JP2003335267A - 車体骨格フレームの補強構造 - Google Patents

車体骨格フレームの補強構造

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JP2003335267A
JP2003335267A JP2002143245A JP2002143245A JP2003335267A JP 2003335267 A JP2003335267 A JP 2003335267A JP 2002143245 A JP2002143245 A JP 2002143245A JP 2002143245 A JP2002143245 A JP 2002143245A JP 2003335267 A JP2003335267 A JP 2003335267A
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buckling
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Tadashi Makita
匡史 牧田
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨格部材とその内部のリインフオースの部材
変更を伴わずに補強効果の向上を図る。 【解決手段】 サイドシル50を構成する中空断面のア
ウタ材51に対して、その内側のリインフオース52の
座屈モード波形の振幅を大きく設定することにより、両
者の間で長さ方向で変形モードの干渉が生じて変形を分
散させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体骨格フ
レームの補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車の車体骨格フレームの補強
構造としては、例えば特開2001−180518号公
報に示されているように、車体骨格フレームを構成する
骨格部材を中空断面のアウタ材と、その内部に設けたリ
インフオースとで構成し、該リインフオースをアウタ材
の内側全体を覆うように広い範囲で一体成形することに
より、軽量かつ効率的にアウタ材を補強するようにした
ものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車体骨格フレームの補強構造では、リインフ
オースをアウタ材の内面の凹凸形状に沿った形状として
あるため、アウタ材の強度はリインフオースを設置した
分だけ全体的に向上するものの、その強度分布はリイン
フオースを設置する前と変化はなく、故に、折れ変形の
発生位置もリインフオースによる補強前と変わらず、ア
ウタ材を補強している割りには折れ変形部位に対してし
か補強効果が小さいので、必ずしも効率的な補強とは云
えない。
【0004】そこで、本発明は骨格部材を構成する中空
断面のアウタ材とその内部に設置するリインフオースの
各座屈変形モードを適切に設定することによって、板厚
の増大や補強手段の増設等を伴うことなく補強効果を向
上することができる車体骨格フレームの補強構造を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、車体
骨格フレームを構成する骨格部材は、中空断面のアウタ
材の内部にその長さ方向にリインフオースを設置してあ
って、このリインフオースの座屈モード波形の振幅をア
ウタ材の座屈モード波形の振幅よりも大きく設定したこ
とを特徴としている。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、中空断面のアウタ材の
内部にその長さ方向に設置したリインフオースの座屈モ
ード波形の振幅を、該アウタ材の座屈モード波形の振幅
よりも大きく設定してあるため、骨格部材に軸方向に衝
突荷重が作用してアウタ材およびリインフオースが座屈
変形する際に、アウタ材に対してリインフオースが大き
な振幅で変形することで、両者の間で長さ方向で全体的
に干渉が生じる。
【0007】このアウタ材とリインフオースの相互干渉
による抵抗力により骨格部材の局部的な変形の成長を抑
制しながら荷重を相互に分担して骨格部材全体に変形を
分散させ、圧壊反力を高めてエネルギー吸収量を増大す
ることができ、従って、アウタ材およびリインフオース
の板厚を徒に増大したり、補強材を増設したりすること
なく骨格部材の補強効果を高めて衝突性能を向上するこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0009】図1は本発明の対象とする自動車の車体骨
格フレームを示しており、フロントピラー10,センタ
ーピラー20,リヤピラー30等の上下方向の骨格部材
と、これらピラー10〜30の各上端を継ぐルーフサイ
ドの前後方向の骨格部材であるルーフサイドレール40
と、前記ピラー10〜30の各下端を継ぐフロアサイド
の前後方向の骨格部材であるサイドシル50と、フロン
トコンパートメントの左右両側部に配置した前後方向の
骨格部材であるフロントメンバ60と、該フロントメン
バ60の後方延長部であってダッシュパネル90の前面
からフロアパネル80の下面側に廻り込んだサイドメン
バエクステンション70等を備えている。
【0010】これらの骨格部材10〜70は、一般的な
乗用車の車体に共通なものであり、本発明は前述のどの
骨格部材へも適用可能である。
【0011】図2〜7は本発明をサイドシル50に適用
した第1実施形態を示している。
【0012】サイドシル50は、図4に示すように中空
断面(閉断面)に形成されて前端をフロントピラー10
の下端部に結合すると共に、後端をリヤピラー30の下
端部に結合し、実質的にサイドシル50の外殻を構成す
るアウタ材51と、このアウタ材51よりも小さな中空
断面(閉断面)に形成されて、該アウタ材51の内部に
その長さ方向の略両端部間に亘って設置したリインフオ
ース52とで構成している。
【0013】そして、図5に示すようにこのリインフオ
ース52の座屈モード波形SBの振幅をアウタ材51の
座屈モード波形SAの振幅よりも大きく設定してある。
【0014】ここで、図8に示すように前記変形振幅の
大きなリインフオース52と、変形振幅の小さなアウタ
材51とを同じストロークで座屈変形させた場合、座屈
変形の進行が速い変形振幅の大きなリインフオース52
は、アウタ材51に対して倒れ変形(折れ変形)し易く
なる。
【0015】従って、これらアウタ材51とリインフオ
ース52とを組合わせることにより、アウタ材51によ
ってリインフオース52の倒れ変形(折れ変形)を抑制
することができて、サイドシル50の安定した座屈変形
モードを期待することができる。
【0016】これは、図9の座屈モード波形に示すよう
に変形振幅の小さなアウタ材51の座屈モード波形SA
と、変形振幅の大きなリインフオース52の座屈モード
波形SBとが組合わされることにより、波形SAとSB
とが「腹」の部分で相互に干渉するようになり、これら
波形SA,SBの合成波形、即ち、サイドシル50の全
体の座屈モード波形は図10の実線で示すように振幅が
小さく抑制される。なお、図10の破線は前記波形SA
とSBとの振幅が同一の場合の合成波形を示している。
【0017】本実施形態では前記リインフオース52に
座屈変形開始時期促進手段120を設けることにより、
リインフオース52の座屈変形開始時期をアウタ材51
の座屈変形開始時期よりも進めて、該アウタ材51に対
してリインフオース52の座屈モード波形の振幅を大き
くするようにしている。
【0018】この座屈変形開始時期促進手段120は、
例えば図3,5に示すように、リインフオース52の荷
重入力点位置P1 をアウタ材51の荷重入力点位置P2
よりも荷重入力方向前方に設定し、これら荷重入力点位
置間に所要のクリアランスSを設定することにより構成
することができる。
【0019】具体的には、図3に示すようにリインフオ
ース52の後端はアウタ材51の内部に接合固定したバ
ルクヘッド122に突き合わせて接合固定してあって、
該リインフオース52の前端をアウタ材51の前端より
も前方に突出配置してある。
【0020】リインフオース52の前端はエンドプレー
ト52aを接合して閉断面を閉塞してある。
【0021】エンドプレート52aはアウタ材51の前
端を覆うキャップ状に形成して、該エンドプレート52
aとアウタ材51とは非接合として軸方向に相対移動可
能としてあり、このエンドプレート52aの前面をリイ
ンフオース52の荷重入力点P1 とすると共に、アウタ
材51の前端を荷重入力点P2 として、これら両荷重入
力点P1 ,P2 間に所要のクリアランスSを設定してあ
る。
【0022】リインフオース52は、場合によってセン
ターピラー20の配設相当部位で前後に2分割し、セン
ターピラー20内に設けられる後述のリインフオース2
2のシル内突出下端部を前記バルクヘッド122とし
て、これに前部側のリインフオース52の後端を接合固
定するようにしてもよい。
【0023】図5,6は本実施形態のサイドシル50が
車両前方から衝突されて外力Fを受けた場合の作用を示
している。
【0024】車両の前面衝突により前輪F・Wが後退移
動してサイドシル50の前端部に衝接することにより、
該サイドシル50には衝突荷重Fが軸方向に入力する。
【0025】このとき、サイドシル50のリインフオー
ス52の前端は、アウタ材51の前端よりも前方に突出
していて、荷重入力点P1 がアウタ材51の荷重入力点
P2よりも荷重入力方向前方に設定してあって、これら
荷重入力点P1 とP2 との間には所要のクリアランスS
を設定してあるため、前輪F・Wがリインフオース52
の前端に先当りしてアウタ材51に対して該リインフオ
ース52の座屈変形開始時期が早められる。
【0026】このため、リインフオース52の座屈モー
ド波形SBの振幅の成長が増進されて、図9に示すよう
に該リインフオース52の座屈モード波形SBの振幅が
大きくされる。
【0027】リインフオース52が前記所定のクリアラ
ンスS分だけ座屈変形すると、リインフオース52の前
端のエンドプレート52aがアウタ材51の前端に衝接
して、リインフオース52がクリアランスS分だけ座屈
変形するのに要する時間tの時間遅れをもってアウタ材
51に衝突荷重Fが軸方向に入力し、該アウタ材51は
前記遅延時間tによって前記リインフオース52に対し
て変形振幅の成長が小さく抑制されて、該アウタ材51
は図9に示すようにリインフオース52よりも変形振幅
の小さな座屈モード波形SAで座屈変形するようにな
る。
【0028】この結果、図6に示すようにサイドシル5
0の長さ方向で全体的に変形振幅の大きなリインフオー
ス52の座屈波形の「腹」と、変形振幅の小さなアウタ
材51の座屈波形の「腹」とが干渉し、この干渉による
抵抗力でリインフオース52の局部的な変形の成長を抑
制し、ひいてはサイドシル50の局部的な変形の成長を
抑制して該サイドシル50の折れ変形を回避し、荷重F
をこれらリインフオース52,アウタ材51の相互に分
担してサイドシル50全体に変形を分散させると共に、
前記相互干渉による抵抗力の増大によって圧壊反力が高
められてエネルギー吸収量を増大することができる。
【0029】また、車両の斜め前面衝突時に図7に示す
ように前輪F・Wがサイドシル50の斜め外側前方より
衝接して斜め方向に衝突荷重Fが作用すると、サイドシ
ル50は平面内側に湾曲変形するようになるが、この場
合も、前述したリインフオース52とアウタ材51の各
座屈変形の「腹」同士の干渉による抵抗力の増大作用
で、サイドシル50の内側への湾曲変形を小さく抑制す
ることができる。
【0030】従って、アウタ材51およびリインフオー
ス52の板厚を徒に増大したり、補強材を増設したりす
ることなくサイドシル50の補強効果を高めて衝突性能
を向上することができる。
【0031】ここで、本実施形態では前述のようにリイ
ンフオース52の座屈モード波形の振幅を大きく設定す
る手段として、該リインフオース52に座屈変形開始時
期促進手段120を設けて軸方向の座屈変形開始時期を
アウタ材51に対して所定時間tだけ早めることで、該
リインフオース52の変形振幅の成長を増進して振幅を
大きくさせることができるため、リインフオース52の
荷重入力点P1 位置をアウタ材51の荷重入力点P2
置よりも荷重入力方向前方に設定すると共に、これら両
荷重入力点P1 ,P2 間に荷重入力方向に所要のクリア
ランスSを設定するだけの簡単な構成により、サイドシ
ル50の補強効果を高めることができる。
【0032】図11〜13は前記第1実施形態における
座屈変形開始時期促進手段120をフロントサイドメン
バ60に適用した第2実施形態を示している。
【0033】フロントサイドメンバ60は中空断面(閉
断面)に形成したアウタ材61と、アウタ材61よりも
小さな閉断面に形成されて該アウタ材61の内部にその
長さ方向の略両端部間に亘って設置されたリインフオー
ス62とで構成している。
【0034】リインフオース62はその後端をアウタ材
61の内部に接合固定したバルクヘッド122に突き合
わせて接合固定し、前端をアウタ材61の前端よりも前
方に突出配置してある。
【0035】リインフオース62の前端にはキャップ状
のエンドプレート62aを接合してあって、該エンドプ
レート62aとアウタ材61の前端とは非接合として軸
方向に相対移動可能としてあり、このエンドプレート6
2aの前面をリインフオース62の荷重入力点P1 とす
ると共にアウタ材61の前端を該アウタ材61の荷重入
力点P2 とし、これら両荷重入力点P1 ,P2 間に所要
のクリアランスSを設定して座屈変形開始時期促進手段
120を構成している。
【0036】これにより、車両の前面衝突時にフロント
サイドメンバ60の前端に衝突荷重Fが作用した際に
は、前記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0037】図14,15は前記第1実施形態における
座屈変形開始時期促進手段120をセンターピラー20
に適用した第3実施形態を示している。
【0038】センターピラー20は、中空断面(閉断
面)に形成されて実質的にセンターピラー20の外殻を
構成するアウタ材21と、アウタ材21よりも小さな閉
断面に形成されてアウタ材21の内部に略上下両端部間
に亘って配置したリインフオース22とで構成してい
る。
【0039】リインフオース22の下端は前記サイドシ
ル50に結合してある一方、上端にはルーフサイドレー
ル40の閉断面内に突出する側面略T字状のバルクヘッ
ド122を接合固定してあり、該バルクヘッド122を
介してルーフサイドレール40に結合してある。
【0040】このバルクヘッド122の上端はルーフサ
イドレール40の上壁に当接もしくは近接配置して、該
上端をリインフオース22の荷重入力点P1 としてある
一方、アウタ材21の上端のルーフサイドレール40の
下壁との連設部を該アウタ材21の荷重入力点P2 と
し、そして、バルクヘッド122のショルダー部下端と
前記荷重入力点P2 との間に上下方向に所要のクリアラ
ンスSを設定することにより座屈変形開始時期促進手段
120を構成している。
【0041】この第3実施形態によれば、ルーフサイド
レール40の上方より衝突荷重Fが入力すると、この衝
突荷重Fはバルクヘッド122を介して直ちにリインフ
オース22の軸方向荷重として伝達されて軸方向に座屈
変形を開始するが、リインフオース22が前記クリアラ
ンスS分だけ座屈変形したところでバルクヘッド122
のショルダー部下端がアウタ材21の上端に衝接して、
所定時間tの時間遅れをもって該アウタ材21に軸方向
荷重が伝達されて、アウタ材21の軸方向の座屈変形が
開始する。
【0042】これにより、アウタ材21に対してリイン
フオース22の座屈モード波形の振幅の成長が増進さ
れ、該リインフオース22の変形振幅が大きくなって前
記図9,10に示したものと同様の波形特性が得られ
る。
【0043】この結果、センターピラー20の長さ方向
全体でアウタ材21とリインフオース22との間で座屈
波形の「腹」同士の干渉が生じ、この干渉による抵抗力
でリインフオース22の局部的な変形の成長を抑制し、
ひいてはセンターピラー20の局部的な変形の成長を抑
制して該センターピラー20の折れ変形を回避し、荷重
Fをこれらリインフオース22,アウタ材21の相互に
分担してセンターピラー20全体に変形を分散させると
共に、前記相互干渉による抵抗力の増大によって圧壊反
力を高めることができる。
【0044】図16〜19は本発明の第4実施形態を示
すものである。
【0045】本実施形態はサイドメンバエクステンショ
ン70に本発明を適用したものである。
【0046】サイドメンバエクステンション70は、ダ
ッシュパネル90の後傾したトーボード面に突き合わせ
て結合したフロントサイドメンバ60(図1参照)の後
端部下側に嵌合して結合してあり、ダッシュパネル90
の傾斜面(トーボード面)からフロアパネル80の下面
に沿って接合して前後方向に延在配置してある。
【0047】このサイドメンバエクステンション70に
は、フロアパネル80の下面に車幅方向に接合配置した
フロアクロスメンバ100を直交状態に接合してある。
【0048】サイドメンバエクステンション70は、略
ハット形断面に形成されて前端部を前記フロントサイド
メンバ60の後端部に外嵌結合すると共に、フランジ7
1aを介してダッシュパネル90の傾斜面およびフロア
パネル80の下面に沿って接合されて、これらパネル9
0,80との間に中空断面(閉断面)を形成して実質的
にサイドメンバエクステンション70の外殻を構成する
アウタ材71と、このアウタ材71の内部にその長さ方
向の略両端部間に亘って設置したリインフオース72と
で構成している。
【0049】リインフオース72はアウタ材71よりも
小さな略ハット形断面に形成され、該アウタ材71とは
独立して前記パネル90,80にフランジ72aを介し
て接合して、これらパネル90,80との間に中空断面
(閉断面)を形成している。
【0050】ここで、本実施形態にあっては前記リイン
フオース72に、アウタ材71に対して座屈モード波形
の振幅を大きくする変形モード調整手段130を設け
て、リインフオース72の座屈モード波形の振幅をアウ
タ材71の座屈モード波形の振幅よりも大きくするよう
にしている。
【0051】この変形モード調整手段130はリインフ
オース72に強度変化部を設けて構成している。
【0052】本実施形態ではこの強度変化部を、リイン
フオース72のフロア下面に沿う水平部分の頂部壁72
bに前後方向に列設した複数の脆弱部としてのビード部
131としてある。
【0053】アウタ材71のフロア下面に沿う水平部分
の座屈モード波形SAが、図18の(A)に示すように
該水平部分の前端を「節」として所定ピッチに設定され
る場合、前記リインフオース72の頂部壁72bのビー
ド部131はこの座屈モード波形SAの「節」と「腹」
に対応した位置に横方向に設けられる。
【0054】具体的には、図18の(B)に示すように
前記座屈モード波形SAの「節」に対応した位置ではビ
ード部131aを内側へ窪む凹部として、および座屈モ
ード波形SAの「腹」に対応した位置ではビード部13
1bを外側に突出する凸部として形成してあり、リイン
フオース72の水平部分が前端側から軸方向荷重を入力
した場合に、該リインフオース72が前記凹ビード部1
31bを座屈変形の「節」として座屈変形して、図18
の(B)に示すように前記アウタ材71の座屈モード波
形SAと同一ピッチで、かつ、座屈波形の「腹」が前記
凸ビード部131bによってアウタ材71に対して外側
への湾曲変形量が大きくなって変形振幅が大きな座屈モ
ード波形SBが得られるようにしてある。
【0055】また、前記リインフオース72のフランジ
部72aは、前記座屈モード波形SBにおける「腹」に
相当する部分では切除し、フロアパネル80とは非接合
として外側への湾曲変形に支障とならないようにしてあ
る。
【0056】従って、この第4実施形態の構造によれ
ば、車両の前面衝突により、サイドメンバエクステンシ
ョン70に軸方向荷重が作用すると、アウタ材71の前
記水平部分がその前端から軸方向に前記座屈モード波形
SAで波形状に座屈変形するようになる。
【0057】一方、リインフオース72の前記水平部分
もその前端から軸方向にアウタ材71と略同期的かつ同
一ピッチで波形状に座屈変形するが、アウタ材71の座
屈波形の「腹」に相当する部分では頂部壁72bの凸ビ
ード部131bにより湾曲形状の座屈変形が促進される
ため、該リインフオース72の長さ方向全体の座屈モー
ド波形SBは前記図18の(B)に示すように振幅の成
長が増進されて変形振幅が大きくなり、前記図9,10
に示したものと同様の波形特性が得られる。
【0058】この結果、アウタ材71とリインフオース
72の座屈波形の「腹」同士が干渉し、この干渉による
抵抗力でリインフオース72の局部的な変形の成長を抑
制し、ひいてはサイドメンバエクステンション70の局
部的な変形の成長を抑制して該サイドメンバエクステン
ション70の折れ変形を回避し、荷重Fをこれらリイン
フオース72,アウタ材71の相互に分担してサイドメ
ンバエクステンション70全体に変形を分散させると共
に、前記相互干渉による抵抗力の増大によって圧壊反力
を高めることができる。
【0059】特に、本実施形態ではリインフオース72
を変形モード調整手段130によって、リインフオース
72自体に強度変化部を設けて軸荷重による変形モード
を調整することによって変形振幅を大きくさせるため、
アウタ材71の構造変更を伴うことがなくコスト的に有
利に得ることができる。
【0060】また、この強度変化部を脆弱部としてのビ
ード部131を設けることによって容易に構成できると
共に、該ビード部131の設計によって変形モードを容
易に調整することができる。
【0061】前記第4実施形態では、リインフオース7
2の頂部壁72bに脆弱部としてのビード部131を設
けて、これを変形モード調整手段130としているが、
図20に示す第5実施形態のように、前記頂部壁72b
をその壁面形状が滑らかに連続する波形状に形成するこ
とによって変形モード調整手段130とすることができ
る。
【0062】この頂部壁72bの波形形状の「山」と
「谷」は、前記リインフオース72の座屈モード波形S
Bにおける波形の「腹」と「節」に対応して設けられる
ことは言うまでもない。
【0063】従って、この第5実施形態によればリイン
フオース72がその頂部壁72bの波形形状の「山」と
「谷」によって波形状の座屈変形がより整然と行われ
て、アウタ材71の座屈モード波形SAに対して、変形
振幅の大きな座屈モード波形SBの座屈変形を行わせる
ことができる。
【0064】図21は図20に示した第5実施形態の変
形例である第6実施形態を示すもので、本実施形態では
前記頂部壁72bの波形形状における「山」の部分を厚
肉部とし、「谷」の部分を薄肉部として、これら厚肉部
と薄肉部とが交互に連続するようにしたものである。
【0065】従って、この第6実施形態によればリイン
フオース72の波形状の座屈変形が薄肉部とした波形形
状の各「谷」を起点に誘発されて、前述の座屈モード波
形SBの変形を整然と行わせることができると共に、厚
肉部の「山」の部分がアウタ材71の座屈波形の「腹」
の部分とより強く接触して抵抗力を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする自動車の車体骨格フレーム
を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるサイドシルを示
す分解斜視図。
【図3】図2に示したサイドシルの要部示す断面図。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図。
【図5】図2に示したサイドシルの配設状態を座屈モー
ド波形と併せて略示的に示す平面説明図。
【図6】図2に示したサイドシルの作用を略示的に示す
平面説明図。
【図7】図2に示したサイドシルの作用の異なる例を略
示的に示す平面説明図。
【図8】変形振幅の大きなリインフオースと変形振幅の
小さなアウタ材との座屈変形モデルを示す説明図。
【図9】図8に示したリインフオースとアウタ材とを組
合わせた場合の座屈モード波形を示す説明図。
【図10】図9に示した座屈モード波形の合成波形を示
す説明図。
【図11】本発明の第2実施形態におけるフロントサイ
ドメンバを示す斜視図。
【図12】図11に示したフロントサイドメンバの断面
図。
【図13】図12のB−B線に沿う断面図。
【図14】本発明の第3実施形態におけるセンターピラ
ーを示す斜視図。
【図15】図14に示したセンターピラーの要部を断面
として示す側面図。
【図16】本発明の第4実施形態におけるサイドメンバ
エクステンションの配設状態をフロア下側から見た斜視
図。
【図17】図16のC−C線に沿う断面図。
【図18】図16に示したサイドメンバエクステンショ
ンのアウタ材とリインフオースとを座屈モード波形と併
せて示す斜視図。
【図19】図18に示した変形モード調整手段の形成部
分を拡大して示す斜視図。
【図20】本発明の第5実施形態を示す図19と同様の
斜視図。
【図21】本発明の第6実施形態を示す図20のD−D
線相当の断面図。
【符号の説明】
10 フロントピラー(骨格部材) 20 センターピラー(骨格部材) 30 リヤピラー(骨格部材) 40 ルーフサイドレール(骨格部材) 50 サイドシル(骨格部材) 60 フロントサイドメンバ(骨格部材) 70 サイドメンバエクステンション(骨格部材) 21,51,61,71 アウタ材 22,52,62,72 リインフオース 120 座屈変形開始時期促進手段 130 変形モード調整手段 131 ビード部(脆弱部) P1 リインフオースの荷重入力点 P2 アウタ材の荷重入力点 S クリアランス

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体骨格フレームを構成する骨格部材を
    中空断面をもつアウタ材と、該アウタ材の内部にその長
    さ方向に設置されるリインフオースとで構成し、 かつ、前記リインフオースの座屈モード波形の振幅をア
    ウタ材の座屈モード波形の振幅よりも大きく設定したこ
    とを特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  2. 【請求項2】 前記請求項1において、リインフオース
    に座屈変形開始時期促進手段を設けて、リインフオース
    の座屈変形開始時期をアウタ材の座屈変形開始時期より
    も進めることにより、該アウタ材に対してリインフオー
    スの座屈モード波形の振幅を大きくするようにしたこと
    を特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  3. 【請求項3】 前記請求項2において、座屈変形開始時
    期促進手段として、リインフオースの荷重入力点位置を
    アウタ材の荷重入力点位置よりも荷重入力方向前方に設
    定し、これら荷重入力点位置間に荷重入力方向に所要の
    クリアランスを設定することにより構成したことを特徴
    とする車体骨格フレームの補強構造。
  4. 【請求項4】 前記請求項1において、リインフオース
    にアウタ材に対して座屈モード波形の振幅を大きくする
    変形モード調整手段を設けたことを特徴とする車体骨格
    フレームの補強構造。
  5. 【請求項5】 前記請求項4において、変形モード調整
    手段として、リインフオースに強度変化部を設けて構成
    したことを特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  6. 【請求項6】 前記請求項5において、強度変化部が脆
    弱部であることを特徴とする車体骨格フレームの補強構
    造。
  7. 【請求項7】 前記請求項4において、変形モード調整
    手段として、リインフオースの壁面形状を滑らかに連続
    する波形状にして構成したことを特徴とする車体骨格フ
    レームの補強構造。
  8. 【請求項8】 前記請求項4において、変形モード調整
    手段として、リインフオースに厚肉部と薄肉部とを交互
    に連続的に形成して構成したことを特徴とする車体骨格
    フレームの補強構造。
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