JP2003312536A - 車体骨格フレームの補強構造 - Google Patents

車体骨格フレームの補強構造

Info

Publication number
JP2003312536A
JP2003312536A JP2002120714A JP2002120714A JP2003312536A JP 2003312536 A JP2003312536 A JP 2003312536A JP 2002120714 A JP2002120714 A JP 2002120714A JP 2002120714 A JP2002120714 A JP 2002120714A JP 2003312536 A JP2003312536 A JP 2003312536A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peak position
reinforce
deformation
generating means
vehicle body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002120714A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Kitagawa
裕一 北川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2002120714A priority Critical patent/JP2003312536A/ja
Priority to EP02027769A priority patent/EP1331161B1/en
Priority to DE60232575T priority patent/DE60232575D1/de
Priority to US10/337,847 priority patent/US6817654B2/en
Publication of JP2003312536A publication Critical patent/JP2003312536A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨格部材とその内部のリインフオースの部材
変更を伴わずに補強効果の向上を図る。 【解決手段】 フロントピラー10を構成する中断面の
アウタ材(11,12)とその内部のリインフオース1
3の各座屈モード波形のピーク位置を異ならせることに
より、両者の間で長さ方向で全体的に変形モードの干渉
が生じて変形を分散させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体骨格フ
レームの補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車の車体骨格フレームの補強
構造としては、例えば特開2001−180518号公
報に示されているように、車体骨格フレームを構成する
骨格部材を中空断面のアウタ材と、その内部に設けたリ
インフオースとで構成し、該リインフオースをアウタ材
の内側全体を覆うように広い範囲で一体成形することに
より、軽量かつ効率的にアウタ材を補強するようにした
ものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車体骨格フレームの補強構造では、リインフ
オースをアウタ材の内面の凹凸形状に沿った形状として
あるため、アウタ材の強度はリインフオースを設置した
分だけ全体的に向上するものの、その強度分布はリイン
フオースを設置する前と変化はなく、故に、折れ変形の
発生位置もリインフオースによる補強前と変わらず、ア
ウタ材を補強している割には折れ変形部位に対してしか
補強効果がないので、必ずしも効果的な補強とは云えな
い。
【0004】そこで、本発明は骨格部材を構成する中空
断面のアウタ材とその内部に設置するリインフオースの
各座屈変形モードを適切に設定することによって、板厚
の増大や補強手段の増設等を伴うことなく補強効果を向
上することができる車体骨格フレームの補強構造を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、車体
骨格フレームを構成する骨格構造は、中空断面のアウタ
材の内部にその長さ方向の略両端部間に亘ってリインフ
オースを設置してあって、これらアウタ材とリインフオ
ースの各座屈モード波形のピーク位置を互いに異ならせ
て設定したことを特徴としている。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、リインフオースは中空
断面のアウタ材の内部にその長さ方向の略両端部に亘っ
て設置してあって、これらアウタ材とリインフオースの
各座屈モード波形のピーク位置を互いに異ならせて設定
してあるので、骨格部材に衝突荷重が作用してアウタ材
およびリインフオースが座屈した際に、両者の間で長さ
方向で全体的に変形モードの干渉が生じ、全体として変
形の同期が回避される結果、変形初期にはアウタ材とリ
インフオースはそれぞれ独立して座屈しながら荷重を分
担して骨格部材全体に変形を分散させることができ、変
形が進行すると両者は干渉して局所的な変形の成長が抑
制され、かつ、その干渉の抵抗力で骨格部材の変形を抑
制することができると共に、圧壊反力を高めてエネルギ
ー吸収量を増大でき、従って、アウタ材およびリインフ
オースの板厚を増大したり、補強材を増設したりするこ
となく骨格部材の補強効果を高めて衝突性能を向上する
ことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
ともに詳述する。
【0008】図1は本発明の対象とする自動車の車体骨
格フレームを示しており、フロントピラー10、センタ
ーピラー20、リヤピラー30等の上下方向の骨格部材
と、これらピラー10〜30の各上端を継ぐルーフサイ
ドの前後方向の骨格部材であるルーフサイドレール40
と、前記ピラー10〜30の各下端を継ぐフロアサイド
の前後方向の骨格部材であるサイドシル50と、フロン
トコンパートメントの左右両側部に配置した前後方向の
骨格部材であるフロントサイドメンバ60、および該フ
ロントサイドメンバ60の後方延長部である後述のサイ
ドメンバエクステンション70等を備えている。
【0009】これらの骨格部材10〜70は、一般的な
乗用車の車体に共通なものであり、本発明は前述のどの
骨格部材へも適用可能である。
【0010】図2〜図7は本発明をフロントピラー10
に適用した第1実施形態を示している。
【0011】フロントピラー10は、ピラーアウタ11
とピラーインナ12とからなる中空断面(閉断面)のア
ウタ材と、このアウタ材(11,12)の中空断面の内
部にその長さ方向(前後方向)の両端部、即ち、前端A
から後端Bに亘ってリインフオース13を設置して構成
している。
【0012】ピラーアウタ11、ピラーインナ12は何
れも略ハット形断面に形成してあって、それらのフラン
ジ11a,12aをスポット溶接することにより閉断面
を形成している。
【0013】アウタ材(11,12)の上下方向に屈曲
した中央部付近C点は、別の骨格部材であるヘッダーレ
ール130と接合するために3つ又構造となっており、
ピラーインナ12側に向けて開口部14が形成されてい
る。
【0014】リインフオース13もピラーアウタ11,
ピラーインナ12と同様に略ハット形断面に形成されて
おり、本実施形態ではピラーアウタ11の内面に沿うよ
うに形成されているが、設計によってはピラーインナ1
2の内面に沿って配設される場合もある。
【0015】リインフオース13は、そのフランジ13
aをピラーアウタ11,ピラーインナ12の各フランジ
11a,12a間に挟み込んでスポット溶接により一体
的に接合されている。
【0016】本実施形態ではこのようにフロントピラー
10のアウタ材を2つのフレーム材11,12をスポッ
ト溶接して閉断面に構成しているが、これは、例えばア
ルミ合金等の軽量金属材料の中空押出し材を用いてもよ
く、また、リインフオース13としては前記フレーム材
に替えて硬質ウレタン材を用いることができる。
【0017】アウタ材(11,12)の前端Aとは、本
実施形態ではピラーアッパ10Uとピラーロア10Lと
の境となる略ボデイウエストライン上でフードリッジメ
ンバ110およびカウルメンバ120等の他の骨格部材
との結合部を指し、また、後端Bとはセンターピラー3
0の上端部との結合部を指している。
【0018】従って、本実施形態におけるフロントピラ
ー10の上側部は、ルーフサイドレール40の前記セン
ターピラー20から前方領域となる略前半部分を含んで
いる。
【0019】そして、前記アウタ材(11,12)およ
びリインフオース13にそれぞれ変形のピーク位置発生
手段150を設けて、これらピーク位置発生手段150
によりアウタ材(11,12)とリインフオース13の
各座屈モード波形のピーク位置を異ならせて設定してあ
る。
【0020】ここで、アウタ材(11,12)は前述の
ようにその中央付近C点は上下方向に側面略くの字状に
屈曲していると共に内側に開口部14を備えていて強度
的に脆弱部となっており、前端A点に前方から入力する
衝突荷重Fに対して図4に示すように該C点を起点にア
ウタ材(11,12)が前記屈曲方向に座屈変形するこ
とから、この脆弱部C点をもってアウタ材(11,1
2)のピーク位置発生手段150としている。
【0021】他方、リインフオース13には、前記アウ
タ材(11,12)における脆弱部C点と異なる位置、
例えば前記A点とC点との中間位置のD点、および前記
C点とB点との中間位置のE点の上縁側に、それぞれ座
屈変形を誘発させる脆弱部としてのビード部13A,1
3Bを設けて、これらビード部13A,13Bをもって
リインフオース13のピーク位置発生手段150として
いる。
【0022】場合によって、このリインフオース13の
前記D点とE点との間に長さ方向(前後方向)に補強ビ
ード13Cを設けてもよい。
【0023】図4〜図6は本実施形態のフロントピラー
10が、車両前方から衝突されて外力Fを受けた場合の
作用を示すもので、図4はアウタ材(11,12)の座
屈変形態様を、図5はリインフオース13の座屈変形態
様を、および図6はこれらアウタ材(11,12)とリ
インフオース13との座屈変形を合成した変形態様を示
している。
【0024】アウタ材(11,12)は前記A点に前方
から衝突荷重Fが作用すると、前記C点において屈曲部
と開口部14が設けられて脆弱部となっているため、図
4に示すようにこのC点が折れ曲がり変形の開始点とな
る。
【0025】一方、リインフオース13は前記中央付近
で上下方向に屈曲したC点から前後にずれたD,E点に
脆弱部13A,13Bが存在しているため、図5に示す
ようにA−C点間ではD点を中心として、およびC−B
間ではE点を中心に折れ曲がり変形が開始する。
【0026】即ち、アウタ材(11,12)ではその座
屈モード波形のピーク位置が前記中央付近のC点におけ
る1点であるのに対して、リインフオース13ではその
座屈モード波形のピーク位置が前記C点から前後に位相
が異なるD点とE点の2点となる。
【0027】この結果、図6に示すようにフロントピラ
ー10の長さ方向全体では座屈モード波形のピーク位置
が、D,C,Eの3点となり変形が広域に分散され、変
形初期にはアウタ材(11,12)とリインフオース1
3とがそれぞれ独立して座屈しながら荷重を分担してフ
ロントピラー10の全体に変形を分散させることができ
る。
【0028】そして、変形が進行すると両者は前記E,
C,Dの3点で相互に干渉するが、これらは何れもピー
ク位置がずれて一致しないため、互いの干渉により両者
の局所的な変形の成長が抑制され、かつ、その干渉によ
る抵抗力でフロントピラー10の変形を抑制できると共
に、圧壊反力を高めてエネルギー吸収量を増大すること
ができる。
【0029】図7は前記変形モードのピーク位置が分散
されることによる効果を示したものであり、アウタ材
(11,12)およびリインフオース13のピーク位置
が一致せずにずれることにより、同図のa1 線に示すよ
うに全体としての変形モードのピークが分散されてフロ
ントピラー10の変形レベルを下げることができ、従っ
て、アウタ材(11,12)およびリインフオース13
の板厚を徒に増大したり、補強材を増設したりすること
なくフロントピラー10の補強効果を高めて衝突性能を
向上することができる。
【0030】また、本実施形態では変形のピーク位置発
生手段150として、アウタ材(11,12)およびリ
インフオース13に脆弱部C,D,Eを設けて構成して
いるため、アウタ材(11,12)に前述のように構造
上の理由により脆弱部Cがある場合でも、これを考慮し
てリインフオース13の任意の位置に脆弱部D,Eを設
けることにより、両者における座屈モード波形のピーク
位置を容易に調整することができる。
【0031】更に、前記実施形態ではアウタ材(11,
12)とリインフオース13におけるピーク位置数が異
なる場合を示したが、ピーク位置数を両者で同数に揃え
て相互の位置を異ならせて設定することもでき、かつ、
ピーク位置数は要求特性に応じて任意に設定することが
できる。
【0032】図8〜図13は本発明をセンターピラー2
0に適用した第2実施形態を示している。
【0033】センターピラー20は前述のようにその上
端Aをルーフサイドレール40(本実施例ではフロント
ピラー10の上側後部)に結合し、下端Bはサイドシル
50に結合している。
【0034】このセンターピラー20は中空断面(閉断
面)のアウタ材21と、このアウタ材21の中空断面の
内部にその長さ方向の両端部、即ち、上端Aから下端B
に亘ってリインフオース22を設置して構成している。
【0035】アウタ材21は一般には略ハット形断面の
フレーム材と略平板状のクロージングプレートとをスポ
ット溶接して閉断面を構成したものが知られているが、
本実施形態ではこのアウタ材21を例えばアルミ金属等
の軽量金属材料をもって中空断面に押出し成形したもの
を用いており、リインフオース22も同質材の中空断面
の押出し成形材を用いている。
【0036】アウタ材21はその上,下端に設けたフラ
ンジ21aを、対応するルーフサイドレール40,サイ
ドシル50に突き合わせて接合してある一方、リインフ
オース22は該アウタ材21の中空断面内に挿通し、
上,下端をルーフサイドレール40,サイドシル50を
貫通して、上,下端に設けたフランジ22aを介してこ
れらルーフサイドレール40,サイドシル50の各内部
の突き当て面に接合してある。
【0037】そして、前記アウタ材21およびリインフ
オース22にそれぞれ変形のピーク位置発生手段150
を設けて、これらピーク位置発生手段150によりアウ
タ材21とリインフオース22の各座屈モード波形のピ
ーク位置を異ならせて設定してある。
【0038】前記アウタ材21は図9に示すように、図
外の側面ウインドウ配置領域となるA−C間(C位置は
略ドアウエストラインに相当する)では側面ウインドウ
の湾曲形状にほぼ合わせて外向きの弧を描いているが、
図外のドアを支持するC−B間では強度上の理由により
ほぼ鉛直となるように設計されていて、前記C点は略上
半部の湾曲形状と略下半部の鉛直形状とが外向きにくの
字状に屈曲した屈曲部となって、側面衝突に対して抗力
が高い部位となっている。
【0039】ここで、車両の側面衝突において他車両が
センターピラー20に衝突する場合、相手車両のバンパ
ーやエンジンの高さに相当するD位置、つまり、前記C
点よりも下方位置のD点は前記外向きに屈曲した強度の
高いC点と、サイドシル50との結合により補剛された
B点との中間位置で前記側面衝突荷重に対して脆弱部と
みなされ、アウタ材21はこのD点をピーク位置とする
変形モードを発生することから、この脆弱部D点をもっ
てアウタ材21のピーク位置発生手段150としてい
る。
【0040】他方、リインフオース22には、前記アウ
タ材21における脆弱部D点と異なる位置、例えば前記
サイドシル50との結合により補剛されたB点に近接し
た位置に、前記側面衝突荷重に対して座屈変形を誘発さ
せる脆弱部としてのビード部22Aを設けて、該ビード
部22Aをもってリインフオース22のピーク位置発生
手段150としている。
【0041】図12,図13は本実施形態のセンターピ
ラー20が、車両側方から衝突されて外力Fを受けた場
合の作用について示すものである。
【0042】前述のように車両の側面衝突において他車
両がセンターピラー20に衝突する場合、相手車両のバ
ンパーの高さ位置に相当する前記D点に衝突荷重Fが入
力し、アウタ材21はこのD点をピーク位置として座屈
変形する。
【0043】一方、リインフオース22は前記D点より
も下方のE点に座屈変形を誘発するビード部22Aを設
けてあるため、該E点をピーク位置として座屈変形す
る。
【0044】この結果、アウタ材21とリインフオース
22とは変形初期にはそれぞれ独立して座屈しながら荷
重を分担してセンターピラー20の全体に変形を分散さ
せ、そして、変形が進行すると両者は前記D,Eの2点
で相互に干渉して、両者の局所的な変形の成長が抑制さ
れ、従って、前記第1実施例とほぼ同様の効果を得るこ
とができる。
【0045】ここで、本実施形態にあっては図13の
(A)に示すように前記側面衝突荷重Fの入力によりア
ウタ材21は前記D点をピーク位置として座屈変形し、
リインフオース22は前記E点をピーク位置として座屈
変形するが、この変形が進行すると図13の(B)に示
すように、リインフオース22の変形モードは前記D点
からピーク位置E点に向かって傾斜しているため、アウ
タ材21のピーク位置がその変形の成長過程でリインフ
オース22の前記変形モードのE点近傍の傾斜に相当す
る壁面の傾斜に沿ってE点に向かって徐々に下方に移動
され、結果的にサイドシル50との結合により補剛され
たB点に近付くことになる。
【0046】このサイドシル50は車体骨格フレームの
中でも最も強度剛性の高い骨格部材の1つであり捩り強
度も高いので、前記アウタ材21のピーク位置D点が座
屈変形の進行に伴ってサイドシル50に近付くことによ
り、該サイドシル50による抵抗力の増加を期待するこ
とができる。
【0047】このように本実施形態では前記第1実施例
とほぼ同様の効果が得られる他に、前述のようにアウタ
材21のピーク位置D点が側面衝突する相手車両との関
係で補剛されたB点よりも離れた位置の設定となる場合
でも、リインフオース22のピーク位置E点をD点とB
点との間で該B点に近接させて設定することによって、
該リインフオース22のピーク位置(E点)近傍で変形
のピーク発生に伴って傾斜変形する壁面を、該アウタ材
21の発生ピーク位置をガイド作用により移動調整する
モード調整手段とすることができ、このモード調整手段
により前記アウタ材21の発生ピーク位置を剛性の高い
B点に近付くように移動させてセンターピラー20の変
形抑制効果をより一層高めることができる。
【0048】しかも、このようにモード調整手段として
リインフオース22自体の壁面を有効利用して専用部材
を不要としているため、コスト的にも有利に得ることが
できる。
【0049】図14〜図18は本発明をフロア骨格メン
バに適用した第3実施形態を示している。
【0050】前述のフロントサイドメンバ60の後端部
は、ダッシュパネル90のトーボード傾斜面に沿ってフ
ロアパネル80の下面に廻り込んで前後方向に延在する
閉断面のサイドメンバエクステンション70として構成
されている一方、フロアセンターのトンネル部80Aの
下側稜線の下面側には、略ハット形断面に形成されて閉
断面を構成するトンネルメンバ140が前後方向に接合
配置されている。
【0051】また、このフロアパネル80の下面には前
記サイドメンバエクステンション70と直交してサイド
シル50とトンネルメンバ140とに亘ってフロアクロ
スメンバ100が車幅方向に設けられ、これらサイドシ
ル50、サイドメンバエクステンション70,フロアク
ロスメンバ100、およびトンネルメンバ140等でフ
ロア骨格メンバを構成している。
【0052】本実施形態ではこのフロア骨格メンバの中
でも、前記フロアクロスメンバ100に本発明を適用し
た場合を例に採っている。
【0053】フロアクロスメンバ100は、略ハット形
断面に形成されてフランジ100aを介してフロアパネ
ル80の下面に接合して中空断面(閉断面)を形成した
アウタ材101と、このアウタ材101の中空断面内に
その長さ方向(車幅方向)の両端部に亘って配置したリ
インフオース102とを備えている。
【0054】前記サイドメンバエクステンション70は
車両の前面衝突時に前方から入力する荷重をキャビン後
方へ伝達分散する役割を担うため、前後方向に連続した
構造が求められる。
【0055】そのため、前記フロアクロスメンバ100
のアウタ材101はサイドメンバエクステンション70
と交差するC点で左右に2分割して構成され、該サイド
メンバエクステンション70の側部に突き合わせて結合
されている。
【0056】一方、リインフオース102は本実施形態
では硬質ウレタン材が用いられ、アウタ材101のサイ
ドシル50との結合部A点と、トンネルメンバ140と
の結合部B点とに亘る連続体として配置されている。
【0057】このため、前記サイドメンバエクステンシ
ョン70の左右側壁には貫通孔70aが設けられ、リイ
ンフオース102は該貫通孔70aを通してサイドメン
バエクステンション70と交差している。
【0058】このリインフオース102は前記A点およ
びB点において、対応するサイドシル50,トンネルメ
ンバ140に接着等により結合されているが、フロアク
ロスメンバ100とは非接合としてあって、両者の間に
は僅かな間隙が確保されている。
【0059】本実施形態では、前述のようにリインフオ
ース102を硬質ウレタン材としてあるが、これは、勿
論、アウタ材101と同様の略ハット形断面のパネル材
としてもよく、また、アウタ材101,リインフオース
102,サイドメンバエクステンション70、およびト
ンネルメンバ140として、アルミ合金等の中空押出し
材を用いることもできる。
【0060】図16は本実施形態のフロアクロスメンバ
100が、前面斜めオフセット衝突により外力Fを受け
た場合の作用について示すものである。
【0061】車両の前面斜めオフセット衝突時は、車体
外側に位置するサイドシル50から車幅方向内側のサイ
ドメンバエクステンション70,トンネルメンバ140
の順に衝突荷重F1 ,F2 ,F3 で示すように入力度合
いが低くなる。
【0062】このため、最外側のサイドシル50におい
て前後方向の変形レベルが大きく、最内側のトンネルメ
ンバ140では変形レベルが小さくなって、結果的にフ
ロアが側方へ傾斜した変形状態を呈する。
【0063】図17は前記アウタ材101の変形モード
を、および図18は前記リインフオース102の変形モ
ードを示すもので、アウタ材101は図17に示すよう
にサイドメンバエクステンション70との結合部C点を
支持端として曲げ変形を生じる。このとき、車体基準で
見た最大後退位置はサイドシル50との結合部A点とな
るが、アウタ材101の両端点A,Bを結ぶ基準線から
見た湾曲変形のピーク位置は前記A点とC点との中間の
D点となる。
【0064】一方、図18に示すようにアウタ材101
に内設されたリインフオース102も前記A点が車体基
準の最大後退位置となるが、反対側の支持端はB点であ
るので、これら2点A,Bを結ぶ基準線から見た湾曲変
形のピーク位置はこれらA−B点間の略中間のC点とな
る。
【0065】その結果、アウタ材101,リインフオー
ス102の両者を合成した変形モードにおけるピーク位
置は、互いに車幅方向に異なるD点とC点の2点となっ
て、フロアクロスメンバ100の全体に変形を分散させ
て、該フロアクロスメンバ100の変形、延いてはフロ
アパネル80の変形を抑制することができる。
【0066】このように第3実施形態では、アウタ材1
01およびリインフオース102に特別に変形のピーク
位置発生手段150を設けることなく、アウタ材101
のフロア骨格構成上、左右2分割されてサイドメンバエ
クステンション70に交差して結合配置されることを考
慮し、内接するリインフオース102を連続直状として
配設することによってこれら両者の変形のピーク位置を
車幅方向に異ならせて、最適な補強効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする自動車の車体骨格フレーム
を示す外観斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるフロントピラー
の配設状態を示す斜視図。
【図3】図2に示したフロントピラーの分解斜視図。
【図4】図3におけるアウタ材の座屈変形挙動を示す側
面説明図。
【図5】図3におけるリインフオースの座屈変形挙動を
示す側面説明図。
【図6】図4,図5に示したアウタ材とリインフオース
の座屈変形挙動を合成して示す側面説明図。
【図7】本発明の第1実施形態における座屈変形モード
を説明する波形線図。
【図8】本発明の第2実施形態を示す側面図。
【図9】図8のセンターピラー配設部分を断面として示
す半断面正面図。
【図10】図8,図9に示したセンターピラーの配設部
分を示す略示的斜視図。
【図11】図10の分解斜視図。
【図12】本発明の第2実施形態におけるセンターピラ
ーの縦断面図。
【図13】本発明の第2実施形態におけるセンターピラ
ーの変形モードを説明する図12と同様の縦断面図。
【図14】本発明の第3実施形態を示すフロア下面側か
ら見た斜視図。
【図15】図14の分解斜視図。
【図16】本発明の第3実施形態におけるフロアの底面
図。
【図17】本発明の第3実施形態におけるフロアクロス
メンバのアウタ材の変形モードを示す説明図。
【図18】本発明の第3実施形態におけるフロアクロス
メンバのリインフオースの変形モードを示す説明図。
【符号の説明】
10 フロントピラー(骨格部材) 11 ピラーアウタ(アウタ材) 12 ピラーインナ(アウタ材) 13,22,102 リインフオース 13A,13B,22A ビード部(脆弱部) 20 センターピラー(骨格部材) 21 アウタ材 30 リヤピラー(骨格部材) 40 ルーフサイドレール(骨格部材) 50 サイドシル(骨格部材) 60 フロントサイドメンバ(骨格部材) 70 サイドメンバエクステンション(骨格部材) 100 フロアクロスメンバ(骨格部材) 150 変形のピーク位置発生手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体骨格フレームを構成する骨格部材を
    中空断面をもつアウタ材と、該アウタ材の内部にその長
    さ方向の略両端部間に亘って設置されるリインフオース
    とで構成し、 これらアウタ材とリインフオースの各座屈モード波形の
    ピーク位置を互いに異ならせて設定したことを特徴とす
    る車体骨格フレームの補強構造。
  2. 【請求項2】 前記請求項1において、リインフオース
    に変形のピーク位置発生手段を設けて、該ピーク位置発
    生手段によりアウタ材に対してリインフオースの座屈モ
    ード波形のピーク位置を異ならせたことを特徴とする車
    体骨格フレームの補強構造。
  3. 【請求項3】 前記請求項1において、アウタ材に変形
    のピーク位置発生手段を設けて、該ピーク位置発生手段
    によりリインフオースに対してアウタ材の座屈モード波
    形のピーク位置を異ならせたことを特徴とする車体骨格
    フレームの補強構造。
  4. 【請求項4】 前記請求項1または2において、ピーク
    位置発生手段を他の骨格部材との結合部に近接して設け
    たことを特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  5. 【請求項5】 前記請求項1において、アウタ材とリイ
    ンフオースにそれぞれ変形のピーク位置発生手段を設
    け、一方のピーク位置発生手段を他の骨格部材との結合
    部に近接させ、他方のピーク位置発生手段を他の骨格部
    材との結合部から離して設定することにより、各座屈モ
    ード波形のピーク位置を異ならせたことを特徴とする車
    体骨格フレームの補強構造。
  6. 【請求項6】 前記請求項2〜5の何れかにおいて、変
    形のピーク位置発生手段を脆弱的により形成したことを
    特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  7. 【請求項7】 前記請求項2〜6の何れかにおいて、変
    形のピーク位置発生手段により発生させたピーク位置を
    移動調整するモード調整手段を設けたことを特徴とする
    車体骨格フレームの補強構造。
  8. 【請求項8】 請求項7において、モード調整手段を、
    相対するアウタ材又はリインフオースの発生ピーク位置
    近傍の壁面で構成したことを特徴とする車体骨格フレー
    ムの補強構造。
JP2002120714A 2002-01-16 2002-04-23 車体骨格フレームの補強構造 Withdrawn JP2003312536A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002120714A JP2003312536A (ja) 2002-04-23 2002-04-23 車体骨格フレームの補強構造
EP02027769A EP1331161B1 (en) 2002-01-16 2002-12-11 Reinforcing structure for body frame of vehicle
DE60232575T DE60232575D1 (de) 2002-01-16 2002-12-11 Verstärkungskonstruktion für Karosserierahmen von Kraftfahrzeugen
US10/337,847 US6817654B2 (en) 2002-01-16 2003-01-08 Reinforcing structure for body frame of vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002120714A JP2003312536A (ja) 2002-04-23 2002-04-23 車体骨格フレームの補強構造

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006245351A Division JP4483843B2 (ja) 2006-09-11 2006-09-11 車体骨格フレームの補強構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003312536A true JP2003312536A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29536862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002120714A Withdrawn JP2003312536A (ja) 2002-01-16 2002-04-23 車体骨格フレームの補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003312536A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062713A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Toyota Motor Corp 車体のルーフサイド構造
US8480163B2 (en) 2008-07-14 2013-07-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Pillar structure of vehicle and method for manufacturing the same
JPWO2014167742A1 (ja) * 2013-04-09 2017-02-16 トヨタ自動車株式会社 車体構造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062713A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Toyota Motor Corp 車体のルーフサイド構造
US8480163B2 (en) 2008-07-14 2013-07-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Pillar structure of vehicle and method for manufacturing the same
JPWO2014167742A1 (ja) * 2013-04-09 2017-02-16 トヨタ自動車株式会社 車体構造
US9815498B2 (en) 2013-04-09 2017-11-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle body structure

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4286884B2 (ja) 自動車の車体構造
JP4483843B2 (ja) 車体骨格フレームの補強構造
JP3783546B2 (ja) 車両のサイドシル構造
US6688676B1 (en) Vehicle structure with load transmission elements
JP3381703B2 (ja) 自動車のフロア構造
US7748774B2 (en) Vehicle body structure
JP2019051818A (ja) 車体構造
EP1389575A2 (en) Vehicle front-end body structure
JP2010120525A (ja) 車体下部構造
EP3753813B1 (en) Vehicle side body structure
JP2003312536A (ja) 車体骨格フレームの補強構造
JP2006321490A (ja) 車体骨格フレームの補強構造
JP3321065B2 (ja) 自動車の車体フレーム補強構造
JP4147859B2 (ja) 車両のフロントボデー構造
JP2022083565A (ja) 車体構造
JP2004155393A (ja) 車体前部構造
JP2003335267A (ja) 車体骨格フレームの補強構造
JP2003335266A (ja) 車体骨格フレームの補強構造
JP2002337734A (ja) 自動車のフロントピラー構造
JP4394894B2 (ja) リアフロア構造
JP2003312549A (ja) 車体骨格フレームの補強構造
JPH0939834A (ja) 自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
JP4123012B2 (ja) 車体前部構造
JP4496956B2 (ja) 車体前部構造
JP4123014B2 (ja) 車体前部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051125

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060214

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20060315

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060725

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060911

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060929

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20061102

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080711