JPWO2014167742A1 - 車体構造 - Google Patents
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Abstract
ルーフサイドレール(20)の前部(20A)の中空閉断面部である第4閉断面部には、高剛性発泡部材によって構成された後側補強部材(56)が内部空間を埋めるように配設されている。この後側補強部材56の後端部は、車両側面視において、ルーフサイドレール(20)の前部(20A)においてフロントルーフヘッダ(30)との接続位置(Y)を含んで配置されている。なお、後側補強部材(56)は、フロントピラー(14)の上部(14A)の根元から当該上部(14A)と前部(20A)との接続位置(X)を含む範囲に設けられた前側補強部材(54)と一体化されている。
Description
第3の態様の作用は、以下の通りである。
以下、図1〜図8を用いて、本発明に係る車体構造の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
次に、図7A、図7Bを用いて、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
以下、図12〜図18を用いて、本発明に係る車体構造の第2実施形態について説明する。
[0006]
第1の態様に係る車体構造は、ルーフの車両幅方向両側に車両前後方向に沿って配置されると共に、ルーフサイドレールインナパネルとルーフサイドレールアウタパネルとサイドアウタパネルとで第3閉断面部及び第4閉断面部を含む中空閉断面構造の粱状車体骨格部材として構成されたルーフサイドレールと、車両側面視で前記ルーフサイドレールの前部においてウインドシールドガラスの上端部に沿って配置されるフロントルーフヘッダとの接続位置を含んで配置され、当該ルーフサイドレールの前部における中空閉断面部の内部空間の少なくとも一部を埋めるように当該ルーフサイドレールの前部の長手方向に沿って設けられた樹脂製の第1補強部材と、キャビンの前部両側に配置されると共に、フロントピラーインナパネルとフロントピラーアウタパネルとサイドアウタパネルとで第1閉断面部及び第2閉断面部を含む中空閉断面構造の柱状車体骨格部材として構成されたフロントピラーと、前記フロントピラーの上部と前記ルーフサイドレールの前部との接続位置を含んで配置され、前記フロントピラーの上部及び前記ルーフサイドレールの前部における中空閉断面部の内部空間の少なくとも一部を埋めるように設けられた樹脂製の第2補強部材と、を有し、前記第1閉断面部と前記第3閉断面部とが相互に連通されていると共に、前記第2閉断面部と前記第4閉断面部とが相互に連通されており、前記第1補強部材は、前記ルーフサイドレールアウタパネルと前記サイドアウタパネルとの間に形成された前記第4閉断面部内に設けられていると共に、前記第2補強部材は、前記フロントピラーインナパネルと前記フロントピラーアウタパネルとの間に形成された前記第1閉断面部内に設けられており、前記第1補強部材と前記第2補強部材とによって、前記フロントピラーの上部の根元から前記ルーフサイドレールの前部における前記フロントルーフヘッダとの接続位置に至る範囲に、連続した補強部材配設領域が設定されている。
[0007]
[0008]
第3の態様に係る車体構造は、フロントピラーの一部を構成し車両幅方向外側に配置されると共にルーフサイドレールの延長上に車両前後方向に沿って配置されたフロントピラーアウタリインフォースメントと、前記フロントピラーの一部を構成し、前記フロントピラーアウタリインフォースメントの車両下方側に配置された固定窓の後端部に沿って車両上下方向に延在されると共に、車両後方側の端部にサイドドアのドア開口部の周縁部に沿って配置されたドアオープニングフランジのフロントピラー側部分が形成された補助ピラー部と、前記ドアオープニングフランジのフロントピラー側部分を跨ぐように前記フロントピラーアウタリインフォースメントの車両幅方向内側に配置された長尺状の第3補強部材と、を有している。
[0009]
第4の態様に係る車体構造は、第3の態様において、前記フロントピラーアウタリインフォースメントは、当該フロントピラーアウタリインフォースメントの長手方向に沿って延びると共に車両幅方向に並ぶ複数の稜線部を有しており、前記第3補強部材は、前記複数の稜線部を車両上下方向に縦折れさせる縦曲げモーメントに対しては補強効果を有し、前記複数の稜線部を車両幅方向に横折れさせる横曲げモーメントに対しては折れ起点となるように形成された一又は二以上の剛性チューニング部を備えている。
[0010]
第5の態様に係る車体構造は、第4の態様において、前記剛性チューニング部は、前記複数の稜線部に直交するように形成された凹溝状の縦ビードである。
[0011]
第1の態様の作用は、以下の通りである。
[0012]
一般に前面衝突すると、その際の衝突荷重は車体前部に入力された後、フロントピラーの上部を通ってルーフサイドレールの前部に伝達される。このとき伝達される圧縮荷重が非常に大きい場合に、フロントピラーの上部からルーフサイドレールの前部にかけての車体骨格部に応力集中が生じ易い部位が存在すると、折れ変形(座屈)が起こり易くなる。
[0013]
ここで、本発明では、車両側面視でルーフサイドレールの前部においてウインドシールドガラスの上端部に沿って配置されるフロントルーフヘッダとの接続位置を含んで第1補強部材が配置される。この第1補強部材は樹脂製とされてルーフサイドレールの前部における第3閉断面部及び第4閉断面部を含む中空閉断面部の内部空間の少なくとも一部(ルーフサイドレールアウタパネルとサイドアウタパネルとの間に形成された第4閉断面部)を埋めるようにルーフサイドレールの前部の長手方向に沿って設けられているため、ルーフサイドレールの前部におけるフロントルーフヘッダとの接続位置の剛性が高くなる。従って、フロントピラーの上部からルーフサイドレールの前部に伝達された衝突荷重(軸圧縮荷重)をルーフサイドレールの前部だけでなくフロントルーフヘッダにも伝達することができる。つまり、前面衝突時に車体前部からキャビンの骨格部へ伝達されてきた衝突荷重を、衝突側のフロントピラーの上部からルーフサイドレールの前部へ伝達し、更にフロントルーフヘッダから衝突側と反対側のルーフサイドレール
へと分散して伝達することができる。このため、フロントピラーの上部とルーフサイドレールの前部との接続部位といった部材同士の継ぎ目への入力荷重を低減することができる。
[0014]
また、フロントピラーの上部とルーフサイドレールの前部との接続位置を含んで、フロントピラーの上部及びルーフサイドレールの前部における第1閉断面部及び第2閉断面部を含む中空閉断面部の内部空間の少なくとも一部(フロントピラーインナパネルとフロントピラーアウタパネルとの間に形成された第1閉断面部)を埋めるように樹脂製の第2補強部材が設けられている。これにより、第1補強部材と第2補強部材とによって、フロントピラーの上部の根元からルーフサイドレールの前部におけるフロントルーフヘッダとの接続位置に至る範囲に、連続した補強部材配設領域が設定される。つまり、衝突荷重を伝達することができる部材実面積が増加した領域が、車両前後方向に途切れることなく連続して存在することになる。そして、こうすることで本発明では、フロントピラーの上部からルーフサイドレールの前部にかけての部位で部材同士の接続位置となる前後二点(フロントピラーの上部とルーフサイドレールの前部との接続位置並びにルーフサイドレールの前部とフロントルーフヘッダとの接続位置)に跨って補強部材が連続して配設される。
第3の態様の作用は、以下の通りである。
[0015]
この態様では、フロントピラーが固定窓と補助ピラー部とを備えている。より具体的には、フロントピラーにおける車両幅方向外側にはルーフサイドレールの延長上に車両前後方向に沿って配置されたフロントピラーアウタリインフォースメントが配置されており、固定窓は当該フロントピラーアウタリインフォースメントの車両下方側に配置されている。さらに、固定窓の後端部に沿って補助ピラー部が車両上下方向に延在されている。この補助ピラー部の車両後方側の端部には、ドアオープニングフランジのフロントピラー側部分が形成されている。
[0016]
このようにフロントピラー構造を有する車両が前面衝突、特に微小ラップ衝突すると、その際の衝突荷重によって前輪のホイールがフロントピラーを車両後方側へ押す。これにより、フロントピラーの下部側(ホイールと車両
前後方向に対向している部分)が折れ変形し、吸収しきれなかった衝突荷重がドアオープニングフロントピラーのフロントピラー側部分を通ってフロントピラーの上部からルーフサイドレールにかけての部位を車両上方側へ突き上げる。その結果、フロントピラーアウタリインフォースメントにおいて補助ピラー部とルーフサイドレールとが交差する箇所に縦曲げモーメントが発生する。この縦曲げモーメントによりフロントピラーの上部からルーフサイドレールにかけての部位に折れ変形が生じることが考えられる。
[0017]
ここで、本態様では、フロントピラーアウタリインフォースメントの車両幅方向内側にドアオープニングフランジのフロントピラー側部分を跨ぐように長尺状の第3補強部材を配置したので、上述した縦曲げモーメントに対して抗力が得られる。このため、フロントピラーの上部からルーフサイドレールにかけての部位が折れ難くなる。
[0018]
第4の態様によれば、フロントピラーアウタリインフォースメントは、当該フロントアウタリインフォースメントの長手方向に沿って延びると共に車両幅方向に並ぶ複数の稜線部を有している。ここで、第3補強部材がフロントピラーアウタリインフォースメントの複数の稜線部を車両上下方向に縦折れさせる縦曲げモーメントに対しては補強効果を有し、複数の稜線部を車両幅方向に横折れさせる横曲げモーメントに対しては折れ起点となるように形成された一又は二以上の剛性チューニング部を備えている。このため、フロントピラーアウタリインフォースメントは、微小ラップ衝突時等の衝突時に作用する縦曲げモーメントに対しては充分に抵抗して折れ変形を抑制し、同時に車両幅方向外側へ折れ変形して衝突エネルギーの一部を吸収する。これにより、フロントピラーの後退量が抑制される。
[0019]
第5の態様によれば、剛性チューニング部が凹溝状の縦ビードであるため、ビードの幅や深さ等により容易に剛性を変更することができる。
発明の効果
[0020]
以上説明したように、第1の態様に係る単体構造は、前面衝突時にフロントピラーの上部からルーフサイドレールの前部にかけての中空閉
断面構造の車体骨格部が途中で折れることを抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
[0021]
また、第1の態様に係る車体構造は、前面衝突時にフロントピラーの上部からルーフサイドレールの前部にかけての中空閉断面構造の車体骨格部が途中で折れることを非常に効果的に抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
[0022]
第3の態様に係る車体構造は、前面衝突時にフロントピラーの上部からルーフサイドレールの前部にかけての中空閉断面構造の車体骨格部が途中で折れることを抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
[0023]
第4の態様に係る車体構造は、縦曲げモーメントに起因した折れ変形については効果的に抑制し、横曲げモーメントに起因した折れ変形については促進することができるという優れた効果を有する。
[0024]
第5の態様に係る車体構造は、縦折れと横折れのバランスを容易にチューニングすることができるという優れた効果を有する。
図面の簡単な説明
[0025]
[図1]第1実施形態に係る車体構造の要部を説明するための部分拡大側面図である。
[図2]第1実施形態に係る車体構造が適用された車両の外観斜視図である。
[図3]図1の3−3線に沿った縦断面図である。
[図4]図1の4−4線に沿った縦断面図である。
[図5]図1の5−5線に沿った縦断面図である。
[図6]図1の6−6線に沿った縦断面図である。
[図7A]対比例に係る車両の衝突状態を示す概略平面図である。
[図7B]対比例に係る車両の衝突状態を示す概略側面図である。
[図8]第1実施形態に係る車体構造が適用された車両と対比例に係る車体構造が適用された車両が前面衝突したときのF−S線図である。
[図9]別の実施形態に係る車体構造の要部を示しており、フロントピラーを中心に描いた車体の概略側面図である。
第3の態様に係る車体構造は、フロントピラーの一部を構成し車両幅方向外側に配置されると共にルーフサイドレールの延長上に車両前後方向に沿って配置されたフロントピラーアウタリインフォースメントと、前記フロントピラーの一部を構成し、前記フロントピラーアウタリインフォースメントの車両下方側に配置された固定窓の後端部に沿って車両上下方向に延在されると共に、車両後方側の端部にサイドドアのドア開口部の周縁部に沿って配置されたドアオープニングフランジのフロントピラー側部分が形成された補助ピラー部と、前記ドアオープニングフランジのフロントピラー側部分を跨ぐように前記フロントピラーアウタリインフォースメントの車両幅方向内側に配置された長尺状の第3補強部材と、を有し、前記フロントピラーアウタリインフォースメントは、当該フロントピラーアウタリインフォースメントの長手方向に沿って延びると共に車両幅方向に並ぶ複数の稜線部を有している。
第2の態様の作用は、以下の通りである。
Claims (5)
- ルーフの車両幅方向両側に車両前後方向に沿って配置されると共に中空閉断面構造の梁状車体骨格部材として構成されたルーフサイドレールと、
車両側面視で前記ルーフサイドレールの前部においてウインドシールドガラスの上端部に沿って配置されるフロントルーフヘッダとの接続位置を含んで配置され、当該ルーフサイドレールの前部における中空閉断面部の内部空間の少なくとも一部を埋めるように当該ルーフサイドレールの前部の長手方向に沿って設けられた樹脂製の第1補強部材と、
を有する車体構造。 - キャビンの前部両側に配置されると共に中空閉断面構造の柱状車体骨格部材として構成されたフロントピラーを備え、
さらに、前記フロントピラーの上部と前記ルーフサイドレールの前部との接続位置を含んで配置され、前記フロントピラーの上部及び前記ルーフサイドレールの前部における中空閉断面部の内部空間の少なくとも一部を埋めるように設けられた樹脂製の第2補強部材を有し、
前記第1補強部材と前記第2補強部材とによって、前記フロントピラーの上部と前記ルーフサイドレールの前部との接続位置から前記ルーフサイドレールの前部における前記フロントルーフヘッダとの接続位置に至る範囲に、連続した補強部材配設領域が設定されている、
請求項1記載の車体構造。 - フロントピラーの車両幅方向外側に配置されると共にルーフサイドレールの延長上に車両前後方向に沿って配置されたフロントピラーアウタリインフォースメントと、
前記フロントピラーの一部を構成し、前記フロントピラーアウタリインフォースメントの車両下方側に配置された固定窓の後端部に沿って車両上下方向に延在されると共に、車両後方側の端部にサイドドアのドア開口部の周縁部に沿って配置されたドアオープニングフランジのフロントピラー側部分が形成された補助ピラー部と、
前記ドアオープニングフランジのフロントピラー側部分を跨ぐように前記フロントピラーアウタリインフォースメントの車両幅方向内側に配置された長尺状の第3補強部材と、
を有する車体構造。 - 前記フロントピラーアウタリインフォースメントは、当該フロントアウタリインフォースメントの長手方向に沿って延びると共に車両幅方向に並ぶ複数の稜線部を有しており、
前記第3補強部材は、前記複数の稜線部を車両上下方向に縦折れさせる縦曲げモーメントに対しては補強効果を有し、前記複数の稜線部を車両幅方向に横折れさせる横曲げモーメントに対しては折れ起点となるように形成された一又は二以上の剛性チューニング部を備えている、
請求項3記載の車体構造。 - 前記剛性チューニング部は、前記複数の稜線部に直交するように形成された凹溝状の縦ビードである、
請求項4記載の車体構造。
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