JP2018174943A - チョコレート - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、融点が低いを使用することでソフトな食感を有し、かつ、耐熱性を有するチョコレート、およびその製造方法を提供することである。【解決手段】油脂と糖類とを含むチョコレートであって、前記油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロールの含有量が25〜80質量%である、前記油脂の融点以上の耐熱保形性を有する、チョコレート。前記油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が32〜40であるトリアシルグリセロールの含有量が15〜65質量%である、チョコレート。【選択図】なし
Description
本発明は、耐熱性チョコレート及びその製造方法に関する。
チョコレートに耐熱性を付与する方法としては、例として、チョコレートに高い融点を有する油脂を配合する方法、チョコレートの固形分を増やす(油脂分を減らす)方法、チョコレート生地に少量の水を混ぜることによって砂糖の骨格を形成する方法が挙げられる。しかし、高い融点を有する油脂を配合することにより、チョコレートの口どけは著しく悪くなる。チョコレートの固形分を増すことにより、チョコレートの口あたりが損なわれる。それらに対し、チョコレート内部での砂糖骨格の形成は、口どけや口あたりを損なわずに、チョコレートに耐熱性を付与できる。しかも、環境温度がチョコレートに含まれる油脂の融点以上になっても、チョコレートは形状を維持できる。そのため、低い融点を有する油脂を使用することにより、チョコレートにソフトな食感を付与できると同時に耐熱化も実現可能である。しかしながら、チョコレート生地への少量の水の混合は、粘度の上昇を引き起こす。よって、生産性が低下する。
上記チョコレート生地の粘度上昇を抑制するために、水の替りにグリセロールやソルビトールを混合する方法(例えば、US6488979)、油中水型乳化物を混合する方法(例えば、US6165540)等が知られている。しかしながら、これらの方法によっても依然として粘度上昇は大きく、工業的生産を困難にしている。
従って、チョコレート生地へ少量の水を添加しても粘度の上昇が抑制されるチョコレート生地の開発、および、低融点の油脂を使用しても耐熱性を有するチョコレートの開発が望まれていた。
本発明の課題は、低融点を有する油脂を使用することでソフトな食感を有し、かつ、耐熱性を有するチョコレート、およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、チョコレートに含まれる油脂に、融点を低くするために液体油を配合すると、少量の水の添加による粘度の上昇が著しくなってしまうこと、そして油脂に、総炭素数が22〜46であるトリアシルグリセロールを特定量配合すると、粘度の上昇が抑制できること、が見出された。これにより、本発明が完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を提供する。
(1)油脂と糖類とを含むチョコレートであって、
前記油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロールの含有量が25〜80質量%である、前記油脂の融点以上の耐熱保形性を有する、チョコレート。
(2)前記油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が32〜40であるトリアシルグリセロールの含有量が15〜65質量%である、(1)のチョコレート。
(3)前記油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で10〜50%、20℃で5〜40%、30℃で0〜10%である、(1)または(2)のチョコレート。
(4)水の含有量が0.8〜3質量%である、(1)〜(3)の何れか1つのチョコレート。
(5)焼成された状態にある、(1)〜(4)の何れか1つのチョコレート。
(6)ホイップされた状態にある、(1)〜(4)の何れか1つのチョコレート。
(7)製造工程中に、水の添加分散工程を有する、(1)〜(4)の何れか1つのチョコレートの製造方法。
(1)油脂と糖類とを含むチョコレートであって、
前記油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロールの含有量が25〜80質量%である、前記油脂の融点以上の耐熱保形性を有する、チョコレート。
(2)前記油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が32〜40であるトリアシルグリセロールの含有量が15〜65質量%である、(1)のチョコレート。
(3)前記油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で10〜50%、20℃で5〜40%、30℃で0〜10%である、(1)または(2)のチョコレート。
(4)水の含有量が0.8〜3質量%である、(1)〜(3)の何れか1つのチョコレート。
(5)焼成された状態にある、(1)〜(4)の何れか1つのチョコレート。
(6)ホイップされた状態にある、(1)〜(4)の何れか1つのチョコレート。
(7)製造工程中に、水の添加分散工程を有する、(1)〜(4)の何れか1つのチョコレートの製造方法。
本発明によれば、低融点を有する油脂を使用することでソフトな食感を有し、かつ、耐熱性を有するチョコレート、およびその製造方法が提供できる。
本発明においてチョコレートは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規上の規定により限定されない。本発明のチョコレートは、食用油脂および糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダーなど)、乳製品、香料、乳化剤などを加えてもよい。本発明のチョコレートは、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、冷却工程など)の一部乃至全部を経て製造される。また、本発明のチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート、カラーチョコレートも含む。
本発明のチョコレートは、28〜44質量%の油脂を含有する。ここで油脂とは、原材料として配合される油脂の他に、カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳などの原材料に含まれる油脂(ココアバター、乳脂など)をも含む。例えば、カカオマスの油脂(ココアバター)含有量は約55質量%(含油率0.55)であり、ココアパウダーの油脂(ココアバター)含有量は約11質量%(含油率0.11)であり、全脂粉乳の油脂(乳脂)含有量は約25質量%(含油率0.25)である。チョコレートに含まれる油脂の含有量は、チョコレートに含まれる各原材料の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせた値を合計した値となる。本発明のチョコレートの油脂含有量は、好ましくは30〜40質量%であり、より好ましくは31〜38質量%であり、さらに好ましくは32〜36質量%である。本発明のチョコレートの油脂含有量が上記範囲内にあると、チョコレートの糖骨格が形成されやすい。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロールを25〜80質量%含有する。ここで構成脂肪酸残基の炭素数の合計とは、トリアシルグリセロールにエステル結合している3つの脂肪酸の炭素数の合計値である。例えば、トリラウリンは36であり、1,3−ジパルミト−2−オレインは50である。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロール(以下、C22〜46TGとも表す)の含有量は、好ましくは35〜75質量%であり、より好ましくは40〜70質量%であり、さらに好ましくは43〜67質量%である。構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロールの含有量が上記範囲内にあると、チョコレートはソフトな噛み出しを有し、かつ、後で説明するチョコレート生地への水の添加による生地粘度の上昇が抑制できる。なお、本発明においてチョコレート生地とは、最終的に固化したチョコレートの前段階の状態であり、後で説明する融液状態のチョコレートと同義である。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が32〜40であるトリアシルグリセロール(以下、C32〜40TGとも表す)を、好ましくは15〜65質量%含有する。C32〜40TGの含有量は、より好ましくは20〜60質量%であり、さらに好ましくは25〜56質量%であり、なおさらに好ましくは30〜53質量%である。構成脂肪酸残基の炭素数の合計が32〜40であるトリアシルグリセロールの含有量が上記範囲内にあると、後で説明するチョコレート生地への水添加による生地粘度の上昇が、より効果的に抑制できる。
本発明のチョコレートに含まれる油脂に占める、上記構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロールの含有量を25〜80質量%とするために、ラウリン系油脂、ラウリン系エステル交換油脂、MCT、MLCT、乳脂などから選ばれる1種以上の油脂をチョコレートの原材料として使用してもよい。
上記ラウリン系油脂は、油脂の構成脂肪酸全量に占めるラウリン酸の含有量が30質量%以上の油脂である。ラウリン系油脂は、例として、ヤシ油、パーム核油、ババス油、これらを分別して得られるパーム核オレイン、パーム核ステアリンなどの分別油、これらを単独でエステル交換したエステル交換油脂、およびこれらの硬化油が挙げられる。上記分別、エステル交換、硬化は、任意の組み合せで複数回行われてもよい。ラウリン系油脂は1種あるいは2種以上を用いてもよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるラウリン系油脂の含有量は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜55質量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。ラウリン系油脂は、上記構成脂肪酸残基の炭素数の合計が32〜40であるトリアシルグリセロールの供給源としても好適に使用できる。
上記ラウリン系エステル交換油脂は、上記ラウリン系油脂と、非ラウリン系油脂とを含む混合油脂にエステル交換を適用することにより得られる油脂である。ここで、非ラウリン系油脂は、油脂の構成脂肪酸全量のうち炭素数16以上の脂肪酸が90質量%を超える油脂である。例として、菜種油、高エルシン酸菜種油、大豆油、コーン油、紅花油、綿実油、ヒマワリ油、ココアバター、シア脂、サル脂、パーム油など、並びにこれらに水素添加した油脂が挙げられる。ラウリン系エステル交換油脂において、エステル交換の原料油脂であるラウリン系油脂と非ラウリン系油脂との混合油脂の混合比は、質量比で、好ましくは20:80〜80:20であり、より好ましくは30:70〜70:30であり、さらに好ましくは40:60〜60:40である。
上記ラウリン系エステル交換油脂の構成脂肪酸全量に占めるラウリン酸の含有量は、10質量%以上(好ましくは、15〜45質量%)である。ラウリン系エステル交換油脂に関して、エステル交換処理がなされていれば、エステル交換処理の前後で、分別、水素添加などの、加工処理が単回、もしくは複数回繰り返されてもよい。ラウリン系エステル交換油脂のヨウ素価は、好ましくは0〜80であり、より好ましくは20〜60であり、さらに好ましくは30〜50である。本発明のチョコレートには、1種あるいは2種以上のラウリン系エステル交換油脂が用いられてもよい。
上記MCTは、中鎖脂肪酸トリアシルグリセロールの略称である。中鎖脂肪酸トリアシルグリセロールは、3分子の炭素数6〜10の脂肪酸である中鎖脂肪酸(M)が1分子のグリセロールにエステル結合しているトリアシルグリセロール(MMM)である。MMMの、これら3つの脂肪酸(M)は、すべて同一であってもよいし、異なる脂肪酸であってもよい。さらに、MMMは、複数の異なる化合物の混合物であってもよい。このような混合物の例として、トリオクタノイルグリセロールとトリデカノイルグリセロールとの混合物が挙げられる。Mは、好ましくは直鎖の飽和脂肪酸である。本発明で使用されるMCTが有する構成脂肪酸全量のうち、好ましくは、95質量%以上の構成脂肪酸が、オクタン酸(炭素数8)および/またはデカン酸(炭素数10)である。また、本発明で使用されるMCTに含まれる構成脂肪酸全量のうち、オクタン酸とデカン酸との質量比は、好ましくは、100:0〜0:100であり、より好ましくは80:20〜20:80である。
上記MCTは、従来公知の方法を用いて製造できる。例えば、炭素数6〜10の脂肪酸とグリセロールとを、120〜180℃に加熱し、脱水縮合させることによりMCTを製造できる。この縮合反応は、好ましくは、減圧下で行われる。上記縮合反応には、触媒を用いることができる。しかし、上記縮合反応は、好ましくは、無触媒下で行われる。
上記MLCTは、中長鎖脂肪酸トリアシルグリセロールの略称である。中長鎖脂肪酸トリアシルグリセロールは、少なくとも1分子の中鎖脂肪酸(M)と、少なくとも1分子の炭素数12以上の長鎖脂肪酸(L)とが、1分子のグリセロールにエステル結合しているトリアシルグリセロールである。Lは、好ましくは炭素数16〜22であり、より好ましくは炭素数16〜18である。Lは、好ましくは直鎖の飽和脂肪酸である。
上記MLCTは、MCTと同様に、エステル合成により調製されてもよい。MLCTは、また、MCTと上記非ラウリン系油脂との混合油脂をエステル交換することにより調製されてもよい。本発明で使用されるMLCTは、好ましくは、MCTと非ラウリン系油脂とが、質量比で10:90〜90:10(より好ましくは20:80〜80:20)の割合で混合された混合油脂のエステル交換油脂である。エステル交換する方法は、特に限定されない。例えば、エステル交換は、ナトリウムメトキシドを触媒とした化学的エステル交換や、リパーゼ製剤を触媒とした酵素的エステル交換など、通常行われる方法で行われればよい。
上記乳脂は、乳由来の油脂であり、その加工品も含まれる。より具体的には、バター、バターオイルもしくはそれらの分別油、分別油の発酵物、発酵バター、発酵バターオイルもしくはそれらの分別油等が挙げられる。本発明のチョコレートの原材料として、それらの1種もしくは2種以上が任意に用いられてもよい。また、チョコレートの原材料として使用される全脂粉乳に含まれる乳脂が、上記乳脂として適用されてもよい。
本発明のチョコレートの好ましい実施の態様によれば、上記の、ラウリン系油脂、ラウリン系エステル交換油脂、MCT、MLCT、乳脂などから選ばれる1種以上を本発明のチョコレートの原材料として使用することにより、チョコレートの油脂中に、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロールを25〜80質量%含有させることができる。これにより、後で説明するチョコレート生地への水添加による生地粘度の上昇が抑制できる。
ソフトな食感を得るために、本発明のチョコレートは、液状油を含有してもよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占める液状油の含有量は、好ましくは10〜45質量%であり、より好ましくは15〜40質量%であり、さらに好ましくは20〜40質量%である。なお、ここで液状油は、上記非ラウリン系油脂において、構成脂肪酸全量に占める不飽和脂肪酸の含有量が70質量%以上(好ましくは80質量%以上)の油脂である。
また、ソフトな食感を得るために、本発明のチョコレートに含まれる油脂の固体脂含有量(以下、SFCとも表す)は、好ましくは、10℃で10〜50%、20℃で5〜40%、30℃で0〜10%であり、より好ましくは、10℃で15〜45%、20℃で10〜35%、30℃で0〜5%であり、さらに好ましくは、10℃で20〜40%、20℃で13〜27%、30℃で0〜5%である。
本発明において、油脂の構成脂肪酸は、例えば、AOCS Ce1f−96に準じて測定できる。また、油脂のトリアシルグリセロールは、例えば、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)に準じて測定できる。また、油脂のSFC(%)は、IUPAC法2.150 Solid Content determination in Fats by NMRに準じて、測定できる。
チョコレートの連続相は油脂なので、チョコレートの油脂含有量は、チョコレート生地の粘度に大きな影響を与える。チョコレート中の油脂含有量が多いほど粘度は低く、水の添加によって生じる粘度上昇の影響を軽減できる。しかし、チョコレート中の油脂含有量が多いほど、糖の比率が低下して糖骨格構造がもろくなり、製造されたチョコレートの耐熱性が低下する可能性がある。他方、油脂含有量を30質量%以下にすると、チョコレート生地の粘度が高くなり、水の添加による粘度上昇の影響も大きくなる。従って、チョコレート製造時のハンドリング性が低下する可能性がある。このようなハンドリング性の低下は、チョコレートに減粘作用のある乳化剤(レシチン、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(PGPR)など)を配合することにより、ある程度抑制できる。減粘作用のある乳化剤の配合量は、チョコレートに占める割合が0.2〜1質量%になるように調整してもよい。減粘作用のある乳化剤は、好ましくはレシチンとPGPRである。レシチンとPGPRは、好ましくは質量比4:6〜8:2で併用される。
本発明のチョコレートは、糖骨格を形成しているので、環境温度がチョコレートに含まれる油脂の融点を超えても、静置した状態で型崩れしない(保形性を有する)。本発明のチョコレートは、環境温度がチョコレートに含まれる油脂の融点の、好ましくは+4℃、より好ましくは+7℃、さらに好ましくは+10℃、の範囲内で少なくとも保形性を有する。例えば、チョコレートに含まれる油脂の融点が26℃であるとすると、チョコレートは、好ましくは30℃(+4℃)、より好ましくは33℃(+7℃)、さらに好ましくは36℃(+10℃)の環境温度まで、少なくとも保形性を有する。
本発明のチョコレートに含まれる糖類は、チョコレート中の糖骨格形成に寄与する。糖類は、例として、砂糖(ショ糖)、乳糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、はちみつ、還元糖ポリデキストロース、ラフィノース、ラクチュロース、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、トレハロースなどが挙げられる。また、糖類は、糖アルコールであってもよい。本発明のチョコレートに含まれる糖類の含有量は、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは30〜65質量%、さらに好ましくは35〜60質量%である。
本発明のチョコレートは、好ましくは、糖類の1つとしてショ糖を30〜58質量%含有する。本発明のチョコレートに含まれるショ糖は、糖骨格を形成する重要な成分の1つである。ショ糖は、ショ糖の結晶であるグラニュー糖を粉にした粉糖を使用するのが適当である。本発明のチョコレートに含まれるショ糖の含有量は、好ましくは32〜54質量%、より好ましくは34〜50質量%である。本発明のチョコレートに含まれるショ糖の含有量が上記範囲内にあると、チョコレート中に糖骨格が形成され易い。
本発明のチョコレートは、好ましくは、糖類の1つとして乳糖を1〜20質量%含有する。乳糖を含有することで、チョコレートの糖骨格の強度を高めることができる。乳糖は、好ましくは結晶質であり、好ましくは結晶として配合される。市販の乳糖のほとんどは、結晶質である。乳糖の結晶は、α−乳糖であってもβ−乳糖であってもよい。α−乳糖は、無水物でも一水和物であってもよい。本発明のチョコレートに含まれる乳糖の含有量は、より好ましくは2〜18質量%であり、さらに好ましくは3〜16質量%である。なお、乳糖が結晶質であるかどうかは、粉末X線回折により確認できる。
本発明のチョコレートは、油脂と糖類以外に、一般にチョコレートに使用される原材料を配合してもよい。例えば、カカオマス、ココアパウダー、乳製品(乳固形類等)、乳化剤、香料、色素等のほか、澱粉類、ガム類、熱凝固性タンパク、いちご粉末や抹茶粉末のような各種粉末類などの、各種食材や各種食品添加物が挙げられる。
本発明のチョコレートは、好ましくは粉乳を含有する。本発明に使用される粉乳は、乳由来の粉末であれば特に制限はない。例として、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、クリームパウダー、バターミルクパウダーが挙げられる。粉乳は1種または2種以上を選択して使用できる。特に、好ましくは全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダーが含まれ、より好ましくは全脂粉乳、脱脂粉乳が含まれる。本発明のチョコレートに使用される粉乳は、また、好ましくは上記例示した粉乳のように、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥により製造される。本発明のチョコレートの粉乳含有量は、好ましくは4〜32質量%であり、より好ましくは8〜28質量%であり、さらに好ましくは12〜24質量%である。本発明のチョコレートに含まれる粉乳の含有量が上記範囲内にあると、チョコレートは、良好な風味と保形性を有する。
本発明のチョコレートは、少量の水を含むことにより、糖骨格を形成しやすくなる。しかしながら、後でも説明するように、融液状態のチョコレートに水を少量添加すると、チョコレート生地の粘度が著しく上昇する。本発明のチョコレートの水の含有量は、好ましくは0.8〜3質量%であり、より好ましくは0.9〜2.5質量%であり、さらに好ましくは1.0〜2.0質量%である。
本発明のチョコレートは、常法に従い、油脂、糖類および粉乳などの原材料の混合、ロールリファイニングなどによる微粒化、必要に応じてコンチング処理等を行うことにより製造できる。コンチング処理を行う場合、コンチング処理における加熱は、チョコレートの風味を損なわないように、好ましくは40〜60℃で行う。なお、本発明の製造方法において、工程と処理とは、同じ意味として使用している。
本発明のチョコレートの製造方法において、チョコレートの水分(水含有量)を調整するために、原材料として水を有する含水素材や吸湿性の高い素材などを使用してもよい。また、融液状態にあるチョコレートの製造は、水を添加および分散させる工程(以下の[水を添加する工程])を有してもよい。
本発明のチョコレートの製造は、糖骨格を形成させるために、好ましくは、予め少量の水を添加および分散させる工程を有する。以下、糖骨格を形成させる方法の一例を説明する。糖骨格を有するチョコレートの製造は、好ましくは、融液状態にあるチョコレート(チョコレート生地)に、水を添加および分散させる工程(水添加工程)を有する。なお、融液状態とは、チョコレート中の油脂が融解された状態をいう。
水を添加する工程での融液状態にあるチョコレートの温度は、好ましくは30〜60℃、より好ましくは35〜50℃、さらに好ましくは35〜45℃である。水を添加する工程での融液状態にあるチョコレートの温度が上記範囲内にあると、チョコレートの風味を損なわずに、水を添加および分散できる。添加される水の量は、チョコレートの水の含有量が0.8〜3質量%となるように適宜設定されればよい。目安としては、融液状態のチョコレート100質量部に対して、好ましくは0.5〜2質量部であり、より好ましくは0.5〜1.5質量部である。なお、チョコレートの水含有量は、常法に従って、常圧乾燥減量法や、カールフィッシャー水分計を用いて測定できる。
水を添加する工程で添加される水は、水のみであってもよいが、水と共に水以外の成分を含む組成物(以下、このような組成物を「含水材」という)であってもよい。水を添加する工程で添加される水は、添加量が同じであっても、水と共に添加される成分によって、融液状態のチョコレートの粘度上昇の速度が変化し得る。具体的には、水のみ、又は、水の含有量の高い含水材(果汁、牛乳など)を添加すると、チョコレートの粘度は急激に上昇する。他方、糖液やタンパク液などの含水材を添加すると、チョコレートの粘度は比較的緩やかに上昇する。急激に粘度が上昇すると、融液状態のチョコレート中に水が十分に分散できないため、水を添加する工程で添加される水は、特に好ましくは糖液やタンパク液などの含水材である。
糖液としては、果糖、ブドウ糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖などの糖と水とを含む、還元水飴や果糖ブドウ糖液糖、ソルビトール液などの溶液が挙げられる。タンパク液としては、タンパク質と水とを含む、卵白メレンゲ、濃縮乳、生クリームなどが挙げられる。糖液やタンパク液に含まれる水の含有量は、溶液全体に対して、好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは10〜50質量%である。水を添加する工程で、水を含水材の形態で添加する場合、その添加量は融液状態のチョコレートに対する水の量が上記の範囲内となるように添加すればよい。
水を添加する工程で使用する水や含水材の温度は、水や含水材を添加する融液状態のチョコレートの温度と同程度であることが好ましい。そうすることで、融液状態のチョコレートの温度は一定に保たれ、水や含水材は均一に分散しやすい。水を融液状態のチョコレートに添加した後は、撹拌などにより水をチョコレート中に均一に分散させてもよい。
水を添加する工程を経た融液状態のチョコレートは、冷却固化されてもよい。この工程により、融液状態から固形のチョコレートを効率的に製造できる。
本発明のチョコレートの冷却固化方法は、特に限定されない。モールド成形チョコレートや食品への被覆チョコレートといったチョコレート製品に応じて、適宜選択すればよい。融液状態のチョコレートは、例えば、冷却トンネル(クーリングトンネル)での冷風吹付、冷却プレートとの接触、により冷却固化できる。
冷却固化の条件は、融液状態のチョコレートが固化する限り特に限定されない。例えば、冷却温度は、好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜10℃である。冷却時間は、好ましくは5〜90分間、より好ましくは10〜60分間である。
チョコレートがテンパータイプのチョコレートである場合、上記水を添加する工程の前後のどちらかで、テンパリング処理もしくはシーディング処理を行ってもよい。
上記テンパリング処理とは、融液状態にあるチョコレートに安定結晶の結晶核を生じさせる操作である。具体的には、例えば、40〜50℃で融解しているチョコレートの品温を27〜28℃程度まで下げた後に、再度29〜31℃程度まで加温する操作として知られる。テンパリング処理は、好ましくは水を添加する工程の前に行われる。
上記シーディング処理とは、テンパリング処理の代わりに、安定結晶の結晶核として機能するシーディング剤を使用して、融液状態にあるチョコレート中に安定結晶の結晶核を生じさせる処理である。シーディング処理は、テンパリング処理と同様に、チョコレート中の油脂をV型の安定結晶として固化させるために行われる。
シーディング処理を行う場合は、シーディング処理と水を添加する工程の順序はいずれが先であってもよい。また、シーディング剤の添加および水を添加する工程を同時に行ってもよい。つまり、シーディング剤および水を融液状態のチョコレートに同時に添加してもよい。
冷却固化後のチョコレートには、さらに「保温処理」する「エージング工程」を適用してもよい。保温処理は、冷却固化後のチョコレートを、好ましくは16〜28℃、より好ましくは18〜24℃において、好ましくは6時間以上、より好ましくは12〜480時間、さらに好ましくは24〜360時間、保温する処理である。保温処理を実施することにより、チョコレート中の糖骨格をより強固にできる。
本発明の好ましい実施の形態に係るチョコレートは、低い融点とソフトな食感を有し、かつ良好な耐熱性を有するので、全てのチョコレートの用途に使用できる。例えば、型抜きまたはカッティングされたチョコレート塊として、そのまま食することができる。その他、ベーカリー食品、例えば、パン、ケーキ、洋菓子、焼き菓子、ドーナツ、およびシュー菓子に使用できる。すなわち、本発明のチョコレートは、複合ベーカリー食品の、コーティング材料、フィリング材料、または、生地へ混ぜ込むチョコチップなどとして、型抜き、カット、ホイップなどして使用できる。
また、本発明の好ましい実施の形態に係るチョコレートは、糖骨格を有するので焼成しても焼き崩れしにくく、簡単に焼成チョコレートが製造できる。例えばオーブンで焼成する場合、本発明のチョコレートは、好ましくは110〜240℃、より好ましくは120〜200℃で、好ましくは1〜11分間、より好ましくは2〜5分間、焼成される。
次に実施例により本発明を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により限定されない。
〔分析方法〕
(1)トリアシルグリセロール
油脂のトリアシルグリセロール(構成脂肪酸の総炭素数)分析は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993))に準拠した方法で測定した。
(2)チョコレート生地の粘度
チョコレート生地の粘度(単位:cps)は、BH型粘度計(東機産業社製)を使用して測定した。つまり、No.6のローターを回転数4rpmに設定した。次いで、測定温度に調温したチョコレートの中で、ローターを3回転させて数値を読み取った。読み取った数値に装置係数(2500)を乗じて粘度を求めた。
(3)チョコレートの水分
チョコレートの水分(水含有量)は、常法に従い、常圧乾燥減量法により測定した。
(4)チョコレートに含まれる油脂の融点
油脂の融点は、日本油化学協会基準油脂分析試験法 2.2.4.2-2013に準じて測定した。
(5)チョコレート中の油脂の固体脂含有量
油脂のSFCは、IUPAC法2.150 Solid Content determination in Fats by NMRに準じて測定した。すなわち、油脂サンプルの調温は、次のように行った。油脂を、60℃で完全融解した後、10℃で60分間保持した。さらに、20℃で72時間保持した。その後、各測定温度で30分間保持した後に、固体脂含有量を測定した。
(1)トリアシルグリセロール
油脂のトリアシルグリセロール(構成脂肪酸の総炭素数)分析は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993))に準拠した方法で測定した。
(2)チョコレート生地の粘度
チョコレート生地の粘度(単位:cps)は、BH型粘度計(東機産業社製)を使用して測定した。つまり、No.6のローターを回転数4rpmに設定した。次いで、測定温度に調温したチョコレートの中で、ローターを3回転させて数値を読み取った。読み取った数値に装置係数(2500)を乗じて粘度を求めた。
(3)チョコレートの水分
チョコレートの水分(水含有量)は、常法に従い、常圧乾燥減量法により測定した。
(4)チョコレートに含まれる油脂の融点
油脂の融点は、日本油化学協会基準油脂分析試験法 2.2.4.2-2013に準じて測定した。
(5)チョコレート中の油脂の固体脂含有量
油脂のSFCは、IUPAC法2.150 Solid Content determination in Fats by NMRに準じて測定した。すなわち、油脂サンプルの調温は、次のように行った。油脂を、60℃で完全融解した後、10℃で60分間保持した。さらに、20℃で72時間保持した。その後、各測定温度で30分間保持した後に、固体脂含有量を測定した。
〔油脂の準備〕
チョコレートに使用する油脂として以下を準備した。
HOSO:高オレイン酸ヒマワリ油(オレイン酸含有量83質量%、日清オイリオグループ株式会社社内製)
FHPKS:極度硬化パーム核油ステアリン(ラウリン酸含有量56質量%、日清オイリオグループ株式会社社内製)
CNO:ヤシ油(ラウリン酸含有量47質量%、商品名:精製やし油、日清オイリオグループ株式会社製
MLCT:50質量部のMCT(構成脂肪酸がカプリル酸とカプリン酸であり、その質量比が30:70、日清オイリオグループ株式会社社内製)と50質量部の極度硬化菜種油(日清オイリオグループ社内製)とを混合し、ナトリウムメチラートを触媒としてランダムエステル交換することにより、MLCTを得た。
チョコレートに使用する油脂として以下を準備した。
HOSO:高オレイン酸ヒマワリ油(オレイン酸含有量83質量%、日清オイリオグループ株式会社社内製)
FHPKS:極度硬化パーム核油ステアリン(ラウリン酸含有量56質量%、日清オイリオグループ株式会社社内製)
CNO:ヤシ油(ラウリン酸含有量47質量%、商品名:精製やし油、日清オイリオグループ株式会社製
MLCT:50質量部のMCT(構成脂肪酸がカプリル酸とカプリン酸であり、その質量比が30:70、日清オイリオグループ株式会社社内製)と50質量部の極度硬化菜種油(日清オイリオグループ社内製)とを混合し、ナトリウムメチラートを触媒としてランダムエステル交換することにより、MLCTを得た。
〔チョコレート生地の調製〕
比較例1〜4および実施例1〜4のチョコレートの配合は、表1および表2に従った。常法により、混合、微粒化、精練することにより、融液状態のチョコレートを得た。そして、44℃の状態でチョコレート生地の粘度を測定した。表中で水の添加「有り」のチョコレートに、果糖−ブドウ糖の液糖(水分25質量%)を、44℃で融液状態のチョコレート100質量部に対して、4質量部添加および分散させた。その後、10分間十分に攪拌して、チョコレート生地の粘度を測定した。その後、融液状態のチョコレートを10℃で冷却固化し、20℃で14日間、静置した。これにより、比較例1〜4および実施例1〜4のチョコレートが得られた。各チョコレートの水分を常圧乾燥法により測定した。また、ヘキサンを用いて、各チョコレートから油脂を抽出し、該油脂のSFCと融点を測定した。チョコレート生地の粘度、水分、および、チョコレートに含まれる油脂のSFC、融点、の測定結果を、表1および表2に示した。
比較例1〜4および実施例1〜4のチョコレートの配合は、表1および表2に従った。常法により、混合、微粒化、精練することにより、融液状態のチョコレートを得た。そして、44℃の状態でチョコレート生地の粘度を測定した。表中で水の添加「有り」のチョコレートに、果糖−ブドウ糖の液糖(水分25質量%)を、44℃で融液状態のチョコレート100質量部に対して、4質量部添加および分散させた。その後、10分間十分に攪拌して、チョコレート生地の粘度を測定した。その後、融液状態のチョコレートを10℃で冷却固化し、20℃で14日間、静置した。これにより、比較例1〜4および実施例1〜4のチョコレートが得られた。各チョコレートの水分を常圧乾燥法により測定した。また、ヘキサンを用いて、各チョコレートから油脂を抽出し、該油脂のSFCと融点を測定した。チョコレート生地の粘度、水分、および、チョコレートに含まれる油脂のSFC、融点、の測定結果を、表1および表2に示した。
〔チョコレートの評価1〕
上記で調製した比較例1〜4および実施例1〜4の各チョコレートの噛み出しと口どけを、以下の基準に従って、5名の専門パネラーが、総合的に評価した。また、比較例1〜4および実施例1〜4の各チョコレートを40℃の恒温槽に静置し、12時間後の型崩れ(保形性)を確認した。評価結果を表1および表2に示した。
上記で調製した比較例1〜4および実施例1〜4の各チョコレートの噛み出しと口どけを、以下の基準に従って、5名の専門パネラーが、総合的に評価した。また、比較例1〜4および実施例1〜4の各チョコレートを40℃の恒温槽に静置し、12時間後の型崩れ(保形性)を確認した。評価結果を表1および表2に示した。
(噛み出し)
◎:噛み出しが非常にソフトである
○:噛み出しがソフトである
△:ふつう
▲:噛み出しがやや硬い
×:噛み出しが硬い
◎:噛み出しが非常にソフトである
○:噛み出しがソフトである
△:ふつう
▲:噛み出しがやや硬い
×:噛み出しが硬い
(口どけ)
◎:口どけがシャープで良好である
○:口どけが良好である
△:ふつう
▲:口どけがやや悪い
×:口どけが悪い
◎:口どけがシャープで良好である
○:口どけが良好である
△:ふつう
▲:口どけがやや悪い
×:口どけが悪い
(保形性)
◎:元の形を保持している
○:元に形をほぼ保持している
▲:元の形がやや崩れている
×:元の形が残らないほど崩れている
◎:元の形を保持している
○:元に形をほぼ保持している
▲:元の形がやや崩れている
×:元の形が残らないほど崩れている
〔チョコレートの評価2〕
上記で調製された比較例3および実施例3のチョコレートは、200℃のオーブンで2分間焼成された。比較例3のチョコレートは、角が溶け、焼きダレが激しかったが、実施例3のチョコレートは、良好に形状を維持していた。
上記で調製された比較例3および実施例3のチョコレートは、200℃のオーブンで2分間焼成された。比較例3のチョコレートは、角が溶け、焼きダレが激しかったが、実施例3のチョコレートは、良好に形状を維持していた。
〔チョコレートの評価3〕
上記で調製された比較例3および実施例3のチョコレートは、ホバートミキサー(低速:ビーター)を用いて60秒間練られた後、絞り袋に入れられ、パイ生地の上に絞り出された。その後、さらにパイ生地で包餡された。得られた複合パイ生地は縦半分にカットされ、包餡されたチョコレートが見える状態で、200℃で15分間焼成された。その結果、比較例3のチョコレートは焼きダレを起こしたが、実施例3のチョコレートは、焼成前と同じ状態で綺麗にパイの中に納まっていた。
上記で調製された比較例3および実施例3のチョコレートは、ホバートミキサー(低速:ビーター)を用いて60秒間練られた後、絞り袋に入れられ、パイ生地の上に絞り出された。その後、さらにパイ生地で包餡された。得られた複合パイ生地は縦半分にカットされ、包餡されたチョコレートが見える状態で、200℃で15分間焼成された。その結果、比較例3のチョコレートは焼きダレを起こしたが、実施例3のチョコレートは、焼成前と同じ状態で綺麗にパイの中に納まっていた。
〔チョコレートの評価4〕
上記で調製された比較例3および実施例3のチョコレートは、ホバートミキサー(中速:ホイッパー)を用いて15分間ホイップされ、チョコレートクリームが得られた。実施例3のチョコレートを使用したクリームは、比較例3のチョコレートを使用したクリームと比較して、口どけがよく、また、チョコレートの風味立ちが良好であった。
上記で調製された比較例3および実施例3のチョコレートは、ホバートミキサー(中速:ホイッパー)を用いて15分間ホイップされ、チョコレートクリームが得られた。実施例3のチョコレートを使用したクリームは、比較例3のチョコレートを使用したクリームと比較して、口どけがよく、また、チョコレートの風味立ちが良好であった。
Claims (7)
- 油脂と糖類とを含むチョコレートであって、
前記油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が22〜46であるトリアシルグリセロールの含有量が25〜80質量%である、前記油脂の融点以上の耐熱保形性を有する、チョコレート。 - 前記油脂に占める、構成脂肪酸残基の炭素数の合計が32〜40であるトリアシルグリセロールの含有量が15〜65質量%である、請求項1に記載のチョコレート。
- 前記油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で10〜50%、20℃で5〜40%、30℃で0〜10%である、請求項1または2に記載のチョコレート。
- 水の含有量が0.8〜3質量%である、請求項1〜3の何れか1項に記載のチョコレート。
- 焼成された状態にある、請求項1〜4の何れか1項に記載のチョコレート。
- ホイップされた状態にある、請求項1〜4の何れか1項に記載のチョコレート。
- 製造工程中に、水の添加分散工程を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載のチョコレートの製造方法。
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