衝液に付加する。トリカルボン酸またはトリカルボン酸
の塩の濃度は、抗原抗体反応時の濃度が0.3M以下、
好ましくは0.2M以下、特に好ましくは0.1M以下
の濃度になるように付加する。トリカルボン酸またはト
リカルボン酸の塩が緩衝剤を兼ねていてもよい。被測定
物質である抗原または抗体に対する抗体または抗原を含
有する溶液あるいは試料(検体)のいずれか一方を上記
緩衝液と混合し、続いて残りの一方を混合することによ
り反応系を構成し、その反応系において生じた免疫反応
を測定する。
【0037】トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩
を付加する方法、反応系のpHを酸性に保つために緩衝
剤を付加する方法、及び反応系のpHを調整する方法は
上記に限定されず、例えば、被測定物質である抗原また
は抗体に対する抗体または抗原を含有する溶液中に、あ
らかじめ上記要件を満たすように、トリカルボン酸また
はトリカルボン酸の塩及び緩衝剤を存在させておいても
よい。
【0038】本発明の免疫反応用試薬は、代表的には、
以下のようにして作製し得る。
【0039】被測定物質である抗原または抗体に対する
抗体または抗原と、トリカルボン酸またはトリカルボン
酸の塩とをそれぞれ別に調製する場合は、次のようにな
る。被測定物質である抗原または抗体に対する抗体また
は抗原を含有する溶液は、トリカルボン酸またはトリカ
ルボン酸の塩の効果が得られる限り任意の組成であって
よい。トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩を含む
溶液は、抗原抗体反応時のpHを酸性に保つために必要
な緩衝能を持たせられるように、好ましくはpHが4〜
6までの間に、より好ましくはpHが4.5に保たれる
ように、また、トリカルボン酸またはトリカルボン酸の
塩の抗原抗体反応時の濃度が0.3M以下、好ましくは
0.2M以下、特に好ましくは0.1M以下の濃度にな
るように、緩衝剤及びトリカルボン酸またはトリカルボ
ン酸の塩の濃度を調整し、これらを純水に溶解すること
により作製する。上記要件が満たされていれば、緩衝
剤、トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩は、それ
ぞれ別々の溶液中に存在していてもよい。また、トリカ
ルボン酸またはトリカルボン酸の塩が緩衝剤を兼ねてい
てもよい。
【0040】また、被測定物質である抗原または抗体に
対する抗体または抗原を含有する溶液中に、トリカルボ
ン酸またはトリカルボン酸の塩を存在させておいてもよ
く、その場合は、上記で示した要件を満たすように、調
製したトリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩を含む
溶液で、被測定物質である抗原または抗体に対する抗体
または抗原を含有する溶液を、透析あるいはゲルろ過し
て低分子成分を置換することにより、トリカルボン酸ま
たはトリカルボン酸の塩を含ませるようにすればよい。
【0041】以上説明したように、本発明の免疫反応測
定方法及び免疫反応測定用試薬によれば、免疫反応の反
応系にトリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩を存在
させ、反応系のpHを酸性に設定したことにより、抗原
抗体の結合による免疫反応の測定値を向上させることが
でき、また、これにより抗原過剰領域で生じる地帯現象
を緩和することができる。従来の水溶性高分子を添加す
る方法では、抗原抗体反応の測定において、測定値を向
上させ良好なS/N比を維持し安定した測定を行うため
に、より高濃度あるいは高分子量の水溶性高分子を添加
する必要があり、溶液の粘性を増大させ、その分析操作
上の取り扱いが困難になるという課題があったが、本発
明において用いるトリカルボン酸またはトリカルボン酸
の塩は低分子物質であるため、溶液の粘性を増大させ
ず、その分析操作上の取り扱いも容易となる。
【0042】また、抗原過剰領域で生じる地帯現象を緩
和し、被測定物質の高濃度での測定値の落ち幅を軽減し
たことにより、測定値が高く陽性と判定される領域を広
げることが可能となり、測定濃度範囲を広げることがで
きる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0044】(実施例1)以下で、ヒトアルブミンを被
測定物質とした場合の試薬の構成方法を示す。本実施例
では、スライド凝集法、比濁法及び比朧法による測定に
使用することが可能な、抗体溶液及びトリカルボン酸ま
たはトリカルボン酸の塩を含む緩衝液からなる試薬の調
製方法について述べる。
【0045】以下に示した緩衝液などの調製には、Mi
lli−Q SP TOC(Millipore社製)
でろ過した純水を使用した。また、以下で特に記載の無
い塩、緩衝剤などの試薬は、いずれも和光純薬工業製の
ものを入手し、ポリエチレングリコール6000、tr
ans−アコニット酸は1級試薬を、それ以外のものは
特級試薬を使用した。
【0046】まず、抗体溶液の調製を行った。ウサギ抗
ヒトアルブミンポリクローナル抗体は、ヒトアルブミン
を免疫したウサギより採取した抗血清より、プロテイン
Aカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。カラム
に充填したプロテインA固定化ゲルは、アマシャム・フ
ァルマシア製のものを使用した。精製に用いた平衡化緩
衝液には、1.5Mグリシン、3.0M NaCl、p
H8.9の組成のものを使用し、溶出緩衝液には、0.
1Mクエン酸、pH4.0の組成のものを使用した。精
製は次のようにして行った。カラムに充填したゲル容量
の5倍の平衡化緩衝液を流してカラムを平衡化した後、
カラム全結合容量の10〜20%の抗体を含む抗血清を
平衡化緩衝液で容量を2倍に希釈してカラムに流し、血
清中の抗体をプロテインAに結合させた。続いて、平衡
化緩衝液をプロテインAに吸着しない血清成分がカラム
より出てこなくなるまで流し、カラムを洗浄した。続い
て、カラムに溶出緩衝液を流し、プロテインAに結合し
た抗体を溶出した。溶出した抗体分画を分画分子量1万
の透析チューブに入れ、約100倍容量の0.05M
3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(Doji
n製、以下モプスと略称する)、0.15M NaC
l、0.04重量% NaN3、pH7.4の組成の緩
衝液で数回透析して、緩衝液成分を置換した。続いて、
抗体濃度を280nmの吸光度測定により推定し、透析
で用いたものと同じ緩衝液で調整して抗体濃度を3.0
mg/mlとし、これを抗体溶液とした。抗体濃度は、
特にこれに限定されるものではない。作製した抗体溶液
は室温でも保存することができるが、抗体の変性防止の
点からは、より低温保存が好ましく、4℃で保存するこ
とがより好ましい。
【0047】トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩
を含む緩衝液の調製は次のようにして行った。トリカル
ボン酸またはトリカルボン酸の塩には、クエン酸及びt
rans−アコニット酸を使用し、2種類の緩衝液を構
成した。
【0048】クエン酸を用いた緩衝液の構成方法は次の
ようにした。最終濃度で、クエン酸一水和物を0.05
M、ポリエチレングリコール6000を4重量%になる
ように計量し、調製目的体積の約90%の純水で溶解し
た。これにNaOH水溶液を添加してpHを4.5に調
整し、純水で目的体積に調整した。作製した緩衝液は室
温保存した。
【0049】trans−アコニット酸を用いた緩衝液
の構成方法は次のようにした。最終濃度で、trans
−アコニット酸が0.05M、ポリエチレングリコール
6000を4重量%になるように計量し、調製目的体積
の約90%の純水で溶解した。これにNaOH水溶液を
添加してpHを4.5に調整し、純水で目的体積に調整
した。作製した緩衝液は室温保存した。
【0050】以上のように構成したトリカルボン酸また
はトリカルボン酸の塩を含む緩衝液の少なくとも一方を
抗体溶液と組み合わせることにより、免疫反応用試薬を
構成することができる。
【0051】(実施例2)次に、ヒトCRPを被測定物
質とした場合の試薬の構成方法を示す。ヒトCRPは、
同一の構造を持つ5個のサブユニットからなる構造を持
つため、1種類の抗体に対して複数の結合部位を持つ物
質である。このため、1種類の抗CRPモノクローナル
抗体を使用することによっても、均一系の免疫反応測定
に使用される試薬を構成することができる。モノクロー
ナル抗体の種類は2種類以上であってもよい。
【0052】このため本実施例では、ポリクローナル抗
体溶液とモノクローナル抗体溶液を、それぞれ用いた2
種類の抗体溶液及びトリカルボン酸またはトリカルボン
酸の塩を含む緩衝液からなる試薬を調製した。
【0053】まず、ポリクローナル抗体溶液を用いた試
薬の調製方法を示す。抗体溶液は次のように調製した。
ヤギ抗ヒトCRPポリクローナル抗体は、ヒトCRPを
免疫したヤギより採取した抗血清より、プロテインGカ
ラムクロマトグラフィーを用いて精製した。カラムに充
填したプロテインG固定化ゲルは、アマシャム・ファル
マシア製のものを使用した。精製に用いた平衡化緩衝液
には、0.02M Na2HPO4−NaH2PO4、pH
7.0の組成のものを使用し、溶出緩衝液には、0.1
Mグリシン、pH2.7の組成のものを使用した。カラ
ムクロマトグラフィーによる精製法、透析による緩衝液
の置換方法については、実施例1と同様の方法を用い
た。続いて、抗体濃度を280nmの吸光度測定により
推定し、透析で用いたものと同じ緩衝液で調整して抗体
濃度を1.0mg/mlとし、これを抗体溶液とした。
【0054】ヒトCRPはCa2+の保持の有無によって
構造変化を生じるため、試薬を構成する抗体にCa2+
未保持のヒトCRPに対して結合しない抗体が含まれる
場合、トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩による
キレート作用により、Ca2+を未保持のヒトCRPの増
加により、抗原抗体反応の反応率の低下が生じる可能性
がある。上記で調製した抗体溶液は、ポリクローナル抗
体であるため、Ca2+を未保持のヒトCRPに対して結
合しない抗体が含まれる。そのため、以下に示すトリカ
ルボン酸またはトリカルボン酸の塩を含む緩衝液の調製
では、ヒトCRPの構造を保つため、緩衝液にCa2+
添加した。
【0055】トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩
を含む緩衝液の調製は次のようにして行った。トリカル
ボン酸またはトリカルボン酸の塩には、クエン酸を使用
した。
【0056】クエン酸を用いた緩衝液の構成方法は次の
ようにした。最終濃度で、クエン酸一水和物を0.02
M、CaCl2を0.02M、ポリエチレングリコール
6000を4重量%になるように計量し、調製目的体積
の約90%の純水で溶解した。これにNaOH水溶液を
添加してpHを4.5に調整し、純水で目的体積に調整
した。作製した緩衝液は室温保存した。
【0057】次に、モノクローナル抗体溶液を用いた試
薬の調製方法を示す。モノクローナル抗体には、反応系
へのキレート剤、例えば、0.02Mのエチレンジアミ
ン四酢酸の添加によってもヒトCRPに対する結合能を
喪失しない、すなわち、ヒトCRPからCa2+が脱離し
たときに、Ca2+を保持していないヒトCRPとも特異
的に結合する抗体を用いた。
【0058】抗体溶液は次のように調製した。本実施例
で用いたマウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体は、そ
れを産生するハイブリドーマ細胞(工業技術院生命工学
工業技術研究所受託番号FERM BP−6620号)
をマウス腹腔内に注入し、増殖させることにより得られ
た腹水より、実施例1と同様のカラムクロマトグラフィ
ー法を用いて精製した。
【0059】腹水については、次のようにして得た。腹
水の産生には、リタイアしたメスのBALB/cマウス
を用いた。また、腹腔内に注入したハイブリドーマ細胞
懸濁液は、RPMI1640培地(SIGMA製)に5
〜15体積%のウシ胎児血清を混合した培地を用いた培
養により増殖させたものを、RPMI1640培地で遠
心洗浄し、1×106〜107cells/mlの濃度に
なるようにRPMI1640培地に再懸濁して得た。マ
ウスの腹腔内に0.5〜1mlのプリスタンを注入し、
約7日後に上記細胞懸濁液を0.5〜1ml注入した
後、腹水産生の見られたマウスより順に腹水を採取し
た。
【0060】カラムクロマトグラフィーによる精製を終
えた抗体試料は、分画分子量1万の透析チューブに入
れ、約100倍容量の0.04重量%NaN3を含むP
BS緩衝液(8g/l NaCl、0.2g/l KC
l、1.15g/l Na2HPO4・12H2O、0.
2g/l KH2PO4、pH7.4)で数回透析して、
緩衝液成分を置換した。続いて、抗体濃度を280nm
の吸光度測定により推定し、透析で用いたものと同じ緩
衝液で調整して抗体濃度を1.0mg/mlとし、これ
を抗体溶液とした。
【0061】トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩
を含む緩衝液の調製は次のようにして行った。トリカル
ボン酸またはトリカルボン酸の塩には、クエン酸及びt
rans−アコニット酸を使用し、2種類の緩衝液を構
成した。本実施例の場合、抗体がヒトCRPのCa2+
持の有無による構造変化の影響を受けないため、緩衝液
にはCa2+を添加しなかった。
【0062】クエン酸を用いた緩衝液の構成方法は次の
ようにした。最終濃度で、クエン酸一水和物を0.05
M、ポリエチレングリコール6000を4重量%になる
ように計量し、調製目的体積の約90%の純水で溶解し
た。これにNaOH水溶液を添加してpHを4.5に調
整し、純水で目的体積に調整した。作製した緩衝液は室
温保存した。
【0063】trans−アコニット酸を用いた緩衝液
の構成方法は次のようにした。最終濃度で、trans
−アコニット酸が0.05M、ポリエチレングリコール
6000を4重量%になるように計量し、調製目的体積
の約90%の純水で溶解した。これにNaOH水溶液を
添加してpHを4.5に調整し、純水で目的体積に調整
した。作製した緩衝液は室温保存した。
【0064】なお、上記で作製した各抗体溶液の濃度
は、特にこれらに限定されるものではない。作製した抗
体溶液は室温でも保存することができるが、抗体の変性
防止の点からは、より低温保存が好ましく、4℃で保存
することがより好ましい。
【0065】以上のように構成したトリカルボン酸また
はトリカルボン酸の塩を含む緩衝液の少なくとも一方を
抗体溶液と組み合わせることにより、免疫反応用試薬を
構成することができる。
【0066】実施例1及び2で構成した試薬の使用方法
は、反応系を形成させるために、抗原を含む試料(検
体)、抗体溶液、トリカルボン酸またはトリカルボン酸
の塩を含む緩衝液を混合して使用する。混合方法は任意
の方法によればよい。混合する比率は、必要とする抗原
濃度の測定範囲に応じて決定することができる。混合に
より形成された反応系で生じた抗原と抗体の結合による
免疫反応を測定することにより、検体中の抗原濃度を知
ることができる。
【0067】混合により、緩衝剤、トリカルボン酸また
はトリカルボン酸の塩、ポリエチレングリコール600
0などの添加剤の濃度が初期濃度より希釈されるが、希
釈された濃度と初期濃度との差が10%程度までなら、
得られる測定結果は、初期濃度より予想された測定結果
とは大差がなく多大な影響を受けない。また、希釈によ
る濃度変化を回避するために、混合による希釈を考慮し
て、混合時に試薬中の各物質の濃度が目的濃度になるよ
うに調製することもできる。
【0068】なお、実施例1及び2では示さなかった
が、抗体をラテックス、金コロイド、磁気微粒子などの
微粒子担体に固定化させるか、あるいは、抗体に酵素、
色素、蛍光物質、発光物質などを標識してもよい。
【0069】抗体溶液の緩衝剤成分及びpHは、上記組
成及びpHに限定されず、例えば、一液系の試薬を構成
する場合は、抗体溶液にトリカルボン酸またはトリカル
ボン酸の塩を含ませるため、および反応系のpHを酸性
に維持するために、トリカルボン酸またはトリカルボン
酸の塩を含む酸性緩衝液で透析を行えばよい。
【0070】実施例1及び2では、pH調整にNaOH
を使用したが、KOH、LiOH、NH4OH、Ca
(OH)2、Mg(OH)2などの水酸化物を使用しても
よい。
【0071】また、実施例1及び2では、トリカルボン
酸またはトリカルボン酸の塩を含む緩衝液の調製にクエ
ン酸一水和物およびtrans−アコニット酸を使用し
たが、他のトリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩で
あってもよく、例えば、イソクエン酸、無水クエン酸、
クエン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウム二水和
物、クエン酸二水素カリウム、クエン酸三カリウム一水
和物、クエン酸三アンモニウム、クエン酸水素二アンモ
ニウム、クエン酸カルシウム四水和物、クエン酸マグネ
シウム九水和物、クエン酸三リチウム四水和物、クエン
酸銅(II)2.5水和物、DL−イソクエン酸三ナト
リウム、cis−アコニット酸無水物のいずれかを用い
てもよい。また、これらを組み合わせて使用することも
でき、その場合のpH調整は、純水に溶解時のpHが調
整目的とするpHよりアルカリ側の場合はHClなど
を、酸性側の場合は上記で示した水酸化物などを利用し
て行えばよく、また、上記で例示したトリカルボン酸ま
たはトリカルボン酸の塩の混合比を調整して行ってもよ
い。
【0072】また、実施例1及び2では、トリカルボン
酸またはトリカルボン酸の塩を含む緩衝液の主たる緩衝
能をトリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩によって
付与した場合の作製方法を示したが、試薬に添加される
べき濃度は特に限定されるものではない。また、他の緩
衝剤を利用して試薬に主たる緩衝能を付与するか、ある
いはトリカルボン酸と他の緩衝剤を協調させて緩衝能を
付与してもよい。
【0073】(実施例3)本実施例では、トリカルボン
酸またはトリカルボン酸の塩を含む酸性反応系の抗原抗
体反応に対する効果を、免疫反応測定方法で一般的に使
用されている中性反応系と対比した内容について示す。
対比は、ヒトアルブミンを免疫比朧法により測定して行
った。トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩を含む
酸性反応系を構成するための試薬は、実施例1で構成し
たものを用いた。
【0074】以下、各トリカルボン酸またはトリカルボ
ン酸の塩を含む緩衝液の中で、実施例1で作製したよう
な、クエン酸またはその塩を含み、これらを主たる緩衝
剤として使用している類似の組成の緩衝液をクエン酸緩
衝液、trans−アコニット酸またはその塩を含み、
これらを主たる緩衝剤として使用している類似の組成の
緩衝液をアコニット酸緩衝液と称する。
【0075】また、比較例として、中性反応系を構成す
るための緩衝液の構成にはモプスを使用し、その濃度お
よび緩衝液のpHには一般的によく用いられるものを採
用し、0.05Mモプス、4重量%ポリエチレングリコ
ール6000、pH7.4の組成とした。以下、モプス
緩衝液と称する。抗体溶液は、クエン酸緩衝液、アコニ
ット酸緩衝液のものと共通のものを用いた。
【0076】抗原に用いたヒトアルブミン(和光純薬工
業製)は、0.05Mモプス、pH7.4の組成の緩衝
液に、濃度が0、5、10、30、50、100mg/
dlになるように溶解した。抗体及び試料である抗原溶
液は使用時まで4℃で保存し、各緩衝液は室温で保存し
た。
【0077】測定装置は自作のものを使用し、次のよう
に構成した。光源は270Hzで変調した波長680n
mの出射出力15mW半導体レーザーポインタ(キコー
技研製、型番MLXS−D−12−680−35)と
し、検出器は、可視赤外精密測光用シリコンフォトダイ
オード(浜松フォトニクス製、型番S2387−66
R)とした。セルは厚さ0.1cmの光学ガラス板を張
り合わせ、容量約200μlの正四角柱形に構成した。
各配置は、光源より0.5cmのところに、その一面が
光源と垂直になるようにセルを配置し、検出器は、光源
と90°の角度を成す方向で、セルより5.5cm離れ
た場所に配置し、検出器に迷光が入射しないように、検
出器とセルとの間には遮光筒を設けた。検出器により検
知された光量に依存した電流信号は、電流電圧変換回路
(106V/A)およびオペアンプによる増幅回路を経
て100倍の電圧信号に増幅した後、ロックインアンプ
(エヌエフ回路設計ブロック製、型番5610B)を通
して位相敏感検波し、GPIB制御によりコンピュータ
に取り込めるようにした。
【0078】各緩衝液について、各濃度のヒトアルブミ
ンに対する測定は次のようにして行った。反応系の混合
比は、緩衝液が178μl、ヒトアルブミン溶液が9μ
l、抗体溶液が7μlとした。反応系における抗体およ
びヒトアルブミンの最終濃度は、抗体が約0.11mg
/ml、ヒトアルブミンが、測定に使用したヒトアルブ
ミン溶液の濃度に0.046を乗じたものになる。
【0079】まず、セル内に緩衝液とヒトアルブミン溶
液を上記容量で加えて、攪拌混合し、続いて、抗体溶液
を上記容量で加えて攪拌混合し、抗原抗体反応を生じさ
せた。散乱光の測定は、抗体溶液を加える10秒前から
開始し、0.5秒間隔で300秒間継続した。測定値は
電圧値として得られた。セルの汚れが測定に与える影響
は、各反応の測定前にセル中に純水を入れて測定し、測
定値を補正することにより除いた。得られた各時間にお
ける測定値の200〜300秒の間の平均値を求め、こ
れを各濃度のヒトアルブミン溶液における測定値とし
た。また、抗体溶液を加えるまでの10秒間の測定値よ
り、抗原による自己凝集が生じたと判断できた場合は、
それらの平均値を上記で求めた各濃度のヒトアルブミン
溶液における測定値より差し引いた。測定は室温(約2
0℃)で行った。
【0080】各緩衝液、抗体溶液、各濃度のヒトアルブ
ミン溶液の混合による反応系のpHへの影響を見るため
に、測定終了後、pH計(新電元工業製、商品名pHB
OY−P2)で、混合液のpH測定を行った。
【0081】結果について述べる。各測定に使用した各
緩衝液、抗体溶液、各濃度のヒトアルブミン溶液からな
る混合液のpHは、緩衝液のpHと同一であった。
【0082】図1は各緩衝液について、100mg/d
lまでの各濃度のヒトアルブミン溶液を測定した結果を
プロットしたものである。縦軸は電圧値を表し、横軸は
測定に使用したヒトアルブミン溶液の濃度で示した。測
定電圧値が高い程、検出器に入射した散乱光が多いこと
を表しており、反応系の濁度が高いことを示し、抗原抗
体反応による抗原−抗体複合体が多く形成されたことを
示している。プロットされた各値は、各緩衝液について
得られた各濃度のヒトアルブミン溶液の測定値より、同
じ緩衝液でのヒトアルブミンを含まない場合の測定値
(0mg/dl)を差し引いたものである。
【0083】図1より、比較例であるモプス緩衝液を用
いて抗原抗体反応を測定した場合より、クエン酸緩衝液
及びアコニット酸緩衝液を用いて測定した場合の方が明
らかに高い測定値を示した。また、モプス緩衝液を用い
た場合は、30mg/dl付近をピークとして抗原過剰
領域で生じる地帯現象により、測定値は大きく減少を示
したが、クエン酸緩衝液を用いた場合は、30mg/d
l付近をピークとすることはモプス緩衝液の場合と同じ
であるが、抗原過剰領域で生じる地帯現象による測定値
の減少が抑えられていた。また、アコニット酸緩衝液を
用いた場合は、ピークに到達する濃度が若干変化してい
るように見え、また、抗原過剰領域で生じる地帯現象に
よる測定値の減少がクエン酸緩衝液を用いた場合より
も、さらに抑えられていた。
【0084】以上の結果より、本発明の免疫反応測定方
法により、抗原抗体反応の測定値を向上させ得ることが
確認できた。また、これにより抗原過剰領域で生じる地
帯現象を緩和させ得ることが確認できた。
【0085】また、本発明の免疫反応用試薬により、抗
原抗体反応の測定値を向上させ得ることが確認できた。
また、これにより抗原過剰領域で生じる地帯現象を緩和
させ得ることが確認できた。
【0086】臨床検査では、糖尿病性腎症の早期診断マ
ーカーとして、尿中に排泄される微量なアルブミンが測
定対象となっており、0.1〜20mg/dlの範囲を
定量領域としている測定法及び試薬が多い(新・糖尿病
性腎症 発症予防と進展防止のために、繁田幸雄、海津
嘉蔵 編集、第131頁(1992)参照のこと)。免
疫比朧法による測定及びそれに用いられる試薬を構成す
る、従来の中性緩衝液では、抗原過剰領域で生じる地帯
現象を排除するためには、均一系の免疫反応は一種の平
衡反応であることを利用し、抗体濃度を増すか、あるい
は、希釈などにより、抗原濃度を低下させることにより
解決する必要があるが、本発明の免疫反応測定方法及び
免疫反応用試薬を適用すれば、より低い抗体濃度で、抗
原の希釈を必要としない抗原過剰領域で生じる地帯現象
を排除するヒトアルブミン測定方法および測定用試薬を
提供することが可能である。例えば、本実施例での測定
結果をもとにすると、20mg/dlの測定値以上を陽
性値とする判定領域を設けることにより、従来の中性緩
衝液系での測定に比べて、より広い濃度範囲のヒトアル
ブミンを抗原過剰領域で生じる地帯現象の影響を考える
ことなく測定することができる。
【0087】(実施例4)次に、トリカルボン酸または
トリカルボン酸の塩としてクエン酸及びtrans−ア
コニット酸を用い、抗原抗体反応に対する効果のpH依
存性を、免疫比朧法により調べた内容について述べる。
被測定物質としてはヒトアルブミンを用いた。ヒトアル
ブミン溶液の調製は、実施例3と同様の方法により行
い、濃度は0、5、10、30、50、100mg/d
lのものを用意した。抗体溶液は、実施例1と同様のも
のを用いた。
【0088】クエン酸についてのpH依存性を調べるた
めに、0.05Mクエン酸及び4重量%ポリエチレング
リコール6000を含む溶液と、0.05Mクエン酸三
ナトリウム及び4重量%ポリエチレングリコール600
0を含む溶液をそれぞれ用意し、両者を混合して、pH
が3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0の
クエン酸緩衝液を調製した。
【0089】アコニット酸についてのpH依存性を調べ
るために、0.1M trans−アコニット酸及び4
重量%ポリエチレングリコール6000を含む溶液のp
Hを4.0、4.5、5.0、5.5、6.0にそれぞ
れ調整したアコニット酸緩衝液を調製した。
【0090】比較例としては、モプス緩衝液を用いた。
装置及び測定法は、実施例3と同様である。測定は室温
(約20℃)で行った。各緩衝液、抗体溶液、各濃度の
ヒトアルブミン溶液の混合による反応系のpHへの影響
を見るために、測定終了後、pH計で、混合液のpH測
定を行った。
【0091】得られた結果を図2及び3に示す。各測定
に使用した各緩衝液、抗体溶液、各濃度のヒトアルブミ
ン溶液からなる混合液のpHは、緩衝液のpHと同一で
あった。
【0092】図2は、各pHのクエン酸緩衝液について
100mg/dlまでの各濃度のヒトアルブミン溶液を
測定した結果をプロットしたものである。縦軸は電圧値
を表し、横軸は測定に使用したヒトアルブミン溶液の濃
度で示した。図3は、各pHのアコニット酸緩衝液につ
いて100mg/dlまでの各濃度のヒトアルブミン溶
液を測定した結果をプロットしたものである。図2と同
様に、縦軸は電圧値を表し、横軸は測定に使用したヒト
アルブミン溶液の濃度で示した。グラフの見方はいずれ
も図1と同様であり、プロットされた各値は、各緩衝液
について得られた各濃度のヒトアルブミン溶液の測定値
より、同じ緩衝液でのヒトアルブミンを含まない場合の
測定値(0mg/dl)を差し引いたものである。
【0093】pH4.0〜5.5までのクエン酸緩衝液
及びpH4.5〜5.0までのアコニット酸緩衝液で測
定を行ったものが、低濃度域の定量性に多大な支障を生
じず、比較例であるモプス緩衝液を上まわる測定値を示
した。また、抗原過剰領域で生じる地帯現象による測定
値の減少が緩和されていた。その効果は両緩衝液共に、
pH4.5で最大となった。
【0094】クエン酸緩衝液の場合、pHが4.0を超
えて低下するか、あるいは6.0以上になると、測定値
の向上効果は見られず、モプス緩衝液の測定値を下回っ
た。また、抗原過剰領域で生じる地帯現象による測定値
の減少に対する緩和効果も見られなかった。一方、アコ
ニット酸緩衝液ではpH5.5以上になると、測定値の
向上効果は見られず、モプス緩衝液の測定値と同程度
か、それを下回った。また、抗原過剰領域で生じる地帯
現象による測定値の減少に対する緩和効果も見られなか
った。
【0095】また、アコニット酸緩衝液ではpHを4.
0にすると、非特異的な混濁が増し、低濃度域の定量測
定に支障を生じたが、測定値の向上効果は見られ、また
抗原過剰領域で生じる地帯現象による測定値の減少に対
する緩和効果も見られた。
【0096】以上の結果をまとめると、測定値の向上効
果、また、これによる抗原過剰領域で生じる地帯現象に
よる測定値の減少に対する緩和効果の観点から、クエン
酸についてはpH4.0〜6.0までの間、trans
−アコニット酸については、pH4.0〜5.5までの
間が適していることがわかった。特に、定量性を含めて
考えた場合、上記の両効果が最大となるのはpH4.5
であり、このpHで使用することが最も有効であること
がわかった。
【0097】以上の結果より、トリカルボン酸またはト
リカルボン酸の塩を用いた免疫反応測定法では、pH
4.0〜6.0の間に反応系のpHを設定することが好
ましいことがわかった。また、反応系のpHを4.5に
設定することにより、最大の効果を得ることができるこ
とがわかった。
【0098】また同様に、トリカルボン酸またはトリカ
ルボン酸の塩を用いた免疫反応測定用試薬では、抗原抗
体反応が生じるときのpHが4.0〜6.0の間に設定
されるように調製することが好ましいことがわかった。
また、抗原抗体反応が生じるときのpHを4.5に設定
されるように調製することにより、最大の効果を得るこ
とができることがわかった。
【0099】(実施例5)次に、トリカルボン酸または
トリカルボン酸の塩として、クエン酸及びtrans−
アコニット酸を用い、抗原抗体反応に対する効果のトリ
カルボン酸またはトリカルボン酸の塩の濃度に対する依
存性を免疫比朧法により調べた内容について示す。
【0100】被測定物質としてはヒトアルブミンを用い
た。ヒトアルブミン溶液の調製は、実施例3と同様の方
法により行い、クエン酸について存在濃度依存性を調べ
た実験では、0、5、10、30、50、100mg/
dlの濃度ものを用意し、trans−アコニット酸に
ついて存在濃度依存性を調べた実験では、0、10、2
0、30、40、60、80、100、200mg/d
lの濃度ものを用意した。抗体溶液は、実施例1と同様
のものを用いた。
【0101】クエン酸について存在濃度依存性を調べる
ために、クエン酸濃度がそれぞれ、0.01、0.0
2、0.1、0.2、0.3Mで、それぞれに4重量%
ポリエチレングリコール6000を含むpH4.5の各
クエン酸緩衝液を用意した。
【0102】trans−アコニット酸について存在濃
度依存性を調べるために、trans−アコニット酸濃
度がそれぞれ、0.01、0.02、0.05、0.
1、0.2、0.3Mで、それぞれに4重量%ポリエチ
レングリコール6000を含むpH4.5の各tran
s−アコニット酸緩衝液を用意した。
【0103】比較例としては、モプス緩衝液を用いた。
装置および測定法に関しては、trans−アコニット
酸緩衝液での測定の場合に、検出器により検知された光
量に依存した電流信号を約70倍の電圧信号に増幅した
以外は、実施例3と同様である。測定は室温(約20
℃)で行った。各緩衝液、抗体溶液、各濃度のヒトアル
ブミン溶液の混合による反応系のpHへの影響を見るた
めに、測定終了後、pH計で、混合液のpH測定を行っ
た。
【0104】結果について示す。各測定に使用した各緩
衝液、抗体溶液、各濃度のヒトアルブミン溶液からなる
混合液のpHは、0.01および0.02Mのクエン酸
緩衝液及びtrans−アコニット酸緩衝液を使用した
もので、それぞれ、pH4.8、4.7に変化していた
が、他は緩衝液のpHと同一であった。上記pH変化
は、実施例4の結果より、本実施例の結果に与える影響
は少ないと考え、無視した。
【0105】図4は各濃度のクエン酸緩衝液について1
00mg/dlまでの各濃度のヒトアルブミン溶液を加
えて測定した結果をプロットしたものである。また、図
5は各濃度のtrans−アコニット酸緩衝液について
200mg/dlまでの各濃度のヒトアルブミン溶液を
加えて測定した結果をプロットしたものである。
【0106】いずれの図も縦軸は電圧値を表し、横軸は
測定に使用したヒトアルブミン溶液の濃度で示した。グ
ラフの見方は図1と同様であり、プロットされた各値
は、各緩衝液について得られた各濃度のヒトアルブミン
溶液の測定値より、同じ緩衝液でのヒトアルブミンを含
まない場合の測定値(0mg/dl)を差し引いたもの
である。
【0107】各緩衝液、抗体溶液、ヒトアルブミン溶液
の混合により、クエン酸およびtrans−アコニット
酸濃度が若干低下するが、10%以下の低下であり、結
果を左右する程の大きな影響は与えていないと考えられ
る。
【0108】クエン酸緩衝液の場合、クエン酸濃度が
0.2M以下のものが、比較例であるモプス緩衝液での
測定値を上まわる値を示し、測定値の向上効果が確認で
きた。また、これによる抗原過剰領域で生じる地帯現象
による測定値の減少に対する緩和効果も見られた。より
低濃度のクエン酸緩衝液ほど、上記効果が高かった。ク
エン酸濃度が0.3Mになると、モプス緩衝液の測定値
を下回り、測定値の向上効果が見られず、また、抗原過
剰領域で生じる地帯現象による測定値の減少に対する緩
和効果も見られなかった。
【0109】trans−アコニット酸緩衝液の場合、
0.01〜0.3Mのすべての濃度で、比較例であるモ
プス緩衝液での測定値を上まわる値を示し、測定値向上
効果が確認できた。また、これによる抗原過剰領域で生
じる地帯現象による測定値の減少に対する緩和効果も見
られた。これらの効果は0.2M以下でより高くなり、
特に、0.1M以下で高く、0.05Mで最大となっ
た。0.2〜0.05Mまでの間では、より低濃度のt
rans−アコニット酸緩衝液ほど、上記効果が高かっ
た。0.05M以下のものについては、明確な効果の差
は確認できなかった。
【0110】以上の結果をまとめると、測定値の向上効
果、また、これによる抗原過剰領域で生じる地帯現象に
よる測定値の減少に対する緩和効果の観点から、一般的
な中性緩衝液を上まわる効果を得る場合には、クエン酸
では0.2M以下の濃度が適しており、trans−ア
コニット酸では0.3M以下の濃度が適していることが
わかった。両物質共に、特に、0.1M以下の濃度で使
用することが、その効果を高くすることができ、より好
ましいことがわかった。
【0111】以上の結果より、トリカルボン酸またはト
リカルボン酸の塩を用いた免疫反応測定法では、反応系
におけるトリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩の濃
度を0.3M以下に設定することが好ましいことわかっ
た。また、反応系におけるトリカルボン酸またはトリカ
ルボン酸の塩の濃度を0.1M以下に設定することによ
り、より高い効果を得ることができることがわかった。
【0112】また同様に、トリカルボン酸またはトリカ
ルボン酸の塩を用いた免疫反応測定用試薬では、抗原抗
体反応が生じるときのトリカルボン酸またはトリカルボ
ン酸の塩の濃度を0.3M以下に設定されるように調製
することが好ましいことがわかった。また、抗原抗体反
応が生じるときのトリカルボン酸またはトリカルボン酸
の塩の濃度を0.1M以下に設定されるように調製する
ことにより、より高い効果を得ることができることがわ
かった。
【0113】(実施例6)次に、トリカルボン酸または
トリカルボン酸の塩を他の緩衝液と混合して使用した場
合の抗原抗体反応に対する効果を、免疫比朧法により確
認した内容について示す。対比はヒトアルブミン測定を
もとに行った。ヒトアルブミン溶液の調製は、実施例3
と同様の方法により行い、濃度は0、5、10、20、
30、50、70、100、200、300、500m
g/dlのものを用意した。抗体溶液は、実施例1と同
様のものを用いた。トリカルボン酸またはトリカルボン
酸の塩には、クエン酸及びtrans−アコニット酸を
使用した。これらと共存させる緩衝剤には、コハク酸を
使用し、それぞれ、0.1Mコハク酸、0.02Mクエ
ン酸、4重量%ポリエチレングリコール6000、pH
4.5および、0.1Mコハク酸、0.02M tra
ns−アコニット酸、4重量%ポリエチレングリコール
6000、pH4.5の組成の各緩衝液を構成した。ま
た、トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩が存在し
ない場合の比較例として、0.12Mコハク酸、4重量
%ポリエチレングリコール6000、pH4.5の組成
の緩衝液を調製して用いた。
【0114】測定には、分光蛍光光度計(島津製作所
製、型番RF−5300PC)を使用した。分光蛍光光
度計の試料室に恒温セルホルダ(島津製作所製、型番2
06−15440)を配置し、恒温水槽(TAITEC
製、商品名COOLNIT BATH EL−15)に
接続し、温度を25℃に保った水を循環して、測定時の
温度を一定に保てるようにした。分光蛍光光度計の測定
条件は、励起、蛍光波長を共に670nmとし、蛍光
側、励起側共にバンド幅を3nmに、感度は高感度に設
定した。
【0115】測定は次のようにして行った。2.87m
lの緩衝液と0.1ml抗体溶液を攪拌混合した後、こ
れに0.03mlのヒトアルブミン溶液を加え攪拌混合
した。反応系における抗体およびヒトアルブミンの最終
濃度は、抗体が約0.10mg/ml、ヒトアルブミン
濃度が、測定に使用したヒトアルブミン溶液の濃度に
0.01を乗じたものになる。これを蛍光分析用の石英
セルに移し、分光蛍光光度計に設置し、T型熱電対(R
Sコンポーネンツより入手、型番219−4696)を
セル内に浸漬し、ヒトアルブミンを混合後2分間経過し
た時点より、タイムコース測定で、0.04秒間隔で3
00秒間測定した。測定中のセル内の温度は、T型熱電
対をデジタルマルチサーモメータ(アドバンテスト製、
型番TR2114)に接続してモニタした。セルの汚れ
が測定に与える影響は、各反応の測定前にセル中に純水
を入れて測定し、補正することにより除いた。測定によ
り得られた200〜300秒の間の各測定値の平均値を
求め、これを各濃度のヒトアルブミン溶液に対する測定
値とした。各緩衝液、抗体溶液、各濃度のヒトアルブミ
ン溶液の混合による反応系のpHへの影響を見るため
に、測定終了後、pH計で、混合液のpH測定を行っ
た。
【0116】結果について示す。各測定に使用した各緩
衝液、抗体溶液、各濃度のヒトアルブミン溶液からなる
混合液のpHは、緩衝液のpHと同一であった。また、
熱電対測定によって得られた各測定中のセル内の温度は
25.5±1℃に保たれていた。
【0117】図6は各緩衝液について500mg/dl
までの各ヒトアルブミン溶液を加えて測定した結果をプ
ロットしたものである。縦軸は散乱光強度を表し、横軸
は測定に使用したヒトアルブミン溶液の濃度で示した。
プロットされた各値は、各緩衝液について得られた各濃
度のヒトアルブミン溶液の測定値より、同じ緩衝液での
ヒトアルブミンを含まない場合の測定値(0mg/d
l)を差し引いたものである。
【0118】結果は、クエン酸及びtrans−アコニ
ット酸を含む緩衝液が、比較例であるコハク酸のみから
なる緩衝液よりも、測定値が向上しており、効果がある
ことが確認できた。また、これによる抗原過剰領域で生
じる地帯現象による測定値減少の緩和効果も見られた。
【0119】以上の結果により、トリカルボン酸または
トリカルボン酸の塩を他の緩衝剤と共存させて使用した
場合でも効果を有することが確認できた。
【0120】(実施例7)次に、実施例2で作製したヤ
ギ抗ヒトCRPポリクローナル抗体溶液を用いた試薬の
ヒトCRP測定に対する効果を、免疫反応測定方法で一
般的に使用されている中性反応系と対比した結果につい
て示す。測定に用いた各濃度のCRP溶液の調製は、精
製ヒトCRP(Chemicon Internati
onal製、Lot No.21042246)を、
0.05Mモプス、0.04重量%NaN3、pH7.
4の組成の緩衝液で希釈して調製した。ヒトCRP溶液
の濃度は0、10、20、30、50、70、100、
200mg/dlのものを用意した。抗体溶液は、実施
例2で作製したポリクローナル抗体溶液を用いた試薬を
使用した。トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩が
存在しない場合の比較例として、モプス緩衝液を用い
た。
【0121】測定には、実施例3で述べたものと同じ構
成の装置および測定条件を用いた。また、測定方法およ
び測定データの処理方法などに関しても、抗原溶液が異
なる点以外はすべて実施例3で述べたものと同じ方法を
用いた。
【0122】反応系における抗体およびヒトCRPの最
終濃度は、抗体が約0.036mg/ml、ヒトCRP
濃度が、測定に使用したヒトCRP溶液の濃度に0.0
46を乗じたものになる。
【0123】結果について示す。図7は各緩衝液につい
て200mg/dlまでの各ヒトCRP溶液を加えて測
定した結果をプロットしたものである。縦軸は電圧値を
表し、横軸は測定に使用したヒトCRP溶液の濃度で示
した。グラフの見方は図1と同様であり、プロットされ
た各値は、各緩衝液について得られた各濃度のヒトCR
P溶液の測定値より、同じ緩衝液でのヒトCRPを含ま
ない場合の測定値(0mg/dl)を差し引いたもので
ある。
【0124】図7より、比較例であるモプス緩衝液を用
いて抗原抗体反応を測定した場合に比べ、実施例2で作
製した、ヤギ抗ヒトCRPポリクローナル抗体溶液、並
びに0.02MCaCl2及びクエン酸を含む緩衝液か
ら構成される試薬を用いて測定した場合の方が、各濃度
のCRP溶液の測定において明らかに高い測定値を示す
ことが確認できた。
【0125】(実施例8)次に、実施例2で作製したマ
ウス抗ヒトCRPモノクローナル抗体溶液を用いた試薬
のヒトCRP測定に対する効果を、免疫反応測定法で一
般的に使用されている中性反応系と対比した結果につい
て示す。
【0126】測定に用いた各濃度のヒトCRP溶液の調
製は、実施例7と同様の方法を用いた。ヒトCRP溶液
の濃度は0、10、20、30、50、70、100m
g/dlのものを用意した。抗体溶液は、実施例2で作
製したモノクローナル抗体溶液を用いた試薬を用いた。
トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩が存在しない
場合の比較例として、モプス緩衝液を用いた。
【0127】トリカルボン酸またはトリカルボン酸の塩
としてクエン酸を用いた試薬による測定には、実施例6
で述べたものと同じ構成の装置および測定条件を用い
た。また、測定方法および測定データの処理方法などに
関しても、抗原溶液が異なる点以外はすべて実施例6で
述べたものと同じ方法を用いた。
【0128】反応系における抗体およびヒトCRPの最
終濃度は、抗体が約0.033mg/ml、ヒトCRP
濃度が、測定に使用したヒトCRP溶液の濃度に0.0
10を乗じたものになる。
【0129】一方、トリカルボン酸またはトリカルボン
酸の塩としてtrans−アコニット酸を用いた試薬に
よる測定には、実施例3で述べたものと同じ構成の装置
および測定条件を用いた。また、測定方法および測定デ
ータの処理方法などに関しても、抗原溶液が異なる点以
外はすべて実施例3で述べたものと同じ方法を用いた。
【0130】反応系における抗体およびヒトCRPの最
終濃度は、抗体が約0.036mg/ml、ヒトCRP
濃度が、測定に使用したヒトCRP溶液の濃度に0.0
46を乗じたものになる。
【0131】結果について示す。図8はトリカルボン酸
またはトリカルボン酸の塩にクエン酸を用いた試薬によ
る測定結果であり、100mg/dlまでの各ヒトCR
P溶液を加えて測定した結果をプロットしたものであ
る。縦軸は散乱光強度を表し、横軸は測定に使用したヒ
トCRP溶液の濃度で示した。プロットされた各値は、
得られた各濃度のヒトCRP溶液の測定値より、同じ緩
衝液でのヒトCRPを含まない場合の測定値(0mg/
dl)を差し引いたものである。熱電対測定によって得
られた各測定中のセル内の温度は25.5±1℃に保た
れていた。
【0132】図8より、比較例であるモプス緩衝液を用
いて抗原抗体反応を測定した場合は、20mg/dlま
でのCRP溶液の測定では、十分な測定値差が得られ
ず、実質的にヒトCRPの濃度差を捉えることができな
かった。また、30mg/dl以上の測定値についても
各測定値間の差が少なく、ヒトCRP濃度に対する分解
能は低かった。一方、クエン酸を用いた試薬で測定した
場合は、各濃度のヒトCRP溶液測定において明らかに
高い測定値を示し、20mg/dlまでのヒトCRP溶
液の測定においても、ヒトCRPの濃度差を捉えること
ができた。
【0133】図9はトリカルボン酸またはトリカルボン
酸の塩にtrans−アコニット酸を用いた試薬による
測定結果であり、100mg/dlまでの各ヒトCRP
溶液を加えて測定した結果をプロットしたものである。
縦軸は電圧値を表し、横軸は測定に使用したヒトCRP
溶液の濃度で示した。グラフの見方は図1と同様であ
り、プロットされた各値は、各緩衝液について得られた
各濃度のヒトCRP溶液の測定値より、同じ緩衝液での
ヒトCRPを含まない場合の測定値(0mg/dl)を
差し引いたものである。
【0134】図9より、比較例であるモプス緩衝液を用
いて抗原抗体反応を測定した場合は、10mg/dlま
でのヒトCRP溶液の測定では、十分な測定値差が得ら
れず、実質的にヒトCRPの濃度差を捉えることができ
なかった。一方、trans−アコニット酸を用いた試
薬で測定した場合は、各濃度のヒトCRP溶液測定にお
いて明らかに高い測定値を示し、10mg/dlまでの
ヒトCRP溶液の測定においても、ヒトCRPの濃度差
を捉えることができた。
【0135】以上の実施例7及び8で示したように、本
発明の免疫反応測定方法及びそれに用いる免疫反応測定
用試薬が、ヒトCRP測定に対しても測定値の向上効果
を持つことが確認できた。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、容
易に測定値の向上が可能な免疫反応測定方法及びそれに
用いる免疫反応測定用試薬を提供することができる。さ
らに、抗原過剰領域で生じる地帯現象を緩和することが
可能な免疫反応測定方法及びそれに用いる免疫反応測定
用試薬も提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における免疫反応測定用試薬
を用いた免疫反応測定方法と比較例について、免疫比朧
法によるヒトアルブミン測定を行った結果を示すグラフ
【図2】本発明の他の実施例におけるクエン酸を含む免
疫反応測定用試薬を用いた免疫反応測定方法について、
免疫比朧法によるヒトアルブミン測定におけるpH依存
性を調べた結果を示すグラフ
【図3】本発明の同実施例におけるtrans−アコニ
ット酸を含む免疫反応測定用試薬を用いた免疫反応測定
方法について、免疫比朧法によるヒトアルブミン測定に
おけるpH依存性を調べた結果を示すグラフ
【図4】本発明のさらに他の実施例におけるクエン酸を
含む免疫反応測定用試薬を用いた免疫反応測定方法につ
いて、免疫比朧法によるヒトアルブミン測定におけるク
エン酸濃度に対する依存性を調べた結果を示すグラフ
【図5】本発明の同実施例におけるtrans−アコニ
ット酸を含む免疫反応測定用試薬を用いた免疫反応測定
方法について、免疫比朧法によるヒトアルブミン測定に
おけるtrans−アコニット酸濃度に対する依存性を
調べた結果を示すグラフ
【図6】本発明のさらに他の実施例におけるトリカルボ
ン酸またはトリカルボン酸の塩と他の緩衝剤とを含む免
疫反応測定用試薬を用いた免疫反応測定方法と比較例に
ついて、免疫比朧法によるヒトアルブミン測定を行った
結果を示すグラフ
【図7】本発明のさらに他の実施例におけるヤギ抗ヒト
CRPポリクローナル抗体とクエン酸とを含む免疫反応
測定用試薬を用いた免疫反応測定方法と比較例につい
て、免疫比朧法によるヒトCRP測定を行った結果を示
すグラフ
【図8】本発明のさらに他の実施例におけるマウス抗ヒ
トCRPモノクローナル抗体とクエン酸とを含む免疫反
応測定用試薬を用いた免疫反応測定方法と比較例につい
て、免疫比朧法によるヒトCRP測定を行った結果を示
すグラフ
【図9】本発明の同実施例におけるマウス抗ヒトCRP
モノクローナル抗体とtrans−アコニット酸とを含
む免疫反応測定用試薬を用いた免疫反応測定方法と比較
例について、免疫比朧法によるヒトCRP測定を行った
結果を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 達朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 平井 真人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中に含まれる被測定物質である抗原
    または抗体を測定する方法であって、トリカルボン酸ま
    たはトリカルボン酸の塩、及び前記被測定物質に対して
    特異的に結合する特異結合物質である抗体または抗原を
    前記試料に添加する工程A、並びに前記工程Aにより構
    成された、前記試料、前記特異結合物質及び前記トリカ
    ルボン酸またはトリカルボン酸の塩を含む反応系におい
    て、前記被測定物質と前記特異結合物質との抗原抗体反
    応により生じた抗原−抗体複合体を検出する工程Bを含
    み、かつ前記抗原抗体反応が生じるときの前記反応系の
    pHが酸性に設定されていることを特徴とする免疫反応
    測定方法。
  2. 【請求項2】 反応系にさらに緩衝剤を添加することを
    特徴とする、請求項1記載の免疫反応測定方法。
  3. 【請求項3】 反応系のpHが4〜6に設定されている
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の免疫反応測
    定方法。
  4. 【請求項4】 反応系におけるトリカルボン酸またはト
    リカルボン酸の塩の濃度が0.3M以下であることを特
    徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の免疫反応測
    定方法。
  5. 【請求項5】 トリカルボン酸がクエン酸またはアコニ
    ット酸であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれ
    かに記載の免疫反応測定方法。
  6. 【請求項6】 反応系がポリエチレングリコールを2〜
    6重量%含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれ
    かに記載の免疫反応測定方法。
  7. 【請求項7】 抗原−抗体複合体が凝集複合体であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の免疫
    反応測定方法。
  8. 【請求項8】 工程Bにおいて、凝集複合体に起因する
    光学的変化量を測定することにより、前記凝集複合体を
    検出することを特徴とする、請求項7記載の免疫反応測
    定方法。
  9. 【請求項9】 抗原が、その分子構造内に金属イオンを
    保持しており、前記抗原に対して特異的に結合する抗体
    が、前記抗原から前記金属イオンが脱離したときに、前
    記金属イオンを保持していない前記抗原とも特異的に結
    合することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記
    載の免疫反応測定方法。
  10. 【請求項10】 抗原が、少なくとも1種類の抗体に対
    して複数の結合部位を持つ物質であり、抗体が、前記抗
    原の前記複数の結合部位に結合するモノクローナル抗体
    であることを特徴とする、請求項1〜9に記載の免疫反
    応測定方法。
  11. 【請求項11】 抗原がヒトアルブミンであることを特
    徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の免疫反応測
    定方法。
  12. 【請求項12】 抗原がヒトC反応性蛋白質であること
    を特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の免疫
    反応測定方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の免疫反応測定方法に用
    いる免疫反応測定用試薬であって、トリカルボン酸また
    はトリカルボン酸の塩、及び被測定物質に対して特異的
    に結合する特異結合物質である抗体または抗原を含み、
    前記被測定物質と前記特異結合物質との抗原抗体反応が
    生じるときのpHが酸性になるように調製されたことを
    特徴とする免疫反応測定用試薬。
  14. 【請求項14】 さらに緩衝剤を含むことを特徴とす
    る、請求項13記載の免疫反応測定用試薬。
  15. 【請求項15】 抗原抗体反応が生じるときのpHが4
    〜6に設定されるように調製されたことを特徴とする、
    請求項13または14記載の免疫反応測定用試薬。
  16. 【請求項16】 抗原抗体反応が生じるときのトリカル
    ボン酸またはトリカルボン酸の塩の濃度が0.3M以下
    になるように調製されたことを特徴とする、請求項13
    〜15のいずれかに記載の免疫反応測定用試薬。
  17. 【請求項17】 トリカルボン酸がクエン酸またはアコ
    ニット酸であることを特徴とする、請求項13〜16の
    いずれかに記載の免疫反応測定用試薬。
  18. 【請求項18】 さらにポリエチレングリコールを含
    み、抗原抗体反応が生じるときの前記ポリエチレングリ
    コールの濃度が2〜6重量%であることを特徴とする、
    請求項13〜17のいずれかに記載の免疫反応測定用試
    薬。
  19. 【請求項19】 抗原が、その分子構造内に金属イオン
    を保持しており、前記抗原に対して特異的に結合する抗
    体が、前記抗原から前記金属イオンが脱離したときに、
    前記金属イオンを保持していない前記抗原とも特異的に
    結合することを特徴とする、請求項13〜18のいずれ
    かに記載の免疫反応測定用試薬。
  20. 【請求項20】 抗原が、少なくとも1種類の抗体に対
    して複数の結合部位を持つ物質であり、前記抗原に対し
    て特異的に結合する抗体が、前記抗原の前記複数の結合
    部位に結合するモノクローナル抗体であることを特徴と
    する、請求項13〜19のいずれかに記載の免疫反応測
    定用試薬。
  21. 【請求項21】 抗原がヒトアルブミンであることを特
    徴とする、請求項13〜18のいずれかに記載の免疫反
    応測定試薬。
  22. 【請求項22】 抗原がヒトC反応性蛋白質であること
    を特徴とする、請求項13〜20のいずれかに記載の免
    疫反応測定用試薬。
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