JP4928688B2 - 加工生大豆粉の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、豆腐類、豆乳、パン、麺、アイスクリーム、ソーセージ、水産練り製品、菓子類、惣菜等、利用範囲の広い食品加工用の加工生大豆粉の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大豆粉には、生の丸大豆あるいは焙炒した大豆を粉砕した全脂大豆粉、圧扁丸大豆より油を除いた脱脂大豆から作られる大豆粉、大豆グリッツ、脱脂大豆から可溶性の糖質を除いた濃縮大豆蛋白、大豆蛋白質を高度に精製した分離大豆蛋白の他、エクストルーダーで組織した粒状大豆蛋白や紡糸化した繊維状大豆蛋白等があり、食品の改質や安定性、加工適性の向上等を目的として、さまざまな大豆加工食品用原料に利用されている。
【0003】
これらの大豆粉製品の製法には、大豆又は脱脂大豆を乾燥後、粉砕する方法、大豆中の非消化性の糖質や酵素類、大豆臭、着色物質等を抽出、洗浄等の操作により、除去または失活させた後、乾燥、粉砕処理する方法等が知られている。一般的に、食品加工用生大豆粉の製法においては、可溶性蛋白質の割合を低下させないように、蛋白質の変性を抑えながら利用上不都合な大豆成分を除くという製法が多くの場合で採用されている。
【0004】
ところが、近年、食生活の変化等から豆腐類の製造や大豆粉の精製時に大量に副生するおからやホエーが産業廃棄物として問題視され、これらを有効に利用するための検討がなされている。特に、大豆に含まれる食物繊維や各種の糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、サポニン、イソフラボン化合物、レシチン、フィチン酸などの成分の生体的機能性が注目されるに至り、資源の有効利用の観点とあいまって廃棄物を排出しない方法で製造可能な生大豆原料である丸大豆粉、脱脂大豆粉を積極的に利用しようとする試みが豆腐を中心に進められている。
【0005】
豆腐類製造に関するこれら試みの事例をみると、湿式、乾式法を問わず、原料大豆の微粉化による不溶成分の均質化に重点を置いた技術開発がその大半である。 例えば、特公昭57-14148号の水に浸漬した大豆を液体窒素で凍結後、そのまま粉砕し、濾過工程なく豆腐を製造する方法、特開昭59-5967号の表面浄化した大豆を微細化後、水に懸濁し、牛乳用ホモジナイザーで均質化した豆乳を凝固して豆腐とする方法、特公昭62-17507号の超高速ホモジナイザーと高周波電位発生装置を組み合わせ処理した豆腐類または豆乳利用食品用全粒豆乳の製造方法、特開昭63-304960号の熱風加熱した脱皮大豆を粉砕、水分散後、ホモジナイザー処理した豆乳から得られる豆腐の製法、特開平01-124361号の乾燥生大豆に脱皮、胚芽除去後、空冷ミクロジェット粉砕機で微粉砕した豆腐製造用生粉の製法、特開平07-51016号の脱皮大豆を低温下で粉砕したものに分離大豆蛋白を加えて、加水、加熱、凝固後豆腐を製造する方法、特開2000-102357の全粒大豆粉末の懸濁液を湿式ジェットミルで全大豆成分を極微粉化した豆乳の製法、特開2000-139391の高圧ホモジナイザーによる豆乳の微粒子化と酵素添加による全粒充填豆腐の製法等である。
【0006】
これらはいずれも、大豆の不溶化成分を機械的に微粉砕し、口当たりの滑らかな豆腐、豆乳を製造しようとするものであるが、大豆の微粉化のために要する数千MPaにも達する高い力学的圧力や温度上昇に伴う蛋白変性の発生、湿式法における豆乳の保存性の欠如、煩雑な輸送操作、高いランニングコスト等実用化に当たっては解決を要する課題も多い。
【0007】
零細企業の多い豆腐業界においては、大豆の微粉化のために新たな専用設備を既存製造ラインに併設することは大きな負担となり、全粒豆腐の製品価格も割高となることから大規模に実用化されていないのが実情である。
【0008】
一方、大豆粉の製造業界においては、全脂大豆粉、脱脂大豆粉に多量に含まれる不消化成分等による加工適性の悪さや経時的な蛋白質の変性、脂質の酸化、着色、大豆臭の発生による製品の不安定さのため、それらの利用は、パンや麺等一部の食品に限られたものになっている。
【0009】
更に、精製大豆蛋白の製造では、精製の過程で副生してくるおからやホエー成分の処理問題が豆腐製造と同様に顕在化している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、丸大豆をそのまま粉砕した全脂大豆粉や脱脂大豆を粉砕した大豆粉は、多量に含まれるおからに代表される水不溶性成分や粉砕により増加する色素成分、大豆臭等のため、使用する食品によっては、口当たり等の食味や外観が悪くなったり、品質低下を招くことにもなり、利用できる食品の種類と使用量が限定されたものになっている。
【0011】
また、粉砕による経時的に進行する大豆蛋白の水不溶化や油脂の酸化現象は、生大豆粉の製品としての品質確保を図る上からも大きな課題であり、利用拡大を図る上での障壁となっている。
【0012】
そこで、生大豆粉を製造するにあたり、蛋白変性、油脂の酸化、大豆臭、着色の発生を抑えつつ、分散性、均質性、保存性、安定性、特に口当たり等の食感が良好な丸大豆粉および脱脂大豆粉を開発するとともにその製造方法を確立し、これにより、従来、利用が限定されていたこれら生大豆粉の利用を豆腐類、豆乳、パン、麺、アイスクリーム、ソーセージ、水産練り製品、菓子類、惣菜の他、従来にない新たな食品等、広範囲の食品に拡大するとともに、おから等の副産物が産生しない、資源の有効利活用を図ることを本発明の課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決する手段として、丸大豆、脱脂大豆、又は丸大豆と脱脂大豆混合物の乾燥破砕物からなる生大豆粉であり、該生大豆粉に植物油又は植物油の乳化物が添加されてなり、該生大豆粉は1から100MPaの圧縮 剪断応力を加えて更に破砕することにより大豆の細胞組織構造が破壊された細胞破壊生大豆粉としてなる加工生大豆粉の製造方法を開発したのである。
【0014】
このような加工生大豆粉の製造は、次のようにする。すなわち、丸大豆、脱脂大豆、又は丸大豆と脱脂大豆混合物を乾燥した後に破砕機により乾燥破砕物とし、該乾燥破砕物に、1から100MPa、好ましくは4から40MPaの圧縮剪断応力を加えることによって大豆の細胞組織構造を破壊して粉末化又は造粒化して加工生大豆とする。この際、丸大豆、脱脂大豆、又は丸大豆と脱脂大豆混合物の乾燥破砕物に、植物油又は植物油の乳化物を加えた後に、上記と同様に1から100MPa、好ましくは4から40MPaの圧縮剪断応力を例えば、ロールリファイナーによって加えることで、効率のよい大豆の細胞組織構造が破壊された加工生大豆の製造方法が、確立できたのである。ここで、1MPa以下では大豆の細胞組織の破壊が十分でなく、100MPa以上になると、発熱を伴う方向になって蛋白変性を起こす。例えば、ロールリファイナーを用いてワンパスで処理可能なのは、10から20MPa前後であって、最も好ましい。
【0015】
以上のように、本発明は、丸大豆又は脱脂大豆の粉砕を行うにあたり、単に粒径の小さな塊に粉砕するだけで微粉化せずに、1から100MPaの範囲の比較的小さな圧縮剪断応力をロールリファイナーなどの使用によって原料大豆に加えることにより、大豆の細胞組織構造の破壊と造粒を同時に行って加工適性が広く、品質の高い新規な加工生大豆を得ようとするものである。ロールリファイナーによる破砕(以下、「ロール破砕」という)は、速度の異なる2本のロールの間に材料を通し、ロール表面に薄膜を形成させながら次のロールに移行させ、圧縮と剪断の2種の力により材料を分散、混練、破砕するもので、塗料、チョコレート製造等に広く利用されているが、このような破砕方法により、大豆粒子の扁平化と造粒に加え、大豆の子葉細胞や外皮の細胞膜、細胞内顆粒等の細胞レベルの構造を圧縮破壊でき、それによって得られる大豆の細胞組織を破壊した蛋白変性の極めて少ない食品加工用の生大豆粉原料は、これまで見当たらないのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、丸大豆又は脱脂大豆をロール破砕することにより、たとえ粒子径が大であっても、舌触りの滑らかな豆腐などの加工食品が得られることを見出した。具体的には、大豆の細胞組織の破壊の有無のためである。図1及び図2に丸大豆及び脱脂大豆をロールリファイナー及び衝撃式ピンミルで破砕したそれぞれの粉体の光学顕微鏡観察の結果を示す。封入剤としては、グリセリンと水(1:1)を使用した。また、図3には丸大豆をロールリファイナー及び衝撃式ピンミルで破砕した試料についての電子顕微鏡観察の結果を示す。ロール破砕により細胞構造の破壊と大豆粒子の扁平、造粒化が観察される。更に、このロール破砕生大豆粉を熱水に分散させた場合、口当たりの滑らかな食感を有する均質な豆乳が得られる。顕微鏡観察においても細胞塊等の大きな組織構造は、観察されず、大豆粒子の成分が熱水中で均質に分散することが見て取れる。図4にロールリファイナーと衝撃式ピンミルで破砕した生大豆粉末をそれぞれ90℃、20分間分散させたときの顕微鏡写真を示す。
【0017】
通常、舌触りの滑らかな粉体を得るには、30μm以下の粒子径に粉砕する必要があるとされているが、本発明のように、大豆の細胞組織構造を均質に破壊すれば、粉体粒子径が数100μm以上と大きくても、熱水中で大豆粒子の組織構造が容易に壊れ、舌触りの滑らかな豆乳が得られることを示すものである。
【0018】
ロール破砕による大豆の細胞構造破壊と造粒に必要な剪断応力は、1から100MPa程度で十分であり、数千MPaを必要とする他の製粉法に比べ、極めて低いエネルギーで大豆粉末を調製することができ、また、機械的圧力による蛋白変性も低く、大豆蛋白質の不溶化も少ない。
【0019】
一般的に、食品用大豆粉の場合、可溶性蛋白質の割合(NSI;原料窒素に対する水可溶性窒素の百分率)が80%以上必要とされているが、ロール破砕した生大豆粉のNSIの値は75%と低い値となったが、加熱水中では逆に溶け出る蛋白質の割合は極めて高い値を示した。これは、ロール破砕による圧縮により細胞組織が潰され、物理的束縛により水に対する蛋白の溶解性が低下したものが、熱水中では分散性が向上し、破砕粒子内に保存された蛋白質が溶出されたものと思われる。いずれにしても、ロール破砕により熱水可溶性蛋白含量の高い生大豆粉が得られることが分かった。
【0020】
また、ロール破砕した生大豆粉は、粒子径、かさ比重ともに大きく、水に分散させたときに低粘性であり、ダマになりにくく、豆乳調製等の実用に際して有利である。
【0021】
更に、ロール破砕により得られた生大豆粉は、衝撃式粉砕等による大豆粉に比較して空気との接触が少なく、大豆中に含まれる油脂の酸化も低く、更に、酸化酵素による青臭みに代表される大豆臭や着色も保存期間を通じ低く抑えられていた。市販生大豆粉1%メタノール抽出液の着色度(OD420-740)が0.071であるのに対し、ロール破砕生大豆粉では0.040であった。
【0022】
更にまた、本発明のもう一つの特徴は、大豆重量の約8%にも達する非常に硬い組織を有する大豆外皮は、通常、除去され、飼料等の食品以外に利用されるが、本発明のロール破砕で容易に破砕、粉砕することができ大豆外皮を含んだ状態の均質な大豆粉として食用に利用できることである。これにより、廃棄物の全く出ない、大豆を丸ごと利用できる技術が確立されるに至った。
【0023】
表1にロール破砕により得られた生大豆粉及びその豆乳の性状を衝撃式粉砕法により得られた生大豆粉、市販生大豆粉のデータとともに表記する。ロール破砕には、大豆の外皮を除いた脱皮大豆を使用し、衝撃式粉砕機(ピンミル)で一次粉砕した大豆破砕物を用い、対照品の市販生大豆粉は、製パン用全脂大豆粉を使用し、豆乳の濃度は、いずれも10wt%とした。ロール破砕した生大豆粉は、粒子径が360μmの大きさにも拘わらず、熱水分散したときには、口当たりの滑らかな豆乳となり、可溶性蛋白質の含量も高い値を示した。
【0024】
【表1】
【0025】
本発明で用いられるロール破砕生大豆粉の原料大豆は、白大豆、黒大豆、青大豆等、種類、品種、或いは未熟、完熟を問わず、いずれでも良く、また、丸大豆でも大豆油を除いた脱脂大豆、及びこれらの混合物のいずれでも使用可能である。
【0026】
これら大豆のロール破砕を行うにあたっては、まず、原料導入部の2本ロールに噛み込み易い大きさに一次粉砕する必要がある。一次粉砕では、ロールミル、衝撃式粉砕機等のいずれの粉砕機を使用しても良いが、0.5から1mm程度の大きさの粒子径に大豆および脱脂大豆を粗砕、篩い分けする必要があり、この粉砕を容易にする目的で予め水分を10%以下、望ましくは6%程度に乾燥又は加水して水分調整するのが良い。
【0027】
丸大豆にあっては、外皮を含んだ状態でロール破砕可能であるが、外皮を除いた子葉部のみの大豆粉を調製する場合には、製油用大豆の脱皮処理工程と同様に脱皮処理を容易にするために65℃までの温度に昇温後、冷風による急冷処理を予め行う。
【0028】
その後、破砕、篩い、風選により脱皮処理した後、一次粉砕する。一次粉砕を終えた大豆粉をそのままロールリファイナーに供給してもよいが、植物油脂又は植物油脂の乳化物を予め混合することにより、ロール表面での大豆粒子の薄層化が容易になり、スムーズな破砕を行うことができる。
【0029】
特に、脱脂大豆粉、或いは脱皮しない大豆粉にあっては、事前の植物油脂又は植物油脂乳化物の添加、混合が好ましい。不使用の場合は、ロール表面への大豆粉の固着、焼き付きを生じ易くなり、次のロールへの輸送が円滑にできなくなる場合がある。植物油脂又は植物油脂乳化物の添加量は、大豆粉重量の5から30%で良い。植物油脂としては、大豆油、綿実油等のいずれでも良く、また、これらを乳化した植物ワックス等の離形剤も使用可能である。表2に各種大豆原料のロール破砕に対する油脂、乳化液の効果を表記する。
【0030】
【表2】
【0031】
使用するロールリファイナーは、通常の5段ロールのリファイナーでも、3段ロールのリファイナーのいずれでも良く、段数の少ないものにあっても2から3回繰り返し通すことにより、細胞組織を破壊した均質な生大豆粉末を得ることができる。3段ロールの場合のロール回転数比は、例えば、1:2.6:6.8のように後段になるほど回転数を高くするのが好ましく、加えて、圧力の設定、温度制御により破砕を制御することになる。圧力は、1から100MPaの圧力範囲で十分に大豆組織を破砕することができる。更に、ロール内に冷水または冷媒を通し、ロール表面を冷却することにより、発熱による蛋白変性を抑えた破砕も可能となる。処理量は、ロール長により決まるが、本装置での消費電力は、他の粉砕装置より極めて少なく、処理時間も短いことからも、低コスト製造が可能となる。
【0032】
ロール破砕を行った生大豆粉は、酸素透過性の低い容器に密封し、製品となるが、製品の品質は室温でも数ヶ月は安定であり、低温保存により更に長期に維持される。
【0033】
本発明により得られた生大豆粉末は、蛋白変性、油脂の酸化、大豆臭、着色が少なく、加水状態での使用において良好な分散性、均質性、滑らかな食感のものが得られ、豆腐類、豆乳、パン、麺、アイスクリーム、ソーセージ、水産練り製品、菓子類、惣菜等、使用可能な食品の範囲も広く、加工適性も高い。また、大豆蛋白等の精製大豆加工品原料としての利用性も高い。
【0034】
更に、本発明により製造した大豆粉を使用することにより、従来は廃棄していたおからや大豆外皮等の大豆成分を含んだ新しいタイプの食品を開発することができる。全粒豆腐、あげ、麻婆豆腐、豆腐ソーセージ、豆腐ハンバーグ、豆腐ドーナツ、豆腐アイス等の豆腐類、アミノ酸補給と焼き上げ生地の白さを発現する生大豆粉入り食パン、コシと表面のツヤを醸し出す生大豆粉入りうどん、生大豆粉入りさつま揚げ、口当たりの滑らかな豆乳アイスクリーム、豆乳ヨーグルト、生大豆粉入りせんべい、呉汁の素等、大豆の持つ機能性成分を全て含んだ新しい食品を作り出すことができる。
【0035】
以下に本発明の加工生大豆原料及び食品の製造法を実施例により詳しく説明する。
実施例1
丸大豆6kg(水分12.5%)を冷風乾燥機(15℃、RH60%)にて48時間乾燥し、水分を約6%に調整した後、ハンマーミル方式のクラッシャーにより4つ割程度の大きさに粗砕きした。次に、剥がれた大豆外皮を風選により除去し、粗砕大豆をスクリーン付きピンミルにて粉砕(一次粉砕)し、1mmパスの脱皮大豆粉4.6kgを得た。これを3段ロールリファイナー((株)井上製作所製、ロール寸法φ121×280mmL、ロール回転数120rpm:312rpm:316rpm)に2回、通すことにより、生大豆粉製品4.6kgを得た。ロールリファイナーの1回通過にかかる剪断応力は4MPaであった。本品は、密封、冷蔵保存することにより、長期間品質が保たれ、加水状態の使用において良好な分散性、均質性、高い大豆蛋白の溶出と滑らかな食感が得られた。
【0036】
実施例2
加熱、急冷による脱皮処理した脱皮丸大豆、脱皮処理しない皮付丸大豆、脱脂大豆フレーク(不二製油(株)製造「宝豆」)、脱皮丸大豆と脱脂大豆フレークの等重量混合物をそれぞれスクリーン付きピンミルによりにて粉砕し、1mmパスの各種大豆粉を調製した。これら一次粉砕した大豆粉に大豆油を加え、ミキサーにて均質に混合したものを実施例1と同様に、3段ロールリファイナーでそれぞれを破砕することにより生大豆粉を得た。それぞれの原料大豆粉への大豆油の添加量及び出来高を以下に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
実施例3
実施例1及び実施例2のロールリファイナーにより調製した各種生大豆粉を原料とした豆腐を製造した。豆腐は、原料大豆粉の成分を全て含む充填豆腐とした。ロール破砕した各種生大豆粉に3倍量の水を加え、ミキサーにて均質化した懸濁液を、予め沸かした熱湯中に流し入れ、20分間で90℃まで液温を上昇させ、熱水可溶性蛋白質を溶出させた。この時の大豆粉の分散液濃度は、6wt/vol%とし、大豆油を加えたものについては、油量を差し引いて濃度調整した。その後、液の温度を40℃まで下げ、少量の水に溶いた市販の充填豆腐用の凝固剤カルグルコンF(グルコノデルタラクトン70%、硫酸マグネシウム15%、グルコン酸カルシウム1%、その他14%)を大豆粉分散液に対し0.3wt%加え、よく攪拌混合した後、透明プラスチック袋に密封した。これを、85℃の温湯に30分間漬けて、凝固させた後、流水で冷却し、製品とした。表4に、各大豆粉を使用したときの充填豆腐の性状を示した。ロール破砕した大豆粉を使用したものは、力学的強度は、市販品に比べやや落ちるものの、滑らかな食感であり、おから分や大豆外皮に由来する独特のえぐ味や渋みは食味を大きく損なうほど強くなかった。いずれの充填豆腐も出来高は、約3200gであった。
【0039】
また、外皮やおから分を含んだロール破砕大豆粉を利用したあげ豆腐では、えぐ味や苦味は全く感じられず、通常のあげにはない特徴的な食感を持つものになった。図5には、脱皮丸大豆を原料とするロール破砕生大豆粉より調製した充填豆腐の顕微鏡写真を衝撃粉砕の生大豆粉由来のものと比較図示した。衝撃粉砕大豆粉ものでは、ざらつきの原因である残存細胞構造が観察されるが、ロール破砕生大豆粉を原料とするものでは、そのような構造は見られず均質組織であることが分かる。
【0040】
【表4】
【0041】
実施例4
家庭用自動パン焼き機(象印ホームベーカリー「パンクラブBGBC15型」)を使用した食パンの焼成に対する生大豆粉の添加効果を試験した。小麦粉はパン用強力粉を用い、生大豆粉としては、実施例1と同様の方法で調製したロール破砕脱皮生大豆粉、及び市販品(日清コスモフーズ(株)製ソーヤフラワー)を使用した。配合処方と評価結果を表5に示す。小麦粉の4%を生大豆粉で置き換えることにより、焼き上がりの色が白くあがり、膨化状態の改善が認められ、ロール破砕した大豆粉の方が市販のパン用生大豆粉より良好な結果を示した。
【0042】
【表5】
【0043】
実施例5
うどんに対する生大豆粉の添加効果を試験した。小麦粉は、うどん用中力粉を用い、生大豆粉としては、実施例1と同様の方法で調製したロール破砕脱皮生大豆粉、及び市販生大豆粉(日清コスモフーズ(株)製ソーヤフラワー)を使用し、小麦粉の10wt%を生大豆粉で置き換えた。うどん麺線の製造は、半自動製麺機(さぬき麺機M-301製麺機)を使用した、茹では、それぞれの麺線の太さ、茹で揚げの状態を観察しながら茹で時間を変えた。配合処方と評価結果を表6に示す。生大豆粉添加により、生地の粘性は低下するが、茹で揚げ後は、無添加のものよりコシが強くなり、ロール破砕生大豆粉を添加した麺が最も強いコシを示した。また、大豆粉添加により麺線がやや黄色になるものの官能を損なうものでなく、風味も良好であった。
【0044】
【表6】
【0045】
実施例6
さつま揚げに対するロール破砕した生大豆粉の添加効果を試験した。市販調味付け冷凍すり身の10wt%を実施例1で調製したロール破砕した生大豆粉で置き換え、塩2.5%、砂糖3%及び氷塊10から15%、天ぷら油少量とともに練り込み、小判型に成形した後、油浴中で2度揚げ(130℃及び180℃)し、大豆粉添加さつま揚げを得た。対照区としては、無添加のものと市販大豆蛋白(日清コスモフーズ(株)製ソルピー600)を添加したものを調製した。ロール破砕生大豆粉を添加したものは、切り口がやや黄色味を帯びているものの、食味、弾力性ともに対照品と大差なく、特に、可溶性の糖質、色素成分を除去した精製大豆蛋白製品を添加したものとの差は殆どなかった。
【0046】
実施例7
大豆生大豆粉より得られる豆乳を利用した豆乳アイスクリーム、豆乳ヨーグルトを作る。実施例1で調製したロール破砕生大豆粉100gを水800ccにミキサーにて分散させ、鍋で加熱、一煮立てして豆乳を調製する。豆乳にゼラチンを加え、60から70℃に加熱し、ゼラチンを溶解させた後、砂糖、攪拌、ろ過した鶏卵を加え、攪拌しながら10から15分間加熱する。その後、冷蔵庫で冷却し、半凝固したところで生クリームを徐々に加え混合し、泡立て器で攪拌し気泡を抱き込ませ、容器に移し、冷凍庫で数回かき混ぜながら凍らせ豆乳アイスクリームを作った。豆乳ヨーグルトは、豆乳と牛乳を混ぜ合わせ、80℃、5分間加熱殺菌後、40℃まで冷却し、スターターを手早く混合したものを35℃で6から8時間醗酵させた後、冷蔵庫で冷却することにより得た。豆乳アイスクリーム、豆乳ヨーグルトともに口当たりが滑らかで良好な食味であった。それぞれの配合を表7に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
実施例8
大豆生大豆粉入りヘルシー肉団子を以下により調製した。実施例1で調製したロール破砕生大豆粉50gを水100ccに混合し、これをひき肉300g、ねぎのみじん切り大さじ2、しょうが汁小さじ1、人参のすりおろし大さじ2、醤油小さじ1、塩小さじ1/2、片栗粉大さじ2とともにすり鉢中ですり合わせる。得られた生地を直径3cm位の団子に丸め、160℃に熱した油で表面がきつね色になるまで揚げることにより大豆生大豆粉入りヘルシー肉団子を得る。大根おろしに一味とうがらしを振って盛り付け、醤油を添えて食す。わずかな大豆の風味と肉の旨みがマッチし、締まった食感が特徴的で良い。
【0049】
実施例9
大豆生大豆粉入りせんべいを以下により調製した。実施例1で調製したロール破砕した生大豆粉50gと上新粉200gを混合した粉に水200ccを少しずつ加えながら耳たぶくらいの硬さになるまで良くこねる。これを適当な大きさにちぎって蒸し器に入れ強火で20分間蒸し、すり鉢に入れ、滑らかになるまで搗き、よく捏ね、5から6gの大きさに丸める。これをガス式のイカ焼き機で1から2分間焼き、大豆生大豆粉入りせんべいを得る。やや硬いが味と風味の特徴的なおいしいせんべいとなる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の第一の効果は、従来、利用できる食品の種類と使用量に制限があった全脂大豆粉、脱脂大豆粉の品質と加工適性を低い圧縮剪断応力による破砕により向上させた新規生大豆粉を開発することにより、広範な食品分野への生大豆粉の利用を拡大ならしめるとともに、全粒豆腐や豆乳ヨーグルト等、大豆の持つ生体機能性成分を強調した、今までにない新しい食品の開発ができることにある。また、第二の効果として、おからやホエー等の豆腐製造や大豆蛋白の精製時に副生してくる成分を大幅に減ずることができ、廃棄物処理経費の低減、資源の有効利活用につながることが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸大豆の(A)はロール破砕物に、(B)は衝撃式粉砕物に残存する細胞組織構造を示す光学顕微鏡写真である。
【図2】脱脂大豆の(A)はロール破砕物に、(B)は衝撃式粉砕物に残存する細胞組織構造を示す光学顕微鏡写真である。
【図3】丸大豆の(A)はロール破砕物に、(B)は衝撃式粉砕物に残存する細胞組織構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】丸大豆の(A)はロール破砕物に、(B)は衝撃式粉砕物の熱水分散液に残存する細胞組織構造を示す光学顕微鏡写真である。
【図5】丸大豆の(A)はロール破砕物より、(B)は衝撃式粉砕物より調製された充填豆腐に残存する細胞組織構造を示す光学顕微鏡写真である。
Claims (2)
- 丸大豆、脱脂大豆、又は丸大豆と脱脂大豆混合物を乾燥した後に破砕機により乾燥破砕して生大豆粉とし、該生大豆粉に植物油又は植物油の乳化物を加えた後、1〜100MPaの圧縮剪断応力を加えて更に破砕することによって大豆の細胞組織構造を破壊して細胞破壊生大豆粉とする粉末化又は該粉末を造粒化することを特徴とする加工生大豆粉の製造方法。
- 1〜100MPaの圧縮剪断応力は、ロールリファイナーによって加えることにより大豆の細胞組織構造を破壊する請求項1記載の加工生大豆粉の製造方法。
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