JP2003335266A - 車体骨格フレームの補強構造 - Google Patents

車体骨格フレームの補強構造

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JP2003335266A
JP2003335266A JP2002143235A JP2002143235A JP2003335266A JP 2003335266 A JP2003335266 A JP 2003335266A JP 2002143235 A JP2002143235 A JP 2002143235A JP 2002143235 A JP2002143235 A JP 2002143235A JP 2003335266 A JP2003335266 A JP 2003335266A
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buckling
amplitude
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Tadashi Makita
匡史 牧田
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨格部材とその内部のリインフオースの部材
変更を伴わずに補強効果の向上を図る。 【解決手段】 サイドメンバエクステンション70を構
成する中空断面のアウタ材71に対して、その内部のリ
インフオース72の座屈モード波形の振幅を小さく設定
することにより、両者の間で長さ方向で変形モードの干
渉が生じて変形を分散させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体骨格フ
レームの補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車の車体骨格フレームの補強
構造としては、例えば特開2001−180518号公
報に示されているように、車体骨格フレームを構成する
骨格部材を中空断面のアウタ材と、その内部に設けたリ
インフオースとで構成し、該リインフオースをアウタ材
の内側全体を覆うように広い範囲で一体成形することに
より、軽量かつ効率的にアウタ材を補強するようにした
ものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車体骨格フレームの補強構造では、リインフ
オースをアウタ材の内面の凹凸形状に沿った形状として
あるため、アウタ材の強度はリインフオースを設置した
分だけ全体的に向上するものの、その強度分布はリイン
フオースを設置する前と変化はなく、故に、折れ変形の
発生位置もリインフオースによる補強前と変わらず、ア
ウタ材を補強している割には折れ変形部位に対してしか
補強効果が小さいので、必ずしも効率的な補強とは言え
ない。
【0004】そこで、本発明は骨格部材を構成する中空
断面のアウタ材とその内部に設置するリインフオースの
各座屈変形モードを適切に設定することによって、板厚
の増大や補強手段の増設等を伴うことなく補強効果を向
上することができる車体骨格フレームの補強構造を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、車体
骨格フレームを構成する骨格部材は、中空断面のアウタ
材の内部にその長さ方向にリインフオースを設置してあ
って、このリインフオースの座屈モード波形の振幅をア
ウタ材の座屈モード波形の振幅よりも小さく設定したこ
とを特徴としている。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、中空断面のアウタ材の
内部にその長さ方向に設置したリインフオースの座屈モ
ード波形の振幅を、該アウタ材の座屈モード波形の振幅
よりも小さく設定してあるため、骨格部材に軸方向に衝
突荷重が作用してアウタ材およびリインフオースが座屈
変形する際に、アウタ材の変形振幅に対してリインフオ
ースが小さな振幅で変形することで、両者の間で長さ方
向で全体的に干渉が生じる。
【0007】このアウタ材とリインフオースの相互干渉
による抵抗力により骨格部材の極部的な変形の成長を抑
制しながら荷重を相互に分担して骨格部材全体に変形を
分散させ、圧壊反力を高めてエネルギー吸収量を増大す
ることができ、従って、アウタ材およびリインフオース
の板厚を徒に増大したり、補強材を増設したりすること
なく骨格部材の補強効果を高めて衝突性能を向上するこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0009】図1は本発明の対象とする自動車の車体骨
格フレームを示しており、フロントピラー10、センタ
ーピラー20、リヤピラー30等の上下方向の骨格部材
と、これらピラー10〜30の各上端を継ぐルーフサイ
ドの前後方向の骨格部材であるルーフサイドレール40
と、前記ピラー10〜30の各下端を継ぐフロアサイド
の前後方向の骨格部材であるサイドシル50と、フロン
トコンパートメントの左右両側部に配置した前後方向の
骨格部材であるフロントサイドメンバ60と、該フロン
トサイドメンバ60の後方延長部であってダッシュパネ
ル90の前面からフロアパネル80の下面側に廻り込ん
だサイドメンバエクステンション70等を備えている。
【0010】これらの骨格部材10〜70は、一般的な
乗用車の車体に共通なものであり、本発明は前述のどの
骨格部材へも通用可能である。
【0011】図2〜7は本発明をサイドメンバエクステ
ンション70に適用した第1実施形態を示している。
【0012】図2はサイドメンバエクステンション70
の配設状況をフロア下側から見た斜視図として表したも
のである。
【0013】フロントサイドメンバ60はその後端をフ
ロントコンパートメントとキャビンとを隔成するダッシ
ュパネル90の後傾したトーボード面に突き合わせて結
合してある。
【0014】サイドメンバエクステンション70は前記
フロントサイドメンバ60の後端部の下側部に嵌合して
結合してあり、ダッシュパネル90の傾斜面(トーボー
ド面)からフロアパネル80の下面に沿って接合して前
後方向に延在して、後端をフロアパネル80の下面に車
幅方向に接合配置したリヤシートクロスメンバ100
(図6,7参照)に突き合わせて結合してある。
【0015】また、このサイドメンバエクステンション
70はフロア中央部分でその下面に車幅方向に接合配置
したフロアクロスメンバ110とも交差している。
【0016】サイドメンバエクステンション70は、略
ハット形断面に形成されて前端部を前記フロントサイド
メンバ60の後端部に外嵌結合すると共に、フランジ7
1aを介してダッシュパネル80の傾斜面およびフロア
パネル80の下面に沿って接合され、かつ、後端が前記
リヤシートクロスメンバ100に付き合わせて結合され
て、これらパネル90、80との間に中空断面(閉断
面)を形成して実質的にサイドメンバエクステンション
70の外殻を構成するアウタ材71と、このアウタ材7
1の内部にその長さ方向の略両端部間に亘って設置され
たリインフオース72とで構成している。
【0017】リインフオース72は図3〜5に示すよう
にアウタ材71よりも小さな略ハット形断面に形成さ
れ、該アウタ材71とは独立して前記パネル90、80
にフランジ72aを介して接合して、これらパネル9
0、80との間に中空断面(閉断面)を形成している。
【0018】そして、このリインフオース72の座屈モ
ード波形の振幅をアウタ材71の座屈モード波形の振幅
よりも小さく設定してある。
【0019】ここで、図8に示すように前記変形振幅の
小さなリインフオース72と、変形振幅の大きなアウタ
材71とを閉じストロークで座屈変形させた場合、座屈
変形の進行が速い変形振幅の大きなアウタ材71は、リ
インフオース72に対して倒れ変形(折れ変形)し易く
なる。
【0020】従って、これらアウタ材71とリインフオ
ース72とを組合わせることにより、リインフオース7
2によってアウタ材71の倒れ変形(折れ変形)を抑制
することができて、サイドメンバエクステンション70
の安定した座屈変形モードを期待することができる。
【0021】これは、図9の座屈モード波形に示すよう
に変形振幅の大きなアウタ材71の座屈モード波形SA
と、変形振幅の小さなリインフオース72の座屈モード
波形SBとが組合わされることにより、波形SAとSB
が「節」の部分で相互に干渉するようになり、これら波
形SA、SBの合成波形、即ち、サイドエクステンショ
ンメンバ70の全体の座屈モード波形は図10の実線で
示すように振幅が小さく抑制される。なお、図10の破
線は前記波形SAとSBとの振幅が同一の場合の合成波
形を示している。
【0022】本実施形態では前記リインフオース72に
座屈変形遅延手段120を設けることにより、リインフ
オース72の座屈変形開始時期をアウタ材71の座屈変
形開始時期よりも遅らせて、該アウタ材71に対してリ
インフオース72の座屈モード波形の振幅を小さくする
ようにしている。
【0023】この座屈変形遅延手段120は、例えば図
3,4に示すように、リインフオース72の前記ダッシ
ュパネル90の傾斜面に沿って曲折した前端部分の曲折
基部A点近傍の頂部壁72bに、脆弱部として複数条の
折れ誘発ビード121を設けて構成することができる。
【0024】図6,7は本実施形態のサイドメンバエク
ステンション70が車両前方から衝突されて外力Fを受
けた場合の作用を示している。
【0025】車両の前面衝突によりフロントサイドメン
バ60の前端に衝突荷重Fが入力すると、この衝突荷重
Fはサイドメンバエクステンション70に軸方向に伝達
される。
【0026】このとき、サイドメンバエクステンション
70のリインフオース72は、その前端部分の曲折基部
A点の近傍に設けた折れ誘発ビード121を起点に折れ
変形するため、リヤシートクロスメンバ100との突き
合わせ結合部であるサイドメンバエクステンション70
の反力支持点Bへの荷重伝達時間が、アウタ材71に対
して時間tだけ遅延する。
【0027】このため、リインフオース72の座屈モー
ド波形SBの振幅の成長が抑制されて、前記図9に示し
たように該リインフオース72の座屈モード波形SBの
振幅がアウタ材71の座屈モード波形SAの振幅よりも
小さくなる。
【0028】一方、フロントサイドメンバ60の前端に
衝突荷重Fが軸方向に入力することにより、サイドメン
バエクステンション70の上方へ曲折した前端部は、曲
折基部A点を支持点として図7に示すように後方へ倒れ
変形する傾向となり、フロア下面側では該曲折基部A点
と前記反力支持点B点との間で、該サイドメンバエクス
テンション70は、これらA点、B点およびフロアクロ
スメンバ110との結合部C点をそれぞれ支持点として
側面略S字状に座屈変形するようになる。
【0029】このとき、前述のようにリインフォース7
2の座屈モード波形SBの振幅は座屈変形遅延手段12
0により、アウタ材71の座屈モード波形SAの振幅よ
りも小さく設定されていて、前記B点とC点との間では
これら座屈モード波形SA、SBの「節」同士の干渉が
生じてアウタ材71の上方への弯曲変形がリインフオー
ス72との干渉によって小さく抑制される。
【0030】このアウタ材71とリインフオース72と
の相互干渉による抵抗力によって、サイドメンバエクス
テンション70の前記B点とC点との間における局部的
な変形の成長を抑制しながら荷重を相互に分担してサイ
ドメンバエクステンション70全体に変形を分散させ、
圧壊反力を高めてエネルギー吸収量を増大することがで
きる。
【0031】従って、アウタ材71およびリインフオー
ス72を徒に増大したり、補強材を増設したりすること
なくサイドメンバエクステンション70の補強効果を高
めて衝突性能を向上することができる。
【0032】また、前述のように前記B点とC点との間
でサイドメンバエクステンション70の局部的な上方へ
の弯曲変形が抑制されることから、これらB点〜C点の
範囲に設定されるシート取付部の強度剛性を高く維持す
ることができて、シート安定性を高めることができる。
【0033】ここで、本実施形態では前述のようにリイ
ンフオース72の座屈モード波形の振幅を小さく設定す
る手段として、該リインフオース72に座屈変形遅延手
段120を設けて軸方向の座屈変形開始時期をアウタ材
71に対して所定時間tだけ遅延させることで、該リイ
ンフオース72の変形振幅の成長を抑制して振幅を小さ
くさせることができるため、リインフオース72の所定
部位に軸方向の加重伝達速度をコントロールする前記折
れ誘発ビード121等の脆弱部を設けるだけの簡単な構
成により、サイドメンバエクステンション70の補強効
果を高めることができる。
【0034】前記第1実施形態では、リインフオース7
2の頂部壁72bに折れ誘発ビード121を設けて、こ
れを座屈変形遅延手段120を構成する脆弱部としてい
るが、図11に示す第2実施形態のように、前記頂部壁
72bの所定部位をその壁面形状が滑らかに連続する波
形状に形成することによって座屈変形遅延手段120と
することができる。
【0035】この第2実施形態によれば、頂部壁72b
の波形形状の「谷」の部分を起点としてリインフオース
72が折れ変形することで前記第1実施形態と同様にア
ウタ材71に対してリインフオース72の座屈変形開始
時点が遅延するようになるが、この折れ変形には前記折
れ誘発ビードと異なり、リインフオース72に局部的な
応力集中による亀裂発生が伴うのを抑制できて、リイン
フオース72本来の補強機能を些かも損なうことがな
い。
【0036】図12は図11に示した第2実施形態の変
形例である第3実施形態を示すもので、本実施形態では
前記頂部壁72bの波形形状における「山」の部分を厚
肉部とし、「谷」の部分を薄肉部として形成したもので
ある。
【0037】従って、この第3実施形態では頂部壁72
bの波形形状の「谷」の部分を起点にリインフオース7
2が折れ変形して、該リインフオース72の座屈変形開
始時期が遅延するが、この折れ変形時に厚肉部の「山」
の部分がアウタ材71に強く接触して抵抗力(接触力)
を高めることができる。
【0038】図13,14は本発明の第4実施形態を示
すもので、本実施形態では前記サイドメンバエクステン
ション72の前端位置を前記A点近傍に設定してある。
【0039】そして、このリインフオース72の前端と
アウタ材71との間に、アウタ材71からリインフオー
ス72への荷重の伝達を遅らせるため荷重入力方向(軸
方向)に所要のクリアランスSを設けて、座屈変形遅延
手段120を構成している。
【0040】本実施形態では、アウタ材71の閉断面内
にリインフオース72の前端末と前記クリアランスSを
おいてバルクヘッド122を対向的に固定配置し、アウ
タ材71が軸方向に前記クリアランスS分だけ軸方向に
座屈変形すると、バルクヘッド122がリインフオース
72の前端末に圧接して、該リインフオース72に軸方
向への荷重を伝達するようにしてある。
【0041】アウタ材71の側壁内面には軸方向にガイ
ド溝71cを設ける一方、リインフオース72の側壁外
面には該ガイド溝71cに係合するガイドピン72cを
突設して、これらガイド溝71cとガイドピン72cと
のガイド作用によって、前記バルクヘッド122とリイ
ンフオース72前端末との接触が適正に行われるように
してある。
【0042】従って、この第4実施形態によれば車両の
前面衝突により、フロントサイドメンバ60からサイド
メンバエクステンション70のアウタ材71に直ちに衝
突荷重Fが入力して、該アウタ材71が軸方向に前記ク
リアランスS分だけ座屈変形すると、バルクヘッド12
2がリインフオース72の前端末に圧接して、該リイン
フオース72に軸方向への荷重が伝達される。
【0043】即ち、リインフオース72には前記アウタ
材71がクリアランスS分だけ座屈変形するのに要する
所定時間tの遅れ時間をもって軸方向荷重が伝達され、
これにより前記第1実施形態と同様にアウタ材71に対
してリインフオース72の座屈モード波形の振幅の成長
を抑制し、該リインフオース72の変形振幅を小さくし
て第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】特に本実施形態では、座屈変形遅延手段1
20として、アウタ材71とリインフオース72との間
に軸方向荷重の伝達を遅らせるための所要のクリアラン
スSを設けて構成しているため、このクリアランスSの
設定により荷重伝達タイミングを容易にコントロールす
ることができる。
【0045】図15,16は前記第4実施形態における
座屈変形遅延手段120をサイドシル50に適用した第
5実施形態を示すものである。
【0046】サイドシル50は、中空断面(閉断面)に
形成されて実質的にサイドシル50の外殻を構成するア
ウタ材51と、アウタ材51よりも小さな中空断面(閉
断面)に形成されて該アウタ材51の内部にその長さ方
向の略両端部間に亘って設置されたリインフオース52
とで構成している。
【0047】リインフオース52はその前端をアウタ材
51の前端を閉塞したエンドプレート51aに突き合わ
せて接合してある。
【0048】アウタ材51の後端部内には閉断面を閉塞
するバルクヘッド122を接合配置し、該バルクヘッド
122とリインフオース52の後端末との間に所要のク
リアランスSを設けて、該クリアランスSをもって座屈
変形遅延手段120を構成している。
【0049】この第5実施形態によれば、車両の前面衝
突によりアウタ材51の前端に衝突荷重Fが入力する
と、該アウタ材51は直ちに軸方向に座屈変形を開始す
るが、アウタ材51が前記クリアランスS分だけ座屈変
形したところでリインフオース52の後端がバルクヘッ
ド122に圧接して、所定時間tの時間遅れをもって該
リインフオース52に軸方向荷重が伝達されて、リイン
フオース52の軸方向の座屈変形が開始する。
【0050】これにより、アウタ材51に対してリイン
フオース52の座屈モード波形の振幅の成長が抑制さ
れ、該リインフオース52の座屈振幅が小さくなって前
記図9,10に示したものと同様の波形特性が得られ
る。
【0051】この結果、サイドシル50の長さ方向全体
でアウタ材51とリインフオース52との間で座屈波形
の「節」同士の干渉が生じ、アウタ材51の局部的な変
形の成長を抑制してサイドシル50の折れ変形を回避
し、これらアウタ材51、リインフオース52の相互干
渉により抵抗力が増大して圧壊反力を高めることができ
る。
【0052】前記第5実施形態ではリインフオース52
の後端とバルクヘッド122との間にクリアランスSを
設定しているが、これとは逆に図17に示す第6実施形
態のように、リインフオース52の後端をバルクヘッド
122に突き合わせて接合し、リインフオース52の前
端とアウタ材51の前端のエンドプレート51aとの間
に所要のクリアランスSを設けて座屈変形遅延手段12
0を構成してもよい。
【0053】また、この第5実施形態における座屈変形
遅延手段120を図18〜20の第7,8実施形態に示
すようにフロントサイドメンバ60に適用することもで
きる。
【0054】第7実施形態では図18,19に示すよう
にフロントサイドメンバ60を、中空断面に形成したア
ウタ材61と、アウタ材61よりも小さな閉断面に形成
されて該アウタ材61の内部にその長さ方向の略両端部
間に亘って設置されたリインフオース62とで構成して
いる。
【0055】リインフオース62はその前端をアウタ材
51の前端のエンドプレート61aに接合し、その後端
とアウタ材51の後端部内に接合配置したバルクヘッド
122との間に所要のクリアランスSを設けて座屈変形
遅延手段120を構成しているが、図20の第8実施形
態に示すようにリインフオース62の後端をバルクヘッ
ド122に接合固定し、その前端とエンドプレート61
aとの間に所要のクリアランスSを設けて座屈変形遅延
手段120を構成すればよい。
【0056】これにより、前記第5,6実施形態のサイ
ドシル50に適用した場合と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0057】図21〜23は前記第5実施形態における
座屈変形遅延手段120をセンターピラー20に適用し
た第9実施形態を示している。
【0058】センターピラー20は、アウタパネル21
Aとインナパネル21Bとで閉断面に形成されて実質的
にセンターピラー20の外殻を構成するアウタ材21
と、アウタパネル21Bよりも小さな略ハット形断面に
形成され、該アウタパネル21Bと独立してインナパネ
ル21Aに接合されて閉断面を形成し、アウタ材21の
内部に略上下両端部間に亘って配置したリインフオース
22とで構成している。
【0059】リインフオース22の上端位置はアウタ材
21の上端部よりも低い位置に設定されていて、該アウ
タ材21の上端部内には上方からの衝突荷重Fをリイン
フオース22に伝達するためのバルクヘッド122を接
合固定してある。
【0060】このバルクヘッド122の下端とリインフ
オース22の上端との間には所要のクリアランスSを設
けてあり、このクリアランスSをもって座屈変形遅延手
段120を構成している。
【0061】この第9実施形態によれば、アウタ材21
の上方より衝突荷重Fが入力すると、該アウタ材21は
直ちに軸方向に座屈変形を開始するが、アウタ材21が
前記クリアランスS分だけ座屈変形したところでバルク
ヘッド122の下端がリインフオース22の上端に圧接
して、所定時間tの時間遅れをもって該リインフオース
22に軸方向荷重が伝達されて、リインフオース22の
軸方向の座屈変形が開始する。
【0062】これにより、アウタ材21に対してリイン
フオース22の座屈モード波形の振幅の成長が抑制さ
れ、該リインフオース22の変形振幅が小さくなって前
記図9,10に示したものと同様の波形特性が得られ
る。
【0063】この結果、センターピラー20の長さ方向
全体でアウタ材21とリインフオース22との間で座屈
波形の「節」同士の干渉が生じ、アウタ材21の局部的
な変形の成長を抑制してセンターピラー20の折れ変形
を回避し、これらアウタ材21、リインフオース22の
相互干渉により抵抗力が増大して圧壊反力を高めること
ができる。
【0064】図24は本発明の第10実施形態を示した
ものである。
【0065】本実施形態はサイドメンバエクステンショ
ン70に本発明を適用したもので、該サイドメンバエク
ステンション70がアウタ材71およびリインフオース
72とから構成されている点は前記図2,5に示した第
1実施形態と同様である。
【0066】ここで、本実施形態にあっては前記リイン
フオース72に座屈変形抑制手段130を設けて、リイ
ンフォース72の座屈変形を抑制することにより、アウ
タ材71に対してリインフオース72の座屈モード波形
の振幅を小さくするようにしている。
【0067】この座屈変形抑制手段130は、例えば図
24の(B)に示すように、リインフオース72のフロ
ア面に沿う水平部分の全長に亘って、その頂部壁72b
面に長さ方向に所要の間隔をおいて軸方向ビード131
を設けて構成することができる。
【0068】アウタ材71のフロア面に沿う水平部分の
軸方向の座屈モード波形SAが、図24の(A)に示す
ように前記水平部分の前端から該前端を波形の「節」と
して所要の波形ピッチで長さ方向に設定される場合、前
記リインフオース72の軸方向ビード131はこのアウ
タ材71の座屈モード波形SAの「腹」に相当する領域
に所要長さLで形成される。
【0069】また、本実施形態ではリインフオース72
の頂部壁72b面に、前後に隣接する軸方向ビード13
1,131間、具体的にはアウタ材71の座屈モード波
形SAの「節」に相当する位置に、前記軸方向ビード1
31と直交する方向に横方向ビード132を設けてあ
る。
【0070】この第10実施形態の構造によれば、車両
の前面衝突により、サイドメンバエクステンション70
に軸方向荷重が作用すると、アウタ材71の前記水平部
分がその前端から軸方向に前記座屈モード波形SAで波
形状に座屈変形するようになる。
【0071】一方、リインフオース72の前記水平部分
もその前端から軸方向にアウタ材71と略同期的かつ同
一ピッチで波形状に座屈変形するが、アウタ材71の波
形の「腹」に相当する部分では頂部壁72b面の軸方向
ビード131により弯曲形状の座屈変形が抑制されるた
め、該リインフオース72の長さ方向全体の座屈モード
波形SBは図24の(B)に示すように振幅の成長が抑
制されて変形振幅が小さくなり、前記図9,10に示し
たものと同様の波形特性が得られる。
【0072】この結果、アウタ材71とリインフオース
72の座屈波形の「節」同士が干渉し、アウタ材71の
局部的な変形の成長を抑制してサイドメンバエクステン
ション70の折れ変形を回避し、これらアウタ材71、
リインフオース72の相互干渉により抵抗力が増大して
圧壊反力を高めることができる。
【0073】ここで、本実施形態では前後に隣接する軸
方向ビード131,131間に横方向ビード132を設
けてあるため、リインフオース72をこの横方向ビード
132を起点に波形状の座屈変形を促すことができ、従
って、より一層アウタ材71の座屈変形ピッチと同一に
コントロールすることができる。
【0074】本実施形態では座屈変形抑制手段130を
サイドメンバエクステンション70のリインフオース7
2に適用した例を示したが、図25の第11実施形態に
示すようにセンターピラー20のリインフオース22、
又は図26の第12実施形態に示すようにサイドシル5
0のリインフオース52、あるいは図27の第13実施
形態に示すフロントサイドメンバ60のリインフオース
62にそれぞれ前記座屈変形抑制手段130を適用する
ことによって、前記第10実施形態と同様の作用効果を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする自動車の車体骨格フレーム
を示す外観斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるサイドメンバエ
クステンションの配設部分をフロア下側から見た斜視
図。
【図3】図2に示したサイドメンバエクステンションの
リインフオースを示す斜視図。
【図4】図3のA範囲部の拡大斜視図。
【図5】図2のB−B線に沿う断面図。
【図6】図2に示したサイドメンバエクステンションの
配設状態を略示的に示す側面説明図。
【図7】図2に示したサイドメンバエクステンションの
作用を座屈モード波形と併せて示す図6と同様の側面説
明図。
【図8】変形振幅の大きなアウタ材と変形振幅の小さな
リインフオースとの座屈変形モデルを示す説明図。
【図9】図8に示したアウタ材とリインフオースとを組
合わせた場合の座屈モード波形を示す説明図。
【図10】図9に示した座屈モード波形の合成波形を示
す説明図。
【図11】本発明の第2実施形態を示す図4と同様の斜
視図。
【図12】本発明の第3実施形態を示す図4のC−C線
相当の断面図。
【図13】本発明の第4実施形態を示す斜視図。
【図14】図13のD−D線に沿う断面図。
【図15】本発明の第5実施形態を示す断面図。
【図16】図15のE−E線に沿う断面図。
【図17】本発明の第6実施形態を示す図15と同様の
断面図。
【図18】本発明の第7実施形態を示す断面図。
【図19】図18のF−F線に沿う断面図。
【図20】本発明の第8実施形態を示す図18と同様の
断面図。
【図21】本発明の第9実施形態におけるセンターピラ
ーを示す斜視図。
【図22】図21のG−G線に沿う断面図。
【図23】本発明の第9実施形態における要部を断面と
して示す側面図。
【図24】本発明の第10実施形態におけるアウタ材と
リインフオースとを示す斜視図。
【図25】本発明の第11実施形態を示す斜視図。
【図26】本発明の第12実施形態を示す斜視図。
【図27】本発明の第13実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
10…フロントピラー(骨格部材) 20…センターピラー(骨格部材) 30…リヤピラー(骨格部材) 40…ルーフサイドレール(骨格部材) 50…サイドシル(骨格部材) 60…フロントサイドメンバ(骨格部材) 70…サイドメンバエクステンション(骨格部材) 21,51,61,71…アウタ材 22,52,62,72…リインフオース 120…座屈変形遅延手段 121…脆弱部 S…クリアランス 130…座屈変形抑制手段 131…軸方向ビード 132…横方向ビード

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体骨格フレームを構成する骨格部材を
    中空断面をもつアウタ材と、該アウタ材の内部にその長
    さ方向に設置されるリインフオースとで構成し、 かつ、前記リインフオースの座屈モード波形の振幅をア
    ウタ材の座屈モード波形の振幅よりも小さく設定したこ
    とを特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  2. 【請求項2】 前記請求項1において、リインフオース
    に座屈変形遅延手段を設けて、リインフオースの座屈変
    形開始時期をアウタ材の座屈変形開始時期よりも遅らせ
    ることにより、該アウタ材に対してリインフオースの座
    屈モード波形の振幅を小さくするようにしたことを特徴
    とする車体骨格フレームの補強構造。
  3. 【請求項3】 前記請求項2において、座屈変形遅延手
    段として、リインフオースに設けた脆弱部により構成し
    たことを特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  4. 【請求項4】 前記請求項2において、座屈変形遅延手
    段として、リインフオースの壁面形状を滑らかに連続す
    る波形状にして構成したことを特徴とする車体骨格フレ
    ームの補強構造。
  5. 【請求項5】 前記請求項2において、座屈変形遅延手
    段として、リインフオースに厚肉部と薄肉部とを交互に
    連続的に形成して構成したことを特徴とする車体骨格フ
    レームの補強構造。
  6. 【請求項6】 前記請求項2において、座屈変形遅延手
    段として、アウタ材からリインフオースへの荷重の伝達
    を遅らせるために、これらアウタ材とリインフオースと
    の間に荷重入力方向に所要のクリアランスを設けて構成
    したことを特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  7. 【請求項7】 前記請求項1において、リインフオース
    に座屈変形抑制手段を設けて、リインフオースの座屈変
    形を抑制することにより、アウタ材に対してリインフオ
    ースの座屈変形モード波形の振幅を小さくするようにし
    たことを特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  8. 【請求項8】 前記請求項7において、座屈変形抑制手
    段として、リインフオースの壁面に長さ方向に所要の間
    隔をおいて軸方向ビードを設けて構成したことを特徴と
    する車体骨格フレームの補強構造。
  9. 【請求項9】 前記請求項8において、隣接する軸方向
    ビード間に該軸方向ビードと直交する方向に横方向ビー
    ドを設けたことを特徴とする車体骨格フレームの補強構
    造。
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