JP2003312549A - 車体骨格フレームの補強構造 - Google Patents

車体骨格フレームの補強構造

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JP2003312549A
JP2003312549A JP2002115136A JP2002115136A JP2003312549A JP 2003312549 A JP2003312549 A JP 2003312549A JP 2002115136 A JP2002115136 A JP 2002115136A JP 2002115136 A JP2002115136 A JP 2002115136A JP 2003312549 A JP2003312549 A JP 2003312549A
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vehicle body
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buckling mode
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Yuichi Kitagawa
裕一 北川
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨格部材とその内部のリインフォースの部材
変更を伴わずに補強効果の向上を図る。 【解決手段】 サイドメンバエクステンション70を構
成する中空断面のアウタ材71とその内部のリインフォ
ース72の各座屈モード波形のピーク数を互いに異なる
素数に設定することにより、両者の間で長さ方向で全体
的に変形モードの干渉が生じて変形を分散させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体骨格フ
レームの補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車の車体骨格フレームの補強
構造としては、例えば特開2001−180518号公
報に示されているように、車体骨格フレームを構成する
骨格部材を中空断面のアウタ材と、その内部に設けたリ
インフォースとで構成し、該リインフォースをアウタ材
の内側全体を覆うように広い範囲で一体成形することに
より、軽量かつ効率的にアウタ材を補強するようにした
ものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車体骨格フレームの補強構造では、リインフ
ォースをアウタ材の内面の凹凸形状に沿った形状として
あるため、アウタ材の強度はリインフォースを設置した
分だけ全体的に向上するものの、その強度分布はリイン
フォースを設置する前と変化はなく、故に、折れ変形の
発生位置もリインフォースによる補強前と変わらず、ア
ウタ材を補強している割には折れ変形部位に対してしか
補強効果がないので、必ずしも効率的な補強とは云えな
い。
【0004】そこで、本発明は骨格部材を構成する中空
断面のアウタ材とその内部に設置するリインフォースの
各座屈変形モードを適切に設定することによって、板厚
の増大や補強手段の増設等を伴うことなく補強効果を向
上することができる車体骨格フレームの補強構造を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、車体
骨格フレームを構成する骨格構造は、中空断面のアウタ
材の内部にその長さ方向の略両端部間に亘ってリインフ
ォースを設置してあって、これらアウタ材とリインフォ
ースの各座屈モード波形のピーク数を互いに異なる素数
となるように設定してある。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、リインフォースは中空
断面のアウタ材の内部にその長さ方向の略両端部に亘っ
て設置してあって、これらアウタ材とリインフォースの
各座屈モード波形のピーク数を互いに異なる素数となる
ように設定してあるので、骨格部材に衝突荷重が作用し
てアウタ材およびリインフォースが座屈変形した際に、
両者の間で長さ方向で全体的に変形モードの干渉が生じ
ることになり、両者のピーク数の素数が偶数(2)と奇
数である場合はこれら両者の変形ピーク位置は一致する
ことがなく、奇数同士の場合は部分的に変形ピーク位置
が一致する部位を連結して補強することにより、何れの
場合も全体として変形の同期が回避される結果、変形初
期にはアウタ材とリインフォースはそれぞれ独立して座
屈しながら荷重を分担して骨格部材全体に変形を分散さ
せることができ、変形が進行すると両者は干渉して局所
的な変形の成長が抑制され、かつ、その干渉の抵抗力で
骨格部材の変形を抑制することができると共に、圧壊反
力を高めてエネルギー吸収量を増大でき、従って、アウ
タ材およびリインフォースの板厚を徒に増大したり、補
強材を増設したりすることなく骨格部材の補強効果を高
めて衝突性能を向上することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0008】図1は本発明の対象とする自動車の車体骨
格フレームを示しており、フロントピラー10、センタ
ーピラー20、リヤピラー30等の上下方向の骨格部材
と、これらピラー10〜30の各上端を継ぐルーフサイ
ドの前後方向の骨格部材であるルーフサイドレール40
と、前記ピラー10〜30の各下端を継ぐフロアサイド
の前後方向の骨格部材であるサイドシル50と、フロン
トコンパートメントの左右両側部に配置した前後方向の
骨格部材であるフロントサイドメンバ60と、該フロン
トサイドメンバ60の後方延長部であってフロアパネル
80の下面側に廻り込んだサイドメンバエクステンショ
ン部70等を備えている。
【0009】これらの骨格部材10〜70は、一般的な
乗用車の車体に共通なものであり、本発明は前述のどの
骨格部材へも適用可能である。
【0010】図2〜図6は本発明をサイドメンバエクス
テンション70に適用した第1実施形態を示している。
【0011】図2,図3は何れもサイドメンバエクステ
ンション70の配設状況をフロア下側から見た斜視図と
して表したものである。
【0012】フロントサイドメンバ60はその後端をフ
ロントコンパートメントとキャビンとを隔成するダッシ
ュパネル90の後傾したトーボード面に突き合わせて結
合してある。
【0013】このサイドメンバエクステンション70は
前記フロントサイドメンバ60の後端部の下側部に嵌合
して結合してあり、ダッシュパネル90の傾斜面からフ
ロアパネル80の下面に沿って接合して前後方向に延在
して、後端をフロアパネル80の下面に車幅方向に接合
配置したリヤクロスメンバ100に突き合わせて結合し
てある。
【0014】また、このサイドメンバエクステンション
70はフロア中央部分でその下面に車幅方向に接合配置
したフロアクロスメンバ110とも交差している。
【0015】リヤクロスメンバ100およびフロアクロ
スメンバ110は何れも略ハット形断面に形成してあ
り、そのフランジ部100a,110b、および110
a,110bを介してフロアパネル80の下面に接合し
て中空断面(閉断面)を形成している。
【0016】サイドメンバエクステンション70は、前
端部を前記フロントサイドメンバ60の後端部に外嵌結
合すると共に、ダッシュパネル90の傾斜面およびフロ
アパネル80の下面に沿って接合され、かつ、後端をリ
ヤクロスメンバ100に突き合わせて結合され、これら
パネル90,80との間に中空断面(閉断面)を形成し
て実質的にサイドメンバエクステンション70の外殻を
構成するアウタ材71と、このアウタ材71の内部にそ
の長さ方向の略両端部間に亘って設置されたリインフォ
ース72とで構成している。
【0017】従って、前記アウタ材71はフロントサイ
ドメンバ60の後端からフロアパネル80の前端に亘る
側面略S字形を呈する部分と、このフロアパネル80の
前端からリヤクロスメンバ100に亘る略直線形の部分
とを合わせ持つ。
【0018】ここで、アウタ材71の前端部でフロント
サイドメンバ60の後端部に結合した位置をA点、後端
でリヤクロスメンバ100に結合した位置をB点、フロ
アパネル80の前端に相当する位置をC点、およびフロ
アクロスメンバ110と交差して結合した位置をD点と
すると、前記リインフォース72は本実施形態では前記
C点からB点に亘る長さに設定してある。
【0019】アウタ材71およびリインフォース72は
何れも略ハット形断面に形成されていて、リインフォー
ス72のフランジ部72a,72bを、アウタ材71の
フランジ部71a,71bとダッシュパネル90、フロ
アパネル80とで挟み込んだ状態でスポット溶接又は連
続溶接によりこれらフランジ部72a,71aと72
b,71bとをダッシュパネル90、フロアパネル80
に接合してある。
【0020】そして、これらアウタ材71およびリイン
フォース72に、該アウタ材71とリインフォース72
の座屈モード波形のピーク数をnとしたときに、このピ
ーク数nを素数とするピーク位置発生手段120を設け
て、これらアウタ材71とリインフォース72の各座屈
モード波形のピーク数nを互いに異なる素数となるよう
に設定してある。
【0021】ここで、図4に示すように車両の前面衝突
時にフロントサイドメンバ60に軸方向に入力した衝突
荷重Fは、前記A点においてサイドメンバエクステンシ
ョン70へ伝達されるが、該サイドメンバエクステンシ
ョン70の前側部は傾斜して前記C点へ連続しているた
め、前記A点においてA点→C点方向に軸方向に指向す
る分力F1と、これと鉛直の上向きの分力F2とに分散さ
れ、この分力F2は該サイドメンバエクステンション7
0の前端部を上方へ持ち上げる変形を誘発する。
【0022】このサイドメンバエクステンション70の
前端部は、前記C点が側面くの字状に屈曲して強度的に
脆弱な強度変化部となっているため、このC点を支点と
して前記A点の後方への変形を促す一方、後半部側では
前記D点,B点が何れもフロアクロスメンバ110,リ
ヤクロスメンバ100の結合により補剛された強度変化
部となっているため、これらC点,D点,B点が波形変
形の「節」となって図5に示すように前記C−D間では
それらの中間点E′点をピーク位置として下向きに、お
よびD−B間ではそれらの中間点F′点がピーク位置と
なって上向きに座屈変形するようになる。
【0023】従って、本実施形態ではアウタ部材71の
前記強度変化部C,D,B点をもって前述のピーク位置
発生手段120として、座屈モード波形のピーク数nを
偶数のn=2として設定してある。
【0024】一方、リインフォース72には前記アウタ
材71の座屈モード波形のピーク位置E′点,F′点と
前後方向にずれた位置、たとえばリインフォース72の
前後長さで前端から略1/6の位置のE点、後端から略
1/6の位置のF点、および前記D点と略同一位置に、
ピーク位置発生手段120を設けてある。
【0025】このピーク位置発生手段120は、リイン
フォース72の底壁に幅方向に設けた脆弱部としてのビ
ード部72A,72B,72Cをもって構成して、これ
らビード部72A〜72Cがそれぞれ図6に示す座屈変
形のピーク位置となるようにして、座屈モード波形のピ
ーク数nを前記アウタ材71のピーク数nとは異なる素
数のn=3として設定してある。
【0026】図5,図6は本実施形態のサイドメンバエ
クステンション70が車両前方から衝突されて外力Fを
受けた場合の作用を示すもので、図5はアウタ材71の
座屈変形態様を、図6はリインフォース72の座屈変形
態様を示している。
【0027】アウタ材71は前述のように前記C点,D
点,B点を波形変形の「節」として側面S字状に座屈変
形する一方、リインフォース72は前記ビード部72
A,72B,72Cの突出方向に従って、つまり、E点
においてビード部72Aにより上向きに、D点において
ビード部72Bにより下向きに、B点においてビード部
72Cにより上向きに座屈する。
【0028】即ち、図7の座屈モード波形に示すよう
に、アウタ材71ではその座屈モード波形のピーク数n
が前記E′点,F′点の2点(n=2)であるのに対し
て、リインフォース72ではその座屈モード波形のピー
ク数nが前記E点,D点,F点の3点(n=3)とな
る。
【0029】この結果、サイドメンバエクステンション
70の長さ方向全体では座屈モード波形のピーク位置が
A,E,E′,D,F′,Fの6点となり変形が広域に
分散され、変形初期にはアウタ材71とリインフォース
72とがそれぞれ独立して座屈しながら荷重を分担して
サイドメンバエクステンション70の全体に変形を分散
させることができる。
【0030】そして、変形が進行すると両者は前記E〜
Fの5点で干渉するが、これらは何れもピーク位置がず
れて一致しないため、互いの干渉により両者の局所的な
変形の成長が抑制され、かつ、その干渉による抵抗力で
サイドメンバエクステンション70の変形を抑制できる
と共に、圧壊反力を高めてエネルギー吸収量を増大する
ことができる。
【0031】図8は前記変形モードのピーク位置が分散
されることによる効果を示したものであり、アウタ材7
1およびリインフォース72のピーク位置が一致せずに
ずれることにより、同図のa1線に示すように全体とし
ての変形モードのピークが分散されてサイドメンバエク
ステンション70の変形レベルを下げることができ、従
って、アウタ材71およびリインフォース72の板厚を
徒に増大したり、補強材を増設したりすることなくサイ
ドメンバエクステンション70の補強効果を高めて衝突
性能を向上することができる。
【0032】特に、本実施形態のようにアウタ材71の
座屈モード波形のピーク数nを偶数(n=2)とし、リ
インフォース72の座屈モード波形のピーク数nを奇数
(n=3)とすることにより、両者の変形ピーク位置は
完全に一致することがなく、前述の効果を享受すること
ができるが、両者の変形ピーク数の素数が奇数同士の場
合、例えば図9に示すようにアウタ材71の変形ピーク
数nがn=5、リインフォース72の変形ピーク数nが
n=3の場合には、波形モードの中央のピーク位置Dの
みが一致することになるが、この部分ではアウタ材71
とリインフォース72とを連結(接合)して補強するこ
とにより、サイドメンバエクステンション70の全体と
してアウタ材71とリインフォース72の変形の同期が
回避されて、前述と同様の効果を得ることができる。
【0033】また、本実施形態ではアウタ材71の座屈
モード波形のピーク位置発生手段120として、アウタ
材71の造形上不可避的に生じる屈曲部(前記C点)お
よび他の骨格部材100,110との連結により補剛さ
れた部分等、アウタ材71に特別に加工を施すことなく
自体のもつ強度変化部を利用し、そして、リインフォー
ス72におけるピーク位置発生手段120としては、目
標とする変形ピーク位置に脆弱部としてのビード部72
A〜72Cを設けて構成しているため、該ピーク位置発
生手段120を容易に構成することができる。
【0034】また、前記アウタ材71のピーク位置発生
手段120としての強度変化部は、勿論、該アウタ材7
1に補剛部あるいは脆弱部を加工して形成することもで
きるが、この場合でもアウタ材71はリインフォース7
2よりも変形ピーク数nを小さくしてあるため外観上有
利となる。
【0035】更に、アウタ材71およびリインフォース
72の変形ピーク数nは、それらの両端部の間で調整し
ているため、要求特性に応じた最適な座屈変形モードを
容易に得ることができる。
【0036】図10〜図14は本発明をサイドシル50
に適用した第2実施形態を示している。
【0037】サイドシル50は、シルアウタ51とシル
インナ52とからなる中空断面(閉断面)のアウタ材
と、このアウタ材(51,52)の中空断面の内部にそ
の長さ方向(前後方向)の両端部、即ち、前端A点から
後端Bに亘ってリインフォース53を設置して構成して
いる。
【0038】シルアウタ51、シルインナ52は何れも
略ハット形断面に形成してあって、それらのフランジ部
51aと52aおよび51bと52bをスポット溶接す
ることにより閉断面を形成している。
【0039】アウタ材(51,52)の前端A点、後端
B点、およびこれらA〜B点の中間点であるC点は、他
の骨格部材であるフロントピラー10、リヤピラー3
0、センターピラー20の各下端部が結合され、従っ
て、該アウタ材(51,52)では、これら他の骨格部
材を結合して補剛された強度変化部をもってピーク位置
発生手段120としている。
【0040】本実施形態では、サイドシル50の前端A
点に前輪WFを介して軸方向に衝突荷重Fが作用した際
に、アウタ材(51,52)が前記A点,B点,C点を
支持点として、A−C点間がその中央位置D′点をピー
ク位置として内側へ、およびB−C点間がその中央位置
E′点をピーク位置として外側へそれぞれ弯曲して座屈
変形する場合を例として説明する。
【0041】リインフォース53は硬質ウレタンを素材
として形成され、前記アウタ材(51,52)のD′
点,E′点と前後方向にずれた位置D点,E点と、前記
C点と同一位置C点に脆弱部53A,53B,53Cを
設けてピーク位置発生手段120としている。
【0042】前記D点およびE点の脆弱部53A,53
Cはリインフォース53の外側を上下方向に楔状に切欠
したものであり、またC点の脆弱部53Bは逆に内側を
上下方向に楔状に切欠したものであって、このリインフ
ォース53は前記衝突荷重Fに対して、前記脆弱部53
A〜53Cの切欠部をピーク位置として該切欠部と反対
方向へ、つまり、D点,E点では内側へ、C点では外側
へ弯曲して座屈変形するようにしている。
【0043】従って、この第2実施形態の場合も前記第
1実施形態と同様にアウタ材(51,52)とリインフ
ォース53の前後両端部間の長さ範囲で、該アウタ材
(51,52)の座屈変形モード波形のピーク数nをn
=2として、およびリインフォース53の座屈変形モー
ド波形のピーク数nをn=3として各異なる素数に設定
してある。
【0044】図13,図14は本実施形態のサイドシル
50が前面衝突時に前輪WFの後退により衝突荷重Fを
軸方向に受けた場合の作用について示すものである。
【0045】アウタ材(51,52)は前述のように前
記A点,C点,B点を波形変形の「節」として平面S字
状に座屈変形する一方、リインフォース53は前記脆弱
部53A,53B、53Cを起点として、D点において
内側へ、C点において外側へ、E点において内側へ座屈
する。
【0046】この結果、サイドシル50の長さ方向全体
では座屈モード波形のピーク位置がD,D′,C,
E′,Eと広域に分散され、変形初期にはアウタ材(5
1,52)とリインフォース53とがそれぞれ独立して
座屈しながら荷重を分担してサイドシル50の全体に変
形を分散させ、変形が進行すると両者は前記D〜Eの5
点で干渉するが、これらは何れもピーク位置がずれて一
致しないため、互いの干渉により両者の局所的な変形の
成長が抑制され、かつ、その干渉による抵抗力でサイド
シル50の変形を抑制して前記第1実施形態とほぼ同様
の効果を得ることができる。
【0047】本実施形態では前述のように、アウタ材
(51,52)の前半部が内側へ、後半部が外側へ座屈
変形するものとして説明したが、その逆の場合は全て逆
相として考えればよい。
【0048】図15〜図19は前記第2実施形態と同様
に本発明をサイドシル50に適用した第3実施形態を示
すものである。
【0049】この第3実施形態では、前記第2実施形態
におけるリインフォース53を、センターピラー20の
結合配設部位でフロント側53Fとリヤ側53Rとに2
分割して構成し、それらの分割端部はセンターピラー2
0のアウタ材21の内側に上下方向に配設したリインフ
ォース22のサイドシル50内部に延出配置した下端部
に当接配置してある。
【0050】また、本実施形態では前記第1実施形態に
おけるフロアクロスメンバ110を、フロアパネル80
の上面(車室側)のフロント側で、フロントピラー10
とセンターピラー20との略中間部分に車幅方向に接合
配置して、その端部をサイドシル50に突き合わせて結
合配置してある。
【0051】この第3実施形態にあっては、前述の第2
実施形態における衝突荷重Fに対してアウタ材(51,
52)の略前半部分を、前端のフロントピラー10との
結合部A点、センターピラー20との結合部C点、およ
びフロアクロスメンバ110との結合部D点を支持点と
して、平面S字状に座屈変形させようとするもので、従
って、ここでは、前記A,C,D点の補剛された強度変
化部をもってアウタ材(51,52)のピーク位置発生
手段120としている。
【0052】本実施形態ではアウタ材(51,52)の
略前半部分が、前記衝突荷重Fに対して前記A,C,D
点を支持点としてA−D点間がその中央位置E′点をピ
ーク位置とし外側へ、およびD−C点間がその中央位置
F′点をピーク位置として内側へそれぞれ弯曲して座屈
変形するようにしている。
【0053】一方、これに伴って、リインフォース53
のフロント側53Fには、前記E′点,F′点と前後方
向にずれた位置で内側に上下方向に楔状に切欠した脆弱
部53A,53Cを設けると共に、前記D点と略同一位
置で外側に上下方向に楔状に切欠した脆弱部53Bを設
けて、これら脆弱部53A〜53Cをもってリインフォ
ース53のピーク位置発生手段120とし、前記衝突荷
重Fに対してリインフォース53のフロント側53F
が、前記E,F点がピーク位置となって内側へ、D点が
ピーク位置となって外側へ弯曲して座屈変形するように
してある。
【0054】つまり、この第3実施形態の場合にあって
もアウタ材(51,52)の座屈変形モード波形のピー
ク数nをn=2として、およびリインフォース53Fの
座屈変形モード波形のピーク数nをn=3として各異な
る素数に設定してある。
【0055】従って、この第3実施形態では前記衝突荷
重Fに対してサイドシル50のフロントピラー10とセ
ンターピラー20との間における略前半部分で、アウタ
材(51,52)とリインフォース53Fを前記第2実
施形態と同様の座屈変形挙動(但し、第2実施形態とは
波形モードが逆相)を行って、該第2実施形態と同様の
効果を得ることができる。
【0056】また、本実施形態ではサイドシル50を特
定の他の骨格部材間、つまり、フロントピラー10とセ
ンターピラー20との間の略前半部長さ範囲で、そのア
ウタ材(51,52)とリインフォース53Fの各座屈
モード波形のピーク数nを調整してあるため、この略前
半部分での座屈変形で効率的なエネルギー吸収を行わせ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする自動車の車体骨格フレーム
を示す外観斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるサイドメンバエ
クステンションの配設部分をフロア下側から見た斜視
図。
【図3】図2の分解斜視図。
【図4】図2の側面説明図。
【図5】図4におけるアウタ材の座屈変形挙動を示す側
面説明図。
【図6】図4におけるリインフォースの座屈変形挙動を
示す側面説明図。
【図7】本発明の第1実施形態における座屈変形モード
を説明する波形線図。
【図8】本発明の第1実施形態における変形レベルを説
明するグラフ。
【図9】座屈変形モードの異なる例を示す波形線図。
【図10】本発明の第2実施形態におけるサイドシルの
配設部分を示す斜視図。
【図11】図10の分解斜視図。
【図12】図11に示したリインフォースの配置状況を
示す側面説明図。
【図13】図12におけるアウタ材の座屈変形挙動を示
す平面説明図。
【図14】図12におけるリインフォースの座屈変形挙
動を示す平面説明図。
【図15】本発明の第3実施形態におけるサイドシルの
配設部分を示す斜視図。
【図16】図15の分解斜視図。
【図17】図16に示したリインフォースの配置状況を
示す側面説明図。
【図18】図16におけるアウタ材の座屈変形強度を示
す平面説明図。
【図19】図16における鈴フォースの座屈変形挙動を
示す平面説明図。
【符号の説明】
10 フロントピラー(骨格部材) 20 センターピラー(骨格部材) 30 リヤピラー(骨格部材) 40 ルーフサイドレール(骨格部材) 50 サイドシル(骨格部材) 60 フロントサイドメンバ(骨格部材) 70 サイドメンバエクステンション(骨格部材) 71 アウタ材 72 リインフォース 72A〜72C ビード部(脆弱部) 51 シルアウタ(アウタ材) 52 シルインナ(アウタ材) 53 リインフォース 53A〜53C 脆弱部 120 ピーク位置発生手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体骨格フレームを構成する骨格部材を
    中空断面をもつアウタ材と、該アウタ材の内部にその長
    さ方向の略両端部間に亘って設置されるリインフォース
    とで構成し、 これらアウタ材とリインフォースの各座屈モード波形の
    ピーク数を互いに異なる素数となるように設定したこと
    を特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  2. 【請求項2】 前記請求項1において、アウタ材とリイ
    ンフォースの一方の座屈モード波形のピーク数を偶数と
    し、他方の座屈モード波形のピーク数を奇数としたこと
    を特徴とする車体骨格フレームの補強構造。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2において、アウタ材
    の座屈モード波形のピーク位置発生手段として、該アウ
    タ材に強度変化部を設けて構成したことを特徴とする車
    体骨格フレームの補強構造。
  4. 【請求項4】 前記請求項1又は2において、リインフ
    ォースの座屈モード波形のピーク位置発生手段として、
    該リインフォースに脆弱部を設けて構成したことを特徴
    とする車体骨格フレームの補強構造。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4の何れかにおいて、ア
    ウタ材とリインフォースの両端部の間で、両者の座屈モ
    ード波形のピーク数を調整したことを特徴とする車体骨
    格フレームの補強構造。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜4の何れかにおいて、ア
    ウタ材が複数の他の骨格部材に連結支持されている間の
    長さ範囲で、アウタ材とリインフォースの座屈モード波
    形のピーク数を調整したことを特徴とする車体骨格フレ
    ームの補強構造。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6の何れかにおいて、ア
    ウタ材の座屈モード波形のピーク数をリインフォースの
    座屈モード波形のピーク数よりも小さくしたことを特徴
    とする車体骨格フレームの補強構造。
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