JPWO2012073848A1 - バッター液の粘度付与剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】大豆由来の非水溶性の植物繊維質について、バッター液の粘度付与及び粘度安定化の両方の機能を有するものを提供すること、ならびに当該素材を使用したバッター液の粘度付与方法及び粘度安定化方法を提供することにある。【解決手段】おからに加水し調製したスラリーを、100℃を超え、150℃以下で加熱処理した後、水溶性成分を実質的に除去することにより得られる非水溶性植物繊維質素材を用いることにより、バッター液の粘度付与剤を提供することができた。

Description

本発明は、バッター液の粘度付与剤に関する。
日本では豆腐や分離大豆蛋白の製造の過程で年間約80万トンものおからが副生しているが、殆どは飼料や肥料として、付加価値が低いまま用いられている。こうしたおからの有効利用の1つとして、おからに含まれる植物繊維質に着目して、おからのバッター液への利用が検討されてきた。
小麦製品の中でも、天ぷら等の各種のフライ食品の衣やホットケーキの焼成時等に用いるバッター液、すなわち流動的な小麦粉生地は、ある程度の粘度が必要であり、粘度が低いバッター液では、バッター液が具材の周囲から剥がれやすくなり、バッター液のついていない部分がフライ時に焦げてしまう場合がある。また、粘度の安定しないバッター液を使用すると、製品の外観や食感にばらつきが出てしまう場合がある。
上記の低粘度の問題を解決するために、増粘多糖類を添加することにより、粘度を付与する方法がある(特許文献1)。しかし、増粘多糖類によっては、経時的な粘度増加や加熱による急激な粘度増加がおきるため、適切な粘度範囲に調整することが困難な場合がある。従って、粘度を付与する手段として、また、粘度を安定化させる手段として、増粘多糖類を添加する方法が必ずしも有効な手段とはいえなかった。
大豆由来の植物繊維質として、従来使用されているものとして、丸大豆又は脱脂大豆を原料として、これから脂質及び水溶性蛋白を除去した残渣を乾燥、粉砕後、粉砕して得られる水不溶性の微粒物がある(特許文献2)。
特許文献2には、大豆食物繊維をバッター組成物中に添加することからなるバッターの粘度安定化法が開示されており、該方法で使用される大豆食物繊維は、大豆から水溶性蛋白を除去した残渣を特に加熱処理することなく乾燥させたものである、不溶性の大豆食物繊維を用いた、上記ミックス粉の経時的な粘度低下の防止に関するものである。当該発明品は、タイラーメッシュ100メッシュ(目開き0.147mm)全通であるため、粒度が細かく、工程上煩雑となる場合があり、さらにバッター液に対する効果についても、粘度付与効果は十分でない場合がある。
特許文献3には、おから粉末、糖類、食用油脂、乳化剤を含有した水中油型の乳化油脂組成物をバッター液に添加することにより経時的なバッター液の粘度上昇を抑制する方法が開示されているが、フライ作業時のバッター液の小麦粉からのグルテン溶出による粘度増加を防止するものの、バッター液の粘度付与機能や粘度安定化機能として十分でない場合があった。
特許文献4には、微細化したおからをバッターに使用した例がある。この技術は微細化により得られたクリーミーなおからをバッターに使用することで、食感のざらつきの改善効果を付与するものであり、平均粒子径が15〜40ミクロンにまで微細化するため、微細化に労力を要したり、工程の増加を余儀なくされる場合があり、さらに、バッター液の粘度付与機能や粘度安定化機能について言及されていない。
また、特許文献5には、切断されたおから繊維とおから繊維から放出された水可溶性多糖類とを含む高粘性液体からなるおから加工品の技術が開示されている。この技術は、おからを解粒処理したものであり、バッター液に使用した場合に、液切れの良いバッター液が得られる効果があるが、微細化処理、解粒化処理し、水溶性多糖類を水和させることが必要で、工程が煩雑となる場合があり、さらに、バッター液の粘度付与機能と粘度安定化機能については言及されていない。
上記のように、バッター液の粘度付与と粘度安定化の両機能を十分に満足する技術は得られていない。
特開平03−039053号公報 特開平05−103603号公報 特開平07−274881号公報 特開平11−239458号公報 特開平07−051014号公報
本発明の目的は、大豆由来の非水溶性の植物繊維質について、バッター液の粘度付与剤及び粘度安定剤の両方の機能を有する素材を提供すること、並びに当該素材を使用したバッター液の粘度付与方法及び粘度安定化方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、おからに加水し調製したスラリーを、100℃を超え、150℃以下で加熱処理した後、水溶性成分を除去することにより得られる非水溶性植物繊維質素材が、バッター液の粘度付与効果及び粘度安定化機能があることを見出し、本発明を完成するに至った。これは、従来のおからには見られない顕著な効果を示すものである。
即ち、本発明は、
(1)おからに加水し調製したスラリーを、100℃を超え、150℃以下で加熱処理した後、水溶性成分を実質的に除去することにより得られる非水溶性植物繊維質素材を含有することを特徴とする、バッター液の粘度付与剤。
(2)加熱処理の時間が1分間以上360分間以下である、(1)に記載のバッター液の粘度付与剤。
(3)スラリーに金属塩を添加することを含む、(1)又は(2)に記載のバッター液の粘度付与剤。
(4)(1)〜(3)の何れかに記載の非水溶性植物繊維質素材を加配した、バッター液。
(5)(1)〜(3)の何れかに記載の非水溶性植物繊維質素材を使用することを特徴とする、バッター液の粘度付与方法及び粘度安定化方法。
である。
本発明品は、バッター液の粘度付与及び粘度安定化させる機能を有する。
バッター液の粘度の経時変化を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
(原料)
本発明の原料として、おからが使用できるが、含脂おからを使用する場合に、含有される油分の加熱による酸化に起因する風味劣化が起こる場合がある点から、好ましくは脱脂大豆から得られたおからを使用するのが好ましく、最も好ましくは分離大豆蛋白を製造する工程で副生するおからを使用することが最も好ましい。
(製造方法)
本発明品の製造法の一例を示すと以下の通りである。
分離大豆蛋白を製造する工程で副生する、おからに加水した後、100℃を超え、150℃以下で加熱処理し、当該処理物を、例えば遠心分離機で固液分離することにより、沈殿画分が得られる。当該沈殿画分には、加熱処理で水溶化されない不溶性植物繊維質が含まれており、所望のバッター液の粘度付与剤を得ることができる。水溶性成分はバッター液の粘度を低下させるため、水溶性成分を除去しないと、本発明のバッター液の粘度付与効果が得られなくなる。
このようにして、非水溶性植物繊維質素材を含有するバッター液の粘度付与剤が得られるが、ここで、「含有する」とは、加熱処理をしていないおからまで、含有することを意味するものではない。
加熱処理する手段として、加圧釜を使用する方法、エクストルーダーを使用する方法、蒸気吹込み式直接加熱装置を使用する方法、ジェットクッカーを使用する方法が列挙できる。
おからに加水したものである、スラリーの固形分濃度は、好ましくは0.1重量%以上20重量%以下であること、より好ましくは0.5重量%以上15重量%以下、さらに好ましくは1重量%以上12重量%以下である。スラリーの固形分濃度が低すぎると、生産性が低下する場合があり、固形分濃度が高すぎると、流動性を失い、作業性が悪くなる場合がある。
また、スラリーに、金属塩を添加することもでき、金属塩の添加により、当該スラリーのハンドリング性が改善される点で好ましい。金属塩は、加熱前あるいは加熱後のスラリーに添加することができるが、ハンドリング性の改善効果の観点から、加熱前のスラリーに添加することが好ましい。
金属塩として、1価、2価、又は3価の金属塩が例示できる。具体的には、1価の金属塩として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素二カリウム等が例示でき、2価の金属塩として、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、乳酸カルシウム等が例示でき、3価の金属塩として、カリミョウバン等が例示できる。この中でも2価の金属塩が好ましく、2価の金属塩の中では、塩化カルシウムがより好ましい。
添加する金属塩の濃度は、分離大豆タンパク質の製造工程中に副生するおからのスラリーに対しては、スラリーの固形分に対して、好ましくは0.01重量%以上10重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上5重量%以下の金属塩の添加が望ましい。添加量が少なすぎると十分な効果が発揮されない場合があり、添加量が多すぎると得られる非水溶性植物繊維質素材の風味や物性に悪影響が出る場合がある。
おからを加熱処理する際のpHとしては、好ましくはpHが2〜7、より好ましくはpHが3〜6がより好ましい。pHが高すぎる場合は風味や色調が悪化する場合があり、また、pHが低すぎる場合は植物繊維質の低分子化が進みすぎる場合があり、このような場合、バッター液への粘度付与効果が低下するため、好ましくない。
加熱温度は、100℃を超え、150℃以下、好ましくは、100℃を超え、130℃以下である。温度が低すぎると、植物繊維質の加熱度合いが低すぎて本発明の機能を十分に発揮できない場合があり、また、温度が高すぎると植物繊維質の低分子化が進みすぎる場合があり、このような場合、バッター液への粘度付与効果が低下するため、好ましくない。
また、加熱時間は、目的温度に達した後、好ましくは1分間以上、より好ましくは10分間以上、さらに好ましくは、30分間以上保持する。また、好ましくは360分間以下、より好ましくは240分間以下、さらにより好ましくは180分間以下保持する。加熱時間が短すぎると、植物繊維質の加熱度合いが低すぎて本発明の機能を十分に発揮できない場合があり、また、加熱時間が長すぎると、植物繊維質の低分子化が進みすぎる場合があり、このような場合、バッター液への粘度付与効果が低下する場合がある。
(分離)
加熱処理後のスラリーは固液分離することにより、水溶性成分が除去される。当該固液分離には、遠心分離機、フィルタープレス、スクリュープレスを用いることができる。水溶性成分はバッター液の粘度を低下させてしまうため、水溶性成分を除去することで、本発明の粘度付与効果を発揮することができる。また、水溶性成分は実質的に除去する必要があり、一定量以上残存する場合には本発明の粘度付与効果を発揮できない場合がある。
従って、水溶性成分の影響を受けない範囲まで、水溶性成分を除去する必要がある。つまり、「実質的に水溶性成分を除去」とは、固液分離で水溶性成分を除去することにより、全固形分中の水溶性成分の固形分の割合が25重量%以下である、非水溶性植物繊維質素材が得られるように除去することをいう。より好ましくは、20重量%以下である。これらの割合にするために、さらに、得られた非水溶性植物繊維質素材に加水し、再び固液分離を行うことで、残存する水溶性成分を除去することができる。この操作は複数回行うことができる。
(粉砕)
本発明品は、必要に応じて、製造時に粉砕するのが好ましい。加熱処理が行われた後、湿式粉砕を行うことも出来るし、乾燥後に乾式粉砕を行うことも可能である。粉砕機は公知の装置をいずれも使用することが可能であり、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、ピンミル、ボールミル、ビーズミル、ターボミル、ファインミル、グラインダーミル、コロイドミル、遊星ミル、コミットロール(URSCHEL社製)、石臼式粉砕機、ホモジナイザー、ニーダー、エクストルーダーなどが例示できる。上記の粉砕機は単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
(粒子径)
本発明品の粒子径として、メジアン径として好ましくは150ミクロン以上であり、より好ましくは150ミクロン以上900ミクロン以下が好ましく、さらに好ましくは、350ミクロン以上900ミクロン以下が好ましい。粒子径が小さすぎると、粉砕が煩雑となる場合がある。また、粒子径が大きすぎると本発明品を使用したバッター液のざらつきが大きくなる場合がある。
(粒子径の測定方法)
粒子径の測定は、島津レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2100、株式会社島津製作所製)を用いて、メジアン径を測定する。
(殺菌)
本発明品は、必要に応じて、製造時に殺菌するのが望ましい。殺菌はいずれの方法によっても可能であり、高温殺菌、レトルト殺菌、電磁波殺菌、高温真空殺菌、オゾン殺菌、電界水殺菌、間接加熱殺菌など様々であるが、UHTのような高温殺菌や、掻き取り式熱交換機のような間接加熱殺菌が汎用性が高い。
殺菌は、150℃以下かつ45秒以下の条件で行うことが好ましい。殺菌温度が高すぎたり、殺菌時間が長すぎると、水溶性成分がさらに抽出され、本発明の効果が低下する場合がある。
(乾燥)
本発明品は必要に応じて乾燥するのが望ましい。乾燥方法として、公知の方法を用いることができ、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、棚段式乾燥法、ドラム乾燥法、ベルト乾燥法、流動層乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法などが例示される。乾燥後の水分は、保存性の観点から10%以下が望ましい。
(バッター液の粘度付与剤)
本発明でいう、バッター液の粘度付与剤とは、バッター液に粘度を付与し、その後のバッター液の粘度を安定化させるものをいう。
バッター液に粘度を付与するとは、小麦粉と水から調製したバッター液の調製直後の粘度に対して、2.00倍以上に粘度を付与することをいう。すなわち、この粘度付与の度合いを粘度付与倍数として表し、
粘度付与倍数(倍)=本発明品を添加したバッター液の調製直後の粘度/小麦粉と水から調製したバッター液の調製直後の粘度
の式により算出される。
ここで、小麦粉と水から調製したバッター液とは、薄力粉(日本製粉製、銘柄:クラブ)200部、水340部の割合で混合したものをいう。
また、バッター液の粘度を安定化させるとは、バッター液の調製から1〜3時間経過時の粘度の、調製直後の粘度に対する変化割合を±15%以内にすることをいう。すなわち、
調製直後の粘度に対する変化割合(%)={(調製後各時間の粘度)−(調製直後の粘度)}/(調製直後の粘度)×100 の式により算出される。
(バッター液の粘度測定方法)
バッター液の粘度はBM型粘度計(TV-20型、東京計器株式会社製)を用いて、No.3ローター、30rpm、60秒の条件で、10℃で測定する。
また、本発明品を添加したバッターを使用したフライ製品は、その吸油量を低下させ、フライ製品摂食時の摂取カロリーを抑えることが出来る。ここで、吸油量を低下させるとは、無添加のバッター液と同加水倍率のバッター液で比較した場合に、無添加のバッター液を使用した場合の吸油率に対して、0.1%以上低下させるものをいう。
(吸油率の測定方法)
バッター液を175℃の油で90秒フライし、揚げ玉を作成する。バッター液と揚げ玉の水分量を測定し、水分量の差を吸油率として計算する。水分量は105℃、4時間加熱後の重量を測定することにより算出する。
(バッター液)
バッター液とは、流動的な状態の小麦粉生地を指し、種々の原料粉に対して水だけを混合して得られるような単純な形態のものから、原料粉に対して水、牛乳、卵などの液状原料を混合したものまで含まれる。具体的にはホットケーキ、スポンジケーキ、クレープ、ドーナツ、お好み焼きなどの生地や、フライ食品用の衣材がバッター液の状態にあるものとして列挙できる。また、フライ食品用衣材とは、天ぷらなどの衣だけに限らず、いわゆるフリッターの衣といった起泡性のある生地や、小麦粉及び小麦グルテンなど小麦粉由来原料を含み膨張剤や糖類などとあわせたアメリカンドックの衣状生地も含む。また、いわゆる衣付けのためフライ種と衣のつなぎに用いられるバッター液も含まれる。
この中でも、本発明は、バッター液に粘度を付与することで、具材から衣が剥がれ落ちる問題を解決でき、また、バッター液調製後のバッター液の粘度を安定化することができるために、具材への衣のつき具合を一定にすることができるという点で、フライ食品用としての用途に最も適するものである。
本発明品のバッター液への添加方法については特に制限はなく、バッター液調製時に単独で使用することも出来るし、原料粉やその他の副剤に予め混合することも可能であり、液状原料に分散させて使用することも可能である。また、調製後のバッター液に後から添加することも出来る。好ましくは、予め原料粉に混合しておくか、液状原料に分散させておく方が、均一性が高まり、より効果的である。またバッターミックス粉と粉体混合を行なうこともできる。
本発明品のバッター液への配合量は、バッター液中の原料粉の種類にもよるが、原料粉重量に対して、乾燥重量として、0.1重量%〜10重量%が好ましく、0.5重量%〜5重量%が更に好ましい。粘度付与剤としての配合量が、原料粉に対して少なすぎる場合は、十分な効果が発揮できない場合があり、また多すぎる場合は、バッター液は高粘度となり、粘度の影響があるため、効果は限られてしまう。
本発明品を配合したバッター液は、適度に粘度を増加させることができるため、バッター液が具材から剥がれにくくすることが可能となる。また、バッター液の調製後の経時的な粘度の変化を抑えることができる。例えば、連続したフライ生産において、具材に付くバッター液量が常に一定になるために、具材への衣の付き具合やフライ後のさくさく感が一定な製品を、一度のバッター液調製で長い時間に亘って製造できる。また、ホットケーキなどのバッター液の焼成品も、バッター液粘度が一定なために、作り置きしたバッター液を用いて連続的に調製できる。
本発明においては、本発明の効果に影響を与えない範囲で、各種の粘度付与剤を併用することができる。ここに粘度付与剤としては、例えば寒天、カラギーナン、ファ−セレラン、グアガム、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、タラガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、ジェランガムなどの多糖類の他、ゼラチン、アルブミン、カゼインナトリウム等の水溶性蛋白質を例示できる。
以下に実施例を記載する。なお、例中の部および%は何れも重量基準を意味する。
(製造例1)
脱脂大豆フレーク 1部を水7部に分散させ、ホモミキサー(特殊機化工業製)で攪拌しながら50℃で30分間蛋白成分を抽出した後、遠心分離機を用いて遠心分離(5000G)し、おから(水分82%)を得た。このおから 1部に対して、2部の水を加え(スラリーの固形分濃度=6%)、塩酸でpHを4.5に調整した後、加圧釜を用いて、128℃、1時間加熱し、遠心分離(5000G)により固液分離した。沈殿側を凍結乾燥法により乾燥させ、本発明品Aを得た。粒子径は600ミクロンであった。本発明品の全固形分中の水溶性成分の固形分の割合は、19.6%だった。
(製造例2)
脱脂大豆フレーク 1部を水7部に分散させ、ホモミキサー(特殊機化工業製)で攪拌しながら、50℃で30分間蛋白成分を抽出した後、遠心分離機を用いて遠心分離(5000G)し、おから(水分82%)を得た。このおから 1部に対して、2部の水を加え(スラリーの固形分濃度=6%)、塩酸でpHを5.4に調整した後、加圧釜を用いて、128℃、1時間加熱し、遠心分離(5000G)により固液分離した。沈殿側を凍結乾燥法により乾燥させ、本発明品Bを得た。粒子径は570ミクロンであった。本発明品の全固形分中の水溶性成分の固形分の割合は、18.3%だった。
(製造例3)
脱脂大豆フレーク 1部を水7部に分散させ、ホモミキサー(特殊機化工業製)で攪拌しながら、50℃で30分間蛋白成分を抽出した後、遠心分離機を用いて遠心分離(5000G)し、おから(水分82%)を得た。このおから 1部に対して、2部の水を加え(スラリーの固形分濃度=6%)、さらに、スラリーの固形分に対して1%の塩化カルシウム2水和物を添加し、塩酸でpHを4.5に調整した後、加圧釜を用いて、128℃、1時間加熱し、遠心分離(5000G)により固液分離した。沈殿側を凍結乾燥法により乾燥させ、本発明品Cを得た。粒子径は500ミクロンであった。本発明品の全固形分中の水溶性成分の固形分の割合は、17.0%だった。
(比較製造例1)
脱脂大豆フレーク 1部を水7部に分散させ、ホモミキサー(特殊機化工業製)で攪拌しながら、50℃ で30分間蛋白成分を抽出した後、遠心分離機を用いて遠心分離(5000G)し、おから(水分82%)を得た。このおからを凍結乾燥した後、ジェットミル(AO-JETMILLセイシン企業社製)にて乾式粉砕した。粒子径は60ミクロンの粉砕おからを得た。これを比較品Dとした。
(比較製造例2)
脱脂大豆フレーク 1部を水7部に分散させ、ホモミキサー(特殊機化工業製)で攪拌しながら、50℃ で30分間蛋白成分を抽出した後、遠心分離機を用いて遠心分離(5000G)し、おから(水分82%)を得た。このおから 1部に対して、2部の水を加え(スラリーの固形分濃度=6%)、塩酸でpHを5.4に調整した後、加圧釜を用いて、80℃、1時間加熱し、遠心分離により固液分離した。沈殿側を凍結乾燥法により乾燥させて固形物を得た。粒子径は600ミクロンであった。これを比較品Eとした。
(バッター液への応用・粘度の付与及び粘度の安定化)
(実施例1〜3、比較例1〜3)
バッター液の粘度を評価するため、本発明品と比較製造例のおから、水溶性大豆多糖類(ソヤファイブ-S-DA100、不二製油株式会社製)を比較した。表1の配合の原材料をミキサーに入れ、30秒攪拌混合した。これを5℃で静置し、1時間ごとに粘度を測定した。
(表1)配合 (部)
Figure 2012073848
図1に粘度測定結果、表2に調製直後のバッター液に対する粘度付与倍数、表3に調製直後の粘度に対する、変化割合(%)を示した。3時間後までの変化を追ったところ、実施例1〜3では、無添加や比較例に比べて粘度が高くなった。実施例の調製直後のバッター液の粘度は、無添加のバッター液の粘度の2.00倍以上であり、本発明品の粘度付与効果が確認された。また、実施例のバッター液の粘度は調製直後から3時間経過時までの粘度変化は、15%以内であり、経時的な粘度も安定していた。
おからを80℃で加熱したものを用いた比較例2では、調製直後の粘度付与機能はやや弱く、また、経時変化で粘度が低下し、粘度変化が20%以上となっており、粘度安定化機能は不十分であった。比較例3のように水溶性大豆多糖類の添加では、粘度付与機能がなく、また、粘度安定化機能は十分ではなかった。
(表2)調製直後のバッター液の粘度に対する粘度付与倍数(倍)
Figure 2012073848
(表3)調製直後の粘度に対する変化割合(%)
Figure 2012073848
本発明品である、おからに加水し調製したスラリーを、100℃を超え、150℃以下で加熱処理した後、実質的に水溶性成分を除去することにより得られる非水溶性植物繊維質素材が、バッター液に対して、高い粘度を付与し、かつ安定化させる効果を持つことが示された。
(バッター液への応用・吸油率の低下)
(実施例4)
バッター液の吸油率を評価するため、本発明品と比較製造例1のおからを比較した。表4の配合の原材料をミキサーに入れ、30秒攪拌混合した。バッター液の粘度を揃えるため、実施例4、比較例4では加水倍率を増やしてバッター液を作成した。得られたバッター液を175℃の油で90秒フライし、揚げ玉を作成した。その後、バッター液と揚げ玉の吸油率を計算した。
(表4)配合 (部)
Figure 2012073848
結果を表5に示す。加水倍率を増やすと吸油率が増えるため、無添加で加水倍率を合わせたもので実施例、比較例を比べた。本発明品Bを用いた実施例4の場合、加水倍率が同じである無添加3のものと比較すると、無添加3の吸油率は70.64%に対し、実施例4では69.78%であり、その差は0.86%となり、吸油率の低下効果が確認された。一方、比較例4では、同様に無添加2と比較すると、その差は−3.79%となり、むしろ吸油率が増加した。本発明品である、非水溶性植物繊維質素材が、バッター液に添加されることにより、フライした場合における吸油率を低下させる効果も有することがわかった。
(表5)
Figure 2012073848
おからに加水し調製したスラリーを、100℃を超え、150℃以下で加熱処理した後、水溶性成分を実質的に除去することにより得られる非水溶性植物繊維質素材は、バッター液の粘度付与剤として利用することが出来る。

Claims (5)

  1. おからに加水し調製したスラリーを、100℃を超え、150℃以下で加熱処理した後、実質的に水溶性成分を除去することにより得られる非水溶性植物繊維質素材を含有することを特徴とする、バッター液の粘度付与剤。
  2. 加熱処理の時間が1分間以上360分間以下である、請求項1に記載のバッター液の粘度付与剤。
  3. スラリーに金属塩を添加することを含む、請求項1又は2に記載のバッター液の粘度付与剤。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の非水溶性植物繊維質素材を加配した、バッター液。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の非水溶性植物繊維質素材を使用することを特徴とする、バッター液の粘度付与方法及び粘度安定化方法。
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