JP3591508B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車の車体前部構造は、車両が前面衝突した際にフロントコンパートメントの前後方向骨格メンバであるサイドメンバが軸方向に潰れ変形することによって衝突エネルギーを吸収するように設計してある。
【0003】
特にオフセット前面衝突では衝突荷重が片側のサイドメンバに集中するため、特開平9−119322号公報に示されているように、パワーユニットやサスペンション部品等の車両ユニット部品を懸架する大型のサブフレームを別体で形成し、このサブフレームをサイドメンバに下方からマウントすることによって、前面衝突時にはサイドメンバのみならずサブフレームも同時に変形させて、衝突エネルギー吸収量を増大させるようにさせるようにしたものが知られている。
【0004】
前記サブフレームは、左,右のサイドフレームとこれを前端側および後端側で連設する前,後のクロスメンバとで、左右のサイドメンバ間とほぼ同一幅の平面矩形状に形成してあり、その四隅部にマウント部を設けて、このマウント部を介して左右のサイドメンバの下面に結合した構成としてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
サブフレームの前後のマウント部は、平面視して直状のサイドフレームの延長上に設定してあるため、前面衝突時にこのサイドフレームの前端側から軸方向に衝突荷重が作用すると、後側のマウント部の結合部分に前記サイドフレームの軸方向の衝突荷重線方向に荷重が作用する傾向となる。
【0006】
この後側マウント部の結合部分が前記衝突荷重で後退移動するのを阻止してキャビンの変形を抑制するためには、前記後側マウント部の結合部周りを補強して剛性を高めることと併せて、キャビン前部の剛性を高める必要があり、重量的におよびコスト的に不利となってしまうことは否めない。
【0007】
そこで、本発明は前方からの衝突荷重をサブフレームの後端側で効率良くキャビンのフロア骨格メンバへ分散伝達することができて、過剰な補強構造を採ることなくキャビンを保護することができる車体前部構造を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、フロントコンパートメントの下側部で、このフロントコンパートメントの前部骨格メンバとキャビンのフロア骨格メンバとに跨ってサブフレームを結合配置し、このサブフレームに車両ユニット部品を搭載した構造であって、
前記サブフレームを、前後方向に延在した左右一対のサイドフレームと、一対のサイドフレームの前端部を車幅方向に連設したフロントフレームと、一対のサイドフレームの後端部を車幅方向に連設したリヤフレームと、によって略井桁状に形成し、
前記サイドフレームの前端部に前記前部骨格メンバに結合する前側マウント部を設けるとともに、サイドフレームの後端部に前記フロア骨格メンバに結合する後側マウント部を設け、
前記左右のサイドフレームを略直線状に形成すると共に、車幅方向外側の剛性を内側よりも小さくし、衝突後に車幅方向内方に積極的に屈曲変形させて前方より入力した荷重を後側マウント部で車幅方向外方に伝達する第1経路と、リヤフレームを介して他方のサイドフレームに伝達する第2経路とに分散させる変形促進手段を設けたことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、オフセット前面衝突によってサブフレームの片側のサイドフレームに衝突荷重が集中して、一方のサイドフレームの前端側から軸方向に衝突荷重が作用すると、このサイドフレームは変形促進手段により車幅方向内方に屈曲変形する。
【0010】
このとき、屈曲変形するサイドフレームの後側マウント部は、その屈曲点に対して相対的に車幅方向外方に移動するため、前記衝突荷重が後側マウント部を介して車幅方向外方に伝達される第1経路を形成する一方、残りの荷重をリヤフレームから他方のサイドフレームに伝達する第2経路を形成する。
【0011】
従って、一方のサイドフレームに入力した前方からの衝突荷重は、前記第1経路と前記第2経路への分散により車幅方向に広がる荷重に置き換わって、キャビンのフロア骨格メンバに効率的に分散吸収されるため、サブフレームに入力された衝突荷重が直ちにキャビンのフロア前部に集中するのを防止して、キャビンの変形を効果的に抑制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0013】
図1から図3は本発明にかかる車体前部構造の第1実施形態を示し、図1は自動車の前部を下方から見た斜視図、図2はサブフレームの斜視図、図3は車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図である。
【0014】
図1に示すように車両のフロントコンパートメントF・Cの左右両側部には、前後方向に延在した前部骨格メンバとしてのサイドメンバ1が配設され、これら左右一対のサイドメンバ1は、それらの前端部を車幅方向に延在するバンパーレインフォース3により結合してある。
【0015】
一方、前記サイドメンバ1の後端部は、フロントコンパートメントF・CとキャビンCとを隔成するダッシュパネル4からフロア5の下面に廻り込んで接合して、前後方向に延在するエクステンションサイドメンバ2を構成している。
【0016】
フロア5の左右両側部には、前後方向の骨格メンバであるサイドシル6を配設してあり、このサイドシル6の前端と前記エクステンションサイドメンバ2の前端部とをアウトリガー7で結合してある。
【0017】
従って、この実施形態にあっては、前記エクステンションサイドメンバ2とサイドシル6およびアウトリガー7とでキャビンCのフロア骨格メンバ8を構成している。
【0018】
前記フロントコンパートメントF・Cの下側部には、エンジンや駆動用モータ等のパワーユニットを始めとして図外のサスペンション部品等の車両ユニット部品を搭載支持するサブフレーム11を配設してある。
【0019】
サブフレーム11は、図2に示すように前後方向に延在した左右一対のサイドフレーム12と、一対のサイドフレーム12の前端部を車幅方向に連設したフロントフレーム13と、一対のサイドフレーム12の後端部を車幅方向に連設したリヤフレーム14と、によって略井桁状に構成されている。
【0020】
前記サイドフレーム12の前端部には前記サイドメンバ1に結合する前側マウント部15を設けるとともに、サイドフレーム12の後端部にはフロア骨格メンバ8に結合する後側マウント部16を設けてある。
【0021】
そして、図1に示したようにサブフレーム11は、前側マウント部15を介してサイドメンバ1の前端部に垂設した座部17の下面にボルト・ナット等の締結部材を介して結合する一方、後側マウント部16を介して前記フロア骨格メンバ8、本実施形態ではエクステンションサイドメンバ2の下面に同様に結合することにより、前記サブフレーム11をサイドメンバ1とエクステンションサイドメンバ2とに跨って結合配置してある。
【0022】
前記サイドフレーム12、リヤフレーム14は、アルミ合金等の軽量金属材料を鋳造成形してコ字状に一体成形する一方、前記フロントフレーム13は同様の金属材料を押出し形成して別体に形成し、それぞれの構成部品を図2に示したように結合して略井桁状のサブフレーム11が構成される。
【0023】
ここで、本実施形態では前記左右のサイドフレーム12を略直線状に形成すると共に、車幅方向外側の剛性を内側よりも小さくし、前方からの衝突荷重の入力により、このサイドフレーム12を車幅方向内方に積極的に屈曲変形させる変形促進手段としての湾曲部20を設けてある。
【0024】
前記湾曲部20は、サイドフレーム12を予め車幅方向内方に湾曲形成した部分で、この湾曲部20の形成部分ではサイドフレーム12の断面中心が前側マウント部15と後側マウント部16とを結ぶ直線Lよりも車幅方向内方に位置することになり、この湾曲部20により実質的に外側の剛性が内側よりも小さくなっている。
【0025】
以上の構成によりこの第1実施形態の車体前部構造によれば、図3に示すように車両Kが障害物K′にオフセット前面衝突すると、サブフレーム11の一方(右側)のサイドフレーム12Rの前端部から軸方向に衝突荷重Fが集中して入力される。
【0026】
すると、サイドフレーム12Rには、予め車幅方向内方に湾曲形成した湾曲部20が形成されているため、この湾曲部20によりサイドフレーム12Rは車幅方向内方への屈曲が促されて、図3に示したように屈曲変形される。
【0027】
このとき、屈曲変形するサイドフレーム12Rの後側マウント部16は、この後側マウント部16周りに図中反時計回りのモーメントMが発生するため、屈曲変形部分の屈曲点Pに対して相対的に車幅方向外方に移動し、これによって衝突荷重Fが後側マウント部16を介して車幅方向外方に伝達される第1経路Aを形成する。
【0028】
一方、前記後側マウント部16を車幅方向外方に押圧した残りの荷重は、リヤフレーム14を介して他方(左側)のサブフレーム12Lを車幅方向外方に押圧するため、前記衝突荷重Fがリヤフレーム14を介して他方のサブフレーム12Lに伝達される第2経路Bを形成する。
【0029】
従って、一方のサイドフレーム12Rに入力した前方からの衝突荷重Fは、前記第1経路Aと前記第2経路Bへの分散により車幅方向に広がる荷重に置き換わって、第1経路Aに分散された荷重成分は後側マウント部16から一方(右側)のフロア骨格メンバ8に伝達される一方、第2経路Bに分散された荷重成分はリヤフレーム14から他方のサイドフレーム12Lに伝達され、ひいては、このサイドフレーム12Lの後側マウント部16から他方(左側)のフロア骨格メンバ8に伝達される。
【0030】
このとき、前記第1経路Aにおける後側マウント部16の結合部では、サイドフレーム12の前後方向剛性が存在する限り前後方向の荷重成分Fcは残るが、前述したように後側マウント部16で第1,第2経路A,Bに分散されるため、前記荷重成分Fcは入力される衝突荷重Fに較べて極めて小さくなる。
【0031】
その結果、サブフレーム11に入力された衝突荷重Fは直ちにキャビンCのフロア5の前部に集中することなく、第1経路Aおよび第2経路Bを介して車幅方向に広がる荷重成分に置き換わって、キャビンCの右側および左側のフロア骨格メンバ8に伝達される。
【0032】
即ち、第1経路Aおよび第2経路Bで分散された荷重成分は、一方および他方の後側マウント部16を介してフロア側部の最も剛性の高いエクステンションサイドメンバ2とアウトリガー7とサイドシル6との集合部分で受け止められ、これら各骨格メンバ2,7,6に効率的に分散吸収される。
【0033】
また、前記後側マウント部16をエクステンションサイドメンバ2の前端部付近に結合してあるため、この後側マウント部16から伝達される荷重をエクステンションサイドメンバ2およびその周辺のフロアパネル5の抵抗で支えて、荷重の分散伝達を良好に行うことができる。
【0034】
勿論、前記後側マウント部16は、エクステンションサイドメンバ2の前端部に結合するのみならず、アウトリガー7やサイドシル6の前端部に結合することによっても同様の機能を達成することができる。
【0035】
尚、この実施形態では衝突荷重Fが右側のサイドフレーム12Rに入力された場合を開示したが、勿論、左側のサイドフレーム12Lに衝突荷重Fが集中して入力された場合にも、右側のサイドフレーム12Rに衝突荷重Fが入力された場合とは左右が逆となる荷重伝達経路が形成されて、同様に左右のフロア骨格メンバ8に衝突荷重Fが分散して伝達される。
【0036】
図4〜図6は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。尚、図4はサブフレームの斜視図、図5は図4中A−A線に沿った拡大断面図、図6は車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図である。
【0037】
この第2実施形態に適用されるサブフレーム11aは、図4に示すように変形促進手段を、サイドフレーム12の外側壁面12dに設けた脆弱部としてのノッチ21によって構成してある。
【0038】
即ち、前記サイドフレーム12は、図5に示すように上,下側壁面12a,12bと、車幅方向内方に位置する内側壁面12cと、車幅方向外方に位置する外側壁面12dと、によって中空の矩形状断面として形成され、前記ノッチ21は、外側壁面12dの前側マウント部15と後側マウント部16との略中間部をV字状に凹設することにより形成される。
【0039】
従って、この第2実施形態の車体前部構造によれば、図6に示すようにサイドフレーム12Rの前端部から軸方向に衝突荷重Fが入力すると、この衝突荷重Fにより発生する応力が外側壁面12dに形成したノッチ21に集中するため、サイドフレーム12Rは車幅方向内方への屈曲が促されて屈曲変形される。
【0040】
このため、前記第1実施形態と同様にサイドフレーム12Rの後側マウント部16周りに図中反時計回りのモーメントMが発生して、この後側マウント部16は屈曲変形部分の屈曲点Pに対して相対的に車幅方向外方に移動するため、衝突荷重Fを車幅方向外方に伝達する第1経路Aを形成するとともに、リヤフレーム14を介して他方のサブフレーム12Lに伝達する第2経路Bを形成する。
【0041】
従って、前記衝突荷重Fは第1経路Aと第2経路Bに分散されて車幅方向に広がる荷重に置き換わり、キャビンCの右側および左側のフロア骨格メンバ8に伝達されて効率的に分散吸収される。
【0042】
図7〜図9は本発明の第3実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。尚、図7はサブフレームの斜視図、図8は図7中B−B線(a)とC−C線(b)にそれぞれ沿った拡大断面図、図9は車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図である。
【0043】
この第3実施形態に適用されるサブフレーム11bは、図7に示すように変形促進手段を、サイドフレーム12の外側壁面12dの肉厚を内側壁面12cよりも薄肉化した肉厚変化構造22によって構成してある。
【0044】
即ち、この第3実施形態では、前記サブフレーム11bがアルミ合金等の軽量金属材料を押出し成形したサイドフレーム12を、鋳造成形したフロントフレーム13およびリヤフレーム14に結合して略井桁状に構成しており、前記サイドフレーム12を押出し成形する際に、図8に示すようにこれの外側壁面12dを内側壁面12cに比較して薄肉に形成している。
【0045】
従って、この第3実施形態の車体前部構造によれば、図9に示すようにサイドフレーム12Rの前端部から軸方向に衝突荷重Fが入力すると、このサイドフレーム12Rの外側壁面12dは薄肉に形成されて耐久応力が低下されているため、サイドフレーム12Rは車幅方向内方への屈曲が促されて屈曲変形される。
【0046】
このため、前記第1実施形態と同様にサイドフレーム12Rの後側マウント部16周りに図中反時計回りのモーメントMが発生して、この後側マウント部16は屈曲変形部分の屈曲点Pに対して相対的に車幅方向外方に移動するため、前記各実施形態に示したと同様の第1経路Aおよび第2経路Bを形成し、前記衝突荷重Fはこれら第1経路Aと第2経路Bに分散されて、右側および左側のフロア骨格メンバ8によって効率的に分散吸収される。
【0047】
図10〜図12は本発明の第4実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。尚、図10はサブフレームの斜視図、図11は図10中D−D線(a)とE−E線(b)にそれぞれ沿った拡大断面図、図12は車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図である。
【0048】
この第4実施形態に適用されるサブフレーム11cは、図10に示すように変形促進手段を、サイドフレーム12の外側壁面12dの高さ方向幅hを内側壁面12cよりも小さくした壁面高さ変化構造23によって構成してある。
【0049】
即ち、この第4実施形態にあっても、前記第3実施形態と同様にサブフレーム11cが、押出し成形したサイドフレーム12を、鋳造成形したフロントフレーム13およびリヤフレーム14に結合して略井桁状に構成しており、前記サイドフレーム12を押出し成形する際に、図11に示すように上側壁面12aの略中央部から車幅方向外方を下方傾斜させることにより、外側壁面12dの高さ方向幅hを内側壁面12cよりも小さくしている。
【0050】
従って、この第4実施形態の車体前部構造によれば、図12に示すようにサイドフレーム12Rの前端部から軸方向に衝突荷重Fが入力すると、このサイドフレーム12Rの外側壁面12dは高さ方向幅hが小さくなって降伏荷重が減少しているため、サイドフレーム12Rは車幅方向内方への屈曲が促されて屈曲変形される。
【0051】
このため、前記第1実施形態と同様にサイドフレーム12Rの後側マウント部16周りに図中反時計回りのモーメントMが発生して、この後側マウント部16は屈曲変形部分の屈曲点Pに対して相対的に車幅方向外方に移動するため、前記各実施形態に示したと同様の第1経路Aおよび第2経路Bを形成し、前記衝突荷重Fはこれら第1経路Aと第2経路Bに分散されて、右側および左側のフロア骨格メンバ8によって効率的に分散吸収される。
【0052】
図13〜図15は本発明の第5実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。尚、図13はサブフレームの斜視図、図14は図13中F−F線に沿った拡大断面図、図15は車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図である。
【0053】
この第5実施形態に適用されるサブフレーム11dは、図13に示すように変形促進手段を、サイドフレーム12の内側壁面12cに設けた補強板24によって構成してある。
【0054】
即ち、この第5実施形態ではサイドフレーム12はリヤフレーム14と一体に平面コ字状に形成され、図14に示すように逆ハット型断面に形成したアッパパネルPUと、平板状のロアパネルPLとを重ね合わせて、それぞれのフランジ部同士を溶接またはリベット止め等により結合して閉断面に形成してある。
【0055】
そして、前記補強板24を断面がクランク状となるように折曲して、この補強板24が前記フランジ部から上側壁面12aの略中央部に亘るようにして内側壁面12cの内側に重ねて配置し、フランジ部に重なる補強板24の一端部を両パネルPU,PLのフランジ部間に挟んで溶接している。
【0056】
従って、この第5実施形態の車体前部構造によれば、図15に示すようにサイドフレーム12Rの前端部から軸方向に衝突荷重Fが入力すると、このサイドフレーム12Rの内側壁面12cは補強板24により強度が増大されて、外側壁面12dが変形され易くなっているため、サイドフレーム12Rは車幅方向内方への屈曲が促されて屈曲変形される。
【0057】
このため、前記第1実施形態と同様にサイドフレーム12Rの後側マウント部16周りに図中反時計回りのモーメントMが発生して、この後側マウント部16は屈曲変形部分の屈曲点Pに対して相対的に車幅方向外方に移動するため、前記各実施形態に示したと同様の第1経路Aおよび第2経路Bを形成し、前記衝突荷重Fはこれら第1経路Aと第2経路Bに分散されて、右側および左側のフロア骨格メンバ8によって効率的に分散吸収される。
【0058】
図16〜図18は本発明の第6実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。尚、図16はサブフレームの斜視図、図17は図16中G−G線に沿った拡大断面図、図18は車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図である。
【0059】
この第6実施形態に適用されるサブフレーム11eは、図16に示すように変形促進手段を、サイドフレーム12の外側壁面12dの材質の強度を内側壁面12cよりも低くした材質変化構造25によって構成してある。
【0060】
即ち、この第6実施形態にあっても前記第5実施形態と同様に、サイドフレーム12はリヤフレーム14と一体に平面コ字状に形成され、図17に示すように逆ハット型断面に形成したアッパパネルPUと、平板状のロアパネルPLとを重ね合わせて、それぞれのフランジ部同士を溶接またはリベット止め等により結合して閉断面に形成してある。
【0061】
そして、前記アッパパネルPUを形成する際、サイドフレーム12に対応する部分は内側壁面12cに相当する部分に通常の鋼板25aが用いられるが、外側壁面12dに相当する部分に低強度鋼板25bが用いられ、これら鋼板25aと低強度鋼板25bは、図17に示すように逆ハット断面にプレス成形する前に予めレーザー溶接LMによって接合してある。
【0062】
従って、この第6実施形態の車体前部構造によれば、図18に示すようにサイドフレーム12Rの前端部から軸方向に衝突荷重Fが入力すると、このサイドフレーム12Rの外側壁面12dが低強度鋼板25bによって形成されて変形され易くなっているため、サイドフレーム12Rは車幅方向内方への屈曲が促されて屈曲変形される。
【0063】
このため、前記第1実施形態と同様にサイドフレーム12Rの後側マウント部16周りに図中反時計回りのモーメントMが発生して、この後側マウント部16は屈曲変形部分の屈曲点Pに対して相対的に車幅方向外方に移動するため、前記各実施形態に示したと同様の第1経路Aおよび第2経路Bを形成し、前記衝突荷重Fはこれら第1経路Aと第2経路Bに分散されて、右側および左側のフロア骨格メンバ8によって効率的に分散吸収される。
【0064】
尚、前記第2〜第6実施形態の車両前部構造にあって、左側のサイドフレーム12Lに衝突荷重Fが集中して入力された場合にも、右側のサイドフレーム12Rに衝突荷重Fが入力された場合とは左右が逆となる荷重伝達経路が形成されて、同様に左右のフロア骨格メンバ8に衝突荷重Fを分散して伝達できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における自動車の前部を下側から見た斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるサブフレームの斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態における車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図。
【図4】本発明の第2実施形態におけるサブフレームの斜視図。
【図5】図4中A−A線に沿った拡大断面図。
【図6】本発明の第2実施形態における車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図。
【図7】本発明の第3実施形態におけるサブフレームの斜視図。
【図8】図7中B−B線(a)とC−C線(b)にそれぞれ沿った拡大断面図。
【図9】本発明の第3実施形態における車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図。
【図10】本発明の第4実施形態におけるサブフレームの斜視図。
【図11】図10中D−D線(a)とE−E線(b)にそれぞれ沿った拡大断面図。
【図12】本発明の第4実施形態における車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図。
【図13】本発明の第5実施形態におけるサブフレームの斜視図。
【図14】図13中F−F線に沿った拡大断面図。
【図15】本発明の第5実施形態における車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図。
【図16】本発明の第6実施形態におけるサブフレームの斜視図。
【図17】図16中G−G線に沿った拡大断面図。
【図18】本発明の第6実施形態における車両のオフセット前面衝突の状態を示す略示的平面説明図。
【符号の説明】
1 サイドメンバ(前部骨格メンバ)
2 エクステンションサイドメンバ
6 サイドシル
7 アウトリガー
8 フロア骨格メンバ
10 車両ユニット部品
11,11a,11b,11c,11d,11e サブフレーム
12 サイドフレーム
12c 内側壁面
12d 外側壁面
12R 一方のサイドフレーム
12L 他方のサイドフレーム
13 フロントフレーム
14 リヤフレーム
15 前側マウント部
16 後側マウント部
20 湾曲部
21 ノッチ(脆弱部)
22 肉厚変化構造
23 壁面高さ変化構造
24 補強板
25 材質変化構造
25b 低強度鋼板
A 第1経路
B 第2経路
C キャビン
F・C フロントコンパートメント
F 衝突荷重

Claims (7)

  1. フロントコンパートメントの下側部で、このフロントコンパートメントの前部骨格メンバとキャビンのフロア骨格メンバとに跨ってサブフレームを結合配置し、このサブフレームに車両ユニット部品を搭載した構造であって、
    前記サブフレームを、前後方向に延在した左右一対のサイドフレームと、一対のサイドフレームの前端部を車幅方向に連設したフロントフレームと、一対のサイドフレームの後端部を車幅方向に連設したリヤフレームと、によって略井桁状に形成し、
    前記サイドフレームの前端部に前記前部骨格メンバに結合する前側マウント部を設けるとともに、サイドフレームの後端部に前記フロア骨格メンバに結合する後側マウント部を設け、
    前記左右のサイドフレームを略直線状に形成すると共に、車幅方向外側の剛性を内側よりも小さくし、衝突後に車幅方向内方に屈曲変形させて前方より入力した荷重を後側マウント部で車幅方向外方に伝達する第1経路と、リヤフレームを介して他方のサイドフレームに伝達する第2経路とに分散させる変形促進手段を設けたことを特徴とする車体前部構造。
  2. 変形促進手段は、サイドフレームを予め車幅方向内方に湾曲形成した湾曲部であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 変形促進手段は、サイドフレームの外側壁面に設けた脆弱部であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  4. 変形促進手段は、サイドフレームの外側壁面の肉厚を内側壁面よりも薄肉化した肉厚変化構造であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  5. 変形促進手段は、サイドフレームの外側壁面の高さ方向幅を内側壁面よりも小さくした壁面高さ変化構造であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  6. 変形促進手段は、サイドフレームの内側壁面に設けた補強板であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  7. 変形促進手段は、サイドフレームの外側壁面の材質の強度を内側壁面よりも低くした材質変化構造であることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
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