JP3409596B2 - チョコレート組成物及びこれで被覆した複合食品 - Google Patents
チョコレート組成物及びこれで被覆した複合食品Info
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Description
に被覆するチョコレート及び被覆した複合食品に関す
る。本発明によると、油の滲み出しを防止し、被覆した
チョコレートの光沢を維持することができる。 【0002】 【従来の技術】一般的に、洋菓子やパンなどに被覆する
チョコレートは、洋生チョコレートと通称され、板チョ
コの様なスナップ性を持たず、ナイフで滑らかに切れパ
リパリしないようにしている。このため、SU2 及びU
3 の液体油成分を多く含む油脂を多く使用することにな
る。このような洋生チョコレートを洋菓子やパンに被覆
すると、洋菓子やパン中の水分が洋生チョコレートに移
行し、液体油成分が洋生チョコレートの表面に押し出さ
れ、油でベタベタになる。生地の表面に高水分の果実の
プリザ─ブ(例えばオレンジピ─ル)がある場合や、袋
に包装した場合は、流通または保存中特に顕著な油の滲
み出しが起きる。洋生チョコレートへの水分の移行を防
ぐために、洋生チョコレートの砂糖を溶解度(20℃の水
100gに溶けるグラム数)が80以下の糖類、例えば、乳
糖に置き換える方法が特開平4−75556号明細書に
開示されている。この方法で油の滲み出しは防止できる
が、使用する糖が制約される。すなわち、乳糖の様な溶
解度が低い糖類は、甘さも低い。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用する糖
が制約されず洋菓子やパンに被覆しても油が表面に押し
出されないように油脂組成から改良するものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、洋生チョコレ
ートの油の滲み出しを防止することに関する。 【0005】従来、洋生チョコレートは、カカオマス,
ココアパウダー, ココアバターのカカオ分、全粉乳, 脱
脂粉乳, ホエーパウダーなどの粉乳類、砂糖, 乳糖, 麦
芽糖, 果糖, パラチノース,マルチトールなどの糖類、
大豆,菜種,やしパームなどから採取され加工(硬化、
エステル交換、分別など)される植物油脂が主原料とし
て使用される。すなわち、糖類は前記の溶解度が80以
下の糖であれば油の滲み出し防止効果は一層向上し、8
0を越える糖であれば従来奏しなかった油の滲み出し防
止効果が新たに奏するのである。洋生チョコレートを洋
菓子やパンなどに被覆した後、洋生チョコレートが固化
する必要があり、室温以上の融点を持つ油脂が使われ
る。また、洋菓子やパンのような柔らかい組織に適合し
た食感を得るためとナイフで滑らかに切れるように液体
油及び液体油成分を含む油脂も同時に使われる。 【0006】水分が、15%以上、通常20〜30%と
高い洋菓子やパン などにチョコレートを被覆すると油
の滲み出しが生ずる。この原因として、チョコレートの
骨格は固形脂で決められており、洋菓子やパンなどの水
分がチョコレートへ移行するとき、自由度の高い液体油
を追い出すことにより起こると考えられる。このような
油の滲み出しは、生地の水分がより高い場合、生地の表
面に高水分のものがトッピングされている場合、袋に包
装されている場合に顕著になる。液体油成分を減らせば
油の滲み出しは減少するが、本来要求されている柔らか
さが無くなりパリパリした状態になる。 【0007】本発明者が、鋭意井研究の結果、油脂組成
物中にラウリン系油脂70%以上SU2、U3(Sは飽
和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸)を4%以上、20%以下
含有し、そのSFI(固体脂含有量指数)が、10℃で
60〜75%、20℃で55〜70%、30℃で15〜
35%である水分15%以上の食品被覆用チョコレート
組成物にすることにより柔らかさを保ちながら油の滲み
出しを防止することができた。これは、SU2、U3
(Sは飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸)を4%以上、2
0%以下にすることにより油の滲み出しを防止し、ラウ
リン系油脂の中鎖脂肪酸(C8〜C12)を含むトリグ
リセリドにより可塑性が付与されていると考えられる。 【0008】 【発明の実施の形態】ラウリン系油脂としてやし油、パ
ーム核油またはパーム核油の分別高融点部などの硬化油
を使用することができる。各々の硬化油の沃素価は15
以下、好ましくは10以下がよい。このような油脂の融
点は、30〜40℃であり、チョコレート組成物の固化
後の骨格を作るのに必要である。SU2 、U3 (Sは飽
和脂肪酸,Uは不飽和脂肪酸)を含む原料として、大
豆、菜種、ヒマワリ、サフラワー、パームなどから採取
精製したもの及び加工(硬化、エステル交換、分別な
ど)される植物油脂を使用することができる。このよう
なSU2、U3 は、ナイフで滑らかに切れパリパリしな
いようにチョコレート組成物を柔らかくすると共に、チ
ョコレート組成物に艶を付与する働きがある。また、洋
菓子やパンなどにチョコレートを被覆する時の室温や流
通条件によりチョコレートの固さ(即ち、油脂中の固形
脂含量)を調整する必要が生じることがある。冬期にな
り柔らかくする場合、SFIの範囲内の低い側になるよ
うに、夏期になり固くする場合、SFIの範囲内の高い
側になるように油脂配合を調整すればよい。具体的に言
えば、ラウリン系油脂の沃素価を冬期に高く、夏期に低
くすることになる。SFIが低くなり過ぎると、油が滲
み出しやすくなる。逆にSFIが高くなりすぎると、固
くなり、パリパリして剥がれやすく、また、艶も悪くな
る。 【0009】本発明のチョコレート組成物は、通常の洋
生チョコレートと同様に40〜50℃に加熱溶解し、洋
菓子やパン等にコーティングし、室温にて放置やクーリ
ングトンネルの通過によって冷却、固化して使用するこ
とができる。その後の流通、販売時に、油の滲み出しが
起こりやすい袋入りであっても、油の滲み出しが防止で
きるようになった。 【0010】 【実施例】以下に実施例および比較例を例示して本発明
効果をより明瞭にするが、本発明はこれらの例示に制約
されるものではない。 ○洋生チョコレートの作製方法 配合 カカオマス 2(重量部) ココアパウダー 13 〃 脱脂粉乳 10 〃 砂糖 35 〃 植物油脂 40 〃 レシチン 0.4 〃 バニリン 0.03〃 ─────────────────── 【0011】左の配合の洋生チョコレートをロールリフ
ァイナーで微細化し、コンチングを行なった。植物油脂
(40重量部)の部分を下記のような組成に変え、パン
に被覆し、固化後、ナイロン袋に密閉包装し、20℃で
2日間保存後、油の滲み出し及び柔らかさを比較した。 【0012】 使用したパンの水分は、30重量%であ
った。 ─────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 ────────────────────────────────── パーム核硬化油 37 18 − 30 − (沃素価 7) パーム核硬化油 − − 35 − − (沃素価 3) パーム核分別硬化油 − 14 − − 37 (沃素価 0) 大豆油 3 − 5 10 − (沃素価130) 大豆硬化油 − 8 − − 3 (沃素価 70) ────────────────────────────────── 油の滲み出し 僅か 無 無 有り 無 ────────────────────────────────── つや ○ ○ ○ ○ × ────────────────────────────────── 包丁を入れた時の 割れ/剥がれ、食 良好 良好 良好 良好 パリパリで べたときの食感 固く不良 ────────────────────────────────── SFI 10℃ 62 70 73 56 77 20℃ 57 65 68 51 72 30℃ 17 34 32 14 48 ─────────────────────────────────── SU2 、U3 含有量 7.1% 9.4% 17.7% 23.5% 3.5% ─────────────────────────────────── 【0013】注釈 油の滲み出し僅か;パンの表面に細かい油滴が見られる
が、ナイロン袋との接触面で油のベトツキがない。 油の滲み出し有り;パンの表面及びナイロン袋が油でベ
トベトになる。 以上の如く、実施例1〜3のように油の滲み出しが防止
でき、柔らかさを保つものができた。 【0014】 【発明の効果】水分を20〜30重量%含む洋菓子やパ
ンなどを被覆し袋に入れた状態でも、油の滲み出しが起
こらない洋生チョコレートを提供することが出来るよう
になった。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】油脂中にラウリン系油脂を70%以上、ジ
不飽和モノ飽和グリセリド(SU2)及びトリ不飽和グ
リセリド(U3)(Sは飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪
酸)の合計を4%以上、20%以下含有し、そのSFI
(固体脂含有量指数)が、10℃で60〜75%、20
℃で55〜70%、30℃で15〜35%である水分1
5%以上の食品被覆用チョコレート組成物。
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JP22557896A JP3409596B2 (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-27 | チョコレート組成物及びこれで被覆した複合食品 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP21388496 | 1996-08-13 | ||
JP22557896A JP3409596B2 (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-27 | チョコレート組成物及びこれで被覆した複合食品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10108624A JPH10108624A (ja) | 1998-04-28 |
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Family Applications (1)
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JP22557896A Expired - Fee Related JP3409596B2 (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-27 | チョコレート組成物及びこれで被覆した複合食品 |
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-
1996
- 1996-08-27 JP JP22557896A patent/JP3409596B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
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竹林やえ子,洋菓子材料の調理科学,株式会社柴田書店,1994年11月1日発行,p.213−217 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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