JP4556320B2 - 車両の下部車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車体のフロアパネル中央部において車両前後方向に凸状に延びるフロアトンネルと、上述のフロアパネルから立上がって該フロアパネルと連続して延び、車室と車外またはエンジンルームとを仕切るダッシュロアパネルを備えたような車両の下部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車体のフロアパネル中央部において車両前後方向に凸状に延びるフロアトンネルの上部またはトンネル内には、車体剛性の向上を図る目的で、トンネルレインフォースメントが設けられ、このトンネルレインフォースメントとフロアトンネルとの両者で、車両前後方向に延びる閉断面が形成されている。
【0003】
また上述のフロアパネルから上方へ立上がって該フロアパネルと連続して延び、車室内と車外または車室内とエンジンルームを仕切るダッシュロアパネルには、車体剛性の向上を図る目的で、車幅方向に延びるダッシュロアメンバが設けられ、このダッシュロアメンバとダッシュロアパネルとの両者で、車幅方向に延びる閉断面が形成されている。
【0004】
しかし、上述のトンネルレインフォースメントとダッシュロアメンバとはそれぞれ別部材によって構成される関係上、部品点数および組付け工数が大となるばかりでなく、車両衝突時にダッシュロアパネルの後退方向への荷重を車体全体で効率的に吸収することが困難な問題点があった。
【0005】
一方、特開平10−218017号公報および特開平11−235963号公報にはハイドロフォーム成形部品を車体の補強部材として用いる構成が開示されている。
【0006】
つまり、前者の特開平10−218017号公報にはセンタピラーアウタとセンタピラーインナとの間の閉断面内部にハイドロフォーム成形された補強部材を配設する構成が開示されており、後者の特開平11−235963号公報にはキャブサイドのフロントフレームを構成するロッカパネルとフロアサイドパネルとの間の閉断面内部にハイドロフォーム成形された補強部材を配設する構造が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにハイドロフォーム成形による補強部材を閉断面の内部に配置すると、車体剛性が向上する利点がある反面、部品点数が増加して、組付け工数が大となり、加えて、軽量化が阻害される問題点があった。
【0008】
この発明は、フロアトンネルに沿って車両の前後方向に延びるトンネルレインフォースメントと、ダッシュパネルに沿って車幅方向に延びるダッシュロアメンバとを一体の管状部材で形成することにより、部品点数および組付け工数の削減を図ることができ、しかもダッシュパネルの後退方向への荷重を効率的に車体全体で吸収することができ、正突時の安全性向上、並びに通常走行時の車体剛性向上が図れ、かつ車体重量の増加を招くことなくNVH(noise ノイズ、vibration 振動、harshess 連成振動)の低減を図ることができる車両の下部車体構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両の下部車体構造は、車体のフロアパネル中央において前後方向に凸状に延びるフロアトンネルと、上記フロアパネルから立上がって該フロアパネルと連続して延び、車室と車外またはエンジンルームとを仕切るダッシュパネルを備えた車両の下部車体構造であって、上記フロアトンネルに沿って前後方向に延びるトンネルレインフォースメントと、上記ダッシュパネルに沿って車幅方向に延びるダッシュロアメンバとが、チューブハイドロフォームにより成形された一体の管状部材で形成され、上記ダッシュロアメンバの車幅方向の端部は、上記ダッシュパネルの車幅方向両端部を上下方向に延びるヒンジピラー部に接続され、上記トンネルレインフォースメントおよびダッシュロアメンバは、上記フロアパネルの高さより高い位置で上記フロアトンネル上部と上記ダッシュパネルの高さ方向の中間部とに取付けられ、上記フロアパネルの車幅方向両側部を車両前後方向に延びるサイドシル部が設けられ、上記サイドシル部と上記トンネルレインフォースメントとが車幅方向に延びるフロアクロスメンバで接続され、上記フロアクロスメンバは管状部材によって形成され、上記ダッシュロアメンバの車幅方向端部を、後方に向けて一体的に屈曲形成し偏平かつ平板状の取付け部が設けられ、該取付け部が上記ヒンジピラー部にボルトにより締結され、上記ダッシュロアメンバはダッシュパネルの上下方向中間部に溶接接合され、管状で一体的に形成されたトンネルレインフォースメントとダッシュロアメンバとが車幅方向左右に一対設けられたものである。
【0010】
上記構成のダッシュパネルは、ダッシュロアパネルに設定することができる。
【0011】
上記構成によれば、上述の管状部材でトンネルレインフォースメントとダッシュロアメンバとを一体形成したので、部品点数および組付け工数の削減を図ることができる。
【0012】
また車幅方向に延びるダッシュロアメンバの後部にトンネルレインフオースメントが一体連設されているので、ダッシュパネルの後退方向への衝突荷重を車体全体で効率的に吸収することができ、車両正突時の安全性向上を図ることができるうえ、通常走行時には車体剛性の向上を図ることができる。
【0013】
さらに上記管状部材のダッシュロアメンバでダッシュパネルを補強するので、NVH(ノイズ、振動、連成振動)の低減を図ることができ、上記ダッシュパネルでエンジンルームと車室とを仕切る際には特に有効である。
【0014】
加えて、上述のトンネルレインフォースメントとダッシュロアメンバとを管状部材で構成するので、車体重量の増加を招くことなく、上述の各種効果を得ることができる。
【0015】
また、上記ダッシュロアメンバの車幅方向の端部は、上記ダッシュパネルの車幅方向両端部を上下方向に延びるヒンジピラー部に接続されたものであり、このように、管状部材のダッシュロアメンバをダッシュパネルとヒンジピラー部との双方に接続したので、車体剛性をさらに高めることができると共に、NVHをより一層良好に低減させることができる。
【0016】
さらに、上記トンネルレインフォースメントおよびダッシュロアメンバは、上記フロアパネルの高さより高い位置で上記フロアトンネル上部と上記ダッシュパネルの高さ方向の中間部とに取付けられたものであり、このように、トンネルレインフォースメントおよびダッシュロアメンバを上述の所定高さ位置に設定したので、管状部材によるダッシュパネルの補強が確実となり、加えてNVHをさらに低減させることができる。
【0017】
加えて、上記フロアパネルの車幅方向両側部を車両前後方向に延びるサイドシル部が設けられ、上記サイドシル部と上記トンネルレインフォースメントとが車幅方向に延びるフロアクロスメンバで接続され、上記フロアクロスメンバは管状部材によって形成されたものであり、このように、左右のサイドシル部とフロアパネル中央に位置するトンネルレインフォースメントとを車幅方向に延びる管状部材製のフロアクロスメンバ(いわゆるNo.2クロスメンバ)で接続したので、車体剛性をさらに向上させることができる。
【0018】
さらには、上記トンネルレインフォースメントと上記ダッシュロアメンバはチューブハイドロフォームにより成形された一体の管状部材から構成されたものであるから、ハイドロフォーム成形により複雑形状のメンバ(トンネルレインフォースメントとダッシュロアメンバ)を高剛性の連続一体部品で構成することができ、軽量化と組付け性の向上との両立を図ることができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記ダッシュパネルの車幅方向両端部には上下方向に延びる左右のヒンジピラー部が設けられ、上記左右のヒンジピラー部相互間にはこれら両者を接続するステアリング支持メンバが設けられると共に、該ステアリング支持メンバの車幅方向中間部と上記トンネルレインフォースメントとの間が上下方向に延びるステー部材によって接続されたものである。
【0020】
上記構成によれば、ステアリング支持メンバと管状部材のトンネルレインフォースメントとをステー部材にて上下に接続したので、ステアリング支持メンバの支持剛性の向上を図ることができる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、上記フロアクロスメンバはチューブハイドロフォームにより成形された一体の管状部材から構成されたものである。
上記構成によれば、ハイドロフォーム成形により複雑形状のメンバ(フロアクロスメンバ)を高剛性の連続一体部品で構成することができ、軽量化と組付け性向上との両立を図ることができる。
【0022】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の下部車体構造を示し、図1、図2、図3において車室と車外との間または車室11とエンジンルーム12との間を仕切るダッシュロアパネル13を設け、このダッシュロアパネル13の下端部には床面を構成するフロアパネル14を後方に向けて略水平に延びるように接合すると共に、ダッシュロアパネル13の下部前面とフロアパネル14の前部下面との間には車幅方向に延びるダッシュロアクロスメンバ15を取付けている。
【0023】
上述のフロアパネル14は中央部において車両の前後方向に凸状に延びるフロアトンネルとしてのトンネル部16を有すると共に、このフロアパネル14の車幅方向の両側部には車両の前後方向に延びるサイドシル部17のサイドシルインナ18が接合されている。このサイドシルインナ18にはサイドシルアウタ(図示せず)が接合され、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面が構成され、また必要に応じてサイドシルインナ18とサイドシルアウタとの間にはサイドシルレインフォースメントが設けられる。
【0024】
ここで、上述のダッシュロアパネル13はフロアパネル14の前部から上方へ立上がって該フロアパネル14と連続して延びるパネルであって、このダッシュロアパネル13の車幅方向の両端部には上下方向に延びるヒンジピラー部19が接続されている。
【0025】
上述のヒンジピラー部19は図3に示すようにヒンジピラーインナ20とヒンジピラーアウタ21とを接合して構成され、ヒンジピラーインナ20とヒンジピラーアウタ21との間には上下方向に延びるピラー閉断面22が形成され、ヒンジ部材を介してフロントドア24の前端を開閉可能に枢支するものである。
【0026】
なお、図3において23はフロントフェンダパネル、24はドアアウタパネル25とドアインナパネル26とを備えたフロントドアであり、図中のFは車両の前方を示し、Rは車両の後方を示す。
【0027】
ところで、図1、図3に示すように上述のトンネル部14に沿って車両の前後方向に延びるトンネルレインフォースメント27aと、ダッシュロアパネル13の車室11側の面に沿って車幅方向に延びるダッシュロアメンバ部27bとが一体形成された補強部材27を設けている。
【0028】
この補強部材27はパイプ状の高張力鋼板を用いてトンネルレインフォースメント部27aとダッシュロアメンバ27bとをチューブハイドロフォームにより成形し、これら両者27a,27bを一体に形成した管状部材であり、同一構造の補強部材27でドライバーズ側およびパッセンジャーズ側の何れにも適用することができる。
【0029】
しかも、上述の補強部材27はそのダッシュロアメンバ部27bの車幅方向の端部を後方に向けて一体に屈曲形成し、偏平かつ平板状の取付け部27cを設け、この取付け部27cをヒンジピラー部19におけるヒンジピラーインナ20に取付けるように構成している。
【0030】
上述のトンネル部16の左右の上側コーナ部には図1に示すように車両の前後方向に延びる凹部16a,16aが形成され、補強部材27のトンネルレインフォースメント部27aを断面方形枠状に形成して、このトンネルレインフォースメント部27aを上述の凹部16aに溶接手段等により接合して、このトンネルレインフォースメント27aの上端部とトンネル部16の上端面とが略面一状に成るように構成している。ここで、上述のトンネルレインフォースメント27aの上端面はトンネル部16の上端面と面一またはそれ以下の高さに設定されることが望ましい。
【0031】
また、このトンネルレインフォースメント部27aの前部に連続して車幅方向に延びるダッシュロアメンバ部27bは、ダッシュロアパネル13の上下方向(高さ方向)の中間部に溶接手段により接合されている。
【0032】
つまり、トンネルレインフォースメント部27aおよびダッシュロアメンバ部27bは、フロアパネル14の高さよりも高い位置で上述のトンネル部16の上部とダッシュロアパネル13の上下方向の中間部とに連続して取付けられたものである。
【0033】
さらに、上述の補強部材27において平板状に形成された取付け部27cは図4に示す如くヒンジピラーインナ20に接続されている。
すなわち、ヒンジピラーインナ20のピラー閉断面22側に予めナット28,28を溶接固定し、複数の締結部材としてのボルト29,29を上述のナット28,28に締結することで、取付け部27cをヒンジピラーインナ20に接続すべく構成している。この際、上述の取付け部27cは平板状に形成されているので、取付け性の向上を図ることができる。
【0034】
一方、図1、図5に示すように左右のヒンジピラー部19,19におけるヒンジピラーインナ20,20相互間にはサイドブラケット30,30(接合ブラケット)を介してこれら両者20,20を接続するステアリング支持メンバ31が設けられている。このステアリング支持メンバ31はパイプ部材により構成されダッシュロアパネル13の車室11側において車幅方向に延びるメンバである。
【0035】
このステアリング支持メンバ31の車幅方向中間部におけるトンネル部16と対応する部分と、補強部材27のトンネルレインフォースメント27aとの間は、断面がコ字状で、かつ上下方向に延びるステー部材32によって互に連結されている。
【0036】
この実施例ではステー部材32の上部とステアリング支持メンバ31とを溶接固定し、ステー部材32の下部とトンネルレインフォースメント27aとはタッピングネジ33で接続されているが、ステー部材32の上部および下部をステアリング支持メンバ31とトンネルレインフォースメント27aに対してそれぞれ溶接固定すべく構成してもよい。
【0037】
このように図1〜図5で示した実施例(前提構造となる実施例開示構成)の車両の下部車体構造は、車体のフロアパネル14中央において前後方向に凸状に延びるトンネル部16と、上記フロアパネル14から立上がって該フロアパネル14と連続して延び、車室11と車外またはエンジンルーム12とを仕切るダッシュロアパネル13を備えた車両の下部車体構造であって、上記トンネル部16に沿って前後方向に延びるトンネルレインフォースメント部27aと、上記ダッシュロアパネル13に沿って車幅方向に延びるダッシュロアメンバ部27bとが一体の管状部材(補強部材27参照)で形成されたものである。
【0038】
この構成によれば、上述の管状部材(補強部材27参照)でトンネルレインフォースメント部27aとダッシュロアメンバ部27bとを一体形成したので、部品点数および組付け工数の削減を図ることができる。
【0039】
また車幅方向に延びるダッシュロアメンバ部27bの後部にトンネルレインフォースメント部27aが一体連設されているので、ダッシュロアパネル13の後退方向への衝突荷重を車体全体で効率的に吸収することができ、車両正突時の安全性向上を図ることができるうえ、通常走行時には上記補強部材27にて車体剛性の向上を図ることができる。
【0040】
さらに上記管状部材(補強部材27参照)のダッシュロアメンバ部27bでダッシュロアパネル13を補強するので、NVH(ノイズ、振動、連成振動)の低減を図ることができ、上記ダッシュロアパネル13でエンジンルーム12と車室11とを仕切る際には特に有効である。
【0041】
加えて、上述のトンネルレインフォースメント部27aとダッシュロアメンバ部27bとを管状部材(補強部材27参照)で構成するので、車体重量の増加を招くことなく、上述の各種効果を得ることができる。
【0042】
また、上記ダッシュロアメンバ部27bの車幅方向の端部(平板状の取付け部27c参照)は、上記ダッシュロアパネル13の車幅方向両端部を上下方向に延びるヒンジピラー部19に接続されたものであるから、管状部材(補強部材27参照)のダッシュロアメンバをダッシュロアパネル13とヒンジピラー部19との双方に接続できて、車体剛性をさらに高めることができると共に、NVHをより一層良好に低減させることができる。
【0043】
さらに、上記トンネルレインフォースメント部27aおよびダッシュロアメンバ部27bは、上記フロアパネル14の高さより高い位置で上記トンネル部16の上部と上記ダッシュロアパネル13の高さ方向の中間部とに取付けられたものである。
【0044】
このように、トンネルレインフォースメント部27aおよびダッシュロアメンバ部27bを上述の所定高さ位置に設定したので、管状部材(補強部材27参照)によるダッシュロアパネル13の補強が確実となり、加えてNVHをさらに低減させることができる。
【0045】
加えて、上記ダッシュロアパネル13の車幅方向両端部には上下方向に延びる左右のヒンジピラー部19,19が設けられ、上記左右のヒンジピラー部19,19相互間にはこれら両者を接続するステアリング支持メンバ31が設けられると共に、該ステアリング支持メンバ31の車幅方向中間部と上記トンネルレインフォースメント部27aとの間が上下方向に延びるステー部材32によって接続されたものである。
【0046】
このように、ステアリング支持メンバ31と管状部材(補強部材27参照)のトンネルレインフォースメント部27aとをステー部材32にて上下に接続したので、ステアリング支持メンバ31の支持剛性の向上を図ることができる。
【0047】
しかも、上記トンネルレインフォースメント部27aと上記ダッシュロアメンバ部27bはチューブハイドロフォームにより成形された一体の管状部材(補強部材27参照)から構成されたものであるから、ハイドロフォーム成形により複雑形状のメンバ(トンネルレインフォースメント部27aとダッシュロアメンバ部27b)を高剛性の連続一体部品で構成することができ、また断面形状、板厚および強度を自由かつ任意に設定することも可能で、軽量化と組付け性の向上との両立を図ることができる。
【0048】
図6〜図9は車両の下部車体構造の実施例を示し、この実施例では図1〜図5で示した先の実施例(実施例開示構成)の構造に加えて、フロアパネル14の車幅方向両側部において車両の前後方向に延びるサイドシル部17の左右のサイドシルインナ18,18と前述の補強部材27におけるトンネルレインフォースメント27a,27aとを、車幅方向に延びるフロアクロスメンバ35(いわゆるNo.2クロスメンバに相当)で接続したものであって、このフロアクロスメンバ35はパイプ状の高張力鋼板を用いてチューブハイドロフォームにより成形された管状部材で構成している。
【0049】
上述のフロアクロスメンバ35はフロアパネル14の左右の上面に沿う水平部35a,35aと、この水平部35aの車幅方向中間部からトンネル部16の傾斜面に沿って斜め上方に立上がるスラント部35b,35bと、左右のスラント部35b,35bの上端相互を連設して、略面一状各要素27a,16の上面上部に位置するトップデッキ部35cとを有し、これらの各要素35a,35b,35cをハイドロフォーム成形により一体形成したものである。
【0050】
ここで、上述のフロアクロスメンバ35における水平部35aは図9に示すように断面方形枠状に形成され比較的大きい閉断面を有し、トップデッキ部35cは図8に示すように偏平に形成され、その閉断面が最小に設定されて、トップデッキ部35cを含むトンネル部16の全高を可及的低く設定するように構成されている。また上述のスラント部35bはその下部から上部にかけて閉断面が連続して順次小さくなるように構成されている。
【0051】
而して、上述のフロアクロスメンバ35の水平部35aとフロアパネル14とを溶接手段にて接合すると共に、トップデッキ部35cとトンネル部16上面およびトンネルレインフォースメント部27aとを同様に溶接手段にて接合し、さらにフロアクロスメンバ35の車幅方向両端部とサイドシル部17のサイドシルインナ18とを溶接手段(例えばレーザ溶接)にて接合したものである。
【0052】
このように図6〜図9で示した実施例の車両の下部車体構造は、図1〜図5で示した先の実施例の構成と併せて、上記フロアパネル14の車幅方向両側部を車両前後方向に延びるサイドシル部17,17が設けられ、上記サイドシル部17,17と上記トンネルレインフォースメント部27a,27aとが車幅方向に延びるフロアクロスメンバ35で接続され、上記フロアクロスメンバ35は管状部材によって形成されたものである。
【0053】
このように、左右のサイドシル部17,17とフロアパネル14中央に位置するトンネルレインフォースメント部27a,27aとを車幅方向に延びる管状部材製のフロアクロスメンバ35(いわゆるNo.2クロスメンバ)で接続したので、車体剛性をさらに向上させることができる。
【0054】
しかも、上記フロアクロスメンバ35はチューブハイドロフォームにより成形された一体の管状部材から構成されたものであるから、ハイドロフォーム成形により複雑形状のメンバ(フロアクロスメンバ35)を高剛性の連続一体部品で構成することができ、また断面形状、板厚および強度を自由かつ任意に設定することも可能であって、軽量化と組付け性向上との両立を図ることができる。
【0055】
この図6〜図9で示す実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図6〜図9において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0056】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のフロアトンネルは、実施例のトンネル部16に対応し、
以下同様に、
ダッシュパネルは、ダッシュロアパネル13に対応し、
管状部材は、補強部材27に対応し、
トンネルレインフォースメントは、トンネルレインフォースメント部27aに対応し、
ダッシュロアメンバは、ダッシュロアメンバ部27bに対応し、
ダッシュロアメンバの車幅方向の端部は、取付け部27cに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0057】
【発明の効果】
この発明によれば、フロアトンネルに沿って車両の前後方向に延びるトンネルフォースメントと、ダッシュパネルに沿って車幅方向に延びるダッシュロアメンバとを一体の管状部材で形成したので、部品点数および組付け工数の削減を図ることができ、しかもダッシュパネルの後退方向への荷重を効率的に車体全体で吸収することができ、正突時の安全性向上、並びに通常走行時の車体剛性向上が図れ、かつ車体重量の増加を招くことなくNVH(ノイズ、振動、連成振動)の低減を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両の下部車体構造を示す斜視図。
【図2】 図1のA−A線矢視断面図。
【図3】 図1のB−B線矢視断面図。
【図4】 図3の要部拡大断面図。
【図5】 図1のC−C線矢視断面図。
【図6】 本発明の車両の下部車体構造の実施例を示す斜視図。
【図7】 図6のD−D線矢視断面図。
【図8】 図6のE−E線に沿う管状部材の断面図。
【図9】 図6のG−G線に沿う管状部材の断面図。
【符号の説明】
11…車室
12…エンジンルーム
13…ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)
14…フロアパネル
16…トンネル部(フロアトンネル)
17…サイドシル部
19…ヒンジピラー部
27…補強部材(管状部材)
27a…トンネルレインフォースメント部(トンネルレインフォースメント)
27b…ダッシュロアメンバ部(ダッシュロアメンバ)
27c…取付け部
29…ボルト
31…ステアリング支持メンバ
32…ステー部材
35…フロアクロスメンバ

Claims (3)

  1. 車体のフロアパネル中央において前後方向に凸状に延びるフロアトンネルと、
    上記フロアパネルから立上がって該フロアパネルと連続して延び、車室と車外またはエンジンルームとを仕切るダッシュパネルを備えた車両の下部車体構造であって、
    上記フロアトンネルに沿って前後方向に延びるトンネルレインフォースメントと、上記ダッシュパネルに沿って車幅方向に延びるダッシュロアメンバとが、チューブハイドロフォームにより成形された一体の管状部材で形成され
    上記ダッシュロアメンバの車幅方向の端部は、上記ダッシュパネルの車幅方向両端部を上下方向に延びるヒンジピラー部に接続され、
    上記トンネルレインフォースメントおよびダッシュロアメンバは、上記フロアパネルの高さより高い位置で上記フロアトンネル上部と上記ダッシュパネルの高さ方向の中間部とに取付けられ、
    上記フロアパネルの車幅方向両側部を車両前後方向に延びるサイドシル部が設けられ、
    上記サイドシル部と上記トンネルレインフォースメントとが車幅方向に延びるフロアクロスメンバで接続され、
    上記フロアクロスメンバは管状部材によって形成され、
    上記ダッシュロアメンバの車幅方向端部を、後方に向けて一体的に屈曲形成し偏平かつ平板状の取付け部が設けられ、
    該取付け部が上記ヒンジピラー部にボルトにより締結され、
    上記ダッシュロアメンバはダッシュパネルの上下方向中間部に溶接接合され、
    管状で一体的に形成されたトンネルレインフォースメントとダッシュロアメンバとが車幅方向左右に一対設けられた
    車両の下部車体構造。
  2. 上記ダッシュパネルの車幅方向両端部には上下方向に延びる左右のヒンジピラー部が設けられ、上記左右のヒンジピラー部相互間にはこれら両者を接続するステアリング支持メンバが設けられると共に、
    該ステアリング支持メンバの車幅方向中間部と上記トンネルレインフォースメントとの間が上下方向に延びるステー部材によって接続された
    請求項1記載の車両の下部車体構造。
  3. 上記フロアクロスメンバはチューブハイドロフォームにより成形された一体の管状部材から構成された
    請求項1記載の車両の下部車体構造。
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