JP5228014B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
特許文献1の車体前部構造では、前突エネルギーの大半はフロントサイドフレームの変形で吸収する構造となっているため、前突エネルギー吸収性能がフロントサイドフレームの剛性に依存する。従って、他の部位を利用したより効率的な前突エネルギーの吸収ができない。
また、フロントサイドフレームへの設置部を開ロのない面形状にすればダンパ支持剛性は向上できるものの、変形モードの安定化が困難である。従って、ダンパハウジング前端の前方領域を衝撃吸収領域に設定するしか、前突エネルギー吸収性能を向上させることができない。
なお、ダンパ部は、ダンパ(ダンパユニット)が取付けられるダンパベースと、このダンパベースの廻りに形成されるダンパハウジングと、から構成される。
請求項1に係る発明では、車体前後方向に延びるフロントサイドフレームと、フロントサイドフレームの後方に配置されるフロントピラーと、フロントサイドフレームの上方でフロントピラーから前方に向けて延び、フロントサイドフレームの車幅外側に配置されるアッパフレームと、下端側がフロントサイドフレームに結合され、上端側がアッパフレームに結合されるダンパ部と、を備える。
ダンパ部とアッパフレームとの結合部に、車幅方向に屈曲した屈曲部を備えるので、屈曲部の前方領域を衝撃吸収領域とすることができる。これにより、衝撃吸収領域の拡大を図ることができる。また、ダンパ部とアッパフレームとの結合部に、車幅方向に屈曲した屈曲部を備えるので、例えば、厚板で形成されたダンパ部を衝撃吸収部材として利用でき、衝撃吸収量の増大を図ることができる。
また、請求項1に係る発明では、アッパフレームに、ダンパ部が結合される領域を補強する補強板を備える。すなわち、補強板の強度を変えることで、ダンパ部の屈曲変形よりも先にアッパフレームを変形するようモードコントロールすることができる。この結果、アッパフレームの潰れ残りがなくなり、衝撃吸収効率が向上する。
さらに、請求項1に係る発明では、補強板に、ダンパ部の屈曲部に対応する位置に補強板側屈曲部を備えるので、ダンパ部の屈曲変形よりも先にアッパフレームを変形するようモードコントロールしつつ、ダンパ部の屈曲変形をより確実なものにすることができる。この結果、衝撃吸収効率の向上を図ることができるとともに、モードコントロールの安定化を図ることができる。
さらに、請求項2に係る発明では、アッパフレームに、ダンパ部が結合される領域を補強する補強板を備える。すなわち、補強板の強度を変えることで、ダンパ部の屈曲変形よりも先にアッパフレームを変形するようモードコントロールすることができる。この結果、アッパフレームの潰れ残りがなくなり、衝撃吸収効率が向上する。
また、請求項2に係る発明では、アッパフレームが、後端に向かうに連れて下方に湾曲し、ホイールアーチ形状に沿わせるアーチ形状部を備え、補強板に、アーチ形状部の前方に配置され、アッパフレームの長手方向に沿って延びる補強板側ビードを備える。
補強板側ビードが、後端側が前端側よりも上方側に位置してアーチ形状部から離間するよう配置されるので、アッパフレームの後端部のアーチ形状部に前突荷重が集中して折れが発生し、フロントピラーに荷重が上手く伝達されず(モードコントロールが安定せず)にキャビンを変形させる虞れを排除することができる。すなわち、アーチ形状部から離間側となる上方側へ荷重伝達することができ、アッパフレームの後端部の折れの発生を防止することができる。
カウルボックスの断面潰れが発生するとアッパフレームからフロントピラーに荷重が上手く伝達されず(モードコントロールが安定せず)にキャビンを変形させる虞れを排除し、アッパフレーム、ダンパ部が変形した後のカウルボックスの断面潰れをスティフナで防止することで、断面形状を維持したまま荷重を確実にフロントピラーへ伝達させることができ、キャビン(客室)の変形を防止することができる。
また、ダンパ部33は、不図示のダンパ(ダンパユニット)が取付けられるダンパベース55と、このダンパベース55の廻りに形成されるダンパハウジング56と、から構成される。さらに、ダンパ部33の上端33aは、ダンパベース55の端部に相当する位置(アッパフレーム17の結合部位)をいう。ダンパ部33の下端33bは、ダンパハウジング56の下部に相当する位置(フロントサイドフレーム16の結合部位)をいう。図1では車体10の右側を示す。
フロントサイドフレーム16は、閉断面形状に形成される。
なお、図2、図7に示されたように、横ビード73,73は、フロントサイドフレーム16の内側及び外側に、且つ車体前後方向に関して同位置に形成されている。
さらに、変形容易部75は、後述するダンパ部33のダンパハウジング56の縦ビード76と車体前後方向で略同位置に配置される。
補強板側ビード96は、後端96b側が前端96a側よりも上方側に位置してアーチ形状部92から離間するよう配置される。
スティフナ105は、前後方向に延びるスティフナ側ビード106(図8参照)を備える。スティフナ側ビード106は、補強板側ビード96に連続するように配置される。
Claims (6)
- 車体前後方向に延びるフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの後方に配置されるフロントピラーと、前記フロントサイドフレームの上方で前記フロントピラーから前方に向けて延び、前記フロントサイドフレームの車幅外側に配置されるアッパフレームと、下端側が前記フロントサイドフレームに結合され、上端側が前記アッパフレームに結合されるダンパ部と、を備えた車体前部構造であって、
前記ダンパ部と前記アッパフレームとの結合部に、車幅方向に屈曲した屈曲部を備え、
前記アッパフレームは、前記ダンパ部が結合される領域を補強する補強板を備え、
前記補強板は、前記ダンパ部の屈曲部に対応する位置に補強板側屈曲部を備えることを特徴とする車体前部構造。 - 車体前後方向に延びるフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの後方に配置されるフロントピラーと、前記フロントサイドフレームの上方で前記フロントピラーから前方に向けて延び、前記フロントサイドフレームの車幅外側に配置されるアッパフレームと、下端側が前記フロントサイドフレームに結合され、上端側が前記アッパフレームに結合されるダンパ部と、を備えた車体前部構造であって、
前記ダンパ部と前記アッパフレームとの結合部に、車幅方向に屈曲した屈曲部を備え、
前記アッパフレームは、前記ダンパ部が結合される領域を補強する補強板を備え、
前記アッパフレームは、後端に向かうに連れて下方に湾曲し、ホイールアーチ形状に沿わせるアーチ形状部を備え、
前記補強板は、前記アーチ形状部の前方に配置され、前記アッパフレームの長手方向に沿って延びる補強板側ビードを備え、
該補強板側ビードは、後端側が前端側よりも上方側に位置して前記アーチ形状部から離間するよう配置されることを特徴とする車体前部構造。 - 前記フロントピラーと前記アッパフレームとの間に設けられ、車幅方向に延びる断面コ字状のカウルボックスを備え、
前記カウルボックスは、車幅方向外側に指向する側面を備え、該側面に、前記カウルボックスの閉断面潰れを防止するスティフナを配置したことを特徴とする請求項2記載の車体前部構造。 - 前記スティフナに前後方向に延びるスティフナ側ビードを備え、
該スティフナ側ビードは、前記補強板側ビードに連続するように配置することを特徴とする請求項3記載の車体前部構造。 - 前記ダンパ部は、前記屈曲部の車幅中央側部位に、車幅方向に突出して上下に延在する縦ビードを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体前部構造。
- 前記フロントサイドフレームは、前記縦ビードと車体前後方向で略同位置に配置される変形容易部を備えることを特徴とする請求項5記載の車体前部構造。
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